NO. 7(27. 9.30)

平成27年
永
福
学
園
通
発想を変える
第 7 号
通巻42号
信
東京都立永福学園
9月30日
校長
朝日
滋也
活動の意義を考え直してみる
本日終業式を迎え、お陰様で前期の教育活動を締めくくることができました。10 月1日の「都民の
日」、10 月2日の「開校記念日」を経て、後期は 10 月5日から始まりますので、引き続き、御協力、
御支援のほどよろしくお願い申し上げます。
最近、世の中が複雑になり、確認すること、手続きなどが多種多様にわたり、本当に忙しい生活に
なってきたような気がしています。私自身、毎日「やること」「やるべきこと」を to Do リストに書
き出して、一つ一つこなしていくようにするのですが、途中、調整が必要になったり、新しい課題が
舞い込んで来たりして、一日が計画どおり行くことはまずありません。週末も、家や地域(自治会等)
の用事をこなさなければならないのですが、リストの中に「やりたいこと」も書くようにして、何と
か気持ちのゆとりを保てるようにしているところです。皆様の御家庭ではいかがでしょうか。
「ヒト・モノ・カネ」に加え、
「トキ(時間)」にも限度があります。本校の教育活動を更に充実さ
せていくには、これらをいかに有効に使うか、意義あるものしていくか、知恵と発想の転換が求めら
れています。例えば、若手の教員には、研究授業の指導案検討を進める中で、1 時間の授業で、待た
せる時間を減らしできるだけ活動する場面を増やしていくこと、また活動を通して、子供たちに何を
学んでほしいのかよく考えて授業づくりを進めるよう、伝えています。9 月から 11 月にかけて、各グ
ループで研究授業、研究活動を進めてまいりますので、年度末には、保護者の皆様にも何らかの形で
本校の取組を報告させていただければと思います。
<学部・学年通信、グループ便り等における写真の掲載について>
本校では、教育活動を充実させるため ICT 機器の活用を推進し、デジタルカメラ 18 台、ビデオカ
メラ5台、今年度からはタブレット端末 13 台を有効に使えるよう努めています。
これらの機器は、写真や映像などの個人情報を取扱うため、適正な管理が求められますが、都立学
校では「デジタルカメラの紛失」「画像の流失」などの事故があり、本校でも最近ヒヤリ・ハットが
生じました。このたび、ICT 機器の管理方法を見直すとともに、機器の使用目的を明確にし、計画的・
効果的に活用することを確認しました。絶対に事故を起こさないよう徹底を図ったところです。
これまで、本校では授業中の風景を写真に撮り、学部・学年通信等に掲載する例が多くありました。
ややもすると、写真を「撮る、編集・管理する」ことに多くのエネルギーを使う一面もありました。
今回の改善方針では、教育活動に必要な写真や映像、記録として残しておくべきもの(卒業アルバ
ム等も含む)以外の撮影は極力控え、授業に集中することを確認したところです。
つきましては、後期以降、学部・学年通信等に、お子さんの写真を掲載することは必要最小限に減
らしていくことといたしますので、背景、趣旨について、御理解くださいますようお願いいたします。
ニュース!
安倍昭恵首相夫人が、本校を参観
9 月 18 日(金)、安倍首相夫人が来校されました。就業技術科の保護者が関わっている NPO 法人
名誉顧問である首相夫人が、本校の参観を強く御希望されたことがきっかけです。
当日は、高等部の生徒が2階ロビーで夫人に歓迎の挨拶、1・2グループが美術の授業で制作した
「ランプシェード」を贈呈しました。夫人からは、「皆さんが元気で活躍し、障害のある人もない人
も、共に生きる明るい社会を築いていってください。」とのお言葉をいただきました。
※夫人の来校については、警備の関係から保護者の皆様には事前にお知らせできず、今回の報告とさせていただきました。
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「東京防災」と「防災ノート」について
東京都は 9 月 1 日から全家庭に「東京防災」という黄色い A6 判の本を配布しました。首都直下地震な
どの災害に対する事前の備えや、発災時の対処法などについて役立つ情報をまとめた防災指針です。
各家庭で「東京防災」の活用を図るため、都内の全ての学校に「防災ノート」を配布し、学校・家庭
と連携して防災教育を進めることになりました。
「東京防災」(都総務局作成)
都内の全家庭へ配布(9 月 1 日か
「防災ノート」
ら 750 万部)
(都教育庁作成)
「東京防災」を有効に
活用し、学校でも家庭で
も、児童・生徒が主体的
に防災について調べ、考
え、家族と一緒に行動
(防災アクション)する
ための防災教育教材。
防災ノートの特徴と活用
学校で…1資料から気付いたことや考えたことを
学級やグループで話し合う。
2学校図書館、インターネットなどで
調べる。
3学級やグループで防災について話し
合い考えを深める。
家庭で…1資料から気付いたことや考えたことを、
