いわきニュータウンシンポジウム

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一
いわきニュータウンシンポジウム
の公的機関、または民間デベロッパー等を始
市、福島県等関係行政当局、住宅供給公社等
ン事業施工老である公団のみならず、いわき
以上のような点につきまして、ニュータウ
す。
となることを期待して、私の報告を終わりま
タウンが、いわき市の明日を拓くパイオニア
要であろうと思うわけですが、いわきニュー
りしながら、相協力して進めていくことが必
でもニュータウンに期待することは非常に大
自己完結型で終わってしまう。そういう意味
・小名浜港を内陸部と結ばなければ将来とも
急務です。下聞に福島空港、そして海の玄関
ヘクタールの人工島を含む小名浜新港の建設
産都市としての小名浜港はじめ、工業基盤整
す。しかし、ここ二十年の動きを見ますと新
住民が望むまち作りが必ず実現すると信じま
です。県政長期計画、いわき市総合計画でも
に背後地整備を加えた海のカオを結ぶ縦軸を
備が進まないことは否定できない事実です。
描いておりますが、温かく思いやりのある、
といううれしい結果となりました。当初は六
中心にした波及効果を、将来の都市形成に結
いわきは産業経済の分野では県政に大きな
ることを考えますと、いわき市の中心になる
千四百戸、二万五千人の住宅需要が果たして
びつけてゆく理想的な形が生まれます。
一つには市が独自に発展計画を立て前進す
あるのか懸念はありました。企画サイドで五
もう一つは福島県の中のいわき市を考えて
といえます。広い土地と温暖な気候があり、
十年から六十年までの世帯の増加、人口の増
ション基地としての機能は県民生活の向上に
地位を占め、タンパク源、海洋性レクリエー
健康的で便利な、個性あるまちづくりが理想
加、家屋の老朽化の三点から根拠予測を行い
みますと、よく自己完結型といわれます。東
ところ、縦軸の形成が必要となってきます。
ました。その結果、五十五年から五十九年ま
六十戸の需要があると推測いたしました。
早く整備計画に上げてもらうことが市発展の
があります。東北横断道の基本計画を一日も
ご
本的課題は、人口の伸びが低く、着年層の定
そういう前提のもとに、いわきが抱える基
貢献しています。
は海、西は阿武隈山系でさえぎられ、双葉郡
現状は住宅確認申請が五十年の三千九百五
や茨城北部になかなか商圏が広がらない悩み
での五年間で一万七千三百戸、年間三千四百
いわきニュータウンは五十一年一月に採択
かはあくまでも地域住民の選択と合意が基本
えたいと思います。どんなまちを作ってゆく
県の出先の立場から、まち作りについて考
多核結ぶ道路整備を
きいわけです。
めとして、いろいろな民間の業界の力もお借
。ハネル。デ4スカツション
発言順・敬称略
は二千六百六十六戸に落ち込んでいます。全
国的に悲観材料が多く、いわき市の場合も社
会、経済の変化に対応して手直しは必要です
が、市総合計画でいわきをどう発展させるか
の位置づけをキチンと行う必要があると思い
後藤義隆
平駅前再開発による表玄関の並置、百三十五
ます。
県いわき行政
事務所長
申請を国に出し、三月にスピード採択を頂く
平一小名浜問の軸に
橋本 渡
十三戸をピークに下降線をたどり、五十六年
一9一
いわき市助役
着が少ないことです。人口の伸び率は五十年
から五十五年までを例にとると三・六%で、
県平均の三・三%を上回っていますが、郡山
の八.三、福島の六・六%と比較するとだい
ぶ少ない。原町の五・九%より劣っている。
きの伸びは小さくなっています。
るほど急速に発展しました。逆に水戸、いわ
が生じた結果、東北自動車道沿線は目をみは
ートと支線としての常磐ルートに大きな格差
えております。
いわきループ︵環状線︶など利便性を十分考
スの到着を知らせるロケーションシステム、
しています。将来は待合所で行先のわかるバ
て小型パスによるゾーンバスシステムを検討
位置し拠点都市間の競合が出来るわけですが
人口増が最大の課題
がなされていないということです。新産都市
問題はそうした都市作りに対する戦略設定
ション都市でなければならないと思います。
枢機能を持つ情報文化都市、観光レクリエー
展望すると活力ある産業都市であり、管理中
口増を根底に置いて、二十一世紀のいわきを
タウン分譲にも大きくかかわってきます。人
ると思います。これは産業構造にも、ニュー
申しますと最大の課題はやはり人口増に尽き
それではいわきのまち作りの課題は何かと
