水質汚濁に関する年表(1)

水質汚濁に関する年表(1)
年
国(法律の制定)
1890
1896 旧河川法
日本の水質
保全行政の歩み
1900 旧下水道法
1920
1925
1935
1938 放流下水水質基準
1939
1945
1947 食品衛生法の制定
滋賀県立大学 井手慎司
1948
水質汚濁に関する年表(2)
年
国(法律の制定)
1949 鉱山保安法
1950
1951
1953
1954
1955
1956
1957
地方自治体/事件・出来事
東京都工場公害防止条例の制定
年
神奈川県事業場公害防止条例の制定
清掃法
福岡県公害防止条例の制定
熊本水俣病の公式確認
水道法
水質二法*
炭業法
*浦安事件を契機として「公共用水域の水質
の保全に関する法律」(水質保全法)と「工場
排水等の規制に関する法律」(工場排水規制
法)(いわゆる「水質二法」)の制定
1960 薬事法
第二次世界大戦終結
国(法律の制定)
2
地方自治体/事件・出来事
新潟水俣病の発生
イタイイタイ病が国内初の公害病として認定
東京都が公害防止条例を制定
3
4
水質汚濁に関する年表(5)
年
国(法律の制定)
地方自治体/事件・出来事
瀬戸内海環境保全
特別措置法*
*瀬戸内海環境保全臨時措置法からの
1978
水質汚濁防止法に
恒久化
総量規制方式が導入
年
1996
国(法律の制定)
水質汚濁防止法の
改正*
1997 環境影響評価法
2000 環境基本法改正
2001
環境影響評価法案が審議未了,廃案に
湖沼水質保全特別
1984
措置法
水質汚濁防止法の
1990
改正*
第二次世界大戦が始まる
公害国会で14の公害 *公害対策基本法の改正,水質汚濁防止法
1970
関係法が制定・改正* の制定等
排水基準の一律基準
1971 ・水質汚濁に係る環 総理府外局として環境庁設置
境基準の告示
足尾銅山鉱毒事件につき公害等調整委員会
1974
での調停が成立
瀬戸内海での三菱石油の海上油濁事件を契
海洋汚染防止法の
1976
改正
機に
水質汚濁に関する年表(4)
1983
下水試験方法の制定
へい獣処理場等に
米国で水質汚濁防止法の制定
関する法律・港則法
1964
1967 公害対策基本法
1968
1969 「公害白書」発行
畜場法
1958 新下水道法・水洗
富山県・三井金属鉱業神岡鉱業所の鉱毒によ
る農業被害の発生(のちにイタイタイ病と判明)
水俣湾漁業被害の発生
水質汚濁に関する年表(3)
漁港法・港湾法・毒
大阪府事業場公害防止条例の制定
物および劇物取締法
水産資源保護法
地方自治体/事件・出来事
足尾銅山鉱毒事件が明らかになる
大阪府令21号「製造場取締規制」*の制定
*わが国で最初に「公害」という語を用いた法令
地方自治体/事件・出来事
地下水の水質浄化のための措置命令に関す
る規定を制定
環境省の設置
環境影響評価に関する要綱が閣議決定
*市町村による生活廃水対策推進計画が制
度化
1993 環境基本法
1994
水源二法*
環境基本計画
*特定水道利水障害の防止のための水道水
源水域の水質の保全に関する特別措置法」
(水道水源法)と「水道原水水質保全事業の
実施の促進に関する法律」(水道原水法) の
二法
5
6
1
足尾銅山鉱毒事件から水俣病まで
足尾銅山鉱毒事件から水俣病まで
わが国における水質汚濁問題は近代産業が興り始
めた明治時代から顕在化しはじめた
その代表例が足尾銅山鉱毒事件(1890)である



栃木県の足尾銅山から流出する鉱毒によって渡良瀬川
沿岸の地域に深刻な農業被害がもたらされた

その後,1920年代には,三井金属鉱業神岡鉱業所
が富山県において鉱毒による同様の農業被害を引
き起こしている



また,熊本県の水俣湾においては,この頃早くも,
日本窒素肥料(新日本窒素を経てチッソと改称)水
俣工場の廃水による漁業被害が発生.水俣漁業組
合が工場側に被害補償を要求している
第二次大戦後,日本の水質汚濁は加速する

これにともない神通川流域で奇病が発生,これは後にイ
タイイタイ病と判明する

戦後からの復興のなか,公害防止対策がほとんどとられ
ないままに高度経済成長政策がとられたことから,重化
学工業の急速な発展にともない,水質汚濁は戦前とは比
較にならない速度で深刻化していった
1956年には,水俣において工場排水中の水銀の汚
染に起因する中毒,水俣病が公式に発見された
7
水質汚濁防止に関する法体系(水質二法以前)
8
水質汚濁防止に関する法体系(水質二法以前)
水質二法制定以前も,種々の法令により水質汚濁
の防止は図られていた.しかし,水質汚濁は年々深
刻化し,各地における農業や漁業被害に関しての
紛争などの件数は増加の一途をたどっていた

公共用水域の
一般的な規制
河川法
港湾法
(1896年法律第71号)
(1950年法律第218号)
港則法
漁港法
(1948年法律第174号)
(1950年法律第137号)
下水道法
へい獣処理場等に
関する法律
(1958年法律第79号)
(1948年法律第140号)
鉱山保安法
畜場法
(1949年法律第70号)
(1953年法律第114号)
(1958年法律第134号)
(1947年法律第233号)
公衆衛生や
産業保護,営業規制 水洗炭業に関する法律
食品衛生法
水産資源保護法
薬事法
(1951年法律第313号)
(1958年法律第145号)
毒物および劇物取締法
清掃法
(1950年法律第303号)
(1954年法律第72号)
9
10
各都道府県の取り組み
水質汚濁防止に関する法律(水質二法以前)

なぜなら,それらの法令は広義には水質汚濁
防止をその目的に包含していたが
その理念は必ずしも共通ではなく
規制対象や規制範囲に統一性を欠き
 かつ共通の取締基準がなく
 主たる汚染源の一つである工場事業場に対する
規制がなかったためである


11



他方,公害問題を地方公共団体が行政対象として
取りあげたのは,東京都工場公害防止条例(1949)
にはじまると言われる
つづいて大阪府( 1950 ),神奈川県( 1951 ),福岡
県( 1955 )がそれぞれ公害防止条例を制定している
しかし,当時の公害に関する社会規範や意識,科学
技術の低さから,公害の「基準」を具体的に定める
ことができず,公害であるかないかという判断があ
いまいで,これら条例も十分な規制の効果をあげる
ことができなかった
12
2
水質二法の制定に向けて


戦後まもなくから,公共用水域の水質保全を効果的
なものとするためには,統一された水質保全行政が
必要であることが指摘されてきた
そのような中,1951年に当時の経済安定本部資源
調査会がまとめたのが「水質汚濁防止に関する勧
告」*(1951年資源調査会勧告第10号)である


水質二法の制定前夜

その過程において発生したのが本州製紙(株)江戸
川工場の汚水放流による漁業被害問題(1958年6
月)である

内閣審議室における審議の結果,汚水放流による
社会不安の除去,産業の相互協和,均衡のとれた
経済発展をはかるため,同年9月9日に「水質汚濁
防止対策要綱」を閣議了解,制定されるべき法律
(水質二法)の骨子および,既存の法律と水質保全
法との関係,その他必要事項を政府は定めた

*水質汚濁防止に関する法律の制定や水質調査事務局
の設置,水質科学研究所の設置を骨子とする
1957年以降は,経済企画庁が関係方面の意見調整
をはかりながら水質汚濁防止の法制化について検
討を行うこととなる
 この問題を契機として立法化の機運は急速に高まる
13
14
水質二法による水質規制のしくみ
水質二法の制定(1958)

水質保全法


公共用水域の水質調査
水質審議会
(仲介員)
関係都道府県知事
の意見聴取
協力要請
指定水域の指定
水質基準の設定
工場排水規制法
鉱山保安法
水洗炭業法
下水道法
厚生省
建設省
運輸省
通商産業省
農林省
通商産業省
ただし,ここでの基準は公共用水域に排出される事業場などの排水
の水質に基準を設ける「放流水基準」であり「流水基準」ではなかった
厚生省
水質汚濁による紛争

