こちら - 彩の国さいたま人づくり広域連合

彩の国さいたま人
さいたま人づくり広域連合
づくり広域連合
平成21
平成21年度第
21年度第2
年度第2回行政課題研究セミナー
行政課題研究セミナー(
セミナー(すてっぷあっぷ講座
すてっぷあっぷ講座)
講座)
県内でも各地で今後ますます人口減少が進むことが予測され、問題を最小限にするための対策及び人口
規模の維持・向上を図る施策が求められています。
今回の行政課題研究セミナーでは、人口減少時代の行政のあり方をテーマに取り上げました。セミナー
は2部構成で、第1部では聖学院大学政治経済学部教授の平修久氏による「人口減少社会における地域課
題」と題した基調講演を行いました。続く第2部では、コーディネーターに平氏、そして3名のパネリス
トとして㈱日本総合研究所調査部ビジネス戦略研究センター主任研究員の藤波匠氏、ハンズオン埼玉常務
理事の西川正氏、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻都市計画研究室助教の真鍋陸太郎氏をお招き
し、「人口減少社会における行政の役割」をテーマにパネルディスカッションを行いました。
◎基調講演
『人口減少社会における地域課題』
まず、平氏の基調講演では、県内市町村別で、
人口の自然増減・社会増減、人口集中地区の状況
及び年代別将来人口予測などを示されました。
そして、人口構造をめぐる県内自治体の特徴と
して、急激ではないものの静かに人口減少が進ん
でいること、急激な高齢化が予測されること、生
産年齢人口の減少が人口全体の減少よりも早い
時期から始まっていること、人口減少の特徴に県
内南部と北部で相違があると指摘しました。
また、人口減少地域の問題として税収の減少、
交付税の算定係数の低下などが最も深刻である
とした上で、今後人口減少に対応していくための
方向性として、長期的視点での政策立案の検討、
平修久氏のプロフィール
◆所属・役職
聖学院大学政治経済学部教授
◆専門
都市・地域計画、公共政策、環境政策
◆経歴
東京大学卒業後、コーネル大学大学院都
市及び地域計画学研究科Ph.Dを取得し
現職
◆著書
『地域に求められる人口減少対策』
『もうひとつのスマートグロース』他
事業仕分けなど優先順位づけによる施策の選択、
自治体の意思決定に自治体の株主といえる住民
の参加が必要であるとの説明がありました。
◎パネルディスカッション
『人口減少社会における行政の役割』
第2部のパネルディスカッションでは、藤波氏
が、今後埼玉県は今までと同様の人口流入が期待
できないことから、産業育成の他、まちづくりの
面で行政が意識すべき視点として、農地転用の抑
制、公共施設を郊外から市街地への集積、そして
居住空間・職場・商業地の機能を混在させ相乗的
効果を期待するまちづくり(有機的用途混在)を
挙げられました。
西川氏からは、人口減少に伴い、予算や公共サ
ービスの担い手がさらに限られることから、住民
自らが進んでまちのことに責任をもって行動する
仕組みづくりが求められると述べられました。そ
の前提として、行政に対し、問題は何かその本質
を的確に捉えるとともに、サービスを通じて何を
目指すか方向性を明確にする必要性を示されまし
た。
真鍋氏は、人口減少地域では、地域に暮らす
人たちが自分のまちのことを知り、まちの価
値や課題を見つけることがますます重要と強
調しました。こうした発見が、互いのコミュ
ニケーションを生み、自ら主体的にまちの課
題に取り組むなどの行動につながる可能性に
期待した上で、行政は住民が地域に目を向け
る仕組みを整えるべきであるとのお話があり
ました。
その後の質疑応答においても、主に人口減
少に対応するために行政は何をすべきか、パ
ネリストの方と会場との活発な意見交換が行
われ、盛況なパネルディスカッションとなり
ました。
藤波匠氏のプロフィール
◆所属・役職
(株)日本総合研究所調査部ビジネ
ス戦略研究センター 主任研究員
◆専門
地方行財政、地方活性化、環境政
策
◆経歴
東京農工大学修了後、(株)東芝を
経て現職
◆著書
「都市形成政策の抜本的見直し-人
口減少に備えた国土利用の必要性」
『Business&Economoic Review』2009
年5月 他
西川正氏のプロフィール
◆所属・役職
ハンズオン埼玉 常務理事
◆活動
2005年NPO法人「ハンズオン埼玉」
を設立した。父親の子育て参加を応
援するためのプロジェクト「おとうさん
のためのヤキイモタイム」などを展開
している。また、協働やNPO支援に関
して、自治体の研修講師や委員など
も務める。
◆著書
『私のだいじな場所~公共施設の
市民運営を考える』 他
真鍋陸太郎氏のプロフィール
◆所属・役職
東京大学大学院工学系研究科都
市工学専攻都市計画研究室助教
◆専門
都市計画、都市の情報、住民参加
◆経歴
東京大学を修了し現職
◆著書
『住民主体の都市計画 まちづくり
への役立て方』(編集・共著) 他