資料1 - 日本医療機器工業会

厚生労働省と医療機器業界の定期会合
平成26年度改定に向けた機器保険委員会資料
医療機器(医療技術)に関する提案
2012年12月17日
日本医療機器産業連合会
機器保険委員会
1
医療機器(医療技術)における診療報酬改定
に関する提案事項
【保険制度に関わる事項】
1.医療機器団体からの意見提言ルート創設
・・3~6 頁
【安全管理に関わる事項】
2.安全・安心確保の徹底へ向けた改善(適正使用の推進)
・・7~8 頁
【イノベーション、改良・改善評価に関わる事項】
3.新製品開発のインセンティブにつながる保険上の評価検討
(特定保険医療材料と同様、改良品の評価ルールの策定)
・・9~11 頁
参考資料「改良・改善」イノベーション事例
・・12~16 頁
2
医療機器(医療技術)における現状の課題
 将来の日本の産業育成の観点で医療機器は非常に重要な分野の1つ
である。
 診療報酬の医療技術に関する評価は、現在、主に日本医学会から提出
される「医療技術評価提案書」が、中医協「医療技術評価分科会」で評価
・検討されて決定している。
 検討される技術は新たに開発された医療機器を用いた技術(検査、画像
診断、手術等)である場合も少なくないが、医療技術診療報酬の決定プロ
セスに関し、医療機器関連企業が関与できない状況になっている。
 患者、医療従事者の安全・安心確保において、一部医療機器について
適正使用の観点で安全管理が損なわれている可能性がある。
 医療機器には特定保険医療材料のような改良改善を評価する仕組みが
存在せず、また診療報酬でイノベーションが十分評価されているとは言い
がたいケースがある。
3
1.医療機器団体からの意見提言ルート創設(1)
提案
1-①
関連機器を取り扱う企業(団体)においても、技術料に関
する要望を提出できる仕組みを取り入れていただきたい。
製造販売業者、工業会による医療技術評価提案書提出の制度化
- 医療技術評価提案書の評価対象団体に医学会同様、工業会を追加し、
正式な要望 ルートとして運用
保険適用希望書(A1、A2、B、C1、C2)
審査・決定案
製造販売
業者(企業)
相談
アドバイス
工業会
厚生労働省
医療技術評価提案書
(技術料関係)
諮問
答申
内保連
医学会
医療技術評価提案書
外保連
中医協
* 基本的に学会と工業会は十分連携を行うことが大前提
4
1.医療機器団体からの意見提言ルート創設(2)
提案
1-②
・ 医薬品/医療材料と同様に、医療技術に関して産業界も交
えて討議できる場面(部会・専門組織・WG etc.)の提供
* 基本的に学会と工業会は十分連携を行うことが大前提
5
参考資料
中央社会保険医療協議会 総会
報
告
小委員会
特定の事項についてあら
かじめ意見調整を行う
報
告
検証部会
報
告
専門部会
ルールの制定
報
告
報
告
専門組織
ルールに従っ
た値段の決定
診療報酬基本
問題小委員会
調査実施小委
員会
診療報酬改定
結果検証部会
薬価専門部会
薬価算定組織
所掌:
所掌:
所掌:基本的な問題
についてあらかじめ
意見調整を行う
所掌:医療経済実態
調査についてあらか
じめ意見調整を行う
所掌:
薬価の価格算定ルー
ルを審議
新薬の薬価算定等に
ついて調査審議
保険医療材料
専門部会
保険医療材料
専門組織
所掌:
所掌:
保険医療材料の価格
算定ルールについて
審議
特定保険医療材料の
保険適用についての
調査審議
報
告
診療報酬が医療現場
等に与えた影響等に
ついて審議
費用対効果評
価専門部会
診療報酬調査専門組織
所掌:
・DPC評価分科会
医療保険制度におけ
る費用対効果評価導
入の在り方について
審議
・医療技術評価分科会
・医療機関のコスト調査分科会
・医療機関等における消税負担に関する分科会
・入院医療等の調査・評価分科会
6
2.安全・安心確保の徹底へ向けた改善(適正使用の推進)(1)
患者、医療従事者の安全・安心確保の上で徹底できていないことを改善
機器の適正使用
運搬
設置
準備
使用前点検
マニュアルに
基づく使用
使用後の手入れ
(洗浄消毒等)
使用後
点検
保守管理
保管
廃棄
(1)事例1:保守管理
「患者等から見て分かりやすく納得でき、安心・安全で生活の質
にも配慮した医療を実現する視点」をどう推進していくのか?
