生産事業所の取り組み

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生産事業所の取り組み
海外事業所における環境保全活動
2000 年度はグローバル環境会議を開催し、相互交流と連携強化を図りました。
海外 12 生産事業所で ISO14001 の認証を取得しました。
グローバル環境会議の開催
各事業所の取り組み事例
2000 年 9 月、東京本社および小山工場で、3 日間にわた
コマツハノマーグ(KOHAG)
り第 1 回「グローバル環境会議」を開催しました。会議に
コマツハノマーグのあるドイツは、環境先進国と呼ばれ
は、北米、欧州、アジア各地域の代表 15 を名含む約 50 名
るように地域や日常生活で環境への取り組みが普及してい
が参加し、環境への取り組み状況や、各海外生産事業所の
るほか、古いモノを大事にする風土があります。そのよう
環境課題について発表と討議を行いました。今後は、地域
な中で、コマツハノマーグは、 2000 年 9 月に ISO14001
での開催を含めた定期的なグローバル環境会議を開催して
を認証取得し、国情にあわせた環境保全活動を推進してい
いくなど、相互交流とさらなる活動の質の向上を図ってい
ます。例えば、廃棄物の排出では減量化や減容化に力を入
きます。
れ、購入品の荷姿に関しては、国内ばかりでなく日本など
海外からの輸入品の梱包についても、リターナブル化やス
海外生産事業所の ISO14001 認証取得
チール製汎用ボックス化などを積極的に提言し改善を進め
ています。また、分別・収集においても、容器の標準化、
海外生産事業所では、各国・各地域の環境保全政策に準
拠した環境対策を進めています。また同時に、コマツの一
圧縮機の導入による減容化も図りながらその徹底を進め、
すでに 80 %以上のリサイクル率を達成しています。
員として、コマツ地球環境憲章に基づいた活動も展開して
一方、溶接工場の集約化など工場再編成の取り組みに合
います。特に、環境マネジメントシステム構築のための手
わせ、工場への天窓設置、出入口の二重扉化、事務所の二
段として推進している ISO14001 の認証取得については、
重ガラス化、給水配管等の更新など、環境や省エネルギー
2000 年度は、米州・欧州での各1事業所、アジアでの 4
へ配慮した細かい対策も積極的に実施しています。その結
事業所が認証取得しました。その結果、18 事業所中 12 事
果、エネルギー消費では、熱量換算で前年比 20% 減を達
業所で認証取得し、残りの事業所についても 2001 年に取
成しました。
得を完了する計画です。
●コマツハノマーグ
第 1 回グローバル環境
会議(本社)
梱包荷姿の改善。
従来の品目別木製梱包
(左)、
コンテナにあわせた汎
用鉄製箱による梱包
(右)
第 1 回グローバル環境
会議
分別収集箱(分別種類別
に色分けされ、工場の適
所に配置)
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生産事業所の取り組み
海外事業所における環境保全活動
米州コマツカンパニー・キャンディアック工場
(CANDIAC)
コマツインドネシア(KI)
コマツインドネシアは、2000 年 6 月にまず組立工場が
当工場は、米州コマツの傘下工場となった 1995 年以降、
ISO14001 の認証を取得し、続いて 2001 年度中に板金お
オゾン層破壊物質(特定フロン、ハロン)の使用・保持の
よび鋳造工場が認証を取得する計画です。同社の環境保全
禁止、地下タンクの地上化、エネルギー使用を水力発電と
活動は、法の遵守、公害防止、継続した環境改善を 3 本柱
天然ガスに特化するなど環境保全に配慮した施策を展開し
とし、各種環境負荷の最小化を目標に、毎年着実な改善を
ています。
進めています。特に法規制の整備と強化への対応では、排
また、一般的に廃棄物の再利用には関心がまだまだ低い
水処理に力を入れているほか、水の使用量の減量化も進め、
風土の中で、2008 年までにすべての廃棄物を再利用また
塗装や洗浄工程での水の循環処理装置の導入や、終末処理
はリサイクルする目標を掲げ、実施しています。目標達成
場での処理水を緑地や樹木への散水に利用し、年間 2,000t
には、従業員の省資源への意識改革と定着化が必要なため、
の水の使用量を削減しています。
例えば、使い捨て型のウエスを再利用型へ変更するなど、
