LS-3000シリーズ 電池交換周期の算出法 1.機器の24時間あたりの

LS-3000シリーズ 電池交換周期の算出法
白山工業株式会社
防災システム事業部
本資料はデータマークLS-2000、LS-3000PtV、LS-3000TC、LS-3300PtV、LS-3350に使用する電池
の交換周期を算出する方法を記載するものです。
計算手順の概要
電池の交換周期の算出は下記の手順で行います。
1.機器の24時間あたりの消費電力量を算出する
2.使用する電池の容量を求める
3.機器の使用条件および電池の種類・保存状態を加味した安全係数を求める
4.交換周期を求める
1. 機器の24時間あたりの消費電力量を算出する
1.1 機器の設定条件(使用するチャネル数、入力レンジ)により、1回あたりの計測時間
(Tm)(単位:秒)を算出します。
※ Tm の算出法は資料①を参照してください。
1.2 設定するサンプルレートから24時間あたりの計測回数(Nm)を求めます。
Nm = 86400 / サンプルレート(単位:秒)
1.3 1回あたりの計測時間(Tm)、24時間あたりの計測回数(Nm)、計測時の消費電流
(Im)(単位:mA)を乗ずることにより24時間あたりの計測時の消費電力量(Pm)
を求めます。
※ Imの算出法は資料②を参照してください。
Pm = Tm * Nm * Im / 3600(単位:mAH)
1.4 上記1.3で求めた総計測時間以外はスリープ時間として、24時間あたりの総スリー
プ時間(Ts)を求めます。
Ts = 86400 – Tm * Nm(単位:秒)
1.5 総スリープ時間(Ts)にスリープ時の消費電流(Is)を乗ずることにより24時間あたり
のスリープ時の消費電力量(Ps)を求めます。
※ Isの算出法は資料②を参照してください。
Ps=Ts * Is /3600(単位:mAH)
1.6 計測時の消費電力量(Pm)およびスリープ時の消費電力量(Ps)を加算すると、24時間
あたりの総消費電力量(P)が求まります。
P=Pm + Ps(単位:mAH)
2. 使用する電池の容量を求める
使用する電池の容量については、メーカー、型式や温度等の環境により大きく異なりますの
で一律にあてはまるものではありませんが、ここでは常温下での参考値として以下の値を使
用することとします。
単2型アルカリ電池:1500mAh
リチウム電池ボックスBB300(弊社製):8000mAh
3. 機器の使用条件および電池の種類・保存状態を加味した安全係数を求める
使用条件により以下の値をご使用ください。
使用条件
アルカリ電池を室温で使用する場合
アルカリ電池を5℃以下で使用する場合
BB300を使用する場合
(ロガーの温度範囲全域で共通)
安全係数
3
30
4
4. 交換周期を求める
交換周期(単位:日数)を次の式により求めてください。
{交換周期}=({電池の容量}/{24時間あたりの消費電力量})/{安全係数}
(例)LS-3300PtVを以下の条件下で使用する場合の交換周期の求め方は以下になります。
・レンジ:ch1,ch2 2V、ch3,4 Pt100、ch5,6 100mV
・サンプリング:1分
・電源:単2アルカリ乾電池
・常温
Tm = T1 + T3 + T5 + T7 + Ta = 0.07 + 0.14 + 0.28 + 0 + 0.7 = 1.19
Nm = 86400 / 60 = 1440
Pm = Tm * Nm * Im / 3600 = 1.19 * 1440 * 70 / 3600 ≒ 33.3
Ts = 86400 – Tm * Nm = 86400 – (1.19 * 1440) ≒ 84686
Ps = Ts * Is / 3600 = 84686 * 0.05 / 3600 ≒ 1.18
P = Pm + Ps = 33.3 + 1.18 ≒ 34.5
交換周期
= 1500 / 34.5 / 3 ≒ 14.5 (日)
資料① 各ロガーの1回あたり計測時間(単位:秒)の算出
使用機種により、1回あたり計測時間(Tm)の算出方法は変わります。
■LS-2000
基本測定時間Tm は測定チャネル数に関わらず次の値を使ってください。
Tm = 0.65
■LS-3000PtV ,LS-3000TC
基本測定時間Tm は測定チャネル数が決まれば下記の式で決定できます。
Tm = 4.5+0.4 *(チャンネル数)
■LS-3350
各入力チャネルに設定する測定レンジお
よび測定インターバルにより1回あたり
計測時間は変動します。
2チャンネル毎の測定レンジの組み合わ
せを元に、左表から測定時間T1,T3,T5,T7
をそれぞれ求めます。
1回当たり計測時間 は
Tm = T1 + T3 + T5 + T7 + Ta
とすることで求めることが出来ます。
Ta は測定インターバルにより決定され
る定数です。以下の数値を使用してくだ
さい。
Ta = 0.0
:測定インターバル0.1 秒~0.5 秒
Ta = 0.2
:測定インターバル1秒
Ta = 0.7
:測定インターバルが2秒以上
チャンネル設定
CH1
CH2
CH3
CH4
CH5
CH6
CH7
CH8
2V
Pt100
100mV,2V20
2V
Pt100
100mV,2V20
2V
2V
2V
Pt100
2V
100mV,2V20
Pt100
2V
Pt100
Pt100
Pt100
100mV,2V20
100mV,2V20
2V
100mV,2V20
Pt100
100mV,2V20
100mV,2V20
測定時間(秒)
T1
T3
T5
T7
0.00
0.07
0.14
0.28
0.07
0.14
0.28
0.07
0.14
0.28
0.14
0.14
0.35
0.28
0.35
0.28
■LS-3300PtV
各入力チャネルに設定する測定レンジおよび測定
インターバルにより1回あたり計測時間は変動し
ます。
2チャンネル毎の測定レンジの組み合わせを元に、
左表から測定時間T1,T3,T5,T7 をそれぞれ求めま
す。
1回当たり計測時間 は
Tm = T1 + T3 + T5 + T7 + Ta
とすることで求めることが出来ます。
Ta は測定インターバルにより決定される定数で
す。以下の数値を使用してください。
Ta = 0.0
:測定インターバル0.1 秒~0.5 秒
Ta = 0.2
:測定インターバル1秒
Ta = 0.7
:測定インターバルが2秒以上
チャンネル設定
CH1
CH2
CH3
CH4
CH5
CH6
CH7
CH8
2V
Pt100
100mV
2V
Pt100
100mV
2V
2V
2V
Pt100
2V
100mV
Pt100
2V
Pt100
Pt100
Pt100
100mV
100mV
2V
100mV
Pt100
100mV
100mV
測定時間(秒)
T1
T3
T5
T7
0.00
0.07
0.14
0.28
0.07
0.14
0.28
0.07
0.14
0.28
0.14
0.14
0.35
0.28
0.35
0.28
資料② 各ロガーの消費電流
型式
LS-3350
LS-3300PtV
LS-3000PtV, LS-3000TC
LS-2000
消費電流(測定時)
70mA
70mA
30mA
30mA
消費電流(スリープ時)
0.06mA
0.05mA
0.03mA
0.03mA
2007 年 3 月 22 日 改版