課題解決のための3つのフレームワーク

医療機関における
課題解決のための3つのフレームワーク
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課題発見と解決に役立つ3つのフレームワーク
重要課題の発見と解決のために役立つ3つのフレームワーク
※常にMECEな関係を意識して作成する
◆ ロジックツリー
樹系図を使ってものごとをブレークダウンして具体化する
・WHATのツリー:ものごとの構成要素を具体化する
・WHYのツリー:課題の原因を具体化する
・HOWのツリー:特定された課題解決のための手段を具体化する
◆ マトリックス
縦軸と横軸に相関性のない2つの基準を設けて、生産性、収益性、商品ポジショニ
ング、取り組みの優先順位・選別を分析するためのツール
◆ プロセスフロー
ビジネスの流れに沿って、課題を抽出するためのツール
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MECEで構成要素を分ける
□ モレなくダブリなく(Mutually Exclusive Collectively Exhaustive)
一般的な市場(顧客)セグメンテーション
① ジオグラフィック要因(地理的基準、気象学的基準等)
② デモグラフィック要因(年齢、性別、所得、職業、家族構成、宗教、人種等)
③ サイコグラフィック要因(ライフスタイル、パーソナリティ、使用頻度、ブラン
ドロイヤルティ等)
その他一般的にMECEになっていると言われているもの
① 4C(顧客/競合/自社/チャネル)=環境分析
② 4P(製品/価格/プロモーション/チャネル)=マーケティング・ミックス
女性をターゲットとしたセグメンテーション
働いている女性
主婦
M ECEにはなっていない
子供がいる女性
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MECEで構成要素を分ける・絞り込む
□会社に入ってくる情報の種類をMECEで整理して下さい
定期
情報
不定期
毎日
隔日
週刊
月間
その他
Web
CD/DVD
紙
電話
その他
□人間ドックのターゲット顧客(世帯)をMECEで絞り込んで下さい
受診歴なし
人間ドック
5㎞未満
既婚
40歳以上
5㎞以上
未婚
40歳未満
世帯年収800万以上
世帯年収800万未満
受診歴あり
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ソリューションシステムの3つのステップ
ステップ
1
ステップ
2
課題の設
定
「問題」となる現象を解決す
べき「課題」としてとらえる
ステップ
3
解決策の
オプション
(仮説)
「課題」に対する「解決策」の
「仮説」を設定する
解決策
の検証・評価
実施
「解決策」の「仮説」を「検証・
評価」する
例
問題
「頭が痛い」
(問題となる現象)
解決策1
「寝て治す」
課題
「薬局に薬を買いに行く」
「頭が痛いのを治
せるだろうか?」
時間
有
解決策2
1
3
「病院に行く」
薬局に薬
を買いに
行く
2
無
解決策3
とりあえず痛みを取り
たいが、病院に行く時
間は無い人にとっては
?
評価の軸
小
痛み
大
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“What “を使って構成要素をブレークダウン
□ 売上の構造を分解すると・・・
売上=客単価×来店客数×日数
=客単価(商品単価×買上点数)×来店客数(新規客掘起+既存客来店頻度+
商圏拡大)×日数
初診患者数
外来延患者数
外来収益
So What?
+
×
再診延患者数
外来単価
入院実患者数
入退院実患者数
入院延患者数
×
平均在院日数
医業収益
+
入院収益
×
+
基本診療料
入院単価
+
投薬料、・・・
室料差額
その他収益
+
公衆衛生活動
具体的な問題点抽出のための分解
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“Why “を使って原因をブレークダウン(仮説)
定期的訪問営業の不在
救急車受入の減少
新患の減少
課題
紹介患者の減少
運営システムの問題
手続きが面倒
患者の接遇に問題
検診者の減少
増悪時の受入れが悪い
患者満足の悪化
礼状・返書の不徹底
医療機器・設備の老朽化
転帰連絡がない
一元管理担当部門の不在
病床利用率の
低下
紹介受入窓口が不明確
医師と看護師のコミュニケーション不足
入退院計画が共有されていない
退院基準・ルールが不統一
人員不足
研修会等の企画がない
疾病別連携パスがない
逆紹介がない
信頼関係がない
課題の原因の可能性をできる
だけ多く抽出
競合病院の出現
環境の変化
人口の減少
悪い噂
住民からの信頼喪失
医療政策の変化
アンケートやヒアリング、データ
分析等の調査により原因を特定
して、”How”のツリーで具体
的な対策にブレークダウン
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“How “を使って対策をブレークダウン(仮説)
定期的訪問営業の実施
救急車受入の増加
新患の獲得
課題
紹介患者の増加
紹介受入窓口の明確化
手続きの簡素化
患者の接遇改善
検診者の増加
増悪時の受入れ
患者満足の向上
礼状・返書の徹底
医療機器・設備の更新
転帰連絡の徹底
研修会等の企画
疾病別連携パス
病床利用率の
改善
逆紹介対策
一元管理担当部門の設置
運営システムの
見直し
医師と看護師のコミュニケーション
入退院計画の共有
信頼関係の構築
対策をできるだけ多く抽出
退院基準・ルールを統一
人員不足の解消
最も効果があり、コストを掛けず
に実施できる対策を
マトリックスを使って選択
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目的によってマトリックスの軸を使い分ける
□ お互いに相関関係のない、2つの基準を考える
何が基準か?
