能楽上映会

能楽上映会
4月 10 日(木) 紅葉狩 @BOX
4月 16 日(水) 屋島 @共西 02
能楽上映会は京大観世会による新歓イベントの一つです。
それぞれの日で本物の舞台のビデオを鑑賞しましょう!
部員が解説を交えながら、能について、能の魅力についてを語ります。
またビデオですので、気楽に能を見ていってくださいね。
当日の紹介者の個性あふれる紹介もご期待下さい!
4月10日(木) 紅葉狩
18:30 に能楽部 BOX にて行います。六時ごろにクスノキ前に来ていただけましたら、赤いのぼりを持った部員
が待機しておりますので、ご案内します。
今回の紅葉狩には「鬼揃」という小書(特殊演出)があり、通常の舞台より登場人物が増え、非常に賑やかになり
ます。お楽しみに!
また上映会の後、実際に能を体験してみましょう!
紹介者 谷岡亮
4月1 6 日(水) 屋島
18:30 に吉田キャンパスの共西 02 にて行います。六時ごろにクスノキ前、共西前に来ていただけましたら、部
員が待機しておりますので、ご案内します。
紹介者 宗周太郎
紅葉狩
あらすじ
旧暦9月の、紅葉が美しいとある山中にて。
高貴な風情をした女が、侍女を連れて、山の紅葉を愛でようと幕を打ち廻らして、宴を催していました。その酒席
に、鹿狩りの途中であった平維茂(たいらのこ れもち)の一行が通りかかります。維茂は、道を避けようとしますが、
気づいた女たちに「是非ご一緒に」と誘われるまま、宴に加わります。高貴な風情の女は この世の者とは思えぬ
美しさ。酒を勧められ、つい気を許した維茂は酔いつぶれ、眠ってしまいます。それを見届けた女たちは、いず
こにか姿を消してしまいま す。
ちょうどそのころ、八幡大菩薩の眷属(けんぞく)、武内の神が先の山(実は信濃国戸隠山)への道を急いでいま
し た。維茂を篭絡(ろうらく)した女は、戸隠山の鬼神だったのです。武内の神は、維茂の夢に現れてそのことを
告げ、八幡大菩薩からの下された神剣を維茂に授 けました。さて、夢から覚めた維茂の目の前には、鬼女が姿
を現し、襲いかかってきます。維茂は勇敢に立ち向かい、激しい戦いの末に、みごとに神剣で鬼女を 退治しまし
た。
「紅葉狩」は、物語が進むにつれて、状況が明らかになるという筋立てで、意外性に富んだスペクタクルな能の
一つです。始めに、上臈(じょうろう:高貴な身 分の女性)が現れ紅葉狩りに山に来たことを告げますが、この時
点では、ここが戸隠山なのも、これが鬼神の罠なのもわからないようになっています。ワキが勇 名をとどろかす
「平維茂」であることですら、前場のワキツレとオモアイの問答で明かされます。そして観客は、中入りで、アイ・武
内の神の説明によって、初 めてここが戸隠山であり、前場が本当はどういう状況だったのかを知るのです。この
アイの登場で、太刀が与えられないと、鹿狩りの格好で登場した維茂の武装 も完成しないため、後場で鬼神と
戦うには不十分なのです。
このように、物語の随所に種明かしの驚きを盛り込みながら、前場で上臈の華やかで妖艶な世界を描き、後場で
は維茂と鬼神の壮絶な戦いを現して、異なる世界に転回して観客をぐいぐいと引き込んでいく展開が、この作品
の魅力と言えるでしょう。
(能演目辞典より http://www.the-noh.com/jp/plays/data/program_014.html)
屋島
あらすじ
都から四国へ旅をしてきた旅僧一行は、讃岐の国に入り、源平の古戦場、
八島の浦を訪れます。夕闇迫る頃、一行 は、浜の塩焼き小屋の主である老
いた漁師の帰途に出会います。一夜の宿を請う旅僧の求めを、老翁は侘び
住まいのゆえ、いったん断ります。しかし、一行が都 から来たと聞くや、懐か
しんで宿を貸してくれました。旅僧に促され、往時の合戦を語り始めた老翁
は、義経の勇猛ぶりや錣引き(しころびき)の戦いなどを、 見てきたかのよう
に活き活きと描きます。不思議に思った僧が名を尋ねると、老翁は義経の亡
霊であることをほのめかし、姿を消しました。
夜半に僧が夢待ちをしていると、鎧兜を纏った義経の亡霊が現れます。義
経の亡霊は、八島の合戦で不覚にも弓を流 してしまったが、みずからの名
を汚すものかと命を惜しまず、敵の眼前に身をさらして取り戻したことを語り
ました。さらに、修羅道の凄まじい戦いに駆られる 様子を見せるうちに夜が
明けて、僧の夢は覚め、白波、鴎の声、浦吹く風に化して亡霊は消えていき
ました。
史上に人気の高い義経が主人公で、死後に修羅道に堕ちた武将として現れます。修羅道は仏教の六道輪廻の
宇宙観で、絶えず戦いや争いが行われる世界とされて います。生前に戦をした者が死後に堕ち、常に戦いを強
いられる苦しみを受けるといわれてきました。「八島」は、勇猛で生々しい戦いの様子を描きつつも、そ れを春の
長閑な一夜の美しい景色、宵闇の朧月から冴えわたる晴天の暁方まで移り行く時のなかに含ませて、情景が
くっきりと際立つ物語に仕立てられていま す。
この曲は、主人公が勝利の戦いを表し、勇敢さ、強さ、厳しさに貫かれる勝修羅(物)と呼ばれる種類の能です。
そこに、名のために身命を賭す侍の心意気など多彩な情緒が絡み、独特の雰囲気が醸し出されます。
(能演目辞典より http://www.the-noh.com/jp/plays/data/program_019.html)
BOX の位置は下記マップを参照下さい。