Your Road-Map to Getting Published - Japanese

論文発表へ向けての手引
「Publish or Perish」という現実はいかなる学者や研究者も自覚するところである。しかしながら、
インパクトファクターの高いジャーナルでの論文掲載は年々困難を増している。
高水準なジャーナルでの論文掲載が困難になってきている理由としては:

国際的ジャーナルへの投稿数は年間15%の率で増加している。

ジャーナル数は増加していない。

ジャーナル編集者は掲載対象の選択に極めて慎重である。

科学的内容の不明確さから不受理になる投稿原稿も多い。

ピアレビュー以前に「言語審査」を実施し、その段階で投稿原稿の最大 9 割を不受理
とするジャーナルもある。
「論文発表へ向けての手引書」の目次




ジャーナルによる投稿原稿の受理・不受理の判断とは?
言語・文法のチェックリスト
論文執筆・編集へのアドバイス
1. 出版社が何を求めているのかを知る
2. 一文を短くする
3. 可算名詞・不可算名詞に注意する
4. コンマを正しく使うコンマを正しく使う
5. 正しい動詞の時制を使う
6. 冠詞(a、an、the)を正しく使う
7. 大文字を正しく使う
8. 混同しやすい単語に注意する
9. 良い論文タイトルを選択する
10. 繰り返しや冗長を避ける
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ジャーナルによる投稿原稿の評価とは?
下記は、ジャーナルがどのようにして投稿原稿の受理・不受理を評価、判断しているかについて
の概略である。自分の論文原稿が下記の基準をどれくらい満たしているか確認すること。
重要性

