施設紹介 NHO 名古屋医療センター

■ 施設紹介 ■
NHO 名古屋医療センター
臨床検査科 大 島 浩 徳 名古医療センターは名古屋駅より地下鉄で約 10 分、市
役所駅下車徒歩約 1 分という交通の便が良く、名古屋市役
所、愛知県庁、名古屋城と隣接していていわゆる官公庁街
にあります。歴史的には、明治 6 年に旧成瀬邸を利用した
鎮台仮病院に始まり、明治 11 年に名古屋鎮台病院が新築
された後、名古屋衛戍病院(明治 21 年)、名古屋陸軍病院
(昭和 11 年)と改称され、戦後は国立名古屋病院になりま
した。
平成 16 年 4 月に独立行政法人「国立病院機構」の病院
として新しく生まれ変わり、年中無休 24 時間オープンの
第三次救命救急センターを備え、30 の標榜診療科と約 1,300 人の職員により総合的で高度な医療と「患者さ
んに安心していただける質の高い医療」を提供できるように日夜努力しています。(直江院長談)
病床数
医療法承認病床数 740 床(一般 690 床、精神 50 床)
標榜診療科
内科、心療内科、精神科、神経内科、呼吸器科、消化器科、循環器科、アレルギ-科、リウマチ科、小児科、
外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科、皮膚科、泌尿器科、産科、
婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、リハビリテ-ション科、放射線科、歯科、小児歯科、歯科口腔外
科、麻酔科
計 30 科
臨床検査科は部長、科長をはじめ、臨床検査技師 37 名にて各セクションの業務を行っています。今年か
ら専任の検査科長が赴任され、検体検査管理加算(Ⅳ)が取得でき、また検査科と臨床との交渉など大いに
活躍されています。
それでは各セクションの紹介をさせていただきます。
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検体検査室は、検体受付・血液・生化・免疫・一般・輸血がワンフロアになっています。
臨床検査技師 11 名、非常勤臨床検査技師 3 名の総勢 14 名で、1F 中央採血室に 4 名、ワンフロアに 10 名です。
採血室の紹介はまた後程…。
検体の受付は全員で行い、1 日 700 〜 800 件、多いときで 1,000 件を超える検体を処理しています。また
当院は政策医療分野における血液・造血器疾患の高度専門医療施設でもあり血液検査担当技師は毎日、病棟
や外来での骨髄穿刺に対応しながら(なんと一度に 3 件重なり、担当者 3 人全員が出払うことも!)、フロー
サイトメトリーを使った専門的な検査も行っています。
輸血部は 2 名で 1 日 30 〜 40 件の輸血検査をこなし、心臓血管外科などの緊急手術にも対応し、アルブミ
ン製剤の一元管理などで輸血管理料Ⅰ及び輸血適正使用加算を取得しています。
一般検査は尿検査の他に穿刺液、便、精液など様々な検査を行っています。2 年前に尿沈渣に機器が設置
され鏡検作業が若干ですが短縮しました。
さらに当院は臨床研究中核病院に指定されており、多種多様な治験・臨床研究の検体が提出されます。様々
な処理方法や指定された資材・機器の使用等、かなり複雑になってきているので、処理には細心の注意を払っ
ています(平成 27 年 1 月に ISO 15189 取得を目指して奮闘中)。
検体検査スタッフ一同は患者さんおよび臨床の先生方へ“迅速に”“正確に”検査結果を返すよう皆で努
力をし続けています(ちなみに、検体検査件数は国立病院機構施設中で一番多いとの事です)。
中央採血室は、10 年ほど前に臨床検査技師と看護師によって開設され、5 年ほど前に臨床検査技師のみと
なり、現在は主任技師 1 名と非常勤技師 5 名の技師で担当しています。朝 8 時より立ち上げを行い、8 時 30
分に開始します。採血台は 6 台が用意されていますが、朝のスタート時は仮設の採血台を含め 7 名体制で行
い、採血待ち患者数を確認しながら、採血担当技師数を調整しています。一日平均 400 人の患者さんの採血
を行いますが、曜日や時間帯によっては待ち時間が 60 分以上になることもあり、冷ややかな視線を感じな
がら採血しています。
中央採血室では「名古屋の技師は採血がうまい、早い」をモットーに日々、精進しています。採血は検査
精度保証の観点からも大切な要素でもあり臨床検査技師が外来採血を実施するようになってからは取り直
し、量不足、保存条件ミス等はほとんどなくなりました。
生理検査室は、常勤臨床検査技師 6 名、非常勤臨床検査技師 3 名(採血兼務)で担当しています。一般的
な心電図・肺機能検査をはじめ、脳波、神経伝導検査、各種エコー検査、また診療支援の一環として心筋シ
ンチ(薬物・運動負荷)、トレッドミル検査の補助業務、糖尿病教育指導(検査説明等)も担当しています。
脳波・神経検査は脳神経検査データネットワークシステムを構築し、検査業務の省力化及び診療・診断(Web
データによる判読)の効率化を図っています。エコー検査に関しては整形外科領域ではリウマチ等の診断お
よび経過観察のための関節エコーと股・膝関節の術前検査として血管エコー(DVT・ASO)の検査を行なっ
ています。放射線科・乳腺科領域では先生方と一緒に乳腺エコーとエコー下穿刺吸引細胞診の補助を行って
います。このように多岐にわたる生理検査業務を時に患者さんからの叱咤激励のある中で、少数の臨床検査
技師でローテーションを組み、信頼性のあるデータを提供するために検査技術と精度の向上に努めています。
病理検査室は、病理医常勤 4 名、病理医非常勤 1 名、臨床検査技師 7 名で構成されています。
近年肺癌の気管支鏡診断は、EBUS-TBNA が主流となっています。その検査で Diff-Quik 染色を用いた迅
速細胞診を併用することにより、ベッドサイドで標的細胞の有無、細胞の良悪、検査続行の必要性の判断を
行うことが可能となるため、穿刺回数や追加検査の回数、検査の簡略化によって、患者さんの負担軽減や確
定診断の短縮、早期治療開始に貢献しています。
病理検査室では、患者さんの確実な診断・治療の為に、スタッフ全員がより一層のスキルアップを目指し
て日々精進し努力しています。
細菌検査室は、臨床検査技師 5 名が担当しています。当院は結核病棟を常設していませんが抗酸菌検査は
日に 20 検体を超え、一般細菌も多い時には 100 検体を超えることもありますが、迅速で質の高い検査を提
供しています。また ICT 活動にも参加し ICD、ICN、薬剤師らと、がん・救急・高度医療等に伴う感染リス
クを低減するための感染制御対策と、地域医療支援病院の役割として連携する施設の院内感染対策への支援
を行っています。
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