『 ・・非合法の山賊組織・ローマクラブの私生児、 の悪行 … IMF

『…・・非合法の山賊組織・ローマクラブの私生児、 IMF の悪行
米国を取り巻く数々の病の根源は、ルーズベルト大統領に始まる歴代政府が、「米国を別個の、
独立した主権国家として扱え」
てこの国に押しつけるな」
「三〇〇人委員会の意志をローマクラブや国際通貨基金を通じ
と、イギリスに対して主張してこなかったことだ。これはウインス
トン・チャーチルと F.D.ルーズベルトとの間の、一九三八年の特別合意以来のことだ。もちろん、
「特別な合意」
はそのはるか以前に始まっていたことだ。
これまでに何人もの方から、「あなたは間違っている、一九三八年にはチャーチルはまだイギ
リスの首相ではなかったではないか」という意見をもらっている。たしかにそうだ。だが、いつか
らあの連中が肩書を気にするようになったというのか。悪名高いパレスチナ条約が締結された
とき、あの連中はイギリス首相のところへ行ったか。イギリス首相はイギリスを動かしていたは
ずではないか。答はノーだ。連中が長々しい覚書を提出したのは、ロスチャイルド卿だった。ロス
チャイルド卿こそが条約の最終案を書き上げ、パレスチナの半分を割譲したのだ。そんな権利は
イギリスにはなかった。パレスチナはイギリスのものではなかったのだから。
同じことがルーズ、ベルトとチャーチルとの間でもあったのだ。チャーチルは一九三八年には
首相はなかった。だが、そんなことでは、身も心も押さえている連中-三〇〇人委員会のために交
渉しょうというチャーチルを止めることはできない。チャーチルはボーア戦争のときに南アフ
リカで訓練を受け、生涯、このエリートグループのメンバーであり、かつメッセンジャーであり
続けた。
イギリスが採用した戦略のタイプを、いくらかでも示してくれる本がある。フランクリン・ル
ーズベルトの戦時補佐官を務めた、息子のエリオット・ルーズベルトが、第二次大戦の終わりに
出版したもので、原題を『AsISawIt(わたしの見たまま)』という。エリオツトは、ルーズベルト
大統領がチャーチルに示したアメリヵの戦後政策のアウトラインから、特に重要な特徴を文章
にしている。もちろん、チャーチルにはそれに従うつもりなどなかった。ルーズベルトがどんな
提案をしてこようと、それをひっくり返す力が存在することを十分に分かっていたからだ。三〇
〇人委員会が米国を動かしているのだ。
社会主義的変化を起こすためのイギリスの工作員は、米国に数多く浸透していた。そのひとり
がウォルター・リップマンで、リップマンがこの国に連れてきた「驚異的な」経済学者が、西側経
済を崩壊させたジョン・メイナード・ケインズ卿だ。ケインズこそは、特別引出しのルール、「乗数
効果」理論、その他の醜怪なまでに非道徳的で、邪悪で、汚い、不正を持ち込んだ人物であり、それ
が世界のごく一部の連中によって、ほぼ全人類に押しつけられている。これが空虚な言い回しで
はないことを理解せねばならない。この連中は本当に世界を動かしているのであって、「ここは
アメリヵ合衆国だ、わたしたちには憲法がある」などと言っても無意味だ。合衆国憲法はすでに
探潤され、全面的かつ徹底的に破壊されて、現在では、ほとんど無力で何の効力もなくなってい
る。
イギリスは米国に、海外援助というペテンを作り上げた。これは、連邦準備銀行を除けば、世界
史上最大の欺臓だ。これのせいで各国は、米国からの施しやお恵みに、完全に依存させられてい
る。その目的は二つだ。
①各国を「外交問題評議会」というご主人の意志に従わせる
②米国の納税者に支払能力以上の税金を課し、生活に忙殺されるかあっぷあっぷの状態にして
おいて、悲惨さの原因が何なのか、周りを見まわす余裕をあたえない
(この汚い計略が始まっ
たのは一九四六年で、わたしはこの問題に関しても、まとまった文章を書いている。読む価値は
十分にあると思う)
世界の政治にゴロツキまがいの雰囲気を持ち込んだ男、ヘンリー・キッシンジャーを見いだし
たのは、 OSS(戦略事務局
CIA の前身)
のジュリアス・クラインだ。キッシンジャーは米国陸
軍で運転手をしていた。キッシンジャーは、イギリスに取り込まれて以来、世界政治の暴れん坊
のような役を演じ、米国のイメージと大衆に多大な被害をあたえた。アフリカの数千万人に飢餓
の苦しみをもたらしたのも主にキッシンジャーの仕業で、それを見た各国は膝を屈して国家主
権を明け渡してきた。
驚くべきことだが、三、四年前なら決してあるはずのなかったことが、たった今起きている。米
国のすぐ目と鼻の先であるブラジルとメキシコで、 IMF が
法山賊組織が、ローマクラブの私生児が
ー
-
このワン・ワールド政府の非合
両国に膝を屈せよと強要し、国家主権と天然資源
を明け渡せと迫っているのだ。このワン・ワールド国際銀行が設立されたのは、あらゆる弱小国
からその天然資源を奪い、剥ぎ取り、丸裸にしてしまうためだった。それが IMF のすべてだ。
IMF はローマクラブの支配における重要な要素のひとつで、アメリカ合衆国の破壊までをも視
野に入れている。わたしは、自分がワシントンの上下両院議員よりも多くの情報をもっていると
は思わないし、彼らのようなサラリーも受け取ってはいない。だが、わたしたち国民の代表とい
われるあの連中は、国際通貨基金というこの山賊どもに、憲法違反の資金を供出している。その
IMF は、最終的には米国のクレジットおよび通貨政策を乗っ取ってしまい、米国人をワン・ワー
ルド政府による奴隷国家の奴隷としてしまう。
われわれの代表
-
だとすれば、だが
-
は、ペンを少し動かすだけで、米国に秩序と安定
を取り戻すことができる。ただひと握りの議員がいて、反撃を実行してくれれぱいいのだ。危険
を冒す意志のある者が連邦議会にいさえすれば、米国の新たな工業化を始めることができる。第
一に連邦準備制度理事会を廃止し、第二に公正な分配システムに基づいて決定をくだし、第二に
原子力を、米国だけではなく発展途上国すべてに導入する。そうすればこの世のユートピアが、
これまでに見たこともないような世界が実現するだろう。それはもちろん、ローマクラブの計画
とは完全に矛盾する。米国に関してだけではなく、全世界についても同様だ。
ローマクラブのやっていることには、興味深い面がいくっもある。そのひとつが、先にも名を
あげた「グローバル二〇〇〇」大量殺致計画だ。これはドレイバー基金人口危機委員会の報告が
基礎となっていて、マックスウェル・テイラー将軍その他の軍関係者が支持している。これまで、
軍の誰々はどうかと尋ねられた場合には、「その人物がドレイバー基金人口危機委員会の『発見』
したこととグローバル二〇〇〇大量殺致計画とを支持しているかどうか、本人に尋ねてみなさ
い」といっている。テイラー将軍も、あらゆるマルサス主義者と同じ、ぱかげた前提から出発す
る。それは、富は天然資源から得られる、というものだ。テイラー将軍の主張は、発展途上国の人
口が消費する天然資源の割合が多すぎて、この先数世紀にわたってエリートが必要とする分が
なくなる、というものだ。
したがって-と主張は続く-いま行動を起こし、可能な限り消費を抑えねばならない。その
ためにはテクノロジーを切り捨て、食料を供給不足にしておくことだ。第三世界の人口を飢えさ
せる準備が必要だ。こういった国々の天然資源を国民に吸収させてはいけない。それは、世界の
支配者が利用するものだ。これが、グローバル二〇〇〇レポートとマックスウェル・テイラー将
軍のドレイバー基金人口危機委員会の、底流に流れる前提だ。こういうタイプの思考にロバート
・マクナマラのような連中が関わっていても、驚くにはあたらない。何といっても、マグナマラが
ベトナムで演じた役割のことはよく知られている。だがおそらく、大量殺戮政策の作成に関わっ
たローマクラブの役割は、あまり知られてはいないだろう。それが実行されたのが、ポル・ポト時
代のカンボジアだった。
あの卑劣な筋書きは米国内で企てられ、実験としておこなわれたところがカンポジアだっ米
国ではあんなことは起こらない、などと考えてはならない。起こり得ることだし、必ず起こる。テ
イラーとマグナマラの強い提案で、 NATO は場違いな状況へ展開しそうだ。つまり、 NATO 軍
を利用して、侵略するぞと脅しながら、高金利の借款を IMF に返済するよう、反抗的な国に強要
するのだ。これがあらゆることの結論だ。文明的な行為への脅迫だ。これには、わたしたちの文明
の運命が懸かっている。それは、アテネの魂イオニアの都市国家共和制から受け継がれてきた遺
産であり、そこにわたしたちは統治への衝動、キリスト教的共和主義の理想を辿ることができ
る。
