報告書 - 臨床薬学教育センター

第2回
石川県薬剤師会と北陸大学との意見交換会
報告書
平成 26 年 5 月
主催:北陸大学薬学部
石川県薬剤師会
於:北陸大学薬学キャンパス
1
目次
第2回
石川県薬剤師会と北陸大学との意見交換会開催に際して
参加者名簿
….. 3
………………………………………………………………….. 4
……………………………………………………….. 5
タイムスケジュール
各セッション報告
トラブルへの対応
A グループ
………………………………………………………….. 6
B グループ
………………………………………………………….. 11
C グループ
………………………………………………………….. 15
D グループ
………………………………………………………….. 19
新コアカリキュラム
E グループ
………………………………………………………….. 24
F グループ
………………………………………………………….. 27
G グループ
………………………………………………………….. 33
H グループ
………………………………………………………….. 39
全体討論
…………………………………………………………………….. 44
2
第2回
石川県薬剤師会と北陸大学との意見交換会開催に際して
北陸大学実務実習委員長
中川輝昭
今年度で、薬学部が 6 年制に移行して 5 年目の実務実習を迎えることになりました。
石川県内には、薬学部が金沢大学と本学の 2 大学があり、これまで大半の学生が石川県
内の病院と薬局で、実務実習を実施してきました。
また、実習期間も、4 年制薬学部時代に比べ長くなり、病院・薬局で各 11 週間ずつ、合
計で 5 ヶ月間の医療現場を体験する実習が実施されましたが、当初は、学生だけでなく、
大学の教員や病院・薬局の指導薬剤師も 2.5 ヶ月間という長期間に及ぶ慣れない体験実習
であったため、いろんなトラブルも発生し、学生と指導薬剤師とのトラブルを少しでも減
少させ、この実習が、双方にとって有意義な 5 ヶ月間であってもらいたいという願いから、
石川県内の薬局の指導薬剤師と北陸大学の教員との意見交換会を平成 25 年度から実施す
ることにしました。
今年は、指導薬剤師と大学教員を合わせて、約 80 名が参加し、そこで議論・検討した内
容を纏めましたので、今後の参考にしていただければ、幸甚と考えております。
3
参加者名簿
A
小松会営薬局
鞍月あおぞら薬局
もりの里はなの木薬局
平和町菜の花薬局
わかひの薬局
スパーテル本部
北陸大学
北陸大学
北陸大学
筒井 伸幸
成田 素子
片田 真也
今宮 陽子
澤野 輝夫
橋本 昌子
池田 博昭
毎田 千恵子
高野 克彦
① トラブル対応 (419P)
班
1
2
3
4
5
6
7
8
9
E
堅田みらい薬局
小立野瑠璃光薬局
中村漢方薬局
田上はなの木薬局
穴水たんぽぽ薬局
北陸大学
北陸大学
北陸大学
立岡 邦生
高多 健一
中村 正人
片田 麻衣子
渡邉 将
光本 泰秀
荒川 由紀美
寺西 正憲
B
吉竹らいふ薬局
菜の花薬局
田上はなの木薬局
北陸薬局
綿谷小作薬局
北陸大学
北陸大学
北陸大学
F
かんばら薬局
佐倉薬局
鞍月あおぞら薬局
もりの里はなの木薬局
大中薬局
北陸大学
北陸大学
北陸大学
② 新コアカリキュラムへの対応 (105PN)
班
1
2
3
4
5
6
7
8
9
草野 節子
針田 昌子
卯尾 伸哉
三浦 智子
綿谷 小作
河崎屋 秀敏
大本 まさのり
野村 政明
神原 庸光
佐倉 有紀
筒井 智子
北島 峰子
大中 禎子
高瀬 久光
内手 昇
佐藤 栄子
C
アカンサス薬局
兼六薬局
てまり下牧薬局
野町薬局
綿谷小作薬局
北陸大学
北陸大学
北陸大学
G
京町とくひさ薬局
末町明徳薬局
玉川町薬局
若草あおぞら薬局
てまり薬局
北陸大学
北陸大学
北陸大学
神田 哲雄
徳井 裕隆
山口 弘美
渡辺 誠治
綿谷 敏彦
尾山 治
安池 賀英子
村山 次哉
出島 圭香
中谷 成広
橋本 篤子
道場 智美
藤田 由
手塚 康弘
藤下 修
久保田 洋子
D
若葉らいふ薬局
小立野薬局
玉川町薬局
メディ菊川薬局
志雄瑠璃光薬局
北陸大学
北陸大学
北陸大学
H
クオール薬局磯部町店
高尾コメヤ薬局
フラワー薬局
泉野出町らいふ薬局
メディ菊川薬局
(石引ファーマライズ)
北陸大学
北陸大学
北陸大学
喜多 史子
瀧本 亨
梶山 恵美子
佐藤 智美
飯室 千春
興村 桂子
宇佐見 則行
中川 輝昭
中村 郁代
山下 千佳子
桶田 あゆみ
今庄 恵子
北山 朱美
金田 孝子
木津 治久
杉山 朋美
加藤 幸子
4
第2回 石川県薬剤師会と北陸大学との意見交換会プログラム
日時:平成 26 年 5 月 18 日(日)10:00~15:00
場所:105PN・419P アクティブラーニング教室(SGD 会場)
102PN 講義室(連携会議・発表・総合討論)
<第 1 部
平成 26 年度 実務実習連携会議>
10:00 ~ 10:30 102PN
開会挨拶
司会
中川
三浦薬学部長、能村薬剤師会長
① 第 1 回意見交換会報告(野村)
② 新コアカリへの対応(久保田)
③ 1 期生・2 期生の薬局実習全国調査について(中川)
<第 2 部
第 2 回 石川県薬剤師会と北陸大学との意見交換会>
10:30 ~ 10:45 移動 + KJ 法の説明・薬剤師会
10:45 ~ 11:45 SGD
① トラブル対応
KJ 法・問題点抽出
場所 419P
② 新コアカリへの対応
場所 105PN
11:45 ~ 12:15 昼休み
12:15 ~ 13:15 SGD・解決策の討議・まとめ
① トラブル対応
場所 419P
② 新コアカリへの対応
場所 105PN
13:20 ~ 15:00 グループ発表・全体討論
グループ発表・全体討論の司会
場所 102PN
野村・北山
当日配付資料:
参加者名簿・グループ名簿・コアカリ関係資料 2 種類・99 回国試問題
以上
5
トラブル事例への対応
Aグループ
島①:学生の事前学習の理解不足
・薬学的説明に対して、基本的なことが分かっていないので指導に時間がかかる
・薬剤についてどの程度理解して実習に来ているのか?
