最終戦は接触により無念のリ - PACIFIC RACING TEAM

2015.11.19
NEWS RELEASE
PACIFIC RACING TEAM「PACIFIC マクラーレン with μ’s」
最終戦は接触により無念のリタイアも収穫の一年に
#9 PACIFIC マクラーレン with μ’s レース結果
2015 AUTOBACS SUPER GT 第 8 戦(最終戦) MOTEGI GT 250KM RACE
11 月 14 日[土] 予選 天候/コース:雨/ウェット
予選 Q1 ポジション:26 位(2’02.327)
11 月 15 日[日] 決勝 天候/コース:曇り〜晴れ/ウェット〜ドライ
決勝ポジション:リタイア(Best Lap 2’02.783)
レースレポート
日本を代表するレースシリーズ、SUPER GT シリーズ第 8 戦(最終戦)が、11 月 14〜15 日に栃木のツイ
ンリンクもてぎロードコースにおいて 250km レースとして開催。PACIFIC RACING TEAM の#9「PACIFIC マ
クラーレン with μ’s」(白坂卓也/阪口良平)は参加 28 台中 26 位からスタートし、順調に順位を上げて周
回。中盤にピット作業を済ませたアウトラップの 2 コーナー先で、他車両と接触して左フロントのタイヤとサ
スペンションを傷めてピットイン。残念ながらそのままリタイアを喫し、連続完走記録は「4」でストップするこ
とになった。
ツインリンクもてぎのロードコースは短いストレートを直角ターンで結ぶ区間が多く“ストップ&ゴーサーキ
ット”と言われ、また長い下り坂の先も 90 度ターンが控えており、ブレーキやタイヤを酷使するコース。前
回のオートポリスからはわずか 2 週間のインターバルとなったが、メカニックたちが入念に準備を施して最
終戦を迎えることになった。これまで連続完走記録を続けているだけに、最終戦でもその記録を更新し今
年のベストリザルトを記録したいところ。テレビアニメ「ラブライブ!」で活躍するスクールアイドルユニット
「μ’s(ミューズ)」のメンバーが描かれたマクラーレン MP4-12C GT3 は、今季初入賞を目指して紅葉の美し
い現地へ入った。
土曜朝の公式練習は気温 15℃で曇り時々雨という天候。このセッションで白坂、阪口がコースインして
白坂が 1 分 59 秒 346 で 20 位とまずまずの位置につけた。午後の公式予選 Q1 になると気温 13℃、路面
温度 16℃と冷え、天候も弱い雨で完全なウェットコンディションとなった。Q1 担当は今回も阪口が担当し、
中盤まではトップ 20 あたりのタイムをマークしたものの、なかなかタイヤが温まらずタイムアップせず 26 位
という結果となり、これで予選は終了となった。
決勝日朝のフリー走行も雨/ウェット。このセッションでは阪口が 2 分 1 秒 299 で 20 位につけ、決勝での
追い上げが期待された。やがて雨は上がりコースもドライコンディションとなったこともあり、決勝前のフリ
ー走行は 10 分間延長されて行われた。このセッション後にバッテリートラブルが発生。チームはコースイン
までにバッテリー交換をしてなんとかコースインさせたが無念のタイムアウト。スターティンググリッドには
着けずピットからのスタートとなった。しかしここで雨がコースを濡らし再びウェットコンディションとなり、タ
イヤをレインタイヤに交換してスタートを待つこととなった。
13 時 48 分に水しぶきを上げながら各車がスタートするとピットロードにもグリーンランプが点灯。白坂が
遅れて GT300 の隊列に追いつくべくコースインした。オープニングラップでペースの上がらない車両を 1 台
かわし、また 90 度コーナーで 2 台が接触して戦列から離れると、白坂は順位を 3 つ上げて 25 位へ。さら
に前が開けていたこともありペースを上げて 4 周目には GT300 クラスの隊列に追いつくと、1 台ずつ追い
