紙コーティングの熱伝導度:ラテックスバインダーの役割

紙コーティングの熱伝導度:ラテックスバインダーの役割
オミヤディベロップメント パトリック A..C.ゲイン
アアルト大学 フィリップゲルストナー
THERMAL CONDUCTIVITY OF PAPER COATINGS: ROLE OF LATEX BINDER
Patrick A. C. Gane, Omya Development AG
Philip Gerstner, Department of Forest Products Technology, Aalto University
ABSTRACT
Thermal conductivity of pigmented coatings has been shown to be related to the connectivity and material placement within
the coating structure. In the case of calcium carbonate and latex binder, as studied here, the colloidal interactions determine the
relative positioning of binder and pigment in the wet state, i.e. the actions of segregation and agglomeration, mostly in the form
of depletion flocculation, in which, at a critical latex dose, the packing of the pigment becomes disrupted. The consolidation of
the structure during drying reveals that latex binder initially centres itself between the pigment particles at their contact nodes.
Conductivity of the calcium carbonate pigmented structure is determined by the packing density, and connectivity provided by
the dispersant polymer (polyacrylate). In the case of low Tg, latex becomes deformed and extruded, such that it acts as a fine
pore generator, such that the conductive path becomes more tortuous. Latex with medium Tg deforms less to provide the local
connectivity at the node points only, and so contributes at low doses maximally to thermal conduction. At higher dose, the
insulating property of latex dominates. High Tg latex behaves as a hard sphere, has little to no contact area, and becomes
excluded from the inter-pigment contact nodes, such that the thermal conductivity is relatively high due to the close packed
structure.
Keywords: Coating structure, thermal conductivity, electrophotography, web drying, thermal calendering, heatset offset
1.要旨
紙の着色コーティングの熱伝導度は、コーティングの構造内部での接続性や材料の配置に関係していることが明らか
にされている。本研究において検討されるような炭酸カルシウムとラテックスバインダーとの場合には、湿潤状態での
バインダーと顔料との相対的な位置関係がコロイド的な相互作用により決まる。すなわち、これは分離と凝集の挙動で
あり、ほとんどの場合、枯渇凝集の形をとる。枯渇凝集においては、限界的用量のラテックスが加えられると顔料の充
填が崩壊する。乾燥させると構造が固化することから、ラテックスバインダーは当初は顔料粒子間の接触点の中央に
位置していることが分かる。炭酸カルシウム顔料を含む構造の熱伝導度は、充填密度、そして分散剤ポリマー(ポリア
クリル酸)によって与えられる接続性によって決まる。ガラス転移温度(Tg)が低い場合、ラテックスは変形し押し出され
るため微小孔を生成し、また伝熱経路がいっそう屈曲する。中間的な領域の Tg のラテックスの場合、変形は減るので、