同分野の研究者にとってこの研究知見の何が重要か。

この研究知見は、関連分野や他分野の研究者の一般的関心をひくものであるか。
新規性

論文の主張には、ジャーナル掲載に値する新規性があるといえるか。

出版済みの論文と照らして、概念上の進歩をもたらす研究であるといえるか。
序論

分野外の読者がこの研究の課題・仮説を理解するのに十分な背景情報を序論の中で明確
に提示しているか。

なぜそれを研究する必要があるのか、その理由を明示しているか。

なぜそれを研究する必要があるのかを説明するにあたり、十分、かつ適切な文献を引用し
ているか。

研究対象を明示しているか。
方法・手法の技術的厳密性

研究に用いた方法は、研究目的に適したものであるか。

記述した実験を他の研究者が再現するのに十分な詳細を提示しているか。

記述した実験結果を立証するには、更なる実験が必要であるか。

論文品質の著しい向上をもたらすような追加実験はないか。

すでに確立している実験方法を用いている場合、適切な文献を引用しているか。
結果・統計

研究結果の説明は明確であるか。また、適切なフォーマットを用いて提示しているか。

図表は肝心なデータを示しているか。本文の中で簡潔に要約できるものはないか。

図表や本文でデータが重複していないか。

図表での提示内容はわかりやすいか。

本文をより明確に説明できるような追加図表はないか。

適切な統計分析法を用いて結果の有意性を検証しているか。
考察

データ解釈のあらゆる可能性を考察しているか。研究データと一致する仮説は他にない
か。

出版済みの研究と照らして、研究知見を適切に議論しているか。

引用文献は適切か。

研究の制約や限界については考察しているか。
結論

結論は適切な証拠に裏付けされたものであるか。誇張した主張をしていないか。

研究知見の重要性・適用性・影響を明確に考察しているか。
引用文献

参考文献はバランスよく引用しているか。重要な文献で引用がもれているものはないか。ま
た、偏って過多引用している文献はないか。
ジャーナルの選択

投稿先ジャーナルは、この論文の掲載ジャーナルとして最適といえるか。

論文原稿の記述はジャーナルのスタイルに即しているか。

この研究はジャーナルの読者に向いている科学内容といえるか。

ジャーナルの専門範囲、研究の形式と論文のカテゴリー、研究知見の該当分野に対する影
響などの要素は適切に考慮しているか。
言語

他分野の読者でも理解できるように明確に書いているか。

論文は正しい英語で書いているか。(本文に対する)集中の妨げとなるような文法上のミス
はないか。
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言語チェックリスト
世界的出版社のシニアエグゼクティブのコメント
「ジャーナル編集者は質の高い投稿原稿を山ほど前にして、文法やスペルといった形式的な基
準で採用の合否を決定することもある。回避できるようなミスで不受理とならないよう、投稿原稿が
パーフェクトであることを確認すること。」
個別チェックリスト
抄録
-独立した文書として通用する
-通常 250 単語以下(または、ジャーナルの規定に従う)
-冗長を避け、簡潔に書く
-略語を使わない。抄録中に二度以上用いるときにのみ、その用語の略語を使う。使う略語はす
べて定義すること
-「方法と結果」は(ほとんどの場合)過去時制で書く
-「結論」は(ほとんどの場合)現在時制で書く
-論文の内容・構成は現在時制で書く
-第三人称や受動態よりも第一人称での表現の方が好ましい(ジャーナルや分野による)
-同概念・同物に対する類義語の使用を避ける
-「B-P-M-F-C-R コード」に従う。(Background info「背景情報」・Purpose「目的」・Methodology「方法」・
Findings「知見」・Conclusions「結論」・Recommendations「推奨事項」)
本文
-適切なセクションに情報を提示する(「IMRaD 基本形式通り」Intro, Method, Results, and Discussion
「序論・方法・結果・考察」)
謝辞
-支援・資金
-必要に応じて、利害の対立に関する記述
引用文献
-ジャーナルの規定通り(著者・ジャーナルが要請する場合のみ要編集)
-説明文の配置(図表の上部・下部)
-適切な表記
-(テキスト部分の)句読法(ジャーナルが定める通り)
-図表内テキストのスペル
-図表内テキストの明確さ
全体チェックリスト: 「読みやすさ」が目標
整合性
-スペル(米国スペルか英国スペルか。複数のスペルが存在する技術用語の場合)
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-句読法(米国スタイルか英国スタイルか、等)
-学名
-セクションの表題(可能であればジャーナルの基準に従う)
-テキスト内での文献引用
簡潔さ
-序論と文献のレビューはなるべく簡潔にする
-ジャーナルに出す場合、論文構成の説明は不必要
-繰り返しは最低限に止める
-適切な文の長さ、「ひと文ではひとつのことを」を心がける;長い文章は複数の短い文章に分け
る
文法
-動詞の時制を正しく使う
-必要に応じて、適切に受動態を使う
-句読法
-スペル(スキャン機能でダブルチェックする)
-発音は同じだが意味が異なる単語に注意すること
-動詞の使い方
