7.環境改善活動 - 名古屋工業大学

7.環境改善活動
1.研究者倫理
4.夏季一斉閉庁日
名古屋工業大学の「研究者倫理に関するガイドライ
夏季の電力使用削減を目指して,2015 年は 8 月 12
ン」の第 3 条第 2 項において,「実験の過程で生じた廃
日(水)から 14 日(金)の 3 日間を一斉閉庁日としまし
液,使用済み薬品や材料等は,自然環境に害を与え
た。さらに,週末でも研究室に出てきて実験を行うこと
ないように処理しなければならない。」とあり,環境維
により電力が消費されていたため,15 日(土)および
持に向けての研究者,教育者としてのあり方を規定し
16 日(日)も含めた 5 日間をまとめて休暇とし,緊急の
ています。19 ページでの取り組みもその 1 つです。
用件以外は大学に来ることを控えました。
この一斉閉庁日により,約 42,799kwh(8/12,13,14
の 3 日分) の電力を削減することができました。
2.キャンパスクリーン
教職員および学生が協力して本学キャンパスと周辺
5.堀川エコロボットコンテスト
地域の清掃活動を行うことにより,よりよい教育研究
環境を維持するとともに,ボランティア意識の涵養を図
名古屋の母なる川「堀川」の浄化・美化に「ものづく
ることを目的として,2015 年 7 月 29 日(水)にキャンパ
り」の心で挑戦する「堀川エコロボットコンテスト 2015」
スクリーンを実施しました。
(主催:名古屋堀川ライオンズクラブ,協賛:名古屋工
業大学)が行われました。参加者が製作したロボットを
実際に川へ入れ,ゴミ収集や水質浄化などのアイデア
を競います。
県内を中心に 24 チームが出場し,堀川の水を吸い
上げてろ過するクジラ型のロボットや,ロボットの下部
に網を取り付けて川のごみを回収する装置など,多様
なロボットのパフォーマンスを披露しました。
(堀川とは?
江戸時代初め,名古屋城築城の際,
名古屋のまちの物流の要となるよう,福島正則指揮の
図 7-1 鶴舞公園北側歩道での清掃活動
もと掘られた川です。全長 16.2km,現在では,庄内川
から名古屋港まで,名古屋市を南北に縦断していま
3.省エネルギーキャンペーン
す。)
省エネルギーの取り組みとして,夏季(5 月 1 日~10
月 31 日)において,各研究室・事務室などの室温適温
化(28℃)を推進しています。この取り組みを徹底する
ため,夏季の職員の服装については,暑さをしのぎや
すい,ノーネクタイ・軽装を推奨しました。
図 7-3 コンテストのポスター
図 7-2 クールビズ啓発ポスター
29
6.環境デーなごや 2015
(1) 「環境デーなごや」の目指すものと大型設備基
併せて,当センターの紹介や受託試験など外部から
盤センター出展の目的
「環境デーなごや」(主催:環境デーなごや実行委員
会)は,市民・事業者・行政の協働のもと,よりよい環
の依頼への対応に関するパネル展示,ブース前面で
の各種パンフレットの配布やご質問・ご相談に対応で
きるようにしました。
境づくりに向けて具体的な行動を実践するための契機
にする行事として 2000 年より始まった名古屋市の市民
向けイベントとしては最大規模のものです。生き物と
今回の出展においても,木曽川源流の里として水資
源を通じて名古屋市との関係が深く,出展初年度から
顕微鏡での観察用及びブース来場者への環境啓発の
の共生・低炭素社会の実現・循環型社会の構築などを
ための配布用として森林環境保全のために適切に間
テーマに毎年開催され,16 回目の 2015 年度は「つな
がる人の輪 つなげる取り組み」をテーマとして,9 月
引いた木材(間伐材)や枝打ちした木材から製造した
白炭(20kg,200 名様分)をご提供いただいている長野
19 日に開催されました。
県木祖村,さらにその隣には木祖村の森林保護の支
このイベントに大型設備基盤センターとして出展し,
業務として環境にも配慮しうることを紹介する中で,当
援に以前から取り組んでいる連合愛知と,3つのブー
スで連携する形で並んで出展し,それぞれのブースを
センターの認知度の向上や学外からの共同利用の促
進を図るとともに,市民の皆様との触れあいから多く
のことを学び得る機会とすることを目的に,2012 年度
回っていただくゲームも用意しました。
(3) 出展当日の状況報告
子どもから大人までが環境について楽しく学べるよう
より出展を開始して以来,4 度目の出展を行いました。
な企画が,150 以上のブース出展やステージイベント
等を通して展開されました。また,名古屋市が行う市
民向けイベントとしては最大級ということもあり,ステー
ジでのオープニングプログラムには名古屋市長,名古
屋市議会議長なども参加されていました(図 7-4)。
今回は 5 連休の初日ということで,当センターが出展し