・大学で習ったでしょう?と聞かれて覚えていない事は「習っていません」と答える
・事前にどのようなことを学んでどこまで覚えているのかわからず、全部確認しながらやってしまう
・事前学習しているはずの事柄が理解できていない
・おどおどした態度で投薬していて患者をいらいらさせてしまう。
島②:学生の理解度がわからない
・説明、会話などで理解したのかしないのかがわからない
・理解していないのに「理解しています」とうそをつく学生がいた
島③:学生間のレベルに差がある
・学生のレベルの高低が大きい
・複数名実習に来た場合、状況次第では伝わる人と伝わらない人がいる
・複数名実習に来た場合、学生間の能力に差がある
島④:基本的な生活習慣が出来ていない
・基本的日常生活(風呂・洗濯)が出来ていないと感じられる
・昼休みを1時間と学生に伝えたが、1時間半後に帰ってきた
・休憩中に昼寝をして、休憩終了後も実習に戻ってこない事があった
島⑤:学生の実習を受ける態度が不適切
・指導してもメモを取らない、同じことを何度も指導することになる。仕事が遅くなる
・実習中は立っているように何度指導しても、すぐ座ってしまう
・同じことを何度も注意される(メモを取れと言う注意まで)
・学生が求めていることがよくわからない
島⑥:学生の知識不足
・服薬指導させられない学生がいた
・患者さんの前に出せるレベルに達していない学生がいる
島⑦:学生のコミュニケーション能力不足
・薬局以外の実習施設で挨拶が出来なかった学生がいた
6
・患者への服薬指導を強く希望するもコミュニケーション能力が不足している
・コミュニケーション能力がない
・薬局スタッフと全くコミュニケーションが取れない
・服薬指導で事前に処方内容を理解してきているはずが、患者の前では何も話せない
島⑧:日誌が記入できない
・日誌が毎日記入できない、内容が十分でない
・指導薬剤師と教員が何度指導しても日誌の入力をしない学生
島⑨:学生のモチベーションが低い
・指導していても反応がない学生がいる
・学生のモチベーションが最初低すぎることがあった
・熱意を持って指導しているつもりだが、学生の応答に熱意が感じられない
・実習がイヤだということを態度で示されると、指導する意欲がなくなる
・学生に何を聞いても「はい」か「どっちでも」で自分の意見を言わない
・予習してくるように伝えても質問に答えられないので、服薬指導を任せられない
・積極性の見受けられない学生がいる
島⑩:自分で考える力不足
・学生が自分で考える力が不足している。応用力が貧しい
・実習終了後の発表のテーマを選べない
その他
・薬学教育が国家試験ありきになっている
・事前訪問のために呼び出した学生が教員のところに来ない
・健康状態(精神)が不安定な学生に対する接し方・指導法
・薬剤師の知識不足のため、学生が不満を感じている
・調剤業務が忙しいと、学生がほったらかしになる
・土日休みだったのに、木曜午後に休み、土曜午前に実習
・薬剤師の人数が多いため、いろいろな人にいろいろなことを言われ、学生が困っていた
7
Aグループ: SGD(午前)
8
Aグループ: SGD(午後)
9
10
B グループ
島①:学生・意識
・業務一つ一つがつながっていかない
・メモを取るがそこで終了。次の日覚えていない
・学生が指示待ち
・人の話を聞いていない(自分にも話されていると思っていない)
・ちゃんとした薬剤師になってもらいたいのだからプラスに捉えればいいのに叱られたと思う
・学生の薬剤師としての甘さ
島②:学生・態度
・精神の強い・弱いがある
・相手を見てしっかり挨拶できない
・後で不足を言うのではなく、先にあれはどうだ、これは習っていない、と言ってほしい
・自信がないのか不安げに服薬指導を行う
・コミュニケーションが全くできないので患者対応をさせられなかった
・学生というよりもその施設の一員であると思うこと
・薬の渡し方(両手で差し出すなど)サービス業意識がなくて驚いた
島③:学生・コミュニケーション
・実習に見合う基礎学力の不足
・学生の社会性、学力の差
・日報が書けない
・対応が不安になり、口を出してしまう。
・知識があっても服薬指導につながらない
・知識はあるが知恵がない。若いから無理もないが
島④:薬局/指導者・意識
・空き時間の課題が準備していない
・学生を個人として尊重する
・アルバイトのように扱われた
・パソコンの知識が乏しくて自信を失う
・指導コメントが遅れがちで、学生もすぐ書かなくなった
・店が忙しい時、学生に聞かれたことを忘れることがある
島⑤:薬局/指導者・スキル
・自分は教え方が充分ではないと思っていたが、学生からはとても喜ばれ、何が喜ばれたかがわからな
い
・大学での教育指導内容の把握不足
・学生は知識に対して原理を聞きたいと考えている
11
・患者観察のポイント(コツ)を伝えたいが、現場では患者に失礼だと思いできない
島⑥:薬局/指導者・不安
・当店での実習が他店より劣っているのではないか?
