第 48巻第 6号(通巻第 号)

1
3
8
ー3
9
0
0
ISSN 0
)
号
9
3
巻 第 6号 ( 通 巻 第 2
8
地 学 教 育 第4
0日発行
1月3
年1
5
9
9
1
1日 第四種学術刊行物認可
1月2
1年 1
昭和4
年 6回発行)
(
)
第 48巻 第 6号 ( 通 巻 第 239号
1995年 11月
目 次
原著論文:
)
4
2
1∼2
1
・ ・−久保田 誇・鈴木美好・時政典孝…( 2
.
.
.
…
−
−
・ ・
.
.
.
.
.
太陽黒点相対数について・・ ・ ・
)
9
2
2
∼
5
2
2
(
…
彦
和
田
々
間
−
−
・
・
.
.
.
…
−
−
・
・
ルの開発…...
地盤の液状化モデ
ボトルを使用した
P ET
)
6
3
2
∼
1
3
2
(
…
彰
原
萩
−
−
・
・
.
.
.
.
・
・
.
.
.
.
.
.
・
・
実践・
能に関する授業
高等学校地学における自然放射
H
H
H
H
H
H
H
H
H
H
資料
古流系解析からみた地質学(堆積学)及び地学教育研究史
ー そ の 2 :スランプ構造及び漣痕一
)
0
5
7∼2
3
…・長沼幸男・長浜春夫・照井一明…( 2
紹介小林和男著:生きている深海底
)
0
3
2
(
追 悼 名 誉 会 員 西 尾 敏 夫 氏 を 悼 む ( 表 2)
日本地学教育学会
4 東京都小金井市貫井北町 4ー 1 東京学芸大学地学教室内
8
1
追 悼
本会名誉会員
東京学芸大学名誉教授西尾敏夫氏には,平成 7年 1
0月 2日に腎不全のた
め逝去されました。享年86歳
。
同氏は昭和 9年東北帝国大学理学部をご卒業になり,同学部副手,八雲鉱業株式会社,
世田谷中学校,樺太庁殖産部鉱務課,山口高等学校を経て,昭和 1
6
年第二高等学校教授,
昭和24年 8月に東京第一師範学校教授として,同時に兼任で東京学芸大学助教授として赴
任され,以来昭和47年まで同学に在職され,地学教室教官として多くの有為な教育者・研
究者の養成に尽力され,多大な功績を残されました。
同氏の専門は地質学,地形学ならび、に地学教育で,第二次世界大戦前には,樺太(サハ
リン)の炭田その他の地質調査,山口県鹿野町輝安鉱鉱床調査,鬼首の地質・地形・間歌
泉の調査,宮城県広瀬川上流部地質調査等の研究に従事されました。東京学芸大学に就任
後は,主に房総半島の地質・地形ならびに古生物の研究に勤しまれ,またそれらについて
学生の指導に当たられました。温厚な人柄により多くの学生から慕われ,定年退職後も多
数の卒業生が同氏宅を訪れました。地質学鉱物学に関する幾多の論文や啓蒙書,また地球
の歴史,地球の進化史についての書籍を出版されました。日本地学教育学会,日本地質学
会,日本古生物学会,そして日本地理学会の会員として長年活躍されました。中でも日本
地学教育学会では,昭和41年第一回海外巡検団の団長としてヨーロッノ七アメリカ,ハワ
イの各種地学事象・博物館・天文台などを視察して回り,これは以後回を重ねることにな
った海外巡検の嘱矢となりました。また本会の会計監査や副会長を務めるなど,地学教育
の普及発展に尽力されました。
慎んでご冥福をお祈り申し上げます。
平成 7年 1
0月1
5日
ご遺族の住所は下記のとおりです。
干1
7
8東京都練馬区東大泉 5∼1
0∼ 8
(東京学芸大 学石井醇)
4ペ ー ジ
2
1∼2
1
9号) 2
3
巻 第 6号(通巻第2
8
地 学 教 育 第4
1月
5年 1
9
9
1
太陽黒点相対数について
久 保 田 露 * 1 .鈴木美好* 2 .時政典孝* 3
8年 7月
8
9
黒点相対数の 観測の例とし て,鈴木美好 が 1
対数の計算を
2日に行なった太陽面のスケッチと黒点相
. 太陽黒点相対数とは
1
Wolf(1816-1893)が太陽面に 現れる黒点の 数を記録
するために考案した黒点相対数(あるいは,ウオルフ数)
m,焦点距離llOOmmの屈折望遠
m
3
0
示そう。観測 は口径 1
5
鏡にとりつけた投影板の上に置いた白紙に太陽の像を 1
m直径に拡大して投影する。投影した太陽像の中の黒い
c
2年以
5
8
は,手軽に記録できる黒点数の指標値として, 1
来,国際協同観測により毎日の記録が続けられている。
黒点の像を鉛筆でなぞりながらスケッチしたものである
図 1)。図で明らかなように太陽面に 6個の黒点群があ
(
また,この相対数の計算方法も Wolfが創始して以来,
現在に至るま でほとんど変 わることなく 踏襲されてい
5個である。従っ
8
り,これらに 含まれる黒点 の総数は 1
R=10
点相対数は
, k= 1とするならば,この日の黒
て
る。それは次のような指標値である。ある日,太陽面に
g個の黒点群が あり,それぞ れの黒点群に 含まれている
IDCが発表した 1988年
× 6十 185=245となる。一方, S
黒点の総数が f個あった場合 ,その日の黒 点相対数 R は
1となる。勿論, kの
5
.7
についての k値は 184/245=0
値の正確な決 定は一回だけ ではなく,数 多くの観測を 使
0g+f)
1
R =k(
(1)
の式を使って計算される。ただし, kは観測に使った望
遠鏡の性能や 観測者自身の 観測方法によ って決まる常 数
である。太陽 面に現れる黒 点のほとんど はいくつかの 黒
4なので,この 観測
8
7月 2日の黒点相対数の確定値は 1
って統計的に決める必要がある。
個々の観測者が求めた黒点相対数の値は各国のセンタ
ーに報告され ,ベルギーの プリュッセル にある SIDCに
点の集合した 黒点群であっ て,単独の黒 点
は少なし、。しかし,この方法では単独の黒
点であっても 一つの黒点群 と見なして計 算
する。従って ,もし太陽面 にただ一つの 小
さい黒点しか無かった場合でも, k= 1と
するならば,その日の黒点相対数は 11とな
る。また, k= 1の場合は Wolfの使った
倍の屈
4
m,倍率6
c
O
l
m,焦点距離l
c
5
.
口径7
の
観察し,黒点
折望遠鏡を使 って太陽面を
. ・か•)1
数を直接に眼 で見て数えた 場合に相当す
る。個々の観測者は自分自身が求めた黒点
-~1 •
7
1
〔
H
晶
怠r
plh
aj
JJdぽ伊
相対数の値を国際太陽指数データセンター
;SIDC)から公表さ
r
e
t
n
e
ac
t
a
xd
e
d
n
ri
a
l
o
S
(
、
t
R
久宅
5~品、負心 (17)))
I
J
.
Z
1
f
l
J
,
‘
れる確定値と比較して,自分が行なってい
る観測についての kの値を知る。この値を
~
?
の
;
;
;
使って,その 次からはより 正しい黒点相 対
数の観測ができることになる。
\
大阪経済大学
*I
三重県立津高校
事
2
車
3
兵庫県立はりま 天文台
0日受付
5年 3月2
9
9
1
6日受理
9月1
図
年 7月 2日の太陽面スケッチ。記入された数字は黒点群の
8
8
9
1:1
通し番号。直線は空の東西方向を示す。
212-(2)
〔地学教育
送られる。 SIDCではこれらのデー タを整理して毎日 の
黒点相対数の確定値を公表する。これが黒点相対数とし
に一年間にわたって平均した値の年平均黒点相対数も公
表されている。図 2は1750年から 1985年までの 235年間
て多方面に利用されている値である。
の年平均黒点相対数の推移を示している。約 1
1年の周期
毎日の黒点相対数を使い,それぞれの月の中で計算し
た平均の値は月平均黒点相対数である。また,同じよう
をもっ変化が顕著に表れており,相対数はこのような黒
点数の時間的変化をより強調して表すように考えられた
280
年
240
平~~~
均
黒 怯n
LUU
点ー
相
対
数
120
80
0
1700
1710
1720
1730
1740
1750
1760
1770
1780
1790
1800
1810
1820
1830
1840
1850
1860
1870
1880
1890
1900
1910
1920
1950
1960
1970
1980
1990
2000
280
240
200
160
120
80
40
0
1800
280
240
200
160
120
80
40
0
1900
1940
Year
図 2:
1
7
5
0
年から 1
9
8
5
年までの期間の年平均黒点相対数経年変化
(
D
a
n
i
e
lC.Wilkinsonによる。 P
.
0
.
T
a
y
l
e
r
(1991)。
)
年
4
8巻
, 6号
, 1
9
9
5
〕
(3)-213
300
C
y
c
l
e18
月
C
y
c
l
e19
C
y
c
l
e2
1
C
y
c
l
e20
C
y
c
l
e22
260
平
均
黒 200
点
相
対向。
数
100
60
1960 1962 1964 1968 1969 1980 1982 1闘 い 抑 制 B 1070 1872 1974 叩
‘年
8 1978 11180 1882 川 い 抑 制 引 帥0 19112 189
図 3:1
9
5
0年から 1
9
9
4
年までの期間の月平均黒点相対数の時間的変化。( SGDによる)
指標値であることがわかる。 1
7
5
5
年以降, 1
1年毎のサイ
クルに番号が付けられている。 1
9
9
5年現在は太陽黒点活
動サイクルの 2
2番,つまり,サイクル 2
2の途中である。
また,図 3には 1950-1994年の期間の月平均黒点相対数
2
. 黒点相対数と太陽面現象
2
.1 黒点相対数と黒点面積
太陽面に現れる黒点群は大きいものから小さいものま
の時間的変化を示している。データはアメリカ商務省大
で様々なサイズがある。しかし,( 1)式の中で群の数 g
気海洋局( NOAA)発行の太陽地球物理学データ( S
o
l
a
r
を10倍するのは,大きい群も小さい群も活動の度合とい
g
e
o
p
h
y
s
i
c
a
ld
a
t
a
:SGD)による。全体として 1
1年の大き
う点でウエイトが同じであることを意味する。一方,黒
い周期の変化の中に数カ月の周期の変動が加わっている
点群の周辺で発生するフレアなどの活動現象は小さい黒
ことカ2わヵ、る。
点群と較べて大きい黒点群の方が遥かに頻度が高い。こ
過去 1
4
0年間におよぶデータの蓄積があるため,太陽
のような違いを無視して大きい黒点も小さい黒点と同じ
の活動を示す基本的な指標値として,黒点相対数は自然
扱いをすることは納得できない点である。しかし,黒点
科学や社会科学の関連した分野で広く利用されている。
相対数に較べて,黒点面積は太陽面に光球の下から浮上
特に,地球一太陽間空間の環境問題では太陽面活動の度
してきた全磁東量に関係しているので,太陽面の黒点活
合を示す重要な指数の一つである。それにも拘らず,黒
動の度合を表す指標値としてより合理的な量であると考
点相対数そのものは物理的にどのような意味を持つ指標
値なのか明確に把握しないままで使われることが多い。
えられる。
毎日の太陽面上の黒点が占める面積は 1
8
7
4年から 1
9
7
6
また,高校の地学教育においても単に黒点数の代わりと
年までグリ二ッチ天文台において継続して観測され,そ
して扱っているので, (1)式の gの係数 10の意味は生徒
の結果は GreenwichP
h
o
t
o
h
e
l
i
o
g
r
a
p
h
i
cR
e
s
u
l
t
s として公
から度々質問を受ける事柄である。確かに黒点の数の変
刊されている。この仕事は 1
9
7
7年以降,ハンガリーのデ
動を顕著に表す指標値であるが,具体的に太陽面の活動
プレッへン天文台に引き継がれているが,結果は 1
9
7
7年
現象のどの物理量に対応するのかはっきりしない。この
度分が発刊されただけである。また,ローマのモンテマ
文では黒点相対数と黒点面積,プラージュ面積, 2800
リオ天文台やアメリカの海軍天文台においても観測が続
MHz電波ブラックス,軟 X線フラックス,太陽全放射
けられている。
量との関係を比較的に入手しやすいデータを使って調
黒点の面積は太陽面の写真や図 lのようなスケッチの
べ,黒点相対数の変化が黒点以外のどのような太陽面現
上で面積計(プラニメーター)を使って測る。太陽面は
象の物理量の変化に対応するかを明らかにして,黒点相
球面なので,太陽の縁に近いところにある黒点は地球か
対数の物理的な意味について解説する。
らは斜めに見ているので,太陽の半径方向に縮小されて
見える(投影効果)。一つ一つの黒点の位置からその縮
学
地
214-(4)
教
育
小の割合を知って,測定した黒点の面積に投影効果の補
点面積( a)の関係を調べる。データは QBSAに記載され
正をしなければならない。一般に太陽面上の黒点の面積
た1
9
8
0
年 9月 1日から 1
9
8
1年 1
2月3
1日までの期間の毎日
は太陽の半球の表面積の 1
0
0万分のーを単位として表し
の黒点相対数と黒点面積を使った。この期間は 1
9
7
6
年か
ら始まった太陽活動サイクル 2
1の極大期に当たっている
ている。
毎日の黒点面積は個々の黒点群の面積だけでなく,見
ので,黒点相対数は最大2
63から最小4
3まで広く分布して
えているすべての黒点の面積の総和の値が国際天文連合
の太陽活動四半年報告( Q
u
a
r
t
a
r
yB
u
l
l
e
t
i
no
fS
o
l
a
rA
c
t
i
v
i
t
y
;QBSA)に報告されている。月平均黒点面積は 1カ
いる(平均 1
4
5)。また,黒点面積の範囲は最大7897から最
小2
4
1の中にある(平均2580
。
) rと aの相関係数は 0
.703
月間に観測された日々の 黒点面積の平均である。 例え
で,月平均黒点相対数と月平均黒点面積ほどではないが,
かなり良い相関と言えるだろう。両者の回帰直線は
ば
, 5月に 1
3日だけ観測できた場合, 5月の月平均黒点
a=23.4
6r-849.4
面積は 1
3回の測定の平均である。
の月平均黒点相対数と月平均黒点面
積を使って,両者の相関関係を調べ
た。図 4は月平均黒点相対数(曲線
時間的変化である。縦軸のスケール
は任意であるが,黒点面積の最大は
5
4
8
8,最小は 4である(平均 1
2
6
9
。
)
また,黒点相対数の最大 は 254,最
月平均黒点相対数
R)と月平均黒点面積(曲線 A)の
月平均黒点面積
QBSAに収録されている 1956年 1
月から 1
9
8
5
年1
2月までの期間の毎月
小は 2 (平均8
1)である。両者の時
間的変化がほとんど同期しており,
相闘が極めて好いことがわかる。ま
た,縦軸に月平均黒点面積( A),横
軸に月平均黒点相対数( R)をとっ
1960
1970
1980
月平均黒点面積(曲線 A)の時間的変化。
て,毎月の両方の値をプロットした
のが図 5である。黒点相対数の値が
大きい場合には黒点面積のパラつき
6000
も著しいが,全体として両者の直線
A
×
的な相関が見られる。両者の相関係
xx
4000
点相対数( R )と月平均黒点面積
(A)の回帰直線を求めると A =
1
8
.3R-219.7となる。 R=Oσ〉
と
きA=Oで、あること方、ら, A とRの
x
x
数は 0
.94で,極めて良い正の相関で
ある。最小自乗法によって月平均黒
年
図 4:
1
9
5
6
1
9
8
5
年の期聞における月平均黒点相対数(曲線 R)と
x
x
x
2000
関係を求めると, A=l7.3Rとなっ
て
, Waldmeier(
1
9
5
5)が求めた A
ニ
1
6
.7Rの関係式とほぼ一致する。
すなわち,月平均黒点相対数 Rは月
平均黒点面積 Aにほぼ比例するの
。。
50
100
150
200 R 250
で,前者は後者の良い指標値である
と言える。
次に毎日の黒点相対数( r)と黒
図 5:図 4に示した月平均黒点相対数( R)と月平均黒点面積( A)
の相関図。
4
8巻
, 6号
, 1
9
9
5
〕
(5)-215
ど書ける。
白斑は黒点よりもずっと寿命の長い現象と言えるだろ
2
.
