インド海外自立支援事業 概要資料 - フリー・ザ・チルドレン・ジャパン

海外自立支援事業
インド子ども支援 ラジャスタン州支援概要
アラビア海とベンガル湾に面し、境界をなすインドは、ビルマ(ミャンマー)とパキスタンの間に位置している国
です。近年の著しい経済投資と生産から得る経済成長がみられるにも関わらず、インドは深刻な人口過剰、
環境悪化、貧困、民族・宗教間の紛争などの差し迫った問題を抱えています。その膨大で今もなお増え続け
ている人口は、基本的な社会・経済・環境の問題となっています。インドの人口は世界で中国についで2番目
に多く、もっとも大きい民主主義国家です。5歳未満の幼児のほぼ半数が栄養失調状態です。
フリー・ザ・チルドレンは 1998 年からインドで活動を開始し、なかでも、長年インド政府から忘れ去られていた北
インドの農村部に焦点をあて、支援をしています。
その地域に昔からある農村では、その活気みなぎる文化をも脅かしてしまう深刻な問題に直面しています。
教育、水、収入、ヘルスケアサービスへのアクセスが不足しているため、その村々の住人の生活水準はとても低
い状態です。農村部ではさらに、教育設備が整っていないこと、子ども達が働く必要があること、また教育、ヘ
ルスケアサポートが十分でないことなどが直接の原因となり、小学校でも退学率がとても高くなっています。
さらに、学校に通う多くの子ども達は、学校が村からとても遠いところにあるため、教育を受け始めるのが遅くな
ってしまいます。私たちが活動するこれらの村々では、2~3人に1人の子どもが児童労働に従事しています。
この問題の解決のため、フリー・ザ・チルドレンではラジャスタン州ウダイプールのさまざまな地域に位置する
いくつかの村で自立支援プログラムを実施しています。自立支援プログラムとは持続可能かつ包括的な開発
のモデルです。このモデルに基づいて、村々の子ども達への教育を妨げる要因をなくすために、地域の方々と協
力して活動しています。そして、それをフリー・ザ・チルドレンだけで進めるのではなく、村の人々に自分たちの地
域問題であることを認識してもらうため、彼らにも関わってもらっています。そうすれば、この先彼らは貧困から抜
け出すことができ、このプログラムをもとに生活を維持、また組み立てていくことができるでしょう。
この目的を達成するため、私達は地域の人々に協力を呼びかけているのです。私たちの現地スタッフはいつも村にいる活発な女性、男性また青年達と働いています。
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インド子ども支援 ラジャスタン州支援概要
教育支援プログラム
水と公衆衛生プログラム
ほとんどの農村部と同様に、村々の子どもは教育を受けていない場合がほとんどです。大部分
ウダイプールの村々が直面する大きな問題のひとつが広範囲の干ばつです。この地域の経済は農業
のケースで、子どもは地元に学校がないため、一番近い学校でもしばしば一日に 10 キロもの距
ベースであるため、この干ばつが深刻な飢饉をもたらします。過去数十年の間、いくつかの団体がこの
離を歩かなければなりません。学校がある村でも、電気が足りなかったり、インフラが整っていな
問題を解決するためにこの地域で働き、水不足を軽減するために人口の池をつくりました。不幸なこと
いなどで、生徒の数が教室の収容量を大幅に上回っているなどしています。
に、このプランは短期間で持続不可能なプランであることがわかりました。なぜならその池は汚染され、
FTC インドは、子ども達が明るく安全な学校環境で学べるように、学校建設とインフラの修繕
いまでは水により伝染する病気の元になっているからです。
にむけて活動しています。私たちは地域の経済を支援する約束をしているため、可能なときはい
これらの問題に取り組むため、FTCの現地スタッフはそれぞれの村でクリーンウォータープロジェクトの
つでも村の男性や女性を学校建設の労働力として雇っています。また、すべての学校は村の中
実施すに向け動いています。クリーンウォータープロジェクトは村の中心または村のいたるところに位置
心に建てられているため、すべての村人が学校の設備を使うことができ、子ども達も学校に行く
される予定なので、女性や子ども達はもう水を汲むために何時間も歩かなくてもよくなるでしょう。さら
ために長い距離を歩かなくてもすみます。
に、農業を促進し、土地の侵食を防ぐダム建設やウォーターハーベストプロジェクトを実行するため、地
域の人々と密接に連携をとりながら働いています。
加えて、手洗いや水の煮沸などの基本的な
フリー・ザ・チルドレンは子ども達が持つ質の高い教育を受ける権利が守られるよう、教員のトレ
公衆衛生習慣を村の人々に教える教育キャンペーンや公衆衛生ワークショップを始めました。さらに、
ーニングと能力向上を優先事項の一つとしています。このような取り組むべき課題が解決される
公衆衛生プログラムのひとつとして、私達は地元の学校に手洗い場とトイレを設置します。このトイレは
ため、地方政府や地域のリーダーと密接なパートナーシップを築き、すべての関係者にとってよりよ