島⑦:薬局/指導者・提案
・OTCは限りがないから○○(←読めない)のトリアージを学べばよいのではないか
・実習内容でないことも体験してもらっている
・健康指導もしているのだからとコンビニのものはダメと言ってきたが、負担らしいのでやめた。しか
し本当はそうであるということを知ってほしい。食事を作ることが不可能な環境もあるらしい
・こちらで実習生を選べないので、学生が実習を通して自信を持てるようにしている
島⑧:薬局/施設
・在宅やOTCの実習もしたかった
・在宅医療の実務不足
・学生との面談場所がなく、きちんと面談できない
・店舗と住宅が一緒なので、実務実習場所として適切かどうか悩む
・単科門前の薬局なので、一般的な処方例はほとんど座学となってしまう
・OTCの実技が出来ていない
・セルフメディケーションに応ずるだけのOTC薬が薬局に充実していない
・健康食品の取扱い不足
島⑨:大学
・職員と別に昼食を取っていて、もったいないと思っていたら、今年の学生はスマホ禁止にされていた
・教員がきちんと話を聞いてくれない
・大学・薬局の学生への配慮
・ペアの学生との相性が悪く、実習が大変だった
島⑩:学生と指導者 共通
・ほめて育てる教育を受けてきている学生に対し注意することは難しい
・指導薬剤師との相性がよくなく、実習が大変だった
・患者さんとうまく話せない学生の指導
・コミュニケーション不足
その他
・患者さんは知識も求めているが、ただ話したい、心のさびしい人にも対処してもらっている
・自分の間違った知識に凝り固まっている
・忙しそうで質問するタイミングがわからない
12
Bグループ: SGD(午前)
13
Bグループ: SGD(午後)
14
Cグループ
島①:スタッフ間の情報の共有
・スタッフ間の情報の共有
・実習に求めることがそれぞれ異なる
・学生とスタッフとの板挟み
・他のスタッフの理解
島②:薬局間の差
・PCの有無、数、学生のPCの有無
・資材的な不足
・薬剤師によって指導の仕方(レベル)が異なる
・日誌の書くスピードに対する対応の差
・服装に関しての指導及び対応の差
島③:多忙
・忙しい時の対応
・学生を放置
・多忙時、予定通りに実習が進まない
・直接指導できない時間(空き時間)の対応
島④:SBOsと実際の実習内容が異なる
・実習項目によっては受け身であり、当てが外れる
・在宅患者がいない
・自分が経験したことのない課題の場合
・情報伝達方法が問題
・患者と接する時間が短い
島⑤:指導者と学生の関係
・学生の望む実習と実際とがマッチしていないかも
・指導者の表現で学生が誤解
・薬剤師と学生の相性
・学生が2名の場合、それぞれのモチベーションの違い
島⑥:患者とのコミュニケーション
・患者とのコミュニケーションがうまくいかなかった
・患者の前で固まって怒らせてしまう
・声かけがなかなかできない
15
島⑦:学生の性質
・学生の自主性が低い
・知識不足による消極性
・指導内容に学生の知識が追いつかない
・学生の身だしなみ
・学習姿勢
島⑧:学生の自己管理能力
・体調不良が続く
・体力不足
・自己管理がうまくいかない
・自己管理能力の低下
その他
・就職活動への影響
・休みに対しての対応、大学への連絡の有無
・遠方から通勤する学生への対応
・実習時間を延長する場合の学生への連絡
16
Cグループ: SGD(午前)
17
C グループ: SGD(午後)
18
D グループ
島①:学生の問題
・常識不足
・講義をする時間を多く取れなかった
・患者さんへの対応を学生の指導より最優先した時の理解の不一致
・2人の実習生の能力に差が見られ、実習の進み方に差が出る
・能力不足で服薬指導をさせられない学生がいた
・学生の対応能力が遅く、予定通りに進まない
・学力不足で答えられない
・学生の能力が低く最初から指導する必要があった。
・学生の知識不足
島②:教員の問題
・教員の意識の欠如により、訪問時に指導薬剤師に不快感を与えた
島③:指導者の問題
・勉強は個人でしてもらっているが、問題提供するだけで良いのか
・特に最初の忙しい頃は忙しい間はただ見てもらうことになる
・忙しい時はカリキュラム通りに進まない
・実習中に薬剤師自身の考え方を強要するなどパワハラに近いものが見られた
・実習の内容に関係のない雑務を与え、実習をカモフラージュしていることがあった
・服薬指導をしてもらう前の下準備が不足する場合があった
・薬剤師を育てる、後輩を育てるという意識が欠如した薬剤師が見られた
・学生のレポートは本当はどのようなものがよいか、大学で指導してほしい
島④:コミュニケーション
・自ら学ぼうとする姿が見られない学生もいる。受け身
・基本的な態度への指導をどこまですべきか、と不安になることがある
・コミュニケーション不足
・学生のモチベーションを低下させることがある
・学生が薬学的知識、態度などに不足しているため、対応がうまく出来ないケースがある
・ほうれんそうができない
・時間にルーズな学生がいる
・学生と薬剤師の相性が悪い
・学生とのコミュニケーションがうまく取れない事があり、実習が進まない場合がある
・学生が実習に対して前向きにならないケースがある
19
島⑤:評価
・課題を与えても、忙しい時はその日教えられない事がある
・日常業務が忙しい時は、練習問題を与え、自習時間が多くなることがある
・日誌の記入が遅れる学生がいて、指導しても改善されないケースあり
・基準が見えない評価が多い(大学への最低限の要求は何か)
・学生の評価を他学生あるいは他大学と比較している
・指導内容を理解しているのか、確認方法が難しい
・講義らしいことはしていないがよいのか
20
Dグループ: SGD(午前)
21
Dグループ: SGD(午後)
22
23
新コアカリの対応
Eグループ
島①:コアカリ全般
・基本的な資質のバランスは?10項目にでて身につけるのは困難
・新コアカリへの理解が不足
・薬剤師教育が重視されているが、学部教育の本質と違う
・薬剤師として求められる資質は高くなっているが、学生の質はどうか?
