山本香織部長 入学式式辞全文

小学部入学式式辞
2013 年 04 月 10 日 小学部長 山本香織
今から6年前、
80人のかわいい女の子が生まれました。
生まれたおうちや誕生日は違いますが、
どの子もおぎゃあおぎゃあとよく泣いて、よく寝る子たちでした。
でも一人ひとりをよく見ると、いろいろ違うところがあります。お顔がまんまるな子、やさしい
目をしている子、やせっぽっちの子、髪の毛がふさふさの子、いつも笑っている子、よく飲みよく
食べる子、泣いてばかりの子、指をしゃぶっている子、手足をひっきりなしに動かしている子、と
っても静かな子。
どのおうちでも赤ちゃんが生まれたので大騒ぎです。赤ちゃんは一人では何もできないので、そ
の命を守るのは大変なことなのです。でも家族みんな大喜びです。遠くに住んでいるおじい様やお
ばあ様たちも、大喜びです。
やがてその女の子たちは、幼稚園や保育園に入園しました。幼稚園や保育園にはやさしい先生た
ちがいて、楽しいことがいっぱいで、お友だちがたくさんできました。
赤ちゃんのとき泣いてばかりだった子は、歌がとても上手な子になりました。手足をひっきりな
しに動かしていた子は、外での遊びなら何でも得意です。お顔がまんまるだった子は元気いっぱい
力持ちなので、お片づけが誰よりも早くきれいにできます。髪の毛がふさふさだった子は、いつも
みんなを笑わせています。やさしい目をした子が話しかけると、仲間はずれにされていたお友だち
の顔がニコニコになります。静かな子は、きれいな色のすてきな絵をかきます。やせっぽっちだっ
た子は、友だちと友だちを仲よくさせるのが得意です。よく飲みよく食べる子は、みんながいやが
ることもできる頑張り屋さんになりました。
おうちの人たちや、遠くに住んでいるおじい様やおばあ様たちは、赤ちゃんだった女の子が、ど
んどんできることが増えていくので大喜びです。
そしてその笑顔を見ることが何よりも好きでした。
もう気がついていますよね。その6年前に生まれた80人の女の赤ちゃんのうちの一人が、あな
たです。80人は小学校に入る年になりました。一人ひとり住んでいる町、おうちは違いますが、
みんな東洋英和の小学部に入ることになりました。神さまが呼んでくださったのです。そして20
13年4月10日。東洋英和の制服を着て、新しいくつをはいて、花のアーチをくぐり、拍手に迎
えられて、この講堂に入ってきました。今日からは80人毎日いっしょです。お友達がいっぺんに
増えてうれしいですね。
ところで東洋英和の小学部では、学校じゅうのみんなで80人が来る日を楽しみに待っていまし
た。2年生から6年生のお姉さんたちは、ずっと前から1年生の教室や廊下に飾る絵を描き、きの
う6年生は一生懸命、お掃除や飾り付けや打ち合わせをしました。どうしてかというと、その80
人はとても大切なかわいい妹たちだからです。
さて東洋英和は神さまが、
「そうだ、日本の東京の六本木に女の子のための学校をつくろう」と、
今から129年前につくってくださった学校です。その学校の子にはどういう子どもになってもら
いたいか、神さまはお考えになりました。心から神さまを愛し、心から周りの人たちを愛する子ど
もになってほしい…。だから東洋英和では、その神さまのお心を一番大切にしています。そのため
に聖書の言葉から神さまのお心を学びます。そしていつもお祈りをして、神さまとお話します。み
なさんも今日からいっしょに、神さまのお言葉を聞きながら、学んでいきましょうね。
一つ言い忘れたことがありました。今から6年前、どうしてそのかわいい女の子は生まれたので
しょうか…。お父さんとお母さんがつくったのでしょうか。ぬいぐるみや、粘土の人形は作れます
が、人が命をつくることはできません。どういう子にしようかということも決められません。では
誰が命をつくり、一人ひとりを違うようにしたのでしょうか。それは神さまです。言い忘れたこと
というのは、6年前生まれた女の子は、神さまからの贈り物だったということです。みなさんだけ
ではありません。すべての人は、神さまがつくり、命を与えてくださった神さまからの贈り物なの
です。その人は世界に一人しかいません。またその人たちはすべて、神さまがお考えになった一人
ひとり違ういろいろな贈り物でできています。だから勉強をすること、スポーツをすること、歌を
歌うこと、お友だちを仲よくさせること、など人によっていろいろな力があるのです。神さまが贈
り物をくださったのは、自分のためだけではなく、周りのみんなのためにその力を使ってほしいか
らです。周りのみんな、すべての人は、神さまが命を与えてくださった、神さまからの大切な贈り
物だからです。
明日から東洋英和の小学部での毎日が始まります。元気に学校へ来てください。お友だちが79
人います。2年生から6年生までのお姉さんたちと、先生たちがいます。いっしょに神さまからの
贈り物の「力」を使って、周りのみんなに幸せを広げていきましょう。
最後になりましたが保護者の皆様方、本日はお嬢様のご入学おめでとうございます。教職員一同
責任を持って、小学部を巣立つ日まで、この80名の教育にあたります。どうぞよろしくお願い申
し上げます。
(お祈りしましょう。
)
神さま、このようにすばらしい日をありがとうございます。
神さまが6年前に80人の女の子をくださり、今日その子たちを東洋英和に招いてくださったこと
に感謝します。一人ひとりの卒業の日まで、ずっと見ていてください。神さまのお言葉をもってお
導きください。それぞれのご家庭を祝福してください。
2年生から6年生までの在校生と先生たちも、いつも神さまのこの世でのお働きのお手伝いができ
るように、力を与えてください。
この祈りを、イエス様のお名前を通して、み前におささげいたします。 アーメン
※一部、ひぐちみちこ著「かみさまからのおくりもの」
(こぐま社)を参照させていただいています。