2 黒点相対数とプラージュの面積
う
。
白色光で太陽面を観察すると,黒点の周囲に白斑(フ
この明るい斑点のような白斑(ブァキュラ)も,非常
ァキュラ, f
a
c
u
l
a
e)と呼ばれる明るく光った斑点の連な
に高い空間分解能をもっ望遠鏡を使って細かい構造まで
った領域がとり巻いていることがわかる。この白斑は太
観察すると,直径が約7
00kmあるいはそれ以下の小さく
陽面の中心付近では見えないが,縁近くにある時はその
輝いた点(ファキュラ点)が網目状に並んだ集合である
周囲の光球と較べて数%明るいので,コントラストが高
ことがわかる(写真 1)。このようなファキュラ点は約
くなって良く見える。写真 lはプランスのピックデ、ユミ
1
0
0
0ガウス程度の強い磁場を持つことが確かめられてい
デイ天文台で撮影された,太陽面の縁に近い黒点とその
る。太陽面に現れた太い磁束管の切口が黒点だとするな
周囲にひろがる白斑の写真である。白色光で見えるこの
らば,下から浮上してきた細い磁束管の太陽表面での切
白斑は黒点が現れる数日前からその場所に見えている。
口の部分がファキュラ点に相当していると考えられる。
また,黒点が消えてしまっても,その寿命の数倍くらい
の期間にその場所の周辺に見えている。このことから,
このような白斑の領域を強いスベクトル線(例えば,
H a線やイオン化カルシウムの H, K線)の光で見る
と,白色光で見た場合と違って,フ
ァキュラ点の周囲に対するコントラ
ストは著しく高まり,太陽面のどこ
にあっても黒点の周囲で明るく光っ
て見える。これが彩層における白
斑の姿であり,白色光で見える白
斑の上部構造であり,プラージュ
(
P
l
a
g
e,フランス語で砂浜の意味)
と呼ばれる。写真 2にイオン化カル
シウムの K線の光で観測した太陽面
の写真を示す。黒点をとり巻いて強
く光っている領域が彩層ファキュ
ラ,すなわち,プラージュである。
プラージュを構成している個々の斑
点はファキュラ点よりもサイズが大
きい。これは光球と較べて,彩層の
中では磁東管の広がりが大きいこと
を意味している。
太陽面上でプラージュが占める面
積は 1
9
4
7年以来,マクマスハルパー
ト天文台でイオン化カルシウムの K
線の光によって観測され,また,ウ
ィルソン山天文台でも毎日の観測が
行われた。その後,ビッグベア一天
文台で観測が続けられ,これらの結
果はアメリカ商務省大気海洋局世界
データセンター(NOAA.WorldD
a
t
a
C
e
n
t
e
r
,B
o
u
l
d
e
r)によってまとめら
れ,観測した結果からプラージュ指
数(P
l
a
g
eI
n
d
e
x)を計算して SGD
写真
1:太陽面の縁近くに見える白斑の網目状分布。
(撮影
フランス,ピックデュミデイ天文台)
に公表されている。これは毎日,太
陽面上に見える個々のプラージュの
〔
地
216-(6)
ρ込4
7」
教
育
写真 2:イオン化カルシウム K線の光(波長3
9
3
.2nm)で見た太陽面。黒点群の周囲に広がるプラージュ。
(撮影
アメリカ,ウィルソン山天文台)
総和はその日 の太陽に見ら れる全
月平均プラ!ジユ指数
部のプラージュについて行う。 θ
i
は個々のプラージュの太陽面中心子
午線からの角距離,
戸iは同様に個
々のプラージュの日面緯度を示す。
c
o
s8i c
o
s¢iを掛けることにより,
空の面への投影効果が補正されたこ
月平均黒点相対数
とになる。
先に述べたように,プラージュの
面積の観測は 1
9
4
7
年以来毎日行われ
ているが,こ こで取り上げ るのは
SGDに記載された 1975年 1
1月から
1
9
8
3年 5月までの 9
1カ月間のプラー
1976
1978
1980
1982 年
1984
図 6:
1
9
7
5
年1
1月から 1
9
8
3
年 5月までの期間の月平均プラージュ指数
(曲線 P
l)と月平均黒点相対数(曲線 R)の時間的変化。
面積(A
i)と最も明るい点におけるイオン化カルシウム
K線の光の強度 (
I
i)を使って,次の式で計算される。
ただし,面積 A
iは太陽半球 の表面積の百 万分のーを単
位として表し ,強度 I
iはプラージュ における K線の強
度を 5段階に分けて表している。
p I=[
ヱI
iA
ic
o
sθ
ic
o
s¢
i
]/1000
(2)
ジュ指数である。プラージュの観測
には欠測の日がかなりあるので,月
平均プラージュ指数を計算し,月平
均黒点相対数と比較した。図 6は月
平均プラージュ指数( P
l
) と月平均黒点相対数( R)の
時間的変化を示している。縦軸のスケールは任意で、ある
が
, P
lの最大値は 79.47,最小値は 1
.1
5 (平均3
2
.6
)
.
Rの最大値は 1
8
9,最小値は 2 (平均9
6
.5)である。両
者の相関が良いことはこの図からも明かである。また,
図 7は P
Iを Rに対してプロ ットしている 。直線は両者
4
8巻
, 6号
, 1
9
9
5
〕
の一次回帰である。両者の相関係数
(7)-217
は0
.
9
4で,極めて高い。一次回帰式
P
l
は PI=O.314R+2.2
4と書ける。
80
2
.
3 黒点相対数と 2
8
0
0MHzラジオ
電波
C
o
r
r
e
l
a
t
i
o
nC
o
e
t
t
i
c
i
e
n
t 0.935
RegressionC
o
e
H
i
c
i
e
n
t=2.243
詔
Gradient=0.314
60
太陽で観測される周波数2800MHz
(波長 1
0
.7cm)のマイクロ波は一般
に彩層や低部コロナにおける自由電
40
x
子の熱放射(自由一自由遷移による
放射)と考えられる。そのマイクロ
>
<
.
郊
20
波にも時間的にゆっくりと強度が変
化する成分が含まれていて, S 成
分( S
l
o
w
l
yv
a
r
y
i
n
gcomponentの略)
と呼ばれている。この S一成分も彩
層や低部コロナからの放射で,強い
磁場によってたくさんのプラズ、マ物
質が包み込まれているような密度の
。
。
x
100
50
150
R
200
図 7:月平均プラージュ指数( P
l)と月平均黒点相対数( R)
の相関図。
高い構造体から放射されていること
は確かである( T
a
p
p
i
n
g1987。
) S一成分に関係した構
る。これらのフラックスは 2
7日周期,あるいは 11年周期
造体とは黒点群を中心とした活動領域(プラージュ)
でゆっくりと時間的に変化し,背景放射の一部となって
の上のコロナにある熱い雲,つまり,コロナ凝縮の雲
(
C
o
r
o
n
a
lc
o
n
d
e
n
s
a
t
i
o
n)である。黒点から上のコロナの
いる。
周波数2800MHzのマイクロ波電波の観測は 1
947年に
中に伸びている強い磁場に閉じ込められたプラズ‘マガス
カナダのオタワで始まり,現在も毎日,アルゴンキン
の自由電子が熱運動を行い,自由一自由遷移によって電
ラジオ観測所において直径 1
.8mのパラボラアンテナを
波を放射する。
使って続けられている。 SGDに報告されているフラッ
もちろん,観測される 2800MHz電波の全ブラックス
クスの値は
10-22 W
m2HzIを単位として表され,急激
がコロナ凝縮からの熱放射だけによるものではない。黒
な変化やパーストなどの影響を含まない,その日その日
点そのものの上のコロナにある,コンパクトで明るし、小
の背景放射とも言うべき,強く急激な変化であるパース
さな源(数 l
O
O
O
k
mの大きさ)からくる電波も含まれてい
ト強度を測るときの基準レベルとなる値である。また,
る。これは黒点の強いループ。磁場の中に閉じ込められた
観測されたフラックスの値には太陽の周囲を楕円軌道を
密度の高いプラズ、マの自由電子が行うジャイロシンクロ
描いて公転する地球から太陽までの距離の変化による影
トロン放射であると考えられる。それは,この小さい電
響を含んでいるので,その補正された値が SGDに掲載
波源から来るマイクロ波が強く偏光しているからである。
されている。
しかし, S一成分への寄与という点から見ると,この小
月平均黒点相対数と月平均2800MHz電波フラックス
さい電波源からのブラックスは大きいサイズを持ったコ
の関係を明らかにしよう。 SGDに記載されている 1948
ロナ凝縮からの寄与に較べて著しく小さし、。
年 1月から 1990年 1
2月までの期間の月平均黒点相対数
また,太陽面上にあまねく分布している超粒状斑
(R)と月平均2800MHz電波フラックス( F)をデータ
(
S
u
p
e
r
g
r
a
n
u
l
a
t
i
o
n)のセルの境界にある活動的なネッ
として使った。太陽活動サイクル 1
8の途中からサイクル
トワークには CaEモットル(イオン化カルシウム原子
2
2の極大までの期間の R とFの時間的変化,そして,両
の K線の光で見たとき,ガスの炎の集合体が見える)が
者が良く同期していることは図 8で明かである。月平均
存在しているが, 2800MHzマイクロ波の放射の一部が
黒点相対数は最大2
53,最小0.2の範囲にあり,平均は 7
9
この CaEモットルから来ていることが確認されている
である。また,月平均2800MHz電波フラックスは最大
(
E
r
s
k
i
n
ea
n
dKundu1982)。その他,古い活動領域の残
2
8
6
.
5から最小6
7の範囲にあり(単位は 10也 W m2 H
z
1
)
,
骸を含めた広域複雑活動域( Complexo
fA
c
t
i
v
i
t
y
:G
a
i
z
a
u
s
平均値は 1
3
1
.1である。両者の相関係数は 0.9833で,極
k
a
se
ta
l
.1983)からもこのマイクロ波が放射されてい
めて良い正の相関である。最小自乗法によって, R とF
の回帰式を求めると,
学
〔
地
2
1
8
一( 8)
教
育
F=60.5+
しかし,毎日の黒点相対数と日平
均2
800MHz電波フラックスの相関
はそれほど良くはない。 1
9
9
0年 1
0月
1日から 1
9
9
1年 9月 3
1日までの 365
のデータは SGDに記載された値を
使った。 rは250-33の範囲にあり,
その平均は 1
46.4である。また,
f
は3
59.2から 1
3
7
.
4の範囲で,その平
均値は 2
05.43であった(図 12参照)。
月平均電波ブラックス
日間の毎日の黒点相対数( r)と日
平 均2
800MHz電波フラックス (f)
月平均黒点相対数
0.89Rが得られる(図 9。
)
1950
rと fの相関係数は 0
.743であり,
やや良い正の相関と言えるであろう。
図
上と同じように rと fの一次回帰式
1960
1970
1980 年
1990
8:1
9
4
8
1
9
9
0
年の期聞における月平均 2
8
0
0MHz電波フラック
ス(曲線 F)と月平均黒点相対数(曲線 R)の時間的変化。
を求めると f=1
0
8
.09+0
.665rと
なる。
2
.
4
F
軟 X線強度と黒点相対数
軟 X線の光で撮影された太陽の写
250
C
o
r
r
e
l
a
t
i
o
nG渇 f
f
i
c
i
e
n
t=0.983
R
e
g
r
e
s
s
i
o
nC
o
e
f
f
i
c
i
e
n
t=60.53
G
r
a
d
i
e
n
t• 0.893
真を見ると,太陽からの軟 X線は太
陽表面(光球)ではなく, 1
00万 度
K以上の高温を持ったコロナ領域か
200
ら放射されていることがわかる。特
に,黒点群を中心とした周囲の活動
150
領域の上にあるコロナでは,黒点か
ら上に伸び、たループ形の磁場があっ
て,高温のコロナ物質をその中に包
みこんでいる。このような密度の高
いコロナからの軟 X線が太陽から来
る軟 X線のほとんどを占めている。
活動領域では時々,フレアやらガス
噴出などの爆発現象があって,その
100
。
50
100
150
200
図 9:月平均2
8
0
0MHz電波フラックス( F)と月平均黒点相対数
(R)の相関図。
度に軟 X線フラックスが一時的に高
まることがある。しかし,黒点の上
を測定する。これはカブロセルに封入された貴金属ガスに
のループ磁場に包まれたコロナは,ち ょうど周波数2
800
軟 X線が入射すると,ガスがイオン化し, そこを流れる
MHzのマイクロ波の s−成分と同じように,毎日ゆっ
電流の量が変化することを利用した測 定器である。現在
くりと変化する軟 X線の背景放射の源となっている。
太 陽 の 軟 X線の背景放射の観測は 1
974年 5月以来,
は GOES-6衛星に搭載された測定器による毎日 の背景
放射( D
a
i
l
yb
a
c
k
g
r
o
u
n
d)の平均値が SGDに報告されて
SMS 衛 星 ( S
y
n
c
h
r
o
n
o
u
sM
e
t
e
o
r
o
l
o
g
i
c
a
lS
a
t
e
l
l
i
t
e) や
GOES 衛 星 ( G
e
o
s
t
a
t
i
o
n
a
r
yO
p
e
r
a
t
i
o
n
a
lE
n
v
i
r
o
n
m
e
n
t
a
l
いる。
S
a
t
e
l
l
i
t
e)に搭載された軟 X線測定器を使って続けられ
平均軟 X線フラックス( F)の時間的変化を月平均黒点
ている。この測定器はイオンチェンパ ー(電離箱)と呼
相対数の変化( R)と比較している。両方の縦軸のスケ
ばれ,太陽面全面から放射される波長範囲o
.5- 4A
ールは任意であるが, Fの最大は 2.37× 1
0
6,最小は
6
.
1
2× 1
0
s (平均8
.
3
5× 1
07
)
, Rの最大は 3
5
9,最小は
(Aはオングストローム単位入
1-SAの 軟 X線 強 度
図1
0は1
9
8
7
年 5月から 1
9
9
3年 1
2月までの 8
0カ月間の月
,
巻
48
〕
, 1995
6号
る。縦軸に月平均軟 X線フラックス,
横軸に月平均黒点相対数をとって,
1である。この
相関を示したのが図1
一次回帰は F = -3.114+0.106R
(単位 10マ W m勺である。また,両
, Rや Fの小さい時に較べて,大
が
きい場合には分散が大きくなってい
る。これは Rのせいか, Fのせし、か
良く分からない。
月平均黒点相対数
者の相関係数は0.899でかなり高い
月 平 均 軟X 線 ブ ラ ッ ク ス
.1)である。両者の
2
0
27 (平均は 2
変化が同期していることが良くわか
(9)-219
1年
9
9
0月 1日から 1
年1
次に, 1990
SGDに 報 告 さ れ た 毎 日 の GOES軟
1994年
1992
1990
1988
9月30日までの一年間( 365日)に
月までの期聞における月平均軟 X線フラ
2
年1
3
9
9
年 5月から 1
7
8
9
0:1
図1
ックス{曲線 F)と月平均黒点相対数(曲線 A)の時間的変化。
X線平均フラックス (f)をそれぞ
れの日の黒点相対数( r)と比較し
2にはこの期間における毎日
た。図 1
F
の軟 X線フラックスと黒点相対数の
時間的変化を比較している。両者の
20
時間的変化はよく同期して増減して
いるように見えるが,相関係数は
・
x
t 0.699
n
e
i
c
i
f
f
e
o
nC
o
i
t
a
l
e
r
r
o
C
1
1
.
3
t• ・
n
e
i
c
i
f
f
e
o
RegressionC
.106
t• o
n
e
i
d
a
r
G
10
が,相関係数が低いので,この式は
あまり意味がない。
5
.
2
黒点相対数と太陽放射量
が
の周期で増加と減少を繰り返してい
x
誕
5
x
。
XXX
50
1年
太陽面に現れる黒点の数は約1
x
x
0.45r +
である。一次回帰式は f=
.94 (単位 107 Wm-2) と 書 け る
7
x
x
ソx p
3
軸)に対してプロットしたのは図1
x
,
.
_
x
x
x
xxx / 令
×x
15
0.48となって低い。また,軟 X線フ
ラックス(縦軸)を黒点相対数(横
嵐
x
x
X
100
150
R 200
1:月平均軟 X線フラックス( F)と月平均黒点相対数( A)の相関図。
図1
るが,太陽が放射する光のエネルギ
−量もこれに同期して変化するであろ うか。そして,こ
1年周期に対応した太陽放射量の経年
黒点数の変化の約1
の変化が地上の気候に影響を及ぼしているであろうか。
変化を検出することはできなかった。
この古くて新しい問題への挑戦は今世 紀の始め,アメリ
宇宙空間の飛期体による地球大気外で の太陽放射量の
カのアポットによる太陽放射量の測定 で始まった。銀盤
1月16日,ニンパス(Nimbus) 7衛星に
測定は 1978年 1
パイルへリオメーターと呼ばれる彼の 測定器は,黒く塗
nBudgetExperiment) 実 験 の
o
i
t
a
i
d
a
hR
t
r
a
E
よる ERB (
った銀の板に太陽光を当て,その上昇 する温度を温度計
0cと名付
センサーを使って始まった。このセン サーは 1
で測る方式の器械である。アポットは この測定器をロッ
o
i
l
e
h
r
y
yP
t
i
v
a
けられた空洞ノくイルへリオメーター ( C
キ一山脈やアンデス山脈の高峰の頂上 に運んで,断続的
meter)であり,その中心には黒く塗られ た円錐形の受
年間にわたって太陽から地球に届く
ではあったが,約50
光部がある。 0.5cmの窓を通って太陽光が空洞に入り,
放射のエネルギー量の測定を行なった 。しかし,この測
円錐形の受光部に当たって,その温度 を上昇させる。温
定は地球大気による吸収の補正が大 きいため,時には
度上昇分をサーモパイル(熱電対列) で測定する方式の
0.2%にも及ぶ一時的な変動を観測することはあっても,
4参照)。ニンパス 7は地球の
特殊な放射計である(図1
04分 で
である。その公転周期は約 1
あり,衛星が南極上空に達する 104分
毎に 3分間測定が行われた( Hickey
. 1988)。一日の全部の測定値
l
ta
e
を平均してその日の平均太陽放射量
。
こ
とし f
0年 2月には SM M
8
9
同じ目的で 1
ち上げられ,搭載された太陽放射計
により,紫外線,赤外線と可視光線
のすべての波長領域にわたって,太
陽から地球が受ける全放射エネルギ
ー量を測定した。測定は 1日400回
行われ,その平均をとって,その日
育
黒点相対数
n) 衛 星 が 打
o
i
s
s
i
rMaximumM
a
l
o
S
(
教
軟X線 ブ ラ ッ ク ス 電 波 ブ ラ ッ ク ス
北極と南極の上空を回る極周囲衛星
学
地
)
0
ー( 1
0
2
2
月
0
年1
0
9
9
2:1
図1
9200 日
9100
9000
8900
5日における毎日の
6
0日までの 3
1年 9月 3
9
9
1日から 1
0MHz電波フラックス(曲
0
8
2
の太陽放射量(太陽に面した一平方
)
GOES軟 X線フラックス(曲線 A、
メートルの面積が受けるエネルギー
線 B)および黒点相対数(曲線 C)の時間的変化。データは SGDに
量でワット単位: W m勺 と し た 。
)。
0
0
0
0
4
4
2
よる。横軸の数字はユリウス通日( +
1月まで 9年 8
9年 1
8
9
SMM衛星は 1
カ月間にわたって太陽放射量の変化
を測定した。これは太陽活動のサイ
1の黒点数極大期から次のサイ
クル2
f
150
2の極大期近くまでのほぼーサ
クル 2
イクルの期間に相当する。
SMM衛星の観測は終了したが,
100
ニンパス 7衛星は今なお健在で,太
陽放射量の測定を続行中である。現
在も観測中で,今後データがヲ|き続
いて入手できることから,この研究
50
ではニンパス 7衛 星 の ERB測 定 の
結果をデータとして使うことにす
る。データは SGDに掲載されてい
る毎日の平均太陽放射量である。
SMM衛 星 に よ る デ ー タ で も 検 討
20
40
60
80
100
120
140
150
r
3:毎日の軟 X線フラックス( f)と黒点相対数( r)の相関図。
図1
されたように,大きい黒点群が太陽
面に現れると,それが太陽面で遮蔽した量だけ太陽放射
黒点群の出現による太陽放射量の一時的な減少の影響
量が減少する。しかし,黒点群の遮蔽による放射量の減
をできるだけ避けて,太陽放射量のグローパルな変化と
少は数日間の一時的なもので,サイクル全体から見た黒
黒点相対数の関係を調べるために, SGDに掲載されて
点数の増加や減少にともなって,太陽放射量が全体とし
いる毎日のニンパス 7衛星の ERB測 定 の う ち , 各 月 の
て黒点数と同期して変化していることは, SMM衛星に
9
1月から 1
8年 1
7
9
5は1
最大値だけを使うことにする。図 1
よるデータの解析から明らかにされている。これは黒点
2カ月間の各月の太陽放射量の最大値
6
92年 5月までの 1
の増加にともなって白斑の占める面積が増加しているこ
(I)と月平均黒点相対数( R)の変化を比較している。
とや,超粒状斑のセルの互いの境界において放射量が増
Iの最大値は 1374.88 (単位 wm~2 ),最小値は 1371. 40
していることが原因と考えられている( FoukalandLean
.1
372.68)であり, Rの最大は 200.3,最小は 1
(平均 1
)
1988。
0)である。 SM M衛星による測定と同じよう
.4
9
(平均9
〕
5
9
9
, 6号
8巻
, 1
4
4:ニンパス
図1
(11)-221
C、空洞パイルへリオメー ター)の概念図。太陽か らの
O
7衛星に搭載された太陽放 射計( l
放射は左の窓( a)から放射計に入り、奥 の中央の黒塗のコーン( b)を照らして、これを暖める。
この温度上昇を熱電対( c)で測定する。( d)は温度を一定に保つための遮蔽体である。
月平均黒点相対数
3 考察とまとめ
月平均黒点相対数と月平 均黒点面
積は極めて高い相関(相 関係数 r=
4)を示している。このこ とは黒
.9
0
点相対数の意味を考える 上で重要で
太陽放射筆月最高値
あろう。
Wolfが黒点観測を始めた頃は 黒
点の面積の測定に重点を置いてい
た。しかし,先述のよう に黒点面積
の測定は技術的にも難し く煩雑な仕
事である。そこで,練習 すれば誰に
でも容易に出来て,単に 黒点数と黒
1980
1985
1990
年
年 5月までの期聞における太 陽放射量の月最
2
9
9
1月から 1
年1
8
7
9
5:1
図1
高値(曲線 I)と月平均黒点相対数( 曲線 R)の時間的変化。
点群の数を数えることに より,その
日の黒点の全面積を見積 ることので
きる指標値を考えたのが 黒点相対数
であろう。毎日の黒点相 対数と黒点
に,黒点相対数の変化と 同期して太陽放射量も増 減して
おり,黒点相対数最大と 最小の時の太陽放射量の 差は約
2wm-2で約0.15%の変化であることがわか る。これは
面積はそれほど高い相関 を示さなくても( r=0.74),
太陽のー自転内で両者の 平均値が高い相関を示す ように
工夫された指標値と考えられる。結局,黒点相対数は,
SMM衛星による測定結果 と同じである。また,図 16は
図 5のように黒点面積とその 指標値が 1対 1の明かな関
各月の太陽放射量の最大 値( I,縦軸)を月平均黒点相
係をもつように (1)式の黒点群の数 gの係数を決めて,
対数( R,横軸)に対してプロッ トしている。相関係数
黒 点 数 fと組み合わせたものと考 えられる。従って,
2なので,両者の相関は極 めて良い。また,最小自
8
.