そこでは、キリスト教の二つの特徴がその中心だ。わたしたちは、「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、
地を従わせよ」
という創世記のことばにしたがって、自身を統治しなければならない。わたし
たちは増え、人間らしい生活を維持し、それを今よりもさらに素晴らしい、善いものにすること
ができるのだ。
ごく一部の、カルトやオカルトの難解な法則なり秘密の法を知る者のためではなく、大多数の
ために、あなたたちを自由にするために来たとキリストが言った大多数の人間のために、もう一
度、全く非宗教的な文脈でこのことばを使おう。わたしたちは、キリスト教原理の影響下におい
て、自身を統治しなければならない。それはキリストが範を垂れ、キリストの精神の合理的な力
と、神への-生ける神へのーキリストの信仰表明によって完成されるものだ。神は常に、人間の生
命を聖なるものとして扱ってくださる。あんなオカルトの黒魔術屋に証かされて、人間とは十把
一絡げの大衆のことだなどと信じ込んではならない。そんなものは嘘だ。人間は十把一絡げには
できない。わたしたち一人ひとりが独立した一個の存在であるというまさにその考え方は、一人
ひとり指紋が違うという事実に現れている。世界中を捜しても、全く同じ指紋は二つとは存在し
ないではないか。
だから、わたしたちは十把一絡げの大衆ではなく、独立した個人だ。わたしたちはテクノロジ
ーに関する情報を集め、それを善用しなければならない。さもなくば、ローマクラブはわたした
ちを、簡単に管理できる、言葉も話せないような劣等人間の群れに旺めてしまう。そうなれば、連
中の施しに完全に依存してやっと存在するだけだし、その施しもごく乏しいものに決まってい
る。ローマクラブのマルサス主義政策というカルト要するに、多数の犠牲の上に少数が利益を
得るということーを受け入れた国家元首はみな、自分自身とその国民を1千年も続く奴隷制へ
と運命づけたのだ。
マルサス主義の制限下では、国が拡張したり成長したりすることは許されない。そんなことを
すれば、ローマクラブがごくわずかの支配階級のものだと言う、天然資源を使い切ってしまうか
らだ。そんな国は死を運命づけられる。そんな政策にしたがう邪悪な影響力は、陽の光のなかで
は生きていけないからだ。こういうことが、 IMF がブラジルとメキシコに押しつけている、いわ
ゆる「貸付条件」
の背後にある。 IMF は本当に、この両国に死んで欲しがっている。だから、と
ても飲めないような貸付条件を持ち出すのだし、貸し付けられた国の方は、利子を返済しようと
するだけで身を焦がしてしまう。そうなったらその国は、 IMF の独裁支配に身も心も捧げるし
かない。その IMF は、これまで述べたとおり、ローマクラブの金融部門だ。これを挟手傍観して
いてはいけない。わたしにはごくわずかな財産しかなく、今やっている以上のことはできない
メッセージを広めることだけだ。
『ローマクラブの次なる標的は米国式システムで成功した日本
たとえ米国人が気づいていなくても、ローマクラブはしっかりと意識していることがある。そ
れは、一九世紀に成功した工業国は、イギリス以外すべて、米国式の政治経済システムで動いて
いたということだ。それなのに、今日の米国の大学ではどこもこのことを教えない。彼らは教え
るのを恐れているのだ。フェビアン協会の社会主義者ラスキー教授が禁じたからだ。だがわたし
たちは、日本でのみ、米国方式がうまく適用されていたのを目の当たりにしている。これで、日本
の経済が明らかに米国よりも優れている理由が説明できる。わたしたちは、本来の米国式政治経
済システムを放棄させられたのだ。「黒い貴族」好みの物事の動かし方に合わせてしまったから
だ。それは実質上、世界社会主義といえるものだ。
だが、日本はそうしなかった。社会主義的な経済システムと日本経済の成果とが、チャンスさ
えあれぱ米国式は機能するのだということを明確に、積極的に証明している。今の社会には癌が
ある。ローマクラブというこの癌が、米国の政治を妨害し、議会を妨害し、核エネルギー分野での
進歩を妨害し、製鋼工場や自動車産業や住宅産業を破壊し、そのすきに日本が先を行っていたの
だ。もちろん、日本も破壊される。ローマクラブは、自分たちが十分に力をつけたと思えば、すぐ
に日本に目を転じる。そうして、日本も米国と同じ運命に苦しむことになる。
そうさせてはならない。戦って、米国を文明的な工業国として維持せねばならない。もう一度ジ
ヨージ・ワシントンの政策をなぞってくれるような指導者を見つけなければならないし、政治経
済に関して言えば、ケインズやラスキーやキッシンジヤーといった、米国に全くの腐敗と崩壊を
もたらした連中を放りださなけれいけない。
いまわれわれは、そういうところまできているのだ。
高値に湧く米国証券市場の過熱もローマクラブの計略
歴史を見れば、キリスト教の登場が、闇の力に対抗する制度的な力であったことが分かる。キリ
ストは「わたしが来たのはあなたたちに光と自由をあたえるためです」と言った。キリストが語
りかけた人びとは、当時の少数派のエリートからは、地上のカスにすぎないと見なされていた。
そういう人びとに向かってキリストは「わたしはあなたたちに自由をあたえるために来たと言
った。キリスト教は、国の政治と文化という点で、最強のかたちの文明を創り出した。だからこそ
ローマクラブは、キリスト教の教義に徹底して反対しているのだ。わたしの知る限りでは、西洋
キリスト教の単一国家を作ろうという最後の試みが打ち倒されたのは、一二六八年、黒いゲルフ
が指揮するヴェネチアに敗れたときだ。黒いゲルフは後に、ダンテらの勢力をも倒している。
ヨーロッパに新しいかたちの国家を作ろうという試みは何度もあった。新しい、民族主権共和
制国家は、当時一般的であった数々の方言の代わりに共通の言語を使用することに基礎をおい
ていた。
ダンテの構想は優れたもので、非常にうまくいっていたのだが、やがて敗れた。その直接の原因
となったのは知ってのとおり、一六〇三年にヴェネチアの操り人形ジェームズ一世の命令の下
にイギリス王国が確立して、共和制勢力が叩きつぶされたことだ
アの操り人形といつたが、これは「黒い貴族」
(ジェームズ一世をヴェネチ
のことだ)。ジェームズ一世は、イギリスの共和主
義者とジョン・ミルトンの連邦主義者とに強要して、北アメリカに英語圏の殖民地を建設させ
た。これが後に、新しい共和制秩序を生み出す新たな基盤となる。
これが理由で連中は、あらゆる手段を用いて、民族国家共和主義というこの新しいかたちを叩
きつぶそうとしてきた。その戦いは今も続いている。
一七七六年以来、継続中だ。わたしたちは大きな戦いで二度敗北している。それが、一九一三年
の二つの法律だ。連邦政府は所得累進課税というマルクス主義の教義と民間所有の銀行業独占
である連邦準備制度とを押しつけてきた。だがそれ以前にも、米国の共和制は強烈な打撃を受
けている。一八七六∼七九年の「正価兌換法」の文言を通して、米国は、国の信用貨幣と借款
政策に関する主権を差し出し、新共和国の通貨政策をロンドンの国際金取引商人の手に委ねて
しまったのだ。
それ以来、米国の諸問題について、国内からの圧力が強まった。イギリスやスイスの銀行家が、オ
ーガスト・ベルモントやモルガン家を通じて、言いなりになる強力なエージェントを動かしてい
るからだ。
ロンドンの金取引制度自体は、両大戦をはさんだ期間に段階的に崩壊していったが、アングロ
・スイス系ヴェネチアの家系であるフォンディ家ーということはつまり、資金のある連中という
ことだ
ーは、世紀のペテンともいうべきブレトンウッズ体制の下、実質上世界の通貨問題につ
いての独裁体制を確立した。米国には、国民を縛るこういった鎖のすべてを断ち切るだけの力が
ある。できる。やるべきだ。議会に、自分の利益よりも国益のことを先に考える議員を送り込ん
で、わたしたちの喉もとを押さえている、ローマクラブという名のこの醜悪な社会主義をぶち壊
しさえすればいいのだ。
何人かに尋ねられたことがある。「お前の言うことが正しいのなら、なぜわが国の大学や専門
学校ではお前が説くような経済学を教えていないのか」
まず「説く」ということばはわたしの好みではない。これはわたしの言うことに反対している、
ある勢力の文章を引用したものだ。指摘しておきたいのは、ロンドンとスイスの銀行家が一世紀
以上の長きにわたって世界の通貨制度と通貨関連のことがらを独裁支配しているということ
が、絶対的な第一の理由だということだ。だからこそ米国の大学の経済学部や専門学校では正し
い経済学を教えないのだし、金と銀を基礎とした複本位制を支持しないのだ。複本位制はわたし
たちの共和制であるアメリヵ合衆国の基礎であり、これあればこそ、合衆国は世界一豊かな国と
なり、みごとに機能したのだ。