・どこまでの研究能力が求められているのか不明
島②:大学
・学力だけでなく、薬剤師としての資質が必要
・どうしたら学生(低学年)に学ぶべき薬剤師としての資質を自覚させることが出来るか
島③:学生の取り組み
・学生が受ける実習内容に差がある
・薬剤師会研修会への参加
・基礎学力の低下および実務実習との時間配分の再検討
島④:薬学臨床
・Fの知識の習得に関するSBOsに充分に対応できるか?
・患者とのコミュニケーションの充実
・ファーマシューティカルケアの実践
・今後の薬剤師を考えた場合、セルフメディケーションに関するSBOsが少ない
・コミュニケーション能力に差がある
島⑤:実習施設・環境
・病院と薬局でどのレベルまで学んでいるかが伝わっていない
・現在在宅医療を行なっていないので、新カリに対応できるのか?
・大学の授業内容、実務実習の内容の重複等のチェック・効率化
・薬局と病院との共通する部分を明確にし、重複しないように
・休日かシフト
休み時間に差が出る
・薬局間の実習内容の差を公平に
島⑥:指導薬剤師の対応
・現場での基本的態度教育の充実
・現場での負担が増えるのではないか?
24
・薬局内の薬剤師全員が実習の進みを理解するのが難しい
・指導者の差によって学生の差が大きくなるのでは?
Eグループ: SGD(午前)
25
Eグループ: SGD(午後)
26
F グループ
島①:学生の基礎学力
・処方せんの粉、顆粒を量る計数の力が弱い
・実習生の学力が低い時、実習が進まない
・臨床実習を強化するためには基礎学力の向上も必須
・情報源から薬物療法に必要な情報を収集できる理解力が不足
・学生の差がある時どうするのか
・他の講義で代用している項目もあるので、事前学習でカバーできているかが不明
島②:学生の気質・態度
・思い込みが強くて自己流を現場に合わせられない
・挨拶が明るくきちんとできない
・薬剤師としての心構えを学ぶため、患者様に接する機会を増やしたいが、態度などで難しいことがあ
る
・挨拶が出来ないので患者の前に出せない
島③:学生の応用力
・服薬指導に大切な薬の情報がもう一つしっかりわかっていない
・学生によりコミュニケーション能力に差がある
・お薬手帳や健康手帳、患者向け説明書を使用した服薬指導が出来るようにしてほしい
・処方せん対応実習に服薬指導するように言っても、もじもじしてやるのに時間がかかる
島④:指導者側の新コアカリの理解
・事前学習の中で漢方製剤に触れていなかった
・薬学教育者が新コアカリの変更の意義・本質を理解する必要がある
・新コアカリの変更点が不明である
・後発医薬品選択の手順を説明できる、というのに対応する必要がある
島⑤:指導方法
・薬歴・診療録や患者の状態から処方の妥当性の判断
・多くの患者に接してもらうだけでなく、特定の患者に深く接してもらうための選択が難しい
・一人の患者さんの経過を見られればよかった
・調剤ミス防止のための工夫と説明
・ヒヤリハットの事例を、いろいろ意見を出して対処法を考えるのもいい
島⑥:指導薬剤師の資質と能力
・指導薬剤師の「薬剤師としての心構え」や考え方も大切。指導者側も向上が必要
・学生は指導薬剤師の薬剤師としての心構えを見ている
27
・学生に指導をたくさんしていたら持病が出てきた。気質・能力を見て対応
島⑦:OTC
・OTCの取扱いが少なく、実際に体験させてあげられない事がある
・OTC販売の回数が少ない
・OTCに関しては伝えることが山のようにあり、全てを伝える症例が少ない
・OTCの販売に必要な知識は長時間かかるのでなかなか伝えられない
島⑧:在宅訪問
・地域医療として薬局が関わっていることを実際はあまりしていないので、指導できない
・在宅指導の患者さんがいない。配達の患者さんはいるが
・一人薬剤師なので在宅や介護で患者宅になかなか行けない
・地域医療・在宅医療にもより実学できる仕組みが必要
島⑨:国家試験
・国家試験対応を意識した実習
島⑩:服薬指導の実践
・対患者だけでなく、Drやコメディカルの方と接する機会を設けたいが時間的に難しい
・処方せんを読み取るとき、実践してからディスカッションするか、ディスカッションしてから服薬指
導させるか?
・SOAPの書き方は、流れを見るために対応する患者さんを数人決めたほうがよいのか?
・SOAPの書き方についてもっとやるべきだった
・患者さんとの対応はいつ頃からがいいか
・患者さんに服薬指導している時の、指導薬剤師の立ち位置は?
・患者さんに対応する機会が増えるような工夫が必要(例えばレジ)
28
F グループ: SGD(午前)
29
Fグループ: SGD(午後)
30
31
32
Gグループ
島①:薬局間でできる体験項目が違う
・全ての項目に言えるが、やっていない項目についてどのように対応するのか
・単価の医院の門前の場合、代表的な疾患を網羅できない
・在宅件数に波がある
・実習薬局の実習内容を見直す必要がある
・実習先の薬局が退院時カンファレンスに参加していない場合どうするのか
・臨床実習の基礎、周産期医療、小児医療は薬局間での症例数の違いが大きい
・実習薬局が在宅を実施していない場合どうするのか
島②:患者情報の把握の限界
・現状の病態把握は、患者が持ってくる情報だけでは間違ってしまう可能性がある
・患者さんからの情報を聞き出すことは難しい
・Drから聞いた話を患者から聞き出しても正しいとは限らない
・診断名に関しては患者からの情報しかなく、病名は把握しづらい
・処方解説は出来ても、患者さんの実際の治療の状況は推し量ることしかできない事が多い
島③:新コアカリの変更点が不明
・具体的に最低限ここまでする、という例を示してほしい
・新コアカリになったからと言って今までいろいろしてきたこと以上には出来ることは増えないかも
・新旧の区別がわからなかった。自局でどこまで実践できていたか
・今の薬局でのカリキュラムがどこまで新カリに合っているかわからない
・求められる実習内容がわからない
・一本化実習をする際、事前後、実習先が薬局か病院かでスケジュールが変わるのではないか
島④:自分の薬局の状態がコアカリに合っているか
・自分のやっている学生実習は今のままで良いのか不安がある
・今の実習で不足しているところがどんな部分か曖昧
・今の問題点がわからない
島⑤:新コアカリ対応の薬剤師の準備不足
・DIの考え方、方法論が薬局薬剤師に身についているのか
・指導薬剤師の能力向上が求められる
・英語文献を読むなど、自分も出来ない事はどうすればよいのか?