削減により、インドネシア環境庁より 1997 年に表彰を受
地道な活動を進めています。
法規制への対応では、法規制値をさらに下回る活動に取
り組んでいます。例えば、VOC
また鋳造では、砂使用量の低減とそれにともなう廃砂の
*1
けています。2001 年度は、効率的な砂の回収再生設備や
では、2002 年までに現
インバータ式集塵機の導入など、大気汚染への一層の配慮
状の 10% 削減を目標に塗料や塗装方法の改善などを進め
と省資源・省エネルギーを考慮した計画を進めています。
ています。このほか、植樹による工場緑化も進めるなど幅
このほか、一般的にはまだ低い環境意識の中で、事務所
広い活動を展開しています。なお、当工場は 1999 年 10 月
での裏紙利用による紙の減量化や、紙・木くずの分別回収
に ISO14001 を認証取得しました。
を進め、年間 120t をリサイクルに回すなど、全員参加に
* 1 :アメリカ環境庁が大気浄化法の修正により登録した 189 種の有害大気汚染物
質のうち、アルデヒド、ベンゼンなどの揮発性有機化合物を指す。
●米州コマツカンパニー・キャンディアック工場
よる環境保全活動を推進しています。
●コマツインドネシア
植樹による緑化
地下タンクの地上化
(雪に備えて屋内設置)
終末排水処理場
緑地・樹木への散水に
処理水を利用
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小山工場における環境保全活動
1997 年にコマツグループで初めて ISO14001 を認証取得しました。
1999 年からはモデル工場としてゼロエミッション達成に向けて活動を展開しています。
分別管理をきちんと行い、路盤材としてリサイクルしてい
ゼロエミッション活動
ます。また、その他の廃棄物についても下記のような活動
小山工場は、 1999 年からコマツグループの中のモデル
により、分別を定着させています。
工場としてゼロエミッション達成に向けて活動を開始しま
①個人のゴミ箱廃止による事務系ゴミの削減
した。そして 2000 年 11 月には、埋め立ておよび単純焼却
②資料やカタログなどの共用、不要資料の返却やお断り
処分をゼロレベル(1 %以下)にする、といった当初目標
③社内メールによる分別事例写真の活用・指導
を達成しました。
④自動販売機の容器管理徹底
廃棄物の中で最も多い鋳物生産工場の鉱さいについては、
⑤充電式乾電池の普及
小山工場における廃棄物発生量
リサイクル量
処分量
現場の分別箱
事務所の分別箱
処 1000
分
量
・
リ
サ
イ
ク
ル 500
量
︵
平
均
95%
99.98%
100 リ
サ
イ
91%
80 ク
ル
率
︵
60 %
︶
40
t
/
月
︶
20
0
1990
1996 1997 1998 1999 2000
2000 2000/11/4-10 2001/3
0
(年度)
リサイクルセンター
分別見本の掲示
小山工場の環境保全活動の経緯
年度
環境保全活動
∼1996
¡コマツ地球環境憲章の制定/環境目標の策定
¡大型コジェネレーションの配置(省エネルギー)
¡ISO14001認証取得のための準備
1997
¡コマツグループ初の国際環境規格ISO14001認証取得
¡ビニール・プラスチックの減容機導入(産業廃棄物の削減)
¡工場排水による散水冷房システムの導入(省エネルギー)
1998
¡環境汚染未然防止策の検討
・埋設燃料配管の全廃(土壌汚染の防止)
¡ダイオキシン排出への迅速な対応
・焼却炉の廃止および焼却物の徹底分別開始(産業廃棄物の削減)
¡リサイクルセンターの建設(産業廃棄物の徹底分別開始)
¡切り粉ストックヤードの新設(土壌汚染の未然防止)
1999
¡地下タンクのすべての地上化または二重構造化
¡ゼロエミッションプロジェクトチームの稼働
・産業廃棄物の埋め立て"ゼロ"、単純焼却"ゼロ"への取り組み開始
・リサイクルセンターに分別モデルの掲示(徹底的な分別開始)
2000
¡ISO14001更新審査実施
・KEMS(コマツ環境マネジメントシステム)
¡ゼロエミッション活動の加速化
・工場全域での全員による徹底的な分別によるリサイクルの開始
¡グローバル環境会議の対象工場(本社主催:オールコマツ)
社内インターネットでの分別事例紹介
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生産事業所の取り組み
小山工場における環境保全活動
小山工場の省エネルギー改善
