平成18年度草加市施政方針(68 KB)

平成18年度
施
政
草加市長
木
方
下
針
博
信
平成18年草加市議会3月定例会の開会にあたりまして、市政運営に臨む所
信の一端を申し述べさせていただきます。
昨年8月、私は、多くの市民の皆様からのご支持をいただき、2期目の草加
市政を担わせていただくこととなりました。
私が市長に就任させていただきました平成13年度は、第三次総合振興計画
基本構想と前期基本計画がスタートした年でした。それから今日まで、私は、
この基本構想の理念を現実のものとし、また基本計画に掲げる諸事業を誠実に
遂行するために、全力を傾けてまいりました。
まず第一に、基本構想の大きな柱であります「パートナーシップのまちづく
り」をもとに、市民がまちづくりの主役であるとの信念を持って「誇れるふる
さと草加の創造」に向けた様々な取り組みを進めてまいりました。この取り組
みをとおして、従来、役所が中心だった様々な事業を、市民が中心となって組
み立て、推進していく動きが大きく広がってきたように感じております。
それは、市内各地域で立ち上がったまちづくり組織による取り組みであり、
また、教育・福祉分野から生涯学習、地域の防災・防犯、さらに外国籍市民へ
のサポートに至るまで、様々な分野での主体的な市民活動です。そして、こう
した幅広い市民活動を基礎に、一昨年の6月には、市議会のご尽力を賜るなか
で、市民、市議会、行政のパートナーシップを謳った「草加市みんなでまちづ
くり自治基本条例」の制定に至りました。
また、同じく基本構想の柱となっている「市役所を変える」取り組みにも全
力を傾けてまいりました。全国に先駆けて「職員憲章」を定め、職員全体が創
造性と改革意欲をもって職務を誠実に遂行し、市民の納得度を高めることので
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きる市役所となるよう、意識と行動の改革を求めてまいりました。窓口の総合
化、休日・夜間窓口の設置など、様々な市民サービスの提供面での改善策にも
取り組んでまいりました。
同時に、この間は、政府が本格的に推進する構造改革や三位一体改革などの
真只中にありましたが、そのなかで草加市の行財政の健全性を維持し、自立度
を高めていくため、日々、行財政改革へ取り組む毎日でもございました。
さらに、少子高齢社会の進行にともない、年々、民生費関連の財政負担が増
大し、あわせてかつて人口急増時期に建設した義務教育施設の建替事業をはじ
め、新たな施設整備等にも多額の財源が必要となりました。そのような厳しい
財政運営のもとで、財政の健全性を維持しながら市政の諸課題を達成していく
ため、「経営感覚の導入」を図ってきたところでございます。
そして、事務事業の組み立てや予算の編成、執行過程全体を通じて、できる
限り小さなコストで大きな成果を生み出していこうという取り組みを、全ての
職場をあげて推進する仕組みづくりを進めてまいりました。その結果、厳しい
財政状況のなかでも諸課題に対応することができたものと考えております。
外に向けては、政府が進める構造改革が、地方の自立、地方分権の進展につ
ながるものとなるよう、独自に、また、自治体の連携した活動を通じて積極的
に改革を提案し、行動してまいりました。
なかでも、構造改革特区制度については、国会でも取り上げられた学校の天
井高規制緩和提案をはじめ、コンビニ納税、女性消防士の活動制限廃止など、
様々な分野で草加市の提案が全国的な規制改革の進展に寄与し、市の事務・事
業の改善、改革につながったものと考えております。
私は、これまで一貫して、以上のような取り組みを進めてまいりましたが、
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少しずつ成果も見え始めてまいりました。しかしながら、まだまだ厳しく、先
行きは不透明な時代が続くものと予測されます。このような状況においては、
議員の皆様をはじめ、市民の皆様にも今まで以上のご理解とご協力をお願いし
ていかなければなりません。
安心・安全の分野や最低限の社会保障など行政活動の根幹にかかわる業務に
つ き ま し て は 、優 先 的 に 行 っ て い か な け れ ば な ら な い も の と 考 え て お り ま す が 、
非常に厳しい財政状況のなかで、加えて新たに発生する行政需要全てに対応す
るためには、既存の事業を評価し、見直し、さらには、懸案となっている事業
を実践するために何かを取り止めていく、若しくは仕事の仕方を変える必要に
迫られることも想定されます。
このように、現状の市民サービスを維持することだけでも難しい状況ではあ
りますが、常に無駄をなくし、適切に情報を提供し、事業の計画段階での参画
を促進するなど、今まで以上に効率的で透明性の高い市政運営を行うという意
識を職員一人ひとりが持つことにより、市民の皆様に納得をいただける草加市
政を実現していかねばなりません。
こうした認識のもと、2期目の4年間のスタートを開始した直後の昨年末に
助役の収賄容疑での逮捕・起訴という、あってはならない事件が起きてしまい
ました。市政をお預かりする者として、この事実を真摯に受け止め、二度とこ
のようなことが起こらぬよう、様々な観点から制度の見直しを図るとともに、
市民の皆様の信頼を損なう事件の再発防止に向けた取り組みを進め、着実に新
しい時代に対応していける行政をつくり、付託された責任を果たしてまいる所
存です。
本年、平成18年は、草加宿の開宿に着手してから400年の節目の年とな
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ります。この400年の間に、多くの人々が私たちのまち「草加」を育んでま
いりました。
今から、400年前の1606年、慶長11年当時の草加は広範な低湿地帯
で、日光道中も現在の旧道よりも大きく迂回しておりました。しかし、江戸か
ら北関東や東北に向かうには現在のルートを通るようにしたほうが、はるかに
便利であったことから、地域の先人達が近隣の村々と「協働」して、街道の整
備と日光道中第2の宿・「草加宿」の開宿に取り組まれました。
この開宿の着手を出発点として、それ以降、先人達が営々とまちづくりを行
い、草加のまちの基礎を築かれ、今日に至っております。ここで改めて、草加
のまちの原点が、この開宿に向けた「協働」、力を合わせた取り組みにあった
ということを思い起こし、今後も協働の理念のもとに市民の皆様とともに市政
