電子ペーパーの基礎

電子ペーパーの基礎
九州大学
産学連携センター
プロジェクト部門
服部励治
概要
電子ペーパーとは?
各種パネル技術の紹介
カラー化技術&フレキシブル技術
電子ペーパーネットワーク
無線電力伝送技術
タッチパネル技術
まとめ
電子ペーパーの基礎
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電子ペーパーのコンセプト
電子ペーパー
Paper-like
Display
ディスプレイ
反射型
Rewritable
Paper
双安定
•フルカラー
•動画
•マン‐マシン
インターフェース
紙超低消
費電力
•サイズ > A4
•解像度 > 200ppi
•反射率 > 60%
•厚み < 1mm
•消費電力 = 0
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電子ペーパー技術の種類
粒子移動型
双安定性液晶
電気泳動ディスプレイ
Bi‐Nem
(Electrophoretic Display)
(Bi‐Nematic LCD)
電子粉流体ディスプレイ
ZBD
(Quick Response Liquid Powder Display)
(Zenithal Bistable Display)
コレステリック液晶ディスプレイ
電気化学ディスプレイ
(Cholesteric Liquid Crystal Display)
(Electrochromic Display)
エレクトロウェティングディスプレイ
光干渉ディスプレイ
(Electrowetting Display)
(Interferometric Modulation Display)
Twisting Ball Display
Suspended Particle Display
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4
電気泳動ディスプレイ
電子ペーパーの基礎
5
電気泳動ディスプレイ
Kindle
EPD拡大図
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電子粉流体®ディスプレイ
Quick‐Response Liquid Powder Display (QR‐LPD)
白表示
Rib
Air
ー-ー
-ー-
ーー-
ーー-
--
-
-ー-
ーー
ー-
Glass
50~100 µm
ITO
ーー
ー ーーーー
ーー
ーーー
ーーー
ーーーーー ー
ー
Air
Rib
Liquid
Powders
+
++++ ++
+ +++++
+++
+++
++
+
Glass
Rib
ITO
++
+ ++++
++
+++
+++
+++++ +
+
Glass
Rib
黒表示
Glass
Reiji Hattori, Shuhei Yamada, Yoshitomo Masuda, Norio Nihei:
“Novel type of Bistable Reflective Display using Quick Response Liquid Powder”
Proceeding of SID, pp.846‐849, (2003)
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電子粉流体®ディスプレイ
高速応答
( < 0.2 ミリ秒) 双安定性
( > 数年)
パッシブ駆動
( TFT不要)
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二極性泳動粒子電気泳動セル
電界E
電極
kq2/r2 1. 鏡像力
+q -q
qE
2. 分子間力
3. 液架橋力
qE>kq2/r2
F
qE
kq2/r2
r
qE
+q -q
qE
q
r
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コレステリック液晶ディスプレイ
B
G
R
ホメオトロピック状態
青色層
緑色層
赤色層
フォーカルコニック状態 プレーナー状態
光吸収層
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コレステリック液晶ディスプレイ
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画素数
1024 x 768 (XGA)
画面サイズ
8 inches
解像度
158 ppi
明るさ
36%
コントラスト
コントラスト比
8:1
NTSC比
20%
色数
4,096
書換え速度
0.7 sec
厚さ
薄さ
5.5 mm
軽さ
重さ
220 g
バッテリー持続
70 hours
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エレクトロクロミックディスプレイ
電子ペーパーの基礎
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エレクトロクロミックディスプレイ
カラー表示原理実験
アクティブマトリクス駆動表示
(対角3.5インチ、113ppi)
Source:http://www.ricoh.co.jp/about/comp
any/technology/tech/031.html
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エレクトロウェッティングディスプレイ
駆動方法:
駆動電圧:
反応時間:
双安定性:
AM 駆動
20V
10msec
なし
Source: http://www.liquavista.com/files/LQV0905291LL5‐15.pdf
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光干渉ディスプレイ
mirasol®
駆動方法:
駆動電圧:
反応時間:
双安定性:
PM 駆動
<10V
24fps (XGA)
あり
Interference Modulation Device (IMOD)
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反射型のカラー表示の問題点
R
G
B
R
Reflectance 1/3
G
B
Gamut 1/3
R G B
R G
R B
R G B
R G
R B
R G B
R G B
R G B
R G B
R G B
R G
B B
R G B
R G
B B
R G B
R W
G B
R G B
R G
K B
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カラー改善策
減色混合方式
加色混合方式
M
Y
C
R
Reflectance 100%
M
Y
C
M
Y
C
M
Y
C
M
Y
C
G
B
W
Reflectance 50%
R
R G BW
R G
R B
G
R G BW
R G B
B
R G BW
R G
B B
W
R G BW
R W
G B
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フレキシブルディスプレイとは何か? (1)
柔軟性
2008年、Polymer Vision 「Readius」 発表
2009年7月、閉鎖・事業売却
電子ペーパーの基礎
18
フレキシブルディスプレイとは何か? (2)
堅牢性
Amazon.com
Kindle 2.0
Plastic Logic's eReader
ガラス基板
A5以上ではフレキシブル化が優位
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19
フレキシブルディスプレイとは何か? (3)
生産性
High through‐put
High yield
Bridgestone SID’06
電子ペーパーの基礎
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フレキシブルディスプレイとは何か?
堅牢性
柔軟性
生産性
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薄型フレキシブルドライバー
LSIチップ
回路
シリコン基板
500µm
35µm
研磨
50µm以下
フレキシブル基板
上へ実装
フレキシブルLSI
完全フレキシブルパネル
R.Sakurai, R. Hattori, et. al.: Proceeding of SID, (May, 2007) 電子ペーパーの基礎
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Kindle vs. iPad
Steve Jobs
•Paper‐like image
•Low‐power •Full‐color
•Moving picture Jeff Bezos
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電子ペーパーネットワークシステム
クライアント
電源回路
サーバー
コントローラー
/通信チップ
無線通信
表示データ/電力
ネットワーク
ドライバー
タッチパネル
電子ペーパー
メモリー,CPU,
デコーダー,
ブラウザーソ
フト
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実現に必要な新技術
無線通信技術
省電力化技術
•Blue Toothなどの応用
•下り中心のプロトコル
•近距離通信
•デコーダー不要のデータ圧縮
無線電力送信技術
•低電圧化
•電源回路高効率化
•ドライバーLSI高効率化
•通信電力低消費電力化
•マルチライン駆動技術
•太陽電池
•電磁誘導送電
•電磁波送電
タッチパネル技術
フレキシブル化技術
コスト削減技術
•プラスティック基板
•配線
•周辺LSIフレキシブル化
•Roll‐to‐Rollプロセス
•微細電極パッド実装
•ドライバー内蔵
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無線電力供給技術
~0.1mW
(a)太陽電池
二次電池
(b)電磁誘導型
1~50cm
<1kW
~
~10m
<0.1W
(c)電波受信型
~
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太陽電池
必要ワット数:100mW 100[mW]
S
500[lx]  0.146[μW/cm 2 /lx]  20[%]
環境照度
太陽光
~100,000 lx
オフィース
500~800 lx
リビング
500 lx
暗室
~ 80 lx
月あかり
0.2~0.3 lx
星あかり
0.1 lx
 6,850[cm 2 ]
太陽電池
6,850cm2
e‐Paper
624cm2
太陽電池効率
Amorphous Si 10~12%
Poly‐crystal Si
12~17%
Crystal Si
15~19%
10倍の面積!!
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電磁誘導型
28
コイルアレイ方式
可動コイル方式
マグネット吸引方式
日立マクセル
パナソニック
ホシデン
出典 : NIKKEI ELECTRONICS 2011
給電装置においてフリーポジショニングが重要
電子ペーパー応用においても・・・
電子ペーパーの基礎
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電磁誘導方式と電界結合方式
磁界結合
①大電極面積可
磁力線
受電側Coil
(携帯機器)
受電側電極
(携帯機器)
電界結合
電気
力線
③位置自由度大
送電側コイル
(Reader/Writer)
送電側電極
(Reader/Writer)
②共振制御容易
結合係数
k
Z0
C1
L1
L2
Z0
C2
ZL

