平成27年度版

平成27年度版
目 次.
【法第2条関係】
Page
1. 建築物としての取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2. 立体駐車場の建築物としての取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
3. ラック式倉庫の建築物としての取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
4. 駅舎の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
5. 建築物の用途の取扱い(1) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
6. 建築物の用途の取扱い(2) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
7. 建築物の用途の取扱い(3) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
8. 集会場の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
9. 長屋としての取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
10. 居室(非居室)の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
11. 床としての取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
12. 主要構造部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
13. アーケードの取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
14. 延焼の恐れのある部分(1) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
15. 延焼の恐れのある部分(2) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
16. 延焼の恐れのある部分(3) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
17. 延焼の恐れのある部分(4) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
18. 延焼の恐れのある部分(5) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
19. 鉄骨造の耐火被覆(小屋組等)について・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
20. 自動車車庫における外壁の開口部の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
21. イの準耐火建築物の屋根のトップライト・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
22. ロの1の準耐火建築物の外壁を支持する部材・・・・・・・・・・・・・・・・ 25
23. ロの2の準耐火建築物の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
24. ロの2の準耐火建築物の準不燃材料とする範囲・・・・・・・・・・・・・・・ 27
25. ロの2の準耐火建築物の屋根・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
26. 改築の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29
27. 大規模の修繕及び大規模の模様替・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
28. 小屋裏物置の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
29. 開放廊下の適用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
30. 準耐火建築物等の延焼の恐れのある部分・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
31. ガソリンスタンド洗車場棟の延焼の恐れのある部分・・・・・・・・・・・・・ 34
【法第3条関係】
32. 工事の着手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35
33. 既存不適格建築物の適用除外に係る取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
-1-
34. 防火・避難規定上の別棟としての取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
35. 同一棟増築等に係る既存部分の法適用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38
36. 旧法第38条認定を取得しているテント倉庫の取扱い・・・・・・・・・・・・ 39
【法第6条関係】
37. 敷地が2以上の特定行政庁にまたがる場合の取扱い・・・・・・・・・・・・・ 40
38. 主要構造部の一部に鉄骨造等を用いた木造建築物の取扱い・・・・・・・・・・ 41
39. 工作物の確認申請・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42
40. 一敷地内で複数棟をそれぞれ確認申請する場合の取扱い・・・・・・・・・・・ 43
41. 赤道の払い下げ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44
【法第6条の3関係】
42. 兼用住宅及び付属車庫等に関する特例の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・ 45
【法第7条の5関係】
43. 建築物に関する検査の特例の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 46
【法第21条関係】
44. 大規模建築物の主要構造部の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47
【法第22条関係】
45. 法第22条区域内等の建築物の屋根の特例・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48
46. バルコニー等の床の屋根としての取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49
【法第23条関係】
47. 木造建築物等以外の建築物とみなす取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50
【法第24条関係】
47. 木造建築物等以外の建築物とみなす取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・(50)
48. 軒裏に防火構造が求められる場合の鼻隠し及び破風の措置・・・・・・・・・・ 51
【法第25条関係】
47. 木造建築物等以外の建築物とみなす取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・(50)
48. 軒裏に防火構造が求められる場合の鼻隠し及び破風の措置・・・・・・・・・・(51)
【法第26条関係】
49. 主要構造部が不燃材料で造られたものの取扱い・・・・・・・・・・・・・・・ 52
-2-
【法第27条関係】
50. 準耐火建築物としなければいけない自動車修理工場・・・・・・・・・・・・・ 53
51. 荷さばき所、倉庫、工場等の車両寄りつき用庇の取扱い・・・・・・・・・・・ 54
【法第28条関係】
52. 教室の採光規定の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55
53. 児童福祉施設等の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56
54. 採光関係比率及び採光補正係数の導き方(1) ・・・・・・・・・・・・・・ 58
55. 採光関係比率及び採光補正係数の導き方(2) ・・・・・・・・・・・・・・ 59
56. 採光関係比率及び採光補正係数の導き方(3) ・・・・・・・・・・・・・・ 60
57. 採光関係比率及び採光補正係数の導き方(4) ・・・・・・・・・・・・・・ 61
58. 採光関係比率及び採光補正係数の導き方(5) ・・・・・・・・・・・・・・ 62
59. 採光関係比率及び採光補正係数の導き方(6) ・・・・・・・・・・・・・・ 63
60. 採光関係比率算出における半透明の庇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 65
61. 吹きさらし廊下等に廊下等に面する開口部の採光上の取扱い・・・・・・・・・ 66
62. 縁側等に面する場合の採光補正係数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67
63. 吹抜き部分に面する開口部の採光上の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・ 68
64. 学校、病院、児童福祉施設等の居室の採光・・・・・・・・・・・・・・・・・ 69
65. 公園・広場・川その他これらに類する空地又は水面の取扱い・・・・・・・・・ 70
66. ドア・シャッター等の採光の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71
67. 屋根の機能を有さない場合の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 72
68. 採光における二室を一室とみなす取扱い(1) ・・・・・・・・・・・・・・ 73
69. 採光における二室を一室とみなす取扱い(2) ・・・・・・・・・・・・・・ 74
98. 開放廊下に設定するルーバーの取扱い ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(110)
【法第35条関係】
70. 令第117条第2項の区画を建築設備等が貫通する場合の措置・・・・・・・・ 75
71. 屋外階段としての取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76
72. 屋内階段の開口部延焼の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77
73. 2以上の直通階段を設ける場合の屋外階段の踊場と開放廊下部分の兼用・・・・ 78
74. 直通階段、2 以上の直通階段の設置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 79
75. 2 以上の直通階段の避難経路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 80
76. 避難階段の設置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 81
77. 屋外(避難)階段付近へのガス機器の設置・・・・・・・・・・・・・・・・・ 82
78. 特別避難階段の開口部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 85
79. 排煙設備の適用除外部分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 86
80. 排煙上の天井高の取り方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 87
81. 住宅展示場の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88
-3-
82. 防煙区画間の仕様・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 89
83. 防煙区画内の排煙設備の設置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 90
84. 排煙設備の取扱い(シャッターの場合) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 92
85. 排煙設備上の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 93
86. 排煙設備の免除(工場クリーンルーム) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 94
87. 非常用の照明装置の設置不要部分(1) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 95
88. 非常用の照明装置の設置不要部分(2) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 96
89. 非常用の照明装置の設置不要部分(3) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 97
90. 風除室の非常用の照明・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 98