は0
7
3
.011R +1
乗法により一次回帰直線を求めると, I= 0
0には特に物理的な意味はない。
(1)式の gの係数 1
黒点暗部の明るさは周囲 の光球の約 10%なので,黒点
'となる。
l.56W/m
や黒点群が太陽面に現れ ると,その面積に応じて 太陽面
から出て来る放射が遮蔽 され,太陽全放射量はそ の分だ
け減少する。 Wolfは初めは太陽放射量の変 化の原因と
〔地学教育
2
2
2
ー( 1
2
)
5
従って,黒点相対数はフレア活動の
指標値ども考えられる。
x
×x
2.2節で月平均プラージュ指数と
4
月平均黒点相対数が,黒点面積と黒
点相対数の関係と同じ程度に良い相
×
関( r=0.94)であることを示した。
3
.
.
J
メぶ
2
:
長乞プ’∼ 主
え""'.,≪− x~x
xx >
<
x " x
x
~
x~>x
x
~
これはプラージュ面積と黒点面積に
密接な関係があることを示唆してい
る。即ち,黒点として太陽面に現れ
x
る全磁束量とそれぞれの黒点の周囲
に見える白斑の占める面積が比例
。
し,同時に黒点の全磁束に比例して
50
100
1so
R 200
6:太陽放射量の月最高値い)と月平均黒点相対数( R)の相関図。
図1
彩層における活動領域の広がりも大
きくなることを示している。
2
.
3節で求めた月平均2
8
0
0MHz電
波ブラックスと月平均黒点相対数の
して黒点面積に注目したのであろう。
相関は極めて高い( r=0.97)。これは F
o
u
k
a
l(
1
9
9
3
)
しかし,黒点磁場の発見は黒点の見方を大きく変える
こととなった。 Wolfの時代よりも遥かに遅れて,黒点
が1
9
4
7-1989年の期間の年平均黒点面積と年平均 2800
MHzマイクロ波フラックスを比較した結果( r=0.97)
には強い磁場が存在し,そのため黒点部分が周囲にくら
とも良く一致している。この電波の S一成分は黒点群を
a
l
e
べて低温となっていることを明らかにしたのは H
中心とした活動預域の上にあるコロナ凝縮の中で自由電
(
1
9
3
8)である。その後の数多くの観測カミら,いろいろ
子が熱放射するために発生する。 2
800MHz電波の S一
なサイズの黒点および‘黒点群の中で、暗部における磁場の
成分が黒点相対数と密接な関係を持っていることは,コ
強さ(または磁束密度)がほとんど同じ(数千ガウス)
ロナ凝縮のガスの温度と密度がほぼ一定であること仮定
であることがわかった。従って,黒点面積が大きいほ
するならば,コロナ凝縮の体積が黒点の全磁束量と密接
ど,下から太陽面に浮上して来たその黒点の中の磁束量
に関係していることを示唆する。
は大きく,両者はほぼ比例関係にあると言える。この関
GOES衛星が測定した軟 X線の太陽背景放射フラック
係は太陽面に現れている全部の黒点で成り立っとする
スの月平均値も月平均黒点相対数とかなり高い相関( r
と,黒点全面積を As,黒点磁場の全磁東量を φtとする
ニ
と,次のように書ける。
高温のコロナから熱放射されるので, 2
800MHzマイク
1
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1
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)
φt(1021Mx)=2.3As(
ただし, φt寸 ヱ ( Bmi×A
i)
× 2
0
.8
9
9)を示している。この軟 X線は 1
0
0万度 K以上の
(3)
ロ波と同様に,一太陽自転の期間内に太陽面に現れた軟
(4)
X線の放射領域であるコロナ凝縮の大きさが黒点の全磁
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i1993。
) Bm iはある黒点の中の
(
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束量と比例していることを示している。しかし,日々の
iはその黒点の面積である。それ
磁場強度の最大値, A
GOES軟 X線フラックスは黒点相対数とそれほど明か
故,黒点相対数の測定により黒点磁場の全磁束量を見積
な相関は示さない( r =0.48)。黒点の全磁束量の変化
ることができる。黒点相対数は黒点面積についての指標
に対して,軟 X線を放射するコロナ領域の体積の変化が
値であるばかりであく,太陽面に現れた強い黒点磁場の
直ちに対応しないで,時間的に遅れて変化するためであ
全磁束量についての指標値とも見なせる。
ろうか。
黒点、が現れた時,その周囲で発生する最も活動的な現
ニンパス 7衛星による ERB実験で測定された太陽放
象はフレアである。フレアが放出する熱,光,そして粒
射量の月最大値は月平均黒点相対数と大きい相関( r=
子放出の莫大なエネルギーは,黒点の持っている強い磁
0
.82)を示している。この高い相関は, F
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場の磁気エネルギーの一部が熱エネルギーとして解放さ
(
1
9
8
5)が指摘したように,黒点の周囲に発生し,黒点
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dと Lawrence(
1
9
8
5
)
れたものと考えられる。 M
自体よりも遥かに寿命の長い白斑領域の占める面積が黒
によれば,黒点群の周囲で発生するフレアの大きさ(重
点面積(あるいは黒点磁場)の時間的変化に伴って増減
要度)と頻度はその黒点群の持つ全磁束量に関係する。
することを示唆している。超粒状斑の互いのセルの境界
〕
, 1995
, 6号
48巻
においても放 射量が増減す るかも知れな いが,これは 今
(13)一223
参考文献
以上に述べた ように,黒点 面積,プラー ジュ指数,周
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フラックスの それぞれの月 平均値,およ び,太陽放射 量
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の月最大値の すべてが月平 均黒点相対数 と密接な関係 を
持つことがわ かった。日々 のこれらの指 標値は互いに そ
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後の測定によ って確かめら れるであろう 。
れほど大きい 相関を示さな いが,太陽の ー自転周期に 近
い 1カ月間の平均 値を使うと大 きい相関が得 られるのは
面白い。これ らの指標値の 時間的変化に 互いに 1カ月以
内の進みや遅 れがあるため かも知れない 。
結論として, 黒点相対数は 意味不明の指 数ではなく,
これらのすべ ての指標値を 見積り,太陽 面の活動状況 を
総合的に表す優れた指標値であることがわかる。さら
に,この指数 の観測には特 別な装置を必 要としない。 小
さい望遠鏡を 使って少し練 習すれば誰で も容易に観測 し
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計算できるの で,学校教育 ,特に生徒の クラブ活動で は
良い教材であ る。一日一回 の観測で良い のだが,長期 に
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わたって同じ 望遠鏡を使っ て観測を続け ることが必要 で
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ある。
しかし,最近 ,黒点相対数 の観測を長期 にわたって続
ける学校や観 測者が減って いるのは大変 残念なことで あ
る。かつて, わが国は西ド イツと並んで ,専門家以外 の
人々の黒点相 対数の観測が 最も盛んな国 であったが, そ
の地位は今や 失われつつあ る。その原因 の一つは簡単 な
観測とは云っ ても黒点群の 見分け方が難 しく,少々の 慣
れが必要なこ とかも知れな い。実際の黒 点群の区分法 に
日本天文学会編恒星社厚生閣
)
年
8
(昭和2
太陽黒点の観 測
1頁
清水一郎,小 野実,小山ひ さ子
)
年
5
恒 星 社 厚 生 閣 ( 昭 和5
太陽観測(ア ストラルシリ ーズ)
2頁
8
0頁
8
などの文献に 詳しし、。こ れから太陽黒 点相対数の観 測を
始められる方 はこれらの本 を参考にされ るか,あるい は
経験を積んだ 方の直接の指 導を受けられ ると良い。
以上に述べた 事柄の概要は 平成 6年 の 天 文 教 育 研 究 会
やその他の集 会において公 表した。この 一文はその時 に
多くの方々か ら寄せられた 様々な貴重な 意見を含めて 黒
点相対数の特 徴と意味を解 説したもので ある。
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天体観測入門
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224-(14)
久保田
〔地学教育
誇・鈴木美好・時政典孝:太陽黒点相対数について,地学教育
〔キーワード〕
〔要旨〕
4
8
巻
, 6号
, 2
1
1∼2
2
4
.1
9
9
5
年1
1月
太陽黒点,コロナ,太陽放射
太陽黒点相対数の月平均値と,黒点面積,プラージュ面積2800MHzラジオ電波強度,軟 X線強度のそ
れぞれの月平均値および太陽全放射量の月最大値は非常に良い相関を示す。黒点相対数は,黒点面積の指標とし
て考えられた値で,その計算式自体に物理的な意味はないが,太陽面の黒点を中心としたさまざまな現象の活動
状況を表す,すぐれた指標値で、ある。
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8(6),211-224,1995.
9ペ ー ジ
2
5∼ 2
2
) 2
号
9
3
8巻 第 6号(通巻第 2
地 学 教 育 第4
1月
5年 1
9
9
1
PETボトルを使用した地盤の液状化毛デルの開発
間々田和彦*
はじめに
そこでは砂の 上に水が出て くる様子や, 砂の中に埋め 込
んだフィルム ケースが浮か び上がってく るようすが観 察
日本では,地 震発生時にお ける災害とし て,従来から
建物の倒壊や 地割れ,断層 の発生,津波 等が取り上げ ら
することがで きる。しかし ながら,この ような児童生 徒
が液状化現象 を視覚的に良 く理解しやす いものにおい て
れてきた。こ れらの災害の 他に地盤の液 状化によるも の
年の新潟地震であると
4
6
9
が大きく話題となったのは, 1
観察することはできない。
いわれる。も ちろん,大き く話題となっ たのが新潟地 震
が最初であっ て,それ以前 に地震が起こ ったときに地 盤
4など)。
9
9
の液状化がなかったわけではなし、(理科年表, 1
1年の濃尾地震 においても数 多
9
8
3年の関東大地震, 1
2
9
1
.
7
8
9
く発生していることが記録されている(中村他, 1
以前
の発掘調査で
984など)。また ,各地の遺跡
宇津, 1
より通告され ていた「下に 行くほど末広 がりになる」 溝
4)は,地盤の 液状化の跡で あることが
9
9
(田中他編, 1
判明している 。現在,この ような痕跡は 遺構の年代対 比
993)。さ
や年代判定に大きく役立っている(安藤他, 1
らに,地質時 代の地盤の液 状化を示すも のは,千葉県 の
成困層の露頭等で観察することができる。
1
も,揺れてい る時に砂の中 が流動化して いる状態を直 接
2
目的
PETボトル* 2を利用し,児 童生徒を対象 とした地盤
の液状化を示 すモデルの作 成を目的とす る。また,盲 学
校での授業実 践を踏まえ, 普通校(小学 校,中学校, 高
等学校)での 本教材の有効 性を検討する ことも目的と す
。
る
3 液状化モデ ルの作成
.5リッ
今回,児童生徒にとって身近なものである, 1
,地盤
水,を使用し
トルの炭酸飲料 PETボトル,砂,
の液状化モデ、ルを作成した。
.5リットルの炭酸飲料用 PETボトルを使用し
ここで 1
問題点
地震時におけ る地盤の液状 化は,粒のそ ろった細かい
たのは,非炭 酸飲料用のも のに比べて堅 牢であり衝撃 を
与えたとき損 傷しにくいこ と,表面が球 面のために凹 凸
* 1が水で飽和さ れている状態 で振動が与え られたとき
砂
に,容易に生 じる。特に近 年,海岸地方 の埋め立て地 に
が無く観察し やすいこと大 きさが適当で あることの 3点
の理由による 。砂は園芸店 で販売してい るものを十分 に
おいて地震時 に地盤の液状 化による被害 が多く生じて い
年の阪神大
5
9
9
年の北海道西南沖地震, 1
4
9
9
ることは, 1
乾燥させ,使用した。 PETボトルに地震 に相当する振
動を与えるた めに,電動マ ッサージ器( ユニオン電器 社
震災の報道によるまでもないだろう。
地盤の液状化発生のメカニズムについては,守屋
'3を使用した。 なお,木槌で
’
製ピプレット MODEL-S)
細かく叩くこ とによっても 電動マッサー ジ器と同様な 振
4),町田.小島編( 1986)に詳しく述 べられてい
9
9
1
(
るが,これを 簡単に示すこ とができるモ デル(教材) は
動状態になる。
少なし、。その中でレールの上に置いた水槽に砂と水を入
れ,地震のゆ れに相当する 横揺れを与え 地盤の液状化 と
)
990。
同様な現象を観察するモデ、ルがある(香村他, 1
*筑波大学附属 盲学校
m以下の粒子を示すため,正確には
m以上 2m
m
6
1
砂:砂は, 1/
粒子と表現しなければならなし、。しかしながら,文意を通り
やすくするため,特に断らない限り砂と表現する。
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2PETボトル: P
m,周期47/S
m
.5
H このモデル使用時の振幅 1
6日受理
5年 4月 4日受付 9月1
9
9
1
ホ
事
l
また,地震発 生時に地盤が 液状化する地 域で,コンク
リート製の電 柱の地上部分 の質量が土中 部分に加わる た
めに電柱が沈 下することや ,地下のガソ リンタンクが 浮
かび上がる現象が観察されることがある。
こうした現象 を再現するも のとして,次 のモデル作成
の方法⑥⑦で作製するような試料を用意した。
. モデル作成の 方法
1
0mm)に水を 400α入れる。
① PETボトル(口径2
②十分に乾い た砂を 2kg入れる。
③入れた砂が上部まで濡れているかを確かめる。
226
一( 1
6
)
〔地学教育
④電動マッ サージ器で 振動を与え ,砂の上部 に水が溜
まることを確かめる。
⑤確かめた 後,モデル を逆さにし て上下に振 る。その
後
,
り上げ,解説した。
出.地盤の液状化現象
1時間程度放置することにより,砂が固まってくる
これまで i
i
. で取り上げた地震災害ほど大きく取り上
げられてはこなかったが,被害の記述は古文書にも記さ
ことが観察出来る。ここでは,
れているこ と,新潟地 震で有名に なったこと ,近年,埋
c
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fであった。
め立て地での被害がでていること,液状化現象が発生し
やすい条件として,粒子の大きさ・水で飽和しているこ
⑥中空のア クリル棒( 外径20mm,内径 16mm,長さ 205
mm)の片方の口をアクリル板で、塞いだものを 2木作成す
る
。
② 2時間目
1日放置したものを使用
した。この段階での水を含んだ部分の平均密度は 2
.2gI
⑦⑥で作成したアクリル棒に, A. 金属棒(真鎗製口
径 15mm)と, B. 棒材(パル サ材口径 15mm)を差し込
み,密度が大きい試料と,密度が小さい試料とした。な
お,両試料の平均密度は,以下の通りである。
A. 密度が大きい試料: 5
.