送電側コイル

受電側コイル
電子ペーパーの基礎
L1
L2
送電側電極
C1
ZL
C2
受電側電極
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無線電力供給方式の選択
磁力線がぶつかり
効率劣化
受電コイル
受電電極
X
X
X
X
送電コイル
送電電極
大きな位置自由度
電磁誘導方式
電界結合方式
電子ペーパーの基礎
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デモンストレーション
中小企業省 平成22年度戦略的基盤技術高度化支援事業
『共鳴方式電界結合型無線電力伝送用組込みソフトプラットフォームの開発』
株式会社 ネットワーク応用技術研究所(NAL)、九州大学
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電子ペーパー向けタッチパネル
抵抗膜式タッチパネル
コスト高
消費電力大
インセルタッチパネル
反射率低下
電磁誘導式
デジタイザー
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電子ペーパー向けインセルタッチパネル
表面容量
表面容量型
R1
Column driver
C f R2
Cf
~
A
A
i1
i2
x1 : x2  R1 : R2 
Row driver R
Row driver L
投影容量型
A
A
1 1
:
i1 i2
投影容量
y1 : y2  C f 1 : C f 2
 i1 : i2
~
Cf1
Cf2
表面/投影ハイブリッド型
電子ペーパーの基礎
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まとめ
• 電気泳動ディスプレイの他に数々の新技術
• カラー化とフレキシブル化がキー
• パネル技術の他に周辺技術も重要
• 電子ペーパーネットワーク
• 電界結合無線電力伝送
• 表面/投影ハイブリッド型タッチパネル
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