日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会総会の開催

第9回
日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会総会
バーチャルスライドシステム等講習会
主催:日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会
合同開催:日本遠隔医療学会学術大会 JTTA2010
テーマ:「遠隔医療に係わる法制度の限界を探る」
会 期:平成22年 9 月25日(土)~26日(日)
場 所:三島市民文化会館 (ゆうゆうホール) 3階 大会議室
〒411-0036 静岡県三島市一番町 20 番 5 号
TEL:055(976)4455 FAX:055(976)4458
プログラム・抄録集
Programme and Abstracts
9th General Meeting of the Japanese Research Society of Telepathology
and Pathology Informatics (JRST-PI)
September 25-26,2010,Mishima,Japan
当番世話人 : 鈴木 昭俊 (株式会社 ニコン)
会
長 : 土橋 康成 (財団法人ルイ・パストゥール・医学研究センター)
日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会
テレパソロジーポータルサイト : http://telepathology.iwate-med.jp/
第9回日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会総会
会
場
期:平成22年9月25日(土)~26日(日)
所:三島市民文化会館 (ゆうゆうホール) 3 階 大会議室
〒411-0036 静岡県三島市一番町 20 番 5 号
TEL:055(976)4455 FAX:055(976)4458
世話人:株式会社ニコン 鈴木 昭俊
主 催:日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会 (日本TP・VM研)
参加費:会員 5,000 円、非会員 7,000 円
懇親会費 5,000 円
バーチャルスライドシステム等講習会:(無料、ただし事前登録制)
研究会会員受付:会期内随時 年会費 3,000 円 日本TP・VM研事務局デスクにて
受
付:三島市民文化会館 小ホール ホワイエ 午前9:00~
(24日(金)前日受付:16:00~18:00)
スライド受付:三島市民文化会館 2階 特別会議室 (ご発表の1時間前までにお済ませ下さい。)
懇親会会場:みしまプラザホテル
役員会会場:ホテル昭明館
(TEL:055-972-2121) 9月25日(土) 19:00~21:00
(TEL:055-972-7171) 9月26日(日) 7:30~ 8:30
交 通:東海道新幹線または、東海道本線「三島」駅南口改札より徒歩 5 分です。
(新幹線ご利用の場合、下車後、「東海道本線乗換口」から地下をとおり南口改札を出てください)
ホテル昭明館
(役員会会場)
みしまプラザホテル
(懇親会会場)
-2-
第9回日本TP・VM研究会総会・当番世話人ご挨拶
鈴木 昭俊 (株式会社ニコン)
このたび第 9 回日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会総会は、多くの関係者のご協力
のもと三島市民文化会館で開催することができました。
今年は、第2回目となります日本遠隔医療学会学術大会 JTTA2010 との合同開催が実現でき、「遠隔医
療に係わる法制度の限界を探る」をテーマとして合同特別講演、特別企画ワークショップを企画しておりま
す。
また、テレパソロジー・イブニング・ミーティングでは、病理部門システムの標準化に焦点をあて、病理部門
のIT化をさらに推し進めていきたいと思います。機器展示におきましてもテレパソロジーシステム、バーチャ
ルスライドシステム、病理部門システムと多くの企業の参加があり、例年になく盛況になることが期待されま
す。また、例年好評となっていますバーチャルスライドシステム等講習会では、同一標本を用いた「共通課
題」といった初の試みを実施いたします。
2日間に渡り、弊社スタッフとともにお世話させていただくことになりますが、皆様には、遠隔医療全般に
渡る内容について情報共有出来ればと思います。なお、日本遠隔医療学会学術大会長 東海大学 中島
功先生および東海大学スタッフの皆様、さらには、本研究会諸幹事の皆様には大変お世話になりました。
ここに御礼申し上げ、世話人のご挨拶にかえさせていただきます。
会 場 ご 案 内
<日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会>
・ 受付
: 三島市民文化会館 小ホール ホワイエ入り口
・ メイン会場
: 三島市民文化会館 3 階 大会議室
・ 機器展示会場
: 三島市民文化会館 3 階 第 1 会議室
・ 事務局 /PC 受付
: 三島市民文化会館 2 階 特別会議室
(ドリンクコーナー)
・ 合同特別講演会場
: 三島市民文化会館 小ホール
入口
第1会議室
大会議室
三島市民文化会館 3階 図
-3-
第9回日本TP・VM研究会総会 合同開催にあたって
日本遠隔医療学会平成 22 年度学術大会・大会長
中島 功 (東海大学医学部救命救急医学・教授 /
国際電気通信連合開発部門 SG2 遠隔医療・副議長)
日本遠隔医療学会平成 22 年度学術大会(JTTA2010)を三島市民文化会館にて 2010 年 9 月 25、26 日
開催させて頂けることは、東海大学、東海大学病院、星医会(東海大学医学部同窓会)、刀鴎会(東海大
学外科同門会)の誇りであります。ことに第 9 回日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会総
会と合同で開催する特別セッション 4 テーマを設けており、同大会世話人 鈴木昭俊氏(株式会社ニコン)
には大変なご尽力ご支援を承り、ここに感謝の意を表するものです。
今回は「遠隔医療に係わる法制度の限界を探る」というテーマにて、医師法第 17 条、18 条、20 条、救急
救命士法第 44 条に係わる法制度、具体的には1)直接対面できない状態での診察、2)国境を越える医療、
3)メディカルコントロールを行う上での医療通信などです。2009 年 6 月に米国では州を越えて違法な遠隔
医療を実施した医師に対して実刑判決を下しており、医師の善意だけで行なわれる時代は終焉を迎え、法
律的義務や社会的リスクを背負う実利用の時代に変わりつつあります。日本の社会保険制度で遠隔医療
を医療行為として公に認めるためには、我々は米国同様に遠隔医療に係わる法制度を整備すべきと考え、
本テーマを選びました。
日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会皆様の積極的なご参加とこの分野における末永
い活動を期待する次第です。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
第9回日本TP・VM研究会総会開催に寄せて
日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー(TP・VM)研究会会長
土橋 康成 (財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター・臨床病理研究部)
日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会は遠隔医療の一分野としてのテレパソロジーを
主軸に、日本の病理・細胞診領域の情報化を学際的研究活動を通じて推進することを目的に平成13年8
月東京で発足しました。ここで学際的とは、病理医のみならず、細胞検査士、そして病理のIT化にかかわ
る病理関連機器の開発と普及を担う企業の関係者らも病理医と同じ研究会メンバーとして参加することを
意味しており、それが本研究会の最大の特徴であると言うことも出来ます。
本年の三島総会は企業の開発部門におられる鈴木昭俊さんが世話人を務められ準備が進められました
が、それは本研究会の学際的特徴が十全に発揮される環境が整ったことを意味するものでもあり、その成
果に大いに期待を寄せております。また本年の総会は、日本遠隔医療学会(会長:原 量宏 教授)の学
術大会 JTTA2010 との6年ぶりの合同開催となりました。IT を活用した医療の展開を目指すという両研究組
織の接点に於いて、有意義な研究交流がはかられることを大変嬉しく思っておりますし、同時に今後両組
織が折々に適切な形で連携しながら日本の遠隔医療が一層高まることを願っております。
おわりに合同開催の本学術集会をご準備いただいた、JTTA2010 大会長、東海大学中島 功先生とその
スタッフの皆様、本研究会の鈴木昭俊世話人、および庶務および企画担当幹事と準備委員会の皆様に心
より御礼申し上げます。
-4-
1日目(9月25日
09時30分 ~ 10時00分:
土曜日)
開 会 式
三島市民文化会館 小ホール
日本遠隔医療学会会長
原 量宏 先生
(香川大学瀬戸内圏研究センター 特任教授 / 徳島文理大学理工学部 教授)
JTTA2010 in MISHIMA 大会長
中島 功 先生
(東海大学医学部救命救急医学・教授)
日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会会長
土橋 康成
(財団法人 ルイ・パストゥール医学研究センター・臨床病理研究部)
第9回日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会総会 当番世話人
鈴木 昭俊
(株式会社ニコン)
10時00分 ~ 10時50分:
合同特別講演 Ⅰ
三島市民文化会館 小ホール
PL-01: 「遠隔医療の拡がりと責任論」
中安 一幸 先生 (厚生労働省 政策統括官付社会保障担当参事官室主査 /
東北大学大学院医学系研究科客員准教授)
座長:原 量宏 先生 (香川大学瀬戸内圏研究センター 特任教授 /
徳島文理大学理工学部 教授)
土橋 康成 (財団法人 ルイ・パストゥール医学研究センター・臨床病理研究部)
10時50分 ~ 11時10分:
休
憩
-5-
11時10分 ~ 12時00分:
技術・情報講演
座長:鈴木 昭俊 (株式会社ニコン)
TIL-01:11時10分 ~ 11時40分:
「医療機器の法規制に関する基礎知識」
-法規制に関わる国際標準と日米欧の現行規制の概要を紹介-
長谷川 茂男 先生 (ベックマン・コールター・バイオメディカル株式会社)
11時40分 ~ 12時00分
12時00分 ~ 13時00分:
質 疑 応 答
ベンダー合同体ランチョンセミナー Ⅰ
司会進行:鈴木 昭俊 (株式会社ニコン)
13時00分 ~ 13時10分:
13時10分 ~ 14時40分:
休
憩
特別企画 “ワークショップ”
よりよい遠隔医療の実践をめざして
座長:八幡 勝也 先生 (産業医科大学)
東福寺 幾夫 (高崎健康福祉大学)
WS-01:13時10分 ~ 13時25分:
「遠隔医療の現状と展望」
酒巻 哲夫 先生 (群馬大学医学部附属病院医療情報部)
WS-02:13時25分 ~ 13時40分:
「北海道におけるテレサイトロジーの実践経験から」
山城 勝重 (国立病院機構北海道がんセンター病理診断科)
WS-03:13時40分 ~ 13時55分:
「岡山県における遠隔診療の実践経験から」
太田 隆正 先生 (医療法人緑隆会太田病院)
WS-04:13時55分 ~ 14時10分:
「京都府におけるテレパソロジーの実践と運用ガイドラインの意義」
土橋 康成 ((財)ルイ・パストゥール医学研究センター・臨床病理研究部)
橋本 行正、高嶋 徹 (公立山城病院臨床検査部)
梅原 美穂、内田 宏 (市立福知山市民病院病理検査)
高松 輝賢 (株式会社クラーロ)
東福寺 幾夫 (高崎健康福祉大学)
14時10分 ~ 14時40分