-すべての動詞は、人称と数において主語と一致しているか
-動詞の時制は正しいか
-単語・文の間隔(マイクロソフトワードの「変更内容の表示」を「最終版(変更箇所/コメントの表
示)」ではなく「最終版」に設定し、ダブルチェックすること)
-冠詞・名詞の使い方(英語を母国語としない人が自然な英語を書こうとする際に大きな障害とな
る部分である)
-規則活用名詞の複数形は「S」で終わっているか。不規則活用名詞の複数形は正しいか
-冠詞(a、an、the)の使い方は正しいか
-構文
-コンマ・セミコロン
-コンマは句を区切る際に用いるが、これは記述事項が非必須情報である場合に限る
-よくある間違い
-「because of」と「due to」の使い方
-「respectively」の使い方
-「In addition」「Further」「Moreover」等の代わりに用いている「Also」
-「affect」と「effect」の使い方
-「then」と「than」の使い方
-「and」と「or」の使い方
-「that」と「which」の使い分け
-「anybody」と「any body」の使い方
-代名詞の使い方(「its」「it is」等)
-大文字の使い方。固有名詞はすべて大文字から始まっているか
科学的表現の明確性と正確性
-研究課題の明確な記述
-専門用語や表現法を同分野の似た論文や研究と照らしてチェックする(「Google Scholar」を用い
る。また、該当分野における自身の専門知識も取り込むこと)
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-専門用語のスペル
-専門用語・方法等の略語
-統計的表記(有意値、テスト結果、テスト名称)
-固有名詞・方法・手順における大文字の使い方
-学名
-化学物質の名称
-種の名称
-地理的位置や場所の名称
-科学的装置の製造会社名と所在地
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論文執筆・編集へのアドバイス
アドバイス 1: 出版社が何を求めているのかを知る
論文を書き始める前に、出版社が投稿原稿に求めるものは何であるかを良く理解しておくことが
重要である。ジャーナル編集者や出版社が求めるものを提供することにより、論文掲載の可能性
を高めることができる。
留意しておくべき主要ポイントは「出版社は質の高さを求めている」ということである。
求められていること
- 独創性
- 該当分野における飛躍的な進歩
- 適切な研究方法と結論
- 読みやすさ
- 倫理基準を満たす研究であること
求められていないこと
- (その研究が自身によるものであろうとなかろうと、既刊文献との)重複
- 科学的関心をひかない報告
- 無効の研究
- 不適切な研究方法や結論
- 不十分なデータによる研究
以下の点を自問して投稿すべきか否かを判断する。
- 自分は何か新しく興味深いことをしたといえるか。
- 該当分野での最新の研究結果を確認したか。
- 研究知見は検証済みか。
- 適切な対照群(コントロール)を用いたか。
- 研究知見はひとつのストーリーをなしているか。もしくは、そのストーリーは「未完成」か。
- この研究は、現在関心を集めているトピックに直接関連したものか。
- 難問に対し、解決策を提供しているか。
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アドバイス2: 一文を短くする
短く明確な英文で書いた投稿原稿の方が受理される可能性が高い。
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記録によると、1600 年には英文の平均的な長さは 40 から 60 単語であったが 1900 年になると平
均 21 単語にまで減り、1970 年には 17 単語となっている。現在の英文長の平均は 12 から 17 単語
である。
この数値は、英語の場合、短文で文章を書く傾向にあるということを明示している。
中国語、日本語、韓国語等のアジア諸国の言語では長文を用いる傾向があるが、英語の場合、
特に科学的内容を表現する英語の場合は、非常に短い文を用いるのが通常である。科学的文
章において短文は「当たり前」であり、「幼稚」であるわけではない。
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アドバイス 3: 可算名詞・不可算名詞に注意する
単数形の可算名詞には通常冠詞が必要であるが、複数形の可算名詞には場合によって冠詞が
必要である。
不可算名詞に複数形はなく、時によって冠詞が必要となる。
まず該当する名詞が加算か不加算かを判断し、そうした上でその文章での正しい形を決める。
加算・不可算名詞の例:
1.
2.
3.
4.
加算:sensor (センサー)- one sensor, two sensors, three sensors(単数形と複数形)
加算:mice(マウス)- one mouse, two mice, three mice(単数形と複数形)
加算:fish(魚)- one fish, two fish, three fish(単数形・複数形が単一の形)
不加算:water(水) - one drop of water, two liters of water, three flasks of water(量を示すに