の課題に挑戦し、後世の市民に受け渡していく責任を果たしてまいります。
また、平成18年度は、今後5ヶ年の政策運営の基礎となる中期基本計画の
スタートの年でもあります。
この中期基本計画は、昨年の市議会12月定例会に提案後、総務文教委員会
で の ご 審 議 を い た だ き 、先 の 臨 時 会 で 議 決 を い た だ い た と こ ろ で ご ざ い ま す が 、
計 画 の 実 施 に あ た っ て の 基 本 的 な 視 点 と い た し ま し て 、「 協 働 」と「 成 果 指 標 」
を位置づけております。
まず「協働」につきましては、先ほど申し述べましたように、草加市のまち
づくりの指針となります基本構想や草加市みんなでまちづくり自治基本条例に
お き ま し て 、「 協 働 」の 理 念 や そ の 手 続 的 な 保 障 が 規 定 さ れ て お り ま す よ う に 、
草加市の進むべき方向性として、最も重要な位置を占めるものであると認識を
しております。
次に、「成果指標」につきましては、前期基本計画とは異なり、施策ごとに
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成果指標とその目標値を設定いたしました。前期基本計画ではそれまでの基本
計画とは異なり事務事業を明示させていただき、従来のような抽象的な理念に
とどまることなく、基本構想のめざすべき都市像「快適都市」を実現するため
の 手 段 が 明 示 さ れ ま し た 。そ の 結 果 と し て 事 業 を 実 施 す る こ と に 重 点 が 置 か れ 、
事業の成果を評価し、改善・改革につなげていくという視点で不十分な側面が
見受けられました。
こ の こ と か ら 、中 期 基 本 計 画 で は 施 策 の 目 標 値 を 達 成 す る こ と に 重 点 を 置 き 、
施策の目標値を実現するために最も効果的効率的な事務事業を組み立て、実施
するシステムに変更いたしました。限られた財源のなかで市民サービスの向上
を図っていくため、適切な評価を行いながら、「最少の経費で最大の効果」を
あげるようにしてまいります。
そのために、中期基本計画で5年間の目標を設定し、さらにはそれを実現す
るための手法や事業量を定めた実施計画を策定し、実施計画で定めた事務事業
が確実に実施されるように毎年度四半期ごとにその執行状況を管理し、次年度
の 予 算 編 成 に 反 映 さ せ る と い っ た サ イ ク ル を 確 立 す る 必 要 が あ り ま す 。さ ら に 、
これらの内部的な評価に加え、市民意識調査などにより、定期的に市民の皆様
の施策に対する納得度を把握してまいります。
このような評価制度を体系化し、それを駆使することによって、市民の皆様
からお預かりした貴重な税を効果的効率的に活用していく仕組みづくりを進め、
確立し、充実させてまいります。
それでは、引き続き平成18年度に予定させていただいております施策の概
要を、第三次総合振興計画基本構想の枠組みに従い、順次述べさせていただき
ます。
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施策の第一の体系は、「快適な環境− 環境にやさしい水と緑のまちをつくる
− 」であります。
まず、「水と緑を育む」について申し上げます。
水 環 境 の 改 善 に つ き ま し て は 、綾 瀬 川 清 流 ル ネ ッ サ ン ス Ⅱ 地 域 協 議 会 を 通 じ 、
流域市町、埼玉県、国との連携を強めて綾瀬川及び支川の水環境の改善を図っ
てまいります。
また、辰井川については、見沼代用水からの環境用水の試験的な導水を平成
16年度から実施しておりますが、引き続き試験導水を行うとともに、埼玉県
の「 ふ る さ と ふ れ あ い 河 川 事 業 」と し て 、辰 井 川 流 入 水 路 浄 化 施 設 を 再 稼 働 し 、
総合的な水質浄化対策を講じてまいります。
公共下水道の推進につきましては、快適な生活環境づくりに向け公共下水道
の普及率84.5%を目標に汚水処理に係る管渠の整備を行ってまいります。
また、公共下水道施設の維持管理、保守点検、更生工事を行うとともに、引
き続き水洗化率の向上に努めてまいります。
次に、親水空間の創造につきましては、葛西用水路及び青柳八丁目用水路を
水辺環境整備事業として引き続き整備を進めるとともに、八条用水路沿い散策
路整備事業も引き続き実施し、水と緑のオープンスペースの親水空間として市
民共有の財産となるよう創出してまいります。
緑の保全と創出につきましては、樹林、樹木、生垣など市内に残る貴重な緑
の保全に努めるとともに、公園・広場の地域との協働による管理を進めてまい
ります。
公園が少ない地域につきましては、引き続き身近に利用できる公園づくりに
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努めるとともに、新田西部地区や「今様・草加宿」事業で公園の整備を進めて
まいります。
また、緑化推進団体への助成、緑の募金を活用した共同緑化などにより緑化
の普及啓発を進めてまいります。
次に、「環境と共生する」について申し上げます。
環境を守り育てるにつきましては、子どもたちに自然を守り、育てる意識や
行動が育まれるよう「いきものふれあいフェスタ」を開催するとともに、「学
校ビオトープ」の整備により自然のネットワークを創出してまいります。
また、大気汚染防止法が改正されたことからアスベスト粉じんの飛散を防止
する措置の拡充・強化を図るとともに、大気汚染常時監視事務が埼玉県から移
譲されることにともない、大気汚染状況の迅速な把握に努めてまいります。
「人と自然が共に生きるまち
そうか」を実現するため、環境基本計画に基
づき、庁内におけるISO14001に関わる取り組みを進めてまいります。
一方、市民の皆様へは環境負荷の低減に向けた「草加
わが家の環境宣言」の
普及に取り組んでまいります。
廃棄物の減量化につきましては、引き続き生ごみの水切りの励行や雑紙のリ
サイクル、古着・古布等のファイバーリサイクルを積極的に展開することで、
ごみ排出量を抑制するとともに、資源物の回収量を増大させることにより、東
埼玉資源環境組合で設定した搬入量の目標値を達成してまいります。
一般廃棄物中間処理総合施設整備事業につきましては、稲荷1丁目にリサイ
クルプラザを建設するため、設計・施工一括発注方式を採用します。事業者に