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総 合 討 論
14時40分 ~ 14時50分:
休
憩
14時50分 ~ 15時35分:
テレパソロジー・イブニング・ミーティング
Round Table Discussion
次世代病理・臨床細胞部門システムの構築に向けて
-標準化の進展と個別ニーズの実現-
座長:山城 勝重 (国立病院機構北海道がんセンター病理診断科)
鈴木 昭俊 (株式会社ニコン)
TEM-01:14時50分 ~ 15時00分:
「病理・臨床細胞部門システムを実際に利用しているユーザとしての視点から、
標準化の意義、重要性について」
望月 眞 (独立行政法人 国立国際医療研究センター)
TEM-02:15時00分 ~ 15時10分:
「病理部門システムの標準化動向 ―ベンダーの立場から―」
近藤 恵美 (サクラファインテックジャパン株式会社)
TEM-03:15時10分 ~ 15時20分:
「標準化推進団体視点からの病理部門システム」
中島 隆 先生 (JAHIS 検査システム委員会委員長、富士フイルム株式会社)
15時20分 ~ 15時35分
15時35分 ~ 15時45分:
休
憩
-7-
総 合 討 論
15時45分 ~ 17時00分:
合同特別講演 Ⅱ
三島市民文化会館 小ホール
座長:猪口 貞樹 先生 (東海大学医学部)
中島 功 先生 (東海大学医学部救命救急医学・教授)
PL-02: 「遠隔医療に関する法制度的課題とそのあるべき方向性」
古川 俊治 先生 (慶應義塾大学法務研究科・医学部外科 /
弁護士(TMI総合法律事務所) / 参議院議員)
中安 一幸 先生 (厚生労働省 政策統括官付社会保障担当参事官室主査 /
東北大学大学院医学系研究科客員准教授)
金子 郁容 先生 (慶應義塾大学)
猪口 貞樹 先生 (東海大学医学部)
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
15時45分 ~ 17時00分:
バーチャルスライドシステム等講習会
(事前登録者対象)
三島市民文化会館 3 階 第 1 会議室
司会進行:東福寺 幾夫 (高崎健康福祉大学)
鈴木 昭俊 (株式会社ニコン)
15時45分 ~ 16時25分:
16時30分 ~ 17時00分:
17時00分 ~ 17時50分:
個別講習 (40分間)
共通課題 (30分間)
合同特別講演 Ⅲ
三島市民文化会館 小ホール
「アジアの時代と日本 “時代を生き抜く人材”」
黒川 清 先生 (政策研究大学院大学)
座長:井藤 久雄 (国立大学法人鳥取大学 副学長 / 器官病理学教授)
明松 祐司 先生 (兵庫県立大学)
19時00分 ~ 21時00分:
懇 親 会
みしまプラザホテル 2 階 「プロヴァンスの九月」 にて
(集合記念写真撮影 19時00分)
司会:園田 晴久 (株式会社ニコン)
役員会
9月26日(日) 午前 7時30分 ~ 8時30分
於:ホテル昭明館 (市民文化会館向い tel. 055-972-7171)
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2日目(9月26日 日曜日)
09時30分 ~ 10時20分:
合同特別講演 Ⅳ
三島市民文化会館 小ホール
PL-03: 「施設間診療情報連携の標準化 -厚生労働省標準規格-」
木村 通男 先生 (浜松医科大学附属病院医療情報部)
座長:池田 正見 先生 (静岡県賀茂医師会)
園田 晴久 (株式会社ニコン)
10時20分 ~ 10時45分:
休
憩
10時45分 ~ 12時00分:
一般発表 Ⅰ
座長:森 一郎 (和歌山県立医科大学病理学第二教室)
高松 輝賢 (株式会社クラーロ)
GO-01:10時45分 ~ 11時00分:
「我が国のテレパソロジー技術の発展に関する一考察」
東福寺 幾夫 (高崎健康福祉大学)
土橋 康成 ((財)ルイ・パストゥール医学研究センター・臨床病理研究部)
GO-02:11時00分 ~ 11時15分:
「細胞診のための Z 軸ビデオデータベース Zavic DB の公開」
東 学、平 紀代美、奥山 大、中島 真奈美 (国立病院機構北海道がんセンター臨床検査科)
武田 広子、鈴木 宏明、山城 勝重 (国立病院機構北海道がんセンター病理診断科)
GO-03:11時15分 ~ 11時30分:
「ビデオカンファレンスソフト iChat の画面共有機能を使ったテレパソロジーの実践」
広瀬 徹、松林 聡 (国立病院機構北海道医療センター臨床検査科)
小野 みゆき、玉川 進 (国立病院機構道北病院臨床検査科)
山城 勝重 (国立病院機構北海道がんセンター病理診断科)
GO-04:11時30分 ~ 11時45分:
「デジタルマップによる癌自動診断補助ソフトの開発と応用:第1報」
土橋 康成 ((財)ルイ・パストゥール医学研究センター・臨床病理研究部)
荻 寛志、作山 努、野村 昭寛 (大日本スクリーン製造株式会社)
GO-05:11時45分 ~ 12時00分:
「病理診断科診療所のあり方 -病理診断料診療報酬請求が可能となるための要件の検討-」
島田 修 (DPJ細胞病理医院)
桜井 貞弘 (佐野厚生総合病院)
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12時00分 ~ 13時00分:
ベンダー合同体ランチョンセミナー Ⅱ
司会進行:鈴木 昭俊 (株式会社ニコン)
13時00分 ~ 13時30分:
総
会
13時30分 ~ 13時40分:
休
憩
13時40分 ~ 15時10分:
一般発表 Ⅱ
座長:白石 泰三 (三重大学腫瘍病態解明学)
近藤 恵美 (サクラファインテックジャパン株式会社)
GO-06:13時40分 ~ 13時55分:
「病理診断科開業医が病理診断を行う場合の診療報酬に関する問題点と改善の提案」
島田 修 (DPJ細胞病理医院)
GO-07:13時55分 ~ 14時10分:
「バーチャルスライドにおけるフォーカス機能関連設定値についての検討」
森 一郎、尾崎 敬、谷口 恵美子、覚道 健一 (和歌山県立医科大学病理学第二教室)
GO-08:14時10分 ~ 14時25分:
「バーチャルスライドサーバーを利用した脳腫瘍病理診断の標準化と
デジタル神経病理教育リソースの蓄積」
小森 隆司、新井 信隆 ((財)東京都医学研究機構 東京都神経科学総合研究所
臨床神経病理研究部門)
GO-09:14時25分 ~ 14時40分:
「バーチャルスライドの利用経験と多施設同時参加型遠隔病理検討会」
加藤 元一、榎 泰之、永田 昭博 (京都第一赤十字病院 病理診断科)
柳澤 昭夫 (京都府立医科大学大学院人体病理部)
GO-10:14時40分 ~ 14時55分:
「病理情報の院内開示を目的とした秋田大学医学部附属病院におけるバーチャルスライドと
電子カルテシステムの連携運用」
豊田 祐一 (浜松ホトニクス株式会社)
南條 博 (秋田大学医学部附属病院 病理部)
GO-11:14時55分 ~ 15時10分:
「バーチャルスライドの新技術への取り組み」
高松 輝賢、佐藤 達資、鄭 衆喜、松本 秀敏、小田島 健、神 孝輔 (株式会社クラーロ)
15時10分 ~ 15時20分:
休
憩
-10-
15時20分 ~ 15時55分:
IHE-J、Pathology 報告
病理・臨床細胞部門における標準化
-バーチャルスライドと病理・臨床細胞部門の連携確立を目指して-
座長:鈴木 昭俊 (IHE-J 病理・臨床細胞委員会、株式会社ニコン)
IHE-01:15時20分 ~ 15時25分:
「IHE 病理・臨床細胞委員会関連報告セッション」の開催に当たって
鈴木 昭俊 (IHE-J病理・臨床細胞委員会、株式会社ニコン)
東福寺 幾夫 (IHE-J 病理・臨床細胞委員会、高崎健康福祉大学)
奥野 隆司 (IHE-J 病理・臨床細胞委員会、オリンパス株式会社)
IHE-02:15時25分 ~ 15時35分:
「国際 IHE 病理・臨床細胞部門の動向」
奥野 隆司 (IHE-J病理・臨床細胞委員会、オリンパス株式会社)
IHE-03:15時35分 ~ 15時45分:
「バーチャルスライド画像データの DICOM 規格最新状況報告」
金子 泰、由利 希良 (JAHIS医用画像システム専門委員会 病理部門システムWG、
オリンパス株式会社)
IHE-04:15時45分 ~ 15時55分:
「JAHIS における”病理・臨床細胞データ交換規約 V1.0”の検討状況報告」
近藤 恵美 (JAHIS医用画像システム専門委員会 病理部門システムWG、
サクラファインテックジャパン株式会社)
15時55分 ~ 16時00分:
閉 会 式
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お知らせ
日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会 設立10周年記念総会
期 日:平成23年9月9日(金)~10日(土)
会 場:京都リサーチパーク・サイエンスホール
世話人:土橋 康成 (財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター・臨床病理研究部)
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PL-01:
「遠隔医療の拡がりと責任論」
中安 一幸
(厚生労働省
政策統括官付社会保障担当参事官室主査 /
東北大学大学院医学系研究科客員准教授)
医師不足、医師偏在が地域における医療の抱え
る課題であると指摘されることが多い。
遠隔医療といわれる行為は、そのような中でもとり
わけ専門医が不在の場合、医療の質の均霑化に
効果が期待されたものである。
一方で情報通信技術の進展は様々な情報の伝
送を可能にし、専門職である医師と医師とのコンサ
ルテーションに限らず、医師と患者との間での通信
による診療も可能ではないかとの観点から、一定
条件の下では患者と直接対面せずに診断すると
いうことそのものをもって直ちに無診察診療には当
たらないと整理する必要が生じた。
平成 9 年,平成 15 年に通知が発出され、一定の
決着をみたかのように考えられたが、この解釈によ
っては「やっていいのか悪いのか」との判断の迷い
を生じているような例が散見されるようになった。
このような現場の混乱について、良い悪いといっ
た単なる二元論ではなく、責任という観点から整理
してみる。
また遠隔医療を必要とする場面において、遠隔
医療によらざれば医療サービスそのものを受ける
機会を失うことも多いと考えられることから、経済的
その他の何らかの理由により停止することとなって
は、患者の落胆が大きいことも容易に推察される。
遠隔医療を行うならば、いったん開始したサービ
スを安定的に継続する責任をもまた負うのである。
このような観点から、遠隔医療にまつわる種々の
責任について考察を試みる。
PL-02:
「遠隔医療に関する法制度的課題と
そのあるべき方向性」
古川 俊治
(慶應義塾大学法務研究科・医学部外科 /
弁護士(TMI総合法律事務所) /
参議院議員)
遠隔医療については、患者の居宅等との間で行
われるものが無診察診療禁止を定める医師法 20
条等との関係で問題とされ、厚生労働省は、直接
診療に「代替し得る程度の患者の心身の状況に関
する有用な情報が得られる場合には、遠隔診療を
行うことは直ちに医師法 20 条等に抵触するもので
はない。」との基本的考え方を示しながら、「留意
事項」として詳細にわたって規制を行っている(平
15 医政発 0331020)。そのため遠隔医療が持つ効
用を十分が発揮されていない現状にあるが、この
ような「留意事項」は医師法 20 条の法文上の解釈
との関係で、どのような法的意義を持つのか明らか
ではない。「留意事項」から外れていても、「直接診
療に代替し得る程度の患者の心身の状況に関す
る有用な情報が得られる場合」はいくらでも想定す
ることが出来る。また、現在まで遠隔医療が総務省
等の補助金の支を受けた企画だけで終わってきた
のは、報酬面の裏付けが無いことが大きい。
遠隔医療の実用化促進は、医療の質の向上の
ための重要な手段であり、政府の成長戦略にも明
