専門領域の指導教員及び研究紹介(PDF:241KB)

●小児看護学
専門領域の指導教員 研究紹介
看護学コース
●健康科学
教授 飯田 順三
心と脳の発達学専攻
人の心の発達を脳科学的な視点と精神心理学的な視点の両方から研究し、その両者の
統合を図ります。特に児童思春期の発達障害や精神疾患を中心に生物学的研究と心理
社会的研究を行っています。
研究テーマ
「注意欠如・多動性障害(ADHD)に関する事象関連電位の研究」
「注意欠如・多動性障害(ADHD)に関する光トポグラフィ(NIRS)の研究」
「自閉症スペクトラムに関する臨床的研究」
「発達障害のペアレント・トレーニングに関する研究」
「発達障害・精神障害の家族支援」
「児童思春期の統合失調症に関する研究」
教授 濵田 薫
環境病態学専攻
気管支喘息を初めとするアレルギー疾患は、近年世界中で増えています。このアレル
ギー疾患の(発症)感受性(病気の起こりやすさ)の短期間での変動は遺伝子自体の
変化というより修飾する環境因子が重要であることを示しており、大気汚染の中でも
石油燃焼灰燼(最近急に有名になったPM2.5の主成分の一つ)とタバコ煙の関与に
注目して、発育過程の子供に対する影響や、母親への曝露が与える世代を超えた影響
について動物モデルを用いた研究を続けています。この他、種々の呼吸器疾患の病理
所見から病態解明につながる研究もしています。
研究テーマ
「気管支喘息発症に対する大気汚染の関与について」
(喘息発症感受性の母子間伝達について)
●基礎看護学
教授 松田 明子
基礎看護学では、あらゆるライフステージ・健康レベルにある人達を看護の対象とし
ます。その中でも特に、在宅・外来・病棟のあらゆる場の療養者への看護援助に対し
て安全管理や看護倫理等の視点で分析します。療養者に対して安全で効果的な看護援
助について科学的に検証する視点を探求していきます。また、看護学教育の概観を理
解し、看護実践能力の向上を目的とした看護教育について検討していきます。
研究テーマ
「薬物療法を受ける患者・家族への支援に関する研究」
「在宅における患者の療養支援に関する研究」
「看護教育に関する研究」
●成人看護学
教授 石澤 美保子
皮膚・排泄ケア分野を専門としています。褥瘡管理における栄養、ドレッシング材と
の関連や創周囲皮膚のバリア機能について検証し、創治癒促進のためのケアの根拠を
探究しています。また、褥瘡だけでなく医療関連機器圧迫創についての研究もしてい
ます。さらに、ここ数年増加し続ける糖尿病性足潰瘍に関するフットケアにも取り組
んでいます。大学院で学ぶ学生が、看護を科学的にとらえ、いかにその根拠を立証し
ていくかの視点で準実験研究を中心に指導を行っています。
研究テーマ(主な論文)
「褥瘡患者における食事摂取内容・亜鉛摂取量と創治癒状況との関連」
「仙骨部褥瘡における創改善と周囲皮膚の水分バリア機能変化との関連」
「ストーマ局所条件と装具の耐久性の関連」
研究テーマ(過去の大学院生指導テーマ)
「経口挿管患者における口腔ケアによる口腔内細菌数の経時的変化」
「開心術後における経口挿管中の口腔内および口唇の水分量の推移」
教授 川上 あずさ
小児看護の対象は、小児(子ども)と家族です。子どもと家族は発達を続けている存
在ですが、障がいや病気によって、発達や生活は大きく影響を受けます。発達と健康、
生活、環境を関連させて検討することで、看護の視点で子どもと家族の支援を探求し
ていくことが可能になると考えます。障がいや病気のある子ども、そのきょうだいや
家族は、力(能力)をもち、さまざまな方法で家族成員を「まもり」ながら生活して
います。しかし、このことが負荷となる状況やバランスが崩れることが生じます。こ
れらに着眼した支援方法の研究を進めています。
研究テーマ
「病気や障がいのある子どもと家族の支援」
「病気や障がいのある子どものきょうだいの育ち」
●精神看護学
教授 軸丸 清子
精神看護学特論では、心の構造と機能、心の発達・成長、心の健康と障害について学
びます。それをふまえて精神看護学演習では、心の健康状態のアセスメントと健康障
害を持つ人の健康回復、維持・増進、発達・成長をサポートするための判断能力と実
践能力を培います。特別研究では、それらの能力を病院臨床や地域臨床での実践に活
かし、より効果的なサイコセラピューティック・ナーシング、サクセスフル・エイジ
ングケアのためのアプローチについて探求します。
