的確な対処の為に ・・・・・ 昨年の気象データを振り返ろう

TOYO GREEN
NEWSLETTER ON TURF SEED
January
2009
No.74
芝生の成育は常に天候に左右されます。スポーツターフの維持管理は、地域の気象を把
握し芝生の状態に合わせて的確な対応をすることが求められます。近年の温暖化傾向や
一部地域で極端な高温や降雨を観測することが増えてきたことから、気象データを把握す
ることは芝生の管理を行なっていく上で益々重要になってくるでしょう。
2009年最初のニュースは、気象庁から発表された昨年の天候の特徴(速報)を話題とし
て取り上げます。あらためて昨年の芝生の状況と照らし合わせて、これからの芝生管理の
参考にしていただければと思います。
的確な対処の為に ・・・・・ 昨年の気象データを振り返ろう
2008年の天候の特徴 (気象庁報道発表資料から天候に関するコメントを抜粋)
春(3~5月) : 春の平均気温は、北日本と東日本でかなり高く西日本で高かった。北日本の一部では平年を1.5℃
以上上回った。降水量は、東日本太平洋側でかなり多く、西日本太平洋側で多かった。日光(栃木県)、秩父(埼玉
県)、千葉、横浜(神奈川県)、軽井沢(長野県)、伊良湖(愛知県)では春の降水量の最大値を更新した。一方、北日
本から東日本にかけての日本海側ではかなり少なく、北日本太平洋側では少なかった。
夏(6~8月) : 東日本と西日本では、6月は曇りや雨の日が、7月は晴れの日が多く、北日本では6月は晴れの日
が、7月は曇りや雨の日が多く、北日本から西日本にかけて天候の変動が大きかった。気温も、7月の高温、8月後半の
低温と変動が大きかった。6月は梅雨前線により九州などで大雨となった。梅雨明け後も上空の寒気や湿った気流など
により、各地で局地的に雷を伴う大雨がたびたび発生した。
秋(9~11月) : 9月と10月に気温が高く、全国的に高温となった。秋の降水量は、沖縄・奄美と九州南部でかなり
多かった。一方、北日本と中国地方山陰ではかなり少なく、東日本と近畿地方北部、中国地方山陽では少なかった。
図 気象庁報道発表資料(2008年の天候 :左から3~5月(春)・ 7月 ・ 8月 ・ 9~11月(秋) )
***** 読者キーパーから(関西地域) *****
2008年夏の天候は、8月後半から気温が下がりベントグリーンのダメージが比較的少な
かったと思います。一方、9月から10月まで気温が高く雨が少ない日が続いたため、根の
成長回復が遅れて、根が短い状態が例年より長く続きました。このため夏のダメージが小
さかったものの、グリーン・コンディションの回復に時間を要すことになりました。
米国南部・南東部で気候のトランジションゾーンに立地するゴルフ場は、日本と
同様に高温多湿の気候が特徴です。この地域では、暑さやウエットウイルト・乾
燥・病害に強いクリーピングベントグラス「962」と「L-93」の特性が評価され普及
しています。近年、日本各地で猛暑や局地的な豪雨などが観測され気候変動の
大きさが目立ちます。国内においてもインターシードや改造でこれらの特性を持
つ品種を採用することは、グリーンの夏越し対策として有効ではないでしょうか。
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