もし本当の経済学を教えれば、社会主義など窓から逃げ出してしまうだろう。学生もすぐに、こ
の国のどこが悪いのかを正確に理解し、非難されるべきは誰かを探し出すだろう。わたしたちは
国として、政治面経済面での意思決定を通じて不法に主権を明け渡し、 IMF や国際決済銀行と
いった超国家的通貨機関に付きしたがっている。ほかにも、アメリカ法曹協会も含めて「わたし
たちの」法律家、「わたしたちの」政府、「わたしたちの」議員、「わたしたちの」民間部門経済が、い
ま挙げた、国を崩壊させるような通貨機関、超国家的金融機関のご機嫌を取り続けている。こん
なことをしている間は、わたしたちの国は破滅に向かって進み続けている。
わたしたちは、超国家的機関のご機嫌を取ったり,連中が命令するようなルールにしたがって行
動する必要はない。つい最近も、いかに連邦議会が邪悪な計略に尻尾を振っているのかが見え
た。
見下げ果てたラスキー・ケインズ-社会主義の息のかかった、国際通貨基金という名のこの機関
を救済しょうというのだ。 IMF とローマクラブのせいで何が起こっているのか、国民に正確に
教える必要がある。だが前にも言ったように、わたしには人びとに伝える手段がない。経済学は
本当はそれほど難しい-ーマではなく、原理を掴んでしまえば、後はかなり容易だ。ここでいくっ
か例を挙げて、こういった社会主義的国際超国家組織の命令にしたがうことで、いかにわたした
ちが自滅の道を歩んでいるかを説明しょう。連中は、癌のように米国に入ってきている。
戦争直後の時期を取り上げてみょう。当時、米国の労働力の約六二パーセントは実際の商品を
製造するか、そういう商品を運搬する分野で雇用されていた。今日、公式の統計によれば(公式統
計がこれほどあてにならない時代もないが)、このレベルで雇用されている労働力は三〇パーセ
ントに満たない。ということは、本当の失業水準は二〇パーセントくらいであって、政府が言う
「現在五パーセント」ではないことになる。国の労働力がどういった分野に雇用されるかという、
その割合
が変わってきたことが根底にあって、インフレーションの原因となるのだ。
ここにこそ、第一の問題がある。歴史を見れば、とりわけ一八七〇年代に生産コストが全般的
に低下し、富の生産が進んだことで、デフレ・サイクルとなっている。ここから、米国式の政治経
済システムの影響で、工業の進歩と農業生産性の向上というかたちでのテクノロジーの進歩が
促進された。だが、ごく一部の手に握られたロンドンの金取引制度によって、世界の通貨関連機
能が乗っ取られてしまい、一八八〇年代には恐ろしい大不況が矢継ぎ早に起こり、しかもその
間、長いインフレ・スパイラルになってしまった。これは、この世界をコントロールしているマル
サス主義者の勢力が直接生み出したものだ。連中は、'ジョン・スチュアート・ミル、ハロルド・ラ
スキー、ジヨン・メイナード・ケインズらの教条にしたがっている。いわゆる
自由」
「市場での経済的
という政策は、架空の大地に投機的な投資を注ぎ込むことにほかならない。借金をして
資本金を集め、借金で資金を賄うというかたちの高利の金が、現実のテクノロジー、現実の商品
生産の進歩への投資を犠牲にしているのだ。
だからわたしは周囲の友人に言っている。「証券市場には近寄るな」と。証券市場は、投機的投
資のための架空の分野であって、実際の商品生産に必要なテクノロジーが進歩するように、前向
きで秩序だった投資がなされるところではない。だから、証券市場は崩壊するに決まっている。
いっまでも自力で支えてやっていけるはずがない。あれは熱い空気の入った風船で、そのうち穴
が開く。そうなったら傷つく者が多数でるだろう。後になって
「だから言っただろう」と言うの
はたやすい。大切なのは、今、そうなる前に耳を傾けてもらうことだ。
★★★
タヴィストック研究所
リース大佐が作り上げたタヴィストック流「大衆洗脳テクニック」
わたしが「初めて」、ということの証明された記録は数多いが、このタヴィストック研究所につ
いての文章も、陰の大組織をあつかったシリーズのひとつとして、また新たな「初めて」となるだ
ろう。この秘密組織の下に外交問題評議会(CFR)、三極委員会をはじめ、今では広く知られるよ
うになった数々の組織があり、個人がいることになる。
タヴィストックは米国をコントロールする「最重要神経中枢」で、米国での活動を開始した一
九三八年以来、米国民の生活のあらゆる面を毒し、徐々に悪い方向に変えてきている。正式名称
を「タヴィストック人間関係研究所」といい、所在地はイギリスのロンドンだ。また、サセックス
大学の研究施設とも共同で活動していて、こちらもイギリスにある。
この機関はこれまで、米国の政策形成や世界的事件の数々で重要な役割を果たしてきており、
今も果たしている、まさに世界のマインドコンディシヨニングおよび洗脳機関の母体だ。米国で
タヴィストックが日々の活動に大きく関与しているシンクタンクをあげると、
スタンフォード・リサーチ
エサレン、ペンシルヴアニア大学ウォ l トン校
マサチューセッツ工科大学
ハドソン研究所
ヘリテージ財団
ジョージタウン大学
などであり、国務省の要職はすべてジョージタウン大学出身者で占められている。今あげたシ
ンクタンクや組織が、米国の
(ということになっている)内外政策を計画・コントロールしてい
るのだが、それもすべて、タヴィストックからの指示を受けてのことだ。
タヴィストックはひとつの研究センターで、黒い貴族およびワン・ワールド政府というアイデ
アを推進する狂信者のための活動に専念している
(ワン・ワールド政府というアイデアは、ア
ダム・ヴァイスハウプトのイルミナティに端を発する)。タヴィストックの研究は、ローマクラ
ブ、 CFR 、三極委員会、ドイツ・マーシヤル基金、モンベルラン協会、ディッチレー・グループ、ク
ウェイター・コロナーティ・ロッジ、国際決済銀行などで使われており、旧ソヴイエト連邦のため
の文書を作ったりもしていた。情報機関や英米の心理学協会関係者以外には、タヴィストックの
ことはほとんど知られていない。わたしが文章にするまでは、誰も、ひと言も触れなかったし、米
国内の印刷物で目にすることもなかった。
タヴィストックのことを考えようとすれば、一九二一年にこれを創立したジョン・ローリング
スリース少佐のことが頭に浮かぶ。リースがタヴィストツクを創ったのは特殊情報部(SIS)
のためだった。 SIS はイギリス情報部の超エリート機関で、小説『ジェームズ・ボンド』
シリ
ーズのモデルになった組織だ。
リースこそは
「タヴィストック流大衆洗脳テクニック」
を作り上げた人物だ。米国人は
「洗脳」と聞くと、たぶんソヴィエト連邦、朝鮮、ベトナム、あるいはその他の東洋人種を思い浮か
べるだろうが、朝鮮戦争時に米兵に広く使用された古典的な方法を開発したのは、タヴィストッ
クだ。「洗脳」
に合衆国の大衆の注意を向けさせるには、多大な時間と労力が費やされた。今日
まで続く「洗脳」
キャンペーンを始めたのもリースなら、ソヴィエト連邦、朝鮮、ベトナムにそ
れを教えたのもリースだ。リースは、個人ないし大衆をいかに
「洗脳」するか、そのすべてを教
え込んだのだ。
リースの親友で腹心の友としては、故マーガレット・ミードとその夫のグレゴリー・ベートソ
ンがいる。ふたりが大きな役割を果たして米国で作り上げた諸機関が、後に政府政策を作成する
ことになる。リースの友人にはクルト・レヴィンもいる。レヴィンはドイツ出身のユダヤ難民で、
ヒトラーのナチス党による支配が明らかとなったとき、ドイツを離れた。レヴィンは一九三二年
にタヴィストックの所長となり、米国の第二次世界大戦参戦に向けて、中心的かつ決定的な役割
を演じた。
おそらくは人類史上最大の政治宣伝機構を組織して、それをドイツおよび米国民に対して活用
し、ドイツに対する異常なまでの憎悪をかきたてた。
リースの発見は、病気の人間を治療するのに使うのと同じ心理療法のテクニックを、健康な大
衆に適用して、病気にしてしまうことが可能だというものだ。一九三〇年代には、イギリス陸軍
の兵士を実験台に使って長期間にわたる実験をおこなった。リースはそこからすすめて
「タヴ
イストック流大衆洗脳テクニック」を開発し、後にはターゲットとなった国に適用して、変化を
起こすのに利用した。
米国は、当時も今もタヴィストック最大のターゲット国だ。わたしたちは米国にいて、行動修
正攻撃を過去五〇年あまりにわたって受けてきている。これは、わたしがカルト運動に関する著
作で明らかにしたとおりなのだが、この深刻な危険に気づいている者はほとんどいない。
リースはタヴィストックにイギリス陸軍心理戦争局を設立した。さらに一九三八年のチャー
チル=ルーズベルト秘密合意(チャーチルが首相になる前だ!)
