センター第43号 - きらめきプラザ

43
Vol.
2016 年・春号
開催 200 回目をむかえた「お昼休みのミニ手話教室」より
平成 27 年度のまとめの 3 月となりまし
講座を終え修了証書を手にしたら、試験
た。今年度も、皆様方の数々のご支援、ご協力を
に合格し資格を手にしたら、そこはゴールではな
いただき、無事に種々の事業を終えることができ
く、新たなスタートとなります。次なる目標を定
ました。5 人体制のセンターにおいて、各事業を
め、日々の研鑽を積んでいくことにつながります。
実施できましたのも、各団体の皆様方の支えがあ
受講の終わりは、資格の取得につながり、資格の
ればこそと思います。また、県内外から多彩な講
取得は、意思疎通支援者としての活動につながり
師の方々をお迎えすることができ、新しい風を吹
ます。日々の営みに区切りはあるものの、そこは
き込んでいただいたり、丁寧にご指導いただいた
ゴールではなく、新たな出発点になることで、目
りしたおかげと感謝いたします。一つ一つの事業
標が生まれ、自分の中につながりのある進むべき
の成果と課題を見極めながら、新年度の事業実施
道がみえてきます。そして、そのことは、常に、
に生かしていきたいと考えています。
ブラッシュアップ(さらにみがきをかけること)
しながら自分を育てることにも、支援者を必要と
している方々への希望にもつながります。
センターの役割の一つに意思疎通支援
さて、平成 27 年度末になりましたが、意思疎
者の養成事業があります。今年度も、手話通訳士、
通支援者を養成すること、スキルアップにつなが
手話通訳者、要約筆記者を目指し、自らの学びが、
ること、意識改革につながること、自立につなが
自らの資格につながることをモチベーションの
ること、各種事業の中で、センターの役割を自覚
一つに、熱心に受講されました。また、全国レベ
しつつ、平成 28 年度の目標を定め、また歩みを
ルで実施される統一試験にもチャレンジされま
進めていくこととなります。それぞれの希望が大
した。その結果、手話通訳者として 6 名、要約筆
きく膨らむ 1 年になることを願い。
記者として 7 名の方々が合格され、岡山県の登録
をされました。聴覚障害者の方々の意思疎通支援
者としての活躍が期待されます。
(所長
中井
智子)
1 月 31 日(日)
、きらめきプラザ 301 会議室で、災害救援専門ボランテ
ィア研修会を開催しました(県聴覚障害者災害対策本部との共催)。手話通訳
者、要約筆記者、聴覚障害者など 71 名の参加がありました。三重県聴覚障害
者支援センター所長であり、全日本ろうあ連盟理事である倉野直紀氏を迎え、
「聴覚障害者の平時の減災活動や災害時における支援について」と題してご講
演いただきました。災害が起きてから考えるのでは遅いこと、平時からの地域
での取り組みが大切であること、私たちも被災者となるからこそ、支援を活用
する力『受援力』を高める必要があること、など様々なお話がありました。
続いて、ワークショップでは「聴覚障害者が避難所で困るこ
とは何か、それに対してどう対処するか」というテーマでグル
ープ討議をしました。コミュニケーションの問題や、情報が入
らないなど様々な意見が出され、その対処について、自分でで
きること、地域でできること、行政へお願いすること等に整理
しました。講師から「自助・共助・公助の力を高め、それぞれ
がうまく噛み合うことで命を守ることができる。それが受援力。
私たちがその力を育てましょう!」と締めくくられました。
3 月 12 日(土)、きらめきプラザ 301 議室で、要約筆記者等を対象とした聴覚障害者関係地域ボラ
ンティア研修会を開催し、64 名が参加しました。全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の新谷友良理
事長を迎え、「コミュニケーション支援の新たな展開~障害者差別解消法の施行
を控えて」と題してご講演いただきました。障害者の人権について、特に障害者
権利条約から差別解消法までの流れは、これまでも補習講習や研修会で学んでき
ましたが、新谷理事長のご講演のおかげで、さらに理解を深めることができまし
た。コミュニケーション支援で求められるものが変化しきており、不平等や差別
をなくすための法律の整備が進むとともに重要となるのは、当事者自身がどのよ
うな配慮を必要とし、何を求めていくのかを明確にすることだとのお話がありま
した。続いて講演のあとは、要約筆記者同士の意見交換の時間をとりました。講
演の感想、派遣や地域の問題など、どのグループも活発に意見が出されました。
4
