5 LE SYSTEME D`ENSEIGNEMENT EN FRANCE フランスの教育制度

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●Baccalauréat
LE SYSTEME D’ENSEIGNEMENT
フランスの教育制度
EN
FRANCE
バカロレア
バカロレアは高等学校教育の終了を認証する国家試験である。
バカロレアの受験区分は人文系、科学系、経済社会系と分野別に分かれており、
これを取得すれば原則としてどの大学にも入ることができる。
1808 年にナポレオン・ボナパルトによって導入され、2005 年の時点では 18 歳に達したフランス国民の 62%
がバカロレアを取得している。
出題の傾向としては日本と異なり、一科目あたり 3~4 時間かけて大きな題に関して論述を続けるという形
式である。
●Université de paris パリ大学
パリ、クレテイユおよびヴェルサイユの 3 大学区にある 13 の大学の総称である。
多くのノーベル賞受賞者や政治学、科学、物理学、神学などの分野で
優秀な学者を多数輩出し、芸術の教育機関としても名高い。
パリ大学の起源は 12 世紀前半であり、第 1 から第 13 大学までの独立した大学群に編制された。
大学は 1275 年に神学部学生用のソルボンヌ寮を設立して以降「ソルボンヌ (Sorbonne)」と呼ばれる 。
●Grandes Écoles グランドゼコール
大学とは別のフランス独自の高等専門教育機関で、フランスに 200 校ほどあり、いずれも専門分野におい
ての高度専門養成機関として役目を果たしている。進学できる学生数は制限されており、進級も卒業も難
関である。準備学級を卒業した者は選抜試験(小論文と面接)へと進む。バカロレア取得者のうち、グラ
ンドゼコールに進むのは 5%弱といわれる。
*国立高等工芸学校(Centrale)・・・工学・技術系エリート養成のための教育機関。
幅広い知識を身に付けたエンジニアの養成を目的とする。
*国立土木学校(les Ponts)・・・理工系エリート養成のための技術系教育機関。
最古のグランドゼコールとしてルイ 15 世の勅令によって創立された。
*国立高等鉱業学校(les Mines)・・・様々な工学分野の技術者を育成する教育機関。
2007 年には慶應義塾大学理工学部と交流協定が締結された。
*高等商業学校(HEC)・・・経営大学ともよばれ、ビジネススクールでもある。
*パリ政治学院(Sciences-po)・・・社会科学系のフランス屈指のエリート校。
留学生の受け入れを拡大しており、日本では東京大、一橋大、早稲田大、
慶應大、上智大などの大学と国際交流協定を結んでいる。
*国立行政学院(ENA)・・・フランス随一のエリート官僚養成学校。
政界官界において存在感が大きく、パリ政治学院の卒業生が多い。
*高等師範学校(Normal Sup)・・・大学の教員、研究者を養成することを目的とする。
卒業者は準公務員として手当ても支給される。