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B. 密度が小さい試料: 0
.8g/
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粒切
I1
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3
.8 I3
3
.5 I1
6
.1 I.
o5
1
本時の目標として,次の 3点をあげた。
①一日放置 したモデル は内部が固 くなってい ることが
とが観察できること。
③振動が与えられているとき,試料の密度が違うこと
表 lは,今回使用した砂の粒度分布を加積体積百分率
で示しものである。
表
本時の授業
3
. 本時の目標
観察できること。
②振動が与えられているとき,内部が流動的であるこ
2
. 使用した砂 の粒度分布
(%) I7
.5
との各項目について指導した。
使用した砂 の粒径分布
4 授業実践
1
. 対象生徒
高校 2年生(全盲 生 l名,弱視生 2名):地学選択者
3名とも地学 学習に関す る興味関心 は高い。ま た,一般
的な視覚障 害者の特徴 として,発 話量が弱視 生よりも全
盲生の方が多いとされている。この 3名において も同様
である。
対象生徒は,地震分野は既習であった。しかしながら,
今回の阪神・淡路大震災を鑑み,地盤の液状化モデ、ルを
使用した授業を行うこととした。
2
. 授業時間
授業時間は, 1995年 5月26日,同年 6月 5日
。
① 1時間目
授業内容
し地震発生 のメカニズ ムの復習
プレートの動きに関連する地震の発生のメカニズムを
中心に復習した。
i
i
. 地震災害の 種類
地震災害としてこれまで主として扱われてきたものと
して,「津波」「山崩れ」「揺れによる建物の倒壊」を取
による結果の違いが観察できること。
4
. 液状化モデ ル使用の授 業実践
①実験前に は PETボトルの外 から触って 観察し,硬
さを観察する。
② PETボトルを電 器マッサー ジ器の上に 載せ,振動
を与える。振動中は容器内が柔らかく流動的な状態であ
ることを観察する。
4
8巻
, 6号
, 1
9
9
5
〕
③振動を与えていると上部へ「泥水」 が徐々に上昇し
て溜まってくる。
(17)-227
⑥振動が与えられたとき,密度が大き い試料はすばや
く沈下していくことを観察する。
⑦振動が与えられているとき,密度が 小さい試料は上
から容易に押さえることができること ,押し込んだ後に
離すと浮上してくることを観察する。
④振動を止めた時,振動を与える前に 比べて,下部は
固く,上部は柔らかいままであることを観察する。
⑤PETボトルの [Jへ中空のアクリル棒に密度が大き
い試料と密度が小さい試料を順に差し 込み,振動を与え
る。この時,差し込むことに力が必要なことを観察する。
〔地学教育
228-(18)
①液状化現象の再現
なお,このモデルを起震室に固定する と,この実験と
振動中にモデ、ル内が流動化していること,「泥水 j が
同じ様子が観察できた。
上部に溜まりその部分がしばらくの間 柔らかいままであ
. 生徒の反応
5
ること,密度が異なる試料を使った観 察結果からはそれ
①学習前
がより顕著になったことなど,液状化 現象と同様な結果
前時の地盤の液状化についての質問に は,振動が与え
られると砂が液体のようにふるまうこ とは「イメージし
が得られた。これらの結果が,実際の 液状化現象と全く
にくし、」(全盲生),「よく分からない」(弱視生)との回
同じであるかについては専門的な検証 が必要であるだろ
答があった。
う。しかしながらすくなくとも同様な 結果が得られたこ
②学習中
とは,教育的には十分有効であると考えられる。
②使用した砂
容器が振動しているときには砂が流動 していることを
液状化しやすい砂の粒度分布は図 1に示すとおりであ
観察することができた。密度が異なる試料での観察で
は,振動前には密度が異なっていても アクリル棒は差し
が使用した砂の粒度分布で、あり,
る。図の中で, 0 - 0
込みにくいことから,「砂だけでもけっこう固し、」(全盲
液状化しにくいとされる範囲となって いる。これは本モ
生)と観察している。
デ、ルではかなり粗い粒子が入っているにもかかわらず,
液状化と同様な結果が得られたことを 示しており,手軽
振動を与えると,密度が大きい試料の アクリル棒はす
ばやく沈下することから,「どこまで 下がるのだろう」
に購入できる砂を利用しでも教育的に は有効なモデルを
(全盲生),「振動を止めても下がるか」(全盲生)とし、っ
作成できるものと考えられる。
た回答があった。後者の意見を受けて ,振動が停止した
③生徒の理解
4および 5で、述べたような結果から,本モデルは生徒
ときにアクリル棒の沈下が停止するこ と,振動を再開す
にも理解しやすいものであったと考えられる。
ると沈下が始まることを観察した。
. 普通校での有効性の検討
2
密度が小さい試料のアクリル棒は,押 さえつける力を
なくすと,徐々に浮上してくることが 観察できた。「マ
今回地盤の液状化モデ、ルの開発をおこなったが,授業
ンフォールが浮かび上がったのはこれか」,「地下街はど
実践は筆者が勤務する盲学校生徒に行ったものであった。
うなるのか」(全盲生)の回答があった。
視覚障害生徒にとって有効であった教 材が普通校(小学
③学習後
校,中学校,高等学校)の児童生徒に 対する学習教材と
振動を与えると砂が流動し,停止すると固くなるこ
して有効であるかについて,以下の 4点から検討してい
と,密度が大きい試料の観察結果から ,「地震の時に地
。
く
盤が液状化することをイメージできた 」(全員)との感
①人数
想が得られた。
④評価
行動面(観察面)では,全員が観察で きた
こと,
目的で、掲げた 3目標は達成できたと考えられ
。
る
知識面では,定期テストにおいて今回 の観
察に関する設問に全員が正解できたこ とから
,
も
0
0
1
. 授業の
. ①②③での回答から, 3
5
. 授業の目的で掲げた 3目標は達成で
3
加
積
0
8
百
分
率
0
6
0
4
(%)
きたと考えられる。
0
2
5
本モデルの有効性は,
効性
。
本モデルの有効性
. モデル自体の有
1
. 普通校での有効性
2
の観点からの有効性
の 3点から検討するこ
どが必要であろう。
. モデル自体の有効性の検討
1
2
0
.
10
0
.
0
. 教材開発
3
図
1
1
.
5 0
0
.
0
2
.
0
0
.
5 1
.
0
m)
0 粒径( m
.
2
地震時に液状化しやすい砂の粒度分布 と本モデルで
使用した砂の粒度分布( 0一一0)
3を元にした)
2
1
, p.
4
9
9
(守屋, 1
〕
5
9
9
, 1
, 6号
巻
8
4
今回の実践で は 3名を対象とし た授業であっ た。この
程度の人数であると,生徒の反応を直接授業展開に取り
入れることができる。本校でも密度の異なる試料を使つ
た観察を除いた授業を 7名(全員弱視 生,または全 盲生
, 3年生クラス)で実施したが,容器の観察を
の中学 2
含め全員が授業に参加することができた。普通校では,
名といった人 数の授業が主 体であり,そ の場
5
名から 4
5
3
9
2
9)一2
(1
②操作が簡単であること。
③身近な材料で教師が自作することのできる安価なも
のであること。
本モデルはこ れらの原理に 合致したもの であることは
いうまでもない。また,これらの原理は普通校において
も重要な原理と考えられることから,本モデ、ルの有効性
が得られたと考えられる。
合にも直接観察することを考慮、に入れると, 7∼ 8名の
グループで行えば,今回のような結果が得られると考え
られる。
②時間
謝辞
本論文をまと めるにあたり ,科学技術庁 防災科学技術
研究所地震・ 火山防災研究 室長の木下繁 夫氏には貴重 な
視覚障害生徒 に対して実験 や観察を行う ときには,装
置の確認など普通校の生徒よりも時間がかかることはし、
示唆と試料を 頂戴した。ま た,千葉県水 質保全研究所 地
質環境研究室の香村一夫氏には資料とご意見を頂戴した。
うまでもない。従って,今回は 1時間の授業内 で本モデ
ルを使用した 授業を実践し たが,普通校 においてもこ れ
両氏のご厚意に対し,ここ謝辞を述べるものである。
参考・引用文 献
以上の時間を要する必要はないと考えられる。
③視覚情報
普通校においては, AV機器の活用が 授業を進める 上
で重要な役割を果たす。本モデルでも,流動化している
状態を TVカメラで多人 数に視聴させ るならば,実 験手
段の提示や観察内容の確認に有効であろうと考える。
④授業の展開
.
0
5∼6
,5
.
p
4
,地震.丸善, 9
3
9
9
安藤雅孝・吉井敏魁, 1
.
2
6
2
'
.
p
0
0
3
,地震学第 2版.共立出版,
4
8
9
宇津徳次, 1
0,簡単につく れる「液状化 実験
9
9
香村一夫,織井久, 1
.
2
8∼9
,8
8
装置」.地学教育と科学運動, 1
.
p
6
4
0
5,理科年表.丸善, 1
9
9
国立天文台編, 1
.
p
9
3
3,自然災害を読む.岩波書店, 1
9
9
小島圭二, 1
普通校におい ては,実際の 地盤の液状化 による被害状
況を提示し,本モデルを使用した授業展開することがよ
4,「液化現象」.地学事典,平凡
9
9
田中琢・佐原真編, 1
り有効なものとなるだろう。
①∼④より,本モデ、ルは普通校においても有効な教材
'
.
p
8
3
7,火山と地震の国。岩波書店, 3
8
9
中村一明他, 1
と考えられた。
町田洋・小島圭二'
3. 教材開発の原 理からの有効 性の検討
視覚障害教育 では,教材教 具の開発の原 理(文部省
6)として次の 3点を掲げている。
8
9
1
①素朴な装置で仕組みで用意に理解できるものである
こと。
.
4
0
0p. '1
4
5
, 1
社
.
2
8
1
'
.
p
8
1
,自然、の猛威.岩波書店, 2
6
8
9
1
.
9
6
2∼1
6
1
4,新編地震災害と地盤・基礎.鹿島出
9
9
守屋喜久夫, 1
.
5
2
9∼1
1
1
'
.
p
8
7
1
版会,
6,実験と観察の指導。慶謄通信株式会社,
8
9
文部省, 1
.
5
'2
.
p
6
0
2
5
9
9
.1
0
3
5∼2
2
, 2
, 6号
巻
8
間々田和彦: PETボトルを使用 した地盤の液 状化モデルの 開発地学教育 4
〔キーワード〕 液状化現象, ベットボトル
化現象の
〔要旨〕 水で飽和した 砂を詰めたベ ットボトルと 電動マッサー ジ器を使用し ,地震時に生 じる地盤液状
の中
により,容器
観察すること
モデルを作成 した。電動マ ッサージ器で 振動が与えら れたベットボ トルを触って
ホー
察では,マン
が液状化によ り流動してい ることが直接 確かめられた 。また,密度 の異なる試料 を使用した観
ルの抜け上がりや電柱の沈み込みに相当する現象が再現できた。
,
9
2
6), 225∼ 2
8(
,4
.
i
c
.S
h
t
r
a
.E
t
a
c
u
d
.E
e
l
t
t
o
hPETb
t
i
nmodelw
o
i
t
c
a
f
e
u
q
i
fl
oMAMADA:Developmento
k
i
h
u
z
a
K
.
5
9
9
1
〔地学教育
)
0
一( 2
230
紹
2ページ
9
2
小林和男著生きている深海底四六判
介
持者ービスマルク海
③ホワイトレディのすみか一北フ
0円 平 凡 社
0
9
年 3月初版 2
5
9
9
1
ィジー海
④南に伝播する背弧拡大ーラオ海盆とアープ
著書は,海洋学者であることを知っている人は多いと
ルトラフ
⑤卵からひよこが生まれるか?
一沖縄トラ
思う。その著者自身が「しんかしゅ500」で潜水し,研究
フ ⑥伊豆七島の背後に海底の裂け目一鳥島,青ヶ島,
した大西洋中央海嶺中軸谷とトランスフォーム断層を含
須美寿リフト系
⑦裂けるのを止めた東北日本
第八章海底は地球環境の証人
め,多くの最新の成果をまじえて,世界の深海底の様子
を記したものである。およそ,無味乾燥な説明になりが
①海底に刻まれた地球環境の変遷
ちな海底の地学現象を,明快な文章で説明し読者を飽き
化石
させないと思う。本書の紹介は内容が明確になった方が
に見る地球核の流動と環境変動
よいと思い,目次の全項目を書くことにする。
プロローグ
り一火山灰(テブラ)
①二酸化炭素の行方
②じぐざぐに切られた中央海嶺
④中軸谷の精密調査
③海嶺の裂け目を覗く
かい 6500」の大西洋航海
⑤「しん
⑥深海に顔を出したマントル
岩石 ⑦やっと見つかった大西洋の熱水噴出
削 ⑨最古の大西洋は?
③深海掘
相似面( B SR)
マグマ溜りを探る
ーカ海嶺
洋海底
もに噴き出した二酸化炭素一沖縄トラフの例 ⑤炭酸カ
⑥深海底チャー卜層とオノ f
ール A/CT転移面
①地中海は砂漠だった
⑦インド
⑧海嶺山腹の傾斜と海底年齢
の足跡
第四章
参考のため,著者が大西洋中央海嶺のケーン断裂帯の
トランスフォーム断層の一部分を観察したときの驚きを,
本書の 44ページから引用し,次に書いてみる。「(前略)
②白亜紀太平洋の
とりわけ断層の激しい動きに伴う多くの崖崩れと地とり
③スパープリュームと地球磁場反
には驚かされた。この海域では海洋拡大とトランスフォ
④ジュラ紀太平洋のマントル・プリューム
の太平洋を求めて
転
⑤最古
は断層運動によってもまれて砕かれる一方で、熱水や冷た
②裸の沈み込み帯
ルからの贈り物一蛇紋岩海山
ーム双方の働きで海底表面には大小さまざまな亀裂が生
成され続け,切り立った崖をつくる。崖に露出する岩石
第五章深海底が沈み込む
①日本海溝と日本列島
③マント
④付加型沈込帯一南海ト
⑥比較海溝学
ラフ
⑤盛り上がった海溝ーパルパドス
の例
⑦マリアナ型と付加型沈込帯の見本市一中米海溝
第六章
きると思われる図や表もある。
⑦海山の磁気異常
深海底の広域大噴火とマントル・プリューム
①中部太平洋のスーパースウェル
スーパープリューム
⑥イン
ド洋に見るヒマラヤとモンスーンの誕生
⑤海山によ
④乱立するマントル・プリューム
⑥海山の帽子
④氷期に沈んだ海一日本海
⑤今も黒く濁った黒海とサンタパーパラ海盆
内容は以上の通りである。地学の授業に直接に使用で、
③プレート運動
②煙残るハワイ諸島
るプレートのたわみ
②さまざまな顔を持った地中
③重金属の宝庫一紅海
海
エピローグ,註,索引
第三章深海にきらめく海山
①海底の星座
④熱水とと
第十章海底に残る大変動の記録
②暗黒の深海底は生命の故郷 ③
④海上の磁気縞模様 ⑤ファンデフ
⑥ファンデフーカ海嶺の熱水噴出
②深海底の温度・圧力計一海底
③クラスレートの掘削
ルシウム消失深度と石灰層
第二章激しく噴火する東太平洋海膨
①熱水噴出の発見
④磁場変動
⑤もう一つの時間目盛
第九章炭素の貯蔵庫一深海底
第一章大西洋中央海嶺
①稜線に沿う谷間
②気候の指導一徴
③堆積物の時間目盛り一磁気層位学
日本列島の庭園一日本海と四国海盆
い底層水と反応してもろくなっていることが多いので,
ちょっとしたショックで崩れやすくなっている。海底で
は当然ながらすべての空隙が海水で飽和しているので,
陸上で豪雨下に土砂崩れが起こりやすいのと同じかその
最極端な場合に相当するわけだ。しかも中軸谷とトラン
③
スフォーム断層沿いにはマク ニチュード 4までのごく浅
地震の巣か?一日本海中部地震,北海道南西沖地震 ④
奥尻海嶺一深海掘削と潜航調査 ⑤島弧が割れた一四国
い地震がしばしば起っているからたまらない。崖はたち
①寺田寅彦の日本海拡大説
②日本海の深海掘削
海盆と九州パラオ海嶺
まち崩れて土石流となって斜面下部に大小礁の山を築く
ことになる。(後略)」こうした説明が随所にあり,地学
第七章列島分裂一拡大する背弧海盆
①熱水を噴き出すマリアナトラフ
e
②背弧拡大記録保
の授業の資料に適切に利用できる本であると,私は思
。
つ
(貫井茂)
6ペ ー ジ
3
1∼ 2
3
) 2
9号
3
8巻 第 6号(通巻第2
地 学 教 育 第4
1月
5年 1
9
9
1
高等学校地学における自然放射能に関する授業実践
荻原彰*
.