部(SOE)
により、イギリス特殊作戦執行
に、民間ルートを通じて米国軍の政策(=合衆国政府の政策)をあやつる方法を教え
た。
この取り決めは今日もそのままだ。国を愛する米国人には受け入れ難いことだろうが、嘘偽り
のない事実だ。この取り決めに気づいたことがきっかけで、アイゼンハワーは
クにお払い箱にされてからだが)
(タヴィストッ
「軍産複合体」が手にしようとしている権力にっいて、あの歴
史的警告を発した。タヴィストックは現在、アイゼンハワーが大統領だったころよりもはるかに
巨大な、米国への脅威となっている。
「世の中は変わっている」と信じ込ませるのも奴らの罠
政治、社会、宗教、経済にわたる米国の日常生活での、タヴィストックの力と影響を完全に理解
してもらうために説明しておこう。タヴィストックのナンバー 2 、クルト・レヴィンは、リースと
協力して以下の合衆国機関を作り上げた。こういった機関は米国内のみならず、世界中で数々の
事件を生み出している。
ハーヴアード心理クリニック
マサチューセッツ工科大学(MIT)
全米倫理委員会
ランド・コーポレーション
全米防衛資産会議
全米精神衛生協会
ナショナル・トレーニング・ラボラトリーズ
スタンフォード研究所
ウォートン経済学校
レヴィンは人物を選び、こういった超一流の研究機関の鍵となるようなポジションに就けた。
エサレンもそうだ。空軍は、一貫してランド・コーポレーションが押さえている。こういった研究
機関を通じて、あの国家に対する裏切りというべき、悪名高い MK・ウルトラ計画 ILSD といわ
ゆる「精神変容性薬剤」
に関する二〇年にわたる実験ーがおこなわれたのだ。主催したのは退
廃者オールダス・ハックスリーと、「反核」
の反動旗手、バートランド・ラッセルだ。これは CIA
のためだった。
レヴィンとハックスレーとラッセルは、筆舌に尽くし難いダメージを米国の青少年にあたえ
た。
そのダメージは、国家としてはおそらく回復不可能だろう。この恐るべき麻薬実験を実行したの
はスタンフォードであり、それ以外ではマクギル大学、べセスダ海軍病院、そして全米の陸軍だ。
以前の著作でも述べたように、「ニューエイジ」といわれる動きが拡大しているが、これは深刻
な打撃だ。この陰謀の正しい名称は「水瓶座の時代」という。「ニューエイジ」ではない。が、いずれ
にしてもタヴィストックが書き上げて、推進している陰謀だ。リースは、大衆洗脳を完成するの
に「ストレス試験」あるいは「心理的衝撃」を利用した。リースの理論では、人口全体をストレス状
態におくことができれば、任意の「ストレス事象」
に大衆がどう反応するかを事前に割り出す
ことが可能となる。この方法で、数々の大規模集団を使って自分の理論をテストし、リースは文
字どおり、社会全体を「狂気」
にかりたてる道具を開発した。
こういった「過渡期実験」は、疑いを知らない集団に使用された。同意も通知もないままに LS
D をあたえられた MK・ウルトラ実験の犠牲者のように、自分が秘かに操作されたことに気づく
ころには、長い年月が過ぎている。リースは証明した
ー
大衆に、ある種自然な成り行きとし
て「時
代が変わろうとしている」と信じ込ませることができる。そうなればもう大衆は、リースの「過渡
期症候群」
に屈伏しているのだ。
オウム返しのように繰り返される「時代が変わりつつある、われわれも変わらねばならない」
ということばは、不適応反応だ。この「症候群」がどこよりもうまく適用されたのは、南アフリカ
だ。国中が歴史と未来を投げ捨て、 PW.ボタ首相の「変化か滅亡か」「適応か死か」という宣言にし
たがった。こうして「事前に反応を割り出す」というリースのメソッドは、きわめて有効であるこ
とが南アフリカで証明された。
リースとその配下の科学者が仕掛けてくる、この目に見えない戦争を終わらせる義務がわた
したちにはある。大衆があまりにも素直に受け入れている社会、経済、政治、宗教、そして倫理の
「変化」
への不適応反応を終わらせなければならない。こういった変化は、信じ込まされている
ような、避け難いものではない。わたしたちは、自分たちが三〇年にわたって「条件づけ」られて
きたことを、ようやく理解するようになった。何があったのか、そして何が今起こりつつあるの
かという真実にひとたび目覚めれば、わたしたちは、神が与えたもうた力のあらん限りを尽くし
て、この見えない攻撃に断固として抵抗するだろう。
直面する大きな問題は、この力強いメッセージをどのように広めるかということだ。米国民の
ために準備はしてある。それを聞けば国民も、強制的な見解変容実験によって、悪いと分かって
いる社会変化に対する反応の仕方が変容させられていることに気づくだろう(反応しないこと
も含めて、だ)。ホモセクシェアル、堕胎、レスビアン、ロックンロール音楽、政治変革などを受け
入れてしまぅことで、大きな、絶望的なまでに誤った外交政策の変更がもたらされた。それは、第
一次世界大戦の終結以後に登場してきたものだ。
IT-情報技術革命でもはや市民にプライバシーはなくなった
リースは自分のマインドコントロール実験を、イギリス陸軍の外でもやれるという自信をつ
けた。
陸軍に適用された範囲では、リースの理論は驚異的な成功を収めた。リースが「驚異的な」と考え
たのも当然だ。事実、「被験者」の九九パーセントは、精神に手をつけられたことにこれっぽっち
も気づいていなかった。洗脳されたことに誰も気づいていなかったのだ!
この偉大な国が過去三〇年にわたり、途切れることのない心理戦争のターゲットにされてき
たことに、わたしたちは気づいていない。わたしたち米国民は、その気もなく、何も知らないうち
に、戦争状態に放り込まれている。この戦争によって、変化に対するわたしたちの抵抗力は弱ま
り、今や完全に潮が引いてしまった状態となっている。労働者住宅への集中爆撃によってドイツ
が屈伏したように、リース =タヴイストックの洗脳による「集中爆撃」が、米国を屈伏させたの
だ。
第二次世界大戦の直前、リースは、 H.V.ディックス、 W.R.
パイオン、リチャード・クロスマ
ンという、今日では世界でもトップレベルの洗脳スペシャリストと考えられている三人をタヴ
ィストックに迎えた。クロスマンは、その専門知識のゆえに、チャーチル政権の閣僚となった。だ
からこそチャーチルは、あれほど力強い、感情に訴える演説をして、世界中の人びとの心を動か
すことができたのだ。チャーチルは、地球上でもかつていなかったほどの最悪の戦争犯罪者だ。
それなのに、リースの 「大衆条件づけメソッド」
によって、チャーチルは偉大なヒーローとし
て受け入れられた。リースの実験が大衆を相手に完成させた劇的なまでの不適応反応は、チャー
チルにこそ見ることができる。
リースのメソッドを丹念になぞったのが、オールダス・ハックスリーとバートランド・ラッセ
ル、そしてアーノルド・トインビーとアレイスタア・クロウリーだ。バートランド・ラッセルはと
りわけ熱心にタヴィストック原理を使い CND(核軍縮キャンペーン)
ひとつ、リースがアメリカの世論を扱った方法は、大衆に
の運動を形成した。もう
「それが自分たちに何の関係がある。
米国は別だ。そんなことはここでは起こらない」と信じ込ませ、そういう態度をとらせたことだ。
この不適応反応は、タヴィストック最大の成功のひとつだ。
これはわたしたちに
「関係のある」
ことだ。考えてもみてほしい。合衆国政府は、戦時中に
はタヴィストックに米国軍の指揮を完全に譲り渡し、しかも戦後には、わたしたちの税金数十億
ドルをタヴイストックの作戦につぎ込み、この国の思考を、ワン・ワールド政府を受け入れるよ
うな路線へと変えてしまったのだ。
タヴィストックの「シンクタンク」は、合衆国政府から巨額の財政援助を受けている。こういっ
た「シンクタンク」は、大衆を条件づけするための研究・実験をおこなっているが、そのターゲッ
トはわたしたちだ。わたしたちは、そんなつもりもなく、知らぬ間にターゲットにされ、終わりの
ないこの戦争で、攻撃を受ける側にいるのだ。
合衆国政府は一九四一年以来、わたしたちの精神環境操作を隠蔽するプロジェクトに数百億
ドルをつぎ込んでいる。わたしたちの生活には、心理のあらゆる面において常に、米国にあるタ
ヴィストック機関の顕微鏡が当てられている。こういった実験の結果から、わたしたちが現在あ
るいは近い将来にどこでどういう生活をするか、米国的な生活のなかでストレスのかかる状況
になるとどのように反応するか、集団としての思考はどのようにして「正しい方向」に向け、変え
ることができるか--が判断されるのだ。
わたしたち米国民は、これまでも、そして今この瞬間も、研究され、プロファイリングされ、解
剖され、思考を読まれている。そのデータは進行中の、あるいは将来の研究のために、コンピュー
タのデータバンクに入力される。「魂のコンピュータ化」ということがこれまでに、そして現在も
起きているのだ。ブレジンスキーが、「ニューエイジ」について書いた『テクニトロニク(情報技
術革令)時代』で予言した通りだ。ブレジンスキーが完七〇年にその著書で予言したことが、現
実のものとなった。読んでみるがいい。そうして、わたしがしたように、最近の出来事と比較して
みるのだ。国内も国際的なものも両方だ。そうすれば、わたしの言う意味が分かるはずだ。
好むと好まざるとにかかわらずプライバシーは完全になくなる、とブレジンスキーは予言した。