全員が分別実習を体験
「廃棄物を削減すること」や「分別すること、分別でき
るものを使うこと」がいかに重要かを全員に理解してもら
年度
主な省エネ改善
1992
¡大型ディーゼルエンジンコジェネレーションの設置
(4台計3,580kW)
1993
¡自動販売機の台数半減(約100台削減)
1994
¡小型の高効率ボイラー
各自に体験させました。さらに、分別種類も ISO14001 取
1995
得前の 2 倍以上の 77 分別に拡大し、現場・事務所が一丸
¡発電所温水の暖房利用拡大
¡エアブローのノズル変更(省エネノズル)
1996
¡工場排水を利用した散水冷房システム導入
となって分別の徹底を心がけました。
1997
¡発電所1号機煙突の廃熱再回収
1998
¡工場排水を利用した散水冷房システム拡大設置
¡排気ファンの改造(フード化 66個)による冷房効率化
¡PT工場屋根の断熱塗装工事
¡発電所2号機煙突の廃熱再回収
1999
¡新事務棟へのエコアイスの導入
¡エンジン発電機EG800の設置
¡ボイラー余熱器の更新
2000
¡工場空調方式の改善(局所化の推進)
¡空調機遠隔操作システム
¡エンジンテストの動力回収
うため、廃棄予定の椅子や現場清掃用の竹ぼうきの分別を
また、以前は「産業廃棄物置場」と呼んでいた保管場所
を「リサイクルセンター」に名称変更し、分別の見本を掲
示したことにより貴重な資源置場として生まれ変わりまし
た。その結果、廃棄物発生量は大幅に低下し、2000 年 11
月以降の埋め立ておよび単純焼却処分量は、目標としてい
た 1 %を下回ることができました。
省エネルギー活動
小山工場はこれまでに、自社製ディーゼルエンジンを応
用したコジェネレーションシステムや、独自のアイデアを
駆使した工場排水による散水冷房システムなどの省エネル
ギー設備を積極的に導入してきました。その結果、工場の
エネルギー原単位は 1990 年度に対して、10 年間で約 20 %
低減することができました。また 1999 年度からは各部に
エネルギーのスペシャリストを育成・配置し、月 1 回の省
エネ会議を柱に外部との技術交流も重ねながら、全部門一
体の省エネルギー活動を展開しています。
工場排水による散水冷房システム
エネルギー原単位の推移
︵ 400
単
位
k R
300
︶
指 100
数
︵
%
︶ 90
80
76
70
60
332
200
96
100
1990
1996
1998
1999
2000
(年度)
社会貢献活動
小山工場では毎月 1 回、社員による工場周辺道路の清掃
活動や花いっぱい運動を実施しています。また、近隣企業
を集めて環境の勉強会などを積極的に行い、地域・企業ぐ
るみの美しい環境づくりに貢献しています。
0
冷房燃料の低減
平年
1998∼2000年
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生産事業所の取り組み
コマツ電子金属(株)における環境保全活動
1997 年に環境基本方針を制定し、
ゼロエミッション活動、省エネルギー活動などに積極的に取り組んでいます。
切削砥粒および油のリサイクル化
コマツ電子金属の環境保全活動
宮崎工場では、円柱状のシリコンインゴットをウェハー状
に切断するワイヤーソー工程から発生する廃油を再生し再利
1960 年に操業を開始したコマツ電子金属は、半導体用高
用化することにより、廃棄物の発生量を低減しました。
純度シリコンウェハーを生産しています。同社では、生産に
おける環境保全活動を体系的に推進するため、ISO14001
の認証取得(1998 年に 3 事業所で取得済み)を機に、重点
ワイヤソー
廃棄スラリー
産廃廃油
再生処理設備
再生スラリー
取り組み項目を設定し取り組みを実施しています。
セメント乾燥炉助燃材
(廃産業者経由)
再生サイクル
廃油搬出原単位推移(2000年第1四半期を100とした場合の指標)
指 100
数 80
︵
% 60
︶ 40
ゼロエミッション活動
廃プラスチックのリサイクル化
20
0
長崎工場では、廃棄物の一部を焼却処理していました。
100
94
84
68
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
(2000年)
しかし、2000 年 12 月の焼却炉停止にともない、以下のよ
廃エッチング液のリサイクル化
うなリサイクル化に取り組んでいます。
宮崎工場では、ウェハーのエッチング工程から発生する