2 月 28 日(日)、きらめきプラザ 401 会議室で、手話通訳者を対象とした聴
覚障害者関係地域ボランティア研修会を開催し、65 名が参加しました。
午前は、今年行われる参議院議員選挙と県知事選挙に向けて、実技学習をしま
した。午後は、岡山パブリック法律事務所の水谷賢弁護士を迎え、障害者差別解
消法についてご講義いただきました。この法律のキーワードとなる「差別的取り
扱いの禁止」と「合理的配慮の提供」について、専門家の立場から事例をまじえ
て解説をいただきました。手話通訳者は、手話の技術はもちろんのこと、関係す
る法律や様々な分野の知識が必要となります。自分のアンテナをしっかりと立て、
様々な情報をキャッチし、通訳活動に活かすことの重要性を確認しました。
1月
1 月 21 日(木)・22 日(金)、香川県高松市「情報通信交流館e-とぴあ・かがわ」で、
全国聴覚障害者情報提供施設協議会中国・四国ブロックのビデオ制作担当職員研修会が今年も開催され、
センターからも参加しました。自主制作のための専門的な知識や技術を学びました。
200
きらめきプラザに入居する団体の職員を対象に、毎月第 1・第 3 木
曜のお昼休みに 15 分間のミニ手話教室を開催しています。来館した
聴覚障害者が安心して利用できる施設にしたいと 2007 年 5 月にスタ
ートし、この 2 月 18 日、200 回目をむかえました。聴覚障害者への
理解やコミュニケーション向上のため今後も続けてまいります。
↑2 月 14 日山陽新聞朝刊に
掲載されました
※お申込の方法など詳細は岡山県聴覚障害者センターへお問い合わせください。
(
)
手話通訳者養成講座「手話通訳Ⅰ(基本課程)」
を2か所で開講します。
■会場:浅口市健康福祉センター
■教材費:2,000 円(別途テキスト代が必要)
■申込み締切:5 月 7 日(土)
■受講試験:5 月 14 日(土)10 時~
【①岡山会場】
■期間:平成 28 年 4 月 23 日~9 月 17 日、毎
週土曜 10~12 時(14 回)及び 10~15 時
(7 回) 計 21 回
■会場:岡山県聴覚障害者センター
■教材費:2,000 円(別途テキスト代が必要)
■申込み締切:4 月 9 日(土)
■受講試験:4 月 16 日(土)10 時~
【②浅口会場】
■期間:平成 28 年 5 月 21 日~12 月 17 日、毎
週土曜 10 時~12 時 計 28 回
要約筆記者養成講座を開講します。実技は、手
書きかパソコンのいずれかを選択していただき
ます。
■期間:平成 28 年 6 月 12 日~12 月 11 日、毎
回日曜 12 時 30 分~16 時 30 分(14 回)及び
10 時~16 時 30 分(4 回) 計 18 回
■会場:岡山県聴覚障害者センター
■教材費:2,000 円(別途テキスト代が必要)
■申込み締切:6 月 4 日(土)
■手話通訳士 昨年 10 月に実施された厚生労働大臣公認手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)の結果
が今年 1 月に発表され、合格者はありませんでした。
(受験者数 12 名、全国の合格率 2.1%)
■手話通訳者 昨年 12 月 6 日(土)に実施した手話通訳者認定登録試験(全国手話通訳者統一試験)の結果
が 3 月に発表され、6 名が合格しました。(受験者数 34 名、合格率 17.7%)
■要約筆記者 2 月 21 日(日)に実施した要約筆記者登録試験(全国統一要約筆記者認定試験)の結果が 3
月に発表され、7 名が合格しました。(受験者数 25 名、合格率 28%)
■
手話通訳
者養成講座応用課程が 3 月 19 日に終了し、14
名に修了証書を授与しました。
■
昨年 3 月から配置されてい
た山本優子さん(手話通訳者育成人材確保事業)
と、山口千枝さん(要約筆記者育成人材確保事業)
が、事業の終了に伴い 2 月末で退職されました。
お疲れ様でした。
専任手話通訳者の大林奈緒子さんが 3 月 31 日で退職されます。
この度、3 月末をもちまして退職することとなりました。センターに勤務し
た5年間で、たくさんの方々との出会いが私にとって1番の宝物です。
ある尊敬する方から、
『謙虚に、地道に、使命感を持って』仕事に取り組む
ことが大切だと教わりました。この言葉を胸に、新天地でも精一杯がんばりま
す。センターからは離れますが、今後もみなさまと共に活動をしていきたいと
思います。5年間、ありがとうございました。(大林奈緒子)
字幕入り DVD が入荷しまし
た。ぜひご覧ください。
こんにちは。ビデオ担当の追中(おいなか)
●『ONE PIECE 3D 麦わらチェイス』