つ い て は 公 募 し 、審 査 委 員 会 を 開 催 す る な か で 、適 切 に 選 定 を し て ま い り ま す 。
また、平成17年度に実施したペットボトルの分別収集モデル事業を市内全
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域を対象として本格的に実施することにより、市民の分別排出及びリサイクル
に 関 す る 意 識 を 高 め 、循 環 型 社 会 形 成 に 向 け た シ ス テ ム を 構 築 し て ま い り ま す 。
次に、「心地よい風景をつくる」について申し上げます。
心地よいまちづくりの推進につきましては、美しい景観や豊かなみどりの形
成を促進するため、引き続きまちなみ景観賞等を実施し、良好なまちなみ景観
の保全及び創出に努めてまいります。
施策の第二の体系は、「安心と安全
− 人にやさしいにぎわいのあるまちを
つくる− 」であります。
まず、「街のやすらぎとにぎわい」について申し上げます。
はじめに、良好なまちづくりの推進について申し上げます。計画的な土地利
用の誘導につきましては、主体的な活動に取り組むまちづくり協議会に対し、
アドバイザーの派遣や助成金の交付等を行い、本市のまちづくりの基本方針で
ある都市計画マスタープランに基づき、事業を推進してまいります。
次に、都市核と地域核の形成につきましては、市内4駅の特性を活かしなが
ら、快適な市街地の形成をめざし、「地域の皆様」とともにまちづくりに取り
組んでまいります。
「新田駅東口地区」につきましては、まちづくり推進協議会が主体となった
提案書の作成を支援してまいります。また、「新田駅西口地区」につきまして
は、まちづくり基本計画の説明会等を行うなど、合意形成に努めるとともに、
ま ち づ く り 協 議 会 を 中 心 と し た 活 動 を 支 援 し て ま い り ま す 。「 谷 塚 駅 西 口 地 区 」
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につきましては、まちづくり組織の早期立ち上げに努めてまいります。
「松原団地駅西側地域」につきましては、昨年7月に都市再生機構と草加市
の間で基本協定が締結され、既に第一期先行区の団地建替工事が着手されてお
りますが、この地区のまちづくりを推進するにあたっては、全庁的な連携のも
とに、都市再生機構、獨協大学等と協力するなかで、当該地域のまちづくり理
念 で あ る 「 地 域 の 生 活 価 値 を 高 め る 新 た な 生 活 拠 点 づ く り 」を め ざ し て 、良 好 な
住 環 境 の 創 出 に 努 め て ま い り ま す 。ま た 、 団 地 建 替 事 業 と の 整 合 を 図 り な が ら 、
既決定の都市計画道路の計画変更に向け、関係機関等と協議を進め、早期完成
に努めてまいります。
次に、良好な市街地の形成についてでございますが、「柿木地区」につきま
しては、早期の事業化に向けて協議会活動を支援するとともに、現況測量を実
施し、引き続き合意形成に努めてまいります。
「新田西部土地区画整理事業地区」につきましては、保留地の処分等による
財源の確保に努めながら、早期完成に向け、引き続き道路や雨水貯留施設等の
公共施設の整備を進めてまいります。
開発行政につきましては、平成17年10月1日に施行いたしました「草加
市開発事業等の手続及び基準等に関する条例」に基づき、一定の施設水準を確
保した民間の開発事業等の誘導を図ってまいります。
次 に 、良 質 な 住 環 境 の 形 成 に つ き ま し て は 、草 加 松 原 団 地 建 替 事 業 に あ わ せ 、
都市再生機構の管理する賃貸住宅を借り上げ、市営住宅として整備するため、
関係機関と調整をしてまいります。
また、マンション居住者の皆様が適切なマンション管理を行えるよう、マン
ションセミナーの開催やインターネットの活用等により、必要な情報を提供し
てまいります。
建築行政につきましては、木造住宅の耐震性の強化とその促進に向けた支援
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策として、無料簡易耐震診断や耐震診断を有料で実施される方への診断費用に
対する補助金の交付を引き続き実施してまいります。
総合的な治水対策の推進につきましては、これまでにも、国・埼玉県による
河川改修、調整池、排水機場等の建設を行うとともに、市域内の排水施設の整
備等により、治水安全度の向上を図ってまいりました。
しかし、最近は全国的に過去に例を見ない集中豪雨等により大きな浸水被害
が発生しておりますことから、これらの現象に適切に対応するため、引き続き
都市基盤河川改修事業や排水路整備事業及び公共下水道雨水整備事業を推進し
てまいります。さらに、浸水箇所の軽減を図るために小規模排水施設の設置を
行い、治水安全度の向上を図ってまいります。
また、排水機場やゲートポンプの稼動等に関する見直しを進めるとともに、
機器の劣化・老朽化が進んでいる中井堀排水機場の電気設備の第一期更新工事
及び遠隔監視による小規模排水施設通報装置の設置工事を行い、水防時におけ
る迅速な対応を図ってまいります。
さらに、突然の集中豪雨など不測の事態に対応するため、気象情報のメール
受信職員を増員するとともに、24時間勤務の消防本部・消防署との連携をさ
らに深め、夜間休日などの通常勤務時間外にも円滑な対応を行うなど、水防体
制の強化を図ってまいります。
また、河川等の保全といたしましては、沈泥収集処理事業、水路維持管理事
業 を 行 い 、河 川 、水 路 等 の 機 能 を 維 持 し 、快 適 な 環 境 整 備 に 努 め て ま い り ま す 。
交通安全対策の推進につきましては、自転車による高齢者の人身事故が多発
していることから、平成18年度に策定する「第8次交通安全計画」と「安全
安心まちづくり行動計画」に基づき、警察及び各交通団体等との連携を強化す
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るなかで「高齢者事故」「自転車事故」防止に向けて取り組んでまいります。
具体的には、平成17年度から高年者を対象に実施した「交通安全ハートフル
アドバイザー制度」により、交通安全意識の高揚を図るとともに「自転車安全
運転診断」及び「高齢者安全運転プログラム」など、安全運転に必要な技術を
習得させる新たな事業が展開できるよう、警察と協議を進めてまいります。