島⑥:薬局の体制不足
・薬局内の指導薬剤師が足りない
島⑦:OTC販売について
33
・OTC等のお客様の相談には、実際は学生に任せられない事が多い
島⑧:医師の理解
・医師の理解がどこまで得られるか
島⑨:指導の進め方
・学生がわかっている前提で全ての実習を進めていけば良いのか
34
G グループ: SGD(午前)
35
G グループ: SGD(午後)
36
37
38
Hグループ
島①:守備範囲の明確化
・薬局で対応可能なSBOsの確認、整理作業
・病院と薬局での指導SBOsの割振り
・無菌製剤体験は病院でよいのか
・実習スケジュールの標準化
・病院薬剤師と薬局薬剤師との連携、情報交換
島②:処方設計
・「適切な後発医薬品」の適切の意味合いがわかりにくい
・医薬品情報の収集と活用
・地域住民の衛生管理における活動の体験、とは具体的にどんなことか
・実務と化学(基礎)を結び付ける能力
・処方提案のための具体的なスケジュール
・薬物療法の実践について薬剤師がどこまで参入できるか
・医師の治療方針をどのようにして理解するか
・病院との連携(病名・検査値)
島③:診療科の偏り
・処方せん受付している診療科の偏り
島④:災害
・災害時医療は集合実習で体験者(医療ボランティア)が担当してはどうか
・災害時医療は集合研修で
島⑤:在宅
・「在宅患者の病状とその変化を体験する」について少ないため充分に体験できない
・在宅の経験で他薬局に見学は可能だと思うが、チーム医療の他業種とのかかわりはどの程度の内容を
見せるのかわかりにくい
・在宅も、システムの説明は集合実習で行なうといいのでは?
・在宅医療は協力薬局への負担が大きい
・地域医療での情報共有が少ない
島⑥:OTC
・セルフメディケーションの体験
・OTCはロールプレイのみでもOKではないか?
島⑦:グループ化における問題点
39
・任せられる薬局の数が少ないと負担が大きくなる
・薬局にくる処方せん(種)に偏りがあり、対応する疾患にも偏りが出る
・診療科の偏り
・持参薬についての変更を体験することで学ぶこと
・受入できる時期が限られているとスケジュールを組みにくい
・塩津薬剤師が体験していない事もコアカリに含まれている
・協力薬局に出来ることできないことがある
・受入薬局の得手不得手を県単位で把握する必要がある
・実務実習への負担が大きい、1か所に片寄る
島⑧:評価
・他施設で実習した場合、学生の成長度の評価は?
島⑨:服薬指導
・一患者に継続的に関わるための期間が必要
・学生のコミュニケーション能力
・患者・生活者本位の視点やコミュニケーション能力は、急には力がつかない
・アドヒアランス向上のための工夫(各薬局での取り組み)
島⑩:指導薬剤師の資質
・指導薬剤師の資質向上
・新コアカリの学生が出てくるまでに、指導できる状態になっているか
・薬剤師の資質向上(医学的知識の充実)
40
H グループ: SGD(午前)
41
H グループ: SGD(午後)
42
43
総合討論
野村:先ずは、A~D グループの「トラブルの対応」についての意見を伺いたいと思います。
内容としては、トラブルというよりトラブルになりうる原因の解決策についての発表だったと思います。
何かご意見等はございませんでしょうか。
野村:主な問題点としてはコミュニケーションがあげられていたかと思います。B, C グループのところ
では学生とのコミュニケーションについて述べられていたと思います。この辺りで経験とか実習を行っ
てみての感想やご意見等はございませんでしょうか。
野村:コミュニケーション以外で、この機会に話し合いあるいは解決したいという問題でも良いかと思
いますが、如何でしょうか。
三浦:新コアカリで協力薬局のことが出ていました。特に在宅について大学と薬剤師側で早い時期に話
し合いを進めていきたいと考えており、考慮して頂きたいと思っています。実際に新コアカリがスター
トした時にではなく、もっと早い時期から少しずつ進めていけば、実際に始まるまでに具合が悪いとこ
ろを直したりできると思いますので、中川先生、早急に相談にのって頂きたいと思います。
野村:新コアカリでの実習が始まる平成 31 年に合わせて、互いに協力して色々な体制を整えていくこ
とが必要ですが、今回初めて新コアカリの内容を目にした先生も多いかと思いますので、先ずはどのよ
うなところが変わったのかを理解して頂くことも今回の目的の一つでもあります。
野村:A~D グループの発表の中で、施設外でのコミュニケーションという意見もありました。パワハ
ラに取られる問題もありますが、施設外でのコミュニケーションで実際に行っている例や、うまくいっ
た例などはございますでしょうか?