1
卜はじめに
放射線計測器「はかるくん j による調査
放射線計測には放射線計測協会(財団 法人)で貸し出
他の先進諸国に比べ,日本の児童・生 徒の放射線や放
射能に対する認識はやや劣っている ことが原子力文化振
興財団の報告書である『日本とヨーロ ッパ「エネルギー
と環境」に関する生徒の意識調査報告書』に指摘されて
している放射線計測器「はかるくん」を使用した。
「はかるくん」は主に大地からの r線を測る測定器で
Cs!シンチレーターを用いて測定している。
授業では学校の玄関壁面(花崩岩) と図書館の壁面
(安山岩),学校近くの公園の銅像の基台(花崩岩),公
いる。
一方地球科学においては物理探査の一 種として放射能
園入り口の露頭のヒン岩,公園横の寺院の石碑(ハンレ
探査が盛んに行われており,断層や鉱 物資源を探る際の
イ岩)をそれぞれ測定した。また地学クラブでは通学区
重要な手段となっている。しかし高 等学校 IA, IBお
内の須坂市,高山村,長野市の各地域をさまざまな岩種
よび Eの地学 (IAは第一学習社,
IBは東京書籍,実
教出版,啓林館から出ている)の教科 書では熱源として
(コンクリートも含む)にわたって調査した。それらを
h)に示す。
/
まとめた結果を表(表 1 単位は nSV
の放射性物質,年代測定への放射性同 位体の利用は扱わ
はかるくんによる測定は岩石表面とはかるくん先端部
れているが,地表での自然放射能をと りあげているもの
(検出機側)をできるだけ近づけ( 1cm程度)て測定し,
は見当たらず,自然放射能を教材として取り上げようと
3回測定した値の平均をその岩石の放射能値どした。
いう試みも金柿( 1994)などに見られるが,その数は少
0月に行った本校の修学旅行で,広島市
また平成 3年 1
ない。そこで本研究では上述のような 状況の改善に資す
の原爆公園(花園岩の敷石)と姫路市の姫路城(おそら
るため,自然、放射能に関する地学教材の開発を行ってみ
く流紋岩質凝灰岩の石垣)において筆者が測定した結果
。
こ
T
と高山村で測定した結果(このデータは表 1には記され
対象は長野県須坂高等学校の選択地学 受講者39名,実
ていない)を比較した調査も授業で使用したのでその結
践を行った時間は平成 6年 7月上旬,授業時間は 4時間
果を図 1にしめす。測定はそれぞれの場所の歩道に沿っ
である。
て行い,側点は 20m程度の間隔である。図 lの横軸の測
. 自然放射能の調査
I
I
ここで自然、放射能と呼ぶのは,環境中の放射能の中で
定地はこの側点のことである。これらの調査から次のこ
とが言える。
(a)酸性岩は放射能値が高く,塩基性岩はそれが低し、。
人工放射能を除いた部分,すなわち地球内部に存在する
中性岩はその中間である。すなわち岩石が酸性岩になる
放射性物質の放射能と地球の外からや ってくる宇宙線な
につれて放射能値も高くなる傾向がある。
どの放射能を意味する。ただし,この授業ではもっぱら
(b)コンクリートの放射能の値はやや高い
地球内部からの放射能を取り上げている。
(c)雪が岩石の上を覆うと放射能値が低くなる。
目に見えない自然放射能の存在を実感するためには,
自然、放射能を実際に調査することが必要と思われるが,
限られた授業時間では十分な調査は難 しい。そこで授業
では学校内や学校近くの公園の自然放 射能を調べ,「は
かるくん」による広範囲の調査は本校 地学クラブ地質班
の活動で得られたデータを利用した。
(d)七味温泉の安山岩は他の安山岩に比 べかなり放射
能値が高い。
これらの調査結果は次のように説明できる。
(a)や( c)は「はかるくん」を貸し出している 放射
線計測協会の手引きにも指摘されていることである。
(c)については,雪による放射線の遮蔽によるもので
あるが,雪のために岩石と「はかるくん」の距離が離れ
たことも関係しているであろう。
・長野県須坂高等学校
4日受付
5年 4月2
9
9
1
9日受理
9月2
コンクリートは放射能値が比較的高いこともよく知ら
MωMIl−N
︵ N︶
1から 5までは便業時、 10から 29はクラブによる測定
石英関緑岩
花街岩
1学校玄関壁面
安山岩
2 図書館壁面
6遊歩道石垣
7石碑 1
8石碑 2
ハンレイ岩
玄武岩
高灰岩
コンクリート
不明
43
90
32
46
111
116
9臥竜山露頭
67
30
70
35
39
37
40
41
14
26
20
45
43
35
49
41
26
22
18
18
29
︹
道
10山田牧t
i露頭
1
1 七味温泉露頭
12雷滝露頭
13小河原石垣
14北栂之島石垣
15別府町石垣
16八町石垣
17井上露頭 1
18塩野石垣
19塩野石垣で雷におおわれた部分
20米子
21 明徳露頭
22明徳露頭で雷におおわれた部分
23仁礼露顕 1
24仁礼露頭 2
25井上露頭 2
26綿内露頭 1
27綿内露頭 2
28保科露頭 1
29保科露頭 2
泥岩
47
3臥竜公園入口の露頭
4 公園内の像の台座
5 昌福寺石碑
ヒン岩
83
中
k
襲
撃
Z
場
,
8巻
4
5〕
9
9
, 1
6号
(23)-233
一一骨一一広島原爆公園 (花筒
工\﹀
岩)
ωc
一一姫路城(流紋岩質漣灰
一---0)
岩
一一+一一高山村舞の道 (安山
2
3
4
5
6
7
8
)
岩
測定地
図
1:修学旅行での放射能調査
れている。( d)については原因ははっ きりわからない
が,岩石が著しく変質し ており,また測定点が七 味温泉
然放射能と断層のような地質構造の関係を推定する。
この第 4次は生徒に提示した資料 と生徒に求めた考察
の直近であることから,測定点付近に断層破砕帯があり,
の間に飛躍があり,また a トラック法の結果から明白に
そこを通って放射性元素 を含む熱水が上昇してい るのか
断層を識別できなかったので,この報告からは省略する。
もしれない。
.教材の構成
m
本教材は 4時間をかけて実践された ものであり,討論
や放射能値の測定は 3∼ 4人の班単位でおこなった。
教材は大まかに言って次 のような全体構成となっ てい
以下,教材の内容を詳しく述べる。
. 自然放射能への導入
1
ここでの学習は表 2の通りである。この授業 では次の
事に配慮した。
(a)放射能についての基礎 知識は高校
2年の化学と 3
年の地学で既に学習しているので,簡単な復習にとどめ,
。
る
放射能は教室内や家の中 などどこにでも存在して いると
第 1次ー自然、放射能への導入
いうことを強調する。
自然、放射能についての基礎知識を学び,修学旅行で訪
(b)地質(岩種)により, 放射能値が違うというこ と
れた広島や姫路と高山村 での放射能値の違いの原 因につ
は「関係があるらしし、」と指摘する程度にとどめ,その
いて考える。この授業の ねらいは自然界にも放射 能が存
他の原因(人工放射能,標高の違し、)により,広島,姫
在することを確認し,地 質の違いが放射能値の違 いをも
路,高山村の放射能値の 違いが生じるのではない という
たらしていることを学ぶことである。
ことを明確にする。このような間接的な方法をとるのは,
第 2次ー放射能調査
地質(岩種)による違い を調べる次時の活動につ なげる
自然、放射能が岩種によってどう違うのかを知るため,
ためである。具体的な方 法としては,あらかじめ 生徒が
学校近辺で「はかるくん 」により放射能調査を行 う。こ
の授業のねらいは自然、放射能を実際に測定することで自
放射能値の違いの原因と して挙げるであろうもの を予想
し,それを否定する資料 を配布し,説明するとい う方法
然放射能の存在を実感し ,また岩種が違うと放射 能値が
rの土
s
o
985)より g
をとった。用意した資料 は市川( 1
違ってくることを測定を通して学ぶことである。
1)より飛行機が離陸して
9
9
壌含有量のグラフと樋口 ( 1
第 3次一自然、放射能と岩種
地学部で集めた自然放射能(「はかるくん」による)
から着陸するまで,「は かるくん」で測定した放 射能の
rの土壌含有量のグラブは ,広島とい
S
0
グラフである a 9
のデータと第 2次で集めた自然放射能の データから岩種
う地名から連想されるで あろう原爆の放射能が残 ってい
と自然放射能の関係を推 定する。この授業のねら いは岩
種と自然放射能の値には 一定の規則的関係がある ことを
るのではないかという考 え方を否定するために用 いた
rの土壌
s
o
rは核爆発由来の人工放射性核種であり, g
s
o
g
グラフの作成などを通して学ぶことである。
rの
s
o
含量は人工放射能の指標 となる。広島の土壌の g
第 4次一自然、放射能と断層
α トラックのデータと測定点の露頭の写真をもとに自
0
量よりも長野や札幌のそ れの方が多く,広島での 放射能
値の高さが原爆に由来するものでないことがわかる。
234-(24)
〔地学教育
飛行機が離陸してから着陸するまでの放射能のグラフ
は標高が高くなると放射能値は高くなることを示すため
2
.
放射能調査
ここでの学習は表 3の通りである。
に用いた。高度が高くなると宇宙線の量が多くなり,
表 3 第 2次の学習
「はかるくん」の示す放射能値も高くなる。一方,修学
旅行での「はかるくん」による測定値を見ると,高山村
学習内容
は広島や姫路よりも標高が高いにもかかわらず放射能値
導入
学習指導の展開
放射能測定器「はかるくん」の使い方と
が低く,広島・姫路と高山の放射能値の差が標高の違い
放射能値の記録の取り方を教師の説明に
によるものではないことがわかる。
より知る
各班の考えを発表させたところ,地質の違いが原因で
測定
あるとする班が 4班,標高の違いが 6班で人工放射能に
よると考えた班はなかった。標高の違いによると考えた
班はいずれも宇宙からの影響は考えておらず,標高が高
まとめ
くくなって,放射能値が減ると考えていた。
2
第
1次の学習
と地学クラブの調査結果をまとめた表(
次のことについて学ぶ
表 1)から各班ごとにグラフを作る
考察
核が崩壊し、放射線が放出される
考察し、発表する。発表から次のことを
透過能力
知る。
(
c)放射線は自然界のあらゆるところに
①火成岩については酸性岩になるにつれ
に存在し、したがって放射能は原爆の
放射能値が大きくなる。
ような人工的なものばかりでなく、自
る
考察
修学旅行で訪れた広島、姫路、通学区
内で生徒に身近な高山村のそれぞれに
において「はかるくん」で測定した放
射能値のグラフから地域によってその
値が違うことを学び、何故そのような
違いが生じるか、その原因について考
える
まとめ
各地の放射能値の違いが地質に起因す
ることを、それ以外の原因を否定して
ゆくことにより、間接的に学ぶ
グラフからどのような事が言えるのか、
火成岩の分類表も参考にし、各班ごとに
(b)α線
、 β線
、 7線の各放射線とその
然放射能という形でどこにでも存在す
前時に行った自然放射能の調査結果(各
班の調査結果を地点別に平均したもの)
自然放射能についての講義と資料より
(a)不安定な元素(放射性元素)の原子
学習指導の展開
洋習内容
導入
導入
各測定点の放射能値を平均し、記録を提
表 4 第 3次の学習
学習指導の展開
学習内容
1に示す各測定点の放射能値測定を各
出する。
いとそれだけ地球内部から遠いため,その影響が届きに
表
図
班ごとに行う
②雪があると放射能値が低くなる
まとめ
資料と教師によるまとめから次のこと 4
知る。
①火成岩では酸性岩になるにつれ放射性
元素の含有量が増し、放射能値が高く
なる
②従って花筒岩などの酸性岩の多い西日
本では放射能値が高くなる。広島や姫
路で放射能値が高かったのはこのため
であるの
③コンクリートは放射性元素が多く含ま
れているため放射能値が高いの
④雪上や水上では雪や水が放射線をさえ
ぎるため放射能値が低い。
4
8巻
, 6号
, 1
9
9
5
〕
(25)-235
図 2 放射能についてのイメージ(実線は授業前転戦は授業後)
と
か
て
も
な
り
や ど も や か と
や ち な ゃ な て
らい
り も
で
わかりやすい
わかりにくい
きれい
きたない
つめたい
あつい
くら~\
あかるい
おだやかな
はげし~\
安全な
危険な
好きな
嫌いな
使いやすい
{吏いにくい
無害な
有害な
身近な
身近でな
役に立つ
役に立たない
必要な
不要な
ふしぎな
ありきたり
な
苦しい
楽しい
3
. 自然放射能と岩種
ここでの学習は表 4の通りである。
れ示し, 5段階の尺度で評定してもらった。各形容詞対
と授業前,授業後の評定尺度平均を図 7に示す。
この授業での各班の考察を見ると,七味温泉の安山岩
それぞれの形容詞対の評定尺度平均について授業前と
のような例外があるため,岩種と放射能値の関係の一般
授業後に有意な差がみられるかどうか t検定( 5%水準)
的傾向を導き出すことはやや難しかったらしく, 1
0
個の
を行ったところ,わかりやすい一わかりにくい,あかる
班のうち,酸性度が高いと放射能値も高くなるという関
し、一くらい,はげしいーおだやかな,安全な一危険な,
係を見いだしたのは 7つの班,また雪があると同じ場所
好きなー嫌いな,使いやすい一使いにくい,無害な一有
で測定しても放射能値が低くなると指摘したのは 1つの
害な,身近な一身近でない,楽しい一苦しいの 9つの形
班にとどまった。またこのデータではコンクリートの放
容詞対について有意な差があった。つまり本教材を使用
射能値が目をヲ|くほど高くなかったので,コンクリート
することによって,生徒の放射能に対するイメージは,
の放射能値の高いことを指摘する班はなかった。そのた
よりわかりやすく, くらく,おだやかで,安全で,好き
めコンクリートについては教師のまとめで補足した。
で,使いやすく,無害で,身近で,楽しいと感じる方向
I
V
. 評価
へ変化した。
総じて言うと,授業前には放射能に対して悪いもの,
評価は「放射能」という言葉に対する形容詞一対比較
いやなものというイメージが著しく強かったのが,授業
法で行った。評価に使った形容詞は,予備調査で生徒か
後にはその嫌悪感が減少したと見ることができる。この
ら出された形容詞の中から適切な反対語が存在するもの
ような変化は自然放射能を実際に測定するなどの活動を
を使用した。同ーの形容詞対を授業前・授業後にそれぞ
経た結果もたらされたものであり,生徒の放射能への認
〔地学教育
236-(26)
識の深まりを反映したものと思われる。
四.謝辞
6)金柿主税,木下紀正,三仲啓「環境放射線観測と教
9
9
4
,
育 J,『鹿児島大学教育学部研究紀要特別号』, 1
pp.47-55
本論文を作成するにあたり,信州大学教育学部の飯利
雄一教授にご助言いただし、た。また村松久和助教授,飯
島南海夫名誉教授,学生の田中英二氏に aトラック法の
指導をいただいた。放射線計測協会には「はかるくん」
をクラプ活動や授業に長期間貸していただし、た。これら
の方々に御礼申し上げる。
なおこの研究は文部省の科学研究費補助金(奨励研究
7) 小 島 丈 児 他 『 地 学 IB,
』 1
994,第一学習社, p
.
320
8) 小 島 丈 児 他 「 図 解 地 学 IA,
」 1
9
9
5,第一学習社,
p.159
9)財団法人放射線計測協会『はかるくんの手引き』,
1
9
9
3
,p
.
2
3
1
0) 友 田 好 文 他 『 地 学 IB,
』 1
993,新興出版社啓林
.3
1
1
館
, p
(B))を受けている。
1
1) 友 田 好 文 他 『 地 学 I
l~. 1993,新興出版社啓林館,
参考文献
1)飯島南海夫,堀内公子,村山悠紀雄「松代温泉地域
のラドンと断層について J
,『温泉科学』, 1
9
8
1
, 32
巻
,
2号
, p
p
.42-51
2)市川龍資『暮らしの放射線学』, 1
9
8
5,電力新報社,
p
.1
7
5
1
2)日本原子力文化振興財団『日本とヨーロッパ「エネ
ルギーと環境」に関する生徒の意識調査報告書』,
1
9
9
3
, p.252
1
4)樋之口仁「身のまわりの環境放射線について一高校
理科における原子力分派の教材化に関する基礎研究
p.135
』 1
994,東京書籍, p
.
3) 海 野 和 三 郎 他 『 地 学 IB,
の中間報告一」,『鹿児島県高校理化学会誌』, 1
9
9
1
,
3
3巻
, 3
8号
, pp.38-47
312
4) 海 野 和 三 郎 他 『 地 学 I
l~. 1994,東京書籍, p
.1
9
2
1
2) 力 武 常 次 他 『 地 学 IB,
』 1
9
9
3,数研出版, p.319
5) 大 森 昌 衛 他 『 地 学 IB,
』 1
9
9
4,実教出版, p.207
荻原
彰:高等学校地学における自然放射能に関する授業実践,地学教育
4
8
巻
, 6号
, 2
3
1∼2
3
6
.1
9
9
5
年1
1
月
〔キーワード〕
〔要旨〕
自然放射能,放射線,高等学校地学,形容詞一対比較法
長野県須坂市,高山村,長野市において r線計測を行い,その調査結果を利用し,また授業での γ線計
測も取り入れた教材開発を行った。
形容詞一対比較法で評価し,授業前後で有意な変化が見られた。
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,4
8(
6), 2
3
1∼ 2
3
6
,
1
9
9
5
0ページ
5
7∼ 2
3
) 2
9号
3
巻 第 6号(通巻第2
8
地 学 教 育 第4
1月
5年 1
9
9
1
資料
古流系解析からみた地質学(堆積学)及び地学教育研究史
∼その
.
2
スランプ構造及び漣痕∼
長沼幸男*・長浜春夫**.照井一明*日
第一報で述べたように,古流系解析の研究を内包した
プ構造を見ることができる。このうち,スランプ過摺曲
堆積学は,ごく一部の大学を除いて,第二次世界大戦終
と呼ばれるスランプ構造は,「摺曲軸面が水底斜面の最
了まで研究及び教育の伝統が存在しなかった。近代地質
大傾斜の方向に倒れる」との前提のもとに,スランピン
学は,明治以降欧米から導入され進展してきたが,その
グの運動方向(斜面の傾斜方向)を教えてくれる。
中心は層位学・古生物学・岩石学・鉱物学などといった
.
2
分野であった。それゆえ, 1945年以前は,古流系解析は
おろか堆積構造の記載すら極めて乏しい状況であった。
このような状況の中で,今回述べるスランプ構造と漣
スランプ構造の研究史の概要と文献リスト
スランプ層・スランプ構造という名称が広く用いられ
るようになったのは,おおむね 1965年以降で,それ以前
は層間異常(異状)とか層間摺曲などと呼ばれていた。
痕については,早くも 1920年代にその記載を主題にした
我が国のスランプ層・スランプ構造に関する学術的記
論文が発表されており,その意味では我が国の堆積学研
載は,房総半島新第三系において植田( 1929)により開
究の草分け的意義を有しているということができる。
始された。翌年,早川( 1930)は,秩父盆地第三系にお
皿 スランプ構造( slumpingstructure)による
古流系解析
いてほぼ全域を網羅する形でスランプ層の発達状況を調
べ,「秩父盆地第三紀層堆積の途中に於て異常地層を生
じたる水中地とは大凡二大時期に起きたものと推察する
本稿では,スランプ構造の解析から得られるスランピ
ングの運動方向すなわち地層のすべりの方向もまた古流
ことが出来る」との結論を得ている。
)
5
5
9
,1
3
5
9
後年,房総半島のスランプ構造は小池( 1
系のーっとして扱う。
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や山内( 1969)らによって,また秩父盆地のそれは A
.