91. 学校等における非常用照明装置の設置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 99
92. 非常用の進入口又は、代替進入口を設置すべき外壁面 ・・・・・・・・・・・100
93. 非常用進入口の設置(1) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・102
94. 非常用進入口の設置(2) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・104
95. 専用住宅に設ける代替進入口の特例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・106
96. 非常用の進入口に代わる開口部の有効幅及び高さ・・・・・・・・・・・・・・107
97. 敷地内の通路の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・108
98. 開放廊下に設定するルーバーの取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・110
【法第35の2条関係】
99. 教室の天井高さ、内装制限上の床面積の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・111
100. 特殊建築物等の内装制限・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・112
101. 小屋組の内装制限の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・113
【法第36条関係】
51. 荷さばき所、倉庫、工場等の車両寄りつき用庇の取扱い ・・・・・・・・・・(54)
102. エレベーターの竪穴区画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・114
103. ライトコートの取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・115
【法第61条関係】
48. 軒裏に防火構造が求められる場合の鼻隠し及び破風の措置・・・・・・・・・・(51)
49. 主要構造部が不燃材料で造られたものの取扱い・・・・・・・・・・・・・・・(52)
【法第62条関係】
47. 木造建築物等以外の建築物とみなす取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・(50)
48. 軒裏に防火構造が求められる場合の鼻隠し及び破風の措置・・・・・・・・・・(51)
【法第63条関係】
45. 法第22条区域内等の建築物の屋根の特例・・・・・・・・・・・・・・・・・(48)
-4-
【法第64条関係】
20. 自動車車庫における外壁の開口部の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・(23)
【法第86条関係】
26. 改築の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(29)
【法第88条関係】
39. 工作物の確認申請・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(42)
【法第92条関係】
104. 高さ、階数に算入しない場合の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・116
【法第93条関係】
37. 敷地が2以上の特定行政庁にまたがる場合の取扱い・・・・・・・・・・・・・(40)
【令第1条関係】
105. 用途上、可分・不可分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・117
-5-
法第2条第一号
1.建築物としての取扱い
(1)次に該当するものは建築物として取り扱う。
①自力若しくはけん引等により移動できないもの又は電気給排水等の設備を設けて
いる廃車となったバス・電車・客車・貨車等を利用した施設、コンテナ
(H9住指発第170号)
②船を岸壁に係留し桟橋を介し陸上から給排水等の処理を行う施設
③光通信装置シェルター(H23.3.25 国住指発第 4933 号のコンテナ型データセンタ
を除く)、キャッシュコーナー(ブースタイプ)
④開閉式プール上屋
⑤サイロ上部に設ける機械室(人の出入りが、保守点検のみの場合を除く。)、
キュービクルまたはボイラー等に設ける機械室
⑥建築設備である受水槽の下部に設けるポンプ室で天井の高さが1.4mを超える
もの
⑦浄化槽等における槽以外の部分で、扉や階段等の形態により「室」を形成してい
る部分(機械室等)
(2)次に該当するものは、建築物として取り扱わない。
①海水浴場の店、休憩所等で屋根を天幕、ビニール、すだれ、よしず等でふいたも
ので取り外しが自由で、永続的屋内空間を生み出さない施設
②温室で、屋根及び壁がビニールなどで、取り外しの自由なもの(ガラス温室は建
築物として取り扱う。ただし、住宅に付属する床面積の合計が10㎡程度の小規
模なもので、野菜・草花等の栽培目的の自家用のものは建築物として取り扱わな
い。)
③簡易なテント工作物で、次の各号のいずれかに該当するもの
(ア)テント製の簡易な巻き上げ、軒出し
(イ)一時的な使用を目的としたキャンプ用テント、運動会用テント等
④小規模で一般的な証明写真用の撮影ボックス
関連告示
参考
1
法第2条第一号
2.立体駐車場の建築物としての取扱い
(1)建築物内に設けられる機械式自動車車庫は当然建築物であるが、屋根及び壁を有し
ない機械式自動車車庫で設置面からの高さが8mを超えるものは、法第2条第1号
の「高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設」
に該当する建築物として扱う。
(2)屋根及び壁を有しない機械式自動車車庫で設置面からの高さが8m以下のものは工
作物であり、令第138条第3項第二号に該当するもののみが、確認申請及び法第
48条の許可の対象になる。
(3)機械式自動車車庫で床として認識することが困難なものは、駐車台数1台につき
15㎡として床面積を算定する。また、建築物内に設置される機械式自動車車庫は
建築物の一部である為、駐車台数1台につき15㎡として床面積を計算した数値と、
各階の床と同位置に床があるものとして算定した数値のうち大きいほうの数値を床
面積とする。
高さ
(4)階層が不明瞭なもの(拡がりをもった床版がないもの及び床版が可動式のもの)の
階数は1とする。
(昭和50年告示第644号、昭和35年住発第368号、昭和59
年東住指発第143号、昭和61年住指発第115号)
出入口
高さ
出入口
設置面
(吊り下げ式)
設置面
地下ピット
地下ピット
関連告示
参考
2
法 2 条第一号
3.ラック式倉庫の建築物としての取扱い
(1)ラック式倉庫等の扱い
ラック式倉庫、多層式倉庫の階数の算定、床面積の合計の算定、形態の構造制限、
防火区画、開口部の防火措置、避難施設等については、昭和60年5月8日全国建
築行政連絡会議において、
「特殊な形式の倉庫の扱いについて」
(「ラック式倉庫(立
体自動倉庫)の取扱い」)が定められている。(平成5年改定)
① 多層式倉庫
多層式倉庫については、人が作業可能な部分を通常の床とみなして階数の算定
を行い、これに基づいて建築基準法の規定を適用する。
② ラック式倉庫
ラック(Rack)式倉庫とは、
「物品の出し入れを搬送する施設によって自動的
に行い、通常、人の出入りが少ないもの」をいう。また、消防法では、「棚又は
これに類するものを設け、昇降機により収納物の搬送を行う装置を備えた倉庫」
と定義されている(令第12条第1項第五号)。
ラック式倉庫では、保管物品はリフトにより所定の棚に自動的に収納・搬出さ
れる。一般の建築物と同様に、床や床面積の概念で括ることは不可能であり、取
扱いについての取決めがなされている。
ラック式倉庫と多層式倉庫を複合した形式の倉庫については、上記の①②の取
扱いを勘案して、安全側で判断される。
(2)階数の算定
当該部分の階は1とする。
(3)床面積の合計の算定
① 法第3章(第5節を除く。)の規定を適用する場合の床面積の合計は、床面から
当該部分の高さ5m 毎に床があるものとして算定する。
② 法第3章(第5節を除く。)以外の規定を適用する場合の床面積の合計は、当該
部分の階数を1として算定する。
(4)形態による構造制限
当該建築物の構造は、地盤面からの当該部分の高さ及び床面積の合計〔(3)②に
よる。〕に応じて、次の表による。ただし、軒高が10mを超えるもので、令第10
9条の3第1項第一号の規定による準耐火建築物とするものにあっては、当該建築
物の部分の外周にある主要構造部である柱は、耐火構造としなければならない。
3
当該部分の床面積の合計(㎡)
500
未満
当該
10未満
部分の
10以上
高さ
15未満
(m)
500以上1000未満
1000以上1500
1500
未満
以上
耐火建築物又は準耐火建築物
耐火建築物又は
令第109条の3第一号の規定による
15以上
準耐火建築物
(5)危険物の貯蔵について
当該部分に、令第116条第1項の表に規定する数量以上の危険物を貯蔵する
ものは、耐火建築物又は準耐火建築物(ロ準耐)としなければならない。また、
屋根の構造については、消防機関と協議すること。
(6)防火区画
① 令第112条第1項から第4項までの適用にあっては、当該部分は同条第1項
第1号の建築物の部分とする。
② 当該部分の高さが15m を超えるものにあっては、令112条第9項により防
火区画とする。
③ 当該部分とその他の用途部分は、令第112条第13項により防火区画とする。
(7)開口部の防火措置
当該部分の外壁に設ける開口部には、防火設備を設ける。
(8)避難施設等
① 当該部分には、原則として直通階段、避難階段、特別避難階段、非常用の照明
装置、非常用の進入口及び非常用のエレベーターの設置を要しない。
② 当該部分が令第126条の2第1項第四号又は平成12年告示第1436号の
規定に適合する場合は、排煙設備の設置を要しない。
(9)積載荷重
① 当該部分の積載荷重は、積載物の種類及び各棚の充実率の実況に応じて計算
する。
② 各棚の充実率は、応力及び外力の種類に応じて、次の表によることができる。
4
応力の
種類
荷重及び外力について想定する状態
ラックの充実率(%)
常時
100
積雪時
100
長期の
応力
短期の
応力
備考
建築物の転倒、柱の引抜等を検討
暴風時
80
する場合は、ラックの充実率を
50%とすること
地震時
80
(10)荷役運搬機械
専ら荷役運搬の用に供する特殊な搬送施設は、法第2条第三号に該当する昇降
機とはみなさない。
(11)備考
① (3)の床面積はラック部分全体の床面積を算定するものとし、スタッカーク
レーンの移動部分を含む。
② (6)③の「当該部分」には原則として作業の用途に供する部分を含まないも
のとし、物品保管の用途に供する部分と作業の用途に供する部分は防火区画
を要する。
関連告示
参考
5
法第 2 条第一号
4.駅舎の取扱い
(1)橋上駅、地下駅に至る通路、コンコース等(駅ビル、地下街の部分を除いた駅施設
の部分に限る。)に面して設けられる駅員事務室、運転手控室、倉庫、便所等につい
ては、ラッチ外の当該通路(地上の出入口部分を含む。)、コンコース等の部分を含
めて、高架又は地下の工作物内に設ける事務所、店舗その他これらに類する施設の
建築物として取扱う。なお、ラッチ内のコンコース、プラットホーム、線路横断の
ための跨線橋、地下通路等の部分は、建築物として取扱わない。
(2)ただし、プラットホーム上に設ける店舗等で、ブースタイプのものなど簡易な構造
のものであって、床面積が10㎡以内のものは、建築物として取り扱わない。
建築物として取り扱うものについては、各々別棟として、人工地盤上にあるものと
して取り扱う。防火・準防火地域内であっても、延焼の恐れのある部分の規定は適
用しない。
(3)運転保安に関する施設は、信号装置、転てつ装置、列車運転用通信装置等のみに直
接関係する施設(通信信号機室等)のほか、次の運転保安関連施設が該当し、建築
物として取り扱わない。
① 非常用発電機室(信号装置等のみに係るものとし、建築設備の予備電源を兼ね
る場合は除く。)
② 換気機械室(事務所、店舗等の負荷を負担している場合は除く。
)
③ 排煙用機械室(駅構内、隧道用のみに係るもの。
)
(4)ラッチ外の通路、コンコース等の部分及び地上の駅舎の出入口部分の建築物に設け
る昇降機については、建築設備として取り扱う。なお、それ以外のラッチ内のコン
コース、プラットホーム等に設けられる場合は、建築設備として取り扱わない。
(5)地下駅に至る通路及びラッチ外のコンコース等の建築物の部分については、ラッチ
内のコンコースからの避難経路の延長部分にもなっている。このため、当該部分に
ついての防火、避難に関する規定の適用は、避難上支障のない場合においては、ラ
ッチ内の工作物(コンコース、通路)と同様に規定の適用がされない通路として取
り扱う。
なお、高架の工作物の部分についても、十分な開放と不燃材料で造られたもので、
火災の発生の恐れが少ないものは、防火規定等の適用はないものとする。
関連告示
参考
6
法第2条第二号
5.建築物の用途の取扱い(1)
(1)
コインランドリーは、洋服店、畳屋等のサービス店舗として取り扱う。
(2) 動物病院は、その他の事務所扱いとする。ペットを預かる施設がある場合は畜舎
として取り扱う。
(3) デイサービスセンターは、児童福祉施設等と、グループホーム・ケアホームは寄
宿舎として取り扱う。
(4) 予備校のうち、各種学校又は専修学校として学校教育法に基づき認可されたもの
は建築基準法上の学校の用途として取り扱う。上記に該当しないものについては、
令第 130 条の 5 の 2 第五号に規定する学習塾として取り扱う。
(5) 多目的利用の体育館について、本来の体育館としての機能以外に、舞台(固定、
可動を問わない)、移動席、映写室、又は調光室等を備えたもので、集会場、観覧場
等の用途としても利用される場合、それらに関する規定をあわせて適用する。