とにかかわらずプライバシーは完全になくなる、とブレジンスキーは予言した。
になり、これまでにない大衆管理がおこなわれる。リースとタヴィストックが登場する以前に
は、可能とは全く思えなかったことだ。今日の市民にはプライバシーはない。わたしたちは、数年
前には想像できなかったような完全監視の下にいる。いま書いていることも、ほんの数年前なら
SF だと考えられただろう。
第二次大戦もフォークランド戦争もタヴィストックの自作自演
タヴィストック研究所は三〇〇人委員会の委嘱を受け、ローマクラブを設立した。わたしが最
初にこれを文章にしたのが一九八二年で、それ以後、国中のあらゆるニュースレターに転載され
るようになった。ローマクラブは北大西洋条約機構(NATO)
を政治同盟として再組織した。
思い出してほしい。わたしがこれを刊行したのは一九八三年だ。九〇年代も後半になって、
NATO が政治組織であって軍事同盟ではないことが分かってきた。これまで(現在も)、 NATO
の重要ポストの職員はすべてタグイストックが送り込んでいる。 NATO の政策となる文書や方
針書の作成も同様だ。ことばを換えれば、タヴィストックが NATO をコントロールしているの
だ。ローマクラブも NATO も、米国の
(ということになっている)外交および国内政策に、絶大
な影響力をもっている。
第二次世界大戦が起こったとき、米国は、タヴイストック研究所であらかじめ準備された大衆
洗脳キャンペーンに曝されていた。それは、世界平和の脅威はソヴィエト連邦ではなくドイツな
のだと信じ込ませ、米国を参戦させるための地ならしだった。米国の社会科学者が多勢選ばれ
て、タヴィストックでのクルト・レヴィンによる「類型学的心理学メソッド」の特殊訓練を受け、
帰国して
からは、先頭に立って米国参戦を強要する動因となった。類型学的心理学は、現在
でももっとも進
んだ行動修正(=洗脳)
メソッドだ。それをこの社会科学者たちは、タヴィス
トックで学んだのだった。
残念なことに、こういったメソッドは湾岸戦争へなだれ込む際にも適用され、どうしようもな
いほどの成功を収めている。ワシントンの娼婦ども、すなわちワン・ワールド政府の
「スポーク
スマン」を務める国家反逆者どもは、類型学的心理学をわたしたちに向かって使ってくる。ブッ
シュ、ベイカー 、ヘイグ、チェイニー、さらにはこれに媚びへつらってその靴でも舐めようかと
いう議員ども-- 。あの連中は、わたしたちを洗脳して、フセイン大統領は化け物で、世界の石油供
給を脅かして支配しようとしている、と信じ込ませた。だが、本当の平和の敵には全く触れよう
ともしなかった。
愛国の旗の下に結集せよ、というアピールを第一次大戦の早い段階で出したのは、純然たるリ
ース流類型学的心理学だった。これが功を奏した。「愛国心」を鼓舞するこの大きな響きに呼応し
て、わたしたちは、ヒトラーは世界を支配しようとしている狂人だという神話を信じ込み、真の
敵であるソヴィエト・ポルシェヴィキの共産主義から目をそらしてしまった。わたしたちは狂信
的なまでにドイツに対する憎悪をかきたてた。自分たちの指導者は正しいと信じた。そうして、
何もしないうちに、青年は外国の戦争で死ぬために送り出されていった。参加する理由など、何
もなかった戦争に、だ。
ウィンストン・チャーチルは、イギリス首相になるとすぐに、戦争で文明人が守るべきルール
をことごとく破り始めた。理論家クロスマンの助言にしたがったチャーチルは、タヴイストック
が考えた、純然たる一般市民を標的とするテロ爆撃計画を採用した。チャーチルがイギリス空軍
に爆撃を命令したフライブルクは、無防備都市だった。フランス、イギリス、ドイツが合意した、
爆撃しない都市のリストに入っていたのだ。
タヴィストックはチャーチルに、「大規模なテロ爆撃をすれば、ドイツは屈伏する」と教えた。
戦争のごく初期段階でチャーチルがテロ爆撃の決定を下したことは、最大級の戦争犯罪といっ
てよい。フライブルク爆撃をチャーチルは、フランスとの話合い抜きにおこなった。女性、子ど
も、老人三〇〇人が、この攻撃で死んだ。これは、第一次世界大戦でも最初の文明的行為からの逸
脱で、その責任はイギリス政府にある。
クルト・レヴィンのドイツ憎悪はとどまるところを知らず、民間人住宅へのテロ爆撃政策にま
で発展する。レヴインが父となった戦略爆撃調査は、入念に計画された、一般市民の無差別殺教
だった。ドイツでは、軍人の死傷者に匹敵する数の民間人が死亡したが、これは、「爆撃屋」
ハリ
スがドイツの主要都市すべてを襲った、夜間空襲の結果だ。
これを知れば、「イギリスがドイツの都市空爆を始めたのはナチス空軍がロンドンを何度も空
襲してからだ」という政治宣伝の嘘は明らかだ。チャーチルはもともと嘘の名人、究極の嘘つき
だった。
それがタヴィストックの力を得て、ドイツが民間人への爆撃を始めたのだと世界に信じ込ませ
た。チャーチルの
「ブルドッグ」というイメージも、タヴィストックが作ったものだ。本当の性
格は、タスマニアンデビルの方が近い。
まったくの無防備都市宣言をしていたドレスデンへの非情な爆撃では、ヒロシマへの原爆投
下以上の生命が奪われた。この「偉大な人物」が血も涙もない決定をしたのは、盟友ジョーゼフ・
スタ-リンにアピールするためだった。ドレスデンを爆撃する理由など何もなく、ただクルト・レ
ヴィンが、この残忍な非人間的行為の対象にそこを選んだというだけだ。わたしは、ドレスデン
爆撃は第二次大戦で最大の犯罪だと思う。それなのに、わたしたちはタヴィストックの政治宣伝
で条件づけられ、洗脳されているために、抗議の声は少しも聞かれない。真の戦争犯罪人である
チャーチル、ルーズベルト、スターリン、そして
「爆撃屋」
ハリスは、罪を犯しながら何の替め
も受けてはいない。
実際にはフライブルク以後、イギリス空軍は、ベルリンの完全な民間地域への爆撃を開始して
いる。八週間にわたり、イギリス空軍はベルリンを毎日空襲して甚大な損害をあたえ、数千人の
生命が失われた。民間人へのテロ爆撃をやめろというヒトラーからの訴えに、チャーチルは耳を
貸さなかった。ナチス空軍がロンドン空襲を始めたのはそれからのことであって、それも「爆撃
屋」
ハリスがドイツの各都市にやっていたのと比べれば、わずかなものだった。
戦争の初期段階にタヴイストックは、米国の参戦準備として戦略事務局(OSS)という組織づ
くりを開始した。これが前身となって CIA ができたのだが、 CIA は現在でもタヴィストックの
指示・コントロールを受けている。米国の軍や情報部がどこまでタヴィストックにコントロール
されているか、それを米国民が知っているかどうかは疑わしい。おそらくは、当時の合衆国の政
策(といわれているもの)が相当程度までコントロールされていたこと、戦争が終わってもそれ
が終わらなかったことは、知られていないと言った方がいいだろう。
マルビナス
(フォークランド)戦争もタヴィストックが作ったものだ。米国が手助けしてイ
ギリスを勝たせるだろうということも計算済みで、実際にその通りのことが起こった。米国はモ
ンロー・ドクトリンを踏みにじり、リオ条約を破った。イギリスとの間には地域条約などなかっ
たにもかかわらず、だ。アルゼンチンに対する米国の裏切りは、レーガン大統領が犯した数ある
裏切り行為のひとつにすぎない。このときは、「草むらのヘビ」
アレクサンダー・ヘイグ
ー
例えるとしたら、独立戦争で米軍を敵に売ろうとした、ベネディクト・アーノルドの現代版とで
もいうべきかーが先頭に立った。
「見えない軍隊」の突撃部隊がリースによって世に放たれた
タヴィストックでのリースの初期の仕事に戻ろう。この時期には、イギリス陸軍の兵士八万人
を使った実験がおこなわれている。八万人洗脳の五カ年計画の後、リースは、本人が全く望みも
しない「処置」を大衆を相手におこなって、参加者に全くそれと気づかせないでいることができ
る、と確信した。自分の行動の妥当性を質問されたとき、リースは、最初に許可を得てから「処置」
するという必要はない、と答えている。
リースおよびタヴィストックの科学者らが開発した方法論は、非常に有効であることが証明
された。これらのメソッドは、今日も米国で広く使われている。わたしたちは知らないうちに操
作されている。「わたしたちの」意見も作られたものだ。それも何の断りもなしに、だ。このような
行動修正の目的は何か。それは、わたしたちが望んでいない変化をまったく気づかぬうちに起こ
してしまうことだ。
目的達成のためリースは、「見えない軍隊」
の突撃部隊といわれるものを作り上げ、それを米
国中のコミュニティーに散らばらせた。彼らの目的は、大衆が
「変化」を受け入れる条件を整え
ることだ。カリフォルニア州ビッグスールにあるタヴィストック機関エサレンで訓練を受けた
多勢の突撃部隊メンバーが、タヴィストック・メソッドを使い、麻薬、ロック音楽、ポルノグラフ
ィー、レスビアン、ホモセクシュアル、愛国心や忠誠心、キリスト教、原子力、環境などについて、
米国人の思考を変えてしまっている。
この計画を任されたのは、 W.R.エイオンだった。エイオンが、これもタヴィストックの計画
である「指導者なき集団」
の権威として認められていたからだ。洗脳と世論形成の権威である
エリック・トリストも、一九四〇年にタヴィストックに入った。トリストが名を
(悪名を?)