記されている(2010 年6月 18 日「新成長戦略」)。
1948 年に制定された医師法の1条文の解釈にお
いて扱われるべき問題ではなく、国として総合的な
医療・経済政策の中で進めていくべきである。ただ
し、今後、望ましい法制度を創っていくためには、
安全性の確保と通信費用に見合う効用を実証して
いくことが必要であろう。
-12-
PL-03:
「施設間診療情報連携の標準化
-厚生労働省標準規格-」
木村 通男
(浜松医科大学医学部附属病院医療情報部)
診療施設間の情報連携には医療情報標準規格
が欠かせない。すでに、画像情報の DICOM 規格、
患者基本、検査結果、処方、各種文書などの非画
像情報の HL7 規格がすでに広く用いられている。
さらに、処方情報、検査結果を正しく送受するため
には、薬剤コード、検査項目コードの標準化も欠か
せない。
静岡県版電子カルテプロジェクトは、これら規格
に基づいた情報を病院情報システムからはき出し、
貯めるストレージソフト、そしてそれらの情報を利用
して電子紹介状や、画像 CD、各種文書をたやすく
作成する各種アプリケーションソフトからなり、これ
らが県内施設には無償で提供され、すでに標準ス
トレージは20以上の施設で利用され、実際主とし
て画像や紹介状の連携に用いられている。
このうち、標準ストレージ、紹介状作成ソフト、外
部からの CD の情報を貯め、院内で参照するアー
カイブビューアの3つのソフトは、厚生労働省標準
的診療情報交換推進事業 SS-MIX となり、SS-MIX
普及促進コンソーシアムを通じて全国で利用でき
るようになった。これを利用するための必要条件で
ある、病院情報システムが処方、検査結果、患者
基本情報を HL7 v2.5 規格ではき出すことが可能
な施設は、2010年3月末で594施設にのぼる。こ
れは富士通 GX、NEC HR、ソフトウエアサービス
eKARTE、SBS 情報システム Prime-KARTE などの
病院情報システムがその機能を持っているからで
ある。
2010年3月、医政局から、これら HL7 v2.5、
DICOM、HL7 CDA R2 を用いた JAHIS 紹介状規
格、画像 CD の IHE PDI、ECG など波形データの
MFER、薬剤コードの HOT、検査項目の JLAC10
が、厚生労働省標準規格として指定された。今後
の施策にはこれらが利用されていることが前提とな
る。
当日はこれらについて概説し、施設関連での利
用の展望をおこなう。
TIL-01:
「医療機器の法規制に関する基礎知識」
-法規制に関わる国際標準と日米欧の
現行規制の概要を紹介-
長谷川 茂男
(ベックマン・コールター・バイオメディカル
株式会社)
本演題では、医療機器の安全性に係る国際標準
と現行の法規制の概要を易しく紹介します。
【背景】
昨今、医療・介護において様々な問題点が指摘
され議論されている中で、重要なポイントに「安全
性」があります。特に、患者と医療従事者の安全性
確保では、人的な要素も大きいのですが、ICT(情
報通信技術)の発展を背景とした医療情報システ
ムによる予防処置にも期待が高まっています。
規制面では、かつての機械・器材の安全性への規
制から自動機器の有効性と安全性の規制に進展
し、さらにコンピュータ・システムや医療業務そのも
ので、どのように安全を担保するかが注目されてい
ます。現行の国内薬事法(通称、改正薬事法)が
施行されてから5年が過ぎて見直しの時期にさしか
かっていますが、薬事申請の改善の他に、上述の
背景から規制対象範囲の見直しも気になるところ
です。我々はこれを見通すことができませんが、法
規制の根拠である国際標準と、欧米の法規制との
違いを知っておくことは、自分自身で法規制の動
向を理解するのに有意であります。
【内容】
国際標準 :
ISO/TC の関連組織、
ISO 13485(医療機器の品質システム)、
ISO 14971(医療機器リスクマネジメント)、
IEC 62304(医療機器ソフトウェアのライフサイクル)、
IEC 80002(医療機器への適用ガイダンス)
国際比較 :
医療機器の範囲、クラス分類
国内薬事法:
改正薬事法、
GQP(医療機器等の品質管理の基準)、
GVP(医療機器の製造販売後安全管理基準)、
認証と承認
海外法規制:
FDA(米国食品医薬局)の
QSR(Quality System Regulation)
MDD(医療機器に関する欧州指令)、
IVDD(体外診断用医療機器の関する欧州指令)
-13-
特別企画ワークショップ
「よりよい遠隔医療の実践をめざして」
WS-01:
「遠隔医療の現状と展望」
東福寺 幾夫
(高崎健康福祉大学)
鈴木 昭俊
(株式会社ニコン)
酒巻 哲夫
(群馬大学医学部附属病院医療情報部)
遠隔医療は現在では医療の効率化や地域間格
差の是正等への期待も大きく、これからの医療に
欠かせないツールとしての認識は定着してきてい
る。
テレパソロジー・テレサイトロジーは D to D 遠隔
医療の有力な領域としてがん診療の地域間格差
是正に不可欠な存在であり、その実施件数は年々
増加の傾向にある。一方、患者を対象とする D to
P 遠隔診療は様々な制約によりその実践はまだ手
探りの状況におかれていると言っても過言ではな
い。
今回、日本遠隔医療学会と本会の合同開催は、
相互の体験交換・意見交換により遠隔医療の全体
的実践状況を理解する良い機会と考え、本ワーク
ショップの開催を計画した。 演者・演題は以下の
ごとく、本会会員から2題、日本遠隔医療学会会員
から2題の発表をいただく。
遠 隔 医 療 は 、 こ れ を Tele-medicine お よ び
Tele-care と広くとると、「通信技術を活用した健康
増進、医療、介護に資する行為」ということになるが、
今回は範囲を狭く「医療」に限って現状と展望を述
べる。
一般的に、狭い意味での遠隔医療は、その形態
によって医師・医師(患者)=DtoD と医師・患者
=DtoP に分類される。
DtoD は医師が患者側にも存在するので医師法
上の問題は生じないが、診療経費の配分という問
題がある。遠隔病理診断などでの問題点でもあ
る。
一方、DtoP は医師が患者と直接対面しないので、
これを診療と呼ぶには法解釈も含めて根源的な問
題がある。そこで現時点では特別の事情を勘案し
て、医政発第 0331020 号として通知し、患者が離
島・僻地にあること、症状の安定した時期であるこ
となどを DtoP の診療が成立する主な条件にしてい
る。しかし近年、離島・僻地のみならず医療提供体
制が十分ではない地域が拡大しており、DtoP を医
療として広く認める必要に迫られている。
そこで今回は、本邦で行われている DtoP の実験
的取り組みを分析し、現時点での最適の解がどの
ような形態なのか、将来どのような形が想定できる
かを俯瞰的に概説するとともに、厚労科研として取
り組んでいる遠隔診療の安全性・有効性・ニーズ
に関する調査研究について紹介する。
遠隔医療は、その安全で効率的運用と経済的な
持続可能性を求められているが、このワークショッ
プが、そのよりよい実践に向けて考える機会となれ
ば幸いである。
-14-
WS-02:
「北海道におけるテレサイトロジーの
実践経験から」
山城 勝重
(国立病院機構北海道がんセンター病理診断科)
WS-03:
「岡山県における遠隔診療の実践経験から」
我々が 1997 年に始めたテレサイトロジーは細胞
検査士が撮影した適切な静止画を見て診断する
方式であるが、現在まで 7000 症例ほどの診断を成
功裡に実践し、地域医療に大きな貢献をしている。
しかし、この方式によるテレサイトロジーは未だ十
分な普及を見ていない。その原因としては、細胞
は立体物であるのに平面的な静止画では所見を
十分に表現し得ない、細胞検査士の提示した細胞
が本当に重要な細胞なのか分からない、またその
背景が十分に観察できない、などがあるとされる。
これに代わるものとしてバーチャルスライドへの期
待もあるが一次診断に当該技術が利用されるまで
はまだ越えねばならないハードルがある。
我々は静止画利用に加えて Zavic の利用、また
細胞検査士と細胞診専門医の対面診断の可能な
iChat を利用したコンサルテーションも推奨してい
る。
機器、システムの進歩は今後も大いに期待できる
が、テレサイトロジーを実地医療に定着させるまで
には、細胞診実務者に対する様々の機会をとらえ
た啓蒙、実践が欠かせない。
遠隔在宅診療の取り組みは多くの地域で実証実
験として行われてきた。しかし、長期継続事例はほ
とんどなく臨床データ集積が十分ではない。
岡山県新見市では平成 16 年より在宅医療システ
ム研究会を立ち上げ、地域全体で研究を行ってき
た。平成 20 年度、21 年度総務省地域 ICT 利活用
モデル構築事業「新見あんしんねっと」事業で在宅
患者 17 症例に対してテレビ電話利用した遠隔診
療を行い、5 カ月-11 か月継続、長期臨床データ
を得ることができた。平成 22 年度も引き続き事業
継続している。岡山県高梁市川上町診療所でも平
成 16 年より携帯電話を利用した遠隔診療実証実
験が行われており現在も継続されている。
モデル事業による実証実験臨床データ、関係者
アンケートより遠隔診療の有効性は証明出来た。し
かし、多くの問題点も明確となってきた。いままで
指摘されていた診療報酬の問題、医師の協力体
制などがある。特に遠隔診療では患者の経費負担
が問題となると感じている。また、使用機器も場合
により、携帯電話、テレビ電話、高機能携帯末端
器など使い分けの検討も必要である。問題点はあ
るが地域医療では遠隔診療が医師不足など有効
な対応策となると思われる。
太田 隆正
(医療法人緑隆会太田病院)
-15-
WS-04:
「京都府におけるテレパソロジーの実践と
運用ガイドラインの意義」
TEM-01:
「病理・臨床細胞部門システムを実際に
利用しているユーザとしての視点から、
標準化の意義、重要性について」
土橋 康成
((財)ルイ・パストゥール医学研究センター・
臨床病理研究部)
橋本 行正、高嶋 徹
(公立山城病院臨床検査部)
梅原 美穂、 内田 宏
(市立福知山市民病院病理検査)
高松 輝賢
(株式会社クラーロ)
東福寺 幾夫
(高崎健康福祉大学)
望月 眞
(独立行政法人 国立国際医療研究センター)
京都府においてロボット顕微鏡を備えた静止画
によるテレパソロジーシステムを1992年に開発導
入し、常勤病理医不在の地域病院を対象とした遠
隔病理診断を実施して来た。
また2007年からは一部バーチャルスライドを用
いたシステムを加えて今日に至っている。
我々は、安全で有効な遠隔診断実施のために、
日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー
研究会で作成したテレパソロジー運用ガイドライン
(2005年三重総会で採択)に準拠して運営を行っ
ている。
まず遠隔診断の実施にかかわる全ての関係者が、
適切に情報共有し、かつ相互信頼していることは
遠隔医療運営の大前提である。その状況を保証
するためには、相互の連絡手段を確保し、日頃より
連絡し合っていることに加え、折々の face-to-face
のコミュニケーションの機会を担保しておくことが重
要である。
また使用機器は常に最良の状態に維持されてい
ることが必要であり、メンテナンスについても体制を
整えておくことが重要である。
同時に機器使用者が機器の使用法について充
分に習熟していることが大切であり、使用頻度が極
端に少ない状況下では不慣れによるトラブルが発
生し得る。
過去18年間に経験した様々な問題を、技術的
側面と運用的側面とに分けて整理し、安全で有効
な遠隔病理診断の実施のための要諦は何かを報
告したい。
現在まで医療情報システムの標準化は進んでお
らず、現在導入できる医療情報システム(電子カル
テから病理診断システムまで)の多くが独自仕様と
なっている。標準に準拠した製品間の接続をスム
ーズに行くようにし、病院の情報システムをマルチ
ベンダーで統合できるようにすることが病院の情報
システムを安く、早く、高品質に構築できるようにな
ると考えている。
標準化されたシステムを導入する利点をまとめる