(6) 作業場を有する自動車部品の販売店舗については、店舗部分のサービス性が強い
ことから、道路運送車両法に基づく分解整備、又は板金・塗装を行わなければ、自
動車修理工場として取り扱わない。
関連告示
参考
7
法第2条第二号
6.建築物の用途の取扱い(2)
(1) スポーツ練習場には、ボウリング、レスリング、バレーボール、テニス、ゴルフ、
バッティング、卓球、体操、柔道、剣道などの練習場は含まれるが、サーキット
トレーニング、エアロビクス、ジャズダンス、美容体操、ヨガ道場は、スポーツ練
習場には該当しない。
なお、スポーツ練習場でも、スポーツショー等を人に観覧させる為の部分を有す
るものは、法別表第1(い)欄(1)項の観覧場に該当する。
(2)
旅館・ホテルの取扱い
①宿泊施設を持つ研修所のうち、旅館業法の適用を受けるものは、建築基準法上も
旅館に該当する。
(旅館業法の適用を受ける場合)
会員制度の宿泊施設、会社及び工場等の厚生施設(労働基準法の対象となるも
のを除く。)など、特定人を対象とする宿泊施設であって、宿泊料を受け、会
員社員等を宿泊させる場合
(旅館業法の適用を受けない場合)
会社、工場等の寮、その他特定人を対象とする宿泊施設であって、ごく低廉
な食事代の実費しか徴収しないもの
② 旅館業法に規定する簡易宿泊所(宿泊をする場所を多人数で共用する構造及び設
備を主とする施設)については、建築基準法上は旅館に含まれるものとして扱う。
③ ウイークリーマンション、マンスリーマンションについては、旅館業法の適用を
受ける場合は、旅館として取り扱う。
関連告示
参考
8
法第2条第二号
7.建築物の用途の取扱い(3)
(1) 遊技場とは、風俗営業法等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年
法律第122号)による遊技設備を設けて客の射幸心をそそるおそれのある遊技を
させるための営業施設をいい、次のものが該当する。
①マージャン屋
②パチンコ屋
③射的場
④ゲームセンター、カジノ等
(飲食店等にスロットマシン、テレビゲーム機等を設置しただけのも
のは、直ちにこれに該当するものではない。
)
(2)
次に掲げるものは遊技場に該当しない。
① 碁会所
② 将棋道場
③ ビリヤード場、ダーツ場
(ただし、風営法の規制対象施設となる場合は、遊技場として取り扱う。)
なお、勝馬投票券発売所等については、法別表第1(い)欄(4)項に規定する物品販
売業を営む店舗に該当するものとし、カラオケボックス(コンテナボックスを利用し
たものを含む。)は、同表(い)欄(4)項に規定する遊技場に該当するものとして取り
扱う。
関連告示
参考
9
法第2条第二号、法別表第1
8.集会場の取扱い
(1)集会場とは、不特定多数の者が集会場等に利用する建築物又はその部分をいう。
① 集会場に該当する建築物の例
●文化会館
●市民ホール
●多目的ホール
●結婚式場
●葬祭場
●セレモニーホール
② 集会場に該当する建築物の部分の例
●大会議室
●ホテルの宴会場
※主要な使用形態が集会場に該当しない建築物であっても、大きな会議室やホテ
ルの大宴会場など、建築物の一部に不特定多数の者が集まり、一般の集会等に
も使用できる室があるものについては、集会場にも該当する者として取り扱う。
この場合、1室の床面積が、法別表第1(は)欄1項で規定されている 200
㎡以上のものを「不特定多数の者が集会等に利用できる室」とみなす。
※可動間仕切りで仕切られた複数の室で、これらを取り外して全体を1室として
利用できるものは1室とみなす。
③ 教会、寺院などの礼拝堂で、祭壇などが設置され、信者など利用者が関係者に特
定される場合において、礼拝のみに使用することが明確な施設については、建築
基準法上の集会場には該当しないものとして取り扱う。結婚式を開催するなど不
特定の者による利用が見込まれ、かつ多数の者が利用すると判断される礼拝堂は、
集会場に該当するものとして取り扱う。
(2)特定の者が利用することから集会場に該当しない例
・学校の専用体育館や講堂
・企業の職員や従業員が利用する会議室や研修室等
10
(3)地区公民館又は地区集会所で、次に該当するものの関係条項については以下の表の
とおり取り扱う。
① 延べ面積が 100 ㎡以上のもの。
② 一つの集会室の面積が 200 ㎡以上のもの。(いずれも平屋建てに限る。)
○:適用する
×:適用しない
条文
項目
①
②
法6条1項1号
建築物の建築等に関する申請及び確認
○
○
法24条
外壁・軒裏 防火構造
○
○
法27条
耐火・準耐火建築物
×
×
法28条3項
居室の換気
×
○
令20条の2
換気設備の技術的基準
×
○
令23条
階段
×
−
令43条
柱の小径
○
○
令112条12項、13項
異種用途区画
×
×
令118条
出入口の戸
×
×
令119条
廊下の幅
×
×
令120条
直通階段
×
×
令121条
2以上の直通階段
×
−
令126条の2
排煙
×
○
令126条の4
非常用照明
×
○
令128条の4
内装制限
×
○
令128条
敷地内通路
×
×
関連告示
参考
11
法第2条第2号
9.長屋としての取扱い
(1)次の各号に該当するものを長屋として取り扱う。
①外壁又は屋根が一体であること。
②各住戸の界壁は一重を原則とするが、二重の場合は外壁の仕上げが一体的である
こと。
③各住戸の屋根が段違いの場合は、界壁は一重であること。
④界壁が局部的な場合に、その界壁の長さは各住戸の界壁方向の壁の長さの1/2
以上あること。
一重界 壁
一重 界壁
住戸
住戸
住戸
住戸
住戸
L
住戸
≧ 1 /2 L
一体 的仕上 げ
二重界 壁
(2)各住戸専用の階段が設けられた集合住宅は、共同住宅でなく重ね建ての長屋として
取り扱う。
各 住 戸 専用 階 段
住戸
住戸
住戸
関連告示
参考
12
法第 2 条第四号
10.居室(非居室)の取扱い
(1)居室には、居間、寝室、台所、応接室、書斎、店舗の売場、工場の作業所、当直
室、会議室、待合室、観覧席等が含まれるが、次に該当する場合は、建築基準法
上の居室としては取り扱わない。
① 住宅の台所で次の各号に該当する場合
イ.調理のみに使用し、食事等の用に供しないこと。
ロ.床面積が小さく(4.5畳程度)、他の部分と間仕切等で明確に区画
されていること。
台 所
台 所
垂 れ 壁
間 仕 切 壁
食 事 室
②
食 事 室
ただし、採光上の区画に用いる垂れ壁については、30cm 以上、排煙
又は内装制限上の区画に用いる垂れ壁については、50cm 以上下方に
突出していること。
診療所(患者の収容施設がないものに限る。)の X 線室及びその操作
室、暗室(ただし、小規模な診療所であって、使用頻度のきわめて少
ない場合に限る。)
(2)居室に該当しないものとしては、玄関、廊下、階段室、便所、手洗所、浴室、物置、
納戸等がある。
ただし、公衆浴場の浴室・脱衣室、ホテル・旅館の大浴場・脱衣室は、居室に該当す
る。
関連告示
参考
13
法第2条第五号
11.床としての取扱い
(1)次の各号の一に該当する場合は、建築基準法上の床としては取り扱わない。
①キャットウォーク又は工場の保守点検用の通路等で幅が 1m 程度のもの
②建築設備の架台等で小規模なもの(グレーチング等の簡易な金属製の床)
プ ラ ン ト 架 台が 階数 に 算入 さ れ な い 場合 の 条件
プ ラ ン ト 架台と みな す 場合の条件
( ① 及 び ②に よ る ) [ 架 台 O R 建 築 物 の 判 断 ]
① 床 は グ レ ー チ ン グ 等 上 下 が透 か す 事 がで き る 材質 と す る 。
( 但 し 、 通 路 等必 要 最 小 幅で 1 m 程 度は C H P で も 可 と す る )
① 屋 根 を 設 置し な い こ と 。
② 床はグ レ ーチ ン グ 等上下が透かす事がで き る 材質と す る 。
( 但 し 、 通路 等 必 要 最 小 幅 で 1 m 程 度 は C H P で も 可 と す る )
例ー2
Q:
下 図 のよ う な 場合
A:
階数と みな す
プ ラ ント
例ー1
Q:
A :
既存3 層グレ ーチ ン グ 床に屋根を 設置し た 場合
平 屋 建 の 建築 物
( 但 し 、 2 , 3 層 部 分 が ② を 満 た さ な い 場 合 は 階 数 と みな す )
屋根を設置し た場合
1 5 00
グレ ーチン グ床
C H P床
1 5 00
(2)図書館(学校の図書室を含む。)の屋内に設ける積層式書庫については、次の各号
に該当するものに限り、その床版(層)を建築基準法上の床としては取り扱わない。
①書架が設置される周囲の壁、柱、床、はり及び屋根は耐火構造とする。
②主要構造部以外の構造部分(床版(層)、棚、階段等)は全て不燃材料とする。
③書架が設置される部分の階高は 5m 以下とする。
層
2階
( 5 m以 下 )
床
階段
棚
1階
( 5 m以 下 )
関連告示
参考
14
法第2条第五号
12.主要構造部
「主要構造部」については、法では建築物の主要部に対し、防火上、種々の制限を加える
場合が多いので、防火上主要な部分を一括して主要構造部としている。従って、下記のも
のは全て防火上主要な部分であるため、主要構造部として取り扱う。
①
②
③
④
⑤
令第114条の界壁
防火上有効な庇、そで壁
外壁又は床を支持する小梁
防火区画を形成する床、壁
防火上主要な間仕切壁のうち、構造上重要なもの(耐力壁)
関連告示
参考
15
法第2条第六号
13.アーケードの取扱い
道路上のアーケードは、隣棟建物と同様に扱う。(道路とは異なる扱いとする)
延焼のおそれのある部分は、道路の中心からではなく、境界線から発生するものとして取
り扱う。
関連告示
参考
16
法第 2 条第六号
14.延焼の恐れのある部分(1)
3m
(5
m)
同一敷地内の 2 以上の建築物相互間の延焼ラインのとり方は下図のとおりである。
図 -2
3m
(5
m
)
延 焼 の 恐れ の あ る 部 分
A 棟
を適用しない。
3 m ( 5 m)
延焼の恐れのある部分
αα
β
β
ただし 、
部分がピロティ と
な っ て いる 場 合 は 、 廻 り 込み に よ り
延 焼 の 恐れ の あ る 部 分 を 判定 す る 。
中庭
C 棟
B 棟
図 -1
道
3m
m
( 5
A 棟
)
図 -3
R=
α
3m
α
3m
(5
m)
m)
( 5
β
β
γ
3m
m)
( 5
延 焼 の 恐れ の あ る 部 分
γ
R=
外 壁 中 心線
3m
(5
m)
3m
m
( 5
)
関連告示
参考
17
B 棟
法第 2 条第六号
15.延焼の恐れのある部分(2)
(1) 屋外階段、開放廊下等(開放性の目安として手すり上部が 1.1m 以上開放してい
るもの)に面する棟間の延焼の恐れのある部分は、屋外階段、開放廊下等の手すり
の位置での中心線ではなく、本来の相互の外壁間の中心線から生じるものとする。
外壁
屋外階 段
中心線
手すり
開放廊下
外壁
法第 2 条第六号においては、地階についての延焼の恐れのある部分の規定は明記
されていないが、一階と同様の延焼の恐れのある部分として取扱う。ただし、ドラ
イエリアの壁等で防火上有効に遮られている部分は除く。
(2)
3.0m
3.0m
天井
ドライエリア
GL
防火設備
防火設備
GL
防火上有効に
遮られた部分
床
隣地境界線又は
道路の中心線
隣地境界線又は
道路の中心線
関連告示
参考
18
法第 2 条第六号
16.延焼の恐れのある部分(3)
(1)建築物相互をつなぐ開放の渡り廊下と建築物の関係
吹きさらしの渡り廊下(接続される建築物と独立した構造であり、主要構造部が
不燃材料で造られたものに限る。)と、渡り廊下により接続される建築物との関係は、
次による。
① 吹きさらしの渡り廊下は法第 2 条第六号ただし書の「その他これらに類するも
の」として扱い、接続される建築物には延焼の恐れのある部分を生じない。
② 吹きさらしの渡り廊下と接続される建築物とが接する部分の出入口である開口
部には、防火設備の設置を要しない。
(2)付属建築物との関係
平家の付属建築物の内、自転車置場、小規模な物置、受水槽上屋、屎尿浄化槽及
び合併浄化槽の上屋、ポンプ室で主要構造部が不燃材料で造られたもの、その他火
災の発生のおそれが著しく少ないものについては、法第2条第六号のただし書きに
より、本体建築物には延焼の恐れのある部分は適用されない。
3m
3m
なお、小規模な物置の開口部については、
付 属物置
防火設備を設けること。
防火設備
防 火設備
(3)延焼の恐れのある部分にある防火設備の取扱い
耐火建築物又は準耐火建築物の外壁の開口部で延焼の恐れのある部分は、法第 2
条 9 の 2 号ロに規定する防火設備の設置が必要であり、その防火設備の構造は平成
12 年告示 1360 号の防火設備とすることとなっている。
ただし、平成 12 年告示 1369
2
号第 1・7 号により開口面積が 100cm 以内の換気孔に、鉄、モルタル板等で造られ
た防火覆いをした場合は法第 2 条第九の二号ロの防火設備とみなされるものである。
なお、ガス機器に接続される排気筒は、
「煙突」に該当するため、防火ダンパーを
設けてはならない。当該排気筒は、平成 3 年 12 月 9 日付け住指発第 546 号により
措置することとし、厚さ 0.3 ㎜以上の亜鉛鉄板又はステンレス等で造られた排気ト
ップ、ベントキャップ等を設ける必要がある。
関連告示
参考
19
法第 2 条第六号
17.延焼の恐れのある部分(4)
防火上有効な塀を設けた場合の延焼の恐れのある部分の距離の算出は、下図の
とおりとする。
△
r
延焼のおそれのある部分
隣地境界線
防火塀
r
GL
開口部
r
r:1階では3m、2階以上では5m
関連告示
参考
20
法第 2 条第六号
18.延焼の恐れのある部分(5)
同一敷地内において耐火構造の壁に面する部分については、延焼の恐れのある部分
の適用をうけないことから、下図のような場合、B棟では、延焼の恐れのある部分で
あっても、防火設備を必要としない。
延焼のおそれのある部分の
規定はかからない
防火設備
3m or 5m
外
耐火構造の壁
壁
中
心
線
延焼のおそれのある部分の
規定はかからない
3m or 5m