抜いて 5 周目には 21 位、さらにはコース上の水がはけ始めると 12 周目には 1 台をかわして 20 位へポジ
ションアップを果たした。
15 周を過ぎると早めのピットインを済ませてドライバー交代と給油、タイヤ交換を行うチームが出始める
と、白坂は 19 周目には 14 位まで順位を上げて走行。順調に周回を重ねていった。22 周で白坂はピットイ
ンして阪口に交代。スリックタイヤに履き替えて給油を済ませコースへ復帰。大事にタイヤを温めながら 2
コーナーを回ったところで左前方にいた GT300 車両が阪口の方へ寄ってきたために、2 台のホイールが当
たる接触。阪口の後方両サイドには GT500 車両が迫っており、その 1 台が阪口と接触。相手マシンのリヤ
が大破してコース上に散らばり、これでセーフティカーが導入されることとなった。最初の接触でタイヤは
スローパンクチャーを起こし、操縦も難しくなったことで阪口はピットインして車両をチェックするが、左フロ
ントのショックアブソーバーが折れており、残念ながらこれでレースを諦めることとした。車両の外装には
一切のダメージがないという不思議なアクシデントだった。
このリタイアにより連続完走記録は「4」でストップ。最終戦でのベストリザルト達成もかなわなくなり、消
化不良のレースとなったが、今年参戦した 7 戦のうち 5 戦で完走を果たし、真夏の第 4 戦富士では 16 位
というリザルトを残せたことは大きな財産。今年新たなチームとなり何もかもが初めてという状態から、少
しずつではあったが成長を見せられたことは大きな収穫となった。今年の経験は来季の糧となるはず。こ
れらを生かして来年も日本一の GT シリーズにチャレンジをする予定だ。
以下、チームコメント
神野元樹監督
「今年は新しいチームを作って参戦しましたし、未知の車両であるマクラーレンを走らせてデータをたくさん
取ることができました。タイヤテストにも参加することができない状況ではありましたが、大きな事故もなく
数多くの経験を積むことができました。これでどこをどう変えていけばもっと良くなるのかということも分かり
ましたし、これから準備をして来年につなげていければいいなと思います。学生たちもいい経験をしたと思
いますし、社会に出てからもこれを生かしてほしいですね。一年間応援してくださったファンの皆さま、本当
にありがとうございました」
牧野成伸チーフエンジニア
「一年の締めくくりとして臨んだレースでしたが、天候に恵まれず結果を残すことができず申し訳ありませ
ん。レース前のウォームアップでバッテリートラブルが起きたので交換して送り出したのですが、わずかに
間に合いませんでした。決勝は最後尾からスタートしてタイヤ選択も良く隊列に追いついて、順位もかなり
上げることができましたしこれは来年につながると思います。新チームとして一年間戦うことができ、チー
ム全体も育ったと思います。もっといい環境を整えて来季も頑張りたいと思いますので、今年以上の応援
をよろしくお願いいたします」
白坂卓也
「まさかのピットスタートになってしまいましたが、いいペースで追い上げができました。ウェット路面からセ
ミウェット路面、そしてラインが乾き始めて行きましたが、タイヤの選択も良くペース的にも 2 分 2 秒台を連
続で出せたりしましたし、20 位ぐらいまでは順位を上げることができ良い形で渡すことができました。クル
マの調子も悪くなく、来年はもっとクルマを仕上げて入賞を狙いたいです」
阪口良平
「アウトラップだったのでゆっくりとスリックタイヤに熱を入れながら 1〜2 コーナーを立ち上がっていたので
すが、GT300 車両に抜かれました。ところがその車両が寄ってきて向こうの右リヤと僕の左フロントホイー
ルが接触。ハンドルはまっすぐにしていたのに、後続の GT500 車両と接触して相手が大きく壊れてしまい
ました。何とか最後まで走りたいと念じたのですがクルマは既に壊れていて、残念な結果になってしまいま
した。いろいろマシンの癖もつかんできていたので、これを来年につなげられればと思います」