と次のようになる。
1)システム構築のコストと期間の低減、品質向上、
データの互換性・継承性の向上が図れる。
2)導入時の仕様書作成労力が軽減される。
3)他病院の病理部門システムとの間のデータの
やり取りの標準化が出来る。
4)患者の転院に伴って医療情報データを他病院
のシステムにデータ移行ができる。
5)システムの更新・変更への移行が比較的容易に
できる。
6)機能を追加する際、標準化された別ベンダーの
製品が付加できる。
標準化を推し進めるにはユーザー側がベンダー
に対して標準に沿った病理部門システムを要求す
ることが必要だと考える。病理医が病理診断システ
ム導入時に標準仕様をベンダーに要求することに
よって、標準に沿った病理部門システムが普及し、
医療情報の標準化がなされるようになると考える。
-16-
TEM-02:
「病理部門システムの標準化動向
―ベンダーの立場から―」
近藤 恵美
(サクラファインテックジャパン株式会社)
TEM-03:
「標準化推進団体視点からの病理部門システム」
病理部門システムの情報管理分野の標準化は
全くと言っていいほど進んでいないのが現実であ
る。
標準化の対象としては、主に次の5点が考えられ
る。
標準化推進団体では、システム構築支援やワー
クフロー支援のため、あるいは診療情報を長期保
管するために、文字情報や画像情報の標準的な
形式や通信仕様を標準規格として定める活動を推
進している。
現在、様々な標準規格の開発や普及推進の活
動が進められている。
ここではJAHISやIHE活動で進めている病理・
臨床細胞以外の部門の標準化活動の取り組みを
紹介し、病理・臨床細胞部門システムの標準化に
関する考察を試みる。
標準化活動推進と標準規格普及の為にはユー
ザとベンダー両者のご理解とご協力が必要であ
る。
今回の内容が今後の次世代病理・臨床細胞部
門システムの構築に寄与できれば幸いである。
1)各種マスタ・コード
臓器・検査材料、採取法、診断コード等
2)オーダリングシステムー病理部門システム間の
インターフェース
依頼情報、到着確認情報、診断結果情報等
のやり取り
3)バーチャルスライド画像のファイル形式
各社のバーチャルスライド作製装置で取得し
た画像のファイル形式
4)病理部門システムからのバーチャルスライド画像
連携(参照)方法
病理部門システムの情報とバーチャルスライド
画像をどのように連携し、参照するか
5)病理部門システムのデータ項目および形式
病理部門システムに格納するデータ項目およ
びその形式
中島 隆
(JAHIS 検査システム委員会委員長、
富士フイルム株式会社)
上記5点の標準化が達成されると、導入毎にかか
るシステム設計や開発、コード登録等にかかる作
業量が軽減できるのはもちろんのこと、導入コスト
の軽減、そして新規開発がないことによるシステム
の安定性と信頼性の向上が見込まれる。一方でデ
メリットが全くないわけではない。
標準化の現状、メリットとデメリットをベンダーの立
場から報告する。
-17-
GO-01:
「我が国のテレパソロジー技術の発展に関する
一考察」
GO-02:
「細胞診のための Z 軸ビデオデータベース
Zavic DB の公開」
東福寺 幾夫
(高崎健康福祉大学)
土橋 康成
((財)ルイ・パストゥール医学研究センター・
臨床病理研究部)
東 学、平 紀代美、奥山 大、中島 真奈美
(国立病院機構北海道がんセンター臨床検査科)
武田 広子、鈴木 宏明、山城 勝重
(国立病院機構北海道がんセンター病理診断科)
1983 年にアナログ電話回線を利用して慶応大学
病院・伊勢慶応病院の間で世界初のテレパソロジ
ーが実施された。1991 年に京都・日本医学会総会
では衛星中継によるハイビジョン動画による術中迅
速遠隔診断のデモが実施され、テレパソロジー開
発に大きな刺激を与えた。
1990 年 代 の 半 ば に は オ リ ン パ ス 社 か ら
OLMICOS、ニコン社から T-2000R が発売された。
これらは共に遠隔地から観察視野を選択可能とす
るためロボット顕微鏡を用い、静止画像を ISDN 回
線で通信する方式である。
2000 年代に入り通信の広帯域化進展し、一般家
庭にもインターネット利用が普及した。ニコン社か
らは接眼レンズの無いデジタル顕微鏡
COOLSCOPE が発売され、顕微鏡の概念に変化
もたらすものとなった。デジタル画像をモニタで観
察するというコンセプトは、バーチャルスライド(VS)
へと発展した。2000 年代後半になると、VS の画像
取込の高速化により VS 画像による遠隔術中迅速
診断も行われるようになってきた。
一方、通信の広帯域化で顕微鏡画像を動画とし
て伝送することも可能となり、動画テレパソロジーシ
ステム Warp Vision が NTT 社から登場するに至っ
た。
このように、テレパソロジーはその技術を革新さ
せてきた。この間に、電子カルテ導入も進展し、病
理部門システムの普及率も高まったが、これらとテ
レパソロジーの連携は今後への課題となっている。
細胞診実務者の研修には実際のガラススライドを
鏡検するのが最も効果的と考えられるが、多数の
顕微鏡を用意し、鏡検のための時間を確保しなけ
ればならない等の問題があり、実現が困難なことが
ある。これを補うために自己学習教材としてインタ
ーネット上に Z 軸ビデオ細胞診データベースを構
築し公開した。
細胞診のための Z 軸ビデオ(以下 Zavic と略)と
は立体物である細胞を観察するときに観察者がス
テージを上下させ、焦点を変えて観察している顕
微鏡の視野をビデオ撮影し、QuickTime ファイルと
したものである。順再生、逆再生を繰り返してこれ
を観察することにより、あたかも顕微鏡を観察して
いるかのような体験ができるとされ、これを利用する
ことにより静止画を観察するよりも有意に診断精度
が向上する場合があることが明らかにされている。
多数の Zavic ファイルをインターネット上に置き、
ファイルの情報を検索できる機能を付加したデー
タベースとして公開した。Zavic 利用の研修効果の
検証のために、今秋北海道がんセンターが主催す
る「膵腫瘍穿刺吸引細胞診研修会」で使用する症
例のガラススライドから Z 軸ビデオファイルを作製し、
これを対象として、インターネット上で観察者の診
断精度を検証し、また使用感についてのアンケー
トを実施する予定。
-18-
GO-03:
「ビデオカンファレンスソフト iChat の画面共有機能
を使ったテレパソロジーの実践」
GO-04:
「デジタルマップによる癌自動診断補助ソフトの
開発と応用:第1報」
広瀬 徹、松林 聡
(国立病院機構北海道医療センター臨床検査科)
小野 みゆき、玉川 進
(国立病院機構道北病院臨床検査科)
山城 勝重
(国立病院機構北海道がんセンター病理診断科)
土橋 康成
((財)ルイ・パストゥール医学研究センター・
臨床病理研究部)
荻 寛志、作山 努、野村 昭寛
(大日本スクリーン製造株式会社)
ネットワーク基盤の飛躍的改善とコンピュータ技
術の進歩によってテレパソロジーを取り巻く環境も
大きく変わった。テレサイトロジーは静止画だけで
なくリアルタイムの動画像も利用できるようになり、
日常症例の一次診断に画面共有を利用してきたこ
れまでの実践を 2010 年 4 月から以下のように改変
した。
Mac OS X 10.6 環境の iMac 27 インチ同士を B
フレッツ回線で接続し、iChat で討論を行いながら
診断を進めて行く。クライアント側のパソコンに
IEEE 1394b で接続したデジタルカメラでリアルタイ
ムの顕微鏡画像を表示させ、iChat の機能でこの
画面をコンサルタント側が共有することで診断が可
能となる。クライアント側の顕微鏡操作は細胞検査
士が行う。
このシステムによって、週に 2-3 回接続の日常症
例の細胞診と週 1-2 回の術中迅速組織診断を行
っ て き て い る 。 こ れ ま で 利 用 し て き た Remote
Desktop の画面共有よりもはるかに画面の動きはよ
くなり、コンサルタント側のストレスは減少する。本
発表では実際のコンサルテーションの様子を状況
映像を交えながら提示する。
バーチャルスライドの普及により、病理切片標本
は診断に先立って丸ごとデジタル化する whole
slide imaging (WSI) の時代となって来た。そしてW
SIは、病理の作業工程を、1) 切り出し、パラフィン
ブロック、ガラススライド作成といった物質に直接依
存する 所謂 material phase(物質相)と、2) WSI 後、
デジタル情報処理により診断を導き出す所謂
information phase (情報相)とに峻別させるきっか
けを与えた。
情報相においては診断に先立ち、あるいは診断
後に、様々な目的に従って WSI をデジタル情報処
理することが可能である。その目的の一つは自動
診断補助であろう。
今回我々は 2002 年に開発した半導体の自動欠
陥 分 類 を 行 う ソ フ ト ADC(Automatic Defect
Classification) を、癌の自動診断補助に応用する
ことを考えた。
ADC は人工知能を搭載しており、あらかじめ病
理医が与えた典型例の複数の教示画像により、問
題としている癌の形態診断の基本を学習する。こ
の学習後、未知の digital image を ADC に与え、
癌が否かを判断させる。
前立腺癌を用いて行われた判断テストでは、あら
かじめ固定したデジタル画像単位で、癌を癌と判
断する正診率が約95パーセントで、その結果をデ
ジタルマップ上に表示することが出来た。HE標本
のカラーデジタル画像から癌の特徴量をより正確
に感度高く抽出する為の様々な画像処理を行い、
今後さらに診断率の向上や他臓器への応用が可
能となると考えられた。
-19-
GO-05:
「病理診断科診療所のあり方
-病理診断料診療報酬請求が可能となるための
要件の検討-」
島田 修
(DPJ 細胞病理医院)
桜井 貞弘
(佐野厚生総合病院)
GO-06:
「病理診断科開業医が病理診断を行う場合の
診療報酬に関する問題点と改善の提案」
【背景】2008 年診療報酬改定で第 3 部検査から病
理学的検査が分離され第 13 部病理診断となった。
第 1 節病理標本作製と第 2 節病理診断に名称が
変更された。2010 年には診療所での病理診断料
の算定も可能となった。
【背景】2010 年診療報酬改定で病理診断料が診
療所で算定可能になった。しかし現行の条件では、
診療所から診療報酬を請求することはほぼ不可能
である。
【目的】診療報酬上のさまざまな要件について実
証検討するために医院を移築し改装した。
【結果】診療所要件である受付・待合・診察室を備
えた。さらに手術材料切出しのための病理検査室
区域、剖検室区域を用意した。遠隔術中迅速病理
診断等のためのシステムは診察室に設置した。
【考察】病理診断科は第 2 節病理診断を保険医療
に準じて行えるようになった。衛生検査所が受託し
てきた病理学的検査とは異なり、病理診断科が直
接診療報酬を請求する道が開けたと考える。開業
病理診断科は whole slide image を用いて病理診
断を行うための要件を備えていると考える。
【要望】2012 年の診療報酬改定では病理診断料を
病理診断科が直接請求できるための要件を明確
にしていただきたい。たとえば、(施設要件)病理専
門医・細胞診専門医が専任している、(非営利性)
医療施設間連携または対診的であり、医療圏を越
えていない、(医行為)病理診断について病理医が
説明責任を持っている、など。
島田 修
(DPJ細胞病理医院)
【実践】当医院では 4 月から第 2 節病理診断 500
点に準拠して病理診断を行っている。病理標本送
付には商用の配送サービスを利用している。実践
を通じて明らかになった問題点を報告するとともに、
その改善策等について提案したい。
【問題点】
(1)複数病理診断であっても同一患者同一月の場
合は請求が 1 件のみ
(2)診断工数が価格に反映していない(手術材料で
は臓器によっては作製標本が 100 枚を越えること
がある)
【解決策】
(1)病理診断報告書毎の算定
(2)臓器数ではなく生検・手術等材料別/目的別診