*改正医療法(平成19年)では、特定保守管理医療機器全体における保守点検等を
義務付けているが、医療機関では対応が遅れている
いかにこれらの「安全保証」を広げていくか
が重要である。
例えば医療機器の保守管理の重要性を広げるには
現在のところ、医療機器安全管理料や施設基準への
対象機器の適用拡大しかない?
・2008年に医療機器安全管理料1及び2を新設
提案
・ 2012年より一部の画像診断関連機器の保守管理を施設基準で要件化
特定保守管理医療機器全体の安全性向上には、
それぞれの領域での通則内に
「保守維持管理コストは含まれると明文化」
もしくは、「その旨の通知文書の発出」が必要
7
2.安全・安心確保の徹底へ向けた改善(適正使用の推進)(2)
(2) 事例2:内視鏡洗浄消毒
問題点:推奨された洗浄消毒が不十分なケースがある=適正使用されていない
洗浄消毒不十分 → 患者間の交差感染リスク・作業者の健康被害リスク
→ 医療機器:作動不良・誤作動=医療事故発生懸念
→ 企業リスク:PL発生リスクの増加と予防保全措置コストの増加
ex.毎年約2,700施設に対し、洗浄消毒方法及び洗浄機の適正使用啓発特別講習を実施
*ある内視鏡製造メーカーの対応例
要 因
保有機材数・洗浄要員の不足 ← 部門予算の不足 ← コストと診療報酬のアンバランス
⇒ 施設負担への依存は限界にきている。
入院基本料に紐付く『医療安全対策加算』・『感染防止対策加算』=外来部門は対象外(クリニック含む)
労働安全上、グルタルアルデヒド⇒代替品(過酢酸等)への転換必要
ex.基発第0224008「医療機関におけるグルタルアルデヒドによる労働者の健康障害防止について」等
ex.この14年間に上部内視鏡の技術料は1,130点→1,140点と10点の増点のみ(1%増)
洗浄消毒に関するコストは¥15,000./3w(グルタラール製剤)→¥39,000./3w(過酢酸製剤)と大幅増
*標準小売価格での比較
内視鏡洗浄消毒用薬液費比較
提案
時代の環境変化に則した内視鏡等の医療機器の、
洗浄・消毒の診療報酬上の手当てを考慮頂きたい。
薬
液
費
用
(
円
/
3
週
間
当
た
り
)
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
グルタラール製剤
過酢酸製剤
8
3.新製品開発のインセンティブにつながる保険上の評価検討
(特定保険医療材料と同様、改良品の評価ルールの策定)(1)
●イノベーションの度合いによる新規医療機器分類分け
(1)新規性の非常に高い製品
(2)既存製品を改良・改善した製品
●現状の問題点
(1)新規性の非常に高い製品
C2申請における暫定技術点数と診療報酬改定後の点数は同じケースが
多い。点数決定プロセスが明らかでなく、且つ企業が関与できておらず、
イノベーションが診療報酬で十分評価されているとは言いがたいケース
も散見される。
(2)既存製品を改良改善した製品
医療機器には、特定保険医療材料の『改良加算』に相当するような「改良・
改善」を評価する保険適用の取り扱い上のルールが存在しない。
特定診療報酬算定
医療機器
現行のC2(新機能・新技術)には該当しない範囲
の改良・改善技術
改良・改善技術評価
ルールなし
9
3.新製品開発のインセンティブにつながる保険上の評価検討
(特定保険医療材料と同様、改良品の評価ルールの策定)(2)
■医療イノベーション5か年戦略
革新的医薬品・医療機器の開発のためのインセンティブを高めるため、保険適用の評価
に際し、適切にイノベーションを評価する とされております。
提案1
(1)新規性の非常に高い製品
⇒ C2申請における暫定技術料の設定段階に、申請企業側が関与できる
プロセスへ変更
提案2
(2)既存製品を改良・改善した製品
⇒ C2区分定義の見直し (p.11)
による医療機器の「改良・改善」が評価される新たなシステムの導入
●特定保険医療材料ではない医療機器(A1、A2)についても、そのイノベーションを適切に評価
(改良・改善技術)するため、保険適用の取り扱いルールの策定を検討いただきたい。
検出率の改善、安全性の向上、低侵襲、小型・軽量化等医療機器の改良は非常に重要
10
提案2-①
C2区分定義の見直し(案)
A1