は単位を表現する単語が必要)
加算・不加算名詞の詳細については、以下を参照。
The Longman Dictionary of Contemporary English: http://www.ldoceonline.com
The OWL at Purdue: http://owl.english.purdue.edu/handouts/esl/eslcount.html
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アドバイス 4: コンマを正しく使う
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コンマの使い方は英文句読法において最も難しく、また重要な側面の一つである。どのようにコ
ンマを使うか、どこにコンマを付けるかによって文の意味が完全に変わってくる。特に、必須情報
と非必須情報の提示におけるコンマの使い方に注意を払う必要がある。
正しい使い方: 非必須情報を本文と区別するためにコンマを使う。非必須情報とは、その部分を
削除しても文自体の主な意味に影響がないものを指す。
The equipment, which was made in Shanghai, was very expensive.
(上海製造の機器はとても高価だった。)
正しい使い方: 必須情報を含む句に対してコンマは使わない。必須情報とは、削除すると文の
意味が変わってしまう情報のことである。
The equipment that we used was made by the XX Company.
(我々が用いた機器は XX 社製である。)
The equipment which we used was made by the XX Company.
(我々が用いた機器は XX 社製である。)
誤用: 下記の例文が示すように「which we used(我々が用いた)」という部分は文の正しい意味を
伝えるために必要である。従って、この場合コンマを使うことは間違いである。
The equipment, which we used, was made by the XX Company.
(我々が用いたその機器は、XX 社によって製造された。)
含んでいるのが非必須情報の場合は(コンマを用いて)「which」を使い、必須情報の場合は
「that」「which」のいずれかを使う。(対象となる句が人を指している場合は「that」「which」に代わっ
て「who」を用いてもよい。)
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アドバイス 5: 正しい動詞の時制を使う
実験の手順、方法、結果など、過去に起きたことや実施したことを記述する際には、単純過去時
制を用いる。
In this study, a number of functional and structural properties of sodium were compared to determine the
underlying reason for the observed functional changes.(当研究では、認められた機能的変化の根本
的な原因を究明するためにナトリウムの機能的、および構造的特性を比較した。)
Assessment of size using standard denaturing gel conditions showed multiple bands whose size was
consistent with discrete oligomeric forms of A.(標準的な変性ゲル条件を用いて実施したサイズ評価
により、A の個別オリゴマー型のサイズと一致する複数のバンドの存在が明らかとなった。)
事実を述べる場合は現在時制を用いる:
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Alzheimer's disease is a fatal progressive dementia.
(アルツハイマー病は、致命的な進行性認知症である。)
図表の説明にも現在時制を用いる。この場合の使い方は「図表についての事実を述べている」と
考えると良い。
The amino acid sequence of the synthetic Vpu (1-40) peptides used in this study is shown in Figure 1A.
(当実験で使用した合成ペプチド Vpu (1-40)のアミノ酸配列は図 1A に示す)
過去のある時点に開始し現在も進行中の研究、もしくは完了はしているが研究課題として該当
分野でまだ続行している研究について述べるときは現在完了時制を使う。
The current state of GPCR research has evolved in large measure from observations made in two parallel
systems.(GPCR 研究の現状は、その大部分が二つの並列システムでなされた観測に基づいて発
展したといえる)
Jones et al have shown that …(ジョーンズ他の研究によると・・・)
使っている動詞の時制が正しいかどうかを常にダブルチェックすること。ポイントを以下にまとめ
た。