接触点のみでの局所的な接続性となり、少添加量で最大限に熱伝導に寄与する。高添加量ではラテックスの絶縁特性
が支配的になる。高い Tg のラテックスは剛体球として挙動し、接触面積は全くないか、あっても少ない上、顔料接触点
の間から押し出されるので、密な充填構造を作り熱伝導度は比較的高くなる。
キーワード:コーティング構造、熱伝導度、電子写真、ウェブ乾燥、熱カレンダー加工、ヒートセットオフセット
2.緒言
紙コーティングのような多孔の多相系の有効熱伝導度は、関係するそれぞれの材料の熱伝導度だけでなく、その成分
の構造的な相互作用によって決まる。一般には、空隙率が多孔体を表すのに最も普遍的に用いられるパラメータであ
る。しかし、空隙率だけではコーティングの熱伝導度を表すのには不十分である。少なくとも 2 つの固相、すなわち顔
料とバインダー(+ 補助バインダー)が存在するので、少なくとも 2 つのパラメータが必要である。Gerstner らは、紙コ
ーティングの熱伝導度に関し、顔料因子とバインダー変数を用いた集中パラメータモデル(Lumped Parameter
Model)を導入し、バインダーが接続性をもたらす重要な役割を果たしていることが示された。質量輸送、すなわち液
の吸収も含まれる場合、アクセス可能な空隙率が有効熱伝導度を決定する。
我々は、中間的な領域の Tg = 5°C のラテックスを含むバインダーと顔料の系についての既存のデータを、高い Tg =
25°C のラテックスを用いた系および低い Tg = -7°C のラテックスを用いた系のデータと比較する。第一に、異なるラテ
ックスを含むモデルコーティング材の熱伝導度を測定する。それから、熱伝導度の計算により、接続性の役割を考察
する。第二に、固化における空隙率およびコロイド力の役割についてさらに調べる。その後、測定した熱伝導度と空隙
率とに対して集中パラメータモデルのフィッティングを行う。これにより、空隙率および粒子充填特性の影響を、バイン
ダーによって形成される接続性の影響から分離できる。
3.材料および方法
材料
本研究に用いた顔料は、広い粒径分布を持つ工業用規格分散性粗粒炭酸カルシウム(bcGCC)である。先に実施した
2D 充填シミュレーションでは、重量ベースの分布を粒子が球形と仮定して粒子数分布に変換し対数正規分布を採用し
た。図 1 に、用いた bcGCC 顔料の数ベース粒径分布の例を示す。図 2 には Gerstner らによって開発された 2D の
充填構造のシミュレーション結果を示す。
分析には3つのタイプのラテックスバインダーを用い、それぞれに対して、顔料比で0、4、6、および8 w/w%の添加量
で添加した。これらのバインダーは、それぞれ、「柔軟(soft)」、「中間(medium)」、「硬質(hard)」と考えられるタイプ
で、わずかに異なる粒径分布を持っている。中間および硬質タイプラテックスは、アクリル酸スチレンをベースとしてお
り、柔軟タイプラテックスは、スチレンブタジエンをベースとしたものである(表 I)。粒子充填を調べるため、バインダー
はまず均一サイズの剛球として考える。その後、この理想的な剛球としてのシミュレーションからの実際のずれを用い
て、物理的な変形特性について理解し、さらには構造的な接続性を規定するバインダーの役割を理解する。
表 I. 顔料とバインダーの物性値のまとめ
顔料
物性
bcGCC
柔軟
中間
硬質
ガラス転移温度 Tg [°C]
–
-7
5
23
粒径 d [µm]
*
0.13
0.20
0.15
[kgm-3]
2 700
1 015
1 100
1 100
熱伝導度 k [Wm-1K-1]
2.70
0.25
0.25
0.25
熱容量 cp [JkgK-1]
880.0
369.4
559.8
559.8
密度 ρ
·
Cumulative probability P
バインダー
図1で示される bcGCC の粒径分布
1
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
図 1 粒子充填シミュレーションで用いた bcGCC 顔料の数ベースの粒
径分布の累計確率プロット
表 II 基本的ドメイン特性
ドメイン
幅
10
1
0.1
0.01
Particle Diameter d [µm]
0.001
10 µm
初期固形分
65 w/w%
標コーティング重量
20 gm−2
バインダー濃度
粒子数
0-25 w/w%
~ 1-3 k
図 2 bcGCC 顔料と柔軟、中間、硬質(左から右への順で)ラテックス粒子を
含む 2 次元剛体球粒子充填シミュレーションドメインの例
熱拡散率の測定
Ridgway らによる方法を用い、モデルコーティング顔料を圧力下で微細な膜(目開き:0.025 µm)を通して脱水し、巨視
的な錠剤型試料(厚さ約 14 mm、直径約 40 mm)を成形した。錠剤型試料を 60°C で少なくとも 12 時間オーブン乾燥し、
正確な円柱形に研磨した。錠剤型試料の熱拡散率は Gane らによる方法で測定した。まず、錠剤型試料の上部および