馳
せたのは、意志をもたない、不運な患者を相手にイギリスの病院でおこなった催眠実験だった。
リースは第二次大戦で得た経験を利用した。戦争中のリースは、イギリス陸軍心理戦争局を完
全にコントロールしていた。ここへは外国からの参加者も多く、ヘンリー・キッシンジャーなど
もいた。リースはよりすぐりの生徒を集めて
がリースの
「見えない大学」
「マイ・ファースト・チーム」なるものを作り、それ
の第一級の卒業生となって、イギリス陸軍、議会、のちには連合
国派遣軍最高司令部などで重要な地位に就くようになった。この
「ファースト・チーム」
のメ
ンバーに完全にコントロールされたアイゼンハワーは、彼らの手のなかの操り人形に過ぎなか
った。「ファースト・チーム」
のメンバーは、合衆国でも、あらゆる政策立案機関に入り込んでい
った。
連中が
「わたしたち」
の政策を作っているのは間違いない。この秘密チームは、ジョン・F・
ケネディ大統領の公開処刑もおこなった。キッシンジャーも、タヴィストックに送り込まれた数
多い「ファースト・チーム」工作員のひとりだ。 H.V.ディックスは、配下の者をイギリス情報部、
OSS 、 FBI の重要ポストに就けた。たとえば、タヴィストックで訓練を受けたカナダ人モーティ
マー・ブルームフィールドがいる。ブルームフィールドは、第二次大戦を通じて FBI 第五課(防
諜部)
を動かした人物だ。
一九四二年になると、英米の軍および情報機関の命令系統は複雑に絡み合ったものとなり、不可
分の状態になった。そこから奇妙な、わけの分からない政策が数多く出てくるようになり、それ
に合衆国の政府はしたがったのだが、その大半は、国民が望むものとは真向から矛盾するものだ
った。
戦争終結にあたってタヴイストックが NATO を創ったことは、先に示したとおりだ。軍およ
び政治の世界での経験豊富な人物が多数、慎重にプロファイリングしたうえで招待されて、リー
スが議長を務める会議に招かれた。ここに掲載するリースの発言は、ある参加者の秘密メモによ
るものだ。
タヴイストックは、平和時にはできないような戦時中ならではの実験をおこない、そこから得
た知識を利用して、英米の軍事組織や情報機関をしっかりと掌握していった。米国では、タヴィ
ストックの邪悪なメソッドによる影響が今でも感じられる。米国の生活様式は変わってしまい、
もう元へは戻らない。大衆がこの事実を知り、生活のあらゆる面に対する攻撃を理解しない限
り、わたしたちは反撃の態勢をとることもできない。
「われわれが表に出て今日の国家的ならびに社会的諸問題に取り組むためには、突撃部隊が
必要だ。だがそれは、精神科医が研究機関に全面的に依存していて得られるものではない。必要
なのは精神科医の行動部隊であって、自由に行動でき、具体的な地域の、その地域ならではの
状況に接することができなければならない。
完全に狂気に駆り立てられた世界では、精神科医の集団が互いに連絡を取り合い、政治や政
府の分野に影響力をもって、調停役にならなければならない。つまり、強力な秘密結社だ」
これ以上明白なものがあるだろうか。リースの主張は、自分の「見えない大学」で訓練をしたチ
ームをいくつも作り出し、一切の法的規制に縛られず、必要とあらぱどんな分野にでも送り込ん
で、心理学の逆テクニックを使って状況を悪化させようということだ。大衆洗脳に抵抗のありそ
うなコミュニティーすべてが、その対象となる。
この「ファースト・チーム」につきそうのが「突撃部隊」だ。リースのアイデアが実際におこな
われているのが分かるのは、今日ではいわゆる「環境問題」の分野だ。環境保護庁は、タヴィスト
ックが創った怪物だ。
エコロジー、堕胎、ホモセクシュアル、といったものはカタリ派の教義だ。カタリ派はブルガ
リアのボゴミール派から起こったもので、男色趣味、つまりホモセクシュアルの起源だ。カタリ
派は男女間の接触を避け、子どもを嫌悪すべきもの、罪の実とみなす。ヨーロッパのいわゆる王
族の大半はカタリ派だから、そう考えれば、イギリス王室でホモセクシュアルが蔓延したことも
説明がつく。堕胎もカタリ派の教義だし、「環境」を人類のニーズの上におくのもカタリ派の教義
だ。「環境保護論者」のスポークスマンかつ最大の支持者がイギリス女王の夫君フィリップ殿下
であるのも、偶然ではない。リースは、あらゆるカタ-派の教義を自分の教えのなかで具体化して
いるのだ。
だからこそ今日,堕胎やホモセクシュアルやレスビアンを通じ、人間としての生活は恐ろしい
ほどに腐敗している。キリストの教えは大いに-られ、文学、音楽、美術は低劣なものとなり、米
国の社会でもっとも大切な単位である家族は崩壊し、麻薬が広がり、国民としてのプライドも地
に堕ちている。
こういったものは、米国の社会に植えつけられたタヴィストック政策がつけた、苦い実だ。「見え
ない大学」の卒業生は、各種の調停委員会、教育委員会、労働関係調整委員会、職能別組合、軍、
連邦議会、キリスト教会などに入り込んでいる。こうしたタヴィストックの卒業生は、地方自治
体や州および連邦政府の政策決定を内部からコントロールするほどにまでなっている。どれひ
とつとっても、タヴィストック人間関係研究所がなければあり得なかったことだ。
力ーターもブッシュも洗脳キャンペーンが生んだ最高権力者
リースとタヴィストックの連中は予測をはるかに超える大成功を収め、米国の主要機関を押
さえてしまった。タヴィストックを創った三〇〇人委員会は、さぞ喜んでいるに違いない。七月
四日は意味のない祝日になってしまっている。もはや祝うべき独立は存在しない。一七七六年に
アメリカ殖民地の入植者が勝ち取ったものは、今やほぼ完全に無に帰している。
選挙のときに投票する候補者も、先にタヴィストックが選んだ連中だ。これは、数ある世論操
作機関による広範なネットワークによる、俗にいう「世論調査」を通じておこなわれる。タヴィス
トック最大の世論調査屋はヤンケロヴィッチ・スカリー・アンド・ホヮイトで、経営者のダニエ
ル.ヤンケロヴィッチは、タグィストック研究所の卒業生であり、かつ「見えない大学」のトップ
メンバーだ。
ヤンケロヴィツチやその他の似たような連中を通じて、わたしたちは誰に、なぜこの選ばれた
方法で投票するのかを聞かされる。信じたくないことだが、公職への立候補者はすべて、地方自
治体や州政府や連邦政府のどのレベルに関しても、すでに選ばれた連中ばかりだ。現在の連邦議
会にいる連中のなかには、そうでなければ説明のつかない者がいる。恥知らずのホモセクシュア
ルを受け入れるように条件づけられているのでなければ、どうしてバーニー・フランクに投票す
る者がいるというのだ。
.ジェイムズ・アール・カ-ターと.ジョージ・ブッシュの場合を見てみよう。カーターは、全くの
無名状態からホワイトハウス入りを果たした。「米国の制度が機能している証拠だ」と言う人も
いるかもしれない。もしそんなことを信じるなら、確かにタヴィストックの洗脳の犠牲者だとい
える。カーターの当選は、米国の制度が機能していることなどを証明していない。あれは、まさに
タヴィストックが条件づけた不適応反応だ。
あの大統領選が証明しているのは、わたしたちはすでに選ばれた候補者に投票するというこ
とだ。まともな精神のもち主なら、スカル・アンド・ボーンズのメンバーであるジョージ・ブッシ
ュを副大統領にしようなどとは誰も思わない。だが、わたしたちはそれをした。まともな精神の
もち主なら、ジョージ・ブッシュをホワイトハウスに送り込みたいとは誰も思わない。だが、わた
したちはそれをしてしまったのだ。
いかにしてカーターは、この国の最高権力者の座にたどり着いたのか。タヴィストックは子飼
いの社会心理学者ボーン博士に命じて、その仕事にふさわしい候補者を捜させた。ボーンは、カ
ーターではどうかと言った。それだけのことだ。カーターに「処置」を施し、彼を受け入れるよう
にメディアを使ってわたしたちを洗脳キャンペーン漬けにしてしまえば、あとは選挙する必要
すらなかった。カーターはリースの作った「サクセスストー」であり、ジョージ・ブッシュはタヴ
ィストックの
「サクセスストー」だ。
リースはさらにタヴィストックを拡大し、ダーウィン・カートライトをスカウトした。カート