研究テーマ
「サイコセラピューティック・ナーシング(心理療法的看護)」
「サクセスフル・エイジングケア」
●地域看護学
教授 城島 哲子
保健師活動に関しては地域母子保健をテーマに「母性意識と子どもの発達との関連性」
「母性意識とその影響因子に関する研究」。また臨床看護と地域看護のコラボレーシ
ョン研究として「未熟児とその家族に対するケア」「NICUにおける母親グループ
の実践」「ハイリスク児ケアの地域ネットワークづくりの研究」などに取り組んでき
ました。臨床看護師を対象とした家族看護研修参加者との事例検討を通して「家族看
護研修による看護師の視点の変化」を明らかにしました。東日本大震災をボランティ
アとして支援した経験から「震災時の保健師活動の特性」に関した研究にチームで取
り組んでいます。
研究テーマ
「公衆衛生看護活動、地域母子保健に関する研究」
准教授 入江 安子
家族看護研究では、病を体験する家族のゆらぎや、発達障害児とその家族のためのフ
ァミリーレジリエンスを育成する家族介入モデルの開発等の研究に取り組んでいます。
また最近では、奈良県の看護師、保健師、訪問看護師、作業療法士、及び保育士の皆
さんの協力を得ながら、障害を抱える子どもとその家族を支援する地域システムづく
り、NICUからの在宅移行支援や、妊婦の心理・社会環境要因と、産後のうつ状態、
子どもの発達の困難さとの関連を検討するコホート研究も試みています。
研究テーマ
「知的発達障害児とその家族を支援するコミュニティレジリエンスの育成」
「妊婦の心理・社会環境要因と産後うつ、子どもの発達の困難さとの関連 コホート
研究」
准教授 奥田 眞紀子
在宅看護の分野では、現場の訪問看護師とともに訪問看護記録のICT化に取り組ん
でいます。その中でも特に、訪問看護計画の内容について、訪問看護師が行うアセス
メントの思考を明らかにし、在宅看護の実践が明確になる看護過程の展開について探
求しています。
地域看護学の領域では、妊娠期・出産期から多様なニーズを持つ要支援家庭に対応す
る「養育支援訪問事業」について調査研究をすすめています。
研究テーマ
「在宅看護における看護過程の展開に関する研究」
「養育支援訪問事業におけるニーズと支援内容、アウカムに関する研究」
●高齢者看護学
教授 水主 千鶴子
高齢者が生きてきた時代や社会背景のなかでの個別のライフストーリーに焦点をあて
て考察し、人生の質を高める高齢者看護のあり方を探求します。現代の高齢者の死生
観の多様性を理解するために、死生観の歴史的変遷を学びます。
さらに高齢者の人権と権利擁護について学び、高齢者の人権を尊重する看護の方法と
課題を探求します。
研究テーマ
「高齢者の終末期看護」
「認知症高齢者のQOL」
准教授 澤見 一枝
加齢に伴う機能変化の進行速度は個人差が大きく、心身および社会的機能面への影響
も個人により異なっています。多様な高齢者の生活の質を維持するため、新しい知見
を取り入れ、視野の広い研究が求められており、個々に適応したケアの方法を多面的
に検討します。また、介護保険法が導入されて10年以上経ちましたが、家族介護者
の負担においては、まだ介護うつや慢性疲労などの問題が残されており、家族への支
援プログラムを検討します。
研究テーマ
「高齢者の介護予防、家族介護者に対する支援プログラムの研究」
看護学コース・助産学実践コース
●女性健康・助産学
教授 五十嵐 稔子
女性健康学専攻・周産期看護学専攻
女性が持っている「産む力」を最大限に発揮できる環境を追求し、女性が望む出産ス
タイルとその意思決定のプロセスを明らかにすることに取り組んでいます。
また、妊婦のセルフケア行動を促すケアに関する研究、妊娠期に心身ともに安定して
過ごすためのストレス緩和に関する研究も行っています。
研究テーマ
「出産環境の研究」
「女性の望む出産スタイルとその意思決定」
「妊娠期のストレス緩和」
准教授 中西 伸子
女性健康学専攻・周産期看護学専攻
女性健康学では幼少期から老年期までの女性の各ライフステージの健康課題に着目し、
リプロダクティブヘルスの視点から女性とその家族の健康支援方法を探求します。
周産期看護学では、周産期における母子の安全と安楽についての助産ケアの方略と、
育児不安の軽減に目を向けた母親と家族への支援に取り組んでいます。
研究テーマ
「更年期女性のヘルスプロモーション」
「育児不安の軽減に向けた育児支援」
「エビデンスに基づいた助産ケアの検討」