1
, 1979)らによって次
7
7
9
1960)や山内( 1
andKanno(
スランプ構造とは
海成層や湖成層の成層状態は,必ずしも畳を重ねたよ
)
9
2
9
々と研究成果が発表されることになるが,植田( 1
うに整然となっているとは限らず,上下を正常な地層に
や早川( 1930)の記載は,まさにそれらに先鞭をつける
よって挟まれた単層あるいは単層群オーダーで地層に乱
意義あるものであった。
れを生じていることがある。このような乱れた堆積状態
早川( 1930)より後のスランプ構造の研究の進展は,
を示す地層をスランプ層( slumpbed,写真 1)と呼んで
戦後まで待たなければならなかった。 1950年代を迎える
L
E
−
堆積した地層が,水底面の傾斜角の
と,藤原・生越( 1950),林( 1951),池辺( 1951)らを
急激な変化や地震の衝撃等の影響を受けて,未聞結∼半
始めとする多くの地質学者が,第三紀層を中心に各所で
固結状態のまま水底の斜面を一団となってすべり下った
様々な形態のスランプ構造を報告するようになった。こ
ときに形成されると言われている。
れによって, 50年代の後半には,もはやスランプ構造は
いる。これは,
スランプ層の内部を観察すると,①地層が波のような
異常(異状)なものではなく,堆積盆地の発達過程のあ
うねりを示しているもの(スランプ摺曲),②うねりの
る時期においては,むしろありふれたものでさえあるこ
軸面が一方向に倒れ横臥摺曲状の形態を示しているもの
とが広く認識されるようになった。
(スランプ過摺曲),③地層がバラバラに壊されて偽礁
そして, 1960年代に至ると,スランプ構造の形態から
イヒしたもの(スランプボール)など,いろいろなスラン
スランピングの運動方向が具体的に論じられるようにな
・大宮市立少年自然の家
日大同建設工業株式会社(元地質調査所)
...岩手県立総合教育センター
6日受理
1日受付 9月1
5年 7月2
9
9
1
,1964ほか)においてもスランプ。構造解析が
o
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a
層群( K
るとともに,中・古生層(田中, 1965ほか)や四万十累
手掛けられるようになった。続く 1970年代には,たとえ
ば牡鹿半島の白亜紀層における滝沢( 1975)や紀伊半島
〔地学教育
)
8
一( 2
238
0)の
7
9
南部における紀州四万十帯団体研究クーループ( 1
研究にみられるように,スランプ。過摺曲の解析から堆積
9:和歌山県切目崎
6
9
原田哲朗・志岐常正・徳岡隆夫, 1
海岸に発達する砂質 フリッシュの堆積構 造(その 1)
盆地の形態や供給源 の方向を推定する試 みが積極的にな
ー内部堆積構造と BO U MAの模式ー.和歌山大 教育
された。
0年代以降は,付加体,メランジュという
8
9
しかし, 1
概念が急速に広まっ たために,いわゆる 秩父中・古生層
や四万十累層群にお けるスランプ構造解 析のみの研究は
行なわれなくなった 。このため,スラン プ構造解析の主
要な研究対象は,構 造的変形度の低い新 第三紀層や洪積
層に絞られる傾向が 顕在化するとともに ,論文の数も全
体的に減少してきている。
スランプ層・スランプ構造に関する文献リストは,次
のとおり.
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守・水谷伸次郎, 1971:美濃帯古生層の s
, 39sと古流系について.地質学論集, 6号
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,224-231.
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7:五日市盆地第三紀層中にみられる堆積
6
9
新井重三, 1
, 81-106.
6号
構造の研究.埼玉大紀要教育学部, 1
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,1-396.
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9:山口県新第三紀油谷湾層群
8
9
葦津賢一・岡田博有, 1
,
, I号
6巻
の堆積学的研究.九州大理研報(地質) .1
1-17.
0:和歌山・三重両県境付近に分布する
8
9
千々和一豊, 1
.
1
7年大会, 8
熊野層群の堆積相(演旨).日本地質学会8
0:北部フォッサマグナ,中新
9
9
遠藤正孝・立石雅昭, 1
,
, 3号
6巻
世の難波山海底扇状地の復元.地質雑, 9
193-209.
2:小橿川・養老川上流地域の
5
9
藤田至則・陶山国男, 1
中部鮮新統の堆積機構(その 1)ーとくに,地質 構造
, 553-561.
87号
, 6
8巻
についてー.地質雑, 5
3:小橿川・養老川上流地域の
5
9
藤田至則・陶山国男, 1
中部鮮新統の堆積機構(その 2)ーとくに,地殻変 動
, 25
, 688号
と地層生成との関連性−.地質雑, 59巻
-31.
0:いわゆる“層間異常堆積”
5
9
藤原昭・生越忠, 1
.
9
9
, 2
, 656号
巻
6
についての一考察.地質雑, 5
, 31-36.
9集
紀要(自然科学) '1
7:秋田県五城目町北方にみられる船川層
6
9
長谷紘和, 1
,
, 2号
3巻
中の乱堆積層について(演旨).地質雑, 7
.
5
0
1
橋本亘・菅野三郎・品田
3:北海
6
9
穣・大島一精, 1
,
巻
9
道渡島半島今金一国縫一八雲間の地質,地質雑, 6
, 228-238.
2号
1
8
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Re
.
8
0
2
0:秩父盆地第三紀層中に存する水中地と.
3
9
早川千尋, 1
, 342-346.
96号
, 4
巻
2
地学雑, 4
1:層間摺曲と播変性(主として知多半島
5
9
林唯一, 1
第三系内の層間摺曲に関する知見と実験考察)(演旨).
.
0
2
, 3
70号
, 6
巻
7
地質雑, 5
4:揺変性層間摺曲について.愛知学芸大
5
9
林唯一, 1
研報,第三輯, 80-87.
5:ティクソトロビーに関連する地質現象.
5
9
林唯一, 1
, 37-42.
4号
地球科学, 2
5:愛知県知多半島
5
9
林唯一・粂浩一・杉江邦一, 1
,
号
18
, 7
1巻
南部の中新統について(演旨).地質雑, 6
360-361.
2:高知県大方町一
8
9
弘畑佳之・岡村真・平朝彦, 1
∼古第三系(演
る四万十帯白亜系
土佐佐賀町におけ
.
1
3
9年大会, 2
旨).日本地質学会8
1:紀伊半島東南部の熊野層群の地質と堆
8
9
久富邦彦, 1
, 157-174.
, 3号
7巻
積.地質雑, 8
9:潮岬火成複合岩体付近にみ
7
9
久富邦彦・三宅康幸, 1
られる熊野層群中のスランプ層について(演旨).日
9
2
年大会, 1
本地質学会86
堀内一利・谷口英嗣, 1985:三浦半島南部の 新第三系
.
2
2
年大会, 1
2
(その 2) (演旨).日本地質学会9
9:埋積と前進に伴うタービダイトの岩相
8
9
保柳康一, 1
(29)-239
〕
5
9
9
, 1
, 6号
巻
8
4
変化一中部北海道・中部中新統古丹別層一,地質雑,
.
5
2
09 5
, 5
, 7号
5巻
9
6:海底チャネルによるタービ
8
9
保柳康一・大上拓男, 1
ダイトと関連粗粒岩の形成一中央北海道・中部中新統
, 855-870.
2号
, 1
2巻
古丹別層ー.地質雑, 9
4:五日市盆地の第三系につい
6
9
菅野三郎・新井重三, 1
, 1-14.
2号
て,秩父自然、科博研報, 1
4:北海道朱鞠内∼添牛内付近
6
9
菅野三郎・橋本亘 , 1
.
3
0
, 4
26号
, 8
0巻
の新生界(演旨).地質雑, 7
菅野三郎・小川
3:北海道夕張市紅葉山一滝の
6
9
, 1
久
4:房総
8
9
飯島祥二・造田誠・山内靖喜・三梨昂, 1
, 262-278.
, 813号
上付近の第三系,地質雑, 69巻
半島西部上総層群十 宮層中のチャネル構 造及び乱堆積
.
9
3
1年大会, 1
構造について(演旨).日本地質学会9
0:三浦半島南部中新統中の海底地すべり
8
9
桂雄三, 1
.
0
8
7年大会, 1
堆積物(演旨).日本地質学会8
1:し、わゆる層間異常についての考察(演
5
9
池辺展生, 1
.
0
2
, 3
, 670号
7巻
旨).地質雑, 5
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8:瀬棚層と黒松内層との関係
6
9
池谷仙之・植松健児, 1
.
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について一北海道渡 島半島八雲・今金・ 瀬棚地域の地
,
4巻
質一.地質雑, 7
, 21-36.
1号
2:三国山付近の和泉層群の堆積学的研究
8
9
井宮裕, 1
.
4
0
9年大会, 3
(演旨).日本地質学会8
.
6
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4:和泉山脈三国山付近の和泉層群の堆積
8
9
井宮裕, 1
.
7
1
1年大会, 2
学的研究(演旨).日本地質学会9
5:室戸半島の地質(その 1).
6
9
甲藤次郎・有田正史, 1
, 59-63.
5巻
高知大学術研報(自 然科学 I), 1
7:北蒲原地域に発達する乱堆
6
9
井上寛生・片平忠実, 1
.
3
0
, 3
, 5号
2巻
3
誌,
積層(演旨).石油技
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,215-232.
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9:紀伊
7
9
石上知良・紀州四万十帯団体研究グループ, 1
半島南部海岸地域, 見老津一日置川間の 牟婁層群につ
5:根室層群の堆積学的研究(その 2)
7
9
君波和雄, 1
一根室層群厚岸層の フリッシュ型砂岩の X線による透
.
8
2
6年大会, 1
いて(演旨).日本地質学会8
45-58.
, 697-708.
1号
, 1
1巻
過観察一.地質雑, 8
磯見博・長浜春夫'
6:根室層群の堆積学的研究(その 4)
7
9
君波和雄, 1
−下部厚岸部層から 中部厚岸部層にかけ ての後背地の
.
5
2 3
, 3
号
32
, 8
1巻
論に関する一資料一.地質雑, 7
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, 773-782.
2号
, 1
2巻
変化について−.地質雑, 8
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5:対馬北端の海老島に見られ
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る鮮新統と対州層群との不整合関係一対州層群の時代
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,213-232.
3
.
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7:秋田県二ツ井付近七座背斜の成長と堆
7
9
伊藤谷生, 1
, 509-521.
, 8号
3巻
積環境の解析.地質雑, 8
3:亀ノ尾層に見られる層間異常.東北大
5
9
岩井淳一, 1
, 1-22.
2号
地質古生物教室研邦文報, 4
4:徳島県上那賀町・海南町付近の四万十
8
9
岩田尊人, 1
1年大会,
累層群の層序・構造(演旨).日本地質学会9
.
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.607-624.
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9:紀伊半島南部海
6
9
紀州四万十帯団体研究グループ, 1
岸地域の層序と構造一紀伊半島四万十累帯の研究(そ
9
, 1
9集
の 3)一.和歌山大教育紀要(自然科学) . 1
-29.
0:紀伊半島南部海
7
9
紀州四万十帯団体研究グループ, 1
岸地域の牟婁層群の 堆積学的・古生物学 的研究一紀伊
半島四万十累帯の研究(その 4)一.和歌山大教育紀
, 75-102.
集
0
要(自然、科学入 2
0:南部北上山地唐桑半島周辺の三畳系
8
9
鎌田耕太郎, 1
稲井層群(その 2)一大沢層にみられ る層間異常につ
3:層間異常の地史的意義について,堆積
5
9
小池清, 1
.
6
2
13 7
, 7
1号
, 1
巻
6
いて−.地質雑, 8
にみられる稲井層
:宮城県登米町付近
1
8
9
1
鎌田耕太郎,
小池
群中の海底地滑り堆積物(演旨).日本地質学会 88年
.
5
2
大会, 2
6:スランプ構造.地質学ハンドブック,
6
9
菅野三郎, 1
朝倉書店, 115-119.
, 2- 3.
5号
5:し、わゆる層間異常の地史的意義につい
5
9
, 1
清
学研究,
.
2
8
56 5
, 5
23号
, 7
1巻
て.地質雑, 6
0a :三浦半島南西部の三崎累層にみられ
8
9
小島伸夫, 1
,
, 5号
6巻
る乱堆積層について(第 1報).地質雑, 8
313-326.
0b :三浦半島南西部の三崎累層にみられ
8
9
小島伸夫, 1
2
4
0
一( 3
0
)
〔地学教育
る乱堆積層について(第 2報).地質雑, 8
7巻
,
4号
,
西田彰一・津田禾粒・篠原興弥・永田
197-210.
小松直幹・大森隆一郎, 1956:層間異常の一つについ
て.堆積学研究, 1
3号
,
1 6
.
旨).地質雑, 7
3巻
,
戸砂泥互層の砂岩.地質雑, 7
6巻
,
7号
, 337-346.
旨).地質雑, 6
8巻
, 8
02号
, 423-424.
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7
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岡田博有・柴田秀道・辰巳洋治郎・鍋倉直哉, 1
9
7
1:対
2
1
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.
2
,115-125.
9
8
5:伊豆半島南部下
松本良・片山哲哉・飯島東, 1
田周辺の地質の再検討一堆積盆の変遷,火成活動と
馬北部の地質.鹿児島大理報, 2
0号
, 13-3
1
.
大森隆一郎・小松直幹, 1
9
5
8:房総半島の鮮新統中の層
l号
, 43-63.
間異常のし
三梨昂・垣見俊弘, 1
9
6
5:異常堆積層の 2つのタイプ
とその意義について(演旨).地質雑, 7
1巻
, 8
38号
,
坂靖範・三梨昂・山内靖喜, 1
9
8
9:深層型地とり層
のスケールモデ、ル実験(演旨).日本地質学会96年 大
宮崎浩・阿竹宗彦, 1
9
6
8:男鹿半島鮪川層砂岩中の堆
積徴構造について(演旨).地質雑, 7
4巻
,
2号
, 1
4
1
会
, 4
0
9
.
佐々木清隆・牛島信義, 1
9
6
6:新潟県東山油帯の椎谷層
-142.
および西山層に発達する級化砂岩の堆積学的研究.岩
茂木睦, 1
9
6
9:長野県浜横川マンガン鉱床の逆転層序
と乱流による鉱床の変形.鉱山地質, 1
9巻
, 9
3号
,
1
鉱
, 5
6巻. 4号
, 161-182.
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武藤鉄司, 1
9
8
5:掛川地域の更新統から発見された化石
海底チャンネル.地質雑, 9
1巻
,
7号
, 439-452.
長浜春夫, 1
970:天草上島にみられる古流系(演旨).
地質雑, 7
6巻
,
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2号
, 8
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長浜春夫, 1
983:長崎県対馬の古地理(演旨).日本地
質学会9
0年大会, 2
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5
,293-302.
島田呈郎, 1
9
5
5:古湖盆の堆積学研究(第 1報)ー鬼首
9
7
3:対馬鹿見地域に
長浜春夫・長沼幸男・西川正己, 1
湖成層の堆積状態について−.地質雑, 6
1巻
, 7
16号
,
218-226.
みられる対州層群のスランプ構造(演旨).日本地質
学会8
0年大会, 1
2
6
.
塩原鉄郎・松橋正昭, 1
9
7
1:八戸市西方の鮮新統正法寺
長浜春夫・坂井卓, 1
9
7
2:鹿児島県屋久島の四万十累
層群の堆積構造.地調月報, 2
3巻
, 8号
,
1-11.
層の乱堆積(演旨).日本地質学会7
8年大会, 1
2
3
.
徐
9
7
9:対馬対州層群中の赤色礁岩
長浜春夫・章基弘, 1
の供給源(韓国白亜系の関係)(演旨).地調月報, 30
徐
4号
, 2
6
1 2
6
2
.
9
5
4:豊房累層の堆積環境ー房総南端その 2
洋
, 1
0巻
, 7
0
8号
, 388-399.
一.地質雑, 6
7巻
, 6
75号
, 511-525.
三紀層ー.地質雑, 5
聡・篠原興
弥
, 1
9
6
6:し、わゆる難波山層の堆積構造ーいわゆる
難波山層に関する研究(その 2)一.新潟大地質鉱物
2
号
, 8
7 1
0
7
.
菅
清規・伊藤俊弥・高橋敏夫・大森吉蔵, 1
9
7
2:花岡
鉱山,松峰鉱床の海底熱水性噴気堆積鉱床としての全
体像,鉱山地質, 2
2巻
,
成瀬洋・杉村新・小池清, 1
9
5
1:房総南端一新第
I号
, 15-20.
垣
, 1
9
8
5:富士川層群身延累層中にみられる古海底
チャネルの堆積相とその形成過程.地質雑, 9
1巻
,
南縁の波多層の古流向.日本地質学会8
8年大会. 2
4
0
.
西田彰一・津田禾粒・長谷川義行・永田
垣
, 1
9
8
0:富士川層群身延累層の堆積学的研究(演
旨).日本地質学会8
7年大会, 1
7
8
.
長沼幸男・長浜春夫, 1
9
8
1:島根県中部,“大田湾入部”
教室研報,
2について.藤本治義教授還暦記念論文
集
, 202-208.
370-371.
成瀬
孝雄, 1
9
7
9:北海道東部・豊頃丘陵南部地域の第三
系の地質および構造(演旨).日本地質学会8
6
年大会,
け
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.
熱水変質作用−.地質雑, 9
1巻
,
2号
, 1
0
3
.
仁科良夫・島田安太郎, 1
9
6
2:木曾谷・滝越湖成層(演
9
7
0:群馬県南西部に分布する神
久保誠二・角田寛子, 1
巻
,
聡
, 1
9
6
7:新潟
盆地の新第三系中に発達する互層に関する考察(演
3号
, 225-249.
杉山雄一, 1
9
7
9:大井川層群の海底地すべり堆積物一瀬
戸川層群起源の異地性角喋岩体について(演旨).
日
6
年大会, 2
1
1
.
本地質学会8
須鎗和己・坂東祐司・波田重照, 1
9
6
9:四国東部の秩父
累帯古生界の構造ーとくに深層断面について−.徳島
大教養紀要(自然科学), 3巻
,
9-18.
48巻
, 6号
, 1995
〕
鈴木博之, 1975:フリッシュ中のスランプ過“摺曲”
(演旨).日本地質学会82年大会, 7
6
.
る新第三系,青木・小川・柵累層の古流系と堆積相.
地質雑, 83巻
, 1
2号
, 783-793.