また、自転車対策といたしましては、児童を対象とした「自転車教室」の開
催や「自転車安全運転推進ロード」における各種啓発事業と効果検証を実施し
てまいります。
交通安全施設の整備につきましては、埼玉県及び埼玉県警と連携し「緊急市
町 村 道 安 全 対 策 」を 谷 塚 町 、八 幡 町 に お い て 実 施 す る ほ か 、人 身 事 故 多 発 個 所 、
通学路を中心とした対策を講じてまいります。
さらに、各駅周辺を中心として、違法駐車対策や放置自転車対策等の交通問
題の解決に向けた取り組みを積極的に実施してまいります。具体的には、各駅
に設置を予定しているパトロールステーションを拠点として、地域、市、警察
と連携を図り環境浄化活動を行ってまいります。
災害に強いまちづくりの推進につきましては、平成17年度を「減災元年」
と位置づけるなかで、全ての指定避難所に防災行政無線移動局を設置し、通信
手段を確保いたしました。また、市民主導による「まちなか防災訓練」を積極
的に支援をしたほか、避難所開設にあたっての危険度判定など、実践的な防災
訓練の実施に取り組みました。
平成17年は、台風や集中豪雨災害に加え、震度5弱の地震にも見舞われ、
草加市では家屋倒壊や人命に係わる被害はありませんでしたが、大規模な地震
や風水害などの災害への対応能力をさらに高める必要があることから、平成1
8 年 度 に お き ま し て は 、地 震 被 害 想 定 の 見 直 し を 行 い 、草 加 市 地 域 防 災 計 画( 地
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震対策編)を改訂してまいります。
次に、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」の
規定に基づきまして、我が国が外部から武力攻撃を受けた場合や大規模テロの
ような人為的、意図的な災害が発生した場合に、市民の生命、身体及び財産を
保護し、被害が最小となるようにするために、その実施体制や、市民の避難及
び避難した市民等の救援に関する措置等並びに平素において備えておくべき物
資や訓練等に関する事項を定める「草加市国民保護計画」を作成してまいりま
す。
また、このような災害に迅速に対応するため消防職員の資質の向上と消防力
の充実強化に努めてまいります。
火災予防面におきましては、住宅用火災警報器の一般住宅への設置指導と不
特定多数の人が出入りする風俗店等の特定防火対象物の立入検査等を強化して
まいります。
防災面におきましては、より多くの自主防災組織の結成及び育成を行うとと
もに、市民と連携した実践的な訓練を積極的に実施し、また、昨年11月に導
入いたしました「防災指導車」を学校、町会、自主防災組織等の訓練時に有効
に活用して、市民の防災意識の啓発を図ってまいります。
火 災 、 救 急 活 動 に お き ま し て は 、 オ ー ル ・ デ ュ ー テ ィ ー (ALL DUTY)と い う
発想により、消防隊員と救急隊員がともに連携して、増加する救急要請に対応
し、一人でも多くの市民の命を守ってまいります。
一方、消防団活動につきましては、阪神大震災においても地域に密着した活
動が大きな成果を上げたことから、より一層の充実と活性化が求められており
ます。しかし、消防団員は、時代の要請に反して年々減少していることから、
新規団員の確保と活性化に努めてまいります。
また、西分署の建て替えも含め、市南部地域の消防力強化に向けて、検討を
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進めてまいりたいと考えております。
次に、防犯対策の推進でございますが、平成17年における市内の犯罪発生
件数は、前年と比較して刑法犯認知件数が減少いたしました。しかし、依然と
して犯罪発生総数は多い状況が続いており、全国的にも、児童生徒を狙った悲
惨 な 事 件 が 連 続 発 生 す る な ど 、市 民 の 不 安 感 も 募 っ て お り ま す 。こ う し た な か 、
町会・自治会や各団体等による自主防犯パトロール活動が精力的に実施され、
防犯意識も高まってきております。
平 成 1 8 年 度 に お い て は 、既 に 開 設 し て い る 、草 加 駅 西 口 、松 原 団 地 駅 東 口 、
新田駅西口の各パトロールステーションに加え、新たに谷塚駅西口にパトロー
ルステーションを設置し、地域、市、警察と連携し、パトロールステーション
を拠点とした環境浄化活動などに積極的に取り組んでまいります。
また、今まで以上に市民の皆様の防犯意識の向上を図るため、昨年に引き続
き安全安心アカデミー講座を開催するとともに、自主防犯パトロール活動にと
もなう活動資機材の提供や助言指導などを積極的に行ってまいります。
さらには、犯罪予防の観点から、不審者情報等を含めた防犯情報を、携帯電
話やパソコンのメール機能を活用した「地域安心安全情報共有システム」を本
格運用するなかで、市民の皆様との情報の共有化を図ってまいります。
なお、防犯や交通安全にかかわる安全安心なまちづくりに向けた取り組みに
ついては、市民、市、警察が協働して取り組むべく課題を体系化した「安全安
心まちづくり行動計画」に基づき、実践してまいります。
安全で安定した水の供給につきましては、地震災害等に対応した配水管網の
整備をはじめ、老朽化が進んだ浄配水場集中管理システムの更新を行い、水道
事業の健全な経営及び市民サービスの向上に努めてまいります。
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次に、「ものづくりを発信」について申し上げます。このなかの施策であり
ます地域とともに栄える産業の振興については、従来の商業、工業、農業など
の施策を一つにまとめ、今まで以上に相互の連携強化を推進してまいります。
はじめに、にぎわいの創出につきましては、各商店街の活力再生計画による
事業をはじめ、「にぎわいづくり事業」や商店が活性化のための方策を勉強す
る「(仮称)商店塾」を開催するとともに、「今様・草加宿」事業と連携を図
りながら旧町地区商店街の活性化などを支援してまいります。
さらに、草加市観光協会と連携し、多くの方々でにぎわうイベント事業を開
催してまいります。
ものづくりの振興につきましては、市内の製造業の新技術、新製品づくりか
ら販路拡大までを計画的に支援します。また、埼玉県や商工会議所と連携し産