北山:実務実習が始まって 5 年が経ち、実習におけるスケジュール自体はほとんどの先生がクリアして
いると思いますが、最後の問題点としてコミュニケーションが不足していることが壁になっているよう
に思います。それによって学生が心を開いてくれなかったり、指導する側もなんで理解してくれないの
だろうといったことから焦燥感を感じたりすることがあり、今回一緒に問題点を共有することができた
ことは良かったかと思います。そういう意味ではすに始まっている実務実習に今回共有した内容を実行
に移していく、例えば、昼休みに学生と話をしたり、一緒にご飯を食べたりしながら学生に「しんどく
ない?」などの声をかけていったり、実習の内容が分かっているかなど話かけたりすることも良いのか
なと思います。先ほど、昼休みにスマホをしていることを否定するような意見もありましたが、昼休み
位は少し自由にさせてあげても良いのではないかと個人的には思います。現在、1 週目が終わったとこ
ろで一番緊張しているころですが、2,3 週目くらいになれば少しずつ慣れもでてくるのかなと思います
ので、そうゆうコミュニケーションの取り方もあるのかなと思っています。先ほどの発表でノミニケー
ションという意見もありましたが、それは少しセクハラに取られることもあり、また私たち女性薬剤師
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としては少し難しいところもあるように思います。でも、どんどん声掛けしていくことは良いことだと
思います。
では、後半の新コアカリに関しては皆さん戸惑っていることも多いかと思いますが如何でしょうか。
高野:情報提供という形で、2つほどお話しさせて頂きたいと思います。薬学臨床の一番最初のところ
に、先ほど H グループの発表でもありましたが、9 つの疾患というのがでてきました。これを薬局と病
院でそれぞれがやらなければならないのかということを、文科省の方が北陸大学で講演されたときに質
問したところ、決まっていないとの返答でした。実際のところ、薬局と病院とをそれぞれどのように住
み分けるのか、あるいは方略をどうするのか、その辺りについてはまだ決まっていないということです。
平成 25 年 3 月 26 日だったかと思いますが、新六者懇+αのところで、実務実習に関する連絡会議とい
うタイトルの会議が始まっており、昨日調べた限りでは詳細はまだ出てきていないのですが、どのよう
に進めていくのか等の細かいところ、あるいは薬局等では得手不得手等もありますので、そういったと
ころをどうするのかなどの細かいところは平成 26 年度中に決まっていくところであります。したがっ
て、平成 31 年度から新コアカリでの実習がスタートするというところでのカウントダウンは既に始ま
っていますので、我々はその両方を睨みながら取り進めていかなければいけない状況にありますが、あ
まり先走って進めていくことも出来かねる部分もあるということを話しておきたいと思います。
野村:中川先生、今のところで、北陸調整機構として何か補足するようなことはございますか。
中川:北陸地区調整機構委員長をさせていただいている中川でございます。地区調整機構の委員長とし
て中央の調整機構委員会にも出席しているのですが、今のところやはり薬局と病院との住み分けがまだ
はっきりしていない。コアカリは一本化だが、どこまで病院でどこまで薬局かということなどはまだ検
討段階です。今までですと病院と薬局と別れてそれぞれのコアカリに従ってやっていたのですが、しか
し早く決めないと実習の対応や準備ができないということがあるので、現在集計しているアンケート等
で議論されるかと思います。現在のところ、まだはっきりしていないというのが現状です。
北山:先ほどの G と H グループの方から協力薬局というものがでてきていましたが、福井県は 6 年制
の実習の最初から協力薬局の体制を立ち上げていらっしゃいます。そういうものを今度石川県薬剤師会
でも取り入れ、ルールを決めていけば、等々に協力いただけるのではないかと考えております。でない
と 1 つの実習薬局にどんどんグループ化することによって負担があまりにも大きくなり、疲弊してしま
うことになるかと思います。その点について、福井県薬剤師会の木村先生から参考意見を伺いたいと思
います。
木村:本日は参加させて頂き、ありがとうございました。すごく勉強になりました。グループ実習につ
いて、福井県は小さい県なので、初めから一薬局完結型は無理だということでグループ薬局という形に
しております。それがいつの間にか皆さんの意見がグループ実習をしましょうという状況になってきた
という状況であります。まず、協力してもらう項目は、その薬局が一番得意な項目をアンケートにより
宣言してもらう。その後、地域的に近いところでアンケートに基づきグループ分けをして、近くの薬局
で実習を行ってもらう形にしています。実は、10 グループ作っていたのですが、今は実際に年間に 4,
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5 人しか実習に来ていませんので、現在はグループを解消しておりまして、近くでお互いに声を掛け合
ってやってもらうようになっています。協力薬局がいくつあって、どの項目がどれだけできるかが分か
っていて、あとは基幹薬局と協力薬局が話し合って行うような形で行っています。お金は 1 日 5 千円で
計算していますので、半日であれば 2 千 5 百円というように単純に時間割で行っています。集合研修は
現在行っておりませんが、1,2 年目は各項目で色々と行っていました。これらを通して良かったなと思
える点は、やはり情報交換が行えることで、いくつかの薬局に散らばっている学生さんが、この薬局に
行ったらこんなことができるんだという情報が共有できるので、知識という点でも良かったかなと思っ
ています。評価については、それぞれの項目について実習した薬局が SBO の評価をしてもらっていま
す。OTC については、ドラッグストアに行く場合とセルフメディケーションが得意な薬局に行っても
らう場合があり、同じセルフメディケーションでもこれだけ違うということが認識できることもありま
す。
北山:ありがとうございます。今ちょうどセルフメディケーションの話が出ました。実はうちの H グル
ープでもディスカッションさせていただいたのですが、やはり OTC が不得意な先生のところも多いか
と思うのですが、そうゆう先生方、どうでしょう、ロールプレイというのでも十分だと思うのですが、
各薬局が協力薬局をこれから準備していくという形になっていくのですが、あるドラッグストア出身の
先生に伺うと、スタッフを指導していく場合もロールプレイから始めて、基本がきちんとできるように
していきますし、OSCE での患者インタビューにおいても行っているように、先ずは患者さんの病態を