何かを導入、説明するような文章(事実を述べている文章)では現在時制か現在完了時
制を使う。
研究対象や方法の説明には過去時制を使う。
研究結果は過去時制で表現する。しかし(考察等において)他の研究に言及する場合
は現在完了時制を使う。
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アドバイス 6: 冠詞(a、an、the)を正しく使う
定冠詞: 定冠詞である「the」は特定のものを言及するときに用いる。通常「the」によって言及され
る「特定のもの」とは本文の中ですでに記述・導入済みのものを指す。
論文の中ですでに言及した状況について考察する場合に「the」を用いる。
We began the experiment.((その)実験を開始した。)
周知の事実であると思われる事柄や物に対しても「the」を用いる。
The situation in Iraq is deteriorating.(イラクでの状況は悪化している。)
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論文の中ですでに言及した名詞に対しても「the」を用いる。下記の例文において「mixer」の冠詞
が最初に出てきたときは「a」であるが、次に出てくるときには(一度すでに言及されているので)
「the」を用いていることに注意する。
We tested a new measuring device and a new mixer. The new mixer worked well.
(新規測定器とミキサーを検証した。新規ミキサーの稼働は良好であった。)
不定冠詞: 不定冠詞である「a」や「an」はテキストの中でまだ言及していない、新たに出てくる事
柄や物に対して用いる。また、不定冠詞の名詞とは通常特定の名詞ではなく、一般的な名詞だ
といえる。例えば「a dog」とは単に一般的な犬、どんな犬について述べており、「the dog」とは特定
の犬を指す。
We planned a new experiment.(新たな実験を計画した。)
The fluid was separated with a centrifuge.(遠心分離機を用いて液体分離を行った。)
冠詞の用法は何をすでに言及したのか、および、対象となる名詞のタイプの 2 点によって決まる
ことに留意する。「ACS Chemical Biology」という国際的ジャーナルから実際に抜粋した文を例文と
して下記に紹介する。
The emergence of antibiotic resistance poses a major threat to human health, prompting interest in the
exploration of new antibiotic targets.(抗生物質耐性の出現は人間の健康を大いに脅かすものであり、
新規抗生物質ターゲットの研究に対する関心を高めている。)
Zinc is the second most abundant “trace” element in the body. This metal ion is vital
for normal cellular function as a cofactor in numerous enzymes, in transcription factors, in the immune
system, and in the reproductive system.(亜鉛は量において体内で 2 番目に多い「微量元素」である。
亜鉛は、多数の酵素や転写因子群の補助因子として、また免疫系や生殖器系において、正常
な細胞機能に欠かせない金属イオンである。)
These data provided solid evidence that the observed IgG antibody response is T-cell dependent.(これらの
データは、IgG 抗体反応は T 細胞依存であるという観測結果を確かに裏付けるものであった。)
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アドバイス 7: 大文字を正しく使う
いつ大文字を使い、いつ小文字を使えばよいかを判断することは時に困難である。日本人、中
国人、韓国人の執筆者の場合、母国語に大文字・小文字に相当する識別がないため、特にそう
だと言える。大文字の使い方は、同じ単語が状況によって大文字表記となったり小文字表記とな
ったりするため、実は英語のネイティブにとっても問題である。
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概して言えば、大文字は地理的場所の名称に用いる。より明確な説明を「The Economist Style
Guide」から下記に抜粋する。
「はっきりと限定される地理的場所・地帯・地域・国に対して、また曖昧ではあるが認められて
いる政治的または地理的地域に対しては大文字を使い、東・西・南・北に対しては、それが
固有名称の一部である場合を除いて、小文字を使う。」
大文字表記のルール:
1.
2.
3.
4.
5.
一般的にコンパス上での方向・方角は、形容詞として用いる場合も含め、大文字表記と
しない。例:north(北)、southeast(南東)、形容詞 western(西の)、central(中央の)、upper
(上の)、lower(下の)
固有名詞の一部となっている地理的総称は大文字表記とする。例:Atlantic Ocean(大西
洋)、Yangtze River(揚子江)
大文字表記の地理的総称に続き、別の地理的総称が来る場合、後者は大文字表記と
しない。例:Yangtze River valley(揚子江渓谷)、the Nagara River basin(長良川流域)
同カテゴリーに属する大文字表記の地理的名称を複数記述する場合、カテゴリーの部
分(例:砂漠、地域、渓谷等)は大文字表記としない。例:Gobi and Taklamakan deserts(ゴ
ビ・タクラマカン砂漠)、Fuji and Aso mountains(富士・阿蘇山)
地理的名称に付ける冠詞「the」については一概に言えない。正しい用法を最も適切に
判断するには(インターネットや他の資料を用いて)その場所の正式名称を検索すると
良い。例:The Bahamas(バハマ)、the Netherlands(オランダ)、the Philippines(フィリピン)
インターネットで地名を検索する場合、「Google Scholar」と「Wikipedia」は大文字の使い方と正確な
スペルを検索する上でも役に立つサイトである。表記の好みに個人差はあるが、このようなサイト
で検索することで、どの表記が最もよく使われているかを判断することができる。「研究結果をで
きるだけ明確に発表すること」が目的であるということを忘れないこと。正式な大文字表記法を学
び、用いることにより、読者がより早く正確にその内容を理解することができる。該当する研究分
野に読者が精通していない場合には特にそうと言える。
いつ大文字を使い、いつ小文字を使うべきかの判断の助けとなるよう、地理的名称の正しい大文
字表記の例を下記に挙げる。
大文字:
1. East Asia(東アジア)、South-East Asia(東南アジア)、Central Asia(中央アジア)、Central America
(中央アメリカ)
2. North Korea(北朝鮮)、South Africa(南アフリカ)、the North Atlantic(北大西洋)、the Middle East(中
東)
3. The Arctic(北極地域)、The Hague(ハーグ)、The Gambia(ガンビア)(注:「The」は正式名称の一
部)
小文字:
1. central Europe(中央ヨーロッパ)、western China(中国西部)、southern Beijing(北京南部)、western
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Mongolia(モンゴル西部)、northern North Korea(北朝鮮北部)、southern Kyushu(九州南部)
2. the central Gobi(中央ゴビ)、the lower Yangtze River(揚子江下流)、the Philippines(フィリピン)
地理的名称の正確な書き方・大文字表記法についての詳細は「The Columbia Gazetteer of the