外壁
防火設備
線
中心
耐火構造の壁
関連告示
参考
21
法第 2 条第七号
19.鉄骨造の耐火被覆(小屋組等)について
耐火構造において、鉄骨造の耐火被覆を要しないものは、次に掲げる場合とする。
①デッキプレートを型枠がわりに用いて、鉄筋コンクリート造の床を造る場合
②周囲が外気に開放されている階段(屋外階段)で、その階段のみを支持する柱、
梁及び最上部に設けられる屋根
③構造上重要でない小梁(床を支持する小梁は、構造上重要であるため、耐火被覆
が必要である。)
④下図のような鉄骨造の小屋組で、床面か梁下端までの高さが4m以上の部分。
ただし、4m未満の部分は所定の耐火被覆が必要。
なお、天井を張る場合は、不燃材料または準不燃材料とする必要がある。
鉄骨小屋組
斜線部分のみ所定の耐火被覆
鉄骨構造の梁
4, 000
耐火構造の柱・ 壁
床面
関連告示
平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1399 号
参考
22
法第 2 条第九号の二(ロ)
、第九号の三、第 64 条
20.自動車車庫における外壁の開口部の取扱い
自動車車庫でその用途に供する部分の床面積の合計が30㎡以内(同一棟に2以上ある
ときは、その床面積の合計)の場合、その外壁の開口部が延焼の恐れのある部分であって
も防火設備の設置は不要とする。ただし、側面が開放的で、燃料の貯蔵・給油の用に供し
ないものに限る。
また、当該自動車車庫の床面積の合計が30㎡を超える場合であっても、車室と車路が
明確に区分けされていれば、その車路部分の外壁の開口部に限って同様に防火設備の設置
は不要とする。
関連告示
参考
23
法第 2 条第九号の三イ
21.イの準耐火建築物の屋根のトップライト
法第2条第九号の三イに規定する準耐火建築物(イ準耐)及び令第136条の2の技
術的基準に適合する建築物(いわゆる外壁の開口部の開口率計算によるもの。)の屋根に
トップライトを設ける場合には、鉄製(ステンレスも含む。)枠付き網入りガラスにする
ものとする。
アクリルドーム
網入ガラス
鉄製枠
関連告示
平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1399 号
参考
24
法第 2 条第九号の三ロ
令第 109 条の三第 1 号
22.ロの 1 の準耐火建築物の外壁を支持する部材
ロ準耐1における耐火構造の外壁は、原則として次のいずれかによるものとする。
(1) 耐火構造の壁(耐力壁)・・・コンクリートブロック造等
(2)耐火構造の非耐力壁で、内部火災による倒壊防止のため以下の措置を講じたもので
あること。ただし、概ね階数が2以下の一戸建て住宅程度のもので、内装材料によ
る被覆効果等を期待できるものについては、②についてはこの限りではない。
① 軸組等が不燃材料で造られていること
② 軸組等が鉄等の場合、耐火上有効に被覆されていること
③ 軸組等への取り付け方法は火災時の脱落防止を考慮したものであること
なお、非耐力壁の場合の耐火被覆の範囲は、原則として非耐力壁が取り付けら
れる柱、及び梁、並びにその取り付け金物である。
関連告示
参考
25
法第 2 条第九号の三ロ
令第 109 条の 3 第二号
23.ロの2の準耐火建築物の取扱い
令第109条の3 第二号の規定により、主要構造部である柱・梁を不燃材料、その他
の主要構造部を準不燃材料で造ることを大前提として、その上で、3階以上の階の床又
は直下の天井にあっては、屋内において発生する通常の火災による火熱が加えられた場
合に、加熱開始後30分間構造耐力上支障のある変形、溶融、き裂その他の損傷を生じ
ず、かつ、当該加熱面以外の面(屋内に面するものに限る。
)の温度が可燃物燃焼温度以
上に上昇しないものを要求している。したがって、平成 12 年建設省告示第 1368 号を満
足するような構造方法であったとしても、根太及び下地材を準不燃材料としなければな
らない。
関連告示
平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1368 号
参考
26
法第 2 条第九号の三ロ
令第 109 条の 3 第二号
24.ロの2の準耐火建築物の
準不燃材料とする範囲
ロ準耐2において、主要構造部として制限を受ける外壁及び床の範囲は原則として次
のとおりとする。
1.外壁―間柱、胴縁、下地材、外装材
2.床 ―根太、下地材(下地材がない場合には仕上材)
なお、外壁の延焼の恐れのある部分にあっては、木造下地の防火構造及び木造下地の
準耐火構造は使用することはできないので注意を要する。
関連告示
平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1368 号
参考
27
法第 2 条第九号の三ロ
令第 109 条の 3 第二号
25.ロの2の準耐火建築物の屋根
主要構造部として制限を受ける屋根の構成材の範囲、及び制限は次のとおりである。
(1)ロ準耐2において主要構造部として制限を受ける屋根の構成材の範囲は、原則とし
て、野地板、たるき等の屋根下地及び屋根葺材とする。
この場合、小屋組部分についても、梁、柱に該当しない部分は、屋根の構成材とし
て扱うものとする。
(2)「屋根を不燃材で造る」とは、屋根の構成材を不燃材で造ること。
(3)「屋根を不燃材でふく」とは、屋根下地の如何にかかわらず、屋根葺材を不燃材料と
すること。この場合、野地板、たるき等の下地材については、屋根の構成材の一部
なので、不燃材料、又は準不燃材料とする。
関連告示
平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1361 号 、 平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1365 号
参考
28
法第2条第十三号、第 86 条の 7
26.改築の取扱い
改築とは、建築物の全部若しくは一部を除去し、又はこれらの部分が災害等によって
滅失した後引き続きこれと用途、規模、構造の著しく異ならない建築物を建てることを
いう。従前のものと著しく異なるときは、新築又は増築となる。なお、使用材料の新旧
を問わない。
改築をする場合には、法第3条第3項第三号及び四号の規定により、現行法の適用を
受けることになるが、法第86条の7(既存建築物に対する制限の緩和)の規定により、
政令で定める範囲内での用途、規模等で改築する場合には、同条に列記する条項の適用
は受けない。
改築の適用条件
① 既存建築物の除却等
除却部分は、建築物の全部又は一部とし、除却方法については、建築主の任意又
は災害等により滅失した場合とする。
② 除却又は滅失後の工事着手
建築主の建築行為の意思表示が、社会通念上除却又は滅失後引き続き有すると認
められるものとする。
③ 用途・規模
用途、規模の著しく異ならないとは、従前の用途と異ならないもので、かつ、従
前の規模以下であることが該当する。
関連告示
参考
29
法第2条第十四号及び第十五号
27.大規模の修繕及び大規模の模様替
建築物は、月日の経過とともに少しずつ傷んでいき、建築物としての構造上の性
能や品質が失われていく。代表的な事例としては、屋根の雨漏り、外壁のひび割れ、
柱の腐食、床のたわみ等が挙げられる。性能や品質が劣化した部分を既存のものと
概ね同じ位置に、概ね同じ形状及び寸法で、概ね同じ材料を用いて造り替え、性能
や品質を回復する工事を「修繕」といい、同じ位置でも異なる材料や仕様を用いて造
り替え性能や品質を回復する工事を「模様替」という。
また、大規模の修繕とは、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修
繕をいい、大規模の模様替とは、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半
の模様替をいう。
過半の判断は、各主要構造部ごとに行い、柱やはりにあっては、それぞれの総本
数に占める割合、壁にあっては、その総延長に占める割合、床や屋根にあっては、
それぞれの総水平投影面積に占める割合、階段については、その総数に占める割合
により過半か過半でないかを判断する。なお、「大規模の修繕」、「大規模の模様替」
に係る面積は、原則として、当該工事を行う階の床面積の合計とする。
大規模の修繕(模様替)に該当しない場合
・主要構造部の屋根又は外壁におけるカバー工法については、原則として新たな屋
根又は外壁が構成されなければ、大規模な修繕(模様替)に該当しない。
なお、カバー工法では荷重増が伴うため、一般的には構造計算によって安全性が
確かめられたもの以外は認められない。また、大臣認定等による構造のものにつ
いては、認定条件の仕様を逸脱しないことを確認する必要がある。
関連告示
参考
30
法第 92 条、令第 2 条第 1 項第八号
28.小屋裏物置の取扱い
小屋裏物置に設置することができる開口部は転落防止のため、窓高さ(窓枠下端)で
1.1m以上の場合において可能とする。ただし、開口部が出入りのできない構造(Fix
である等)にあっては位置、大きさは問わない。
関連告示
参考
31
法第 2 条、第 35 条、第 36 条、第 64 条
令第 20 条の 2、第 112、第 126 条の 2、第 126 条の 4、第 129 条
の 13 の 2
29.開放廊下の適用
1. 開放廊下の適用
① 片廊下で、当該廊下の外壁面が直接外気に開放されたものであること。
② 直接外気に開放された高さが1.1m 以上の部分(有効開放部分)の面積
が、当該廊下の見付け面積の1/3を超えるものであること。
上記
①、②を満たす開放廊下は、単体規定の適用に関し屋外とみなす。
また、開放廊下部分を遮蔽する壁等の長さが、2m以下かつ両側の有効開放部
分の長さが、2m以上あるものについては、その部分を屋外とみなす。片側の
みが開放の場合は壁等の長さが1m以下で片側の有効開放長さが2m以上の場
合も、その部分を屋外とみなす。
2 m以 下
2 m以 上2 m以 下 2 m以 上
2 m以 上 1 m以 下
EV
壁又 は暴風
屋外 と する
廊下
スク リ ーン 等
従って、開放廊下であっても部分的な遮蔽壁が上記条件を満たさなければ、そ
の部分は屋内とみなし、単体規定を適用する。
2. 開放廊下(上記1①②に定めた形態)における開口部延焼の適用について
・避難経路は、開口部延焼の適用はしないものとする。(経路でなければ防火
戸等必要)
関連告示
参考
32
法第2条第6号
30.準耐火建築物等の延焼の恐れのある部分
PS 等における延焼の恐れのある部分の構造は下記による。
延焼ライン
廊下
住戸
給湯器
住戸
この部分を外壁として
区画する。
スチールド アで上部オープンのものでよい。
防火設備でなく てよい。
関連告示
参考
33
法第 2 条第六号
31.ガソリンスタンド洗車場棟の
延焼の恐れのある部分
(準防火地域内の延焼の恐れのある部分の防火設備の取扱い)
洗車場棟
オープン
3m
オープン
道 路
関連告示
本体棟
平 成 5 年 建 設 省 告 示 第 1427 号
参考
34
簡易な構造の建築物の規定を準
用し、法第84条の2に基づく
令第136条の9第1項第一号
ハの「火災の発生の恐れの少な
い用途」に該当するものとし、
令第136条の10の構造規定
及び平成5年建設省告示第14
27号の高い開放性の規定を満
足していれば、延焼の恐れのあ
る部分の防火設備を不要とする。
法第 3 条第 2 項
32.工事の着手
工事の着手
法第3条第2項の規定において、法律等の施行の際、現に工事中の建築物につい
ては、法律等の規定は、適用しないとされているが、ここでいう工事中とみなされ
る工事の着手とは、次の各号の一に掲げる工事が開始され、その後も継続的に行な
われていることとする。
① 杭打ち工事
② 根切り工事
③ シートパイルの打設
関連告示
参考
昭和41年3月17日
住指発
35
第83号(建築工事着手の時点)
法第 3 条第 2 項
33.既存不適格建築物の
適用除外に係る取扱い
適合に至った不適格建築物
法第3条第3項第5号の規定による「適合に至った既存不適格建築物」とは、
一部分の除却や小規模の修繕、模様替え又は、用途変更等により現行建築基準関
係規定に適合するに至った建築物で、法第3条第2項の既存不適格建築物として
取り扱わない。
※ 参考例
延焼の恐れのある部分の建築物の構造が、現行建築基準関係規定に適合しない
既存不適格建築物で、隣接する敷地の購入などによる敷地の増加で、適合する状
態に至った場合、その後、敷地分割等により敷地面積が減少し、結果、再度、現
行建築基準関係規定に不適合となった場合が考えられる。この場合、既存不適格
建築物として取り扱わない。
関連告示
参考
36
法第 3 条 3 項
34.防火・避難規定上の別棟としての取扱い
既存遡及が及ばない増築の範囲及び接続部の仕様
防火・避難規定上又は、構造上の既存不適格建築物に近接して別棟を新築し、その
間を開放廊下等で接続する場合、別棟と扱うものは物理的に切り離されたものとする。
EXP.J 等は構造上相互に応力を伝えない構造方法であるが、一体の接続方法であり
同一棟と扱う。
なお、別棟とし物理的に切り離されたもので庇等が水平投影上重なることは許容す
るものとする。
関連告示
参考
37
法第 3 条第3項
35.同一棟増築等に係る既存部分の法適用
2階増築による既存部分の法適用
法第3条第2項の規定は、2階部分を増築する場合等において、同条第3項
第3号及び第4号の規定する基準時以降の増築、改築、大規模の修繕又は大規
模の模様替えに該当するので適用しない。よって、既存部分は、現行建築基準
関係規定の適用を受ける。
関連告示
参考
38
法第 3 条第 2 項
36.旧法第 38 条認定を取得している
テント倉庫の取扱い
旧 38 条認定を取得している既存テント倉庫は、既存不適格となるが移転は可能
であり、既存遡及しない。
しかし、テントの張替えで大規模の修繕に該当するものは既存遡及することから
現行法規にて適合する必要がある。
関連告示
参考
39
法第 6 条、法 93 条
37.敷地が2以上の特定行政庁
にまたがる場合の取扱い
敷地が県市境界にまたがる場合の確認事務の取り扱い
敷地の過半が属する地域の行政庁で取り扱う。ただし、両行政庁が連絡調整をし