すべての生徒にとって利益となるでしょうが、基本的な公衆衛生が整っていないため、だいたいの場合
い社会を構築することを目指しています。
生理中は学校を休まざるを得ない女子生徒にとって特に便利になるでしょう。
いくつかの農村部では学校に行くことができますが、
フリー・ザ・チルドレンは支援を必要としてい
水不足のため、村人たちは動物達が飲んだり泳い
私達は、水と公衆衛生プログラムを通し、
教室は小さくあふれかえっています。
る村にインフラと質の高い教育を提供する
だりしているのと同じ汚れた水を飲料水として使っ
確実に子ども達がきれいな飲料水を飲め
ために活動しています。
ています。
るようにしています。
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収入向上プログラム
健康と環境改善プログラム
ほとんどの村では、その主な収入源として農業に頼っています。たくさんの家族は、家計の助けを
フリー・ザ・チルドレンでは、農村部における健康問題に立ち向かうための鍵のひとつは、保健サービスと
子どもに頼っており、その結果、子ども達が学校にいけなくなっているのです。
保健予防の取り組みであると考えています。そこで、地域の保健センターを建てる計画をし、実施してい
子ども達を学校に通えるようにし、さらに、家族が収入を得られるよう手助けするため、私達は収
ます。地方政府との強いパートナーシップにより、これらのセンターには、必要な医療品や専門的なトレー
入向上プログラムを開始しており、成功しています。このプログラムのゴールは、大人達にスキル
ニングを受けた看護師が置かれます。
トレーニングを通して技術を身に付け、より有益で収入の安定した仕事に就けるようにすることで
予防キャンペーンと健康意識向上のワークショップをすべての村々の住人に実施するため、私達はすべ
す。一例として、ある村ではしょうがを乾かした商品を地元の市場で販売できるよう FTC はビニー
ての村とパートナーシップを結んで働いています。このワークショップに加え、薬草栽培ガーデンをつくる
ルハウス乾燥機の開発を支援しました。生のしょうがは乾燥しょうがの数分の1の値段で売られ
ことをサポートし、地域の伝統的な薬の生成を奨励しています。このような自然の薬を奨励することは、
るので、この乾燥機は女性や家族に持続可能な収入を提供することができます。
地域の伝統の保全につながり貴重なことです。またそれは村の人々にとって購入しやすいのです。
子ども達はしばしば下痢な
生姜の乾かし方を教
どの水に関わる病気に苦し
えるなど大人達にトレ
み、医療サービスの不足の
ーニングを提供する
ため多くの健康問題を抱え
ことで、彼らが安定し
ています。これらの病気は保
た収入を得られるよう
健予防の取り組みを通し改
に手助けしています。
善されます。
支援を継続させるためにみなさまのご支援をお願いいたします。
・教室・学校建設
・トイレ建設
・新しい水のシステム
・灌漑(かんがい)の開発
・井戸建設
・健康・保健センター
現地の状況に合わせこれらの支援を行っています。
インドの村を支援してくださる方は、FTCJ ウェブサイトからご寄付頂けます
http://www.ftcj.com/donate.html
支援の最新情報はこちらをご覧ください
http://www.ftcj.com/activity/india_pjt.html
詳しい情報がほしい方はこちらまでメールお願いいたします
[email protected]
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団体プロフィール
フリー・ザ・チルドレンは 1995 年、当時わずか 12 歳だった子どもの権利活動家、クレイグ・キールバーガーによって創立されました。それ以来世界でもっとも大きい、教育を用
いた子どもによる子ども支援のネットワークを築いてきました。私たち団体のもっとも重要なゴールは、子どもを貧困や搾取から解放することだけでなく、子どもに、自分たち
には世界の人々の生活を向上するために社会を変える力がない、という考えから解放するということでもあります。
フリー・ザ・チルドレンは子どもの、子どもによる、子どものための団体であるため、ほかの子ども慈善団体とは違います。
1995 年以来、その革新的プログラムに、45 カ国の地域から 100 万人以上の人々が鼓舞され、参加しています。
この団体は国際的なレベルと地域レベルの両方で活動しています。
フリー・ザ・チルドレンの活動の実績
16 の発展途上国で 500 の小学校を建設・設置しました。
1000 万ドル(8億円)相当の医療品を、それらを必要としている子ども達に送りました。
北アメリカで、約 2000 の教育委員会に Youth in Action (活動する若者)グループを立ち上げました。
リーダーシップワークショップと行動のきっかけとなるスピーチを通して 25 万人の子どもによびかけました。
1000 人以上の子どもリーダーのために、国際ボランティアのための海外旅行(スタディーツアー)の実施に取り組みました。