サンプルホルダーケースの周囲を断熱し、底部からステップ加熱した。錠剤型試料の最上部における熱反応を熱電対
で記録した。この方法の詳細については Gerstner らに示されている。
熱伝導度 k は、測定された熱拡散率 D、錠剤型試料の密度ρ、および錠剤型試料の比熱容量の計算値 ct から次のよ
うに算出される(表 I 参照)。
k = Drct
水銀圧入法
錠剤型試料の一部を用いて、マイクロメリティックスオートポア(Micromeritics Autopore)IV 型水銀ポロシメータで水銀
圧入法にて空隙率および孔径分布を測定した。水銀最大印加圧力は 414 Mpa であった。水銀圧入測定の補正は、ポ
ア‐コンプ(Pore-Comp)ソフトウェアで適用されているように、水銀の圧縮および浸入度計の膨張について行い、さらに
必要な場合には試料の固相の圧縮について Gane らの式を用いて行った。これらの補正は、コーティングの多孔構造
の解析におけるラテックスバインダーの役割に関して、決定的に重要であると考えられる。
原子間力顕微鏡
Gerstner ら/8/は、原子間力顕微鏡を用いて、コーティング構造の表面形状と付着力マップを作成した。
図に、元の AFM 付着力画像とその閾値結果を示す。
図 3 6 w/w%柔軟タイプラテックスコーティングのオリジナルの AFM
付着力画像(左)と柔軟タイプバインダーの位置を示すその閾値画像
(右)。画像の幅は 3 µm。ラテックスが広がっている領域、凝集してい
る領域に注意されたい。
定性的な挙動が観察できる。バインダーの多い領域、顔
料粒子間の接触点におけるその領域の位置/9, 10/、および
柔軟タイプラテックスの場合に表面に広がるポリマー。
モデリング
集中パラメータモデル(LPM)は、2 つの固相に対して単位セルを定義するために、顔料因子 a とバインダー変数 c と
を用いる熱抵抗ベースの単位セルモデルである。空隙率は、これらのパラメータを補完するもので、それだけでは支
配パラメータでない。図4に、中心に顔料相がありバインダー相が連結ブリッジを形成している集中パラメータモデル
の基本単位セルを示す。
このモデルでは、バインダーブリッジ c によってのみ接続
が可能となるようにしたことで、コーティング構造の熱伝導
度が過小評価され、バインダーが全くない場合には、実際
はあり得ない熱伝導度ゼロとなってしまうことが分かった。
そこで、バインダー接続性 c と合わせて作用する、顔料に関
わる接続ブリッジを説明する顔料接続変数c′を新たに取り入
れた。この付け加わった顔料接続性は、それ自身が親水性で吸湿性のある、例えばポリアクリル酸塩の分散剤のよう
な、吸着したポリマーの作用を主に表す。c′の導入により、顔料因子a は顔料の有効な寸法減が説明されるように補正
され、補正パラメータ a′を与えることが必要となる。図5 には、バインダーレベル β の関数としての顔料の接続性とバイ
ンダーの接続性の両方を含む LPM の単位セルを示す。
このような単位セルの有効熱伝導度 ke は、それぞれの既知の材料に対し連続した伝導材の層ごとに並列的に、セル
の単軸方向を通るそれぞれの接触の順序で熱伝導度に比例した加算を考慮することで計算できる。すなわち、以下の
ように、顔料経路のみ、ラテックス + 顔料の連続、および同様に空気+顔料の連続経路、そして空気 + ラテックス +
(1)
顔料の連続経路である。
k e c´
c
a´-c´-c
1 - a´
= +
+
+
k f l (l - m )a´+ m (l - 1)a´+1 (l - 1)c´+(m - 1)c + 1
(2)
ここで、ke は単位セルの有効熱伝導度、kf は液相の熱伝導度、λ は液相の熱伝導度の顔料
の熱伝導度に対する比、μ は液相の熱伝導度のバインダーの熱伝導度に対する比、a′は補
正された顔料部分因子、c は接続因子として働くバインダー部分、c′は顔料接続因子である。
所定のラテックス添加量 c(b)に対する単位セルの空隙率は以下のように定義される。
f (a´, c´) = 1 + 2a´(c´+c ) - 2(c´+c ) - a´2
(3)
単位セルのパラメータを、モデルコーティングについて測定した熱伝導度および測定した空隙率にフィッティングするこ
とで、接続性の役割を決定できる。
4.結果と考察
熱伝導度
図 6 に測定した熱拡散率から計算した熱伝導度を示す。硬質タイプラテックスを含む構造の方が、柔軟タイプおよび中
間タイプラテックスの構造より高い熱伝導度を持つことが分かる。
同じ全体的な傾向が図 7 に示した空隙率のプロットからも見える。硬質
タイプラテックスの構造は空隙率が低い。したがって熱伝導度のレベ
0.85
ルは、ある程度は系の充填密度に依存する。しかし図 6 から、硬質お
0.8
よび中間タイプラテックスの熱伝導度曲線には局所的な極値があるこ
0.75
とが分かる。これは空隙率からだけでは説明できない。
0.7
筆者らによるこれまでの研究によって、中間タイプラテックスの熱伝導
0.65
度にバインダー濃度で 6 w/w%周辺に極大値があるのは、構造の接
0.6
続性が向上したためであることが分かった。これはコロイド的に働くバ