聞き取ることをしていただいて、そしてそれに対して薬を選択する。また、OTC に関する本等も先生
方お持ちでしょうし、対面話法で実習する。私たちの薬局でもスタッフが順番に模擬患者になってロー
ルプレイを行い、
「私まだ妊娠できるし、それに対して触れなかったよね」とか、
「前立腺肥大があるの
でキャベジンだめだよね、抗コリン剤入っているから」というようなことを言っていろいろ選択しても
らって、1 類、2 類は薬剤情報提供文書を日薬のホームページからダウンロードして、プリントアウト
を学生にさせて、そして交付する。登録販売士と薬剤師の違い、薬剤師はどうゆう情報提供をしないと
いけないのかということをその場で語って頂ければ普通に OTC を扱っておられない先生方でも明日か
らできるのかなと考えています。今後は、先の福井県薬剤師会の協力薬局、基幹薬局という考え方、実
は石川県薬剤師会はスタートした時は 1 薬局完結型というのを日薬が強く指導していたので、それで実
務実習が始まるにあたって一生懸命みんなでスケジュールを組んで、マニュアルを作りましたし、先ず
1 薬局で全部できるようにと、それが段々いつの間にか協力薬局、協力薬局と長野県とか色んなところ
での取り組みが始まって、やはり 1 薬局では疲弊してしまったり、出来ないカリキュラムがでてきてし
まうので、それで薬剤師会も今度は協力薬局を作ることによって少しずつサポートしていく形を大学等
と相談して考えていこうかなと考えております。また何かご意見等ありましたら県薬の方に出していた
だければいいかなと思います。よろしくお願いいたします。
野村:集合研修であったり、グループ実習については、個々の薬局で対応できることではありませんの
で、薬剤師会、大学が協力して土台を作っていき、実際にどのようにしていくかという具体的なもの、
それから在宅とか OTC のできる薬局を把握するとともに、そういったことができる薬局を増やしてい
くことも大学が後押ししていかなければいけない所かなと思っています。
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野村:その他、何かありますでしょうか。新コアカリでの疑問点というところでも構いませんが、何か
聞いておきたいこと等はございますでしょうか。
北山:新コアカリに切り替わるということで、先ほどの高野先生からも説明がありましたが、今後薬局
と病院の住み分けが明確になっていくかとは思うのですが、実際今日頂いた新コアカリキュラムに関す
る実習内容で SBOs がずらっと並んでいます。それらを自分でご覧になって、現在の実習の中で、これ
は薬局でできる、これは出来ない、またこうものを準備しておいたら良いのかな、ということを考えて
いくことで平成 31 年からの実習がスムーズにできるかなと考えております。他にご意見はありますか。
久保田:先ほどの一つひとつのお話の中でいくつか思い出したことがありましたので、少し補足させて
頂きます。佐倉先生の発表の中で、1日目から学生に服薬指導させているとのお話があったのですが、
長野県の薬剤師会が学術大会で発表されていたのですけれども、初回来局用アンケートの簡略版みたい
なものを A5 版くらいの形にして、学生さん用の患者さんアンケートといって 1 日朝 1 枚、次の日から
は 2 枚といった形でアンケートをとるという取り組みのデータがでていますので、長野県の薬剤師会で
やっていることの取り組みとしてご参考になるかと思います。あと、広島県、長野県、千葉県、神奈川
県辺りがグループ実習を盛んにしていて、学会発表しています。ホームページ等で公開していたり、広
島あたりは CD-ROM を販売していますので、いくつかご参考にして頂ければと思います。またそれぞ
れの薬局の先生方も一つひとつ何か参考にすることもできると思いますし、県薬の中でもアイデアがで
てくると思いますので、情報提供ですけれども、させて頂きます。
北山:折角の機会ですので、集合研修でこんなことをしてほしいとか、何かご意見がございましたらお
願いします。
針田:今日は B グループでトラブルの対応についてディスカッションをしました。集合研修ということ
ではないのですが、昨年の意見にあった「患者観察の機会を多く設ける(患者観察のポイント)を教え
る」という勘所みたいなものを新入の職員とか学生さんに是非教えたいと思うのですけれども、実際に
その患者さんに向かって指差して「あの人足が悪そうですよね」とか、そんなことはなかなか現場で言
えないので、教材として何か DVD みたいなもの、例えば、待合をずっと映した DVD とか、薬剤師の
指導をずっと映した DVD みたいなもの、そのようなものを使って、指導教官と学生さんが同じものを
みて、「この人どう思う」とか、何かそうゆう工夫などは 1 薬局ではなかなかできないけれども、私た
ちは患者観察用の教材(DVD)等があれば簡単に学生さんと共有できる DVD のようなものを開発して
頂きたいと思います。日薬から頂いた、こんな風に実習をやってくださいというような DVD はイメー
ジとして共有しており、使っていますので、もっと日薬や県薬がみんなで使える教材を提供してくれる
とありがたいと思います。本はたくさんもらいましたので、是非動画を頂けるといいなと思います。
久保田:アボットがトラブルのある患者さんのビデオを何種類か、色々な例を挙げて DVD を作ってお
りまして、大学でも収集して持っておりますので、必要であればそれを県薬の方でアボットに依頼して
するなどして頂ければと思います。また、大学でもいくつか持っておりますのでご提供できるかと思い
ます。あと、コミュニケーションに関しては、少しずつ本学の方でも力を入れておりまして、来月 PS
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講座で本学の高瀬が講座を頂いて行いますので、ステップアップしたコミュニケーション等の参考にし
て頂けることもあるかと思います。
高瀬:高瀬でございます。例えばカウンターで全く情報が分からない患者さんが来た時の対応の仕方、
これに関しましては、今回日本臨床薬学会で私が実際に出演しております。そういった対応の仕方、要
は情報が無いときにどういった受け答えをしたら良いか、あるいはどういう風に薬学生にそれを教育し
たらいいのか、そういったところを加えてお話していきたいと思っております。前半は、私の専門であ
りますので、緩和、がん医療の話を中心にお話しして、後半はロールプレイ、そして県薬の方にお願い
して、ストーリーをあとで提供しようかと思っているのですが、患者さん役、母親役、ドクター・看護
師役、そういったストーリーのある形で実演していきたいと思います。
北山:それでは皆さん、積極的にご参加いただけたらと思います。先ほどアボットのお話も出ましたが、
