日本の音楽業界 The Japanese Music Industry カイル・トラウトナー

日本の
日本の音楽業界
The Japanese Music Industry
カイル・
カイル・トラウトナー Kyle Troutner
1.はじめに
世界中で、人々は昔から音楽を創ったり聴いたりしている。日本でも音楽は
昔から大事なものだ。近年、音楽自体は西洋の音楽にますます似てきた。もち
ろん現在の日本音楽も西洋から影響を受けて作られたが、それでも日本音楽独
自の音楽業界や音楽についての考え方は特異だ。ここでは日本の音楽業界の歴
史と現在の仕組みを説明する。そして現在の問題点を指摘するとともに解決策
を述べる。
2.日本の音楽業界の歴史
日本は、他の国と同じように昔々から音楽があった。RIAJ(一般社団法人日
本レコード協会)によると、日本の音楽業界は 3.5 千億円以上の販売で世界最大
の音楽業界である。だが、どうやって作られたのだろう。その要因は西洋から
の音楽の影響である。1920 年代には、アメリカやフィリピンのジャズバンドが
来日したのだ。立教大学大学院のボレアによると、この影響を受け、日本の伝
統的な音楽から演歌などの新しい音楽が生まれた。その時代から、日本の音楽
は西洋の音楽と同じように進化してきた。1960 年代、演歌などの日本の音楽は
西洋の現在の音楽にもっと似ていくとともに音楽業界も西洋のような契約を大
切にしている業界になった。
しかし、80 年代に日本の音楽業界の特徴が現れ始めた。その当時から、レコ
ード会社の育成したアイドルやバンドが人気になった。その結果、日本の音楽
についての考え方も変わった。 ボレアによると、現在の日本で音楽は「パッケ
ージビジネス」である。「パッケージビジネス」というのは、アーティストのイ
メージをサポートするために、ファンが音楽に限らずそのアーティストのグッ
ズも買いたくなるという考え方である。ボレアは、その考え方では音楽を消費
するのではなく、アーティストのイメージを消費するとも述べている。日本の
特徴的な「パッケージビジネス」は、音楽業界の仕組みに反映されている。
3.日本の音楽業界の現在の仕組み
日本の音楽業界は西洋の業界を基に作られたので、仕組みは似ている。まず、
アーティストはレコード会社と契約を結ぶ。「ウタレン」というウェブサイトに
よると、CD 販売のためにレコード会社だけではなく、プロダクション会社と音
楽出版社との契約も必要だ。その契約によって、アーティストは CD 販売の割合
を契約した会社に払わなければならない。そして、レコード会社が曲の著作権
を持っている。このように日本の音楽業界は西洋の音楽業界と同じだ。
しかし、一つ大きな相違点がある。西洋では、アーティストが著作権をレコ
ード会社に贈るが、知的財産権はまだ持っている。しかし、日本では著作権も
知的財産権もレコード会社のものになる。このような契約は不公平なのではな
いだろうかと思う。
日本の音楽業界の考え方も西洋と少し違う。先に述べたとおり、日本では
音楽の「パッケージビジネス」がある。そこで、レコード会社は音楽自体より
アーティストのイメージに注目している。2000 年代から、レコード会社の利益
源は CD 販売からグッズやチケット販売に移行してきた。また、新しいアーティ
ストを雇い入れるリスクは高すぎると思い、育成したアイドルやバンドに力を
注いでいるそうだ。
4.日本の音楽業界の問題点とその解決策
日本の音楽業界は西洋から大きい影響を受けても、その特徴は確かに多い。
しかし、その特徴は本当にいいのか。先に述べた通り、日本のアーティストは
曲の著作権も知的財産権もレコード会社に贈らなければならない。ボレアによ
ると、この理由で有名なアーティストもレコード会社に大きい借金があるそう
だ。この状態で、アーティストはどうすればよいのだろうか。アメリカでは、
今日のデジタル化によって、レコード会社との契約をもらうのは難しくなって
きた。そこで契約をもらえないアーティストは「インディペンデントアーティ
スト」として音楽を作っている。最近では、有名なアーティストも現在のレコ
ード会社との契約が終わってからインディペンデントになる道を選んでいる。
Kickstarter などのウェブサイトを使って、レコード会社との契約なしでファンか
らお金をもらって音楽が制作できる。日本のアーティストもレコード会社との
不公平な契約を捨て、インディペンデントアーティストとして音楽を作ったら
いいだろう。そうすると、アーティストは現在より利益を得、成長すると同時
にいい音楽を制作することに力を注げるようになるのである。
5.おわりに
西洋から影響を受け、日本の音楽業界は発展し、世界の一番大きい音楽業界
になった。西洋の音楽業界と同じように、アーティストはレコード会社、プロ
ダクション会社、音楽出版社などと契約することになっている。しかし、レコ
ード会社に曲の著作権も知的財産権も贈らせられているので、何年間もその会
社に束縛されている。また、日本の「パッケージビジネス」のせいで、音楽自
体は無視されがちなのが現状だ。レコード会社との契約を捨て、ファンのサポ
ートでインディペンデントアーティストとして音楽を作ると、アーティストは
成長し、音楽業界はアーティストのイメージではなく音楽自体に力を注ぐので
はないだろうか。
参考文献
ウタレン「音楽業界の仕組み~超入門」http://www.musicable.net/seminor/business/
Boleat, Cristophe Alexandre (2011) 笛-music (The New Japanese Music Industry: The
East Reinvents the West).
http://www.rikkyo.ac.jp/sindaigakuin/sd/research/journal201110/pdf/017.pdf
RIAJ (2012) 鉄 tatistics Trends: The Recording Industry in Japan, 2012”
http://www.riaj.or.jp/e/issue/pdf/RIAJ2012E.pdf