World」と「Merriam-Webster’s Geographical Dictionary」を参照。
一般的なオンライン情報源として「The Economist Style Guide, Capitalization - Places」を、参考になる
スタイルガイドとしては「the Council of Science Editors」が出版している「Scientific Style and Format,
The CSE Manual for Authors」を参照するとよい。
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アドバイス 8: 混同しやすい単語に注意する
意味は異なるがスペルが似通っている、また、基本的に同意語であるが英文法においてその使
い方が異なる、等、英語には混同しやすい単語が多々存在する。
最も頻繁に混同される英単語についての説明に進む前に、下記のテストで自身の知識を試して
みてはどうだろう。回答は当セクションの最後に掲載。
affect = A, effect = B, capability = C, capacity = D,
continually = E, continuous = F, adverse = G, aversion = H
1. The _______ conditions caused by the hurricane prevented the plane from taking off.(ハリケーンによ
る__条件のため、飛行機は離陸できなかった。)
2. Despite the skill of its employees, the small factory did not have the ________ to produce large
amounts of goods.(従業員のスキルにもかかわらず、その小規模な工場には商品を大量生産す
る__がなかった。)
3. The _________ noise of the waves crashing on the beach was very relaxing.(浜辺に押し寄せる波
の__音は、とても気分をリラックスさせるものであった。)
4. Luckily, the medicine did not adversely ______ the patient.(幸運にもその薬は患者に悪い__を
及ぼさなかった。)
5. Because he had not received any training, John did not have the __________ to repair the complicated
machinery.(何の研修も受けていなかったため、ジョンにはその複雑な機械を直す__がなか
った。)
6. Many scientists believe that global warming is the ______ of greenhouse-gas emissions.(多くの科学
者は、地球温暖化は温室効果ガス排出の__によるものと確信している。)
7. Because she is a vegetarian, Susan had an ________ to the idea of going to the Korean Barbeque
restaurant.(自身がベジタリアンなので、スーザンは韓国焼肉のレストランに行くことに対し__
感を持っている。)
8. The website is ___________ updated.(そのサイトは__更新されている。)
どうでしたか。下記の説明を読んで上記例文に挙げた「混同しやすい単語」の理解度をチェッ
クしてください。下記のセクションでは例文に挙げた以外の「混同しやすい単語」についても説
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明しています。
1. capability/capacity
capability(能力・才能): a certain ability, the quality of being capable, a potential(ある種の能力、有
能であること、潜在的能力・適性)
capacity(容量能力): the ability to contain; the volume or amount that fits in a certain container(包含・
収容能力、容器に入る量)
2. compliment/complement
complement(補足物): a worthy addition (n.)(価値のある補足物・補完物)(名詞)
e.g., The girl’s pink cheeks were the perfect complement to her dark eyes.)(例:尐女のピンク色の頬は
彼女の黒い瞳を引き立たせていた。)
compliment(褒める): to praise (v.)(称賛する)(動詞); a piece of praise (n.)(賛辞)(名詞)
(e.g., The girl accepted the compliment with a shy blush.)(例:尐女は恥ずかしそうに顔を赤らめなが
らその賛辞を受けた。)
3. trial/trail: これは単なるタイプミスによることが多い。
trial(試行): a tryout or experiment to test quality, value, or usefulness of something (e.g., clinical trial).
(何かの質、値、または有用性を試すこと、またはそれらを検証する実験)(例:臨床試験)It
also refers to the number of repetitions of an experiment.(実験の繰り返し数のことも指す。)
trail((人や物が移動してできた)跡): a marked or established path or route, or a course followed or
to be followed (e.g., mountain trail).(表示のある、または確立した経路・ルート、たどった、またはた
どるべきコース)(例:山道、登山道)
4. intercellular/intracellular
intercellular(細胞間の): located between cells.(細胞間に位置している)
intracellular(細胞内の): occurring or situated within a cell or cells (e.g., intracellular fluid).(細胞内で
発生している、または細胞内に位置している)(例:細胞内液)
5. principal/principle
principal (adjective)(主要な)(形容詞): chief, main, leading, most important.(最重要な・最高位の、
主な、一流の・トップの、最重要な)
principal (noun)(長)(名詞): the most important person or group of people(最も重要な人または
人々)("After much debate, the two principals reached an agreement")(長い議論を経て、主要なそ
の二人は合意に達した。); the head of a school(校長・学長)(the principal person in the
administration)(管理運営体の長である人); borrowed money(元金)(as distinct from interest)(利子
は除外).
principle (always a noun)(原則)(常に名詞): a rule, standard, law, guideline, or doctrine.(法則、基
準、法、指針、または主義・信条)
6. adverse/averse
adverse(不利な・逆の): bad, opposed(悪、反対の)
(e.g., Benjamin ate hamburgers every day for lunch and suffered no adverse effects.)(例:ベンジャミン
は昼食に毎日ハンバーガーを食べたが、何の悪影響も受けなかった。)
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averse(非常に嫌っている): feeling unwilling; experiencing distaste(不本意に感じる、嫌悪感を抱
