第5学年1組道徳指導案(PDF:316KB)

第5学年1組 道徳学習指導案
検印
平成27年10月7日(水) 第5校時
授 業 者
教
場
5 年 1 組
所
在 籍 児 童
1
主題名
公共物を大切に
諭
教 室
数
名
〔内容項目4-(1)公徳心 規則の尊重 権利・義務〕
(関連項目2-(2)思いやり 親切)
2
資料名
まいごのカナリア号
3
主題設定の理由
出典 学研「みんなのどうとく」 5年
(1) ねらいとする道徳的価値について
指導内容の「公徳心、規則の尊重、権利・義務」については、学習指導要領の解説、第3節内容項目の指
導の観点、第5学年及び第6学年の内容の中に、
「主として集団や社会とのかかわりに関すること」の(1)
「公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切にし進んで義務を果たす。」と記されている。
人が社会や集団の中で気持ちよく生活していくためには、それぞれのマナーを守り、秩序を保っていくこ
とが大切である。公共物を大切に使うことは、単に義務や規則という考えからではなく、人間が社会生活を
明るく平和に営んでいくために大切であることに気づかせたい。
児童は、学校生活や地域社会のある公共物や公共施設の使い方について一応の知識はもっている。それら
の使い方やきまりについて罰があるから、叱られるから守るといった他律的な考え方をとることが多い。そ
こで、社会の一員としての自覚をもち、自他共によりよく生きるということから、公共物を大切にする気持
ちを育てていきたい。
(2) 児童の実態
本学級の児童の多くは、
「荻島小学校 みんなのやくそく」や月別の生活目標など学校のきまりを進んで
守ろうとする態度が見られる。また、1学期からトイレ掃除を担当していることから、公共の場をきれいに
使うことの大切さについて身をもって体験している。しかし、自分たちが経験していること以外への広がり
はなかなか見られず、使った用具や部屋の後片付け等をしっかりやりきれなかったりすることも多く、教師
からの声かけに応じて行動することはできても、自ら動くことが少ない。そこで、公徳心や規則の尊重に関
する児童の意識や実態を知るため、アンケート調査を行った。
【道徳アンケート】
(9月2日実施
調査人数33人)
① あなたが学校でいつも守っているきまりやマナーはありますか。
ある・・・33人
ない・・・0人
☆それは、どんなきまりやマナーですか。具体的に書いてください。
・廊下歩行 20人
・進んであいさつをする
・時間を守る 7人
・名札をつける 4人
・返事をする 2人
・必要のないものは持ってこない 2人
・くつのかかとそろえ 2人
・友達となかよく 1人
・朝マラソンに行く 1人
12人
・一緒に礼をする 1人
・人の話をよく聞く 1人
・上履きをはく 1人
・会釈をする 10人
・次の時間の準備をする 2人
・無言清掃 2人
・雨の日の過ごし方 1人
・給食のマナー 1人
・すみずみまで掃除をする 1人
・教室を走らない 1人
・自分がやられていやなことを人にしない 1人
・迷惑をかけない 1人
・元気に登校する 1人
② 学校以外できまりやマナーを守っていない人のためにいやな思いをしたことがありますか。
ある・・・28人
ない・・・5人
☆それは、どんなことですか。また、どう思いましたか。
・たばこのポイ捨て 4人(いやだ・きたない)
・ゴミのポイ捨て 5人(なぜ捨てるのか・どんな気持ちなのか)
・公共の場での大声 2人(迷惑・注意したくなった)
・自転車の二人乗り 2人(注意すればよかった・いけない)
・並んでいるのにぬかされた(ずるこみ) 2人(腹がたった・ひどいな・ちゃんと並んで)
・信号無視 2人(だめ・危ない)
・電車内での騒ぎ 1人(いけない)
・映画鑑賞中の携帯使用 1人(迷惑・どうして)
・歩きスマホの人がぶつかって来た 1人(危ない)
・喫煙所以外でのたばこ 1人(迷惑)
・犬の排泄物の始末をしない 1人(きたない)
③ あなたがきまりやマナーを守らないで人に迷惑をかけたことがありますか。
ある・・・26人
ない・・・7人
☆どんなことをしたのですか。どんな気持ちでしたか。
・人にいやなことをした 3人(ごめんね・迷惑をかけた)