縦軸
横軸
生産性
時間かかる/掛からない
利益大/利益小
収益性
コスト大/コスト小
利益大/利益小
商品ポジショニング
付加価値大/付加価値小
価格高い/価格安い
優先順位・選別
難易度高い/難易度低い
内部だけ/外部協力要
重要性大/重要性小
緊急性大/緊急性小
負担可能性大/小
実現可能性大/小
インパクト大/インパクト小 リスク大/リスク小
市場大/市場小
成長性大/成長性小
量が多い/量が少ない
質が高い/質が低い
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マトリックスを使って経営データを可視化する
【入院患者統計(
入院患者統計(期間○
期間○月~○
月~○月)】
延べ患者数 30,000人
30,000人
診療単価
36,000円
36,000円/人・日
病床利用率
98%
98%
平均在院日数 14.0日
14.0日
100,000
90,000
入
院
単
価
A
D
G
E
H
F
I
80,000
70,000
左の数値情報は、病院経営統計におい
てよく用いられるものです。
しかし、これだけでは本質的な部分を
把握することは困難です。また、日常
で診療を行っている医療スタッフはこ
の情報を見てもあまりピンとこないの
ではないでしょうか。
60,000
(
円
/
日
・
人
50,000
)
20,000
40,000
B
30,000
10,000
C
0
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
在院日数(日)
このほかにも可視化することで、戦略
立案に効果的な情報は多くあります。
○救急患者状況
○紹介・逆紹介患者状況 etc
100 110 120 130 140 150
そこで、退院患者の在院日数・診療単
価の情報を用いて左のようなグラフを
作成すると、より詳細に情報を掴むこ
とができます。このような可視化でき
るグラフに展開することで、戦略の立
案を容易にします。
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マトリックスで将来的に充実する診療機能を検討
医療圏の入院患者の将来推計に基づくPPM分析
60.0%
新規参入
(
患
者
変
動
率
10.0%
)(
成
長
率
循環器系(脳)
50.0%
呼吸器系
皮膚
40.0%
腎尿路生殖器系
感染症
神経系 その他
眼
30.0%
筋骨格系
内分泌
20.0%
保健サービス
-5.0%
循環器系(心臓)
循環器系(その他)
消化器系
耳
精神
0.0%
0.0%
血液
5.0%
当院の入院患者シェア率(※1)
10.0%
15.0%
20.0%
)
※枠外
妊娠分娩:シェア率44.3%、成長率 -31.7%
周産期 :シェア率33.1%、成長率 -32.9%
-20.0%
-30.0%
損傷・中毒
新生物
-10.0%
※
2
中心利益/成長分野
先天奇形
縮小・衰退
成熟・後退
注:バブルの大きさは平成47年(2035年)の推計入院患者数を表している。
○横軸に医療圏における「当院の入院患者シェア率」を、縦軸に医療圏における「患者変動率(成長率)」をとり、疾病を4
つの象限に分類すると上図のとおりになる。
(※1) 医療圏の現在の患者数と当院のレセプトデータにより当院の患者シェア率を算出
(※2) 医療圏の将来患者推計により算出(平成47年(2035年)の疾病別推計入院患者数÷平成22年
(2010年)の疾病別推計入院患者数)
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マトリックスでターゲット・課題を見つける
紹介件数が適正かどうかをみる
大
なぜ少ないか原因を
解明し対策を立てる必要
更なる件数向上余地がないか
どうか営業の方法を見直す
診療所規模
(ポテンシャル)
今の現状を維持
営業の優先順位は低い
小
小
大
紹介件数
開業医訪問活動が効率的に行われているかどうかをみる
大
施設規模が大きい場合は
営業の方法を見直すべき
今の状況を維持しつつ
活動の効率化ができないか
施設規模が大きい場合は
訪問回数を増やしてみる
効果が高い原因を分析し
他の施設にも応用する
訪問回数
小
小
紹介件数
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大
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マトリックスで対策の優先順位を決める
□ 優先順位をつけるための軸を考える
大
計画を立てる
最優先でやる
重要度
(メリット)
人に頼む
やらないと決める
小
小
大
緊急性
大
最優先でやる
計画を立てる
余裕ができればやる
やらないと決める
効果
小
小
コスト
大
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マトリックスで手術症例のターゲットを考える
□ 手術料収入を向上するための方策を考える
高
B:症例数の増加
症例当たりの単価
1
A:維持・拡大
D:見極め
C:コストダウン
低
少
症例数
多
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プロセスフローで分けて課題・改善点を見つける(1)
□ 患者の来院から帰宅までの流れの中で課題を見つけて解決する
来院
受付
診察
検査
診断
処置
会計
帰宅
問題はないか?
問題はないか?
問題はないか?
問題はないか?
問題はないか?
問題はないか?
問題はないか?
フォローアップ
迅速な会計・接遇能力
説明能力
機器・設備の適切性
傾聴・質問能力
迅速な受付・接遇能力
アクセス・駐車場
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プロセスフローで分けて課題・改善点を見つける(2)
□ AMTULの法則(病院のファンになってもらう)
認知
記憶
試用
使用
愛用
Awareness
Memory
Trial
Usage
Loyalty
病院があること
は知っている
診療内容を理解
している
受診したことは
ある
何度か行ってい
る
この病院のファ
ンだ
ターゲット患者
が来ていない地
域を特定し、広
告や看板、HP
などで知ってもら
う→効果がなけ
れば止めるか改
善策を検討す
る。
公民館などでの
健康相談会、市
民講座、広報
誌、ブログ、HP
などで、病院の
強み・特長を訴
求し、信頼しても
らう。
最初が肝心なの
で、患者満足に
つながるように、
職員の訓練を行
う。信頼関係が
築けるような接
遇を行う。
ファンの段階ま
で達していない
ということは、何
かが足りないは
ず。イベントへの
案内、他院には
ない差別化サー
ビスの開発など
を検討する。
この段階になる
と黙っていても
口コミしてくれる
ので、イベント時
には特別席を用
意するなどの特
典の提供など、
FSPを検討す
る。
M/A
T/M
U/T
L/U
継続的なアンケートでモニタリングして、比率が低ければ対策を考える
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