業集積地としての草加を積極的にPRするとともに、市内事業者の企業情報を
市内外に発信してまいります。さらに、住工混在地域における工場と住宅が共
存できる方策の検討を行い、住工共存のまちづくりを推進してまいります。
また、伝統産業の育成につきましては、煎餅組合が行う草加煎餅の地域団体
商標登録など地域ブランドとして草加煎餅の知名度を上げていくとともに、皮
革団体による「そうか皮革大賞コンテスト」、「アンテナショップ」など、皮
革産業のPRや販路拡大をめざした取り組みを引き続き支援してまいります。
中小企業の経営支援の強化につきましては、産業振興支援サイト「あっそう
かネット」を活用し、草加の産業を全国に発信するとともに、市内産業を理解
していただくために、物産情報館でのイベントや情報の発信、さらには広報等
を通じて様々な情報を市民の皆様に提供してまいります。
また、獨協大学及び草加商工会議所と連携し「そうか産学行連携事業」に取
り組み、市内経済の実態、課題などの調査、研究を進めてまいります。
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都市農業の振興につきましては、地域農業の担い手である認定農業者の普及
拡大活動を推進し、後継者の育成に取り組みます。また、生産農家が直売を行
う「庭先販売」や、農業祭の支援を行い、市民の皆様に草加の都市農業をPR
してまいります。
さらに、優良の農地の保全の観点から農業委員会や関係各課と連携して農地
パトロールを実施し、優良農地の目的外使用や無許可の農地転用を抑止してま
いります。
次に、「情報と交通がもたらす新しい暮らし」について申し上げます。
地域情報化の推進につきましては、申請・届出等の手続をインターネットか
ら行える電子申請・届出サービスを始めていきます。当初は交付物の受取りな
ど一部従来の手続も残りますが、将来は社会のIT化情勢に合わせ、受取りま
でも電子化できるようサービス機能の向上に努めてまいります。
また、情報セキュリティについては、市民の皆様が安心して個人情報をお預
けいただけるように、平成18年度は社会的な信頼性を得ているISMS認証
基準を情報推進課に適用し、そのノウハウを庁内に反映することにより全庁的
なセキュリティレベルを段階的に高めてまいります。
公共交通網の充実につきましては、平成19年度に開業が予定されている日
暮里・舎人線の整備や昨年8月に開通したつくばエクスプレスなどの影響を考
慮しながら市内交通網のあり方を検討するなかで、近隣市町及び関係機関と鉄
道新線の誘致について協議をしてまいります。
バス路線網の整備推進につきましては、日暮里・舎人線とのアクセスを視野
に入れながら、谷塚西部地区から市内駅までの新たな路線の早期開設に向けて
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検討をしてまいります。また、バス利用者の安全を確保するため、伝右川沿い
の北谷橋バス停留所改修工事を実施いたします。さらに、道路の安全対策工事
として県道さいたま草加線の苗塚町バス停留所の改修工事を実施します。
その他、高年者や身体障害者の方々の利便性を向上させるため、ノンステッ
プバスの導入を促進していくとともに、交通渋滞の解消や放置自転車の減少に
向けて、市、バス事業者、関係機関等と連携をし、積極的にバス利用の促進を
図ってまいります。
安全で快適な道路の整備につきましては、草加駅東口周辺地区街路網構想に
位置づけられた路線について、引き続き地域の皆様との合意形成に努めるとと
も に 、一 部 モ デ ル 区 間 に お き ま し て は 、「 今 様・草 加 宿 」事 業 と の 連 携 を 図 り 、
先行的な整備実施に向けた取り組みを進めてまいります。
広域幹線道路の整備につきましては、柳島交差点の交通渋滞の緩和や歩行者
の安全確保をめざし、地域の皆様、埼玉県等と調整し、早期完成に向けて事業
の促進を図ってまいります。また、都市計画道路の瀬崎東町線及び谷塚松原線
の平成19年度完成に向け、街路築造工事を実施するとともに、新たに谷塚松
原線の延伸部についても事業化し、早期開通に向け取り組んでまいります。
生活道路の整備につきましては、引き続きバリアフリーに配慮した整備を推
進し、安全性、利便性の向上に努めてまいります。また、河川沿いの歩行空間
として毛長川遊歩道を整備し、親しまれる道づくりを進めてまいります。
道路の保守につきましては、草加市違反広告物等除却推進員設置規則に基づ
き、引き続き市民ボランティア団体と協働して「はり札」「はり紙」及び「立
て看板」などを除却し、都市景観を保持するとともに、道路機能の安全性の向
上を図り、適正な維持管理に努めてまいります。
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施策の第三の体系は、「地域の共生
− ともに力をあわせて自分たちのまち
をつくる− 」であります。
まず、「活力と生きがいのある高齢社会」について申し上げます。
高年者福祉の推進につきましては、介護保険制度の改正にともない、予防重
視型システムへの転換を図ってまいります。具体的には、要支援・要介護にな
るおそれのある高年者を対象とした、軽度生活支援サービス、健康教室・介護
教室などの「地域支援事業」や、介護の重度化を予防する「新予防給付」を創
設するとともに、「地域包括支援センター」を設置し、健康づくりや介護予防
を支援する地域での総合的なマネジメント体制の整備を進めます。
また、シルバー人材センターやすこやかクラブとの連携をさらに深め、生き
がいづくりや社会参加を図るとともに、市内5つ目となります特別養護老人ホ
ームの平成20年開設に向け、必要な支援を行ってまいります。
次に、「みんなで取り組む子育て」について申し上げます。
児童福祉の推進につきましては、市民との協働による地域のネットワークづ
くりを推進するとともに、子育て支援の中核的な役割を担う拠点として、(仮
称)子育て支援センターの整備を進めてまいります。
ま た 、谷 塚 児 童 ク ラ ブ 、瀬 崎 児 童 ク ラ ブ 、新 里 児 童 ク ラ ブ の 施 設 整 備 を 進 め 、
放課後児童健全育成を推進してまいります。
保育環境づくりにつきましては、建物が老朽化しているあずま保育園、さか
え保育園の建て替えなど施設整備を進めるとともに、待機児童対策の一環とし
て、新たに市内私立幼稚園の預かり保育の支援を行います。また、幼稚園・保
