『幸福の条件を考える』

学校教育目標「気づき・考え・実行する」
第
11
号
三郷市立北中学校
平 成 25年 2月 27日
〒 3 41 0 0 5 4
三 郷 市 泉 267-1
℡ 048-952-5281
1年 155名 2年 140名
3年 126名
計 421名
あ「明るいあいさつ」じ「授業に集中」さ「さわやかな環境」い「一緒に感動」
『幸福の条件を考える』
校長
谷口
喜久男
弥生3月となりまして、水も温む季節となってきました。学校は学年末ということで、3年
生は公立高校の入学試験や卒業式の準備、1、2年生は学年のまとめと進級の準備に入ること
になります。
さて、先日ある本に「人生の幸福の5つの条件」ということが書かれていました。これはス
イスの心理学者であるカール・ユングという人が述べたもので、次のように書かれていました。
1 健康であること
2 ほどよい程度のお金があること
3 美しいことを感じる能力があること
4 人と仲良くしていく能力があること
5 朝起きたとき、やらねばならない仕事があること
これは、読めば読むほど平凡なことですが、とても大切なことだと思います。
一番目の「健康」はいうまでもありません。健康であることは何事にも代え難いものです。
特に年齢を重ねるごとに、健康であることのありがたさは身にしみてくるものです。
二番目の「ほどよい程度のお金があること」の「ほどよい」とはどの程度か、個人によって
違いが大きくあると思いますが、お金持ちが必ずしも幸福であるとは限りません。有り余る財
産に振り回されることなく、自分の力量で活用し、自分のペースを崩さず生活できる程度と考
えておけばいいのかもしれません。
三番目の「美しいことを感じる能力」も確かに人生の幸福の条件だと思います。ものを見た
り聞いたりして、美しさを感じるのは一つの能力なのですが、この美しさには優しさとか、豊
かさも含まれていると思います。
例えば、登山をして山の頂上に立った時、遠くの山並みを見て、「美しいなあ、ここまでくじ
けずに登ってきたからこそ、この美しい景色を見ることができたんだ」とか、美しい花を見て
「きれいだなあ、部屋に花があると心が豊かになる」と素直に感動できる心を持てることが幸
福につながるものと思います。
四番目の「人と仲良くしていく能力」ですが、これもかなりグレードの高い幸福の条件です
ね。私たちがコミュニティの中で良好に生活するための大きな条件です。人は一人では生活で
きません。他人とのかかわりをどのように築いていくかが大きな課題となるのではないでしょ
うか。
最後の「朝起きた時、やらねばならない仕事がある」こと。これは素晴らしいことだと思い
ます。私たちは勉強や仕事に追われて苦しい、辛いと愚痴ることもありますが、することのあ
る有り難さをじっくり味わう必要があります。
3年生は15日に卒業証書授与式を迎えることとなります。これは、卒業生本人にとっても
保護者の方々にとっても大きな喜びではないのでしょうか。
中学校の卒業は、義務教育の全教育課程を終えることにより、大人への最終準備段階に突入
する旅立ちということになります。是非、幸福な大人になってもらいたいと願っております。
最後に私事で大変恐縮ですが、この3月末をもって北中を最後に定年退職を迎えることとな
りました。保護者並びに地域の皆様方にはひとかたならないお世話になりまして誠にありがと
うございました。今後におきましても北中への変わらぬご支援・ご協力をお願いしまして御礼
の言葉といたします。ありがとうございます。
「幸福は、何気ない日常の中にあるものです」