経済企画庁
都道府県知事
大蔵省
同要綱に基づいて,経済企画庁および関係各省は
立法作業を続け,1958年12月に「水質保全法」(法
律第181号)と「工場排水規制法」(法律第182号)
(「水質二法」)が制定された.この規制のしくみは,
先ず水質保全法によって,公共用水域のうち,水質
の汚濁が原因となって関係産業に相当の損害が生
じ,もしくは公衆衛生上看過しがたい影響が生じて
いるもの,またはそれらのおそれのあるものについ
て所要の実態調査を実施のうえ,経済企画庁にお
いて,指定水域として指定し,同時に当該指定水域
に係る水質基準*を定める
(規制・監督)
工場・事業場
鉱山・水洗炭業
下水道

水質保全法は,指定水域の
指定や水質基準の設定,調
査基本計画の作成,水質審
議会の設置,水質紛争の和
解の仲介制度をその主たる
内容とする
水質保全法で定められた水
質基準に基づき工場,事業場
については工場排水規制法
により,鉱山については鉱山
保安法により,水洗炭業につ
いては水洗炭業法により,下
水道については下水道法に
より,それぞれ関係各省庁が
それらの排水について規制お
よび監督を行なう
15
16
水質二法制定の意義


なお,指定水域以外の水域に排出される水または工場
排水規制法に定める特定施設以外の施設から指定水
域に排出される水については,地方公共団体が必要に
応じ条例により所要の水質規制を行なうことができるよ
うになっていた
水質保全法によって,42水域が指定水域の指定を
うけ,水域毎に水質基準(排水基準)が設定された



水質二法の問題点

ところが,水質二法には種々の欠陥があり,指定は
遅れ,対策は常に後手にまわった


ただし,規制項目は水域によって様々であった
当時はCODで規制されていた河川や,逆に印旛沼や手
賀沼のようにBODで規制されていた湖沼もあった
水質二法は,国レベルでは初めての統一された
公害対策法であり,その点において大きな意義を
有するものであった
17

指定水域制がとられていたが「人の健康や生活環境に看
過し難い影響や相当の損害が生じ,または生ずるおそれ
があること」という曖昧な基準を要件としていた
また,「水質基準」の遵守を強制する措置は,工場排水規
制法など10の法律で定められていたが,規制の内容は法
律によってまちまちであり,排水基準の違反に対する直
罰制度がなく,規制対象施設(製造業のみ)と対象汚濁項
目の少なさのため規制の効果が限定されていた
さらに,規制の方式が濃度規制のみで,設定された排水
基準は現状追認型の緩やかなものであり,水質の監視
体制も不備であった
18
3
公害対策基本法の制定
流水基準と公害対策基本法の必要性



同法が施行されたにもかかわらずわが国の水質汚
濁の状況はますます悪化を続けた
特に工場排水等の排水域に「流水基準」 (環境基
準)を設定する必要性が求められるようになって
いった―
経済社会の発展とともに増大する公害問題に対応
して,国や地方公共団体による諸種の施策が実施
されたが,これらは発生した問題を後追いする形で
なされたこともあり,必ずしも十分な対策とは成りえ
なかった



このため,公害発生源の規制のみにとどまらず,予
防措置を中心とした計画的,総合的な行政によって
公害問題の根本的な解決を図ることが要請される
ようになり
公害の範囲や,国,地方公共団体および事業場の
責務の明確化など施策推進の基本原則を明らかに
し,公害対策を総合的統一的に実施していくための
公害対策基本法の制定に対する要望が高まって
いった
この結果として1967年8月の第55回国会において制
定されたのが「公害対策基本法」である
19
20
公害対策基本法(1967)の目的

環境基準の設定に向けて
国民の健康で文化的な生活を確保する上において,
公害の防止がきわめて重要であることに伴い,事業
者,国および地方公共団体の公害の防止に関する
責務を明らかにし,ならびに公害の防止に関する施
策の基本となる事項を定めることにより,公害対策
の総合的推進を図り,もって国民の健康の保護およ
び生活環境の保全を図ることを目的とする(第1条)

同法は「総則(目的,公害の定義,事業者などの責務な
ど)」と「公害の防止に関する基本的施策(環境基準の設
定や国および地方公共団体の施策,公害防止計画の策
定など)」「事業者の費用負担および財政措置など」「公害
対策会議および公害対策審議会」からなる

環境基準の設定は,同基本法の第9条第1項で



規定されたことを受けて,その検討が始まった
しかし,「経済調和条項」


「政府は,大気の汚染,水質の汚濁及び騒音に係る環境
上の条件について,それぞれ,人の健康を保護し,及び
生活環境を保全するうえで維持されることが望ましい基
準を定めるものとする」と
第1条および第9条第2項「前項の基準のうち,生活環境に
係る基準を定めるにあたっては,経済の健全な発展との
調和を図るように考慮するものとする」
がこの時点では残っていた
21
22
環境基準設定作業のはじまり

公害対策基本法において,はじめて「環境基準」と
いう新しい概念がわが国に導入された



環境基準設定の過程

その背景には,初期の公害規制が集積による汚染絶対
量の増加に対して有効に機能できなかったということに対
する反省があった
こうした事態の反省を踏まえ,深刻化する公害を防
止するため,諸施策の目標として環境基準の設定
が急務の策となった
水質汚濁に係る環境基準の設定のための検討は,
当時水質保全行政の主管官庁であった経済企画庁
でなされた
23
1969年10月20日から1970年3月31日までの5ヶ月余
にわたる「水質審議会環境基準部会」における調査,
審議を経て1970年3月31日に「水質汚濁に係る環境
基準の設定の基本方針」(諮問試案骨子)がまとま
る



基準項目の選定や類型化,類型別の基準値の設定はこ
の環境基準部会によってなされたものと考えられる
同部会において中心的な役割を果たしたと言われるのが,
当時の厚生省国立公衆衛生院の南部氏と洞沢氏である
その後,経済企画庁長官が「水質汚濁に係る環境
基準の設定の基本方針」について水質審議会に対
して諮問を行い,これに対する水質審議会からの答
申を受ける
24
4
公害対策基本法の制定から水質汚濁に係る環境基準の公示までの流れ
環境基準設定の過程
1967年
公害対策基本法制定(同日施行)
1969年
水質審議会環境基準部会
経済企画庁
水質保全行政
調査・審議
水質汚濁に係る環境基準の設定の基本方針
経済企画庁
諮問
中央
水質審議会
答申
1970年4月
変更

1970年3月
作成

同答申に基づいて,経済企画庁において,
「水質汚濁に係る環境基準について(案)」が
とりまとめられ
同案はその後,公害対策会議の議を経て,
1970年4月21日に「水質汚濁に係る環境基準
について」として閣議決定された
水質汚濁に係る環境基準について
閣議決定
1970年12月
内容は「環境基準」と「公共用水域の水質の測定
方法など」「環境基準の達成期間など」「環境基
準達成のための施策」「環境基準の見直し」から
なる
環境基準の設定に関する事務など引継

公害対策基本法一部改正
水質汚濁防止法施行
1971年5月
環境基準に係る水域および地域の
指定権限の委任に関する政令
中央公害対策
審議会水質部会
1971年7月
環境庁設置
1971年12月
水質汚濁に係る環境基準について(環境庁告示)
25
公害国会



環境庁の設置
その後,1970年の第64回国会(公害国会)において,
公害対策基本法の一部改正により,同法第1条およ
び第9条第2項の「経済調和条項」の条文が削除さ
れた