育所一体化事業により保育園と幼稚園の連携を深め、総合的な子育て環境の整
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備に努めるほか、児童手当の対象年齢を小学校修了前まで拡大することや所得
制限を緩和することなど、子育て家庭の経済的な負担の軽減策をさらに進めて
まいります。
信 頼 さ れ る 学 校 教 育 の 推 進 に つ き ま し て は 、平 成 1 9 年 3 月 の 完 成 を め ざ し 、
谷塚小学校の校舎及び屋内運動場改築工事等を進めてまいります。また、高砂
小学校増改築工事に係る耐力度調査及び実施設計を行うとともに、新里小学校
D棟の耐震補強及び大規模改造工事に取り組むほか、三次耐震診断業務の委託
を実施するなど、計画的な施設整備を行ってまいります。
また、教育委員会とともに、「潤いと特色ある草加の教育」の実現に向け、
児童生徒に生きる力を育むために、「草加っ子の基礎・基本」の定着に取り組
み、子どもたちが自らの目標を達成できるよう、確かな学力や心豊かで心身と
もに健やかな児童生徒の育成に努めてまいります。
さらに、平成18年度から、中学校学校選択制の導入などにより、学校の活
性化を図るとともに、学校教育情報を地域に発信することにより、開かれた学
校づくりを推進してまいります。また、地域の皆様のご協力をいただくなかで
スクール・パトロールステーションを設置し、安全・安心な教育環境づくりに
努めるとともに学校給食調理業務の委託を順次実施してまいります。
青少年育成の充実につきましては、草加未来人サポート審議会青少年部会の
提 言 を い か し 、青 少 年 自 身 の 参 画 の も と に 草 加 を 担 う 青 少 年 が 夢 と 希 望 を 持 ち 、
ふるさと意識を醸成できるよう、青少年の活動を支援・推進してまいります。
また、青少年が地域の人々に見守られながら、自分たち自身が様々な暴力から
身を守るCAPプログラム事業及び放課後や週末に子どもたちが安心して過ご
せる居場所の充実を地域の皆様と協力して推進してまいります。
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さらに、市民との協働事業で進めております冒険あそび場事業は、プレーリ
ーダーハウスを活動拠点として、子どもたちがのびのび自由に遊べる環境づく
りに努めてまいります。
次に、「ともに暮らす地域の仕組み」について申し上げます。
市民自治の推進につきましては、町会・自治会による地縁活動やNPO・ボ
ランティアによる志縁活動など、市民による自主的・主体的なまちづくりが円
滑に推進されるよう環境の整備に取り組んでまいります。
現在8地区で展開しております地区まちづくりの推進につきましては、まち
づくりに必要とされる専門的な知識や技術、人材などを提供してまいります。
市民活動の促進につきましては、ふるさとまちづくり応援基金による助成や
みんなでまちづくり会議での提案を市政へ反映させるなど、資金面や制度面か
ら引き続き市民活動を支援してまいります。
NPO活動の推進につきましては、NPO・市民活動団体との協働事業に関
する指針を策定し、市民と行政との役割分担を明確にしてまいります。
また、地縁・志縁の活動を物心両面から支援する拠点整備の準備を進めてま
いります。
「今様・草加宿」事業の推進につきましては、「今様・草加宿」実行委員会
や地域の方々と連携を図り、まちづくり交付金制度等を活用しながら、にぎわ
いの創出に向け、具体的な事業に着手してまいります。
地域福祉の推進につきましては、誰もが住み慣れた地域の一員として自立し
た生活を営むことができるよう、引き続き地域の皆様との連携に努めてまいり
ます。
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勤労者・雇用対策の推進につきましては、働く意欲や職業能力を高めるため
に総合的職業相談の充実を図ってまいります。
また、各世代の就労安定を促進するためにハローワーク草加、埼玉県、労働
関係各機関と連携・協働しながらパソコン技能修得、労働講座、就労支援セミ
ナー等を実施してまいります。
障害者福祉の推進につきましては、平成18年度からの障害者自立支援法の
施行にともない、身体障害者、知的障害者に精神障害者を加えた三障害のサー
ビ ス を 一 元 化 し 、障 害 の あ る 方 の 自 立 生 活 、社 会 参 加 の 促 進 を 図 る た め 、公 平 、
公正なサービス提供に努めてまいります。
また、知的障害者更生施設の建設につきましては、建設用地の取得に向け、
予定地の地権者との交渉を進めるとともに、運営の主体となる社会福祉法人の
公募・選定などを進めてまいります。
生活保護世帯の自立助長につきましては、引き続き就労支援を充実させると
ともに、適正な給付と生活保護世帯の自立に向けたきめ細かな自立支援を促進
してまいります。
国際交流・地域間交流の推進につきましては、国際理解と友好親善の推進を
とおして世界の恒久平和を図ることを目的に、草加市の青少年使節団を国際姉
妹都市カーソン市へ派遣してまいります。
また、「草加国際村一番地
第3回国際交流フェスティバル」では、主催者
で あ る 草 加 市 国 際 交 流 協 会 を 支 援 す る と と も に 、多 く の 皆 様 に 参 加 を 呼 び か け 、
幅広い海外文化の紹介に努めてまいります。
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さらに、地域からの国際化を図る取り組みとしては、国際相談コーナーや国
際化推進団体との連携により、外国籍市民など、日本語を十分に理解できない
方々への生活サポートをとおして暮らしやすい環境づくりを進めてまいります。
地域間交流につきましては、多くの市民の皆様に、草加では体験することの
できない四季折々の自然や文化とのふれあいを目的に、引き続き昭和村との交
流 事 業 を 実 施 し て ま い り ま す 。ま た 、こ れ か ら の 交 流 の あ り 方 に つ き ま し て も 、
改めて市民の皆様のご意見・ご要望を伺いながら検討してまいります。
次に、人権の尊重についてでございますが、中期基本計画からは平和への貢
献や男女共同参画も、人権推進の重要な要素であると位置づけ、施策の展開を
図ってまいります。
まず、平和への貢献につきましては、子どもや青少年をはじめ、多くの方々