ライトの専門は、食料不足に対する大衆の反応を計測することだ。リースはこのテーマについ
て、タヴィストックのために特別報告を準備した。これを使うのは、ワン・ワールド政府が食料兵
器を使用するときだ。だがその前に、国際食料カルテルによる、世界の食料資源の生産と流通の
独占がくる。飢笹は戦争の兵器であり、いつか近い将来、使われるはずだ。
ロナルド.リッパートも、リースがスカウトしたスペシャリストだ。リッパートの専門は子ど
もの精神の変容だ。元 OSS 局員で、人種混合の理論家でもある。タヴィストックに配置されるや
リッパートは、コミュニティーの相互関係をあつかう初めての委員会を創った。これは高度なシ
ンクタンク」で、民族・文化の同化問題、人種的な障害を打破する方法を研究した。
マーチン.ルーサー・キングの「公民権運動」の理論づけは、ほとんどが、タヴィストックのこ
のシンクタンク」によるものだった。リッパートは、最初に委員会を創ってからもさかんに活動
し、さらに三つ機関を創った。科学政策調査ユニット、社会調査研究所、そしてナショナル.トレ
ーニング・ラボラトリーズだ。科学政策調査ユニットからは、卒業生が数千人の単位で西ヨーロ
ッパ各国政府のトップや、米国政府の要職に就いている。
社会調査研究所では、米国でも最大級の企業のエグゼクテイヴが、これまた数千人の単位で訓
練を受けている。ナショナル・トレーニング・ラボラト-ーズは全米教育協会のメンバー二〇〇万
人をコントロールし、同協会の文書や方針のすべてを作成し、研修をおこなった。これが
「オー
プン・クラスルーム」という醜悪な失敗につながったのだ。これら三機関の共通点は何か。どこ
も、タヴィストックの洗脳メソッドを教えていることだ。合衆国政府は、わたしたちの生活スタ
イルを破壊することに専念しているこういった機関に財政援助をし、トップレベルの管理職や
政策立案者を送り込んでいるのだ。
『--御用機関、スタンフォード RC とアスペン研究所の極悪ぶり
スタンフォード・リサーチ・センターは、昔も今も、最大のタヴィストック機関だ。主任講師の
ひとりはウィリス・ハーモン博士で、トップレベルの洗脳スペシャリスト二三人からなるスタッ
フを動かしている。このタヴイストック洗脳チームは、「 URH4892150,政策報告 4・4 ー 74 」を書
いた。これが後に装いを変え、ベストセラーとなった『水瓶座の時代の陰謀』だ。著者は
マリリン・ファーガソンということになっている。
タヴィストックは」 NASA にも大きな影響をおよぱしている。米国の宇宙計画についてアナ
トール・ラバポート博士が書いたローマクラブでの特別報告書のために、タヴィストックは一九
六七年五月にセミナーを開いた。これには先進工業国の企業と政府から、慎重にプロファイリン
グされたトップレベルの代表団だけが招待された。合衆国政府からは外交政策研究所のメンバ
ーが参加した。
国務省は「水瓶座の時代の陰謀」を企むひとり、ズビグニュー・ブレジンスキーを送り込んだ。
タヴィストックがコントロールしたこの会議の最終報告では、米国、特に NASA に関するテ
クノロジーおよび科学の大幅な進歩は「不適当であり、ただちにストップしなければならない」
と述べられていた。議長を務めたアウレリオ・ペッチェイは、「米国がただちに」 NASA の宇宙計
画を停止することを求める」と付け加えた。合衆国政府はその通りにした。 NASA の宇宙計画は
財政面から骨抜きにされた。 NASA は九年にわたって活動がストップし、その間にソヴィエの
科学者はゆっくりと米国に追いついた。
ラバポートの特別報告は、のちにタヴィストックの『ヒューマン・リレーションズ・マガジン』
に掲載された。そこでは、 NASA は技術をもった人間を作りすぎる、科学者や技術者が多くなり
すぎて、ローマクラブが主張する「小さくて美しい脱工業化社会」には不必要だ、と述べられてい
る。ラバポート博士は、 NASA にいる科学者や技術者を「無駄だ」と言った。合衆国政府は、わ
たしがすでに証明したとおり数十年にわたってタヴィストックの言いなりだから、タヴィスト
ックの命令にしたがった。 NASA は、財政カットにより内部から崩壊した。 NASA への介入は、
数あるなかでも完壁な一例であって、イギリスが達成した米国政策のコントロールがどれほど
のものか、これで分かるというものだ。
もうひとつ第一級のタヴィストック機関といえば、ロバート・アンダーソンの運営する、コロ
ラド州のアスペン研究所だ。ロバート・S・アンダーソンはシカゴ大学でタヴィストックの洗脳
教育を受け、米国を王制に戻すことこそ万人が目指すべきもっとも望ましい目標である、と教え
られた。ワン・ワールド政府の新聞『ワシントンポスト』のキャサリン・グレアムとチャールズ・
パーシーは、アンダーソンの同級生だ。あとで見るが、もうひとりのタヴィストックの卒業生ジ
ョン・ネイスビッツも同窓だ。ネイスビッツはタヴイストックのコントロールパターンについて
のセミナーを開き、後援してくれるトップビジネスマンに、王制の考えを広めている。
アンダーソンはイギリス王室の奴隷であり、「エコロジー」についてはカタリ派の教えにした
がっている。アンダーソンのセミナーには、悪名高いジョージ・ブッシュやマーガレット・サッチ
ャーなども出席しており、タヴィストックの洗脳テクニックをそのまま引き写している。こうい
ったセミナーには第一級の企業や銀行の重役クラスが参加しており、その二週間コースは、米国
で「洗脳」が広くおこなわれていることのよい例だ。
アンダーソンはタヴィストックの古典的パターンを踏襲して、ターゲットとなった集団を追
いかける。アスペンの「おすすめ」のひとつは環境トレーニングで、これはカタリ派のプログラム
だ。アスペンのこの部署は、始めはアスペンが自前の資金で運営していたが、現在はフィアット
のアニェリやイギリス王室など、脱工業化ゼロ成長の世界的支持者からの献金を受けている。ア
ンダーソンの業績のひとつは、「地球の友」という好戦的な「エコロジー」運動を作ったことだ。ア
ンダーソンは国連環境会議の提唱者でもある。
アスペン研究所以外にも、アンダーソンはアトランティック-ッチフィールド社 ARCO)の
社長兼 CEO でもある。 ARCO の役員会には、タヴィストックで訓練を受けた、つぎのような
面々がいる。
ジャック・コンウェイ--二労働問題」のスペシャリスト。ユナイテッドウェイ・アピール基金と
つながりがあり、かつ悪名高きフォード財団の理事でもある。フォード財団は、世界中の反米
活動に気前よく資金提供している。「センター・フォア・チェンジ」というタヴィストック「突撃部
隊」
の情報センターの役員でもある。
フィリップ・ホーリ・--・ロサンゼルスにあるホーリー・アンド・へイル社会長。同社と交流のあ
るトランスアメリカ社は、反キリスト教、反家族、堕胎の推進を専門にしている
(ホモセクシュ
アルとレスビアン、麻薬、暴力を推進する映画も作っている)。ホーリーはバンカメリカ社にも関
わっていて、同社は民主団体研究センターに資金提供している。民主団体研究センターは古典的
なタヴィストック指揮洗脳をおこなう「シンンクタンク」
で、麻薬を広めている。
ジョエル・フォート博士--イギリス人で、デイヴィッド・アスターおよび王立国際問題研究所
(RIIA)
のサー・マーク・ターナーとともに『オブザーバー』紙を経営。 RIIA の米国での
召使いがヘンリー・キッシンジャー。 RIIA の創った実質上の米国政府が外交問題評議会(C
FR)。キッシンジャーは一九八二年五月、メンバーによる晩餐の場で、タヴィストックが RII
A を通じて米国をコントロールしている、と誇らしげに宣言し、タヴィストックの卒業生らしく
イギリスを賞賛した。スピーチのなかでキッシンジャーは、「ホワイトハウスにいたころは、イギ
リス外務省に流す情報の方が、米国の国務省へ流すより多かった」と語ったという。
アスペンと繋がりのあるニューエイジ企業もあげておこう。
コー二ング・グループ‥-・コーニング・グループは、 WYE プランテーションの土地をアスペン
に提供し、何よりもニューエイジの新人研修やタヴィストックの
して使