・廊下を走って人にぶつかった 2人(反省・なんで走ってしまったのだろう)
・廊下を走った 2人(迷惑だった・ぶつかったらどうしよう)
・呼ばれても無視した 2人(いいや・ごめんね)
・駅の中を走った 1人(その電車に乗りたかった)
・人を待たせた 1人(ごめんね)
・公共の場でふざけた 1人(やっちゃた・もうやらない)
・信号無視 1人(信号を見ていなかった)
・通る人の邪魔 1人(やめなきゃ)
・お礼を言わなかった 1人(言えばよかった)
・改札で人をぬかした 1人(いけなかった)
・自転車で人にぶつかりそうになった 1人(自分中心過ぎた)
・ゴミのポイ捨て 1人(悪いことをした)
・時間を守れなかった 1人(迷惑をかけた)
・係の仕事をさぼった 1人(悪いことをした)
・となりの家にボールを当てた 1人(残念)
④ 自分の他の人も気持ちよく生活するには、どのようにしていけばよいと考えますか。
・きまりやマナーを守る
26人
・人に迷惑をかけない 4人
・注意する、声をかける
4人
・協力して生活する
2人
・ポイ捨てしない
2人
・教え合う
1人
・いけないことはやらない
1人
・助け合う
1人
・けんかをしない
1人
・あいさつする
1人
・忘れ物をしない
1人
アンケート結果から、個人差はあるが、学校でのきまりやマナーを意識して生活していることがわかる。
およそ85%の児童がきまりやマナー違反をする人のためにいやな思いを経験しており、その内容も多岐に
わたっている。また、きまりやマナーを守らなかったために人に迷惑をかけたと感じている児童が80%近
くいる。自分も周囲の人も楽しく生活するためには、きまりやマナーを守ることが大切だと考えている児童
が大変多い。
実際の児童の姿をみてみると、こころがけていても行動が伴わない児童も多く、きまりやマナーを守るこ
との意義や有用性について改めて考えさせ、実行力を高めることは極めて大切であると思われる。
(3) 資料について
物を大切にする昭夫の父は、廃棄処分となって捨てられていく自転車の部品を寄せ集めて再生し、無料貸
し出しを始める。しかし、善意が通じず、自転車が帰ってこない・乗り捨てられている・汚されて返される
などの問題がおこってしまう。昭夫も友達に相談して、どうしたらいいかを考える。あれこれ考えた挙げ句、
父は、かぎをかける・車体にメッセージをつけるという良心に訴える方法をとることにした。昭夫は、それ
がうまくいくように心の中で祈る。
本資料から、善意で行動しそれを継続することの大変さや物をたいせつに扱うことの大切さが伝わってく
る。昭夫と善意を貫き通す父とのやりとりなどから、物やそれに関わる人への感謝、次に使う人への思いや
りの気持ちをもって、みんなの物を大事に使っていくことの大切さに気づかせたい。
4
研究主題との関わり
研究主題「確かな力を持ち、豊かな心で学び、思いや願いを実現する子の育成」
~生きる力を育む健康教育の推進~
めざす児童像 ・社会のルールやマナーを身につけ、自他を尊重する児童
・力いっぱい運動し、思いっきり汗をかく児童
・自らの力で進んで基本的生活習慣を確立し、健やかな心身をもつ児童
研究の仮説
・豊かな体験を通して、教育活動全体で道徳教育の充実を図ることができれば、社会
のルールやマナーを身につけ、自他を尊重する児童を育成できるであろう。
・体育授業および体育的活動を通して魅力的な運動(運動遊び)を提供できれば、体
を動かす喜びを味わい力いっぱい運動する児童を育成できるであろう。
・家庭や地域と連携を図りながら保健・安全教育および食育の充実を図ることができ
れば自らの力で進んで基本的生活習慣を確立し、健やかな心身を持つ児童を育成す
ることができるであろう。
本主題である高学年の内容項目4-(1)
「公徳心をもって法やきまりを守り、自他の権利を大切に
し進んで義務を果たす。
」にせまるために、
「まいごのカナリア号」での学習の中で、公共物を利用した
時の自分の態度を振り返り、今後どのように公共物を利用したいかを考え、今後の実践化への意欲につ
なげていきたい。このことが本校のめざす児童像、
「社会のルールやマナーを身につけ、自他を尊重す
る児童」の育成につながっていくものと思われる。
5
本時のねらい