た上で取り扱う。
なお、消防長の同意については、両行政庁が意見調整する。
関連告示
参考
40
法第 6 条
38.主要構造部の一部に鉄骨造等を用いた
木造建築物の取扱い
混構造建築物
主要構造部の一部を鉄骨造、又は鉄骨造と木造の混構造とし、その他の主要
構造部を木造としたプレハブ建築物は、法第6条第1項の適用においては、木
造以外の建築物として扱う。(ただし、法第68条の10の規定による型式認
定を受けたもの又は、法第68条の11の規定による型式部材製造者認証を受
けたものに関しては、その認定等による。
)
関連告示
参考
41
法第 6 条、法第88条
39.工作物の確認申請
工作物の確認申請は、下記のとおり取り扱う。
(1)数箇所又は数種類の擁壁の確認申請
z
構造上一体となった現場打ちコンクリート製擁壁は、一件の確認申請と
して取り扱う。
z
複数のプレスキャストコンクリート製擁壁が現場打ちコンクリート製階
段等により、一体となっている場合でも、各々、別の確認申請として取
り扱う。
(2)ナイター照明設備等の確認申請
z
一基、一件の確認申請として取り扱う。
(3)ゴルフ練習場等のネットポールの確認申請
z
ネット等により一体となっているものにつき、一件の確認申請として取
り扱う。
関連告示
参考
42
法第 6 条
40.一敷地内で複数棟をそれぞれ確認申請
する場合の取扱い
(1)確認申請時においてはそれぞれ単独の申請として受付内容の審査を行う
ただし、一敷地内において全体計画が判っているものにあっては総合的に法が遵守
されるか設計者に確認することとする。
(2)完了申請時においてそれぞれ申請がなされた場合、受付順に既設建物等面積精算を
行い必要に応じて法第 12 条第 5 項の報告にて処理するものとする。
関連告示
参考
43
法第 6 条
41.赤道の払い下げ
敷地の一部に赤道を含んでいて、払い下げを受けようとする場合の確認申請とのタイ
ミングについては用途廃止の申請が受理された時点で、払い下げの見通しが確実である
と判断し、確認申請上の敷地として扱う。
関連告示
参考
44
法第 6 条の 3
令第 10 条
42.兼用住宅及び付属車庫等に関する
特例の取扱い
兼用住宅の特例扱い
一戸建住宅において、令第10条第3号の「住宅の用途以外の用途に供する
部分」とは、当該用途部分と居住部分が、「住宅でその用途を兼ねるもの」で
あり、その用途が併存する用途(貸店舗、貸事務所等)であるものは該当しな
い。
住宅に付属する車庫等の特例扱い
令第10条において、住宅の用途とは、もっぱらその住宅に起居する者の利
用に供される寝室、居間、物置、自動車車庫等の部分を含み、これらの部分が
別棟か、同一棟かは問わない。従って、住宅に付属する物置等は、住宅として
取り扱う。
なお、個人タクシーの車庫、農業用の物置は、住宅の用途以外に供する部分
(兼用住宅の部分)となり、「非住宅部分1/2未満かつ50㎡以下」の判断
は、増築後の全体の延べ面積で判断する。
関連告示
参考
45
法第 7 条の5
施行規則第 4 条
43.建築物に関する
検査の特例の取扱い
法第 7 条の5の検査の特例の適用を受けようとする場合には、施行規則別記十九号第 4
面の工事監理の状況を記載した報告書にあわせ、屋根の小屋組の工事終了時、軸組、耐力
壁の工事終了時、基礎の配筋の工事終了時の写真を添付することとする。
また、既存不適格建築物に増改築する場合で、法第 86 条の 7 の適用を受けない(既存遡
及する)場合について、法第 20 条の規定による既存部分(柱頭・柱脚・筋交いの金物、基
礎の補強等)の改修工事終了時の写真を添付することとする。
写真の添付は工事監理の状況詳細を写真と報告内容から適切におこなわれたかを判断す
るためのものであり、検査の特例を受けない場合や写真添付のないものは必要に応じて法
第 12 条第 5 項の報告等を求め工事監理状況を判断するものとする。
関連告示
参考
46
法第 21 条第 1 項
令第 129 条の 2 の 3 第 2 項
44.大規模建築物の主要構造部の取扱い
法第21条第1項のただし書きにより、令第129条の2の3第2項に規定する用
途は、建築物の主たる用途とし、建築物の一部(その用途に供する部分の床面積が全
体の床面積の2分の1以下のもの。)が倉庫又は自動車車庫の用途に供され、かつ、
安全上及び防火上支障のないものは、令第129条の2の3第2項に規定する用途に
該当しない。
関連告示
参考
47
法第 22 条第 1 項、法第 63 条
45.法第22条区域内等の建築物の屋根の特例
法第22条第1項及び法第63条区域の屋根に「市街地における通常の火災による火の
粉により、防火上有害な発炎をしない屋根」として、国土交通大臣の認定を受けたポリカー
ボネート板等を使用する場合は、「不燃性の物品を保管する倉庫に類する用途」に供するも
のでなければならない。
「不燃性の物品を保管する倉庫に類する用途(平成 12 年建設省告示第 1434 号)」に該当す
るものは以下のものとする。
一号:スケート場、水泳場、スポーツの練習場その他これらに類する運動施設(※)
(※)その他これらに類する運動施設とは、テニスの練習場、ゲートボール場等、
スポーツ専用で収納可燃物がほとんどなく、見通しのよい用途をいう。
二号:不燃性の物品を取り扱う荷捌き場、その他これと同等以上に火災の発生の恐れ
の少ない用途(※)
(※)その他これらと同等以上に火災の発生の恐れの少ない用途の例としては、以
下に掲げる用途が考えられる。
① 通路、アーケード、休憩所
② 十分に外気に開放された停留所、自動車車庫(床面積が30㎡以下のものに
限る)、自転車置場
③ 機械製作工場
三号:畜舎、堆肥舎並びに、水産物の増殖場、及び養殖場
関連告示
平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1434 号
参考
48
法第 22 条
46.バルコニー等の床の屋根としての取扱い
バルコニー等の床については下図により取り扱う
屋 根 と し て 取 り 扱 う 。 法 第 22条 が
Case1
適 用 さ れ 、 FRP 防 水 で は 告 示 の
例示仕様にない為、大臣認定が必要。
バルコ ニー
居室
屋根がかかっているので、バルコニーを
Case2
屋根として扱わない。
バルコニー
居室
関連告示
参考
49
法第 23 条、第 24 条、第 25 条、第 62 条第 2 項
47.木造建築物等以外の建築物とみなす取扱い
法第23条、第24条、第25条、第62条第2項の規定は、床、屋根、階段を除く主
要構造部のうち自重、又は積載荷重を支える部分が、可燃材料(木材、難燃プラスチック
等)で造られたものに限定しているため、柱、はり、耐力壁である間仕切壁、外壁が準不
燃材料であれば、当該規定の適用はないことになっている。
従って、木造建築物等以外の建築物となる主要構造部の具体的な材料は次のとおりとし、
それ以外の場合は木造建築物等として取り扱うものとする。
間仕切壁
壁(耐力壁)
外壁
柱
準不燃材料
はり(小屋組、母屋を含む。)
間仕切壁
壁(非耐力壁)
外壁
床
屋根(野地板、たる木及び
軒裏を含む。)
階段
材料は問わない。
ただし、準防火地域内にある建築物で、
外壁及び軒裏の延焼の恐れのある部分は、準不燃材料とする。
(注)屋根の構造は、法第22条第1項及び第63条の規定
によって、不燃材料で造るか、又はふくこと等とする必要がある。
関連告示
参考
50
法第 24 条、第 25 条、第 61 条、第 62 条
48.軒裏に防火構造が求められる場合の
鼻隠し及び破風の措置
法第24条、第25条、第61条、及び第62条の規定に基づき、軒裏に防火構造が
求められる場合の鼻隠し及び破風の構造は、次のいずれかとする。
(1) 軒裏(外壁)の防火構造に準じた構造とする。
(2) 不燃材料でおおう。
(3) 厚さ30mm以上の木材で造る。
関連告示
参考
51
法第 26 条、第 61 条、
令第 120 条、第 121 条第 2 項、第 122 条第1項、第 126 条の
2第1項
49.主要構造部が不燃材料で
造られたものの取扱い
法第26条、第61条及び令第120条、第121条第2項、第122条第1項、第
126条の2第1項の規定では、主要構造部が不燃材料で造られたものとなっているが、
外壁の下地材及び屋根の野地板に準不燃材料を設けた場合であっても、主要構造部が不燃
材料で造られたものとみなす。
関連告示
参考
52
法第 27 条
50.準耐火建築物としなければいけない
自動車修理工場
法別表第1(六)中、床面積の合計が150㎡以上の自動車修理工場の用途に供する部
分には、修理工場と一体に利用される作業場、事務室、部品庫及び便所の全てを含む。
関連告示
参考
53
法第 27 条、第 36 条
51.荷さばき所、倉庫、工場等の
車両寄りつき用庇の取扱い
荷さばき所、倉庫、工場等の車両の寄りつき部分に設けられる庇部分の建築基準法上
の各規定の適用については、次の各号による。
(1)床面積の算定
庇部分で、壁その他の区画で囲まれた部分を確定することが困難な場合には、
次のとおり算定する。
① 屋内的用途であることが明確な場合は、庇部分の水平投影面積を床面積に算入
する。
② 屋内的用途に供されている部分を確定することが困難な場合は、建築面積と同
様に先端から1m後退した線で囲まれた部分を算入する。
③ 屋内的用途がない場合であっても、先端から2m後退した線で囲まれた部分を
算入する。
(2)構造制限
玄関前の車寄せなど、火災の発生の恐れの著しく少ない部分に設けられる不燃
材料で造られた大規模な庇で、外気に十分に開放され、構造上重要なものでない
場合にあっては、主要構造部の屋根とは扱わない。
(3)延焼の恐れのある部分
庇の外気に十分に開放された部分については、延焼の恐れのある部分の開口部
の規定を適用しない。
(4)防火区画
床面積に算入される部分で、十分に外気に開放されているものについては、令
第 112 条第 1 項第一号の「その他これらに類する用途に供する建築物の部分」に
該当するものとして取り扱う。
関連告示
参考
54
法第 28 条 1 項
令第 19 条
52.教室の採光規定の取扱い
学校のワークスペースは、教室として取り扱い、採光規定を適用する。
関連告示
参考
55
法第 28 条 1 項
令第 19 条
53.児童福祉施設等の取扱い
令第 19 条第1項の児童福祉施設等は、次のものとする。ただし、これらに類する施設で
あって、各々の法令に規定されるものは、児童福祉施設等に含まれるものとする。
分類
根拠法
(令第19条第1項)
施設名
助産施設
乳児院
母子生活支援施設
保育所
児童厚生施設
児童福祉法 第7条 (各施設の
目的は児童福祉法第36条∼第
44条の2による)
児童福祉施設
児童養護施設
知的障害児施設
知的障害児通園施設
盲ろうあ児施設
肢体不自由児施設
重症心身障害児施設
情緒障害児短期治療施設
児童自立支援施設
児童家庭支援センター
無認可保育所
託児所(事業所内のものは
上記以外
除く)
学童保育所
助産所
医療法 第2条第1項
身体障害者福祉法 第5条第1
身体障害者更正援護施
項(各施設の目的は身体障害者
設
福祉法第29条∼第31条の2に
よる)
助産所
身体障害者更正施設
身体障害者療護施設
身体障害者福祉ホーム
身体障害者授産施設
身体障害者福祉センター
56
分類
根拠法
(令第19条第1項)
施設名
精神障害者生活訓練施設
精神保健及び精神障害者福祉に 精神障害者授産施設
精神障害者
社会復帰施設
関する法律 第50条の2第1項
精神障害者福祉ホーム
(各施設の目的は精神保健及び
精神障害者福祉工場
精神障害者福祉に関する法律第
50条の2第2項∼第5項による)
救護施設
生活保護法 第38条第1項 (各 更正施設
保護施設
施設の目的は生活保護法第38
医療保護施設
条第2項∼第6項による)
授産施設
宿所提供施設
婦人保護施設
知的障害者援護施設
売春防止法 第36条
婦人保護施設
知的障害者福祉法 第5条 (各
知的障害者更正施設
施設の目的は知的障害者福祉
知的障害者授産施設
法第21条の5∼第21条の8によ 知的障害者通勤寮
る)
知的障害者福祉ホーム
老人デイサービスセンター
老人福祉法 第5条の3 (各施
老人福祉施設
設の目的は老人福祉法第20条
の2の2∼第20条の7の2によ
る)
老人短期入所施設
養護老人ホーム
特別養護老人ホーム
軽費老人ホーム
老人福祉センター
老人介護支援センター
有料老人ホーム
老人福祉法 第29条第1項
有料老人ホーム
母子保健施設
老人福祉法 第22条第2項
母子保健センター
関連告示
参考
57
法第 28 条 1 項
令第 20 条
54.採光関係比率及び採光補正係数の導き方(1)
下図場合、水平距離及び垂直距離をbとして、採光関係比率を算出すること。
隣地境界線
a
b
c
開口部
a
b
c
開口部
下図のような開口部の場合、a の水平距離により採光補正係数を求めることとする。た
だし、採光補正係数算出結果が 0 以下となる場合は、Aの範囲は開口部がないものとみな
し、B の範囲を開口部として水平距離bを用いて採光補正係数を求めることができる。
隣地境界線
b
a
A
B
水 平 距 離 a の 距 離
水 平 距 離 b の 距 離
の範囲を A と する
の範囲を B と する
関連告示
参考
58
法第 28 条第1項
令第 20 条
55.採光関係比率及び採光補正係数の導き方(2)
(1)
隣地 境界 線
D1
開口 部1 の採 光関 係
比率 はD 1 / H 1 と
なる 。
H3
H1
開口 部1
中心
開口 部2 の採 光関 係
比率 はD 2 / H 2 、
D2
D 1 /H 3 の 内、 最
H2
小の 数値 と す る 。
開口 部2
中心
(2)
隣地 境界 線
D1
採光 関係 比率 は、 D
1 / H 1 又は D 2 /
H 2 の内 、 最 小の 数
D2
値と する 。
H1
開口 部2
H2
中心
(3)
隣地 境界 線
D
採光 関係 比率 は、 D
/H を 採 光補 正係 数
を 算 定し た 数 値に 、
3 を 乗じ て 得 た 数 値
を 採 光補 正係 数と す
H
中心
開口 部
庇に よ っ て 上 部
る。
が開 放さ れて い