これは,経済調和条項がともすれば経済優先と誤解され
がちであったことに伴い,目的規定について全面的な再
検討を行なった結果である



政府の公害対策に取り組む積極的な姿勢を示すた
め,目的の全体が改められ,また,このとき,第9条
改正第2項に類型指定を都道府県知事に委任する
条項が加えられた
水質汚濁防止法(「水濁法」)の制定
1971年7月1日には,環境庁が設置され,環境基準
設定に関する事務,水質汚濁防止法の施行に関す
る事務などを経済企画庁から引き継ぐこととなった
さらに同年9月21日には中央水質審議会が廃止され,
中央公害対策審議会の水質部会が設置された
同年12月17日には閣議了解により「水質汚濁に係
る環境基準について」の一部改正を行い,従来,生
活環境の保全に関する環境基準の類型指定のうち
県際水域の指定を閣議決定により行うとしていたも
のを環境庁長官が閣議了解を得て行うことに改め,
経済企画庁長官を環境庁長官に,中央水質審議会
を中央対策審議会に改めた
27
28
環境基準の公示とその後



環境基準設定以降
1971年12月28日に「水質汚濁に係る環境基準につ
いて」を環境庁告示第59号として正式に告示した

26

なお,同告示では,閣議決定した事項のうち環境基準達
成のための施策については他省庁の所掌に係るため削
除している
環境基準の公示後,湖沼や内湾などの閉鎖性水域
における富栄養化問題が新たな問題として顕在化
し,同問題に対応することが急務となった
このため環境庁において,富栄養化の要因物質で
ある窒素およびリンに係る環境上の水質目標を定
め,富栄養化に関する諸対策を総合的に講ずるべく
検討が進められた
29

その結果,先ず,科学的知見が集積された湖沼に
関して,窒素およびリンを生活環境の保全に関する
環境基準の項目として追加することを,1982年4月16
日に環境庁長官が中央公害対策審議会に諮問し,
同年11月18日答申を受け,1982年12月25日環境庁
告示第140号として「水質汚濁に係る環境基準につ
いて」の一部を改正することで告示した
また,窒素およびリンに係る環境基準の水域類型の
指定は,湖沼植物プランクトンの著しい増殖を生ず
る恐れがある湖沼について行うことなどを内容とし
て,1984年7月15日環境庁告示第29号により環境基
準の一部改正によって行われた
30
5
湖沼水質保全特別措置法の制定

当初,湖沼に関する規制は,環境基準と1970年に
制定された水質汚濁防止法(「水濁法」)によってな
されていた



湖沼水質保全特別措置法の目的

水濁法は水質管理の基本法として,人の健康に関わる有
害物質と生活環境項目の双方を対象としてすべての公共
用水域に関して排水規制などをおこなうことを目的とする
しかし,閉鎖性で汚染が進行しやすい湖沼では水
濁法による規制だけでは十分でなかったことから,
重要湖沼を指定する湖沼水質保全特別措置法
(「湖沼法」)が1984年に制定された
湖沼法は,環境基準の確保が緊急な湖沼(「指定湖
沼」)について水質保全のための特別措置を講ずる
ことを主な内容とする

公共用水域の水質汚濁の防止に関し一般法である
水濁法による排水規制措置を前提としつつ,指定湖
沼の集水域において,従来の排水規制では対応で
きない汚染源(一定規模のし尿浄化槽,畜舎,魚類
養殖施設など)に対し,その特性に応じた新たな規
制を行う
指定湖沼ごとに地方と国を通じて広範なコンセンサ
スを形成しつつ,下水道整備などの水質保全に資
する事業と汚濁負荷削減のための各種規制などの
措置に関する計画(湖沼水質保全計画)を策定し,
この計画の下で各種の水質保全施策を総合的に推
進する
31
指定湖沼の指定
指定湖沼は都道府県知事
の申し出に基づき,内閣総
理大臣が指定する
指定の要件は,水質環境
基準が現に確保されておら
ず,または確保されないこ
ととなる恐れが著しい湖沼
であって,当該湖沼の水の
利用状況や水質の汚濁の
推移などからみて,特に水
質保全に関する施策を総
合的に講ずる必要があると
認められること(同法第3条
第1項)


指定年
水質汚濁に係る環境基準の制定

指定湖沼(水域)
霞ヶ浦
32
(西浦)(北浦)(常陸利根川)

印旛沼
1986 手賀沼
琵琶湖
(北湖)(南湖)
児島湖
1987
1989
諏訪湖
釜房ダム貯水池
公害対策基本法(1967年法律第132号)
第9条「政府は,大気の汚染,水質の汚濁,土壌の
汚染および騒音に係る環境上の条件について,そ
れぞれ,人の健康を保護し,および生活環境を保全
するうえで維持されることが望ましい基準を定めるも
のとする」 に基づき

中海
宍道湖
1994 野尻湖
2007

八郎湖(八郎潟)
公害対策基本法第9条は環境基本法第16条に継承され
ている
 1971年「水質汚濁に係る環境基準について」とし
て告示(環境庁告示第59号)
11湖沼・14水域
33
34
水質に係るその他の基準
水質汚濁に係る二つの環境基準



水質汚濁に係る環境基準には次の2種類がある
 「人の健康の保護に関する環境基準」
 「生活環境の保全に関する環境基準」
利水に関する水質基準
 水道水基準(健康に関連する,水道水が有すべき性状
に関する,快適水質,監視項目)
農業(水稲)用水基準
 工業用水道供給標準水質
 水産用水基準
 水浴場の水質の判断基準
排水基準

⇔ 大気・土壌・騒音に関する環境基準は,人の健
康の保護と生活環境の保全の双方を達成するため
の,全国一律の基準が1種類あるのみ



35
健康項目:すべての工場,事業場に適用.排水が公共用
水域において1/10に希釈されることを仮定し,原則として,
環境基準の10倍の値をとる
生活環境項目:排水量1日平均50 m3以上の特定事業場
に対して適用.各水域の実情に応じて都道府県知事によ
る上乗せが認められている.
36
6
人の健康の保護に関する環境基準
環境基準と排水基準
排水基準(排出元)
環境基準(排出先)
特定事業場(特定施設)
公共用水域
(河川・湖沼・海域)
人の健康の保護に関する排水基準
対象:全特定事業場
(全国一律+自治体別)の基準項目
と濃度基準値
人の健康の保護に関する環境基準
(≒水道水基準)
全水域一律の基準項目と濃度基準
値



原則として水域の区別なく,全公共用水域および地
下水に一律に適用される
猶予期間を置かず,設定後直ちに達成,維持される
べきもの
原則,水道法(1957年法律第177号)に基づく水道水
質基準と同じ値をとる

生活環境の保全に関する排水基準 生活環境の保全に関する環境基準
対象:一部特定事業場
水域別の基準項目と類型別の濃度
基準値
(水域別類型別+自治体別業種別
排水量別)の基準項目と濃度基準値
(+総量規制基準値/汚濁負荷量
規制基準値)