いている)
(e.g., Benjamin’s mother was averse to the idea of a lunch of only hamburgers.)(例:ベンジャミンの母
親はハンバーガーだけの昼食というものを非常に嫌っていた。)
7. affect/effect
affect (verb)(作用する・影響をおよぼす)(動詞): “to influence”(影響を与えること)
(e.g., Xiao Wang’s wild partying on Thursday night affected his performance on the history test.)(例:木
曜日の晩にあったシャオ・ワンのワイルドパーティーは、彼の歴史の試験の成績に影響をおよ
ぼした。)
effect (noun)(効果・結果・影響)(名詞): “result”(結果)
(e.g., Tanaka’s wild partying on Thursday night had a terrible effect on his performance on the history
test.)(例:木曜日の晩にあった田中のワイルドパーティーは、彼の歴史の試験の成績にひどい
影響をおよぼした。)
8. continually/continuously
continual(連続的な): repeatedly (e.g., For two weeks, the travelers continually went on trips to the
Great Wall.)(繰り返して)(例:二週間にわたり、旅行者たちは万里の長城へとひっきりなしに出
かけていった。)
continuous(連続的な): without interruption (e.g., The flow of water is continuous.)(途切れることな
く)(例:水の流れは途切れることがない。)
9. criterion/criteria
criterion(基準): singular form (e.g., one criterion).(単数形)(例:一つの基準)
criteria(基準): plural form (e.g., some criteria).(複数形)(例:いくつかの基準)
10. ensure/insure
ensure(確保する): “to make sure or certain”(~を確かにする)
insure(保険をかける・保証する): “to guarantee with insurance against risk or loss of life”(死亡また
はそのリスクに対して保険で保証する。)
*しかしながら、米国英語においては上記双方の意味を持つ単語として「insure」を使うことがで
きる。
参考文献:
http://cgi.sparknotes.com/
http://forum.wordreference.com/
http://www.m-w.com/
http://www.thefreedictionary.com/
*練習問題の回答: 1) G, 2) D, 3) F, 4) A, 5) C, 6) B, 7) H, 8) E.
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アドバイス 9: 良い論文タイトルを選択する
良いタイトルとは「研究内容を的確に表現できる、最尐限単語数の文章」ということを念頭に置い
て作成しよう。下記に「べし・べからず」のポイントをまとめる。
すべきこと:
-研究の主な知見を伝える
-具体的に表現する
-完結する
-読者を引き込む
すべきでないこと:
-不必要な専門用語を使う
-あまり使われない略語を使う
-あいまいな文言を使う
-不必要な詳細を含む
-論文内容の一部のみに焦点を当てる
タイトルの悪い例:
Slower processing is correlated with higher levels of depressed mood, fatigue, lower verbal
fluency, fewer words and digits recalled and poorer recall of visual-spatial information in MS
patients(MS 患者における低処理能力は、高い憂うつ感、けん怠感、言葉の流暢度の低さ、
言葉や数字の回想力の低さ、および視覚空間情報の乏しい認知と関連している)
改善例:
Relationships among information processing, depression, fatigue and cognition in multiple sclerosis
(多発性硬化症における情報処理、うつ病、けん怠感、認知の関係)
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アドバイス 10: 繰り返しや冗長を避ける
抄録や序論の最後で研究知見を説明する際は、文章に変化を持たせること。情報自体は殆ん
ど同じかもしれないが、同じ文章を一言一句コピーすることは避けるべきである。
一つの文章内で同意語を複数使わないようにする。
In addition, sections were also stained with …(また、切片はまた・・・によって染色し・・・)
After centrifugation, pellets were then…(遠心分離後、ペレットはその後・・・)
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回りくどい文章を避けること。すなわち、「回りくどい論理」の文章を避けること。
In order to examine differences in protein levels, lysates were subjected to 10% SDS-PAGE and
Western blotting using an anti-NR1 antibody, to observe the effects of stimulation on receptor
trafficking.(タンパク質濃度の違いを分析するため、抗 NR1 抗体を用いた 10%SDS-PAGE
とウエスタンブロットで溶解液を分析したが、これは受容体輸送への刺激の影響を調べ
るためである。)
上記例文では、表現は多尐異なるとはいえ実験の目的を二度述べている。一度で十分である。
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論文作成のツールキット Your Toolkit for Scientific Writing
「SciDev Net」のサイト:
How to submit a paper to a scientific journal::
http://www.scidev.net/en/practical-guides/how-do-i-submit-a-paper-to-a-scientific-journal-.htm
l
How to write a scientific paper:
http://www.scidev.net/en/practical-guides/how-do-i-write-a-scientific-paper-.html
How to apply for a research grant
http://www.scidev.net/en/practical-guides/how-do-i-apply-for-a-research-grant-.html
論文執筆に関する参考資料:
How to write a scientific Paper and Writing for the Journal Nature
http://www.nature.com/authors/author_services/how_write.html
BioTech: Life Science Resources and Reference Tools (University of Texas)
http://biotech.icmb.utexas.edu/
句読法・スペル・大文字表記法に関する参考資料
表現方法(スタイル)と文法について:
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The ACS Style Guide, 3rd edition (Washington, DC: American Chemical Society, 2006) The Chicago