て以来最高の人出だった 2014 年度並み(約 14 万人/
主催者発表)であったこともあり,当センターのブース
に興味をお持ちいただいた方々も多く,終始たいへん
(2)出展の企画・内容
○テーマ 「ミクロからナノへ~環境にも貢献している
盛況でした。また 2015 年度は,SEM の簡単な操作体
験や蒸着の詳しい説明も盛り込めたことで参加者から
の反応も非常に良く,当日の従事者はこれまで以上に
心地よい疲労感を体現できました。
素材分析」
初めて出展した 2012 年度より引き続いて走査電子
顕微鏡(SEM)を持ち込み,実際に用意した各種試料
のほかに来場者の皆さんのご自身の毛髪を実際に
SEM で観察していただき,2014 年度と同様にその画像
本学及び当センターが,地域にも貢献する役割や機
能も担って設置・運営していることを知っていただく機
会にするだけでなく,次の世代である子どもたちに工
学を身近に感じてもらえる機会を提供するという意味
において,今回もブースを出展したことは大きな意義
を印刷して差し上げられるようにプリンターも用意しま
した。環境教育にもつながるよう,児童向けにパソコン
を操作しながら身近に咲いている花の花粉やツクシの
胞子,蟻,炭,PM2.5 などの観察画像を見てもらえるよ
うなプログラムや,生徒・児童やその保護者向けに環
境に関連したテーマをクイズ形式で出題する形でナノ
の世界を知ってもらえるようなプログラムも親近感と興
味を持っていただけるようにさらにわかりやすく仕
上げました。
がありました。
図 7-4
オープニングプログラム
(写真提供:環境デーなごや実行委員会)
図 7-5
30
ブースでの参加者の様子
7.学生環境改善活動プロジェクト
名古屋工業大学では,学生による以下の環境活動を行っています。
生
協
学
生
委
員
会
生協学生委員会は大学で生活をしている人に,より
夏に大学会館の西側でアサガオを育て,緑のカー
よい大学生活を過ごしてもらうために様々な企画を提
テンをつくりました。大学会館西側にあるカフェ「ブルー
案し,活動をしています。そのプロジェクトの一つであ
メ」では西日が厳しかったのですが,緑のカーテンで
る「環境プロジェクト」では,「名工大生である私たち自
日光が遮られて快適に過ごせるようになりました。ま
身の手で,名工大生が気持ちよく過ごせる生活環境を
た,季節の花であるアサガオを咲かせることで,外か
作る」ことを目的に,1 年間活動を行ってきました。
ら花を見た人の心を和ませることもできたかと思いま
す。植えた花に合わせた看板やポスターの作成も行
●クリーンキャンパス
い,在学生も意識を高めることもできました。
学内および学外の清掃活動です。生協学生委員だ
冬にも中庭の花壇にイルミネーションを飾り,クリス
けでなく,在学生の参加も募って活動を行ってきました。
マスの雰囲気づくりを行いました。
2015 年度は 5 月,7 月,11 月,1 月の 4 回実施し,合
計で 80 人の参加者がありました。主な清掃箇所は,52
号館講義室や 23 号館講義室等です。普段よく使う講
義室や通学路を中心に清掃を行うことで,ただ清掃を
行うだけでなく身の回りの環境について考えるきっか
けをつくることができたと思います。
図 7-8
大学会館前の緑のカーテン
●リ・リパック容器回収
大学生協のコンビニで販売しているリ・リパック弁当
の容器を回収する活動です。この弁当の容器は「ミン
図 7-6
ミ・リ・リパック」という名称で,食べ物と接する部分のフ
自習室の清掃活動
ィルムを簡単にはがすことができるため,洗浄をせず
●花壇と緑のカーテン
に回収し,溶解処理した上で再利用できる容器になっ
大学会館前を名工大のオアシスのような場所にしよ
ています。2015 年度は回収を促進するために,回収を
うと,花壇の整備を行いました。春にはパンジー,夏に
直接呼びかけるブースの設置や,回収ボックスの増設
はひまわり,秋にはコスモスの花を咲かせることがで
を行いました(18 ページ参照)。
きました。また,噴水や中庭の掃除も行いました。
このように私たちは普段の生活の中で,在学生に,
キャンパスの生活環境の改善や環境問題について少
しでも意識してもらうことを大切にしています。
図 7-7
古墳前中庭の清掃活動
31
環
境
委
員
会
N
E
P
部
環境委員会 NEP(Nit Environment Project)部は 2011
の自転車を付近の駐輪場へ移動させることで正しい
年の発足以来,「大学構内と周辺の環境美化活動」を
駐輪場の周知を行いました。また,駐輪禁止箇所に
通じて,「人々に環境に対する意識を持ってもらう」こと
対してコーン設置やポスター貼付を行うことで,駐
を目指しております。2015 年度は昨年に引き続き,毎
