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分析手法詳細編B0211 2015/06/18 2015/06/18
XPS・AESによる深さ方向分析の比較
XPS: X線光電子分光法 AES: オージェ電子分光法
概要
XPSとAESは表面敏感な分析手法でありサンプル表面の評価に広く用いられますが、イオンエッチング
を併用することで深さ方向の分析が可能となります。
深さ方向分析を行うにあたり、測定したい領域やサンプルの材質に応じてXPSとAESを適切に使い分け
ることが、目的に沿った分析を行う上で重要です。
XPSとAESの深さ方向分析の特徴について、SUS不動態膜の分析を例として比較します。
データ
■ XPS
原子濃度( % )
100
Fe2p スペクトルの深さ方向状態評価例
Fe
80
金属 Fe
60
内部側
Fe
40
C
20
O
Cr
FeOx
Ni
0
0
2
4
6
スパッタ時間( min. )
8
10
XPSは定量精度が高く、化学結合状態の評価を行うこと
が可能です。また、絶縁物でも測定可能です。
一方で、微小領域を狙うことは苦手です。
表面側
Binding Energy(eV)
■ AES
原子濃度( % )
100
SEM 像 x1,000 倍
80
Fe
O
60
40
C
Fe
20
Cr
Ni
0
0
2
4
6
8
20μm
10
スパッタ時間( min. )
AESはXPSと比較して定量精度が低く、化学結合状態も評価出来ません。また、電子線を用いるた
め絶縁物の測定は困難です。
一方で、SEM像を取得することが可能で、微小領域を狙うことが可能です。
■ XPS・AES 深さ方向分析比較表
手法
定量精度
結合状態評価
空間分解能
絶縁物
料金
XPS
○(1atomic%程度)
○
△(数十m以上)
○
△
AES
△(数atomic%程度)
×
○(数十nm以上)
×
○
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