(包括)
いずれかの診療報酬項目に
おいて包括的に評価されてい
るもの
A2
(特定
包括)
特定の診療報酬項目において
包括的に評価されているもの
(特定診療報酬算定医療機器)
当該医療機器を用いた技術
が算定方法告示において、
C2
新たな技術料を設定し評価
(新機能・
すべきものであって、中医協
新技術)
において保険適用の可否に
ついて審議が必要なもの
C1
(新機能)
新たな特定保険医療材料
(新機能区分)
B
既存の特定保険料材料に該当
(個別評価)
A1
(包括)
いずれかの診療報酬項目において
包括的に評価されているもの
A2
(特定
包括)
特定の診療報酬項目において
包括的に評価されているもの
(特定診療報酬算定医療機器)
<以下の趣旨を加える>
C2
(新機能・
新技術)
+
(改良・改
善技術)
C1
(新機能)
B
(個別評価)
既存の特定診療報酬算定医
療機器あるいは相当品を改良
した製品も対象とし、対応する
技術料設定の可否について
審議する。
新たに特定診療報酬算定医療
機器の区分を設定する。
新たな特定保険医療材料
(新機能区分)
既存の特定保険料材料に該当
11
参考資料
「改良・改善」イノベーション事例
12
【イノベーション事例1】ホルタ心電計(24時間心電図検査)
特定診療報酬算定医療機器の区分
【既存】 ホルタ心電計
長時間心電図記録を行うことが
可能なもの
【新設(仮称)】 ホルタ心電計(Ⅱ)
長時間心電図記録と入浴記録を
行うことが可能なもの
検出率の改善、早期治療の実
施によるイベント発生抑制
入浴中の突然死で
死亡する人は、全国
で1万5千人位と
推定されております
交通事故死の約3倍
厚生労働省の『人口動態統計』や東京都
監察医務院の資料などから推定
検査装置等の「改良・改善」により、入浴検査も可
能な、防水型ホルタ心電計が開発され真の24時間
心電図検査が可能となりました。
日常生活活動の各項目
において、その活動が1
日に占める時間とその
時間中の死亡数より算
出された危険率のグラフ
です。平均約40分程し
か費やさない入浴の時
間中に死亡する人数が
多いことから危険率は高
くなっています。
清水武、外山淳治編:突然死とその対策、ライフメデイコム、
1997年より(太田寿城ほか、1993年) 一部省略
13
【イノベーション事例2】超音波診断装置
特定診療報酬算定医療機器の区分
【既存】 超音波検査装置(Ⅱ)
生体内部(組織や臓器)の画像描写が可
能であり、ドプラ法が可能なもの
【新設(仮称)】 超音波検査装置(Ⅵ)
他のモダリティの同一断面をリアルタイム
に同時表示が可能なもの
安全性改善、再検査負荷・コスト低減
検査装置等の「改良・改善」により、他のモダリ
ティ画像の同一断面を同時表示できる超音波診
断装置が開発されました。
これにより、超音波装置で描出困難な部位(骨や
気体による影響を含む)や、他のモダリティ及び、
その造影画像により描出されている、治療対象
領域を確認できるため、ラジオ波焼灼術等の超
音波ガイド下治療を行う際に、より確実な治療及
び、その効果の確認が可能となりました。
画像表示例(肝臓)
超音波の走査断面に対応するCTの任意断面を表示
14
【イノベーション事例3】
自家蛍光内視鏡
特定診療報酬算定医療機器の区分
【既存】 内視鏡
下記いずれかの観察が可能なもの・体内
管腔(消化管・気管支など)・体腔(腹腔・胸
腔・関節腔など)・体内腔(皮下腔・縦隔腔
など)
【新設(仮称)】 内視鏡(Ⅱ)
蛍光法を用いた画像観察が可能なもの
検出率の改善
励起光
自家蛍光
正常粘膜
励起光
自家蛍光
肥厚した粘膜
検査装置等の「改良・改善」により、診断に関連す
る自家蛍光強度の変化を色彩情報として描写で
きる内視鏡装置が開発されました。
通常光観察では判別しにくい、粘膜表層に現れた
粘膜の肥厚や血管の集積が、自家蛍光強度の差
として描出され、内視鏡診断の質的向上につなげ
ることが出来ました。
内視鏡:A2区分
15
【イノベーション事例4】 バルーン式内視鏡
バルーン内視鏡は、ス
ライディングチューブ先
端に付いたバルーンと
内視鏡のアングル操作
によって、これまで困
難であった深部小腸へ
の内視鏡の挿入をサ
ポートする。
挿入性の向上
16