哺乳瓶メーカーと協同で 安全性の高いプラスチック製哺乳瓶を実用化

2001年11月26日
日本ゼオン、哺乳瓶メーカーと協同で
安全性の高いプラスチック製哺乳瓶を実用化
日本ゼオン(社長 中野克彦)は、哺乳瓶メーカーであるコーシンベビー(東京都台東区、
社長 鈴木 暠)と協同で、日本ゼオンが独自の技術で開発した熱可塑性透明樹脂(略称
PCO:ポリシクロオレフィンまたはCOP:シクロオレフィンポリマー、製品名 ゼオノア)を原
料として、安全性の高いプラスチック製哺乳瓶の開発、実用化に成功した。本哺乳瓶は11
月23日に赤ちゃん本舗店頭で販売が開始された。
ゼオノア製哺乳瓶の大きな特長は、①無色透明の哺乳瓶で、内容物を安心して確認す
る事が出来る②環境省が指定する『内分泌かく乱作用を有すると疑われている化学物質』
(いわゆる環境ホルモン)を原料として使用していない③耐熱性が高いので従来の煮沸滅
菌処理はもちろん、市販されている電子レンジ滅菌器具(または袋)を使用して消毒処理が
出来る④プラスチックなのでガラスに比べ軽く、割れにくいため携帯用としても最適である、
ことなどが挙げられる。
当社は既に、大手食器メーカーと協同で本樹脂製食器も開発、実用化しており、特に安
全性が重視される児童向け給食用食器については、順次採用に至っている。
このように本樹脂の特長を活かし、安全性が高く滅菌処理に対応可能なプラスチック製
哺乳瓶や食器の実用化に目処が得られたので、今後も素材メーカーとして「安全で安心し
て使っていただける容器・食器」の更なる普及促進はもちろん、周辺用途へも鋭意検討を
図っていく。
哺乳瓶・食器・周辺用途へのゼオノアの売上高予想
2002年度
売上高 約 4億円
2004年度
売上高 約10億円
日本ゼオンの熱可塑性透明樹脂事業
当社は1990年に、ナフサ分解から得られたC5留分中に含まれるジシクロペンタジェン
を原料として、世界初のシクロオレフィンポリマーで熱可塑性高透明性樹脂であるゼオネッ
クス(英文名 ZEONEX)を、98年にはゼオノア(英文名ZEONOR)を上市した。両製品
のプラントは当社水島工場(岡山県倉敷市)内にあり、現行年産能力は5,000トンであ
る。
ゼオネックスは優れた光学特性、透明性、低複屈折性、エンプラ並みの耐熱性、耐薬品
性、低吸湿性などの基本特性に加え、徹底した残留金属除去およびミクロのゴミ混入防止
など、現在上市されているあらゆる合成樹脂の中でトップクラスのウルトラクリーンな樹脂
である。ゼオネックスはこれらの特性を生かし、プリンターやカメラのレンズおよびプリズム、
OA機器のピックアップレンズなどの光学用途、医薬品容器、プレフィルドシリンジ(薬液充
填済み注射器)、薬品錠剤用PTPフィルムなどの医療用途、CDやMD、DVDなどの光ディ
スク用途、その他幅広い分野で使用されている。
ゼオノアは高透明性を維持しつつ耐衝撃性と耐熱性を改良した製品であり、各種食器類、
LCD用導光板、光学用フィルム、自動車のランプ部品などの用途で急速に需要を伸ばして
いる。今後は、樹脂に含有される不純物が極端に少ないことからくるクリーンさや高い安全
性を生かし、種々の食品や医薬品分野の容器および包装材、半導体関連の搬送容器など
への普及を図っていく。
お問い合わせ先
「ゼオノアに関するお問い合わせ先」
・日本ゼオン株式会社
広報室
電話 03−3216−2747
「哺乳瓶に関するお問い合わせ先」
・コーシンベビー株式会社
お客様ご相談室
電話 03−3843−1204