Manual of Style, 15th edition (Chicago: University of Chicago Press, 2003)
The Gregg Reference Manual, 10th edition ( New York: McGraw-Hill/Irwin, 2005)
The Little, Brown Handbook, 10th edition (New York: Pearson Longman, 2007)
Scientific Style and Format: The CSE Manual for Authors, Editors, and Publishers, 7th edition (Reston,
VA: The Council of Science Editors, 2006)
辞書:
Longman Dictionary of Contemporary English: http://www.ldoceonline.com/
The Free Dictionary: http://www.thefreedictionary.com/
American Heritage Dictionary, 4th edition: http://www.bartleby.com/61/
Merriam-Webster Online: http://www.merriam-webster.com/dictionary/
間違えやすい単語:
English Plus: http://englishplus.com/grammar/mistcont.htm
冠詞の使い方:
The Owl at Purdue: http://owl.english.purdue.edu/owl/resource/540/01/
形容詞と副詞の使い方:
The Keables Guide:
http://www.iolani.honolulu.hi.us/Keables/KeablesGuide/PartOne/AdjectivesandAdverbs.htm#
4a
英語知識の自己診断:
English-Test Net: http://www.english-test.net/lessons/16/index.html
加算・不加算名詞について:
The Owl at Purdue: http://owl.english.purdue.edu/handouts/esl/eslcount.html
動詞の時制について:
Owl Online Writing Labs: http://owl.english.purdue.edu/handouts/esl/esltensverb.html
About.com: English as a 2nd Language: http://esl.about.com/library/grammar/blgr_verbforms.htm
McGraw-Hill's Dictionary of American Idioms and Phrasal Verbs (New York: McGraw-Hill, 2005)
上手な文章の書き方についての追加参考資料:
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International Congress on Peer Review and Biomedical Publication(生物医学分野において論文掲
載の可能性をいかに高めるか): http://www.ama-assn.org/public/peer/7_13_94/pv3083x.html
Bonneville Power Administration, “Write to reach your readers”:
http://www.bpa.gov/corporate/kcc/circuit/99ci/ci0299/writetoreach.shtml
データベース
Raymond H. Mulford Library (University of Toledo):
http://www.utoledo.edu/library/mulford/index.html
PubMed (NCBI)(米国国立医学図書館データベース。1600 万以上のメドライン他の引用を含
む): http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/
NCBI Entrez Genome: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=genome
NCBI GenBank: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Genbank/GenbankOverview.html
世界の主な出版社とジャーナルへのリンク
(a) Elsevier (2200+ titles): http://www.elsevier.com/wps/find/journal_browse.cws_home
(b) Wiley Interscience (1400+ titles; now including former Blackwell Synergy journals):
http://as.wiley.com/WileyCDA/Brand/id-29.html
(c) Springer (1500+ titles): http://www.springer.com/east/home?SGWID=5-102-0-0-0
(d) Taylor and Francis (1000+ titles): http://www.tandf.co.uk/journals/sublist.asp
(e) Cambridge University Press (200+ titles): http://journals.cambridge.org/action/bySubjectArea
(f) Oxford University Press (180+ titles): http://www.oxfordjournals.org/
(g) Lippincott Williams & Wilkins (250+ titles): http://www.lwwonline.com/
(h) Nature Publishing Group: http://www.nature.com
(i) Science: http://www.sciencemag.org/help/authors/publishing.dtl
(j) The Lancet: http://www.thelancet.com/authors/lancet/authorinfo#handles
(k) American Chemical Society Publications: http://pubs.acs.org/
出版社・ジャーナル検索サイト
(a) AcqWeb’s Directory of Publishers and Vendors: http://www.acqweb.org/pubr.html
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(b) IOP Electronic Journal Directory and Search: http://www.iop.org/EJ/
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エダンズ・グループ・ジャパン株式会社はオフィスを福岡市に構え、クライアント著者の論文原稿
を SCI ジャーナルへの投稿に適したものとなるように編集いたします。単に文法のみならず、科学
的表現の明確さ、簡潔さ、正確さという点からも校正を加えます。弊社の英文校正およびライティ
ング・サービス(110 名以上の英語を母国語とするエディター、ライターから構成)(※
)では、バイリ
ンガルの日本人スタッフがお客様と校正者間に立ち、日本に根ざしたサービスを提供しています。
研究機関への請求も可能で、お支払いは銀行口座振込となります。弊社の提供しているサービ
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※2009年 1 月現在
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