一体型複合遮水シート工法

一体型複合遮水シート工法
■概 要
本工法は、廃棄物最終処分場遮水構造の二重遮水シート工法に着目し、二重遮水シート間に遮水性
中間保護層を形成する二液常温硬化型ポリウレタンを注入した遮水シート工法です。材料の良好な充填
性によりボイドのない遮水性中間保護層が形成できるため、ポリウレタン硬化後の性能は、遮水性、可と
う性(地盤変状追随性)、耐薬品性に優れ、遮水シートと同等のせん断強度を有しています。従来の遮水
シート工法はシート、ジョイント部に欠陥が生じることが不可避であり、完全な遮水構造の実現が困難でし
た。これに対し、本工法はこのような欠陥を修復できるのみならず、硬化後の高い遮水性により、シートと
一体化した完璧な三重遮水構造が形成できる一体型複合遮水シート工法です。
■用 途
・廃棄物最終処分場の遮水工
・陸上処分場、海面処分場
・不適正処分場の再生
■特 長
1.二重遮水シートと遮水性中間保護層を持つ三重遮水構造です。
2.遮水性中間保護層と二重遮水シートは、一体化した複合遮水シートとなります。
3.遮水性中間保護層が十分な可とう性を有しており、地盤変状に追随し遮水性を保持できます。
4.遮水性中間保護層は優れた遮水性能(透水係数:10-12cm/s 以下)および材料強度を有しているので、不
測の事態で万が一、遮水シートが破損しても充分な遮水性が保持できます。
5.ポリウレタンの良好な充填性により、シート等に存在する欠陥を修復できます。
6.遮水性中間保護層は打ち継ぎが可能で、打ち継ぎ部は一般部と同等の性能を有します。
7.耐久性、耐薬品性および耐候性に優れています。
一体型複合遮水シート工法
◆ 鉛直遮水工法への適用
この鉛直遮水工法は、あらかじめ工場で高精度に製
作した長方形の一体型複合遮水シート(複合シート)を、
先行掘削した溝に順次建て込んで鉛直遮水壁を形成
するものです。右図は海面処分場におけるこの工法の
適用概念を例示しています。この図に示す施工法によ
り、高性能な遮水壁(深さ 10m)が形成できることを実規
模施工実験(環境省補助金対象事業)で確認していま
す。
各複合シート間のジョイント部は袋状の構造であり、
施工は次の手順で行います。
1.工場製作した複合シートAを地中に打設。
2.複合シートA端部のジョイント保護袋内に、二液常温
硬化型ポリウレタンを注入。
3.次に打設する複合シートB端部のジョイントオス部を、
複合シートAのジョイント保護袋内のジョイントメス部
に上方から挿入。その際、複合シートAのジョイント
保護袋は、複合シートBの打設フレーム下部に装着
したカッターで切断。
このように上方から下方に保護袋を切断しながら全く
土砂や水に触れることなく、液状ポリウレタン中でオス、
メスのかん合継手を結合しジョイント構造を形成します。
したがって、ポリウレタン硬化後はジョイント部で
も本体部と同等の高度な遮水性中間保護層が
形成されます。
実規模施工実験においてジョイント部は設計通
りの形状となり、高い遮水性能(透水係数 k=1.0
×10-12cm/s)を有していることが実際に確認され
ました。
この遮水壁は優れた遮水性能のみならず、可と
う性に富むので大変形にもフレキシブルに応答
し、地震時における壁体損傷の可能性がありま
せん。さらに長期耐久性も優れており、高い品
質・性能が求められる廃棄物最終処分場の遮水
方法として最適の工法であるといえます。
■関連資料
「一体型複合遮水シート工法の開発」 材料学会論文集 平成 14 年 1 月
「一体型複合遮水シートの鉛直壁設計に関わる基礎的検討」 第 38 回地盤工学研究発表会 平成 15 年 7 月
「一体型複合遮水シートの力学特性と摩擦特性」 第 39 回地盤工学研究発表会 平成 16 年 7 月
パンフレット「廃棄物最終処分場 一体型複合遮水シート工法」
*本工法は、ジオシンセティックス技術研究会による共同開発です。
お問い合わせ先(土木本部)
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