(31 分)
です。暖かい春がやってきて、お花見など行
ある朝目が覚めると、ルフィが命の恩人からも
らった大切な麦わら帽子が消えていた。必死に帽
子を捜すルフィたちは、帽子をくわえて飛んでい
く大ワシを発見。ルフィたちはその大ワシを追っ
て、危険地帯に入り込んでしまう。ルフィは大切
な麦わら帽子を取り戻せるのか?(2011 年制作)
楽シーズンになりました。
「花見で眺めが一番
イイのはここ!」など、おすすめスポットが
ありましたらぜひ教えてくださいね。
さて、皆さんは「アクションカム(ウェア
ラブルカメラともいう)
」をご存知ですか?例
●『隠し砦の三悪人』
(139 分)
えば、お笑い芸人がかぶるヘルメットにとり
時は戦国の乱世。山名家との戦いに敗れた秋月
家の侍大将・真壁六郎太は、世継ぎの雪姫を擁し
残党数名と隠し砦にこもっていた。そして雪姫と
ともに軍用金を、盟約を結んでいた早川領へ運び
出そうとしていた。そんな時、砦に百姓の太平と
又七が迷い込んできた。六郎太は2人の強欲さを
頼みに早川領へ脱出を試みる。1958 年公開の黒澤
明監督作品。
付けた小型カメラがアクションカムです。ア
クションカムには「小さい」
「軽い」
「防水」
「防
塵」
「耐衝撃」という利点があります。これに
より、激しく動く場面ではカメラの大きさ・
重さや衝撃を、水中や砂ぼこりの舞う場面で
は浸水やホコリなどを気にしなくてもいいの
で、撮影の可能性が広がるカメラです。自分
●『四つの終止符』(107 分)
の目線で旅行の様子を撮る、海に潜って魚を
ろうあ者の青年・晋一は、母・辰子と祖父・進
と慎ましく生活していた。ある日、晋一が買った
薬を飲んで辰子が死んでしまう。警察は、晋一に
よる毒殺だと断定し、しつような取り調べを続け
る。進や晋一を慕う石母田幸子(いしもださちこ)
は、彼を救おうと奔走するが…。ろうあ者を取り
巻く差別的な状況を鋭く描いた一作。(1990 年制
作、モノクロ)
撮る…など色んなやり方で撮影ができるよう
になります。
YouTube(ユーチューブ)などの動画サイト
にもアクションカムで撮影された映像があり
ます。私のお気に入りは、車やバイクなどに
載せて撮る「車載動画」です。ただ走ってい
る様子を撮るのではなく、目的地までの道順
●『仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実
争奪杯!』(66 分)
●『聴力障害者の時間』 「大原省三さんにきく」(15 分)
「手話落語にとりくむ」(19 分)
●『目撃者f』 「棚田への思い消えず… ~九州北部豪
雨から1年~」(27 分)、「戦後」いつまでも…~戦争
の記憶 次の世代へ~」(27 分)
●『災害がおきたとき みんなで支えあうために』(24 分)
や、途中で見つけた風景、寄り道したお店で
食べた物など、自分もその場にいるような雰
囲気を味わえるところがおもしろいです。
いずれセンターでも、車載動画を活用して
岡山の魅力や情報を発信する
作品を作りたいと思っており
ますのでご期待ください。
◆◆編集後記◆◆
休館日:毎週火曜日、祝日、火曜日が祝日の場合その翌日も休館
※4 月 29 日(金)、5 月 3 日(火)~6 日(金)は休館となります。
●開館時間
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3 4 5
6
月・水~金曜日 9 時~19 時
1 2
3 4 5
6
土・日曜日 9 時~17 時
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第 43 号 2016 年 3 月 発行(年 4 回)
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発行 岡山県聴覚障害者センター
〒700-0807 岡山市北区南方 2-13-1 岡山県総合福祉・ボランティア・NPO 会館(きらめきプラザ)4 階
TEL:086-224-0221 FAX:086-224-0236 URL:http://www.kirameki-plz.com/~okatyo
設置手話通訳者の大林さん
が 3 月で退職します。自分の
ことはいつも後回しで、周り
に気を配り、元気がなさそう
な人がいると一番に声をかけ
ていました。事務室にある観
葉植物は大林さんの手入れの
おかげで元気に育っていま
す。植物だけでなく、これま
で大林さんがセンターで大切
に育ててくれたことを、4 月
から新たに加わる 2 名の手話
通訳者と共に益々大きくして
いきます。
5 年間お疲れさま
でした。
(犬好き→)