日本地質学会7
9年大会, 1
7
9
.
2号
, 9
4
.
様堆積物(演旨).日本地質学会8
1年大会, 1
4
8
.
1-39.
する若干の問題.地団研第3
0回総会シンポジウム「日
本列島地質構造発達史」資料集, 34-38.
山内靖喜ほか(地層変形研究グループ), 1965:層内変
S l u mp構造について(演旨).地質
雑
, 7
1巻
, 838号
, 3
7
1
.
山内靖喜・三梨
昂・飯島祥二・片岡信将, 1983:神奈
川県三浦半島南端にみられるいわゆるスランプ構造に
滝沢文教, 1976b :南部北上牡鹿半島のジュラ系にみら
れる河川成堆積サイクル.地質雑. 82巻
, 10号
, 625
-642.
ついて(演旨).日本地質学会90年大会, 2
5
7
.
山内靖喜・三梨
昂・片岡信将, 1982:三浦半島南部お
よび城ヶ島の三崎累層中のスランプ。構造(演旨).日
棚部一成, 1972:宇和島地方の白亜紀層.地質雑, 78
4号
, 1
7
7 1
9
0
.
本地質学会89年大会, 2
9
7
.
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dOkuboS
.
, 1990:Growth
田中啓策, 1965:和泉山脈中部の和泉層群,とくにその
堆積相と堆積輪廻について,地調報告, 212号
,
1
3
3
.
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9
6
,n
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.
7
,523-536.
田中啓策, 1970:茨城県那珂湊海岸の上部白亜紀タービ
ダイト層.地調月報, 2
1巻
, 10号
, 13-27.
靖夫, 1
9
8
1:北海道中軸帯白亜系の古流
系.地調月報, 32巻
,
2号. 65-114.
田中啓策・寺岡易司, 1973:鹿児島県甑島の上部白亜系
姫浦層群,地調月報, 24巻
,
4号
,
1-28.
寺岡易司, 1970:九州大野川盆地付近の白亜紀層.地調
津田禾粒・永田
昂
, 1968:し、わゆる層間異
状について.日本地質学会第75年 年 会 地 質 見 学 案 内
形層の解析
滝沢文教, 1976a :南部北上帯中生界の構造発達史に関
報告, 237号
,
そ
, 613-625.
の 2,古海底地形.地質雑, 85巻
, 10号
書. 36 4
1
.
滝沢文教, 1975:南部北上牡鹿半島の白亜紀層の堆積.
田中啓策・角
そ
の l 形態.地質雑, 83巻
, 8号
, 475-489.
山内靖喜・垣見俊弘・三梨
滝沢文教, 1974:唐桑・牡鹿の上部ジュラ系ブリッシュ
巻
,
巻
, 6号
, 293-302.
山内靖喜, 1979:秩父盆地の中新統内の乱堆積構造
滝沢文教, 1968:牡鹿層群のジュラ系と白亜系(演旨).
6号
,
山内靖喜, 1969:層間異常層の構造解析.地質雑, 75
山内靖喜, 1977:秩父盆地の中新統内の乱堆積構造
高 木 孝 , 1972:層間異常と上下のフリッシュ(演旨).
地調月報, 26巻
,
山内靖喜, 1964:房総半島新第三系にみられる 1 ・2の
小構造(演旨).地質雑, 7
0巻
, 826号
, 396-397.
鈴木一久, 1977:北部フォッサマク守ナ地域中央部におけ
地質雑, 7
4巻
,
(31)-241
1-84.
聡
, 1969:新潟県下の新生界中に発達
するフリッシュ型互層に関する諸問題一いわゆる難波
山層に関する研究(その 4)一.グリータフに関する
諸問題(日本地質学会第76年 学 術 大 会 総 合 討 論 会 資
料
) .275-282.
植田房雄, 1929:上総新第三紀層中の層間異状堆積.地
質雑, 3
6巻
, 429号
, 288-289.
渡辺拓美, 1983:房総半島,大田代層の泥勝ち互層中の
U
J内靖喜・友利方彦・三梨 昂
, 1989:上総層群中の長
浜チャネルの構造(演旨).日本地質学会96年大会,
3
1
8
.
山崎博史・上田哲郎・飯島祥二・山内靖喜, 1985:広島
県三次市南部の備北層群中にみられるスランプ。構造に
ついて(演旨).日本地質学会92年大会, 1
0
1
.
八 尾 昭 , 1983:紀伊由良地域の秩父帯南部・四万十帯
北縁の中生層(演旨).日本地質学会9
0年大会, 1
7
5
.
古谷昭彦・山内靖喜・安藤善之, 1982:照来層群春来泥
岩層にみられる乱堆積構造.鳥取大学教育学部研報,
3
1巻
,
2号
, 85-95.
3
. 地学教育面からみたスランプ構造の研究小史
スランプ層・スランプ構造なるものが最初に一般の入
人の目に触れたのは,地質ニュースに掲載された三梨・
垣見 (
1
9
6
4)の「し、わゆる異常堆積について」と題する
解説文であろう。円、わゆる”という言葉を冠したとこ
一乱堆積層について(演旨).日本地質学会90年大会,
ろがし、かにも一般向けらしし、。彼らは,異常堆積を表層
2
5
9
.
地すべり型(単層オーダーの変形)と深層地すべり型
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(単層群オーダーの変形)に大別 L,それぞれの実例を
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7
9
,
多数の写真やスケッチを付して紹介した。同著の最後の
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.
6
.381-390.
項には,「深層地すべり型の異常層は,堆積盆内におけ
〔地学教育
)
2
一(3
242
る沈降の中心が変位する (づれる)という運動の 型式を
本誌において「堆積盆解 析の一方法ースランプ構 造の
具体的に表現したもので あり,それを起こした沈 降運動
例一」と題する論文を著した。この当時,スランプ。層に
は,ひきつづき次の時期 の地層の発達を規制して いると
ついては,「たいせきし た層が沖のほうにすべっ て移動
みることができる」との 一節がゴチック書きされ ている
年度用中学校理科第二分野下,
する場合もある」(昭和56
が,このような指摘は地 質の入門者には大変参考 になる
大日本図書)というよう に中学校の教科書に載っ ていた
こともあって,決して難 しい地質現象ではないと みなさ
ものであった。
ところが,その後しばら くは,スランプ構造を教 育の
舞台に登場させる試みは 頓挫してしまった。その 主因
れたからであった。長沼らは,スランプ過摺曲を例に,
①野外において観察・測 定すべき要素を具体的な 例をあ
は,測定の仕方や堆積時 への復元の操作が学生・ 生徒に
げて示し,②難しいとさ れていたステレオネット による
は難しいと判断されたた めである。実際,変形し ている
0コマの図を用いて順を追 って表
堆積時への復元操作を 1
地層の,どこを,どのよ うに測ればよいのか理解 しにく
し,③九州対馬の対州層 群において解析したすべ りの方
いうえ,堆積時への復元 操作もステレオネット( ウルフ
向とその解釈の一例を概 念図(第 4図)を添えながら解
網)を用いた複数の過程 を経なければならない。 さら
説した。そして,「スラ ンプ層は,中生層や第三 紀層を
に,地質の研究者の中に は,ユニバーサルクリノ メータ
ーという学生・生徒には ほとんど馴染みのない測 定器具
中心に,日本の多くの地 域で観察されるので,高 等学校
の地学クラブの研究とし て,あるいは地質学の入 門者が
を使う人も多く,スラン プ構造の教育場面での取 り掛か
訓練の一環として取り組 むには良い教材となる。 」との
りを一層困難にした可能性がある。
結語をもって締めくくった。
後年,この試みを土台に,長沼らは,本誌において,
1)が,
8
9
かなりの時間が経過した 後,長沼・長浜( 1
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JAPAN SEA
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黄海
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EAST CHINA SEA
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°
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第 4図
200km I
0
°
28
1
対州層群堆積時の古流系概念図{長沼・長浜,
)
1
8
9
1
黒矢印はスランプ層の解析から推定される砕屑物の供給方向,白矢印はソールマーク等が示す中軸流の
方向,横線部は中生代白亜紀陸成層の分布域,網部は対州層群堆積当時の堆積盆の広がり。
4
8巻
, 6号
, 1
9
9
5
〕
(33)-243
より簡易なスランプ過摺曲の測定及び堆積時への復元法
態の違いによっていくつかの型に分けられているが,古
を提示した(長沼ほか, 1
9
8
4;長沼・長浜, 1
9
8
9
。
)
流系解析の手段としてよく用いられるものは舌状漣痕と
地学教育面におけるスランプ構造関係の文献は,次の
三梨
非対称漣痕である(第 5図
)
。
舌状漣痕(写真 2)は,文字が示すように平面的な形
とおり。
昂・垣見俊弘, 1964:いわゆる異常堆積につい
て.地質ニュース, 1
1
7号
,
8-14.
いる方向が水流の方向を示す。
長沼幸男・長浜春夫, 1
9
8
1:堆積盆解析の一方法一ス
ランプ構造の例一.地学教育, 3
4巻
, 3号
, 63-70.
長沼幸男・長浜春夫, 1
9
8
9:神奈川県城ヶ島付近におけ
る地学実習コース(その 3)
一古流系の面的解析例
を中心をとした地質教材一.地学教育, 4
2巻
, 4号
,
非対称漣痕は,ほぼ直線上に延びる峰と谷が交互に繰
り返す。水流の向きは,峰(谷)の延びの方向に直角で,
かつ峰から谷へ向かう斜面が急傾斜する方向である。
2
.
漣痕の研究史の概要と文献リスト
日本人による漣痕の記載は,早くも 1
9
2
6
年に協水によ
ってなされ,続く 1930年代には O
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1930),門田
151-165.
長沼幸男・長浜春夫・斎藤洋彦, 1
9
8
4:神奈川県城ヶ島
付近における地学実習コース(その 2)
態が舌によく似ている。この型の漣痕は,舌の突き出て
一城ヶ島西
(
1
9
3
2)及び大石(1
9
3
5)らが優れた研究を行った。
1
9
4
0
年代には見るべき業績はないが, 1
9
5
0年代に入る
海岸地域の地質教材−.地学教育, 3
7巻
, 5号
, 145
と甲藤(1
9
5
2),深田・生越(1
9
5
2),早坂(1
9
5
3)等の
-154.
手によって再び記載学的研究が進められた。
町 漣痕( r
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emark
)による古流系解析
1
.
漣痕とは
砂層の表面を水あるいは空気が流れると,表層部の砂
さて,漣痕から古流系を論じた最初の論文は,沢田
(
1
9
5
4)である。彼は,佐世保炭田の古第三系において
漣痕により流向を推定し,これと岩相図を組み合わせて
地史学的議論を展開するという画期的な研究を行った。
粒が横方向に移動し,漣痕と呼ばれる周期的な模様が作
その後,武井(1
9
6
2)はこの種の研究を中生層に,また
られる。漣痕は,砂粒を動かす営力の違いや平面的な形
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1
9
6
2)は第四紀層に,更に長浜( 1970)は現世堆
積層にそれぞれ広げた。
一方,長浜ほか( 1
9
6
8)は,多数の図及び写真を示し
ながら,「水流漣痕と他の初生的堆積構造の流向には 45
∼9
0
° の違いがある」と指摘し,「両者の野外および理
論的な室内実験の詳細な観察と考察が望ましい」との問
題提起をした。
これらの研究を踏まえ,以後全国各地で数多くの漣痕
に基づく古流系解析が行われているが, 1
9
8
0年以降は堆
積相解析(後掲)の視点から他の堆積構造と組み合わせ
舌状漣痕
た総合的な取り扱いが主流をなしている。
一方,古流系解析の基礎となる実験堆積学的研究であ
るが,この分野では野満ほか(1
9
4
3)が先駆をなし,続
いて木村(1954),正司(1955)及び林(1958)らが発
展させた。
漣痕に関する文献リストは,次のとおり。
新井房夫・武井現朔・細谷尚・林信悟・高橋例,
1
9
5
8:山中地溝帯で発見された化石漣痕についてーそ
の記載と一考察−.地球科学, 40
号
,
1-12.
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,67-84.
第 5図舌状漣痕と非対称漣痕の模式図
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8:大隈海峡にみられるベッドブオームの形態と分
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9:山口県新第三紀油谷湾層群
8
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葦津賢一・岡田博有, 1
,
, l号
6巻
の堆積学的研究.九州大理研報(地質) '1
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2
9
279 2
2:大連付近の漣痕と其の層位学的意義.
3
9
門田重行, 1
, 759-771.
1号
7
, 4
9巻
地質雑, 3
4:南部北上山地宮城県津谷地域の中部
8
9
鎌田耕太郎, 1
, 875
2号
, 1
三畳系風越層の堆積環境.地質雑, 90巻
-888.
9:三浦半島,佐島の北方,秋谷の第三系
6
9
蟹江康光, 1
5
にみられる堆積構造.横須賀博研報(自然、科学) ' 1
, 37-43.
号
.
7
9
2
0:北部ブォッサマグナ,中新
9
9
遠藤正孝・立石雅昭, 1
,
, 3号
6巻
世の難波山海底扇状地の復元.地質雑, 9
.1984:Storm-domina.
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J
193-209.
深田淳夫・生越
, 95-113.
2号
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92-95.
2:高知県三崎町千尋岬林にお
5
9
, 1
忠
,
, 677号
ける漣痕についての一考察,地質雑, 58巻
63-70.
9:和歌山県切目崎
6
9
原田哲朗・志岐常正・徳岡隆夫, 1
海岸に発達する砂質ブリ ッシュの堆積構造(その 1)
一内部堆積構造と BO U MAの模式一.和歌山大教育
.
6
1 3
, 3
9集
紀要(自然科学入 1
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,28-30.
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Mus.R
4
3:漣痕についての観察.北海道地要, 2
5
9
早坂一郎, 1
桂
5:筑
8
9
雄三・増田富士雄・岡崎浩子・牧野泰彦, 1
波台地周辺の第四系中に みられるストーム堆積物 の特
徴,筑波の環境研究 9' 56-62.
2:四国外帯の時代未詳層群に関する研究
5
9
甲藤次郎, 1
第 3報高知県幡多郡清水町及 び三崎町付近に於ける
新観察一(其のー)特に地層面の形態について一〔附〕
' 3の地層面について.
その他の地域で観察される 2
.
1- 8
,
1号
, 1
高知大学術研報(自然科学 I)' l巻
5:古東京湾口のサンドウ
8
9
[村由香里・増田富士雄, 1
I
J
.
9
4
2年大会, 2
ェープ(演旨).日本地質学会9
8:漣痕のできかた.藤本治義教授還暦記
5
9
林唯一, 1
6:古東京湾,潮流口のサ
8
9
河村由香里・増田富士雄, 1
.
9
9
3年大会, 2
ンドウェープ(演旨).日本地質学会9
.
5
1
10 4
念論文集, 4
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971:T
平山次郎・中嶋輝允, 1
4:堆積機構の基礎的研究(その 5)一波
5
9
木村春彦, 1
.
6
1
5 5
0
, 5
1号
1
, 7
巻
0
状堆積について .地質雑, 6
, 21-24.
号
.
4
2
年大会, 1
8
について(演旨).日本地質学会7
1:紀伊半島東南部の熊野層群の地質と堆
8
9
久富邦彦, 1
8:高知県南西部四万十帯古第三系の堆積
7
9
木村公志, 1
.
3
1
5年大会, 2
学的研究(演旨).日本地質学会8
, 157-174.
, 3号
7巻
積.地質雑, 8
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5:四国南西部の第三系清水層および三崎
8
9
木村公志, 1
, 815
2号
, 1
1巻
層の層序および堆積相.地質雑, 9
,
7
.
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7:四国南西部の三崎層に発達する浅海成
8
9
木村公志, 1
30-32.
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,283-349.
5
.
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4
4
池原
研・木下泰正・西村清和・中村光一・川幡穂高,
.
1
3
8
砂岩層の堆積様式(演旨).日本地質学会94年大会,
.
9
3
3
9:紀伊半島南部海
6
9
紀州四万十帯団体研究グループ, 1
岸地域の層序と構造一紀伊半島四万十累帯の研究(そ
9
, 1
9集
の 3)一.和歌山大教育紀要(自然科学) ' 1
.
9
2
0:紀伊半島南部海
7
9
紀州四万十帯団体研究グループ, 1
4
8
巻
,
6号
, 1
9
9
5
〕
(35)-245
岸地域の牟婁層群の堆積 学的・古生物学的研究一 紀伊
半島四万十累帯の研究( その 4)一.和歌山大教育紀
長浜春夫, 1
9
6
7b :対州層群の古流系.佐々保雄教授還
要(自然科学), 2
0
集
, 75-102.
長浜春夫, 1
9
6
7c :堆積構造からみた古流系の研究史.
久保誠二・角田寛子, 1
9
7
3:群馬県高崎市西方に分布す
る板鼻層の堆積サイクル.地質雑, 79巻
, 1
0号
, 687
-697.
暦記念論文集, 135-147.
堆積学に関する諸問題( 日本地質学会 1
9
6
7年学術大会
討論会資料) . 159-163.
長浜春夫, 1
9
7
0:洪水による現成の斜層理と漣痕の考察.
黒川和美, 1
9
7
2:紀伊半島南部海岸地域牟婁層群のフリ
ッシュに見られる単層内部堆積構造.地球科学, 2
6
巻
,
6号
, 235-242.
牧野泰彦・川村由香里・増田富士雄, 1
9
8
6:古東京湾の
潮流口堆積物中のウェー プリップル.茨城大学教 育学
部紀要(自然科学), 3
5号
, 6
5 7
2
.
地調月報, 2
1巻
, 10号
, 29-35.
長浜春夫, 1
9
7
2:白亜紀銚子層の古流向.地調月報, 2
3
巻
, 1
1号
, 21-29.
長浜春夫・広川
治・遠田朝子
た古流系の研究史一付
一.地調月報, 1
9
巻
,
牧野泰彦・増田富士雄, 1
9
8
6a :霞ヶ浦北東岸の成田層
1
9
6
8:堆積構造からみ
古流向図と堆積構造の写 真
l号
,
1 1
7
.
長浜春夫・長沼幸男, 1
9
7
2:対州層群の砂岩泥岩互層中
に見られるウェープデューン.茨城大学教育学部紀要
にみられる舌状漣痕の古流向(演旨).日本地質学会7
9
(自然科学), 3
5
号
, 73-84.