ただし,水銀類とPCBについては,生物濃縮があっても魚
介類の食品としての安全性が失われない程度の公共用
水域の水質を基準値として定めている
また,1, 1, 1-トリクロロエタンについては,臭味防止の観
点から厳しく設定されている水道水質に関する基準よりも
環境基準は高く設定されている
37
38
人の健康の保護に関する環境基準(1975)
人の健康の保護に関する環境基準(1971)
カドミウム
0.01 mg/l 以下
カドミウム
0.01 mg/l 以下
全シアン
検出されないこと
全シアン
検出されないこと
鉛
0.1 mg/l 以下
鉛
0.1 mg/l 以下
六価クロム
0.05 mg/l 以下
六価クロム
0.05 mg/l 以下
砒素
0.05 mg/l 以下
砒素
0.05 mg/l 以下
総水銀
0.0005 mg/l 以下
総水銀
0.0005 mg/l 以下
アルキル水銀
検出されないこと
アルキル水銀
検出されないこと
設定当時の8項目
PCBが追加され9項目に
有機リン
有機リン
PCB
検出されないこと
39
40
水質汚濁に係る要監視項目および指針値(1993)
人の健康の保護に関する環境基準(1993)
カドミウム
0.01 mg/l 以下
1, 1, 1-トリクロロエタン
1 mg/l 以下
クロロホルム
0.06 mg/l以下
フェノブカルブ(BPMC)
0.03 mg/l以下
全シアン
検出されないこと
1, 1, 2-トリクロロエタン
0.006 mg/l 以下
トランス-1, 2-ジクロロエチレン
0.04 mg/l以下
イプロベンホス(IBP)
0.008 mg/l以下
鉛
0.01 mg/l 以下
トリクロロエチレン
0.03 mg/l 以下
1, 2-ジクロロプロパン
0.06 mg/l以下
クロルニトロフェン(CNP)
―
六価クロム
0.05 mg/l 以下
テトラクロロエチレン
0.01 mg/l 以下
p-ジクロロベンゼン
0.3 mg/l 以下
トルエン
0.6 mg/l 以下
0.008 mg/l以下
キシレン
0.4 mg/l 以下
砒素
0.01 mg/l 以下
1, 3-ジクロロプロペン
0.002 mg/l 以下
イソキサチオン
総水銀
0.0005 mg/l 以下
チウラム
0.006 mg/l 以下
ダイアジノン
0.005 mg/l以下
フタル酸ジエチルヘキシル
0.06 mg/l以下
アルキル水銀
検出されないこと
シマジン
0.003 mg/l 以下
フェニトロチオン(MEP)
0.003 mg/l以下
ニッケル
―
PCB
検出されないこと
チオベンカルブ
0.02 mg/l 以下
イソプロチオラン
0.04 mg/l以下
モリブデン
0.07 mg/l以下
ジクロロメタン
0.02 mg/l 以下
ベンゼン
0.01 mg/l 以下
オキシン銅(有機銅)
0.04 mg/l以下
アンチモン
―
0.01 mg/l 以下
四塩化炭素
0.002 mg/l 以下
セレン
1, 2-ジクロロエタン
0.004 mg/l 以下
1, 1-ジクロロエチレン
0.02 mg/l 以下
シス-1, 2-ジクロロエチレン
0.04 mg/l 以下
有機リンが削除され,9項目の有機塩素系化合物と
4項目の農薬など合計15項目が追加されて23項目
に
クロロタロニル(TPN)
0.05 mg/l以下
硝酸性窒素および
亜硝酸性窒素
10 mg/l 以下
プロピザミド
0.008 mg/l以下
ふっ素
0.8 mg/l 以下
EPN
0.006 mg/l以下
ほう素
1 mg/l 以下
ジクロルボス(DDVP)
0.008 mg/l以下
設定当時の25項目
要監視項目とは,国および地方公共団体において,物質の特性,使用状況などを考慮し体系的かつ効果的に公
共用水域などの水質測定を行い,その結果を踏まえて必要に応じ水質汚濁の未然防止のための措置を講じると
ともに,測定結果を国において定期的に集約し,その後の知見の集積状況も勘案しつつ,環境基準項目への移
行などを機動的に検討するもの
41
42
7
人の健康の保護に関する環境基準(1999)
水質汚濁に係る要監視項目および指針値(1999)
クロロホルム
0.06 mg/l以下
フェノブカルブ(BPMC)
0.03 mg/l以下
カドミウム
0.01 mg/l 以下
1, 1, 1-トリクロロエタン
トランス-1, 2-ジクロロエチレン
0.04 mg/l以下
イプロベンホス(IBP)
0.008 mg/l以下
全シアン
検出されないこと
1, 1, 2-トリクロロエタン
1 mg/l 以下
0.006 mg/l 以下
1, 2-ジクロロプロパン
0.06 mg/l以下
クロルニトロフェン(CNP)
―
鉛
0.01 mg/l 以下
トリクロロエチレン
0.03 mg/l 以下
p-ジクロロベンゼン
0.3 mg/l 以下
トルエン
0.6 mg/l 以下
六価クロム
0.05 mg/l 以下
テトラクロロエチレン
0.01 mg/l 以下
イソキサチオン
0.008 mg/l以下
キシレン
0.4 mg/l 以下
砒素
0.01 mg/l 以下
1, 3-ジクロロプロペン
0.002 mg/l 以下
0.006 mg/l 以下
ダイアジノン
0.005 mg/l以下
フタル酸ジエチルヘキシル
0.06 mg/l以下
総水銀
0.0005 mg/l 以下
チウラム
フェニトロチオン(MEP)
0.003 mg/l以下
ニッケル
―
アルキル水銀
検出されないこと
シマジン
0.003 mg/l 以下
PCB
検出されないこと
チオベンカルブ
0.02 mg/l 以下
イソプロチオラン
0.04 mg/l以下
モリブデン
0.07 mg/l以下
アンチモン
―
オキシン銅(有機銅)
0.04 mg/l以下
クロロタロニル(TPN)
0.05 mg/l以下
プロピザミド
0.008 mg/l以下
EPN
0.006 mg/l以下
ジクロルボス(DDVP)
0.008 mg/l以下
ふっ素,ほう素,硝酸性窒素および
亜硝酸性窒素が環境基準項目に変
更となり22項目に
ジクロロメタン
0.02 mg/l 以下
ベンゼン
0.01 mg/l 以下
四塩化炭素
0.002 mg/l 以下
セレン
0.01 mg/l 以下
1, 2-ジクロロエタン
0.004 mg/l 以下
硝酸性窒素および
亜硝酸性窒素
10 mg/l 以下
1, 1-ジクロロエチレン
0.02 mg/l 以下
ふっ素
0.8 mg/l 以下
シス-1, 2-ジクロロエチレン
0.04 mg/l 以下
ほう素
1 mg/l 以下
備考 1 基準値は年間平均値とする.ただし,全シアンに係る環境基準については最高値とする.
2 「検出されないこと」とは,その結果が当該方法の定量限界を下回ることをいう.
3 海域については,ふっ素およびほう素の基準値は適用しない.
4 硝酸性窒素および亜硝酸性窒素の濃度は,規格43.2.1,43.2.3又は43.2.5により測定された硝酸イオンの濃度に換算係数0.2259を乗じたものと規格43.1によ
り測定された亜硝酸イオンの濃度に換算係数0.3045を乗じたものの和とする.
43
44
人の健康の保護に関する環境基準(2009)
水質汚濁に係る要監視項目および指針値(2004)
クロロホルム
0.06 mg/l以下
フェノブカルブ(BPMC)
0.03 mg/l以下
カドミウム
0.01 mg/l 以下
トランス-1, 2-ジクロロエチレン
0.04 mg/l以下
イプロベンホス(IBP)
0.008 mg/l以下
全シアン
検出されないこと
1, 1, 2-トリクロロエタン
0.006 mg/l 以下
クロルニトロフェン(CNP)
―
鉛
0.01 mg/l 以下
トリクロロエチレン
1, 1, 1-トリクロロエタン
0.03 mg/l 以下
1 mg/l 以下
1, 2-ジクロロプロパン
0.06 mg/l以下
p-ジクロロベンゼン
0.2 mg/l 以下
トルエン
0.6 mg/l 以下
六価クロム
0.05 mg/l 以下
テトラクロロエチレン
0.01 mg/l 以下
イソキサチオン
0.008 mg/l以下
キシレン
0.4 mg/l 以下
砒素
0.01 mg/l 以下
1, 3-ジクロロプロペン
0.002 mg/l 以下
0.006 mg/l 以下
ダイアジノン
0.005 mg/l以下
フタル酸ジエチルヘキシル
0.06 mg/l以下
総水銀
0.0005 mg/l 以下
チウラム
フェニトロチオン(MEP)
0.003 mg/l以下
ニッケル
―
アルキル水銀
検出されないこと
シマジン
0.003 mg/l 以下
イソプロチオラン
0.04 mg/l以下
モリブデン
0.07 mg/l以下
PCB
検出されないこと
チオベンカルブ
0.02 mg/l 以下
オキシン銅(有機銅)
0.04 mg/l以下
クロロタロニル(TPN)
0.05 mg/l以下
アンチモン
塩化ビニルモノマー
―
0.002 mg/l以下
プロピザミド
0.008 mg/l以下
エピクロロヒドリン
0.0004 mg/l以下
EPN
0.006 mg/l以下
1,2-ジオキサン
0.05 mg/l以下
ジクロルボス(DDVP)
0.008 mg/l以下
全マンガン
0.2
ウラン
0.002 mg/l以下
現在,全27項目
mg/l以下
45
ジクロロメタン
0.02 mg/l 以下
ベンゼン
0.01 mg/l 以下
四塩化炭素
0.002 mg/l 以下
セレン
0.01 mg/l 以下
1, 2-ジクロロエタン
0.004 mg/l 以下
硝酸性窒素および
亜硝酸性窒素
10 mg/l 以下
1, 1-ジクロロエチレン
0.1 mg/l 以下
ふっ素
0.8 mg/l 以下
シス-1, 2-ジクロロエチレン
0.04 mg/l 以下
ほう素
1 mg/l 以下
1, 4-ジオキサン
0.05 mg/l 以下
備考 1 基準値は年間平均値とする。ただし、全シアンに係る基準値については、最高値とする。
2 「検出されないこと」とは、測定方法の項に掲げる方法により測定した場合において、その結果が当該方法の定量限界を下回ることをいう。別表2において
同じ。
3 海域については、ふっ素及びほう素の基準値は適用しない。
4 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の濃度は、規格43.2.1、43.2.3又は43.2.5により測定された硝酸イオンの濃度に換算係数0.2259を乗じたものと規格43.1によ
46
り測定された亜硝酸イオンの濃度に換算係数0.3045を乗じたものの和とする。
地下水環境基準(1997)
水質汚濁に係る要監視項目および指針値(2009)
クロロホルム
0.06 mg/l以下
フェノブカルブ(BPMC)
0.03 mg/l以下
カドミウム
0.01 mg/l 以下
1, 1, 1-トリクロロエタン
トランス-1, 2-ジクロロエチレン
0.04 mg/l以下
イプロベンホス(IBP)
0.008 mg/l以下
全シアン
検出されないこと
1, 1, 2-トリクロロエタン
0.006 mg/l 以下
1, 2-ジクロロプロパン
0.06 mg/l以下
クロルニトロフェン(CNP)
―
鉛
0.01 mg/l 以下
トリクロロエチレン
0.03 mg/l 以下
p-ジクロロベンゼン
0.2 mg/l 以下
トルエン
0.6 mg/l 以下
六価クロム
0.05 mg/l 以下
テトラクロロエチレン
0.01 mg/l 以下
イソキサチオン
0.008 mg/l以下
キシレン
0.4 mg/l 以下
砒素
0.01 mg/l 以下
1, 3-ジクロロプロペン
0.002 mg/l 以下
0.006 mg/l 以下
1 mg/l 以下
0.005 mg/l以下
フタル酸ジエチルヘキシル
0.06 mg/l以下
総水銀
0.0005 mg/l 以下
チウラム
フェニトロチオン(MEP)
0.003 mg/l以下
ニッケル
―
アルキル水銀
検出されないこと
シマジン
0.003 mg/l 以下
イソプロチオラン
0.04 mg/l以下
モリブデン
0.07 mg/l以下
PCB
検出されないこと
チオベンカルブ
0.02 mg/l 以下
オキシン銅(有機銅)
0.04 mg/l以下
アンチモン
―
ジクロロメタン
0.02 mg/l 以下
ベンゼン
0.01 mg/l 以下
ダイアジノン
クロロタロニル(TPN)
0.05 mg/l以下
塩化ビニルモノマー
0.002 mg/l以下
四塩化炭素
0.002 mg/l 以下
セレン
0.01 mg/l 以下
プロピザミド
0.008 mg/l以下
エピクロロヒドリン
0.0004 mg/l以下
EPN
0.006 mg/l以下
全マンガン
0.2
塩化ビニルモノマー
0.002 mg/l以下
硝酸性窒素および
亜硝酸性窒素
10 mg/l 以下
ジクロルボス(DDVP)
0.008 mg/l以下
ウラン
0.002 mg/l以下
1, 2-ジクロロエタン
0.004 mg/l 以下
ふっ素
0.8 mg/l 以下
1, 1-ジクロロエチレン
0.1 mg/l 以下
ほう素
1 mg/l 以下
1, 2-ジクロロエチレン
0.1 mg/l 以下
1,4-ジオキサン
0.05 mg/l 以下
現在,全26項目
mg/l以下
1.4-ジオキサンが環境基準項目に変更とな
り26項目に
47
48
8
人の健康の保護に関する環境基準(2011)
地下水環境基準(2011)
カドミウム
0.003 mg/l 以下
1, 1, 1-トリクロロエタン
1 mg/l 以下
カドミウム
0.003 mg/l 以下
1, 1, 1-トリクロロエタン
1 mg/l 以下
全シアン
検出されないこと
1, 1, 2-トリクロロエタン
0.006 mg/l 以下
全シアン
検出されないこと
1, 1, 2-トリクロロエタン
0.006 mg/l 以下
鉛
0.01 mg/l 以下
トリクロロエチレン
0.03 mg/l 以下?
鉛
0.01 mg/l 以下
トリクロロエチレン
0.03 mg/l 以下
六価クロム
0.05 mg/l 以下
テトラクロロエチレン
0.01 mg/l 以下
六価クロム
0.05 mg/l 以下
テトラクロロエチレン
0.01 mg/l 以下
砒素
0.01 mg/l 以下
1, 3-ジクロロプロペン
0.002 mg/l 以下
砒素
0.01 mg/l 以下
1, 3-ジクロロプロペン
0.002 mg/l 以下
総水銀
0.0005 mg/l 以下
チウラム
0.006 mg/l 以下
総水銀
0.0005 mg/l 以下
チウラム
0.006 mg/l 以下
アルキル水銀
検出されないこと
シマジン
0.003 mg/l 以下
アルキル水銀
検出されないこと
シマジン
0.003 mg/l 以下
PCB
検出されないこと
チオベンカルブ
0.02 mg/l 以下
PCB
検出されないこと
チオベンカルブ
0.02 mg/l 以下
ジクロロメタン
0.02 mg/l 以下
ベンゼン
0.01 mg/l 以下
ジクロロメタン
0.02 mg/l 以下
ベンゼン
0.01 mg/l 以下
四塩化炭素
0.002 mg/l 以下
セレン
0.01 mg/l 以下
四塩化炭素
0.002 mg/l 以下
セレン
0.01 mg/l 以下
1, 2-ジクロロエタン
0.004 mg/l 以下
硝酸性窒素および
亜硝酸性窒素
10 mg/l 以下
塩化ビニルモノマー
0.002 mg/l以下
硝酸性窒素および
亜硝酸性窒素
10 mg/l 以下
1, 1-ジクロロエチレン
0.1 mg/l 以下
ふっ素
0.8 mg/l 以下
1, 2-ジクロロエタン
0.004 mg/l 以下
ふっ素
0.8 mg/l 以下
シス-1, 2-ジクロロエチレン
0.04 mg/l 以下
ほう素
1 mg/l 以下
1, 1-ジクロロエチレン
0.1 mg/l 以下
ほう素
1 mg/l 以下
1, 4-ジオキサン
0.05 mg/l 以下
1, 2-ジクロロエチレン
0.1 mg/l 以下
1,4-ジオキサン
0.05 mg/l 以下
備考 1 基準値は年間平均値とする。ただし、全シアンに係る基準値については、最高値とする。
2 「検出されないこと」とは、測定方法の項に掲げる方法により測定した場合において、その結果が当該方法の定量限界を下回ることをいう。別表2において
同じ。
3 海域については、ふっ素及びほう素の基準値は適用しない。
4 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の濃度は、規格43.2.1、43.2.3又は43.2.5により測定された硝酸イオンの濃度に換算係数0.2259を乗じたものと規格43.1によ
1
り測定された亜硝酸イオンの濃度に換算係数0.3045を乗じたものの和とする。
2
健康項目の環境基準の不適合率
健康項目に係る環境基準の達成状況の評価


