ニットの町まち 外へ開け 新潟・五泉 2枚

第3種郵便物認可
新 聞
ニットのまち外へ開け
グ
血昭五脛ア
碧
射影
ニットや網織物などの繊維産業が集積する新潟県五
戴市。アパレル企業からの受注が減り、苦境が続く地
場産業が生き残りをかけて動き出した。産地の技術力
を消費者に直接アピールしたり、イタリアの同業者と
熟■デジタル版に動画
提携したりと、素材メーカーの枠を超えた活動に活路
を兄いだそうとしている。
勢の職人が黙々と進める縫
はニットも同じ。未来の人
工程を見てもらい、ニット
県今治市の今治タオルのよ
くては﹂。目指すは、愛媛
くりの素晴らしさを伝えな
材を確保するには、ものづ
の魅力を知ってもらおう
JR五泉駅近くのイタリ
うな地域ブランドだ。
シーズンズキッチン﹂。12
アンレストラン﹁ファイブ
年春にオープンした店は工
場見学つきのランチが人気
らはそんな声も出た。
2月に開かれた﹁五泉ニ
だ。近所のニット工場﹁サ
て、ニットフェス実行委員
りする﹁成果﹂も出てい
クの後、アパレルからの注
常務だ。リーマン・ショッ
トで、同じ県内の金属加工 イフク﹂を見学した後、レ
業の集積地、燕三条地区が ストランで旬の食材を使っ
2013年に始めた﹁工場 た食事を楽しめる。開催は
不定期だが、毎回10人の定
の祭典﹂をお手本にした。
町工場を市民に開放する 員はすぐに予約で埋まる。
レストランを経営する斉
﹁工場の祭典﹂では、訪れ
た若者が刃物工場に弟子入 藤佳奈子社長はサイフクの
ットフェス﹂の目玉イベン
企画した。﹁見ていて1着
ほしくなった﹂。参加者か
合の青年部を中心に初めて
と、五泉ニット工業協同組
ふだんは見られない製造
製作業などを見て回った。
▲を洗う巨大な洗濯機や、大
や東京などから参加した約 長の高橋慶至さん︵高橋ニ
﹁ニットの日﹂の2月10
日。ニット工場の見学会が 50人が、巨大な染色用の容 ット常務︶は大いに刺激を
五泉市で開かれた。新潟市 器、縮みを防ぐために生地 受けた。﹁手作業が多く、
人材育成に時間がかかるの
工場見学会で、襟をつける作業につ
いて説明を聞く見学者=新潟県五泉
市のニットメーカー﹁ナック﹂
レストランを開き、自社商
持たない﹂との危機感から
文が激減。﹁このままでは
15億円まで落ち込んだ。
あった生産額は、14年に1
を直撃。91年に802億円
製造を委託する動きが産地
組合は昨秋、欧州のニッ
品の開発にも乗り出した。
自社開発のポンチョ﹁m
学などを検討している。
て、若手職人のイタリア留
ト産地、イタリア・フィレ
・⊥nO︵ミノ︶﹂は、長方
形のニット地にスリットを ンツェを訪れ、現地メーカ
入れたユニークな形が評判 ーのイル・ボルゴ社との提
を呼び、全国に販路を広げ 携を決めた。﹁人材育成や
た。minOを見て入社を デザインはフィレンツェに
決めた東京出身の女性もい 学ぶべきものがある﹂と高
橋正春事務局長。付加価値
るという。
染色に必要な水資源に恵 の高いものづくりをめざし
まれた五泉は、江戸時代末
ニットに負けじと栴織物
期から絹織物の生産が盛ん
に伴い、絹織物からニット
になり、戦後は洋装の普及
メーカーも動き出した。和
服素材の白生地をつくる1
た。アパレルメーカーが中
業は、14年に24社まで減っ
年ごろに95社あった加盟企
同組合によると、1991
だが、五泉ニット工業協
︵三木一哉︶l
発や販売を視野に入れるか〟
自主開発。洋装の製品の儲
家と組んで網のストールを
機業場は、染色業者や工芸
900年創業の老舗、横正
への転業が増えた。
国など人件費の安い海外に