使う人の身になって考え、公共の物を大切に使用しようとする態度を養う。
6
学習指導過程
段階
学習活動と主な発問
私たちの道徳 p120
1
導
~p121 の「考えよう、
入
これからの社会とわた
予想される児童の反応
・近くにも自転車でいっぱいになって
いるところがある。
・近くの川にもごみが浮いている。
・指導上の留意点 ☆評価の観点
○生活の中で迷惑に感じたり、いけ
ないと思った場面を想起させ、学
習への方向付けをする。
したち」の写真を見て ・マナーを守っていない人を見たこと
5
考える。
がある。
分
☆マナーについて考え、価値への方
向付けができたか。
2
資料「まいごのカナ
展
リア号」について知り、
開
話し合いの方向性をつ
・場面絵やカードを用いて、登場人
物や条件・情況をおさえる。
・主人公の心の動きを考えながら、
かむ。
心に残ったところに線を引きな
(1) 登 場 人 物 や 条
がら聞くようにさせる。
件・情況を知る。
35
(2) 範読を聞く。
分
(3) 話 題 の 整 理 と 確
・児童の心に残ったところを中心に
整理する。
認をする。
3
主人公「昭夫」の心
の変化を中心に話し合
う。
(1) 父が「自転車の無 ・捨てられた物がみんなのために再利 ・父の善意が自転車を利用する人々
料貸し出しを始
用できてすばらしいな。
めたとき、昭夫は
・お父さんすごいな。
どんなことを考
・うまく利用してほしいな。
えたか。
・みんな喜ぶかな。
に素直に伝わるものと期待して
いる昭夫の気持ちに共感させる。
・自転車もうれしいだろうな。
(2) 自 転 車 が 返 さ れ
・借りっぱなしなんてひどい。
・予想に反した厳しい現実にいらだ
なかったり、乗り
・ちゃんと返してほしい。
つ昭夫の気持ちに共感させる。
捨てられている
・マナーを守ってほしい。
・貸す側がどれほど苦労し、悩んで
のを見つけたり
・なんでよごすんだろう。
したとき、昭夫は
・乗り捨てをするなんてひどすぎる。
どんなことを考
・もう貸すのをやめた方がいい。
☆無責任な行動をとったり、自転車
えたか。
・きまりをつくるしかないよ。
を乱暴に扱ったりする人たちのこ
いるかも理解させる。
とを腹立たしく思う昭夫の思いに
共感できたか。
(3) 父 と 弘 さ ん が 一 ・二人の思いが伝わって、みんな大切 ・利用者の良心に訴える方法の成功
生懸命に考えた
に使ってくれるといいな。
を祈る昭夫の気持ちからみんな
新しい方法を知
・これならうまくいくぞ。
で利用する物は、次に使う人のこ
った昭夫はどん
・うまくいきますように。
とを考えて使うことが大切なこ
な こ と を 考 え た ・自分もみんなの物を使うときは、そ
か。
とに気づかせる。
の使い方を考えよう。
☆次に使う人の身になってみんな
の物を使う大切さに気づくこと
ができたか。
4
みんなで使う物を利 ・公共物を利用するとき心がけたいこ ・心がけたいことを書くことで、実
用するとき、どんなこ
とをワークシートに書く。
践化への意欲につなげていくよ
とを心がければいいか
うにする。
を考える。
☆これからに向けての自分の思い
を書くことができたか。
5
教師の説話を聞く。 ・整列乗車の写真やゴミひとつないき ・公共のきまりやマナーを守るさわ
終
れいな公園の写真などを見る。
やかさを感じとらせる。
末
5
分
7
板書計画
・
き
っ
と
大
事
に
使
っ
て
く
れ
る
・
う
ま
く
い
っ
て
ほ
し
い
店
に
か
ぎ
が
あ
り
ま
す
。
カ
ナ
リ
ア
号
を
利
用
し
た
い
人
は
、
お
申
し
出
く
だ
さ
い
。
・
き
ま
り
が
必
要
だ
・
責
任
を
も
っ
て
ほ
し
い
・
も
う
や
め
た
ほ
う
が
い
い
十
台
→
・ ・ 三
ど 返 台
う さ
し な
て い
返 な
し ん
て て
く ひ
れ ど
な い
い
の
か
ふ
た
月
ほ
ど
す
る
と
ー
・
う
ま
く
利
用
し
て
ほ
し
い
な
す
ば
ら
し
い
・
捨
て
ら
れ
た
物
が
み
ん
な
に
役
だ
っ
て
無
料
貸
し
出
し
「
カ
ナ
リ
ア
号
」
昭 ま
夫 い
ご
の
カ
ナ
リ
ア
父 号
自
転
車
店