輪マナーの向上を図りました。
週木曜日に清掃班,駐輪班,分別班に分かれて活動
を計画・実施しましたので,以下にその活動内容を紹
介します。
●清掃班
大学構内と周辺の環境美化を目標として清掃活動
を行っています。利用者が多い 52 号館講義室,名古
屋大学医学部附属病院(名大病院)前の通り,大学周
辺の公道を主な清掃場所として,ごみ拾い活動を毎週
実施しました。このとき回収した可燃ごみの重さとタバ
図 7-10
コ,ペットボトル,缶,瓶の本数を記録することで,清掃
駐輪禁止箇所(2 号館入口前)の
自転車移動の様子
場所選びの参考としています。また,学期末には部室
棟の大掃除を実施しました。
●分別班
ごみの分別状況の改善を目標とした活動を行ってい
ます。昨年度に実施した,ごみ箱への蓋付け活動に効
果が見られたため,2015 年度は蓋の新規作製および
修繕を行い,設置箇所を増やしました。この取り組み
では,不燃ごみ用のごみ箱に自作の蓋を設置すること
で他のごみの混入を防止しています。また,ごみ箱の
利用量が多い場所を調査して,ポスターの貼付を行う
ことで,分別意識の向上を図りました。
名古屋工業大学工大祭実行委員会
図 7-9 名大病院前の歩道のごみ拾いの様子
名古屋工業大学工大祭実行委員会では,地域への
表 7-1 ごみの回収量 (11 月)
タバコの吸い殻(本)
日付
貢献,地域の美化,地域住民との交流を目的として清
掃活動をしております。
可燃ごみ
(kg)
公道
名大
病院前
11月5日
101
―
1.4
11月12日
157
282
1.1
11月19日
221
18
0.8
11月26日
―
104
―
●駐輪班
学内における自転車の駐輪状況の改善を目標とし
た活動を行っています。主な活動として,駐輪場の
整理整頓による利用しやすい環境づくり,駐輪場外
図 7-11 ごみ拾い状況
32
工大祭実行委員会は「定例ごみ拾い」を,毎月第 3
8.ソーラーカーレースに参戦
日曜日の午前中に鶴舞公園とその周辺地域で行って
います。工大祭実行委員会からは毎月約 30~50 人が
名古屋工業大学ソーラーカー部は 10 月に開催され
参加しており,OB・OG も清掃活動に参加しております。
た,オーストラリアを 3,000km 縦断する世界最高峰のソ
今後の課題としては,一般の方の参加者を増やすこ
ーラーカーレース「ワールド・ソーラー・チャレンジ」に
とが挙げられます。工大祭実行委員会では,清掃中の
初参戦しました。レースは世界各国から 40 チーム以上
積極的な挨拶を心掛け,より多くの地域住民の方々と
が参加し,太陽光エネルギーを動原力とする車で砂漠
の交流をより一層深めていきたいと考えております。
地帯の公道を走ります。
定例ごみ拾いでは,鶴舞公園内はもちろん,多くの
ソーラーカー部は,アッパーボディが吹き飛ばされる
方が利用する名大病院の周りや鶴舞駅周辺など広い
アクシデント等に見舞われるも,見事完走を成し遂げ
範囲の清掃を行います。私たちは様々なごみを拾い,
ました。
これらを細かく分別して集め,毎月多くのごみが集まり
<名古屋工業大学ソーラーカー部 HP>
http://solar-car.club.nitech.ac.jp/
ます。清掃中は積極的に挨拶することを心掛け,班の
中での交流ももちろん,地域の方との交流も行えてい
ます。清掃活動を見てくださっている方々も気持ち良く
過ごしてもらうことができるよう,私たちもより地域に密
着した工大祭実行委員会となるよう心掛けました。清
掃活動によってきれいになった鶴舞公園を見ると,私
たちも清々しい気分になります。
図 7-13 レースの様子
9.緑化基金
教育・研究に相応しいより潤いの感じられる緑豊か
な環境の実現を目指し,2009 年 4 月に名古屋工業大
学緑化基金を設立しました。構成員や卒業生らの寄附
により,基金設立以来,ハナミズキやキンモクセイなど
図 7-12 清掃後全体写真
計 41 本と低木類のツツジなどを植樹しています。
<緑化基金 HP> http://www.nitech.ac.jp/green/
私たちが当日に向けて準備を進めている工大祭で
は,お化け屋敷や迷路、プラネタリウムなどの参加企
画,ファッションショー,ゲストパフォーマンス,中夜祭,
後夜祭といったステージ企画,模擬店や研究室解放な
どの模擬出店が行われます。工大祭はお年寄りから
子供まで幅広い世代の人たちに楽しんでいただけるよ
う努力し,地域の人たちに来ていただけるよう毎年学
校周辺の家に一軒一軒挨拶にまわっています。私た
ちは当日を盛り上げるために,ネットによる告知にも力
を入れています。
図 7-14 植樹されたキンモクセイ
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