療報酬価格設定
【更なる課題】
(対診的診療)
患者が自らの切除臓器等を持って病理診断科を
訪問し、病理診断を受けることは実際的ではない
ので、病理医が訪問することを原則とするか。
(窓口業務)
オンライン請求方式であっても患者負担額支払に
ついては、患者受診医療機関での窓口代行また
は振込用紙等による支払いなどの工夫が必要に
なると考えられる。
-20-
GO-07:
「バーチャルスライドにおけるフォーカス機能関連
設定値についての検討」
GO-08:
「バーチャルスライドサーバーを利用した脳腫瘍
病理診断の標準化とデジタル神経病理教育
リソースの蓄積」
森 一郎、尾崎 敬、谷口 恵美子、覚道 健一
(和歌山県立医科大学病理学第二教室)
小森 隆司、新井 信隆
((財)東京都医学研究機構 東京都神経科学
総合研究所 臨床神経病理研究部門)
[目的]バーチャルスライド (VS)のマルチレイヤー
(Z-Stack、以下 ML)やフォーカスフュージョン(FF)
について、レイヤーの厚さや枚数の最適値につい
て検討した。レイヤーが薄く、枚数が多いほど画像
は精細だが、スキャン時間は延長し、データ量は
増大し、操作性も落ちる。リンパ球の核径は約 7µm
とされ、塗沫標本では扁平化しているとしてもレイ
ヤーをあまり薄くする意味は無いと考えて始めた。
神経病理学は病理学の一分野でありながら、研
修システムのみならず診断の標準化と均てん化が
非常に遅れた分野と言わざるを得ない。その要因
として複雑な歴史的背景とリソースの偏在が挙げら
れる。さらに、WHO2007/脳腫瘍取り扱い規約第3
版の診断基準には曖昧な表現が多く、診断がばら
つく要因ともなっている。
我々は都のプロジェクト研究の一環として専用サ
ーバー上にバーチャルスライドを利用した神経病
理画像データーベースの構築を開始し、以下の試
みを始めた。
1)脳腫瘍病理診断の標準化:日本脳腫瘍病理学
会の有志により astrocytoma の悪性度分類に関わ
る診断指標の擦り合わせと標準化作業を行うととも
に、標準化症例をアップロードし、国内外の施設と
の標準化が可能なシステム作りを開始した。
2)デジタル神経病理教育リソースの蓄積:東京都
医学研究機構に保管されている 4000 例を超える
神経疾患の病理組織標本の中から、神経変性疾
患を中心に 1x3inch と 2x3inch のホルダーを用いて
HE 染色と髄鞘染色標本の取り込みを開始した。
3)データベースの構築:組織所見のキーワードを
多数付与することによって、症例横断的に標準化
された診断指標を確認できるシステムを構築し、神
経病理診断の均てん化と教育に資することを目指
している。
[方法]材料としては主に細胞診標本を用いた。VS
画像は ML および FF 両方の機能を持つクラーロ
製「TOCO」を用いて、0.25µm 厚で作製した。幅は
ビューワーソフト上の縮尺バーを用い、厚みはフォ
ーカスの合うレイヤーの枚数から計算した。次にレ
イヤーの厚さと枚数を変えて VS を作製し、その見
え方を調べた。
[結果]パラフィン切片の VS 画像でリンパ球の核が
ほぼ球形と測定されることを確認後、乳腺穿刺吸
引標本のリンパ球を調べたところ、核の幅が 4.7 5.4µm、厚さは 4 - 5µm 相当とほぼ球形だった。乳
腺穿刺標本の Duct 上皮と筋上皮、子宮頸管扁平
上皮、尿路上皮などについて核を測定したところ、
特に厚さ方向で 2µm 以下のものが見られた。レイ
ヤーを厚くした場合は ML、FF ともにフォーカスが
合わない細胞が見られた。
[考察]各レイヤー1 – 1.5µm 厚、15 - 20µm 程度ま
でのスキャンで大部分の標本が診断可能と考えら
れた。
-21-
GO-09:
「バーチャルスライドの利用経験と
多施設同時参加型遠隔病理検討会」
GO-10:
「病理情報の院内開示を目的とした秋田大学
医学部附属病院におけるバーチャルスライドと
電子カルテシステムの連携運用」
加藤 元一、榎 泰之、永田 昭博
(京都第一赤十字病院 病理診断科)
柳澤 昭夫
(京都府立医科大学大学院人体病理部)
豊田 祐一
(浜松ホトニクス株式会社)
南條 博
(秋田大学医学部附属病院 病理部)
バーチャルスライド(VS)を導入以来、その利用
方法を検討してきた。
①標本番号をキーとして病理診断とVS画像をリ
ンク、画像データベース構築し、患者画像の参照、
診断名による画像一覧機能は有用である。
②診断に関しては、消化管生検の様な小さな材
料でも、5-10%は画質が不十分で判断できない
ものがあり常用は難しい。
③VSによる遠隔病理診断は、参照画像による仮
診断として利用可能であるが、最終診断はガラス
で行う必要がある。
④同時に多数の施設がインターネット経由で症
例検討会に参加できる、NDP.conference が開発さ
れ、当院に導入した。サーバーは CPU:Intel Xeon
3GHz,Memory:2G ,OS:Winodows2003server,参
加数は OS に依存、Viewer は IE plug in で
NDP.view を用い、会話は skype のグループ機能を
利用する。回線は商業用のインターネットを利用、
セキュリティーはかけていない。画像表示速度、質
ともに local で観察するのと同程度であり、実用的
なシステムである。
⑤まとめ:VS は病理診断の均霑化をめざして補
助金が交付され、導入した施設が多い。多施設同
時参加可能なオンライン病理検討会システムは、
この目的に沿ったものであり普及が望まれる。
秋田大学医学部附属病院では、病理情報の院
内開示を以前より進めており、これをさらに促進す
るため、バーチャルスライドを病理部門システムや
電子カルテシステムと連携させて運用している。
スキャンされたバーチャルスライドは、2次元バー
コードにより自動的に電子カルテシステムに格納さ
れ、部門システムから閲覧できるよう自動的にリン
クされる。部門システムでは、バーチャルスライドを
参照しながら病理検査報告が作成でき、電子カル
テ端末からは検査報告にアクセスでき、そこに添
付された情報からバーチャルスライドも閲覧するこ
とができる。
このシステムを導入する前は、一部の顕微鏡像
を検査報告に張り付ける方法であり、電子カルテ
からはその画像しか参照できなかった。本システム
の構築により、病棟や外来で電子カルテシステム
から病理画像を詳細に見られるようになり、臨床の
先生をはじめ、必要であれば患者さんにもバーチ
ャルスライドを提供し説明できるようになった。また、
臨床カンファレンスにおいても、放射線画像など同
様にバーチャルスライドも扱えるため、電子カルテ
端末のみで開催できるようになった。
課題としてファイル容量による格納スライド枚数
の制限があるが、技術の発達に伴いこの課題は解
消されるものと思われる。
-22-
GO-11:
「バーチャルスライドの新技術への取り組み」
高松 輝賢、佐藤 達資、鄭 衆喜、松本 秀敏
小田島 健、神 孝輔
(株式会社クラーロ)
株式会社クラーロは、日本の工業を支える FA 技
術(工場の自動化技術)をベースにして弘前大学
と共同研究しバーチャルスライドを実用化したメー
カーである。私どもの開発するバーチャルスライド
は、元々病理組織でのがんの自動診断補助装置
として開発を行った。
現在バーチャルスライドの応用技術として、各メ
ーカーが取り組んでいるのは免疫染色の解析や
蛍光撮影、細胞診対応超深度画像、超高速撮影
など、バーチャルスライドは第 2 世代と言うべき進
化を遂げている。この技術革新を技術的な背景と
ともに紹介する。
私どもが描いている第 2 世代のバーチャルスライ
ドとは単機能低価格装置である LINCE と高機能汎
用 機 で あ る TOCO と 、 超 高 速 装 置 で あ る
VASSALO である。デスクトップスキャナーと呼ぶ
LINCE は免疫染色などの増加により今撮影し今結
果が知りたいという要望に応えた。また超高速機
VASSALO は現在あるあらゆる高速化要素を惜し
みなく投入し、世界的に定評のある日本のロボット
技術の最高技術を組み込んで開発している。
現在までの撮影速度は 1 枚あたり約 1 分まで短
縮できたが、目標としては 1 枚あたり 30 秒スキャン
を目指している。また、細胞診用に開発した超深
度画像(フォーカスを可変させ対象すべてにフォ
ーカスが合う画像を作成する技術)も実際に使って
いただいたユーザーの評価を発表する。
IHE-01:
「IHE 病理・臨床細胞委員会関連報告」
の開催に当たって
鈴木 昭俊
(IHE-J 病理・臨床細胞委員会、
株式会社ニコン)
東福寺 幾夫
(IHE-J 病理・臨床細胞委員会、
高崎健康福祉大学)
奥野 隆司
(IHE-J 病理・臨床細胞委員会、
オリンパス株式会社)
情報通信技術(ICT)を活用した、安全で高品質
の医療提供が求められている。
IHE (Integrating the Healthcare Enterprise)は、
(1)医療情報の保存や交換に関わる国際標準の
実装ガイドラインをテクニカルフレームワークという
文書に記述し、
(2)その実装されたシステムをコネクタソンと呼ば
れる相互接続性の検証の機会を提供することで、
安価で、簡単かつ高品質の医療情報システム構
築を目指す活動である。
病理・臨床細胞の領域でもこの 1 年間に病理部
門システムと病院情報システムや PACS、バーチャ
ルスライドとの接続などについて、国際的には
DICOM、HL-7、IHE、国内では IHE-J 病理・臨床
細胞委員会、JAHIS 等の場で活動が進展した。
とりわけ、バーチャルスライド画像に関する
DICOM の規格検討が一通り完成し、Sup.145 とい
う文書が正式に承認されたことは特筆に値する事
項であり、今後の実装実現が望まれる。
今回はこれらの活動状況を 3 つの視点から報告
し、会員諸氏のご理解を得たいと考える。
また、これまでに完成した関連ドキュメントを
CD-ROM にまとめ、会員に配布する。
-23-
IHE-02:
「国際 IHE 病理・臨床細胞部門の動向」
IHE-03:
「バーチャルスライド画像データの
DICOM規格最新状況報告」
奥野 隆司
(IHE-J 病理・臨床細胞委員会、
オリンパス株式会社)
金子 泰、由利 希良
(JAHIS 医用画像システム専門委員会
病理部門システム WG、オリンパス株式会社)
現在病理・臨床細胞部門システムと関連する医
療情報システムの接続に必要な機能とそれらの間
の情報の流れを標準的ワークフローとして設定し、
各機能をどのように接続するかを定めるガイドライ
ン「病理学テクニカルフレームワーク ボリューム 1
(統合プロファイル)」および「病理学テクニカルフ
レームワーク ボリューム 2(トランザクション)」が制
定されており、これらの文書に関しても昨年度日本
語訳版が取り揃えられ、日本 IHE-J のサイトから閲
覧が可能となっている。
さらに、2009 年 8 月 IHE-ARPH 公的機関への
レポート並びにそのレポート形式 IHE-APSR につ
いての議論が進んでいる。
今回の研究会・IHE 報告セッションでは、これら
活動の最新状況を簡単に報告するとともに、病理
部門システム WG の活動経過について報告する。
DICOM(Digital Imaging and Communic
ations in Medicine)規格は、医用画像システ
ムのデファクトスタンダードである。
顕微鏡に関係したDICOM規格は、光学顕微鏡
の画像データを規定したSupplement15、病理の
標本データを規定したSupplement122がすでに
ある。
近年のバーチャルスライドの登場と共に、DICO
M委員会のWG26において、2007年頃からSup
plement145として、そのバーチャルスライド画像
データのDICOM規格化が検討されている。
本年6月に規格制定に関する投票が行われ、正
式公布の段階となった。
本規格の最新状況を解説すると共に、システム
普及を促進させていく為の今後の課題について報
告する。
-24-
IHE-04:
「JAHIS における
”病理・臨床細胞データ交換規約 V1.0”の
検討状況報告」
近藤 恵美