年大会, 1
8
9
.
牧野泰彦・増田富士雄, 1
9
8
6b :古東京湾のメガリップ
ル(演旨).日本地質学会9
3年大会, 2
9
8
.
牧野泰彦・増田富士雄・岡崎浩子, 1
9
8
5:茨城県に分布
する下総層群中のウェー ブリップル.茨城大学教 育学
部紀要(自然科学), 3
4号
, 35-55.
増田富士雄・岡崎浩子, 1
9
8
3:筑波台地およびその周辺
台地の第四系にみられる 方向を示す構造.筑波の 環境
研究 7
. 99-110.
長浜春夫・坂井
卓
, 1
9
7
2:鹿児島県屋久島の四万十累
層群の堆積構造.地調月報, 2
3巻
, 8号
,
1-11.
中嶋輝允, 1
9
7
7:タービダイト砂粒子の 定向配列一実
験的研究と野外資料への適用一.地質雑, 8
3
巻
, 10号
,
617 6
2
9
.
中山尚美・増田富土雄, 1
9
8
7:房総半島,更新統上総層
増田富士雄・須崎和俊, 1
9
8
4:未固結砂の定方位薄片作
製とその堆積学的意義. 筑波大学水理実験センタ 一報
告
,
長浜春夫・大嶋和雄, 1
9
7
4:与那国島の八重山層群にみ
られる堆積構造(演旨).日本地質学会8
1年大会, 2
0
2
.
8号
, 17-28.
群市宿層の海流堆積相.地質雑, 93巻
, 1
1号
, 833-
8
4
5
.
西田彰一・津田禾粒・長谷川義行・永田
目加田義正・新妻信明・平
朝彦, 1
9
7
0:自動粒度分析
聡・篠原興弥,
1
9
6
6:し、わゆる難波山層の堆積構造一いわゆる難波山
法による砂泥互層中の砂岩層粒度解析(演旨).地質
層に関する研究(その 2) −.新潟大地質鉱物教室 研
雑
, 7
6巻
, 2号
, 8
8
.
報
,
三梨
昂・影山邦夫・鈴木尉元・平山次郎, 1
9
7
0:新潟
堆積盆地の構造地質学的 研究(その 4)一堆積構造一
(演旨).日本地質学会7
7年大会, 1
9
2
.
宮田雄一郎, 1
9
9
4:リップ。ル発生の数理モデル(演旨).
日本地質学会 1
0
1年大会, 1
3
8
.
3号
,
209-225.
1号
, 61-79.
小川直樹, 1978:岐阜県大野郡荘川村の 手取層群(演
旨).日本地質学会8
5年大会, 1
3
2
.
と構造一.地質雑, 7
7巻
, 1
0号
, 6
1
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大石三郎, 1
9
3
5:樺太で観察した漣痕の一例に就いて.
武蔵野実・中村雅利, 1
9
7
5:京都市北方雲今畑地域の砂
岩の鉱物組成と古流向(演旨).日本地質学会82年 大
会
, 2
6
6
.
科学,
5巻
, 4号
, 1
3
4
.
岡田博有, 1
9
6
9:対馬北部地質断面の予察的研究.国立
科博専報,
長浜春夫, 1
9
6
5:斜層理からみた北西九州第三紀層の堆
積.地調報告, 2
1
1号
,
1 6
6
.
長浜春夫, 1
967a :壱岐島勝本層の古流系(演旨).地
質雑, 7
3巻
,
浩
, 1
9
4
3:定常波による湖
海の砂堆と砂漣.地球物理, 7巻
,
小川勇二郎, 1
9
7
1:徳島県勝浦川地域の地質ーその層序
宮田雄一郎・山村恒夫・古田土俊夫・徳橋秀一, 1989:
淡水性デルタの形成過程 一琵琶湖愛知川デ、ルタ を例
として− 1
. 現在の堆積環境.地質雑, 9
5巻
,
1号
, 15-20.
野満隆治・斉藤秦ー・田 坂
2号
, 1
2
4
.
2号
, 19-25.
岡田博有, 1
9
7
7:島弧背後盆地にみられるオリストスト
ロームー中新世古丹別層(北海道)一(演旨).日本
地質学会8
4年大会, 1
4
6
.
岡田博有・藤山家徳, 1
9
7
0:対馬中部,塩浜付近の対州
〔地学教育
246-(36)
層群中のサイクルと堆積.国立科博専報,
, 93号
.
7
1
,1974:種子島の四万十
.
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岡田博有・ McD.W
.
1
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1年大会, 2
8
会
.日本地質学
層群(演旨)
1:対
7
9
岡田博有・柴田秀道・辰巳洋治郎・鍋倉直哉, 1
.
1
3
3
1
,
号
0
2
報,
馬北部の地質.鹿児島大理
988:古東京湾地域の古流系(演旨).日本
岡崎浩子, 1
.
2
0
5年大会, 1
地質学会9
989:古東京湾の流向(演旨).日本地質学
岡崎浩子, 1
.
1
2
会 96年大会, 3
5:古東京湾のウ
8
9
岡崎浩子・増田富士雄・牧野泰彦, 1
日本地質学会92
(演旨).
ロルの水理条件
ェープ・リップ
.
0
5
年大会, 2
, 17-27.
2号
自然科博研報, 1
5:南部北上牡鹿半島の白亜紀層の堆積.
7
9
滝沢文教, 1
.
9
, 1 3
, 6号
地調月報, 26巻
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4:5万
6
9
田中啓策・松野久也・水野篤行・石田正夫, 1
分の l地質図幅「岩 見沢」および 同説明書.北 海道開
発庁, 78-84.
5:北海道北部佐久一音威子府
7
9
靖夫, 1
, 1-16.
, 4号
巻
6
地域白亜系の古流系.地調月報, 2
3:鹿児島県甑島の上部白亜系
7
9
田中啓策・寺岡易司, 1
田中啓策・角
,
4巻
姫浦層群.地調月報, 2
,
4号
1-28.
状一中新世古 丹別層(北海 道)の例(演 旨).日本
9:丹波層群砂岩層の堆積構
6
9
丹波地帯研究クツレープ, 1
.
8
, 8
, 2号
5巻
造(演旨).地質雑, 7
.
6
9
5年大会, 1
地質学会8
2:漣痕と地波.堆積学研究,
5
9
田代修一, 1
8:古海底谷のー産
7
9
斎藤克栄・岡 田博有・孔築 世, 1
4:北西九州佐世保層群中のある漣痕一漣
5
9
沢田秀穂, 1
痕によって水流の方向を推定した一例一.地調月報,
, 359-372.
, 8号
5巻
4:北海道炭田における地層
5
9
沢田秀穂・曾我部正敏, 1
, 48-49.
, 2号
の上下判定の一考察.炭鉱技術, 9巻
1:高知県幡多郡の化石漣痕.鉱物と地質,
5
9
沢村武雄, 1
,
4巻
.
, 3
1-2号
5:堆積機構の基礎的研究一沈澱池につく
5
9
庄司力偉, 1
,
, 722号
1巻
られる累積層および砂漣ー.地質雑, 6
518-531.
1:静岡県中部に分布する古第
8
9
杉山雄一・下川浩一, 1
, 7
7巻
三系瀬戸川層群の古地理学的研究.地質雑, 8
, 439-456.
号
9:種子島南部,
7
9
鈴木清史・中世古幸次郎・岡田博有, 1
熊毛層群の層 序,構造およ び時代(演旨 ).日本地質
.
4
3
6年大会, 1
学 会8
高橋英太郎, 1965:宇部市海岸 で観察したリ ップル・
, 145, 5号
6巻
マーク( 1) (短報).地学研究, 1
.
8
4
1
6:山口県八が浜砂丘における漣痕(短
6
9
高橋英太郎, 1
, 148-149.
, 6号
7巻
報).地学研究, 1
4:三畳系稲井層群中にみられる堆積構造
6
9
高橋治之, 1
, 975号
について.茨城大文理紀要(自然科学) ' 1
.
4
0
1
0:関東産地から発見された二畳紀の漣痕
6
9
武井現朔, 1
, 37-38.
9号
(短報),地球科学, 4
2:山中地溝帯の漣痕化石について.秩父
6
9
武井現朔, 1
, 23-32.
1号
自然科博研報, 1
4:山中地溝帯東半部白亜系の地史.秩父
6
9
武井暁朔, 1
,
1号
4-
.
5
2
6:牟婁帯西南部の牟婁層群.地質雑, 8
7
9
立石雅昭, 1
, 395-407.
, 6号
巻
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J
,187-232.
5
4
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v
6:和歌山県日置川上流の牟婁層群.地質
6
9
徳岡隆夫, 1
, 53-61.
, 2号
2巻
雑. 7
969:新潟県下の新生界中に発達
, 1
聡
するフリッシ ュ型互層に関 する諸問題ー いわゆる難波
津田禾粒・永 田
山層に関する 研究(その 4)一.グリー タフに関する
諸問題(日本 地質学会第 76年 学 術 大 会 総 合 討 論 会 資
) '275-282.
料
ト部厚志, 1993:房総半島南 端,豊房層群 の堆積過程
.
2
6
0年大会, 3
0
(演旨).日本地質学会1
6:静岡県,安倍川地域の地質について.
7
9
和田信彦, 1
, 581-593.
, 9号
2巻
地質雑, 8
3:静岡市安倍川・
7
9
和田信彦・瀬戸川団研グループ, 1
藁科川流域の 瀬戸川層群に ついて(演旨 ).日本地質
.
7
0年大会, 5
学 会8
脇水鉄五郎, 1926a :犬吠崎の漣痕(摘録).地球,
5
.
9
6
, 6号. 5
巻
6b :千葉県犬吠崎のリップルマーク,
2
9
協水鉄五郎, 1
, 29-32.
, 2号
史蹟名勝天然記念物, 1集
1:秩父盆地の新第三系におけ
7
9
山内靖喜・後藤広喜, 1
.
6
7 4
, 3
, 1号
7巻
る古流系.地質雑, 7
7:寝屋
8
9
, 1
吉村敬司・坂 本隆彦・藤岡 達也・横井 定
川市で発見された大阪層群中の漣痕について(演旨).
48
巻
, 6号
, 1
9
9
5
〕
日本地質学会9
4年大会, 1
3
0
.
(37)-247
向は水や空気の動きの方向と直交する」と述べ,流向測
3
. 地学教育面からみた漣痕の研究小史
定へのアプローチを図った。
漣痕を教育の場に導入したのは,協 水 (
1926)であ
その後,須藤・長沼( 1
9
7
8)は,漣痕による古流系解
る。現場の先生の目に触れやすい教育雑誌(地理教育)
析法を測定,堆積時への復元,解析例 (第 6図)の順で
に漣痕を紹介した意義は大きい。
具体的に示し,地学教育現場での利用に供した。
また,漣痕を一般向けにやさしく解説 した最初の論文
は,おそらく角( 1
9
6
4)であろう。彼は漣痕を揺動型・
水流型及び干渉型の 3つに分けてそれぞれの特徴を平易
に説明し,「野外では,形状・断面の ほか,広がり・上
下の地層・構成物質の観察も必要」と し,「地層中の漣
痕は,水の運動に伴う他の現象と総合して研究すれば,
地層の堆積環境を解析する上にたいへ ん役立つ」との指
針を与えた。
地学教育面における漣痕の文献は,次のとおり。
水野篤行, 1
9
6
6a :南紀海岸の地質見学①,地質ニュー
ス
, 1
4
0号
, 36-43.
水野篤行, 1
9
9
6b :南紀海岸の地質見学③,地質ニュー
ス
, 1
4
2号
, 20-33.
長浜春夫, 1
9
7
6:過去の砂の動きをさぐる
録).自然科学と博物館. 4
3
巻
,
次いで,長浜( 1
9
7
6)は,漣痕を,砂粒を動かす営力
の違いによって水流漣痕・波漣痕・風 成漣痕及び干渉漣
一古流向一
(その 3)漣痕(砂層がたまらなくなってから 後の記
4号
, 9 1
2
.
須藤和人・長沼幸男, 1
9
7
8:5
. 堆積構造の調べ方.地
学の調べ方(奥村清編入コロナ社, 62-79.
痕の 4つに,また平面的な形の違いによって 直線状・曲
角靖夫, 1
9
6
4:漣痕,地質ニュース, 1
1
7号
, 19-20.
がり・舌状・半月状などに分けられることを示すととも
脇水鉄五郎, 1
9
2
6:日本で稀に見る標式的地層面のリッ
に,「漣痕においては,頂点をつらね る線または谷の方
プルマーク.地理教育,
3巻. 6号. 521-525.
佐須奈
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〆
一
凡例
...._舌状漣痕の流向
4・
4
非対称漣痕の流向
・
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、
、
、
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第 6図
漣痕による古流系解析例(須藤・長沼,
1
9
7
8に一部加筆)
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寸一
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δ湖川淵法草一回報︶
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守
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UFJWV刊
4
8巻
, 6号
, 1
9
9
5
〕
(39)-249
写 真 2 舌状漣痕(長崎県上対馬町の第三系対州層群)
250-(40)
〔地学教育
. スラン
長沼幸男・長浜春夫・照井一明:古流系解析からみた地質学(堆積学)及び地学教育研究史ーその 2
.
月
1
1
年
5
9
9
1
0
5
7∼2
3
, 2
巻,第 6号
8
プ 構 造 及 び 漣 痩 一 地 学 教 育 第4
【キーワード】 研究史,堆積学,地学教育,古流系,スランプ構造,漣痕
【要旨】 戦後になってから進展した堆積学の研究史を,古流系解析の視点からレビューするとともに,それらが
地学教育面において果たしてきた役割について概観した。本号では,とくにスランプ構造と漣痕に基づく古流系
解析の文献を対象とした。
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気候講演会「地球温暖化を考える j
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4日(水) 1
日 時 : 平 成 8年 1月2
講演:(仮題)
会場:科学技術館サイエ ンスホール
(千代田区北の丸公園 2- 1)
①地球温暖化と海
東京大学海洋研究所教授野崎義行
②地球温暖化の最新の見通し
気象研究所気候研究部第一研究室長鬼頭昭雄
主催:気象庁,(財)日本気象協会
後援:運輸省,(社)日本気象学会
③地球温暖化問題の科学と政治
三菱化学生命科学研究所 社会生命科学研究室長
(財)気象業務支援センタ一
)
名
0
0
入場料:無料(先着4
間合先:気象庁総務部企画課気候変動対策室
)
3
6
2
TEL:03-3212-8341 (内線2
米本昌平
理科教育賞『受賞作品 集』・「理科ビデオテ ープ』について
(財)東レ科学振興会は,創意、と工夫により著しい成果
をあげた理科教育の事例を中学校・高等学校の理科教育
4年以来募集し,優秀なも のに
振興の一助として昭和 4
「東レ理科教育賞」を贈呈してまいりました。また受賞
作の内容を説明し,その応用に役立つように毎年「受賞
作品集」を作成し,全国の中学校・高等学校・理科教育
センターなどへ寄贈しております。
受賞作品のうち映像化することにより普及の効果が上
ご活用をお願いしております。
このほかにご希望の場合は,別記の申込先へ葉書また
は電話かファックスでお申込みください。在庫のあるか
ぎり実費でお分けいたします。
,
0円
5
各4
5
4・1
0円,第 1
0
3回4
, 1
0円
0
(実費:第 2回3
0円,および送料)
5
6回各3
8∼2
6・1
第1
. 「理科ビデオテープ」について
2
利用は次の要領でお願いいたします。
がると思われる作品を,よりわかりやすく説明するため
年度からビデオテープにとり無料で貸出を行うこ
9
昭和5
とといたしました。このテープは生徒や一般の人が見て
) 別記の申込先へ葉書または電話かファックスでお申
1
(
も興味を持つようにと直接生徒に見せられるようつくっ
) 貸出料は無料です。
3
(
てありますが,むしろ教育に携わる先生方に一つの授業
例として見ていただき,実際に自らの授業に応用してい
ビデオテープの発送料は弊会で負担しますが,返送
料は利用者にご負担いただきます。
) ダビングすることは差し支えありません。
4
(
*アンケートにお答くださいますようお願いいたします。
ただくことを第一の目的としております。
これらの資料の活発なご利用こそ弊会の財団活動の本
旨といたすところでございます。利用の要領を下記いた
込みください。
) 貸出期間はビデオテープ到着後 7 日です。
2
(
. 申込先
3
9千葉県浦安市美浜一丁目 8番 1号(東レビル)
7
〒2
しましたので,どうかご活用のほどをお願いいたします。
財団法人東レ科学振興会
) 50-6082
3
7
4
0
) 50-6104 FAX(
3
7
4
0
TEL(
1.『受賞作品集』について
毎年 7月に前年度の「受賞作品集Jを全国の中学校,
高等学校,理科教育センターおよび博物館などへ寄贈し,
ビデオテープ(規格: V H S ・カラー)
ぬ
1
2
3
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7
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名
題
対象分野
中学理科第一分野
中学理科第一分野
簡易ラジオメーターによる光エネルギーの実験
※プタンを使った理科の実験
中学理科第一分野
大電流電線による電磁気の実験
葉のでんぷんの検出 ∼たたき染め法∼
中学理科第二分野
中学理科第二分野
雲の発生のしくみ
高等学校物
理
自然、放射線の実験
高等学校物
高等学校化
理
古テレビのプラウン管で探る電子のはたらき
ミクロの世界の探訪 ∼顕徴鏡で見る物質の世界∼
高等学校化
高等学校生
ー
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員
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守副ら
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気体にさわろう
∼大気圧および断熱膨腸の体験的学習∼
∼土砂からのトロンの崩壊を調べる∼
∼手で触れて探る気体の性質∼
コンピュータを用いた筋収縮の実験
物
10
0回科学技術映画祭において科学技術庁長官賞を受賞。
※第3
時間
分
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分
2
2
分
0
2
分
8
1
分
2
2
分
2
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1分
2
分
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1
分
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2
分
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JAPAN SOCIETY OFEARTH SCIENCEEDUCATION
c/oTokyoGakugeiUniversity;Koganei-shi,Tokyo,184Japan
平成 7年 1
1月2
5日 印 刷 平 成 7年 1
1月3
0日 発 行
編集兼発行者日本地学教育学会代表岡村三郎
1
8
4東京都小金井市貫井北町 4-1 東京学芸大学地学教室内
電話 0
4
2
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5ー2
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