で県内十市の六番目というのが現状です。
悪いということです。人口の伸びもここ十年
集中のなさ、人口密度の薄さから経済効果が
方、短所と言えるのは広域都市ゆえの多核、
備されていることなどが挙げられます。 一
地、地価が安い、気候が温暖、医療機関が整
いわきの特徴は長所面で言えば広大な土
馬目佳彦
いわきは郡山と同じく東京−仙台の中間に
現実には、いわきナンバーの車が数多く郡山
いますと、初期の先行投資が都市集積の流動
に行っています。これはどういうことかとい
の方向性を決めてしまうからです。いわきが
交通体系でいえば去る一一月七日に三条申請
を行ったいわきバスターミナルビル建設によ
る平駅前ターミナルの縮小です。早く整備し
と判断したためです。
なければ都市部の全体の発展に好ましくない
から丁字形という都市構造を小名浜−郡山一
次にいわきのイメージ作りです。太平洋岸
の工業都市作りを進めながら、緑に包まれた
会津若松−新潟と結ぶ横断道によって十字型
インダストリアルパーク的な都市のイメージ
作りが必要です。そのためには都心部に整備
ンといった将来を見越した先行投資が必ず生
された大型店、ホテル、コミュニティーゾー
きてきます。
ニュータウンについては堂⋮磐交通では県道
を走るバスに連結する〃タウン内の足”とし
大黒屋
常務取締役
次にいわきには大きな核がありません。盛
ているのが実情です。産業基盤の整備も波及
り上がりに欠け、一体性に欠ける都市となっ
効果が表れていません。
高等教育機関、将来性のある企業の誘致を
有利な条件を作り出すには大型プロジェクト
が完成してくる一九九〇年を目標に拡大再整
図ることが急務です。企業も付加価値の高い
内陸型が理想です。ニュータウンが出来ても
備のための投資を今から行っていかなければ
まず、いわき市が誕生して以来の成長過程
をみると、宇都宮i郡山一福島と結ぶ東北ル
なりません。
多核分散型の都市に変わりはないでしょう。
ニュータウンを中心として旧五市の小さな核
と結ぶ道路環境の整備で一体性を図らなけれ
ばなりません。
いわきだけの活性化は難しいと言えます
が、小名浜港には第六次五力年整備計画で二
千二百億円の巨大投資が見込まれています。
これをどう生かしてゆくかが大切です。
木田喜一郎
横断道路で構造変える
常磐交通自動車
専務取締七
一10一
いわきニュータウンシンポジウム
では臨海工業型企業の誘致という計画はあり
ましたし、田園都市、テクノポリス構想とい
ったものには一貫した戦略設定があります。
市として脚光を浴びているテクノポリスも通
エレクトロニクスを中心とした研究学園都
いですから市民みんなが逆算方式で方向性を
産省の構想段階で﹁問題あり﹂とされたぐら
いと思います。まず、ニュータウンの完成は
二十五年後ぐらいになること。長期的ビジョ
ンにかかわってくると予想されます。次に日
本一広い、いわきは産業構造、人口、文化的
施策など諸問題解決の段階に入ったというこ
は大都市とは違うということです。
と。三点目は地方都市におけるニュ!タウγ
機械設備は四年更新といわれる現代ではホッ
地も出来た時には時代が変わっていました。
には二十一世紀に入ってしまいます。大剣団
行い、イギリスは一つの都市で小学校から大
リは二百年かけて建物を含めた美観再開発を
ならないのは土地をどう利用するかです。パ
やすいことが条件ですが、まず考えなけれぽ
大切なのは地元の人が便別で快適で暮らし
プ、ステップ、ジャンプのジャンプの所を見
学までを完結する手法。ドイツは極めて快適
定めることが必要になってきます。十数年後
定めた戦略設定が望まれます。
な住宅建設を先行して行いました。住宅さ・兄
キチッとしていれば人が集まり発展するとい
郡山で開かれた博覧会のようなイベントが
出来るような大きな広場を設け、常に催事を
う考え方です。ワイマ:ル、ポツダムなどが
いわきはニュータウンというヘソを中心と
した交通体系整備を急がなけれぽなりませ
ん。港、空港、高速道路と結ぶ時代を見越し
た政策が必要です。住宅政策から手を付ける
のは賢明ですが、交通網整備を怠ると二十五
都市になってしまいます。マチは作ってゆく
年後には日本でこれ以上悪い所はないという
ありません。
・.ポ
素
ものです。過去の過ちを再び起こすべきでは
選
新しい核を生かす
締めくくりとしていわきのまち作りの問題
開くというような構想はどうでしょう。一年
日本の場合はどうかといいます之、昔は貧
た広くて多核都市のいわきにもう一つ、ニュ