に平和の尊さを実感していただくことが大切であることから、「草加市平和都
市宣言」の趣旨普及に努めてまいります。
人権啓発の推進につきましては、人権尊重の理念のもと、他人を思いやり、
差別のない、明るいまちをめざすため、市内の各企業、市民活動団体、人権擁
護委員などとの連携をより一層深め、積極的な事業展開を図ってまいります。
男女共同参画社会の実現につきましては、性別にかかわりなく個人として尊
重される社会をめざし、「草加市くらしを支えあう男女共同参画社会づくり条
例」の理念に基づいた様々な事業の展開を図ってまいります。また、ドメステ
ィック・バイオレンスの相談や女性の心の問題に対するカウンセリングなどに
は、各関係機関などと連携し、適切な対応を図ってまいります。
次に、「新しい生活スタイルの創造」について申し上げます。
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豊 かな心 を育 む生 涯 学 習 の推 進 につきましては、2年 目 を迎 える「 そ う か 市 民 大
学」の充実を図るなど、市民の学習機会の拡大や市民一人ひとりが主体的に音
楽、芸術、文芸などの文化芸術活動に取り組む機会を提供するとともに、国際
ハープフェスティバルの開催や「文化の広場」など、草加市文化協会や文化団
体連合会との連携により文化・芸術の活性化を図ってまいります。また、平成
17年度に募集しました「奥の細道ジュニア文学賞」入選作品の表彰を行うな
ど、活力あるまちを創造してまいります。
さらに、地域に残る文化遺産を発掘・保存し、市民の皆様がまちの歴史に関
心を持てるような調査・研究を進めるとともに、市民の皆様との協働により豊
かなまちづくりにつながる多彩な生涯学習活動を計画的に推進してまいります。
また、学習ニーズに応えるため、谷塚文化センターの建替工事及び新田西公
民館の建替計画を進め、生涯学習施設の整備とネットワーク化を推進してまい
ります。
図書館事業につきましては、図書資料の整備・充実に努めるとともに、学校
と連携した地域開放型図書室及び公民館図書室等の充実を図ってまいります。
スポーツ・レクリエーション活動の充実につきましては、スポーツフェステ
ィバルや子ども放課後・週末等活動支援事業(サタスポデー)を充実するとと
もに、高年者や障害者の方々が気軽に参加できる活動を展開してまいります。
体 育 施 設 に つ き ま し て は 、市 民 体 育 館 の 耐 震 化 に 向 け た 調 整 を 行 う と と も に 、
新たに草加中学校体育館の一般開放をはじめ、他の小・中学校の体育施設も引
き続き開放してまいります。
さらに、平成20年度開催の全国高等学校総合体育大会において、草加市は
ボ ク シ ン グ 競 技 の 会 場 市 と な っ て お り ま す が 、同 競 技 が 円 滑 に 進 行 で き る よ う 、
ボクシング競技実行委員会を新たに設立し、開催に向けた準備に努めてまいり
ます。
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消費者の自立と支援につきましては、リフォーム詐欺など多発する悪質商法
に対応するため、引き続き消費生活相談の充実を図ってまいります。
また、被害を未然に防ぐため、引き続き消費者団体の方々とともに情報提供
や啓発活動を進めてまいります。
さらに、消費者の利益を守りながら適正な計量の確保に努めてまいります。
心と体の健康づくりにつきましては、市民一人ひとりが、自分の健康は自分
でつくるという考え方を基本として、いきいきと健やかに生活ができる活力あ
る社会とするために、引き続き予防接種や基本健康診査・がん検診等を実施し
てまいります。
平成18年度は新たに基本健康診査に65歳以上の市民を対象とした生活機
能評価検査項目を追加し、高年者の生活機能低下の早期把握及びその対応を図
るなど、疾病や介護の予防を進めてまいります。また、BCG予防接種を集団
から指定医療機関での個別とすることにより、より一層の利便性の向上を図る
など、市民の総合的な健康づくりの推進に努めてまいります。
また、国民健康保険の財政運営の健全化をめざし、保険税収納率向上に努め
てまいります。
市立病院の充実につきましては、市民の皆様に良質で安心・安全な医療を提
供するため、病院事業管理者と緊密な連携を図るなかで、関連大学であります
東京医科歯科大学などとも連携を進め、診療体制の一層の充実に努めるととも
に、引き続き、患者の皆様の相談体制の充実、ボランティア団体との協働を推
進し、患者サービスの向上に努めてまいります。
ま た 、産 婦 人 科 医 師 の 不 足 に よ り 一 時 休 止 し て お り ま す 産 科 に つ き ま し て は 、
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医師の確保に最大限努め、一日も早い再開をめざしてまいります。
あわせて、かかりつけ医としての地域の医療機関との連携をさらに深め、中
核病院として二次医療及び高度専門医療の充実に努めるとともに、一層の経営
の健全化に努めてまいります。
施策の第四の体系は、「市役所を変える」であります。
まず、「市民と協働できる市役所に」について申し上げます。
市民参画制度の充実につきましては、市民の皆様が市政に関心を持ち、参画
できるよう、「草加市みんなでまちづくり自治基本条例」に基づき、積極的に
情報を公開するとともに、市民の皆様のご意見、ご提案などを施策に反映させ
るため、事業の計画段階からパブリック・コメントを実施してまいります。ま
た、各種審議会の委員には、積極的に市民公募を行うなど、引き続き市民の皆
様の参画を推進してまいります。
また、市長への手紙、Eメール、市民意識調査などの広聴活動により寄せら
れた市民の皆様からのご意見、ご提案を組織的に収集し、可能な限り市政運営
に反映させることにより市民納得度を高めてまいります。
さらに、各種専門家のボランティアにより開設されている「くらしの法律総
合相談」をはじめ、弁護士による「法律相談」、「女性の法律相談」、さらに
は獨協大学及び埼玉弁護士会との連携による「リーガルクリニック法律相談」
などをとおして市民の皆様の問題解決の一助となるよう、関係機関等との連携
を図り広聴活動の充実に努めてまいります。
市政の透明性・公平性の充実につきましては、わかりやすく読みやすい広報
「そうか」を発行していくとともに、ホームページ全体をリニューアルし、視