な お、 天窓 の面 積
ないため、 こ の
は上 部が 開放 さ れ て
部分 は天 窓と し
いる 部分 のみ を 有 効
て 無 効と な る
と する。
関連告示
参考
59
法第 28 条第 1 項
令第 20 条
56.採光関係比率及び採光補正係数の導き方(3)
共同住宅のバルコニーに面する居室の窓からの採光を考える場合、下図のように、窓1、
2が外気に有効に開放されているならば、それぞれ垂直距離H1、H2 とし、水平距離は
D1、D2 とする。
D1
D2
窓1
隣地境界線
隣地境界線
H1
手すり : コンクリート
( 不透明)
D : 水平距離
H : 垂直距離
H2
窓2
手すり : 半透明
窓中心
窓中心
関連告示
参考
60
法第 28 条第 1 項
令第 20 条
57.採光関係比率及び採光補正係数の導き方(4)
下図のような場合、採光関係比率は次のとおり算定する。
(1)窓1については、D1/H1 とD2/H2 のうち、最小の数値とする。
(2)窓2については、D2/H2 により算定する。
D1
隣地境界線
H1
窓2
D2
H2
関連告示
参考
61
窓1
法第 28 条第1項
令第 20 条
58.採光関係比率
及び採光補正係数の導き方(5)
天窓の採光に関して、天窓は勾配が45度以内の屋根面に設けられるものをいい、
その採光関係比率は建築物の最高部から居室の天井面までの D1/H1 と天窓の立ち
上り部における D2/H2 を比較し、小さい方の数値とする。
(H2は、D2の中心部分で算出する。)
なお、天窓の面積は上部が開放されている部分の水平投影面積とする。
D1
隣地境界線
D2
H1
H2
関連告示
参考
62
法第 28 条第1項
令第 20 条
59.採光関係比率
及び採光補正係数の導き方(6)
(1)出窓の場合
①
②
室内
隣地境界線
③
隣地境界線
室内
室内
隣地境界線
d
天窓
d
d1
W
W
W
α
d1
W
d2
d2
開口部の中心
天窓の採光は
W、 W
認められない。
適用してもかまわない。
のどちらを ③において、dを採用するのは、α
d2
が45度以上の場合に限る。
(2)
h2
のはき出し窓の場合のd2 におい
h1
ても同様。
出窓
d1
断面図
d1、d2 の高さに応じた採光関係比率を比較し、小さい数値を適用する。
63
(2)はき出し窓の場合
d2
室内
W2
天窓
d1
A㎡
W1
W2
隣地境界線
有効採光面積
W 1× H × r 1+ ( W 2× H × r 2)
× 2+ A × 3
(3)天窓の場合
d 1
天窓
h 1
( d2× d2)
隣地 境界 線
d 2
h 2
天井 面
居室
採光関係比率
d1/(h1+h2)・・・・・・①
d2/
h2・・・・・・・・・②
採光補正係数算定式に採光関係比率(①と②を比較し小さい数値)を代入し、算出
された数値に3.0を乗じた値を採光補正係数とする。
ただし、採光補正係数が3.0を超えるときは3.0を限度とする。
関連告示
参考
64
法第 28 条第1項
令第 20 条
60.採光関係比率算出における半透明の庇
採光関係比率の算出において、網入りガラス、板ガラス、型板ガラス等の半透明の
庇は、採光上支障がないものとして取り扱う。
D
隣 地境 界 線
ガラスひさし
H
関連告示
参考
65
法第 28 条第1項
令第 20 条第 2 項
61.吹きさらし廊下等に面する
開口部の採光上の取扱い
外気に有効に解放されている吹きさらし廊下等に面する開口部については、上階の
廊下、庇等の幅によって次のような有効係数を開口部面積に乗じた値を採光上有効な
面積とする。なお、屋外階段に面する開口部についてはその階段の形状にもよるが、
基本的には採光上有効でない開口部として取り扱うのが妥当と考えられる。
上階の廊下、庇等の幅(m)
有効係数
Ⅹ≦3.0
1.0
Ⅹ>3.0
0.7
なお、ピロティ型の駐車場等に面する開口部の採光上の取扱いについても、同様の
取り扱いとする。
居室
廊下
居室
廊下
左図の W の幅が3.0mを超える場合には
W
0.7を乗じた数値を採光補正係数とする。
居室
駐車場
関連告示
参考
66
法第 28 条第1項
令第 20 条第 2 項
62.縁側等に面する場合の採光補正係数
「縁側等」は外壁に面している部分の大半が窓等の開口部であるなど、開放性が高く
当該廊下と各部屋とは障子等により仕切られているようなケースを想定しているが、
吹きさらし廊下等に面する場合に比べ透過率が低下するため、縁側等屋内廊下の幅に
よって、次のような有効係数を開口部面積に乗じた値を採光上有効な面積とする。
縁側等屋内廊下の幅(m)
有効係数
Ⅹ<0.9
1.0
0.9≦Ⅹ≦2.0
0.7
ただし、縁側等の幅が2.0m を超える場合は、縁側等を居室として取り扱い、居
室と縁側等の二室を一室とみなして算出する。
関連告示
参考
67
法第 28 条第1項
63.吹抜き部分に面する開口部の
採光上の取扱い
吹抜き部分に面した居室の一般的な例としては、下図のような形態が考えられるが、
外部の開口部(天窓)からの採光を考えた場合、吹抜き部分での光の拡散もあるため、
基本的には採光上有効でない開口部として取り扱うものとする。
①
②
天 窓
開 口 部
居 室
居 室
居 室
居 室
開 口 部
吹 抜 き
吹 抜 き
採光上有効と見なせない例(断面図)
関連告示
参考
68
法第 28 条第1項
令第 19 条
64.学校,病院,児童福祉施設等の居室の採光
学校、病院等の採光規定については、法第28条第 1 項により、「住宅、その他こ
れらに類する建築物で、政令で定めるものの居室」として、居室単位で規制していて、
採光規定の目的である児童や老人等の衛生上の配慮を必要とする者が長時間継続的
に利用する可能性が高いものの適用に限定していることから、各々次のとおりとする。
①.社員寮の寮室は、「居住のための居室」に該当し、採光規定を適用する。
しかし、ホテル・旅館等の宿泊室、保養所の宿泊室は、その用途に利用するも
のであれば、採光規定の対象建築物ではない。
②.保育所の遊戯室・寝室は、保育室として採光規定を適用し、医務室・事務室等
は適用対象外である。
③.病院の診療室・待合室、病院又は児童福祉施設等の面接室・相談室は適用対象
外である。
④.学校の図書室は、教室として取り扱い、採光規定を適用する。
⑤.事業所内託児所の採光規定は、児童福祉施設等の居室とみなして適用すること
が望ましい。
関連告示
参考
69
法第 28 条第1項
令第 20 条第 2 項
65.公園・広場・川その他これらに類する
空地又は水面の取扱い
令第20条第2項の公園、広場、川、その他これらに類する空地又は水面とは、将
来にわたり確保されるものをいい、次の表に示すものが該当する。
公園
広場
川
都市公園法による公園又は、緑地
公共団体が管理する公園、又は緑地
公共団体が管理する公開広場
河川法に基づく河川(準用河川含む)
都市計画公園で築造済のもの、又は事業認可されており空
地となっているもの
開発行為による帰属公園
その他これらに類する
空地又は公園
公有水路(明示等により境界が明確であること)
里道(明示等により境界が明確であること)
線路敷(高架の部分は除く)
都市下水路
公共団体が管理する緑道
海
ただし、公園等において建築物などで採光上有効とみなせない場合は空地とは
解釈しない
関連告示
参考
70
法第 28 条第1項
66.ドア・シャッター等の採光の取扱い
法第28条において、ドア・シャッター等の随時開放できるものについては、次の
とおり取り扱う。
①.法第 28 条第 1 項における「採光のための窓その他の開口部」とは、採光条件を
満足しなければならないものであるから、光を通さないドアは採光のための開
口部とはならない。
②.シャッターは、日常常時開放である場合に限り、「その他の開口部」として取扱
い、開口部分を有効採光面積に算入してよい。
関連告示
参考
71
法第 28 条第1項
67.屋根の機能を有さない場合の取扱い
雨水を受けることができない、すのこ・グレーティング・パンチングメタル等で造
られた建築物の部分(バルコニー、屋外階段等)は、採光上、屋根等の障害物がある
ものとみなして、採光関係比率を算定する。
関連告示
参考
72
法第 28 条第 4 項
68.採光における二室を一室とみなす取扱い(1)
(1)二室を一室とみなす場合は、下記の条件による。
(※Aの部屋から採光をとる場合の例)
B
L
B
z
L
L
L
A
A
L(B室の幅)/2≦L´(ふすま等の幅)
かつ
z
L´(ふすま等の幅)≧1.8m
かつ
z
B(B室の床面積)/7≦S(ふすま等の面積)
ただし、二室を仕切る建具は、取り外しが可能なもので、二室を一室で使用で
きること。
(2)下図のように、A室(居室)とB室(物置)が一体の空間を形成しており、
30cm以上下方に突き出した垂れ壁で区画されている場合は、A室のみの面
積により採光必要面積を算出する。
B 室 ( 物 置 )
垂 れ 壁 ( H ≧ 300)
A 室 ( 居 室 )
関連告示
参考
73
法第 28 条第 4 項
69.採光における二室を一室と
みなす取扱い(2)
法第28条第 4 項により、二室を一室とみなす取扱いについては、次のとおりとす
る。
(1) アコーディオンカーテン等の簡易な可動間仕切りは、
『ふすま、障子、その他
随時開放することができるもの』と同等とみなす。
(2)原則として、非居室との共通採光により、非居室側で採光を取ることは認めら
れない。ただし、非居室が廊下等の場合は縁側等の扱いによる。
関連告示
参考
74
法第 35 条
令第 117 条第 2 項
70.令第 117 条第2項の区画を
建築設備等が貫通する場合
令第117条第2項の規定により別の建築物とみなすための耐火構造の床又
は壁を換気、暖房又は冷房設備の風道、給水管、配電管その他の管が貫通する場
合(風道の貫通部に近接して吹き出し口がある場合を除く。)で、次の措置を講
じたものについては支障ないものとして扱う。
(1) 風道は、不燃材料で造ることとし、令第112条第16項各号に準ずる構造
のダンパー(SD)を設けること(昭49建告第1579号は適用しない。)。
(2)管は、令第129条の2の5第1項第七号に準ずるものとし(平成 12 年建告
第 1422 号の基準を含む。)
、令第112条第15項の規定に準じてすき間をモ
ルタル等で埋めること。
(3)ケーブル等については、令第112条第15項の規定に準じて防火上支障のな
いようにすること。
関連告示
平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1422 号 ,昭 和 49 年 建 設 省 告 示 第 1579 号
参考
75
法第 35 条
令第 23 条、令第 121 条の 2、令第 123 条
71.屋外階段としての取扱い
令第23条第1項ただし書き、令第121条の2又は令第123条第2項に規定
する屋外に設ける階段(最上階に屋根がかかっている場合を含む。)は、次に掲げ
るものとする。ただし、令第123条第2項に規定する屋外避難階段以外の屋外階
段にあっては、隣地又は建築物の部分からの距離は適用しないものとする。
階段の周長の延長長さに対して開放部分(隣地境界線からの有効距離が50㎝以上
又は建築物の部分からの有効距離が1m 以上あり、手すりの上部が1.1m 以上外
気に開放している部分に限る。)の長さが1/2以上のもの
(2(a+b)/2≦開放長さ)
a
隣地 境界 線
有効 1m 以上
a
開放 廊下
取付 部分
b
開放廊下に面する為
開放性あり とする。
b
有 効 5 0 c m以 上
※なお、床面積の算入については、昭和 61 年建設省住指発第 115 号による
関連告示
参考
76
法第 35 条
令第 23 条、令第 121 条の 2、令第 123 条
72.屋内階段の開口部延焼の取扱い
図−1、図−2 の様に取付部分を除き、同一方向に開放されている階段(開放
されている部分の幅は図―1の階段では 180 ㎝以上
図−2の直階段では 90 ㎝
以上あるものに限る。)については屋内階段であっても開口部延焼を適用しな
い。
図−1
図−2
同一方向に開放
180cm以上必要
90cm以上必要
ただし、図−3の様な階段の場合は、開放廊下から続く避難経路であるとして
も、階段部分がタテ方向への最終避難部分となり、隣地からの延焼に対して安全
を確保するため、図−3のとおり防火設備を設置しなければならない。
延焼のおそれのある部分
図−3
隣地境界線
防火設備
開放廊下
防火設備
DW
住戸
防火設備
住戸
関連告示
参考
77
法第 35 条、法第 36 条
令第 23 条第 1 項、令第 119 条、令第 121 条
73.2以上の直通階段を設ける場合の屋外階段
の踊場と開放廊下部分の兼用
屋外階段の踊場部分と開放廊下部分とは、兼用することができないものとする。
法令による廊下幅と踊り場の幅を確保すること。ただし、端部の屋外階段で階段
室部分に出入り口がない場合においては、この限りでない。
不可
不可
屋外階段
屋外階段
不可
屋外階段
開放廊下
住戸
住戸
住戸
住戸
可
屋外階段
可
屋外階段
開放廊下
住戸
住戸
住戸
関連告示
参考
78
住戸
法第 35 条
令第 120 条第 12 項、第 121 条
74.直通階段、2以上の直通階段の設置
(1)直通階段の設置義務がある「避難階以外の階」とは、令第117条第1項で定め
られている建築物のうち「居室のある階」と解されており、避難階以外の階に居
室がない場合、直通階段の設置義務は生じないものとする。
(2)2以上の直通階段を設ける場合、二方向避難を確保する意味で、できるだけ離
れた位置に設置すること。
関連告示
参考
79
法第 35 条
令第 120 条
75.2 以上の直通階段の避難経路
(1)
廊下
廊下
×
居室
居室
(2)
×
居室
×
階段
居室
居室
廊下
(1)居室
(2)居室
→
→
居室
廊下
→
→
廊下
居室
→
→
階段(上図の左の経路)
階段
避難経路として(1)のような経路はやむを得ないものとするが、
(2)のように、いっ
たん避難経路である廊下へ出てから居室へ入るのは逆行であり不可とする。
関連告示
参考
80
法第 35 条
令第 122 条第 1 項
76.避難階段の設置