健康項目に係る環境基準の達成状況の評価につい
ては,基準値が,主として長期間摂取に伴う健康影
響を考慮して算定された値であることから,全シアン
を除き,同一測定点における年間の総検体の測定
値の平均値(年間平均値)により評価する
全シアンについては,同一測定点における年間の
総検体の測定値の最高値により評価する
なお,平成5年の改正前は,総水銀については年間
平均値,他の項目については最高値で評価すると
されていた
(独)国立環境研究所
3
0.7
0.6
調査対象地点数
超える地点数
測 定 項 目
調査対象地点数
超える地点数
カドミウム
4,171
3,686
4,346
3,920
4,290
4,069
894
2,337
3,490
3,401
4
0
2
0
25
1
0
0
0
0
1,1,1-トリクロロエタン
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
セレン
3,500
3,474
3,600
3,600
3,439
3,368
3,401
3,392
3,440
3,458
1,2-ジクロロエタン
3,466
1
硝酸性窒素及び
亜硝酸性窒素
4,074
2
1,1-ジクロロエチレン
3,476
0
ふっ素
2,919
14
シス-1,2-ジクロロエチレン
3,476
0
ほう素
2,779
1
1,4-ジオキサン
3,387
全シアン
鉛
六価クロム
砒素
総水銀
アルキル水銀
PCB
ジクロロメタン
四塩化炭素
合計(実地点数)
5,409
44
1,1,2-トリクロロエタン
トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
1,3-ジクロロプロペン
チウラム
シマジン
チオベンカルブ
ベンゼン
環境基準達成率
平成25年度公共用水域水質測定結果について(環境省 水・大気環境局水環境課)
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
1971
1976
1981
1986
1991
(0.1)
環境省環境管理局水環境部企画課「公共用水域水質測定結果」
4
生活環境の保全に関する基準
健康項目の環境基準達成状況(2013)
測 定 項 目
0.5
不適合率(%)