覚に障害をお持ちの方などに配慮した音声読み上げや文字拡大機能、さらに色
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覚に障害をお持ちの方に配慮したページなどを作成してまいります。
市民と協働できる職員の育成につきましては、人材育成システムによる勤務
実績の評価を処遇に反映できるよう整備を行い、職員一人ひとりの勤務意欲の
向上を図ってまいります。
また、行政マンとしてのプロ意識を持って、市民と協働できる職員の育成を
図るため、高度な専門性を身につけ、倫理観及びモチベーションを高めるよう
研修内容の充実に取り組み、職員の意識や行動の改革を促してまいります。
次に、「市民サービス業としての自覚」について申し上げます。
便利な市民サービスの推進につきましては、日曜窓口、水曜夜間窓口を引き
続き実施するとともに、接遇研修の実施などにより市民サービス業としての自
覚を持った職員の育成に努めるなかで、市民の利便性を向上し、窓口サービス
の充実を図ってまいります。
また、埼玉県が示す権限移譲対象事務のうち、市民の利便性や効果を十分に
検討するなかで、可能な事務を積極的に受け入れることによって、地方分権の
推進を図ってまいります。
次に、「経営感覚の導入」について申し上げます。
効果的効率的行政の推進につきましては、施策の意図を実現するために事務
事業の成果目標を定め、執行・目標管理を徹底してまいります。
また、平成18年度以降も、厳しい財政状況が予測されることから、財源の
確保に努め、市民の皆様からお預かりした貴重な税を有効に活用するなかで、
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一層の財政運営の健全化に努めてまいります。
また、限られた資産や人材を有効に活用し、より高い成果を生み出すよう、
「市民納得度の高い市役所」をめざし、平成18年度から第四次行財政改革を
スタートさせます。
また、市の重要な財源であります市税収入を確保するため、税負担の公平の
原則に基づき、適正な賦課を行うとともに、文書による一斉催告の強化や積極
的な滞納処分を実施し、あわせて高額滞納者対策の拡充を図ることにより、収
納率の向上に努め、財源の確保を図ってまいります。
効果的効率的な財産管理につきましては、財産の有効活用という観点から、
ノックス
ピーエム
市 有 地 の う ち 未 利 用 の 土 地 を 売 却 す る と と も に 、自 動 車 N O x・ P M 法 に 基 づ
き市有バスを環境に配慮したものにしてまいります。
最後に、「新しい広域行政に備えて」について申し上げます。
質の高い広域連携の推進につきましては、埼玉県東南部都市連絡調整会議な
ど、近隣市町と連携し、行政サービスをさらに充実してまいります。
また、引き続き獨協大学と積極的に連携するとともに、新たに民間企業や他
の自治体などとの連携についても検討してまいります。
以 上 、平 成 1 8 年 度 に 予 定 さ せ て い た だ い て お り ま す 施 策 運 営 に つ い て 述 べ
させていただきました。
冒頭にも申し上げましたように、平成18年度以降は今まで以上に厳しい財
政状況になるものと予測しております。景気の回復により税収が上向くという
予測もございますが、国からの自立が求められ、引き続き厳しい現状認識を持
って市政運営にあたっていかなければなりません。
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このような現状のなかで市民サービスを向上していくためには、中・長期的
な視点に立って一つひとつの施策運営の方向性を定め、それを着実に実施して
いく必要があります。このような施策運営を行わなければ、市民の皆様からの
信頼を得、さらには「納得度100%」のまちづくりは実現できません。
そのためには、私をはじめ職員一人ひとりが日頃から「草加市職員」として
の自覚を強く意識することが必要となります。そして「草加市職員」である以
上、職務に責任を持ち、自ら考え、行動し、その結果として期待される成果を
確実に生みだせるように、常に創造と改革に努めなければなりません。
このような職員が存在して、はじめてこの厳しい財政状況のなかで適切な市
政運営が可能になるものと強く認識をしています。
繰り返しになりますが、平成18年は草加宿の開宿に着手してから400年
という節目の年であります。松尾芭蕉の言葉をお借りすれば、草加市も400
年という長い歳月を経て「ようよう草加という宿にたどり着」きました。改め
てその歴史的な重みを市民の皆様と共有しながら、私たちの子どもたち、さら
には孫たちへ、「誇れるふるさと草加」を引き継ぐ基礎を確立しなければなら
ない年であると考えております。
そのためには、草加市が地方主権を実現できる自立した自治体へと成熟して
いくことが必要となります。そして、その基盤をつくるためには、職員一人ひ
とりが職責を果たし、機能する組織になるとともに、達成すべき事業目標・成
果を明確にするなかで常に市民の立場から執行を見直し、施策を立案しなけれ
ばなりません。そして、市民のために本当に必要で、お預かりした公金を使っ
て実施すべき施策を最少の経費で効率的に執行していく市役所へと生まれ変わ
らなければなりません。
このような市役所になるために、私が率先し、さらに研鑽努力し市長として
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の職責を果たしていくとともに、部局長をはじめ管理職が、自己の所管に対す
る責任を果たし、さらに全職員が、市の置かれた状況を認識し、改善・改革か
ら 革 新 を は た す た め に 、考 え 、行 動 し 、成 果 を 生 ん で い か な け れ ば な り ま せ ん 。
そして、草加のまちづくりにかかわる人々全てと「協働」し、「誇れるふる
さと草加」を創造していかなければならないと考えております。
こうした、みんなで協働してつくりあげていく活力あるまち、「草加」を後
世に受け渡すべく、平成18年度、さらなる一歩を踏み出してまいります。
市 民 の 皆 様 、市 議 会 の 皆 様 の ご 理 解 、ご 協 力 を 改 め て 心 か ら お 願 い 申 し 上 げ 、
平成18年度の市政運営に臨む所信といたします。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
平成18年3月1日
草加市長
28
木
下
博
信