(JAHIS 医用画像システム専門委員会
病理部門システム WG、
サクラファインテックジャパン株式会社)
一昨年度から保健医療福祉情報システム工業会
(JAHIS)医用画像システム専門委員会病理部門
システムWGにおいて、病理部門システムと病院情
報システム(オーダリングシステム)との連携の標準
化を目標にした病理データ交換規約(仮称)の検
討を開始した。
本活動の目的と対象範囲は、以下の通りである。
【目的】
・マルチベンダ接続として病院情報システム
(オーダリングシステム)連携のためのインター
フェースの標準化を行い、効率向上を図る。
・標準化により安全性・信頼性を向上させる。
【対象範囲】
・病院情報システムとしての病理部門システム
のマルチベンダ接続I/Fの整備。
組織診、術中迅速診、細胞診、標本診断のみ等、
オーダの種類毎にシナリオ例を作成し、検討を進
めている。
一昨年度から今年度にかけての活動状況、検討
の途中経過を報告する。
-25-
資料1:
日本テレパソロジー研究会
医、2)診断依頼側施設で標本作製および診断画
像の採取・伝送を担当する病理技師、および、3)
遠隔診断受諾者としての病理医(細胞診断医)が
含まれる。
テレパソロジー運用ガイドライン
ガイドラインの必要性と目標
テレパソロジー(telepathology: 遠隔病理診断)と
は、画像を中心とした病理情報を電子化し、種々
の情報回線を通じて他地点に伝送し、空間的に離
れた2地点、または多地点間で、狭義には病理組
織や細胞診の診断およびコンサルテーションを、
広義には診断のみならず、教育、研修、学会活動
など、病理の諸活動を行うことを言う。
テレパソロジーは旧厚生省の通達により、「対面診
療を規定した医師法第 20 条との関連の問題は生
じない。」とされ、既に法律的に認められた医療行
為となっている。また条件付き乍ら、術中迅速遠隔
病理診断に対しては保険適用が為されている。
現在までに報告された遠隔病理診断、遠隔細胞
診の診断成績は、直視下の診断と較べて大きな遜
色のないものであり、テレパソロジーは地域医療に
対して大きな貢献をして来たが、顕微鏡直視下の
診断と較べた場合に、単位時間に処理出来る画
像情報量に一定の限界が存在し、かつ使用システ
ムによって診断者の観察視野選択の自由度に関
して一定の制限が存在することは事実である。従っ
て、安全で有効、かつ責任の担えるシステム運用
を達成する為には、適切なテレパソロジーの機器
使用とシステム運用を解説するガイドラインの作成
が望まれた。
これらを踏まえて遠隔病理診断・細胞診断の実施
に当たっては、対象となる患者に対して、テレパソ
ロジーの有用性と限界について主治医から適切な
インフォームドコンセントを行う必要がある。
テレパソロジー機器の性能や使用回線の伝送能
力は絶えず向上するものである。また病理診断・細
胞診断を巡る社会情勢も絶えず変化して行くもの
と考えられる。従ってそれら変化によってテレパソ
ロジーシステムの運用法も絶えず影響を受けるも
のであるから、本ガイドラインの内容も時代変化に
適合させるべく、絶えず見直しがなされるべきもの
である。
総論的事項
(1) 遠隔病理診断、遠隔細胞診断は、それに参
加する医療スタッフが空間的に離れていても、意
思疎通良好な単一の医療チームとして機能するこ
とが求められるチーム医療である。
(2) 遠隔病理診断、遠隔細胞診断に参加する医
療スタッフは、相互の良好な意思疎通をはかる為
の環境を整備しておかねばならない。具体的には
速やかに応答可能な電話、ファックス、電子メイル
などの通信手段を相互に確保すること。良好な人
間関係を保持することなどが含まれる。
(3) 遠隔病理診断、遠隔細胞診断に直接関与す
る医療スタッフとして、1)診断依頼者としての主治
(4) 使用する遠隔病理診断システムが同期型の
場合、あるいは非同期型であっても即時の診断応
答を求める使用法を予定する場合は、遠隔診断は
原則として予約確認制で実施する必要が生じ、参
加する医療スタッフ全員の事前のスケジュール調
整が求められる。
(5) 使用する遠隔病理診断システムが非同期型
の場合、診断依頼側は診断側に対して診断・コン
サルテーションの希望内容・条件を伝え、その受
諾の可否を事前調整する必要がある。診断・コン
サルテーションが受諾された場合、診断画像の送
受信の確認が取れることが望ましい。
(6) 遠隔病理診断・細胞診断の依頼主治医は、
診断の依頼にあたって、基本的患者情報、臨床情
報の要約を遠隔病理診断医に伝える義務がある。
(7) 遠隔病理診断依頼施設の担当病理検査技
師は、主治医の依頼と指示、および必要に応じて
遠隔病理医との協議・依頼・指示のもとで、良好な
標本作製を行い、遠隔診断病理医の求めに応じ
た画像伝送、またはシステムの起動と標本の搭載
を行う。
(8) 遠隔病理診断医は、能動システム、受動シス
テムの別に拘わらず、診断情報に不足を感じた場
合には診断依頼側施設の主治医および担当病理
検査技師に標本または画像の追加を求めて診断
を行う。
(9) 業務としての位置付けをする遠隔病理診断・
細胞診断の実施にあたっては、関係施設間、また
は関係者間で文書による遠隔診断・コンサルテー
ション委託契約を締結することが求められる。
(10) 上記契約の中には、遠隔診断関与者、その
業務分担と責任、作業手順、システムの保守・管
理・維持、およびシステムの導入整備、運用に関
わる費用負担に関わる事項が含まれることが必要
である。
(11) 遠隔診断で用いた画像の全て、または診断
の決め手となった代表的画像の抜粋については、
適切な記憶媒体に保存し、必要に応じて再生可能
な状態としなければならない。
(12) 遠隔病理診断・細胞診断にあたり、診断の
前および後ともに、診断関係者全員が患者情報の
保護について義務と責任を負うものとする。特にイ
ンターネットを用いたテレパソロジーでは、特別の
セキュリティーの方策を講じない限り、直接患者の
特定につながる情報をネット上で扱ってはならない。
一方ファックスは患者情報が比較的保護され得る
古典的方法である。 またセキュリティー目的で行
-26-
われる患者の匿名化と解読の過程では、患者情報
の取り違えが起こる危険性を潜在的に孕むが、患
者と画像の同一性については、繰り返し万全の注
意を払ってこれを確認しなければならない。
----------------------------------------術中迅速遠隔病理診断・コンサルテーションの環
境整備と具体的手順
(遠隔操作型自動化顕微鏡使用能動診断システ
ムを用いた場合)
診断依頼側病院におけるテレパソロジー実施の基
本環境の整備
1)診断依頼側としてテレパソロジーを責任担当出
来る医療チームを構成すること。具体的には;
(1)使用するテレパソロジー機器について、充分
な基礎知識と基本操作技術を持った、医師および
技師を配置すること。
(2)病院内に迅速凍結切片標本および迅速細胞
診の標本作製の機器整備が適切に行われ、かつ
迅速凍結切片標本および迅速細胞診の標本作製
技術をもった検査技師を配置すること。
2)テレパソロジーの円滑な運用の為に、テレパソ
ロジー担当者に次の連絡手段を確保すること。
(1)患者情報の秘守が保証され、かつ速やかな応
答が可能なファックス
(2)テレパソロジー用に常時速やかに応答し得る
電子メイル
3)遠隔病理診断・コンサルテーションに参加する
医師、技師、および遠隔診断病理医の三者の良
好な意志疎通を常に保持すること。
遠隔診断実施の具体的手順
1)遠隔病理診断・コンサルテーションを依頼する
病院(以下依頼側施設)は、遠隔病理診断・コンサ
ルテーションの必要が発生した都度、直ちにその
旨を、診断受託側施設(以下受託側施設)に伝え、
両者の事前協議による日程および時間調整を経
て、遠隔病理診断の実施を予約する。
2)事前予約により実施の決まった遠隔病理診断・
コンサルテーションに対して、診断依頼側施設、診
断受諾施設双方の関係者は、その日時に合わせ
て、遠隔診断の実施に対して充分な態勢を整え
る。
3)診断依頼側施設の主治医は、予定される遠隔
診断症例の臨床情報の要点、提出予定検体の臓
器種別、提出個数、および遠隔診断の目的を、診
断受諾施設の担当病理医に事前に伝えることを義
務とする。
4)診断依頼側施設の主治医または検査技師は、
遠隔病理診断あるいは遠隔細胞診断用の検体が
提出された時点で、「検体が提出され、これから標
本作製に取りかかること」を、診断受諾側施設の担
当病理医に電話で伝える。
5)4)を受けた診断受諾側施設の担当病理医は、
直ちに遠隔診断受信用システムを立ち上げ、診断
画像情報の受信に対して待機する。
6)診断依頼側施設の担当検査技師は、遠隔病理
診断用の組織標本または細胞診標本を作成後、
直ちにそのスタート画像を取り込み、患者基本情
報とともに診断受諾側施設の担当病理医宛て、送
信する。
7)6)の送信情報を受信した診断受諾側施設の担
当病理医は、顕微鏡遠隔操作により診断を進める。
また必要に応じて診断依頼側施設の主治医また
は同担当技師に、患者または検体情報の追加を
求める。
8)診断受諾施設の担当病理医は、7)で得られた
診断過程と結果を、音声情報で直接主治医に伝
えるとともに、診断依頼側および診断受諾側施設
双方で同期・共有するコンピュータ画面上に、決め
手となった診断画像情報を提示し、かつ診断結果
を文字情報に表して、確実に主治医に伝えることと
する。
9)診断依頼側施設の担当検査技師は、遠隔診断
が終了後、用いた組織切片標本または細胞診標
本を、速達または宅急便などの速やかな方法によ
り、遠隔診断を行った担当病理医の元へ届けるこ
ととする。
10)遠隔病理診断を担当した病理医は、9)で送ら
れた組織切片標本または細胞診標本を受け取り
次第、直接顕微鏡下にこれらを観察し、再度診断
を行い、遠隔診断の正誤を判定する。
11)10)において遠隔診断に誤りがあったことが判
明した場合は、そのことを遅滞なく診断依頼側施
設の主治医に伝え、正しい診断結果を改めて伝え
ることとする。
12)遠隔病理診断の結果は、観察した画像情報
の全てとともに、適切な電子媒体に保存記録し、必
要な場合には直ちに再生出来るようにする。
13)診断依頼側施設のテレパソロジー関係者と、
診断受諾側施設のテレパソロジー担当病理医とは、
定期的に直接対面の会合を持ち、内外のテレパソ
ロジーに関する諸問題の情報を共有し、テレパソロ
ジーのより良き運営方法と活用法を検討する
2005.08.27
文責:日本テレパソロジー研究会・庶務幹事
土橋康成
-27-
資料2:
日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー
研究会、日本臨床細胞学会合同
っては、目的に適したシステム選択をする必要が
あることは言うまでもない。
画像観察法による分類:
1)静止画システム
2)動画システム
テレサイトロジー運用ガイドライン
はじめに:ガイドライン作成の経緯と目標
細胞診(cytology)は、使用される技術および診断
手続きなどが、病理組織診断の場合とは異なる点
が少なくない。従ってこれを遠隔で行うテレサイトロ
ジーも、組織を対象としたテレパソロジーとは異な
った側面を有するものである。 テレパソロジーの
運用ガイドラインは、2005 年8月に、日本テレパソ
ロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会(旧日
本テレパソロジー研究会)において作成されたが、
それは主に術中迅速組織診断を行う場合を想定し
ていた。 従ってそのガイドラインをそのままルーチ
ンを含めた遠隔細胞診に適用すると不具合な点が
少なからず出てくるのが避けられなかった。 そこで
細胞診の特性を充分に踏まえた、遠隔細胞診専
用の運用ガイドラインを作成する必要が生じていた。
一方臨床細胞学会においては、平成 11 年の会長
(杉下 匡先生)諮問「テレサイトロジー検討委員会
報告」があり、また数次に亘る学会ワークショップや
シンポジウムにおいてテレサイトロジーに関する議
論が深められて来た。 そして平成 18 年 11 月、日
本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研
