相安定化硝酸アンモニウム/テトラゾール系ガス発生剤に関する研究

相安定化硝酸アンモニウム/テトラゾール系ガス発生剤に関する研究
本科 56 期
応用化学科 56565
三浦 亮介
1 序論
燃焼速度が圧力の影響を受けることはよく知られているが温度にも影響される。本研究では酸化剤成分と
して室温付近に相転移のない硝酸カリウムで相安定化した硝酸アンモニウム(PSANKN)と 1H-テトラゾ
ール(1HT)を燃料成分とする混合物について,燃焼速度に及ぼす圧力と温度の影響について調べた。
2 実験方法
2.1 試料
1HT と PSANKN を化学量論比で混合した。混合物を加圧成型し 1.5g の円柱試料を作製した。
2.2 燃焼試験
ストランド燃焼試験装置を用い,圧力(p)10MPaまでの窒素雰囲気下,初期温度(Ti)323Kで混合物の燃焼
速度(r)を求めた。
3 結果及び考察
3.1 燃焼速度
図 1 に混合物の各Tiにおけるrとpの関係を示す。
rとpの関係はVieilleの式r=apnで表される。
ここで a は定数,nは圧力指数である。
Tiとaおよびnの関係から,rは次式で示すことができるとわかった。
(1)
r= (6.2668+0.034085×Ti)×p^(1.31470.0025426×Ti)
ここで,図1のプロットは実験値で,破線は Vieille の式,実線は式(1)から求めたものである。
式(1)により任意の圧力と温度における燃焼速度が得られることがわかった。
3.2 温度感度
温度感度(σp)は次式で求めることができる。
σp=1/r(∂r/∂Ti) (2)
図 2 に式(2)から求めた温度感度を破線,回帰分析で得られた結果を実線で示す。
0.0200
358K
238K
323K
10
0.0150
296K
5
0.0100
238K
296K
0.0050
323K
358K
0.0000
1
1
5
10
Pressure(MPa)
図1 各温度における燃焼速度
0
2
4
6
8
10
12
Pressure(MPa)
図2 各温度における温度感度
担当指導教官 蓮江和夫 教授