0
2
4
6
8
Binder Content β [w/w%]
インダーを加えることで生じるもので、顔料の充填を崩壊させ、バイン
ダーは顔料粒子の接触点の間の中心に位置し、高い固化の毛管圧に
よってこれらの点において部分的に圧縮されるようになり、そのため釣
Soft
Medium
Hard
り合わず大きな接続性をもたらす結果となっている。さらに多くのバイ
32 %
ンダーを加えると、顔料と比べて本質的に低いバインダーの熱伝導度
30 %
が支配的になり、系の有効熱伝導度は低くなる。
28 %
硬質タイプラテックスの挙動はこれとは異なる。硬質タイプラテックスを
26 %
最初に少量加えると、顔料充填の崩壊が最も起こりにくいので、熱伝
24 %
導度の大幅な向上が見られる。このことは、空隙率の増加が最も小さ
22 %
いこととして観察される(図 7)。さらに剛体球ラテックスを加えると、顔
0
2
4
6
8
Binder Content β [w/w%]
料粒子間の接触を減らすので、剛体球が顔料粒子の接触点に入って、
破壊的に働く。ここまでのところ、硬質タイプラテックスは中間タイプラ
テックスと同様に作用するが、硬質タイプラテックスはコーティングの固化力の下で形を適合させることができない。そ
のため剛体球として作用し、定義の上では近隣の硬質粒子と全くあるいは少ししか接続性を有しない。したがって、硬
質タイプラテックスの場合、この構造では、中間タイプラテックスとは対照的に、充填の崩壊が少しは起こる可能性が
あるものの、顔料との接触が少ないために接続性が下がり熱伝導度が低くなる。
空隙率については、柔軟タイプラテックスは、中間タイプラテックスと非常に似た挙動を示すが、ラテックスの追加に対
する熱伝導度の増加はより遅く、中間タイプラテックスの最大熱伝導度のレベルに 8 w/w%で到達する(図 6)。この濃
度で本当に最大値を示すのか、さらに柔軟タイプラテックスを加えれば、さらに増加するのかは、さらに研究が必要で
あるが、柔軟タイプラテックスの絶縁的な性質を考慮すると後者はありそうもないように思われる。熱伝導度の増加が
遅い理由のひとつは、柔軟タイプラテックスが同じ空隙率でも顔料粒子間の接続性を上げると同時に、より効率的に系
を絶縁化し始めるためである可能性がある。つまり、より低い添加量で系を満たし始めるということである。同じ空隙率
でも、微小の孔がより多くあれば、熱の伝達経路がより屈曲したものとなり、おそらくバインダーの量が増えるのに比
Porosity Φ
Thermal Conductivity ke [Wm-1K-1 ]
Soft
Medium
Hard
例して、柔軟タイプラテックスは押出しと圧縮で形を適合させて構造全体にわたって広がる。したがって、接続性は熱
伝導度にとって必要な因子であるが、十分な制御因子ではない。即ち、骨格構造の複雑性とその結果もたらされる経
路の長さ(屈曲度)は最終的な構造決定パラメータであり、これと物性値とその相対的な配置が熱伝導度を決定する。
5.結論
異なるTg のラテックスバインダーの、顔料入コーティング構造の形成における影響と結果としての熱伝導度について、
水銀圧入法とバインダーおよび顔料の接続性についてのパラメータを含むモデリングの手法によって研究した。
中間および柔軟タイプラテックスについては、崩壊的に働くバインダーの追加によって、よりランダムな充填が生じる。
したがって、熱伝導度は、バインダーによる顔料充填の崩壊による効果と、コーティングの乾燥の固化段階にバインダ
ーが構造変化を経たことで顔料間の接続性が形成される効果とのバランスによって決まる。そのため、中間タイプラテ
ックスについては、最大の熱伝導度は接続性が最大であるときに観察された。原子間力顕微鏡の付着力測定によって
示されたように、柔軟タイプラテックスの押出成分としての作用は、微小孔を増加し、そのため骨格材料の接続屈曲度
を増加して熱伝導度を比較的低く保つことである。対照的に、硬質タイプラテックス構造は一般に高い熱伝導度を示す
が、その理由はコロイド的に引き起こされる顔料充填の崩壊がほとんど起こらないことによる低い空隙率、つまり高い
充填密度である。したがって、硬質タイプラテックスの場合、熱伝導度に本質的に影響するのは、バインダーの接続性
ではなく、最適粒子充填(高い顔料接続性として観察される)である。
6.謝辞
筆者らは、オミヤ R&D 研究所(スイス・オフトリンゲン)シニアサイエンティスト Dr. Cathy J. Ridgway に、専門知識と
試料調製および水銀圧入法に関する支援に対して感謝する。Aalto University の Kaarlo Nieminen 氏に、集中パラ
メータモデルのパラメータのフィッティングに関する支援に対して感謝する。TEKES、フィンランド技術および技術革新
に対する資金援助局からの資金援助に感謝する。この研究は、Thermal Effects and Online Sensing (THEOS)プ
ロジェクトの一部として実施したものである。
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