究会と日本臨床細胞学会は合同で、「テレサイトロ
ジー運用ガイドライン作成の為の委員会」を立ち上
げ、約半年の検討を経て、本編が作成された。
目 標:
本ガイドラインは、術中迅速細胞診のみならず、
ルーチンの細胞診も対象とし、それらが”遠隔”の
状況においても、電子的手段を用いて安全にかつ
有効に行われるために必要な手続き、方法および
注意点を明らかにすることを目標とした。 また遠隔
細胞診の基本的技術課題についても一定の解説
を付すこととした。
総論的事項
遠隔細胞診(テレサイトロジー:telecytology)の定
義と類型:
遠隔細胞診(テレサイトロジー:telecytology)は、細
胞診ガラス標本上の細胞像をデジタル情報化し、
それらを種々の回線を通じて遠隔地に伝送し、そ
こでモニター上に細胞画像として再現し観察する
ことにより、遠隔の2地点、または多地点間で、狭
義には細胞診断やコンサルテーションを、広義に
は細胞診教育、研修、学会活動など、細胞診断学
の諸活動を行うことを言う。 顕微鏡画像診断の広
領域を扱う広義のテレパソロジー(telepathology:
遠隔病理診断)の一分野に含まれる。
また遠隔診断システムは、構成要素の物理的、機
械的側面の違い、画像観察法および運用法の違
いなどから、様々に分類出来る。 その分類の代表
的なものを以下に列挙したが、各システムには長
所および短所があり、テレサイトロジーを行うにあた
画像の取得側と遠隔観察側との画像同期状態に
よる分類:
1)同期システム
2)非同期システム
観察視野選択権の違いによる分類:
1)受動診断システム
2)能動診断システム
画像取得のタイミングと範囲および画像観察法の
違いによる分類:
1)バーチャルスライドシステム
1)-1 カメラ画像タイリングシステム
1)-2 ラインセンサーシステム
2)非バーチャルスライドシステム
使用回線の物理的種別による分類:
1)メタル回線システム
2)光ファイバーシステム
使用回線の帯域による分類:
1)ナローバンドシステム
2)ブロードバンドシステム
使用回線の運営様態による分類:
1)公衆回線システム
2)専用線システム
3)インターネットシステム
テレサイトロジーと法律:
平成9年12月24日の旧厚生省の通達、健政発第
1075 号 ”情報通信機器を用いた診療(いわゆる
「遠隔診療」)について” により、「遠隔診療のうち、
医療機関と医師または歯科医師相互間で行われ
る遠隔診療については、医師又は歯科医師が(地
域医療機関で)患者と対面して診療を行うものであ
り、(対面診療を規定した)医師法第 20 条および歯
科医師法20条との関連の問題は生じない---」とさ
れ、遠隔診療のうち病理画像等の遠隔診断は法
律上容認されるとの見解が示されている。 テレサ
イトロジーは上記の病理画像等の遠隔診断に含ま
れるものである。
チーム医療としてのテレサイトロジー:
テレサイトロジーはチーム医療の一つであり、参加
する各メンバーが空間的に離れていても、意思疎
通良好な単一の医療チームとして機能出来るよう
にしなければならない。
テレサイトロジーの診断限界:
現在までに報告されたテレサイトロジーの診断成
績は、従来の顕微鏡直視下の細胞診断と較べて
大きな遜色のないものであった。しかし乍ら少なく
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とも現時点では、遠隔診断では顕微鏡直視下の診
断と較べた場合に、単位時間に処理出来る画像
情報量に一定の限界が存在し、また遠隔診断者
の細胞観察の自由度にも一定の制約があることも
事実である。 従って、遠隔診断の成績が、顕微鏡
直視下の診断成績を超えることは理論上あり得ず、
遠隔診断者はこのことを常に念頭に置き、自らの
遠隔診断成績が顕微鏡直視下の診断の場合に限
りなく近づくよう努力をしなければならない。
細胞診における業務分担とテレサイトロジー:
細胞診は形態系検体検査の一つに含まれており、
主治医と細胞検査士および細胞診専門医の3者
が、分担・連携・共同して行うべき医療業務となっ
ている。 そのワークフローは通常次の3段階に分
けられる。すなわち、1)まず主治医が細胞検体の
採取と場合によってはその1次処理(塗抹と固定)
を行い、2)次に細胞検査士が検体処理と標本作
成およびスクリーニングを行い、3)そして最後に細
胞診専門医が、細胞検査士との共同体制のもとで、
細胞判定と診断を行う。
現在までのところ、テレサイトロジーは上記ワークフ
ローの内、2)のスクリーニング終了後以降のプロセ
スを遠隔で行うことが適切である。
テレサイトロジーに於けるスクリーニングの位置づ
け:
上述プロセス2)のスクリーニングは、膨大な量の画
像情報処理が行われる過程である。従ってこれを
遠隔状況下で行うことはバーチャルスライドの場合
を含めてなお困難である。 現在までのところ普及
型コンピュータの能力、および普及型の商業回線
の伝送能力は、スクリーニングで発生する画像情
報を実用時間内に処理することを可能としていな
い。 したがって、スクリーニングは患者と主治医お
よび細胞検査士のいる地域病院側の on site の
作業として位置付けなければならない。
テレサイトロジーに於けるセキュティー:
テレサイトロジー実施にあたり、診断の前および後
ともに、診断関係者全員が、患者情報の保持につ
いて特段の注意を払う必要があり、その保護につ
いて義務と責任を負うものとする。
ガイドラインの逐次見直しの必要性:
テレサイロトジー機器の性能および使用回線の伝
送能力などの機能的要素は、絶えず変化・向上す
るものである。また医療を巡る社会情勢や価値観も
絶えず変化して行くものと考えられる。従って本ガ
イドラインはそれら変化に対応すべく、絶えず内容
の見直しと改訂を重ねることとする。
各論的事項
(1) テレサイトロジーに参加する医療スタッフとし
て、1)診断依頼側施設の主治医、2)同じく診断依
頼側施設で細胞標本作製、スクリーニングおよび
診断画像の採取・伝送を担当する細胞検査士、お
よび、3)遠隔診断受諾者としての細胞診専門医が
含まれる。
(2) テレサイトロジーに参加する医療スタッフは、
相互に良好な意思疎通をはかる為の環境を整備
しなければならない。具体的には速やかに応答可
能な電話、ファックス、電子メイルなどの通信手段
を確保するとともに、良好な人間関係を保持しなけ
ればならない。
(3) 術中迅速遠隔細胞診では、これを担当する
細胞検査士および遠隔診断担当医の同時スタン
バイが求められる。 従って原則として予約制で実
施するものである。
(4) ルーチンの細胞診を遠隔で行う場合は、診断
画像情報のやり取りの仕方、細胞判定の方法およ
び細胞診断の返答の仕方などについて、診断依
頼側と診断受諾側施設の当事者間で事前の協議
と了解を成立させておかねばならない。
(5) テレサイトロジーを依頼する地域病院側主治
医は、診断依頼時に、基本的患者情報および臨
床情報の要約を、遠隔細胞診断医に伝える義務
がある。
(6) テレサイトロジーの依側施設の細胞検査士は、
主治医および遠隔細胞診断医の、依頼と指示のも
とで、良好な標本作製と、適切なスクリーニングを
行う。 また遠隔診断システムを起動し、必要に応
じて標本を機器に搭載する。 適切な画像選択お
よび画像伝送は、細胞検査士の役割であるが、そ
の適切性の維持と向上のために、細胞検査士と遠
隔細胞診断医とは、診断精度向上のための協議
を絶えず行うことが必要である。
(7) 遠隔細胞診断医は、能動システム、受動シス
テムの別に拘わらず、診断情報に不足を感じた場
合には、直ちに診断依頼側施設の主治医および
担当細胞検査士に対して、患者情報の追加や、標
本または画像の追加を求めるべきである。
(8) 業務としての位置付けをするテレサイトロジー
の実施にあたっては、関係施設間、または関係者
間で文書による遠隔診断・コンサルテーション委託
契約を締結することが求められる。
(9) 上記契約の中には、遠隔診断関与者、その
業務分担と責任、作業手順、システムの保守・管
理・維持、およびシステムの導入整備、運用に関
わる費用負担に関わる事項が含まれることが必要
である。
(10) 遠隔診断終了後、少なくとも診断の決め手
となった代表的画像については、適切な記憶媒体
に保存し、必要に応じて再生可能な状態としなけ
ればならない。
(11) ガラス標本での診断レビュー: 遠隔診断さ
れた細胞診症例のうち、可及的多数症例について、
ガラス標本の直接検鏡レビューによる診断検証を
行うこととし、診断精度保証に役立てる。
-29-
(12) インターネットを用いたテレサイトロジーでは、
特別のセキュリティーの方策を講じない限り、直接
患者の特定につながる情報をネット上で扱っては
ならない。 一方ファックスは患者情報が比較的保
護され得る古典的方法である。
撮影が必要になる。
(13)セキュリティー保持の目的で行われる患者の
匿名化と、匿名化情報の解読の過程では、患者情
報の取り違えが起こる危険性を潜在的に孕む。従
って患者と診断画像の同一性については、繰り返
し万全の注意を払ってこれを確認しなければなら
ない。
4) 画像転送の方法: さまざまの方法が容認され、
特定の ftp サーバ、SQL サーバなどに保存先を用
意する方法、これに対し特定のサーバを持たない
電子メールへの添付なども考慮される。前者では
プラットホームに依存しないクライアントソフトウエア
でサーバに接続できることが望ましい。後者の方法
では画像は依頼側、診断側の双方で保存されて
いることが必要である。いずれの方法でもテレサイ
トロジーに限定した独自の症例番号を付与して管
理すべきである。
(14) テレサイトロジーにおけるデータベースの構
築と診断精度保証:
テレサイトロジー診断を通じて、患者臨床情報、細
胞所見・診断などを含むテキスト情報と細胞画像
情報とを結合させた診断データベースを構築する
ことが出来る。 テレサイトロジーの診断精度保証
は、通常の細胞診の場合と同様であり、それを上
記の診断データベースを用いて、電子的手続きと
してより効率的に行うことが可能となる。
5) 意見交換の方法: 症例紹介、討論、診断など
のコメント交換はさまざまの方法が容認され、特定
のサーバなどに保存先を用意する方法、これに対
して特定のサーバをもたないで、電子メールのよう
に単にコメントを交換することなども考慮される。
前者ではプラットホームに依存しないクライアントソ
フトウエアでサーバに接続できることが望ましい。
後者の方法では依頼側、診断側の双方で保存さ
れることが必要である。
基本的技術解説など
平成19年5月23日
1) 現在テレサイトロジーでは、テレパソロジー専用
機器、リアルタイムの顕微鏡動画像、バーチャルス
ライドなどが利用可能となっている。 これらには高
額の設備投資を必要とし、また運用体制構築上の
問題なども随伴することを無視できない。 一方、
顕微鏡静止画像を取得し、インターネットを用いて
伝送し、これにかかわるコメントをやり取りして判
定・診断する簡便な方法も行われて来たが、その
精度が劣る訳ではない。
日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー
研究会-日本臨床細胞学会 合同
テレサイトロジー運用ガイドライン作成委員会
2) 画像の質に関して: 共有する画像は通常デジ
タル静止画像であり、そこでは画像サイズが
1280x960 ピクセル、8 ビットカラー深度(RGB で
1670 万色)以上が推奨される。ただし画像サイズ
はこれよりも小さいものも必要に応じて利用可能で
ある。デジタル圧縮は容認されるが一般に普及し
ている方法、例えば JPEG 形式などによることが望
ましい。デジタルカメラのセンサーの画素の多さは
画像の鮮明さとは直接関係しないが、多くの情報
を得る方法としては多い方が望ましい。なお、ディ
スプレィの表示画素数を超えた画像はウインドウの
スクロールなどの操作を加えないと表示できないの
で注意を要する。現時点では、デジタル画像は顕
微鏡を直接観察するよりも分解能が十分と言えな
いが、撮影者の意図した所見が観察者により容易
に認識されるのであれば許容される。