家族で話し合う。
2家族に尋ねたり、図書館などで調べる。
3調べたことをもとに家族で話し合い、
家庭における防災意識を高める。
学校と家庭が一体となった防災教育の充実
永福学園では 10 月 5 日(月)の始業式終了後、体育館で「防災ノート」を開いて「東京防災」とはな
にか?を確認したので、「防災ノート」を各家庭に持ち帰ってもらいます。御家庭で、是非「防災」につ
いて話題にしてください。「防災ノート」最終のページに「防災アクションをふり返って」の欄がありま
すので御家庭でチェックをし、メッセージをいただけたら幸いです。クラス名前を記入し、 10 月 13 日
(火)までに学校に持ってきてください。この「防災ノート」は3年間継続して活用していくために学
校で保管します。
引取り訓練・合同避難訓練を終えて
9 月 9 日(水)の引取り訓練は、台風の余波で、強い雨の降る時間帯の引き渡しとなりました。
御協力いただいた保護者の皆様本当にありがとうございました。非常災害時には大きな混乱も予
想されますので、日頃から防災意識をもち、訓練に参加していただければと思います。
まち comi メールの登録もかなり多くなりました。御協力ありがとうございます。今後、まち comi
メールの活用が多くなってきますので、まだ御登録されてない方はこの機会に御登録をお願いします。
9 月 29 日(火)には永福学園・大塚ろう学校永福分教室合同の避難訓練を実施しました。今後、
肢体不自由教育部門においても、平成 29 年度を目処に「宿泊防災訓練」を実施する予定です。
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【特別支援教育コーディネーターとは?】
特別支援教育を推進するために、都内の全ての公立学校で、教員の中から「特別支援教育コーディネー
ター」が指名され、活動をしています。特別支援学校には地域の学校を支援する『センター的機能』と
いう役割があり、特別支援教育コーディネーターは、積極的に地域の学校に出ていき、必要な支援、調
整を行っています。
今回は、永福学園の「特別支援教育コーディネーター」について、Q&Aで説明いたします。
Q1:
永福学園の特別支援教育コーディネーターは、誰が担当しているのですか?
A1:
小学部の金田 実主任教諭と、中学部の野村 奈苗教諭が担当しています。
Q2:
どんな仕事をやっているのですか?
A2:
杉並区や中野区の小・中学校で、肢体不自由のあるお子さんの校内での安全面や、介助員の
方の介助の仕方などについてアドバイスを行っています。小・中学校の「総合的な学習の時間」
等で、障害や福祉に関する授業をすることもあります。
また、副籍交流が円滑に進むように調整を行っています。永福学園のお子さんに対しては、
様々な課題を解決するための支援会議を開いたり、関係機関と連絡調整を行ったりしています。
Q3:
金田コーディネーターは、月にどのくらい出張するのですか?
A3:
月に7日前後出張します。多い月では10日以上出張することもあります。
Q4:
コーディネーターという仕事の『やりがい』は何ですか?
A4:
一番やりがいを感じるのは、地域の小・中学校の子供や介助員の方からアドバイス等に対し
て感謝された時です。コーディネーターとしての役割が果たせたことがうれしくて、さらによ
りよい支援にしていこうと思います。
【 副籍からつながる未来 】
今年度の副籍の特徴
平成 19 年度から副籍制度が導入されて 9 年目を迎えました。交流を実施するにあたって、毎年様々な
課題があるものの地域の小・中学校にも徐々に浸透し、交流がスムーズに進むケースが増えてきました。
今年度、小学部の副籍交流を行っている児童は46名中25名、中学部の生徒では30名中10名と
なり、中学部で副籍交流を行う生徒は昨年度に比べ大きく伸びています。
直接交流のケースでは、相手校(地域指定校)の特別支援教育コーディネーターがとても熱心で、永
福学園の子供が自ら参加できそうな場面をたくさん紹介してくれました。学校行事の見学では、担任の
先生からの提案で、見学だけではなくクラスの子供たちと教室で触れ合う機会も作ってくれました。
副籍を理解し熱心に取り組んでくれる相手校が増えることで、交流がより良いものになっています。
相手校(地域指定校)の児童・生徒の変化
相手校の児童・生徒の中には、最初は障害のことについての情報がなく、戸惑って何も話さない児童・
生徒や間違った声かけをしてしまう児童・生徒がいます。しかし、声のかけ方や関わり方が分かった途
端に、とても積極的に近寄り、話しかけたり手を握ったりしてくれます。正しい情報さえあれば 、子供
たちは関わることができるのです。
このような副籍交流を続け、本校児童・生徒と地域の子供たちと関わる場や機会を増やしていくこと
が、共生社会の実現に向けての大きな一歩になると確信しています。
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