①廃プラスチックを、セメント工場でサーマルリサイクル
廃液(混酸)についても、再生システムを開発し再利用す
するため、圧縮梱包機を導入
ることにより、廃棄物の発生量を低減しました。
②梱包緩衝材をゲル化しさまざまなプラスチック材料に
するため、減容機を導入
エッチング
廃混酸
産廃混酸
再生混酸
鉄鋼メーカー金属洗浄剤
(廃産業者経由)
再生サイクル
産廃処理
薬液添加装置
廃混酸搬出原単位推移(1999年上期を100とした場合の指標)
指 100
数 80
︵
% 60
︶ 40
コマツ電子金属環境基本方針
20
0
当社は、地球環境の保全が重要課題の一つであると認識し、環境
100
83
83
68
1999年上期
1999年下期
2000年上期
2000年下期
保全に配慮した企業活動をとおして、地域との融和、社会への貢
献を目指します。
1. 環境への影響度を考慮した目的及び目標を定め、環境負荷の
低減・汚染防止等の環境保全の継続的な改善に取り組みます。
2. 環境保全に関する法令及び地域との協定等を遵守すると共に
自主基準を設けて、その管理の維持・向上を図ります。
3. 地球資源の有限性、企業活動が環境に与える影響を認識し、
全員で環境保全活動に取り組みます。
(1997 年策定)
重点取り組み項目
主な項目
事業所
長崎工場
宮崎工場
平塚事業所
ゼロエミッション
2003年度よりゼロレベル*1
2005年度よりゼロレベル*
2005年度よりゼロレベル*
2000年度リサイクル率
75%
2003年度までに1995年度比50%削減
省エネルギー
(生産量あたり使用電力量指標) 90%
72%
1997年度を100とし各年ごとに1%以上削減
1997年度を100とし各年ごとに3%以上削減
−
特定フロン
2005年度までに全廃
2003年度までに全廃
ハロン
−
2005年度までに全廃
−
廃棄物焼却炉の停止
2000年度中に残り2基を停止
−
−
地下埋設タンク
−
2001年度までに2基のタンクを二重壁化
−
オゾン層保護
*1:リサイクル率99%以上
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生産事業所の取り組み
コマツ電子金属における環境保全活動
暖まった大量の冷却水の熱を、年間を通して生産工程のク
汚泥のリサイクル率向上
長崎工場では、冷却塔のブロー水を利用して、汚泥に含
リーンルームの加湿・温度調節に有効利用しています。特
まれている塩素分を除去する装置を導入しました。これに
に 12 月∼ 3 月は、この冷却水廃熱とクリーンルーム空調
より、 2000 年 2 月から汚泥の 100 %リサイクル化が可能
設備(冷凍機)から発生する廃熱を利用して、建物ほぼ 1
となりました。
棟分(生産工程と事務所、延べ面積 6,600m2)を暖房して
います。この省エネルギー効果は、一般家庭での電力使用
量 370 戸分であり、平塚事業所の使用電力量の 2 %に相当
省エネルギー活動
します。
また、廃熱の有効利用は、冷却塔用水の削減という効果
電力量原単位の低減
長崎工場では、製品歩どまり向上による使用電力の削減、
もあります。平塚事業所は、用水のほとんどを地下水に依
各種ポンプ・ファン用モーターへのインバータ制御の採
存している現状から、この用水削減は地盤沈下という側面
用、力率改善用コンデンサの設置など、電力消費削減活動
からみても有効です。
を進めています。
* 1 :多結晶シリコンを、1,500 ℃に加熱、溶融し、単結晶シリコンインゴットを生
産する装置。
冷却水廃熱・冷凍機廃熱の利用
平塚事業所では、今まで利用していなかった CZ 炉
*1
で
汚泥のリサイクル率推移
汚泥のリサイクル図とリサイクル推移
工場排水
排水処理施設
︵
% 100
︶
80
シリコン汚泥
遠心分離器
60
40
20
フッ化カルシューム汚泥
0
脱水処理機
塩素を含んでいる汚泥
2000年2月から
100%リサイクル化
1996 1997 1998 1999 2000
(年度)
冷却塔の
ブロー水を利用
排水
脱水処理機に
塩素分の除去
工程を設置
汚泥
セメント会社
コマツ電子金属(株)長崎工場における電力使用量指数
電 100
力
使
用 75
量
指
数 50
25
0
1995
1996
1997
1998
1999
2000
(年度)
電力使用量指数は1995年度8インチウェーハ生産量あたり使用量を100として
指数化しています