第1回 九州の歴史的な連携の輪づくり輪づくり戦略会議(懇談会) 及び

第1回
九州の歴史的な連携の輪づくり輪づくり戦略会議(懇談会)
及びにぎわいのある公園・地域づくり検討会
1.日
時:平成17年3月29日(水)
2.場
所:ホテルセントラーザ博多
議事概要
13:00~15:00
3F花筐(東)の間
3.出席者:(委員)高島、西谷、丸山、宮島、森、小方、酒井、佐々木、濱砂、李
〔オブザーバー〕(九州運輸局)
師岡
以上、敬称略
〔整備局〕久保田、藤原、小串、五十嵐、太田、中村、塩月
4.内容
1)九州地方整備局建政部長挨拶
2)設立趣旨説明
3)出席者紹介
4)委員長挨拶
5)九州の国営公園における課題及び課題に対する対応策の方向性について意見交換
5.議事概要
①国営公園の課題について
・今回は初回の会議でもあり、合同の会議となることから、各委員のこれまでの経験か
ら、九州における国営公園の課題としてどのようなものが考えられるのか、また、そ
の課題に対する対応策の方向性について考え方を聞かせて頂きたい。
・利用者数については、開園3年目に減少するのは鉄則であり、このため3年目に照準
を合わせて対策を行うべき。
・名護屋城博物館でも3年目は減少し、対策を検討した経緯がある。
・入園者数について博物館では20~30万人であり、吉野ヶ里の50万人は多い方で
ある。
・吉野ヶ里=教育施設のイメージの払拭が必要である。知識は一度訪れれば理解可能で
あるため、吉野ヶ里はリピーターの確保が難しい。この点から考えれば「歴史の輪づ
くり」よりも違うものと結びつけた方がいいのでは?
・まずは国営公園の現状分析が重要である。例えば木陰や自動販売機がない。利用者が
利用しづらいものがたくさんある等の現状の把握が必要。
・吉野ヶ里の入園者数は、開園直後に一時増え、その後減少している。開園前と開園後
の公園の状況がどのように違っているのか、分析する必要がある。
・吉野ヶ里は、急激な入園者数減少の原因究明が徹底的になされていない。
・観光地を観光ポイントとして楽しむためには三つのポイントがある。
不安、不便、不自由を除去することである。吉野ヶ里は不安の状態である。
・国営公園のブランド強化が重要である。海の中道海浜公園と吉野ヶ里歴史公園はポジ
-1-
ショニングという意味で違うので、ブランド強化の方法が変わらないということは問
題である。海の中道は「レクレーション」、吉野ヶ里は「エデュケーション」という
ポジショニングであるため、両方の公園が連携してやるには、工夫が必要。
・歴史公園、遺跡はどうゆう魅力があり現代社会でどのような役割を果たすかが大切で
ある。
・吉野ヶ里歴史公園が弥生時代の環境、原風景らしきものが薄れているため、徐々に観
客が減少するのは当然。歴史的関心がある人は本物志向が強いので、この本物志向を
無視することは問題である。
・吉野ヶ里を活性化させるためには、その後の歴史と関連させ、時代的に幅広くして理
解することが必要。
・利用促進にあたっては当事者の熱意が重要。
・食事場所の確保については、施設の内外に設置するなど吉野ヶ里の利活用を増やすよ
うな重点施策は必要。国の支援も必要。
②国営公園における今後の利用促進策について
・吉野ヶ里遺跡は特別遺跡として指定されているが、将来的には世界遺産にするなど
さらなる遺跡の魅力付けが必要。
・吉野ヶ里遺跡は、邪馬台国ロマンと関連して市民的関心が大きく、広がっている歴史
的関心事である。それについて専門家でなく市民も邪馬台国の歴史に参加することが
できる魅力づくりをするべき。
・吉野ヶ里における発掘調査や復元作業のような、古代史の情報を直接市民が知ること
ができ、それを情報として広げることができる施設が必要。
・周りの自然環境や人文的環境が魅力となる。その時には地域との連携が必要。人的、
活力的にも周辺地域の人々が吉野ヶ里遺跡を支えている。素材はたくさんあるが、景
観条例などを含め連携をするべき。
・来園者の体験学習の目標、目的を年間を通じてプログラム化しカリキュラムを作るこ
とや、「学びながらも楽しくなければならない」それを運営していく体制、人材育成
が必要。市民に弥生時代といった非日常的空間を提供するところだが、その点管理用
の車などが目立つなどの非日常的空間を提案する配慮がないため、利用促進を図るの
にはサービス業に徹する。旅行会社とどのような形で提携をするか。例としては大分
県立の資料館などがある。
・観光促進には市場に意見を聴く、来訪者、旅行業者と十分話し合う。ボランティアで