生活環境の保全に関する環境基準は河川や湖沼,
海域の水域群ごとに設定されている
環境基準における湖沼とは



0
99.2%
5
天然湖沼および
貯水量が1,000万m3以上であり,かつ,水の滞留時間が4
日間以上である人工湖
このような水域別方式が採用された理由は,公共用
水域の「生活環境」や「利水目的」が個別の水域ごと
に多岐多様であり,水質汚濁防止行政の目標であ
る環境基準も,それに対応して,環境基準を一律に
設定することは適当でなく,水域ごとに吟味される
べきものであるとの考え方による
6
1
生活環境とは



水域の類型指定
「生活環境」とは「人の生活に密接な関係のある財
産並びに人の生活に密接な関係のある動植物およ
びその生育環境を含む」(環境基本法第2条第3項)
ものであり,工業用水道,上水道や水産業,農業な
どの生産物などもその保護対象に含まれる
さらに,生活環境の保全に関する環境基準の基準
値は(水域ごとの)水域類型ごとに定められており
それぞれの水域類型には該当する水域名が指定さ
れている(いわゆる「あてはめ」)

水域の類型指定は,1971年まで国が定めていたが,
それ以降は「環境基準に係る水域および地域の指
定権限の委任に関する政令(1971年政令第159号)」
によって,複数の都府県に係る重要な水域である北
上川などの37河川(琵琶湖と霞ヶ浦,北浦の3湖沼
水域を含む),東京湾などの10海域,合計47の県際
水域を除き,その指定の権限は,当該水域が属す
る区域を管轄する都道府県知事に委任されている
55
56
河川に対する湖沼の違い



河川は流水(lotic)に対して湖沼は静水(lentic)
湖沼とその流域がもつ二つの統合性
1)時間の統合:長い湖沼の滞留時間(閉鎖性の水域)




 物理的(水量・熱量・エネルギー)・化学的(水質)安定  生物学
的(生態系の)安定
⇔ 流入汚濁物質(窒素やリン)が蓄積しやすい  富栄養化が起こり
やすい  一旦水質が悪化すると,回復に長期間を要する

物質循環の基本単位
経済・文化圏を形成
また「生活環境の保全に関する環境基準」の維持達
成の期限は,水域ごとに水質汚濁の状況などに応
じて,達成すべき期限を設定し,その期限内におけ
る達成を期するべきものとされている
これは,生活環境の保全に関する基準については,
水域ごとの利用目的に応じてそれぞれの水域の特
性を考慮して期間を設定することが適切であると考
えられたためである
すなわち湖沼環境の変化とは周辺環境の変化の時間的・空
間的積分の結果



2)空間の統合:湖沼流域は小宇宙(閉鎖性の空間)


生活環境の保全に関する環境基準の達成期間
イ
ロ
ハ
複雑な応答性
求められる統合的管理
直ちに達成
5年以内で可及的すみやかに達成
5年を超える期間で可及的すみやかに達成
57
生活環境の保全に関する基準の変遷




