brittle 型糖尿病(不安定型糖尿病)(101007)

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brittle 型糖尿病(不安定型糖尿病)(101007)
若い女性に多いとされているが、高齢者にも小さなピークがあるという不安定型糖尿病。生活環
境や心理的な影響のほか、高齢者ならではの身体機能や認知機能の低下に起因することも多い
と思う。一度、不安定型糖尿病の病態や原因についてまとめておこうと思う。
●ポイントと思うところ

不安定型糖尿病という用語は、明らかな理由もなく再発性の劇的な血糖変動(日常生活に支
障を来す高血糖または低血糖のエピソード)をしばしば呈する患者を指す。1)

ブリットル糖尿病とは、不安定型糖尿病とも呼ばれるもので、“食事・運動療法、インスリン療
法が一定に遵守されているにも関わらず、高血糖、低血糖を頻回に繰り返すため、日常生活
を全うできないもの”と理解されている。3)

Ⅰ型糖尿病患者に生じやすいが、あらゆる糖尿病患者で起こりうる。1)

既知の原因には、不顕性感染(例:骨髄炎、軟部組織膿瘍)、胃不全麻痺、内分泌障害(例:
アジソン病、甲状腺機能低下症)がある。大半の症例では原因は不明であり、不安定型糖尿
病は、インスリン投与法が不適切であり、患者教育や患者の理解が不十分でインスリン投与
や食事選択に誤りが生じていることが原因である。または誤った摂食パターンや運動パター
ン、医学的忠告の非遵守、薬物の不適切な自己調節として表出される心理的苦痛(例:怒り、
抑うつ、不安)に起因するとされる。1)

血糖値が不安定になる要因として、インスリン分泌能、グルカゴン分泌能ともに著明に低下し
ていることが最も重要。3)


原因/病態 2)

スライディングスケールの使い方の間違い

注射部位の lipohypertrophy(皮下脂肪肥大)および lipoatrophy(皮下脂肪萎縮)

詐病や factitious hypoglycemia:虚偽性低血糖または surreptitious hypoglycemia

インスリン抗体の存在
it has become clear that the vast majority of cases are due to psychological factors, with the
metabolic abnormalities being secondary to poor glycemic control 4)

最初のアプローチは、インスリン製剤、インスリン注射法、および血糖測定を含む糖尿病自
己管理技術の徹底的な復習である。1)

食事時間を含む完全な食事記録をつけて、コントロール不良の潜在的要因を同定すべきで
ある。1)

インスリン治療中の患者の一部では、(血糖測定に基づく)頻繁な用量調整が可能な強化療
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法への変更が有用である。一部の症例では特別な治療を行わなくても低血糖および高血糖
のエピソードの頻度が時間とともに減ることがあり、生活環境が原因として作用していた可能
性が示唆される。1)
参考文献
1.
糖尿病.メルクマニュアル
http://merckmanual.jp/mmpej/sec12/ch158/ch158b.html#sec12-ch158-ch158b-1206
2.
内潟安子.不安定型(ブリットル)糖尿病のポイント.Medical Practice, 17(1) : 119-121, 2000.
3.
花房俊昭ら.ブリットル糖尿病の治療.Medical Practice, 13(6) : 937-941, 1996.
4.
The patient with brittle diabetes mellitus. UpToDate 18.2.
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