もよいからポイントを絞って利用者の意見を聴くことが必要。
例えば、どの観光ツアーにも入るような観光拠点となることが大切。
・地域づくりの中で、地域のボランティア団体、NPOや自治協議会など巻き込んだ公
園を考えていく時である。
・女性が参画できる仕組みづくりが必要。
・利用促進の検討においては「集客」という発想が必要である。基本的に集客とはサー
ビス業であり、間口は広く、必要があれば深くするべき。
-2-
・パンフレット(事業概要)が来園者向けのものになっていない。(吉野ヶ里のパンフ
レットは佐賀県内の地図しか載っていない。)情報発信を丁寧に親切に行うことが必
要。
・地域の人たちとどうやって連動していくのかを地域の人たちと一緒に考えることが大
切。
・地元貢献をしていかないと吉野ヶ里も海の中道にしても厳しい。要するに、吉野ヶ里
があるからこそ、近くの温泉とかレストランにお金が落ちていく。
・吉野ヶ里観光ルートの設定においては、旅行代理店とかバスツアーみたいなものと組
んでのルートの検討が必要。具体的なお店の紹介が難しければ旅行代理店や地元のタ
ウン情報誌と組んでいく。それが、地域づくりにも繋がり、お金を落としてもらうこ
ととなる。
・観光促進では2つの要素がある。海外には「エキゾチウム」、国内では「原点確認」。
吉野ヶ里の場合は「他国にない日本の世界」と「弥生という祖先の原点」である。
・現在の吉野ヶ里は、学術研究拠点みたいな形のイメージがあり、学術研究結果を歴史
文化、資源を観光に活用させてもらう視点が足りない。何が大事かということことを、
分かりやすく歴史的、文化的に、国民、市民に分かりやすく、観光要素を含めつつ理
解してもらう必要がある。
・観光ポイントとして栄えるための三つのポイントは、①リピート、②分散化(回遊性
を踏まえた周辺との連携)、③名声、自慢である。
・子供が身近に感じられる、もう一度行きたくなるようなメモリアル的なものをつくる
ことが必要。
・吉野ヶ里遺跡を学ぶというよりも来たくなるような学習のワークブックを配る。来
ないなら、出向いていって、来たくなるような仕掛けを行う。
・佐賀平野があるなかで、例えば、田植えから稲刈りまでの場を設ける等いろいろな仕
掛けの体験講座がある。
・吉野ヶ里の名産物等を、検討してはどうか。
・海の中道、志賀島、能古島、博多湾遊覧ルートを作るなど新しい視点が重要。
・公園の年代別の楽しみ方を検討することが、今後の集客力の原点となる。
・ヒーマンウェアという人材を育ててこそソフトウェア、ハードウェアが活きる。
・歴史的関心がある人は本物志向が強い。歴史学の立場、一般観客の立場からも発掘し
ている状況、当時の状況を改めて見てみたい。それを上から土や芝生で被せてしまう
と一般の公園と同じになってしまう。発掘した当時を見ることができるなら、もう一
度訪れたい気持ちになる。
・吉野ヶ里は、歴史時代ではなく先史時代の範疇。先史時代から歴史時代への移行期で
ある。吉野ヶ里を活性化させるためには、その後の歴史(例えば長崎街道を通しての
交流の場等)と連関させ、時代的に幅広く理解することが必要。また「魏志」倭人伝
(例えば奴国「邪馬台国」等)と同時代の九州諸地域との平面的なつながりを究明する
ことで、多くの歴史的な関心をもつ人びとをも吉野ヶ里見学の輪の中に包摂・吸引す
るようにすることが必要と思う。
・九州のブランドとしては、装飾古墳があるが、見学者が年々減ってきている。九州国
-3-
立博物館のオープンに合わせて県下一斉に文化財の活用事業を2年間かけて展開す
る。地方公共団体との連携強化とあるが、県、市町村も同じような悩みをもっている
ので、対策を練って一緒に取り組むべきではないか。
・吉野ヶ里と海の中道の名前はほとんどの人が知っている。しかし、そこでどのような
ことが行われているのか、細かい情報伝達ができていない。
・情報伝達についてはインターネットで情報を発信したからといって、それで十分では
ない。目と目を合わせる。じかに感情を持って相手に説明して、人を呼び込む施策を
考える必要がある。
・マリンワールドの年間パスポート等、家族で訪れる際の経済的負担を考慮する必要が
ある。
・入園料の見直しが必要ではないか。無料にできないのであれば、例えば、地域との連
携で400円でお土産がつくなどの検討が必要。東京ディズニーランドでは、千葉県
民に割引などして還元している。佐賀や福岡などの地元の人により多くきてもらう工
夫が必要。
以上
-4-