患者対応に関しましてはスズケンとか田辺とか色んな所からもトラブル事例の DVD を提供して頂けま
すので、MR さんを捕まえてお願いするのもできるかと思います。また、針田先生からの希望がありま
したように、石川県薬でも何か代表的な DVD をご用意できるようにお願いしたいと思います。
三浦:是非検討したいと思います。
北山:他に、もし今県薬に要望があれば、この機会ですので是非お願いいたします。
野村:私は、B グループで「トラブルへの対応」に対して SGD を行いましたが、結論としてフィード
バックが重要という意見が出ました。昨年の学生からのアンケートでも、「指導薬剤師からのフィード
バックがほとんどない」という回答が約 20%程度みられています。実習終了時間である 17 時は忙しい
時間ですので、フィードバックというのはその時点では難しいかと思います。日報を介して文書でフィ
ードバックということも一つの方法ではありますが、翌朝の時間を利用して「昨日の日報にはこう書い
てあったが、
・・・」とか、
「昨日の患者さんについてどう思う」など、口頭でのフィードバックを行い、
学生からも意見を言わせて、互いにコミュニケーションが進むような形にして頂き、より良い実習にし
て頂きますようお願いいたします。
金田:6 年制の人たちが卒業して、やっと医薬分業の流れということで、今回の新コアカリキュラムも
非常に嬉しく思っております。国家試験への対策にあまりにも指導が偏っているのではないかとの懸念
を抱いているグループの方もたくさんいましたけれども、やはり実践を求められていて、処方薬剤を把
握するという点においても国家試験の問題にどんな薬剤が出ているかを知るだけでも指導薬剤師とし
ては必要なのかなと以前から思っておりましたので、今日頂いた問題にしっかり目を通したいと思いま
す。あと 5 年後に向けて、今から出発するわけですけれども、医薬分業の実践でも問題となっているの
が、病名、検査値が処方せんには書かれていないことがあるかと思います。そこが基本的に整備されて
いないところが日本の薬局薬剤師の資質がどうのとか色々と言われるところであると思います。
また、後発品選定に対して、私どものグループで一つだけ意見が出たのですけれども、後発品のところ
でも既にそれが問題になっておりまして、TS-1 とかグリベックの後発品に関しては、適応症が本当に
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一つくらいしか認められておらず、先発品はもう幾つもあるというような状況の場合に、後発品を勧め
たいのだけれど病名が分からないために、後発品を勧められないことがあるので、薬局では積極的に勧
められない。この対策についてずっと考えてきたのですが、自分の中での一つの答えとして、コメント
欄でもいいので、グリベックや TS-1 が処方されている場合に、
「この方は後発品を使用可です」などの
ことを積極的に書いていただければ適応症を通っていることをドクターはご承知なんだなという意志
の疎通ができると思っています。例えば、処方設計をするということになると病名が分かっていなくて、
先生の処方意図も汲めない状態ではどう提案するのかといった根本の問題が関わってくると思います。
患者さんにより良い医療を提供するためには、お薬手帳での情報交換では間に合わず、それを超えた医
療従事者間の情報の共有を行っていくシステムが必要であり、守秘義務を遵守しながらもう一歩進んだ
情報共有の在り方を構築していかなければ新コアカリキュラムを実現できないのかなと思いました。
北山:この件につきましては、疑義照会といった大変大切な公務となりますので、それでお願いいたし
ます。
高野:また 2 つ情報提供させてください。新コアカリのアウトカムベーストエデュケーションの件です
が、これは我々もどのように考えていったら良いのか分からないところがありまして、薬学会の方では
これまで 3 回ほどアドバンストワークショップという形で周知の期間を設けてきました。これは日薬の
方からも何人かの先生にご参加いただいております。その報告書は 5 月に薬学会のホームページに掲載
されております。これまで 10 の資質のほぼすべてが出そろったと思いますので、ご興味のある先生は
ご覧頂いたら良いかと思います。もう 1 点は、新コアカリの内容把握についてのご意見があったかと思
いますが、先生方に内容を把握していただく必要があるかと思いまして、8 月 24 日に北陸地区でのア
ドバンストワークショップを企画しております。ここでは、新コアカリを取り上げたいと思っておりま
すが、どのようにしていくかについてはこれから考えるところであります。アドバンスワークショップ
実行委員は、県薬では三浦先生、本学では高野と久保田教授が担当ですので、新コアカリキュラム等で
ここが知りたい等のご要望がありましたら、これらのメンバーにお尋ね下さい。また、アドバンスワー
クショップにも積極的にご参加いただければと思います。
佐倉:我々はきっと勇気を出さなければいけないんだろうと思うことがあったんです。それは前の学生
さんの発表を聞きに行ったときに、明らかに服薬に関して薬物の副作用が出てるということを学生さん
が発表しているのにも関わらず、その情報をドクターにフィードバックしていない。よく言われるのは、
門前薬局の薬剤師は、ドクターの顔色を窺って言うべきことを言えていないということがあります。お
となしいというか、顔色を窺っている。我々は、それこそ勇気をだして疑義照会をより強く頑張ってや
っていく必要があるのだと思いました。先ほどの抗がん剤の後発品の場合も、「この効能で良いでしょ
うか、私は後発品に替えてあげたいと思っています。患者さんも了解しています。」と勇気を出して伝
えるべきだと思います。
野村:ありがとうございました。先ほどや今の意見も含めて、新カリキュラムではそういったところも
考慮していく必要があるかと思います。それでは、まだ意見もあるかと思いますが、予定の時間も過ぎ
ましたので、終わりにしたいと思います。本日は、問題点を共有してこれからの実習に活かして頂くと
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いうことと、新コアカリキュラムについて考える良い機会になったと思います。
中川:どうも今日は長時間にわたり SGD、発表と先生方にご協力いただきまして、誠にありがとうご
ざいました。これで 2 回目となります。また今後もこの情報交換会は続けていきたいと思いますので、
どうぞよろしくお願いいたします。それでは、第 2 回目の情報交換会を終わらせて頂きます。どうもお
疲れ様でした。
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