(1)共同住宅等で令第122条第1項ただし書きを適用して、避難階段を免除す
るものは、100㎡(住戸は200㎡)以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又
は特定防火設備で区画するものであり、従って各住戸を200㎡以内ごとに区
画するだけでなく、集会室・店舗・車庫等は100㎡以内の区画が必要である。
(2)共同住宅について100㎡以内ごとに区画(住戸にあっては200㎡以内で
区画)すれば避難階段が免除されるが、住戸と住戸以外の階段室等及び廊下等
の部分とを一体で100㎡区画をしても認められない。
(3)令第122条第1項ただし書きにより区画をすれば、避難階段又は特別避難
階段の設置が免除されるが、特別避難階段を免除する場合においては、最低一
の階段は避難階段とすること。
注)防火区画をして令第122条第1項のただし書きにより避難階段又は特
別避難階段を免除する場合であっても、令第121条第1項第六号により、
2以上の直通階段の緩和とする場合は令第123条第2項又は第3項の規
定に適合する階段が必要となる為注意が必要である。
(4)令第122条第1項ただし書き中、かっこ内の100㎡区画から除かれる部
分(階段室の部分、昇降機の昇降路部分等)については、100㎡ごとの区画
は不要である。又、廊下その他避難の用に供する部分とは、居室的に使用する
ロビー、エントランスは含まない為、その部分の100㎡区画が必要である。
関連告示
参考
81
法第 35 条
令第 123 条
77.屋外(避難)階段付近へのガス機器の設置
(1)PS 設置式又は壁組込設置式のガス機器は、以下の①②の条件を共に満足す
る場合は、屋外階段を出た正面や、屋外避難階段等の避難口の周囲2mの範
囲を避けた位置に設置することができる。
ただし、1住戸の用に供するもの<注>であること。
① 設置するガス機器の条件
ガス用品、液化石油ガス器具等の基準により安全性が確認されたもので
あること。ただし、壁組込設置式ガス機器は防火性能評定品として検査
合格したものに限る。
② 設置場所に対する条件
(イ) 設置場所周囲に、延焼のおそれのある「不燃材料以外の材料による仕上
げをした建築物等の部分」がないこと。ただし、壁組込設置式ガス機器
に用いる専用ボックスは、防火性能評定の試験により確認された離隔距
離で設置すること。
(ロ) 避難通路としての有効幅員が確保されていること。
(ハ) 壁組込設置式ガス機器を設置する外壁は、防火上及び構造耐力上問題が
ないこと。
(2)前記①②の条件に加えて、さらにガス機器の前面(給排気口の部分を除く。)
を鋼製(メーター検針窓の部分は網入りガラス)の扉で覆ったものは、屋外
階段を出た正面や、屋外避難階段等の避難口の周囲2m以内にも設置するこ
とができる。ただし、壁組込設置式ガス機器を設置する外壁は、耐火構造、
準耐火構造又は、防火構造でなければならない。
<注>1住戸の用に供するものとは、1台のガス機器から複数の住戸の用に
供することを制限したものである。
①標準設置例
屋外階段の正面又は屋外避難階段の周囲 2m の
範囲を避けた位置に設置する場合に適用する。
ガス機器
PS
(PS 設置式、壁組込設置式は同一基準)
P S標準設置
82
(屋外階段の例)
(屋外避難階段の例)
W
W
階段室
階段室
踊場付
踊場付
W
W
2m
2m
2m
PS
PS
階段を出た正面
屋外避難階段の周囲
2mの範囲 2mの範囲 (屋外階段の例)
(屋外避難階段の例)
W
W
階段室
階段室
踊場兼用
踊場兼用
W
W
2m
2m
2m
PS
PS
階段を出た正面
屋外避難階段の周囲
2mの範囲 2m
壁なし ( 腰壁・ 手すり )
2m
PS
屋外階段の正面2mの範囲
2m
壁なし( 腰壁・ 手すり)
2m
壁有
2m
壁有
2m
屋外階段の正面2mの範囲
PS
屋外避難階段の周囲2mの範囲
PS
屋外避難階段の周囲2mの範囲
83
PS
2m
2m
2m
PS
PS
屋外避難階段の周囲2mの範囲
屋外階段を出た正面2mの範囲
W
W
階段室
階段室
W
壁なし( 腰壁・ 手すり )
W
2m
2m
壁なし( 腰壁・ 手すり )
2m
2m
PS
PS
屋外階段を出た正面2mの範囲
屋外避難階段の周囲2mの範囲
W: 階段幅
図-1階段を出た正面又は屋外避難階段の周囲2m を避けた設置例
② 扉内設置例
屋外階段の正面又は屋外避難階段の周囲2mの範囲内でも設置することがで
きる。(PS設置式、壁組込設置式は同一基準)
鋼製扉
金枠
ガス機器
PS
P S 扉内設置
図-2屋外階段の正面又は屋外避難階段の周囲2m の範囲内の設置例
③ パイプシャフト内設置例(FF式)
屋外階段の正面又は屋外避難階段の周囲2mの範囲内でも設置することができ
る。
鋼製扉
金枠
図-3屋外階段の正面又は屋外避難階段の周囲2m の範囲内の設置例
関連告示
参考
84
法第 35 条
令第 123 条第 3 項
78.特別避難階段の開口部
令第 123 条第 3 項第 5 号において、バルコニー又は附室の屋外に面する壁に設け
る開口部は、他の開口部等から「90㎝以上の距離にある部分で、延焼のおそれの
ある部分以外の部分に設けること。ただし、令第 112 条第 10 項ただし書きに規定
する場合はこの限りでない。」と規定されている。しかし、本規定にいう令第 112
条第 10 項ただし書きの規定による袖壁等の設置による緩和は、他の開口部から9
0㎝以上の距離に対する緩和措置であって「延焼の恐れのある部分」そのものを緩
和するものではない。
従って、附室を自然排煙する場合の外気に向かって開放できる窓等の開口部は、
「延焼の恐れのある部分」に設けることはできない。バルコニーについても同様であ
る。
関連告示
参考
85
法第 35 条
令第 126 条 2
79.排煙設備の適用除外部分
(1) 令第126条の2第1項ただし書き第一号について共同住宅は住戸200㎡、
その他を100㎡区画すれば、排煙設備の免除となるが、あくまでも、住戸と
共用廊下、エントランス等のその他を一つの区画として、200㎡以内で区画
することは認められない。
(2)令第126条の2第2項についての主旨は、同一棟の増築の際に既存部分の排
煙設備規定の遡及適用を緩和する為に設けられたものであり、新築の場合は適
用しない。
関連告示
参考
86
法第 35 条
令第 116 条の 2、第 126 条の 2
80.排煙上の天井高さの取り方
(1)天井高が排煙上の同一区画で異なる場合の排煙上有効な窓の取り方は、平均天
井高を算定し、そこから80cm 下方までとする。(平成 12 年建告第 1436 号
の第三号については80cm とは限らない。)
ただし、1階、2階が吹抜けになっている場合等の複層階にまたがって、排
煙区画とする場合は2階に床があるため、1階、2階の床面積の合計の50分
の1以上を2階の天井から80cm 下方までを有効とし、検討すること。
A
1F平面図
80cm
2FL
B
吹抜け
1FL
G. L
2F平面図
(A+B)/50≦
部分の有効開口面積
(2)2階が吹抜けで床がない場合の2階の平均天井高の算定については吹抜け部を
仮想床とし、室容積と室面積から、平均天井高を算定する。
1F平 面図
( V )
( S)=室面積
2F L
( S )
仮想 床
1F L
吹抜け
G. L
2F平 面図
( V)
平均天井高=
( S)
( V)=室容積
関連告示
参考
87
法第条 35 条
令第 126 条、第 126 条の 4、第 128 条
81.住宅展示場の取扱いについて
仮設許可を受けた住宅展示場については法第 35 条のうち下記に掲げるものは適用を
除外する。
(1)
(2)
(3)
令第 126 条
令第 126 条の4(住宅部分に限る。)
令第 128 条
関連告示
参考
88
法第 35 条
令第 126 条の 2、3
82.防煙区画間の仕様
(1)避難経路である廊下と居室とを同一防煙区画とすることは、避難上支障をきた
すので望ましくない。
(2)防煙区画を構成している間仕切壁等に常時閉鎖式の不燃材料の戸が設けられ
た場合は、戸の上部の不燃材料のたれ壁は、天井面から下方に30cm 以上と
することができる。
※ ただし、当該階の床面積が500㎡以下の階は、戸の仕様について規定しな
いが不燃材料が望ましい。
排煙口
30cm以上
80cm
天井面
防煙区画A
防煙区画B
( 自然排煙)
( 自然排煙)
不燃材料の戸
床面
床面
断面
関連告示
参考
89
排煙口
屋
外
]
]
常時閉鎖式の
80cm
[
[
屋
外
たれ壁
天井面
法第 35 条
令第126条の3
83.防煙区画内の排煙設備の設置
(1)防煙区画内に排煙設備を設ける場合、二つの方式(自然排煙、機械排煙)が
あるが、これらの方式を同一区画内で併用することは、煙の排出方法がまっ
たく異なるため、それぞれの排煙設備の機能が有効に働かない恐れがあるこ
とから、認められない。又、二つの方式を隣接する防煙区画で行う場合、防
煙区画を垂れ壁とする場合は、前述と同様の趣旨から認められない。したが
って、この場合は、防煙区画を不燃間仕切壁とする必要がある。
排煙口
防煙垂れ壁
機械排煙
排煙用の窓
天井( 準不燃材料)
自然排煙
否
防煙区画を垂れ壁と すると 排煙設備の機能が有効に働かない
排煙口
防煙間仕切壁
機械排煙
自然排煙
防煙区画を間仕切壁にすること により 、 異種排煙が可能と なる
90
排煙用の窓
天井( 準不燃材料)
(2)天井チャンバー方式の排煙設備の場合、天井内部を上階のスラブ面から天井面まで
防煙区画し、かつ、その防煙区画部分の直下の天井面に25cm 以上の固定垂れ壁を
設置すること。
天井内を防煙区画と し、 防
煙区画直下の天井面に25cm
以上の固定垂れ壁を設ける
防火ダンパー
排煙ダンパー
延長排煙ダクト
排煙口
照明器具等
天井内防煙区画
防煙垂れ壁( 25cm
以上)
システム天井吸込み口
手動開放装置( パイロッ ト ランプ付)
排煙主ダクト
(3)排煙風道が防火区画を貫通する場合、排煙風道からの火災の拡大を防止するため、
溶解温度の高い(280℃)温度ヒューズ付ダンパーを設置すること。
関連告示
参考
91
法第 35 条
令第 126 条の 2
84.排煙設備の取扱い(シャッターの場合)
排煙設備が必要な場合の自然排煙については、シャッターは認められない。
ただし、排煙無窓のチェックにおいては、軽量シャッターに限り認められる。
関連告示
参考
92
法第 35 条
令第 126 条の 2、令第 116 条の 2
85.排煙設備上の取扱い
1).排煙設備について
タ レ壁
600
待合室
店舗
C H=3600
C H=2900
左図のような場合の自然排煙について、
店舗の CH が 3000 以上であるとして
も、床面からの高さが 2100 より上方の
部分が、排煙上有効であるとは限らな
い。600 のたれ壁の下端より上方が有
効な部分となる。
2).風除室の取扱い
風除室については、避難上支障がない場合排煙設備は不要
3).排煙無窓のチェック
たれ壁(H≧500)で区画されていたと
しても、2 室あわせて窓(ア)で、排
煙上有効な部分を確保できればよい。
500
居室
居室
窓
( ア)
4).自然排煙について
庇
左図のとおり、排煙設備が必要である
として自然排煙をとる場合は、隣地と
の間に 250 以上の空き寸法を確保して
はじめて窓(イ)が有効となる。
窓
( イ)
250以上
必要
隣地境界線
関連告示
参考
93
法第 35 条
令第 126 条の 2 第 1 項第四号
86.排煙設備の免除(工場クリーンルーム)
工場のクリーンルームでその用途上やむをえない場合は床面積 100 ㎡超であって
も内装仕上げ、下地共不燃で排煙設備を免除する。
関連告示
参考
94
法第 35 条
令第 126 条の4
87.非常用の照明装置の設置不要部分(1)
開放廊下・開放階段の取扱い
「採光上有効に直接外気に開放された通路」とは、当該通路に設けられた開口部
が次の要件を満足した、いわゆる「開放廊下」及び「開放階段」とする。
ただし、避難上支障がない場合には、これによらないことができる。
イ. ほぼ全体にわたって令第20条第1項により算定された採光上有効な
部分に該当していること。
ロ. 排煙上支障のない状態で外気に直接開放されていること。
隣
地
境
界
線
4階
3 階 、 4 階 の 開 放廊 下 は 非 常 用の
照 明 装置 は 不 要 。
3階
採光補正係数が
0又は負数となる部分
2階
廊
下
1 階 、 2 階 の 開 放廊 下 は 非 常 用の
照 明 装置 が 必 要 。
1階
開 放 廊下 型 共 同 住宅
採光補正係数の測定高さは、図のような廊下の場合、天井高さの 1/2 の高さで測
定するものとする。測定された補正係数が 0 を超えていれば、その廊下は採光上
有効として、非常用照明の設置は不要である。
関連告示
参考
95
法第 35 条
令第 126 条の 4 第一号
88.非常用の照明装置の設置不要部分(2)
店舗兼用住宅の取扱い
令第126条の4第一号で、一戸建住宅等の非常用の照明装置の設置を不要と規
定しているが、店舗兼用住宅についても、規模に関係なく、居住部分には非常用
の照明装置を設けなくてよい。ただし、店舗部分には原則として設置の必要があ
る。
また、平成 12年建告第1411号等に該当していれば緩和される。
住宅
2、3階の住宅部分には
非常用の照明装置は不要。
住宅
店舗
店舗兼用住宅
関連告示
平 成 12 年 建 設 省 告 示 第 1411 号
参考
96
法第35条、
令第126条の4
89.非常用の照明装置の設置不要部分(3)
店舗兼用住宅については、居住の用途に供する階の非常用の照明装置の設置を不要とし
ている。また、下図のようにその一部に、店舗の用途に供する部分(事務室他)を有する
場合、次の条件を満足すれば、Ⓐの位置には非住宅部分の避難経路となるため必要となる
が、Ⓑ及びⒸの位置には、非常用の照明装置は設置不要である。
※各居室とも自然採光の規定を満た
していること。
物置・ WC ・ U B
DK
A
廊下
事務室
C
B
住宅居室
住宅居室
U. P
2F 120㎡
物販店舗
サービス店舗
60㎡
60㎡
U. P
1F 120㎡
関連告示
参考
97
法第 35 条
令第 126 条の4