【湖沼】 CODMn(公定法)など5項目×4類型(1971)
富栄養化を防止するために,全窒素および全リン
に関する2項目×5類型を追加(1982)
【河川】 BODなど5項目×6類型(1970)
【海域】 CODMn(公定法)(一部CODOH )など4項目
×3類型(1970)n-ヘキサン抽出物質を項目に追
加(1971)全窒素および全リンに関する2項目×4
類型を追加(1995)
水生生物保全の観点から全亜鉛(4類型/4類型/
2類型)を追加(2003年).ノニルフェノール(4類型/4
類型/2類型)を追加(2012年)
58
生活環境の保全に関する環境基準(湖沼)
基準値
項
目
類
型
利用目的の
適応性
AA
水素イオン
濃 度(pH)
化学的酸
素要求量
(COD)
浮遊物
質量(SS)
溶存酸素量
(DO)
大腸菌群数
水道1級/水産1
級/自然環境保
全/及びA以下の
欄に掲げるもの
6.5 以上
8.5 以下
1 mg/l
以下
1 mg/l
以下
7.5 mg/l
以上
50 MPN
/100 ml
以下
A
水道2、3級/水
産2級/水浴/及
びB以下の欄に掲
げるもの
6.5 以上
8.5 以下
3 mg/l
以下
5 mg/l
以下
7.5 mg/l
以上
1,000 MPN
/100 ml
以下
B
水産3級/工業用
水1級/農業用水
/及びCの欄に掲
げるもの
6.5 以上
8.5 以下
5 mg/l
以下
15 mg/l
以下
5 mg/l
以上
-
C
工業用水2級/
環境保全
6.0 以上
8.5 以下
8 mg/l
以下
ごみ等の浮
遊が認めら
れないこと。
2 mg/l
以上
-
付表8に掲げる
方法
規格32に定める方
法又は隔膜電極
を用いる水質自動
監視測定装置に
よりこれと同程度
の計測結果の得
られる方法
最確数による定
量法
測定方法
規格12.1に定める
方法又はガラス
電極を用いる水
質自動監視測定
装置によりこれと
同程度の計測結
果の得られる方
法
規格17に定め
る方法
該当
水域
第1の2の
(2)により水
域類型ごと
に指定する
水域
備考
水産1級、水産2級及び水産3級については、当分の間、浮遊物質量の項目の基準値は適用しない。
59
60
10
利用目的の適応性
生活環境の保全に関する環境基準(湖沼)
基準値
項
目
類
型
利用目的の
適応性
水道1級/
水産1級/
自然環境保
AA
全/及びA
以下の欄に
掲げるもの
水素
イオン
濃度
(pH)
化学的
酸素
要求量
(COD)
浮遊
物質量
(SS)
1
溶存
酸素量
(DO)
水道1級
大腸菌
群数
水道2、3級
3
50 MPN
7.5 mg/l
/100 ml
以上
以下
1 mg/l
以下
自然探勝等の環境保全
ろ過等による簡易な浄水操作を行うもの
2
(注)
6.5 以上 1 mg/l
8.5 以下 以下
自然環境保全
沈殿ろ過等による通常の浄水操作、又は、前処理等を伴う高度の浄水操作を行うもの
水産1級
ヒメマス等貧栄養湖型の水域の水産生物用並びに水産2級及び水産3級の水産生物用
水産2級
サケ科魚類及びアユ等貧栄養湖型の水域の水産生物用及び水産3級の水産生物用
水産3級
コイ、フナ等富栄養湖型の水域の水産生物用
工業用水1級
沈殿等による通常の浄水操作を行うもの
工業用水2級
薬品注入等による高度の浄水操作、又は、特殊な浄水操作を行うもの
4
5
環境保全
国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む。)において不快感を生じない限度
61
62
生活環境の保全に関する環境基準(湖沼)
項
目
類
型
生活環境の保全に関する環境基準(湖沼)
基準値
利用目的の適応性
全窒素
全燐
I
自然環境保全及びII以下の欄に掲げるもの
0.1 mg/l
以下
0.005 mg/l
以下
II
水道1、2、3級(特殊なものを除く。)/水産1種/水浴/
及びIII以下の欄に掲げるもの
0.2 mg/l
以下
0.01 mg/l
以下
III
水道3級(特殊なもの)及び
IV以下の欄に掲げるもの
0.4 mg/l
以下
0.03 mg/l
以下
IV
水産2種及びVの欄に掲げるもの
0.6 mg/l
以下
0.05 mg/l
以下
水産3種/工業用水/農業用水/環境保全
1 mg/l
以下
0.1 mg/l
以下
V
測定方法
規格45.2,45.3又は45.4
に定める方法
該当水域
第1の2の
(2)により
水域類型
毎に指定
する水域
項
目
類
型
利用目的の適応性
II
水道1、2、3級
(特殊なものを除く。)
/水産1種/水浴
/及びIII以下の欄に掲げるもの
基準値
規格46.3に定める方法
備考
1 基準値は年間平均値とする。
2 水域類型の指定は、湖沼植物プランクトンの著しい増殖を生ずるおそれがある湖沼について行うものとし、全窒素の項目の基準値は、全窒素が湖沼
植物プランクトンの増殖の要因となる湖沼について適用する。
3 農業用水については、全燐の項目の基準値は適用しない。
1982 湖沼の窒素及び燐に係る環境基準の設定を告示
1985 琵琶湖の全窒素・全りんに係る水質環境基準の
水域類型の指定に係る規制告示
自然環境保全
水道1級
2
4
0.2 mg/l
以下
0.01 mg/l
以下
64
生活環境の保全に関する環境基準(湖沼)
項目
類型
水生生物の生息状況
の適応性
生物
A
自然探勝等の環境保全
ろ過等による簡易な浄水操作を行うもの
基準値
該当水域
全 亜 鉛
ノニルフェノール
イワナ、サケマス等比較的低温域を
好む水生生物及びこれらの餌生物
が生息する水域
0.03 mg/l 以下
0.001mg/l 以下
0.03 mg/l 以下
0.0006mg/l 以下
水道2級
沈殿ろ過等による通常の浄水操作を行うもの
生物
特A
生物Aの水域のうち、生物Aの欄に
掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)
又は幼稚仔の生育場として特に保
全が必要な水域
水道3級
前処理等を伴う高度の浄水操作を行うもの(「特殊なもの」とは、臭気物質の除去が可能な特
殊な浄水操作を行うものをいう。)
生物
B
コイ、フナ等比較的高温域を好む水
生生物及びこれらの餌生物が生息
する水域
0.03 mg/l 以下
0.002mg/l 以下
生物
特B
生物Bの水域のうち、生物Bの欄に
掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)
又は幼稚仔の生育場として特に保
全が必要な水域
0.03 mg/l 以下
0.002mg/l 以下
(注)
3
全燐
63
利用目的の適応性
1
全窒素
水産1種
サケ科魚類及びアユ等の水産生物用並びに水産2種及び水産3種の水産生物用
水産2種
ワカサギ等の水産生物用及び水産3種の水産生物用
水産3種
コイ、フナ等の水産生物用
環境保全
測定方法
規格53に定める方法(準備操作は
規格53に定める方法によるほか、付
表9に掲げる方法によることができ
る。また、規格53で使用する水につ
いては付表9の1(1)による。)
第1の2の
(2) により水
域類型ごと
に指定する
水域
付表11に掲げる方法
国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む。)において不快感を生じない限度
65
66
11
生活環境の保全に関する環境基準(河川)
生活環境の保全に関する環境基準(河川)
基準値
項
目
類
型
利用目的の
適応性
AA
水素イオン
濃 度(pH)
生物化学的
酸素要求量
(BOD)
浮遊物質量
(SS)
溶存酸素量
(DO)
大腸菌
群数
水道1級/自然環境
保全/及びA以下の
欄に掲げるもの
6.5 以上
8.5 以下
1 mg/l
以下
25 mg/l
以下
7.5 mg/l
以上
50MPN/
100 ml以下
A
水道2級/水産1級
/水浴/及びB以下
の欄に掲げるもの
6.5 以上
8.5 以下
2 mg/l
以下
25 mg/l
以下
7.5 mg/l
以上
1,000MPN/
100 ml以下
B
水道3級/水産2級
/及びC以下の欄に
掲げるもの
6.5 以上
8.5 以下
3 mg/l
以下
25 mg/l
以下
5 mg/l
以上
5,000MPN/
100 ml以下
C
水産3級/工業用水
1級/及びD以下の
欄に掲げるもの
6.5 以上
8.5 以下
5 mg/l
以下
50 mg/l
以下
5 mg/l
以上
-
D
工業用水2級/農
業 用 水/及びEの
欄に掲げるもの
6.0 以上
8.5 以下
8 mg/l
以下
100 mg/l
以下
2 mg/l
以上
-
E
工業用水3級
環境保全
6.0 以上
8.5 以下
10 mg/l
以下
ごみ等の浮遊
が認められな
いこと。
2 mg/l
以上
-
第1の2
の(2)によ
り水域類
型ごとに
指定する
水域
基準値
項
目
類
型
水生生物の生息状況の適応性
生物A
該当
水域
全 亜 鉛
ノニルフェノール
イワナ、サケマス等比較的低温
域を好む水生生物及びこれらの
餌生物が生息する水域
0.03 mg/l 以下
0.001mg/l 以下
生物
特A
生物Aの水域のうち、生物Aの
欄に掲げる水生生物の産卵場
(繁殖場)又は幼稚仔の生育場
として特に保全が必要な水域
0.03 mg/l 以下
0.0006mg/l 以下
生物B
コイ、フナ等比較的高温域を好
む水生生物及びこれらの餌生物
が生息する水域
0.03 mg/l 以下
0.002mg/ l以下
生物
特B
生物Bの水域のうち、生物Bの
欄に掲げる水生生物の産卵場
(繁殖場)又は幼稚仔の生育場
として特に保全が必要な水域
0.03 mg/l 以下
0.002mg/l 以下
規格53に定める方法(準備操作は
規格53に定める方法によるほか、
付表9に掲げる方法によることがで
きる。また、規格53で使用する水に
ついては付表9の1(1)による。)
付表11に掲げる方法
測定方法
67
該当水
域
第1の2の
(2)により
水域類型
ごとに指
定する水
域
備考
1 基準値は、年間平均値とする。(湖沼、海域もこれに準ずる。)
生活環境の保全に関する環境基準(海域)
68
生活環境の保全に関する環境基準(海域)
基準値
項
目
類
型
利用目的の
適応性
水素イオン
濃 度(pH)
化学的酸素
要求量
(COD)
溶存酸素量
(DO)
大腸菌
群数
n-ヘキサン
抽出物質
(油分等)
A
水 産 1 級/水
浴/自然環境保
全及びB以下の
欄に掲げるもの
7.8 以上
8.3 以下
2 mg/l
以下
7.5 mg/l
以上
1,000 MPN/
100 ml以下
検出されな
いこと。
B
水 産 2 級/工
業 用 水及びCの
欄に掲げるもの
7.8 以上
8.3 以下
3 mg/l
以下
5 mg/l
以上
-
検出されな
いこと。
C
環境保全
7.0 以上
8.3 以下
8 mg/l
以下
2 mg/l
以上
-
-
規格12.1に定める
方法又はガラス電
極を用いる水質自
動監視測定装置
によりこれと同程
度の計測結果の
得られる方法
規格17に定める方法
(ただし、B類型の工
業用水及び水産2級
のうちノリ養殖の利
水点における測定方
法はアルカリ性法)
規格32に定める
方法又は隔膜電
極を用いる水質
自動監視測定装
置によりこれと同
程度の計測結果
の得られる方法
最確数による定
量法
測定方法
該当
水域
基準値
項
目
類
型
第1の2
の(2)に
より水
域類型
ごとに指
定する
水域
利用目的の適応性
全燐
I
自然環境保全及びII以下の欄に掲げるもの
(水産2種及び3種を除く。)
0.2 mg/l 以下
0.02 mg/l 以下
II
水産1種/水浴/及びIII以下の欄に掲げるもの
(水産2種及び3種を除く。)
0.3 mg/l 以下
0.03 mg/l 以下
III
水産2種及びIVの欄に掲げるもの
(水産3種を除く。)
0.6 mg/l 以下
0.05 mg/l 以下
IV
水産3種/工業用水
生物生息環境保全
1 mg/l 以下
0.09 mg/l 以下
付表10に掲げ
る方法
測定方法
備考
1 水産1級のうち、生食用原料カキの養殖の利水点については、大腸菌群数 70 MPN/100 ml以下とする。
2 アルカリ性法とは、次のものをいう。
試料50mlを正確に三角フラスコにとり、水酸化ナトリウム溶液(10w/v%)1mlを加え、次に過マンガン酸カリウム溶液(2mmol/L)10mlを正確に加
えたのち、沸騰した水浴中に正確に20分放置する。その後よう化カリウム溶液(10w/v%)1mlとアジ化ナトリウム溶液(4w/v%)1滴を加え、冷却後、
硫酸(2+1)0.5mlを加えてよう素を遊離させて、それを力価の判明しているチオ硫酸ナトリウム溶液(10mmol/ L)ででんぷん溶液を指示薬として滴
定する。同時に試料の代わりに蒸留水を用い、同様に処理した空試験値を求め、次式によりCOD値を計算する。
COD(O2mg/l)=0.08X((b)-(a))XfNa2S2O3X1000/50 (a) : チオ硫酸ナトリウム溶液(10mmol/L)の滴定値(ml),(b) : 蒸留水について
行った空試験値(ml),fNa2S2O3 : チオ硫酸ナトリウム溶液 (10mmol/L)の力価
全窒素
規格45.4に定める方法
第1の2の(2)
により水域類
型ごとに指定
する水域
規格46.3に定める方法
備考
1 基準値は、年間平均値とする。
2 水域類型の指定は、海洋植物プランクトンの著しい増殖を生ずるおそれがある海域について行うものとする。
69
生活環境の保全に関する環境基準(海域)
該当水域
70
平成 24 年 8 月 22 日
水生生物の保全に係る水質環境基準の項目追加等に係る環境省告示について(お知らせ)
本日、環境基本法に基づく水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準のうち、水生生物の保全に係る環境基準(以下「水生生物保全環境基準」という。)の項目
基準値
項目
類型
の追加について告示しました。本告示は、中央環境審議会から環境大臣への答申「水生生物の保全に係る水質環境基準の項目追加等について(第1次答申)」(平成
水生生物の生息状況
の適応性
全 亜 鉛
ノニルフェノール
該当
水域
24 年3月7日)を踏まえたものです。本告示により、水生生物保全環境基準については新たに 1 項目が追加されます。
1.水生生物の保全に係る環境基準について
環境基本法に基づく水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準のうち、水生生物の保全に係る環境基準(以下「水生生物保全環境基準」という。)については、
現在、亜鉛1項目が定められています。
生物
A
生物
特A
水生生物の生息する水域
0.02 mg/l 以下
2.改正の概要
0.001mg/l 以下
公共用水域において、新たに水生生物保全環境基準の項目として、ノニルフェノールを追加します。(表1)
生物Aの水域のうち、水生
生物の産卵場(繁殖場)又
は幼稚仔の生育場として特
に保全が必要な水域
0.01 mg/l 以下
0.0007mg/l 以下
第1の2
の(2)によ
り水域類
型ごとに
指定する
水域
表1 新たに追加する項目
項目
水域
類型
生物A
河川
水生生物の生息状況の適応性
イワナ、サケマス等比較的低温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域
基準値
0.001mg/L 以下
生物特A 生物Aの水域のうち、生物Aの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域
0.0006mg/L 以下
生物B
0.002mg/L 以下
及び
ノニルフェノール
湖沼
コイ、フナ等比較的高温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域
生物特B 生物A又は生物Bの水域のうち、生物Bの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 0.002mg/L 以下
測定方法
規格53に定める方法(準備操作は規格
53に定める方法によるほか、付表9に
掲げる方法によることができる。また、
規格53で使用する水については付表9
の1(1)による。)
生物A
水生生物の生息する水域
0.001mg/L 以下
海域
生物特A 生物Aの水域のうち、水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域
付表11に掲げる方法
0.0007mg/L 以下
3.施行期日
平成 24 年8月 22 日
71
72
12
生活環境項目(BOD又はCOD)に係る
環境基準の達成状況の評価