委員長 土橋康成
(財)ルイ・パストゥール医学研究センター
委 員
山城 勝重
平井 康夫
長村 義之
佐々木 毅
白石 泰三
安達 博信
谷山 清己
吉見 直巳
川村 直樹
布引 治
3) 画像の枚数: 診断依頼を行う検査士は診断に
必要な可及的に多くの画像を撮影することが望ま
しいが、撮影者(依頼者)、観察者(診断者)の負
担を考えて 30 枚を越えないようにしたい。経験的
には、多くの症例ではおよそ 10 枚程度の画像で十
分に所見を伝えることが可能と思われる。静止画
像故に 1 枚の JPEG 画像ファイルでは焦点を変え
た表現が出来ないので必要に応じて焦点を変えた
-30-
(北海道がんセンター)
(癌研究会付属病院)
(東海大学)
(横浜市立大学)
(三重大学)
(元鳥取大学)
(呉医療センター)
(琉球大学)
(市立稚内病院)
(神戸常磐短大)
資料3:
日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー
研究会会則
(2001 08.25 設立総会承認)
(2005 08.27 総会改訂承認)
(2006 08.26 総会改訂承認)
第一条
会の名称:
本会を日本テレパソロジー・バーチャルマイクロ
スコピー(VM)研究会と称し、その英語名は、
Japanese Research Society of Telepathology and
Pathology Informatics (JRST-PI)とする。
第二条
目 的:
本会は日本におけるテレパソロジー及び関連病
理情報学の研究、応用、及び普及を目指す諸活
動を行い、以て医学医療の発展に寄与することを
目的とする。
第三条
会員組織:
本会は、第二条の目的に賛同する、次の個人会
員および団体賛助会員から構成される。
(1)個人会員: テレパソロジーや病理情報学に携
わる病理医、臨床医、臨床検査技師、テレパソロジ
ーを中心とした病理情報システム開発とシステム運
用に携わる官民関係者、および本会目的に賛同
するその他の個人で、幹事会が入会を承認した
者。
(2)団体賛助会員: 本会の目的に賛同し、本会
を賛助する企業、法人、その他の社会団体で、そ
の資格と権利を別途の定めに規定する。
第四条
役員組織:
本会の目的達成の為、会長一人、庶務、企画お
よび会計を担当する幹事数名、及び監事二人を
おくこととする。
第五条
役員の選任:
(1)会長:幹事の互選により会長を選任する。
(2)幹事:個人会員の互選により幹事を選任する。
(3)庶務、企画、会計担当幹事:会長による指名と
幹事会の承認を経て、庶務、企画、会計担当幹事
を選任する。
(4)監事:会長による指名と幹事会の承認を経て、
幹事以外の個人会員から監事二人を選任する。
第六条
役員任期:
各役員の任期は2年とし、再任を妨げない。
第七条
事 業:
本会の目的達成の為、以下の定例及び随時の
会合を開催する。
(1)春・秋に開催する定例幹事会
(2)年一回の総会・研究会
(3)その他
第八条
会 計:
本会の運営に係る、通信費、交通費、会場費、そ
の他事務経費は、個人会員からの年会費及び団
体賛助会員からの会費を以て充てることとする。
第九条
会計年度:
本研究会の会計年度は、4月から始まり、翌年3
月末日までとする。
第十条
会計報告と監査:
会計担当幹事は、旧年度の会計をまとめ、春期
開催の定例幹事会に報告し、了承を得たあと、監
事による監査を受ける。
監事は会計監査結果を、直近の年次総会時に
全会員に報告し了承を得ることとする。
第十一条
会 費:
(1)個人会員:年会費を 3,000 円とする。
(2)団体賛助会員:1賛助団体・法人・企業あたり、
年額 50,000 円とする。
第十二条
事務局:
本会の事務局は会長の指名する施設に置くこと
とする。
第十三条
会則の変更:
本会の会則の変更は、幹事会の協議を経て総会
に於いて決定することとする。
第十四条
会則に定めのない事項の扱い:
本会則に定めのない事項については、幹事会で
協議決定し、総会に於いて報告することとする。
附
則:
一、本会発足の平成13年に限り、役員の選任を研
究会設立世話人会に於いて行い、設立総会での
承認を経て、その任期を平成15年3月末までとす
る。
ニ、本会則は、平成13年8月25日開催の設立総
会にかけて、承認発効することとする。
団体賛助会員に係わる別途の定め
(2001 09.11 日本テレパソロジー研究会幹事会決
定)
(2004 04.13 日本テレパソロジー研究会幹事会改
訂決定)
(1)団体賛助会員の定義:日本テレパソロジー研
究会団体賛助会員とは、同研究会規約第3条の
(2)に規定されたもの、つまり同研究会の目的に
賛同し、同研究会を賛助する企業、法人、その他
の社会団体をいう。
(2)賛助会員申し込み:団体賛助会員になろうとす
るものは、書面を以って日本テレパソロジー研究会
事務局宛てに随時申し込むものとし、年会費の支
払いと幹事会承認を以てその会員資格を得るもの
とする。
(3)団体賛助会員は、日本テレパソロジー研究会
の活動状況を知る権利を有し、総会を含めた同研
究会の諸活動に代表者を出席させることができる
こととし、1賛助団体・法人・企業あたり3人まで、会
費 3,000 円で研究会総会に出席可能とする。
(4)団体賛助会員は日本テレパソロジー研究会総
会および各種委員会での決議権を有さない。
(5)本規定の制定、改廃は幹事会で決定し、総会
に報告する。
-31-
日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー
研究会(日本TP・VM研究会)
Japanese Research Society of Telepathology and
Pathology Informatics (JRST-PI)
2010 役員名簿
会長
・土橋 康成
(財団法人ルイ・パストゥール
医学研究センター・臨床病理研究部)
相談役
・澤井 高志
・井藤 久雄
特別会員相談役
・向井 清
・佐々木 功典
(岩手医大病理)
(鳥取大学病理)
(東京都済生会中央病院病理)
(山口大病理)
外部アドバイザー
・松野 吉宏
(北海道大学病理)
内部アドバイザー
・長谷部 孝裕 (国立がんセンター)
監事(2名)
・大城 政文
・高松 輝賢
(浜松ホトニクス株式会社)
(株式会社クラーロ)
(以上敬称略)
庶務担当幹事
・白石 泰三
(三重大学腫瘍病態解明学)
企画担当幹事
・白石 泰三
・山城 勝重
・森 一郎
・渡辺 みか
・東福寺 幾夫
(三重大学腫瘍病態解明学)
(北海道がんセンター)
(和歌山県立医科大学病理学)
(東北大学)
(高崎健康福祉大)
会計担当幹事
・吉見 直己
(琉球大学医学部病理)
事務局
その他幹事
【臨床細胞技師・細胞検査士 1名】
・布引 治
(神戸常盤大学保健科学部)
【企業・行政・その他 3名】
・鈴木 昭俊
(株式会社ニコン)
・奥野 隆司
(オリンパス株式会社)
・近藤 恵美
(サクラファインテックジャパン株式会社)
【会長推薦による幹事】
・長村 義之
(国際医療福祉大三田病院・
日本臨床細胞学会理事長)
・平井 康夫
(がん研有明病院)
・谷山 清巳
(呉医療C・中国がんセンター)
・園田 晴久
(株式会社ニコン)
・猪山 賢一
(熊本大学病理部)
・森谷 卓也
(川崎医大病理)
日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー
研究会事務局(財)ルイ・パストゥール医学研究セ
ンター 〒606-8225 京都市左京区田中門前町 103-5
TEL:075-712-6009 FAX:075-712-5850
担当:津久井淑子
[email protected]
テレパソロジーポータルサイト
http://telepathology.iwate-med.jp/
-32-
機器展示とバーチャルスライドシステム等講習会
(三島市民文化会館 3 階 第1会議室)
【展示時間】
9月25日(土) 9:00 ~ 18:00
(15:45~17:00 講習会)
9月26日(日) 9:00 ~ 14:00
②
④
【みどころ】 (ランチョンセミナー順)
③
⑨
① ライカマイクロシステムズ株式会社
⑤
⑦
<展示品:スライドスキャナ SCAN420>
ライカ独自のダイナミックフォーカス機構は
①
⑥
常にフォーカスを合わせ高速でスキャン、
標本全面にピントが合った高画質が可能です。
3階 第 1 会議室
100 枚までのZスタックや 384 スライド対応
オートローダーも利用できます。
② ユーエスディ株式会社
<展示品:遠隔病理診断支援システム μPixerⅡ/rPixerⅡ>
術中迅速診断における一連の動作がご覧いただけます。
①20インチ大画面フル画像による高精細の動画観察がご覧いただけます。②各種遠隔操作の体
験ができます。③タイリング動作、遠隔動作、依頼書、報告書、TV 電話等がご覧いただけます。
③ サクラファインテックジャパン株式会社
<展示品:病理検査支援システム CNA-Net 病理検査システム>
病理のトータルソリューションプロバイダー・サクラファインテックジャパンが提供する病理システムは、
これまでに導入してきた90以上のご施設での経験をフル活用。
更なる使いやすさを目指し、進化し続けています。
④ 株式会社インテックシステム研究所
<展示品:テレパソロジーシステム Exfinder>
ハイビジョンクラスの動画像で診断が行えるテレパソロジーです。
遠隔の顕微鏡をリアルタイムにレスポンス良く操作できます。
6Mbps 程で伝送が可能なので、一般のフレッツ回線やモバイルでの通信にも対応しています。
⑤ アピリオ・テクノロジーズ株式会社
<展示品:ScanScopeCS システム>
アピリオデジタルパソロジーシステムは、世界一の導入台数を誇り、テレパソ分野で多くのお客様に
ご利用を頂いています。
そこで本講習会では、デジタルカンファレンス機能を中心に実演形式でご説明をさせて頂きます。
⑥ 浜松ホトニクス株式会社
<展示品:高速・高解像度バーチャルスライド・スキャナ>
多くの実績があるバーチャルスライド・スキャナ NanoZoomer 2.0 シリーズを実機展示いたします。
スキャンを体験いただきながら、実際の運用例から今後の運用に関しても説明いたします。
⑦ 株式会社クラーロ
<展示品:コンパクトバーチャルスライドスキャナ LINCE(リンセ)>
パーソナルユースを追求した卓上型スキャナ。標本 5 枚を連続撮影、最速のビューワーを使って
画像観察。コンパクト、ストレスフリー、リーズナブルプライスを目指すクラーロの新製品です。
⑧ オリンパス株式会社
⑨ 株式会社ニコン
<展示品:バイオ関連製品紹介>
ビデオ上映にてバイオ関連製品をご紹介いたします。
-33-
本研究会をご支援戴きました下記の
賛助会員、出展企業各社に深謝申し上げます。
【日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会賛助会員、出展企業各社】
・ アピリオ・テクノロジーズ 株式会社
・ 株式会社 インテックシステム研究所
・ オリンパス 株式会社
・ 株式会社 クラーロ
・ サクラファインテックジャパン 株式会社
・ 株式会社 ニコン
・ 株式会社 ニコンインステック
・ 浜松ホトニクス 株式会社
・ ライカマイクロシステムズ 株式会社
・ ユーエスディ 株式会社
第9回 日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会総会 プログラム・抄録集
発行:2010.09.01 日本テレパソロジー・バーチャルマイクロスコピー研究会
事務局 財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター内
〒606-8225 京都市左京区田中門前町 103-5
TEL:075-712-6009 FAX:075-712-5850
発行人:土橋 康成
印刷所:株式会社 こだま印刷所
〒604-8455 京都市中京区西ノ京藤ノ木町 16
TEL:075-841-0052
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