を整理してみます。パネラーの方が強調され
こうして生まれました。
しかったですからまず働く場所、駅前に銀
リポートを建設するのも良いと思います。
いわきニュータウンには物理的な中心地と
つぎに今後、いわきが目指してゆかなけれ
していくことが重要なテーマでしょう。
せん。便利で快適な生活が可能なように計画
ジャー、大学などの設置も検討せねばなりま
ことから行政の出先機関、ショッピング、レ
で二十一世紀をふまえた独立のタウンという
考えなければなりません。東北にもない計画
う。バス乗り入れ、他の交通機関についても
どう機能させるかが大きな課題といえましょ
ータウンという核が出来る。これを有機的に
行、デパートといった都市計画を立てたわけ
ち作りを目指してほしい。
とは喜ばしい。住環境整備をバネに美しいま
住環境の整備が大切だという点に気付いたこ
まれません。しかし、いわきの開発にとって
す。遊びのないところにモラル、創造性は生
ンの最大の欠陥は遊ぶ場所が少ないことで
のでなければなりません。いわきニュータウ
マチというのは住み、働き、遊び、学ぶも
を整備するという方法です。
いうだけでなく、いわきの地域根性を一つに
河田 亨
です。産業中心に収入を増やし、次に住環境
中雪が降らないいわきですから、小名浜にヘ
福島民報社常務
取締役編集主幹
する効果を大いに期待しています。
住環境の整備を優先
下平尾無
まち作りについて最初に三点を述べてみた
一11一
福島大学
経済学部教授
一 」 一 一
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名
磐
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一12一
ばならないのは男生企業型の立地、道路網の
整備を通して福島県におけるいわきの位置づ
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讐
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国鉄常磐線平駅より約6㎞︵道路距離︶
いわきニュータウン周辺案内図
いわき好闇中核工業団地 {
いわきは男性が女性の九三%しかおりませ
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窟
けをもう一度見直すことであるど考えます。
ん。郡山は九八%です。神奈川、千葉、東
がいなければ若い女控もいなくなります。道
四
京、埼玉、愛知の五県は逆に男性が多い。男
路網では袋小路の汚名返上のため常磐自動車
道の仙台まで延伸を実現してほしい。地元の
強い要望が何よりも大事です。双葉、相馬、
原町と手を組んで﹁浜通り﹂が単に天気予報
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湯鱒
用語だけにとどまらないように一体化、連係
の申通りと結び、須賀川の﹁福島空港﹂を生
化を目指すべきです。さらに郡山、福島など
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かさなければなりません。
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それにしてもいわき市役所が市内で一番大
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きい〃企業”では困ります。出先でなく決裁
権を持った企業もぜひ必要です。下平尾先生
のお話にもありました﹁遊ぶこと﹂も大切な
〃コンベンションの揚”作りを進めて﹁以和
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〆
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ようです。それは観光、レジャーの強化でし
ょう。ニュータウンのいわき公園のように
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国
草野,
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赤井、、
般
貴﹂の言葉につながるマチ作り実現を期待し
ております。
︵終︶
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