全国的に見ても達成率が低い湖沼
生活環境項目に係る環境基準の達成状況の評価
は,当該水域の水質を代表する環境基準点におけ
る測定値によって評価する
環境基準の達成の判定は,年間の日間平均値の
全データのうち75%以上のデータが基準値を満足し
ているものを達成地点とする(昭和46年12月28日付
け環境庁告示「水質汚濁に係る環境基準について」
第2の(2)による.)
達成水域数の算出方法

100
80
達成率(%)

公共用水域環境基準(BOD/COD)達成率
73
河川
1974
達成率(%)
60
40

0
1985
1990
1995
2000
2005
海域
1984
1989
1994
1999
2004
2009
74
総務省政策評価

20
1979
環境省「公共用水域水質測定結果」
80
全リン
湖沼
0
湖沼における環境基準(全窒素・全リン)の達成状況
全窒素
40
20
一つの水域において,複数の環境基準点を有する場合,
全ての環境基準点において基準が達成されている場合
のみを達成水域とする
(独)国立環境研究所
60
総務省が行った政策評価(2004年8月)による
と,指定湖沼のうち環境基準(CODMn(公定
法),全窒素および全リンの3項目)を2002年
に達成していたのは,全リンに関する2水域
(琵琶湖北湖と諏訪湖)のみであった
各湖沼が指定湖沼に指定されてから約10年
から20年が経過しているが,ほとんどの指定
湖沼において環境基準が未達成となっている
ことが指摘されている
2010
環境省環境管理局水環境部企画課「公共用水域水質測定結果」
75
76
指定湖沼における環境基準の達成状況(2002年)
CODMn
項目区分
全窒素
全リン
水域・湖沼
水域類型
達成状況
水域類型
達成状況
水域類型
霞ヶ浦(西浦)
A
×
Ⅲ
×
Ⅲ
達成状況
×
霞ヶ浦(北浦)
A
×
Ⅲ
×
Ⅲ
×
霞ヶ浦(常陸利根川)
A
×
Ⅲ
×
Ⅲ
×
印旛沼
A
×
Ⅲ
×
Ⅲ
×
手賀沼
B
×
Ⅴ
×
Ⅴ
×
琵琶湖(北湖)
AA
×
Ⅱ
×
Ⅱ
○
琵琶湖(南湖)
AA
×
Ⅱ
×
Ⅱ
×
児島湖
B
×
Ⅴ
×
Ⅴ
×
諏訪湖
A
×
Ⅳ
×
Ⅳ
釜房ダム貯水池
AA
×
(指定類型なし)
Ⅱ
×
中海
A
×
Ⅲ
×
Ⅲ
×
宍道湖
A
×
Ⅲ
×
Ⅲ
×
野尻湖
AA
×
(指定類型なし)
Ⅰ
達成水域数
(2002年度)
0
0
○
×
2
77
13