90.風除室の非常用照明
ホールの非常用照明で1ルックスをカバ
ーできれば、風除室には不要とする。
風除室
ホ ール
非常用照明
ガ ラ ス
関連告示
参考
98
法第 35 条
令第 126 条の 4 第三号
91.学校等における非常用の照明装置の設置
①
学校は、令第 126 条の 4 第三号により、非常用の照明装置の設置が不要とされてい
るが、夜間に授業を行う場合や、夜間に体育館を地域に開放する場合には、利用状
況から判断して、非常用の照明装置を設置することが望ましい。
② 学校等のうち「体育館」とは体育施設としての用に供するものをいう。このため、
舞台又は固定席などを有するもので、観覧場又は集会場として利用があるものについ
ては、学校に附属する体育館で学校の用途としてのみ使用するものを除き、非常用の
照明装置の設置が必要になる。
③
学校等の中にはプール等スポーツ施設が含まれるが、ホテル等に付属したレジャー
色の強いプール等は、単なるスポーツ施設とは異なる複合的用途であり、学校等の範
囲を超えるので、令第 126 条の 4 第三号の緩和規定は適用しない。
④
学習塾で夜間の使用を行う場合は、避難経路に非常用の照明装置を設置をすること
が望ましい。
関連告示
参考
99
法第 35 条
令第 126 条の 6、7(関連:令第 129 条の 13 の 2)
92.非常用の進入口又は、代替進入口を
設置すべき外壁面
非常用の進入口又は代替進入口は、災害時において消防隊が建築物内の
人々を救出したり、消火活動を実施するために、外壁の開口部から進入する
ものである。
従って、非常用進入口又は代替進入口から、当該階のあらゆる部分に容易
に到達できるようにすることが望ましい。
①
建築物が道及び道に通ずる幅4m以上の通路その他の空き地に面する場
合は、そのどちらかの外壁面に非常用の進入口又は代替進入口を設置すれば
よいものとする。ただし、外壁面が道に面している場合は、当該外壁面に設
けることが望ましい。
② 中庭等を有する建築物においては、1 階の通路(幅員が4m以上)を経由し
て中庭等に進入できる場合、中庭等に面する外壁面に非常用の進入口又は代
替進入口を設置することが望ましい。
道
4m以上
1階通路
進入口を設置することが
望ましい外壁面
※
上図の1階通路については、消防車が通れる通路が前提であり、そ
うでない場合は、消防の担当部署と協議が必要である。
100
③ バルコニー又は開放廊下を経由して代替進入口に準ずる開口部から室内に進入でき
る場合は、バルコニー又は開放廊下が道又は通路等に面していればよい。
道
L ≦10
L ≦10
バルコ ニー
バルコ ニー
建築物
関連告示
参考
101
法第 35 条
令第 126 条の 6
93.非常用進入口の設置(1)
(1)下図のような L 型の建築物の場合、///////部が道に面する外壁面となり、非
常用進入口又は代替進入口を設置しなければならない。
部は、道に面する外壁面とならないので設置不要である。
道
路
建 築 物
3F
(2)非常用の進入口又は代替進入口は、災害時において消防隊が外壁の開口部
から進入するためのものであるから、3 階建で吹抜けのある建築物の場合、
図―1の
部に進入口を設けても認められない。
道 路
但し、不燃材で造られた幅1m以上
のキャットウォークを設けることに
通
4m
より、3F に進入可能であれば、
吹
抜
部に設けることができる。
図−1、図−2の場合は、/////部に設
路
建 物
3F
けることとなり、進入口の設置は、
//////部の外壁長に対してとする。
図−1
102
道 路
建 物
吹抜
3F
図−2
関連告示
参考
103
法第 35 条
令第 126 条の 6
94.非常用進入口の設置(2)
『道に面する』については、下図のように扱う。
( イ)
( ロ)
道
道
( ハ)
: 2階以下
道
道に面する壁面
壁面の後退距離には関係ない
104
面する
面しない
道
道
非常用進入口又はこれに代わる開口部は道に面すること
別棟の建築物(3階建以上)をへだてている場合は道に面さな
いので建築できない。
※尚、
(ハ)の場合に、道路側の建築物を改修し、次図(ハ‘)とすれば、後部の建
築物は、建築することができる。
( ハ' )
除却
道
関連告示
参考
105
法第 35 条
令第 126 条の 6
95.専用住宅に設ける代替進入口の特例
3階以上の専用住宅、併用住宅等の用に供する建築物(3階以上の階を住宅
の用途のみに供する場合に限る。)に設ける代替進入口については、次に掲
げる要件を満足すれば、令第126条の6第二号に適合するものとして取り
扱う。
① 令第126条の6第二号に規定する外壁面のいずれかに、進入可能な
開口部(令第126条の6第二号のかっこ書に示す構造のものをい
う。)を一ヶ所以上設けること。
② 進入可能な開口部は、その階の全ての室の各部分からの歩行距離が2
0m以下となるように設けること。
ただし、令第126条の6第二号のいずれかの外壁面に、代替進入口を設け
ることができない場合、図に示すとおり、屋上バルコニー等を通って代替進
入口に到達することができ、次の条件を満足すればよいものとする。
道 路
①
道から見える位置及び、代替進入
3F
居室
2 0m以内
口等までの経路に手すりを設置する
こと。
手すり
② 屋上バルコニー等に進入してから
代替進入口等までの到達距離が20
mを超えないこと。
屋上バルコニー
開放バルコニー
関連告示
参考
106
法第 35 条
令第 126 条の 6
96.非常用の進入口に代わる開口部の
有効幅及び高さ
(1)有効幅及び高さは下図による。
60cm以上とする
1. 2m X 0. 75m
1. 2m X 0. 75m
または
または
1. 0m X 1. 0m
1. 0m X 1. 0m
手摺り
手摺り
有効幅7 5 0
(2)代用進入口と進入口を併設する場合は、下図のとおりとすることができ
る。なお、同一階での併設はできない。
異種用途区画
6
5
4
進入口
3
進入口にかわる
開口部
2
1
関連告示
参考
107
法第 35 条
令第 128 条
97.敷地内の通路の取扱い
ここでいう敷地内の通路は、建築物の避難階段等から地上へ下りてから、避難上有効な
空地までスムーズに避難を行わせるための通路である。
令第 128 条の敷地内の通路は避難のための通路であることから、有効幅員は以下の
ように取り扱うものとする。
①
(良い例)
(悪い例)
(0.5m+1.0m=1.5m≧1.5m であっても認められない。)
令第 128 条でいう通路は敷地内の屋外の通路と考えられる。ただし、下記の要件を
満たし、かつ、避難上支障がない場合には敷地内通路として取り扱うこととする。
(1)通路の有効幅員を 1.5m 以上確保すること。
(2)通路部分は、屋内部分と耐火構造の壁・床及び常時閉鎖式の防火設備で区画し、
通路の壁及び天井の下地、仕上げを不燃材料とすること。
尚、区画部分の開口部(風道等の貫通する部分を除く)は原則出入口に限るこ
と。
(3)通路部分は、外気に十分開放されていること。
②
108
③
駐車場の一部に避難通路を設けることがやむを得ない場合
(1)駐車場部分の床面積は 150 ㎡未満であること。
(2)駐車場部分とその他の部分は原則、耐火構造の壁、床及び常時閉鎖式の特定防
火設備(出入口に限る)で区画すること。
(3)通路部分の長さは、令第 125 条第 1 項の規定による階段から屋外への出口に至
る歩行距離の 1/2 以下とし、かつ、通路幅員は 1.5m以上とし、駐車スペースと
は明瞭に区分すること。
(4)駐車場部分の前面及びその周囲には、その通路部分の長さに相当する長さの外
気に有効に解放された部分(有効距離が25㎝以上の部分に限る。
)があること。
(5)通路部分には、非常用の照明装置を設けること。
(採光上有効に直接外気に開放
された部分を除く。)
通路長さ( 歩行距離の規定長さの1/2以下)
屋外避難階段
倉庫
避難通路1. 5m以上
常時閉鎖式
特定防火設備
道路
駐車場150㎡未満
有効25㎝以上
開放長さ( 通路長さ以上)
防火塀など
建築物(駐車場)内に敷地内通路を設けた例
④
令 128 条の敷地内通路で、やむを得ず建物の内部を通って(トンネル状の通路)屋
外の道路等へ出る場合は下記の条件を満たすこと。
(1)通路部分の天井、及び側壁を耐火構造とすること。
(2)通路幅は有効で 1.5m以上を確保すること。
(3)通路上の側壁には原則として開口部を設けないこと。
(4)通路には非常用の照明装置を設けること。
(5)原則通路の両端は開放されていること。
関連告示
参考
109
法第 35 条、第 28 条
98.開放廊下に設置するルーバーの取扱い
開放廊下に設けるプライバシーの保護を目的とした目隠しルーバーの設置に
ついては、開放廊下部分を床面積に算入しないと同時に、採光上も外部として
取り扱うが、その場合の条件を下記のとおりとする。
1).ルーバーについて・・・・高さは床面から 1600 以下
2).廊下幅
・・・・2000 以下
3).ルーバー形状
・・・・上向き
4).ルーバー材質
・・・・不燃材料
5).ルーバーの開口率の制限は特に設けない
6).ルーバーの設置延長の制限はなし
7).非常用照明は必要
開
放
廊 1600以下
下
目隠し
ルーバー
2000以下
関連告示
参考
110
法第 35 条の 2
令第 21 条
99.教室の天井高さ、内装制限上の
床面積の取扱い
随時開放することができる建具で仕切られており、かつ、一体利用できる 2 室があ
る場合は、令第 21 条第 2 項及び令第 128 条の 3 の 2 第 1 号の床面積(50㎡)は当
該 2 室の合計による。
関連告示
参考
111
法第 35 条の 2
令第 129 条
100.特殊建築物等の内装制限
内装制限をうける天井において、光天井(照明器具のカバー等でアクリル系の材料
等を使用したもの)を設ける場合、天井に設ける照明器具の表面積の合計が天井面積の
1/10を限度に設けることができる。(なお、壁も同様の扱いとする)
関連告示
参考
112
法第 35 条の 2
令第 129 条
101.小屋組の内装制限の取扱い
天井面は内装制限の対象
吹抜部分の小屋組は内装制限の対象でない
吹 抜
小屋組は天井又は壁として取り扱わない。
ただし、妻壁面等への壁付の場合は壁として取り扱う。
見付面積の1/10以内の緩和を適用。
関連告示
参考
113
法第 36 条
令第 112 条 9 項
102.エレベーターの竪穴区画
(昭和 48 年建設省告示第 2563 号第1二号ロの取扱い)
エレベーターの竪穴区画に随時閉鎖式の防火設備を用いた場合、エレベーター前
の防火設備は「居室から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路に設けるもの」
には該当しないことから、くぐり戸は必要としない。
関連告示
昭 和 48 年 建 設 省 告 示 第 2563 号
参考
114
法第 36 条
令第 112 条第 9 項
103.ライトコートの竪穴区画の取扱い
①
ライトコートの水平投影面積が9㎡以下
屋内
3m
屋内
屋内
3m
屋
屋外
外
屋内
平面
立面
1).開口部について常時閉鎖式の特定防火設備か防火設備とする(換気口等は
FD 付なら可)
2).台所のガス燃焼の排気口は好ましくない。設置する場合は FD 付でかつ、
煙の逆流防止ダンパー(使用しないときは閉鎖)を設けることが望ましい。
また、FD の誤作動により閉鎖された状態での換気扇の使用の恐れがある
ことから、ランプ点灯で警告する、あるいは、室内側からのメンテナンス
しやすい FD を設置する等の配慮が必要である。
②ライトコートの水平投影面積が9㎡∼15 ㎡まで
屋内
屋内
5m
屋外
屋内
屋内
3m
屋
外
平面
立面
1).開口部については特定防火設備か防火設備とする(換気口等は FD 付なら可)
関連告示
参考
115
法第 92 条
令第 2 条第六号、第八号
104.高さ、階数に算入しない場合の取扱い
屋上を駐車場として利用する場合に当該階に昇降機塔等の建屋があっても、令第 2 条第
六号、第八号に該当する場合は高さ、階数に算入しないものとする。
同上用途として取り扱うもの・・・物干し、屋上緑化に係る用途
ペント ハウス
パーキング
店 舗
関連告示
参考
116
令第 1 条第一号
105.用途上 可分・不可分
(1)図‐1 に示すように、工場と寮はともに独立した機能を有し、ただ併設されている
だけであることから、この場合は用途上可分である。工場と事務所は付属関係に
あると考えられるので、用途上不可分である。
図 -1
工場
事務所
寮
道路
(2)図‐2 及び図‐3 のように、各々、工場や寮の用途上の機能を満たすための建築物群
であることから、用途上不可分である。
工場
工場
図 -2
図 -3
倉庫
風呂
事務所
寮
風呂
食堂
倉庫
道路
道路
117
(3)その他、用途上不可分の関係にある2以上の建築物の例として下表のとおりである。
ただし、これらは一般的な考え方を示すものであり、具体的には、個々の計画で
判断することとなる。
主要用途
用途上不可分の建築物の例
建築物
○離れ・・・・隠居部屋、勉強部屋等をいうのであって、居室、台所、便所、浴室の4点が
住宅
そなわったものは、住宅としての用途機能を満足するため、用途上可分として扱う。
○車庫 ○物置、納屋 ○茶室、あずまや
共同住宅
旅館・ホテル
工場
(作業場)
○車庫、自転車置場 ○物置
○プロパン置場、都市ガスの減圧場、変電室
○離れ(客室) ○浴室棟 ○あずまや、温室
○倉庫 ○車庫
○事務棟 ○倉庫、変電室、危険物の貯蔵庫、各種機械室
○更衣棟、浴室棟、食堂棟 ○守衛室
○実習棟、図書室 ○体育館、更衣室棟
学校(校舎)
○給食作業棟 ○倉庫
関連告示
参考
118
平成27年度版
四日市市建築基準法取扱集
平成16年
初版発行
平成19年
第二版発行
平成25年
第三版発行
平成27年
第四版発行
発行日
平成27年4月
発
四日市市都市整備部建築指導課
行
〒510-8601 四日市市諏訪町1番5号
℡0593-54-8208 Fax0593-54-8301
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