「突撃部隊」
の訓練用地と
わせている。コーニングの副会長であるジェイムズ・ホートンは、ピアポイント・モー
ガン家のメッセンジャーだ。ウォールストリートのモーガン保証信託会社には、毎日ロンドンの
王立国際問題研究所から「連絡
(〓指令)」が入り、それが米国国務省に渡されて実行される。元
財務長官のウィリアム・ファウラーも、コーニング・アスペンとのつなぎ役だつた。ファウラー
は、米国の金融政策を国際通貨基金と国際決済銀行に委ねて銀行業界を指導させよ、と強く主張
している。
エグゼクティヴ・カンファレンス・センター-‥‥ロバート・L・シュワルツの指導で、行動修正
を教えている。これはエサレン研究所につながる
「スペシャリスト養成センター」だ。ウェスト
チェスター郡にあるマリー・ピドル・デュークの
「テリータウン・ハウス」も同様の
「養成校」
だ。
シュワルツはかつて
「サイエントロジー」という新興宗教と強い関わりがあり、『タイム』
誌の編集も手がけた。エグゼクティヴ・カンファレンス・ハウスとテリータウン・ハウスの資金
は、 IBM と AT&T からの多額の寄付で賄われている。
米国人でも、こういった情報へのアクセスのない人なら、こんな二大有名企業が資金提供して
いるなど信じ難いことだろう。洗脳、超越的際想、ハーバード感受性トレーニング、禅宗、逆心理
学ほか、さまざまなニューエイジのプログラムミかあって、どれも、わたしたちの家族の絆を弱
め、道徳を破壊するように作られている。他にもマインドコントロールの実験や、 LSD の実験ま
でおこなわれている。もちろん、わたしの書いていることが間違いなら、どちらの会社もいつで
もわたしを告訴できるはずだ。だが今のところ、一通の告訴状も受け取ってはいない。
ロバート・シュワルツは三年間、タヴィストックのエサレン研究所で、オールダス・ハックスリ
ー(米国の大学キャンパスに LSD を持ち込んだ人物)やマーガレット・ミ-ドとその夫のグレゴ
リー.ペートソンと同僚で、ごく親しくしていた。
シュワルツはスタンフォードおよびエサレンからテリータウン・ハウスへ移り、 IBM と AT&
T から巨額の寄付を受けて、ユダゼクティヴ・カンファレンス・センター(ECC)を開いた。こ
れは「水瓶座の時代-ニューエイジ」の訓練センターで、フルタイムで活動する者としては第 1 号
だった。 ECC のセミミ、ナー出席者は、商業・産業のあらゆる分野からのトップ企業のエグゼク
ティヴが圧倒的多数を占める。
『フォーチュン』誌の五〇〇大企業に選ばれるような有名企業の上級管理職やトップ・エグゼ
クティヴ数千人が、ひとり七五〇ドルを払って、シュワルツや他のタヴィストック子飼いのスペ
シャリストのおこなう週末セミナーに参加してくる。以下に、役員を定期的にフレッド・シュワ
ルツの元へ送って「洗脳」してもらっている企業をあげておこう。
ゼネラルフーズ
チェースマンハッタン銀行
マシューベンダー
AT&T
IBM
アメリカ職工組合
CBS
コ-二ング
ゼロックス
トランスアメリカ
アメリカンエキスプレス
シティバンク
クラウンゼラーバック
もちろんこれ以外にも、フレッド・シュワルツを支援している一流企業は山ほどあるが、紙面
に限りがあるから、そのすべてを掲載することはできない。
『情報化の推進で絶望的なまでに蝕まれた「重工長大産業」
ECC の「ー流」講師に、ジョン・ネイスピッツがいる。ネイスピッツが忠誠を尽くす相手はゲ
ルフ家(ウィンザー家といった方が通りがよかろう)、王立国際問題研究所、ミルナーグループ
(円卓会議)、ローマクラブ、そしてアスペン研究所だ。ネイスピッツは、イギリス政府が米国の政
策決定を左右するのに利用する、典型的な工作員だ。
ネイスピッツは、王制を採用すれば米国がどれほどよくなるか、という線で押した。ネイスピ
ッツが、ローマクラブのゼロ成長・脱工業化封建制のエキスパートであることは、そのスピーチ
を聞けぱ分かる。ここにその一例をあげておこう。『フォーチュン』誌の五〇〇大企業クラスの
企業エグゼクティヴの集まりで、言ったことばだ。
「米国はイギリスのような王制に向かって動いている。その政治システムでは、連邦議会や
ホワイトハウスや裁判所は、単に象徴的、儀式的なものになるだろう。
これは真の直接民主制を構成する。米国民は誰が大統領になるのかと気にかけることもな
く、国民の半数は一切投票などしない。米国経済は成長するにしたがって民族国家を離れ、おそ
らくは複数の民族からなる権力中枢へと向かって小型化が進むだろう。われわれは、国家という
枠組みに代えて、地理的でエコロジカルな考え方をしていかねばならない。
米国は、重工業活動への集中から脱却するだろう。自動車、鉄鋼、住宅の各産業がふたたび
栄えることはない。バッフアロー、クリーヴランド、ピッツバーグ、デトロイトといった工業
の中心地は死ぬ。米国は、情報化社会へと向かっている。全体としては大きな痛みがあるし、
それはこれからも続くだろうが、米国の経済は一〇年前よりもはるかにうまくいっている」
わたしは一九八三年に『鉄鋼産業の死』という文章を書いて、ローマクラブのエティエンヌ・
ダヴィニョンに「米国の鉄鋼産業破壊」という仕事があたえられた経緯を詳細に述べた。多くの
人は懐疑的だった。わたしは、一九九〇年までに米国の工業中心地の製鋼工場は閉鎖されて錆び
ついてしまうだろうと言った。あれを書いた一九八三年に、すでにわたしは、ローマクラブの脱
工業化ゼロ成長政策の実質的な内容を熟知していた。
七年後、結果としてわたしの予言が正しかったことは、誰の目にも明らかになった。ある意味
で
は、ネイスピッツの予言も、わたしと同様に正確だったともいえる。どちらも、タヴィスト
ック研究所の立案者がこの国をどう考えているかが分かっていたからだ。ネイスピッツの講義
に参加した業界の指導者たちは、米国に向けられた企みに対して誰ひとりとして抗議もしなけ
れば、表だった批判もしなかった。これでは偉大なる米国の一般大衆が、無名の筆者の秘密情報
に基づく予言を信じるなど、思いもよらないことだ。普通に考えれば、一九九〇年までに米国の
産業基盤が絶望的なまでに蝕まれてしまうなど、一九八三年の時点ではあり得ないことだった。
政府さえ資金提供するタヴィストック洗脳ネットワーク
テリータウン・ハウスでのエグゼクティヴによる会議やセミナーによって、リースの洗脳テク
ニックには欠点のないことが証明された。米国の企業や銀行のエリートが参加したあるフォー
ラムでは、参加者全員が、よろこんで憲法を引き裂こうー他にも大量殺致計画をすすめる、産業
基盤を破壊する、東洋の宗教をもってキリスト教に代える、全般的な社会道徳を完全に破壊す
る、未来の米国は分裂して香港型経済で生き残る、家族生活は崩壊する
-
という気持ちにな
ったという。リース〓タヴィストック・メソッドが、米国の社会、経済、政治、宗教の指導者を洗脳
するのに大成功したことはまちがいない。その証明は、わたしたちの周囲にころがっている。
一九七四年、マサチューセッツ工科大(S-H)
のハロルド・アイザックス教授は『部族の偶像』
という本を書いた。これは、メキシコとアメリカとカナダを併せてバルカン型の国を創るとい
う、タヴィストックの計画を文章にしたものだ。ここで読者は、 MIT を創ったのがクルト.レヴ
ィンだったことを思い出してほしい。レヴィンはタヴィストックでは、ジョン.ローリングス.
リースの理論家ナンバーワンだった。つまりアイザックス教授は、ファーガソンがウィリス・バ
ーモンの「水瓶座計画」を使ってしたことと、同じことをやったのだ。
七年後の一九八一年、アイザックス教授のアイデアは、『ワシントンポスト』編集長ジョエル・
ギヤロによって一般に紹介された。『ワシントンポスト』はイギリス王室、ローマクラブ、そし
てタヴィストックの御用新聞だ。このときは、この国を分裂させるというタヴィストックのこの
計画には「北米九国家」というタイトルがついていた。
タヴィストック計画による将来の米国分裂は、ギャロ版ではつぎのようになっていた。
・北西部-斜陽鋳造場国家
・南部=新興国家デキシー
・北西部大西洋岸地域〓エコトピア
(ウィリス・ハーモンも「エコトピア」ということばを自分の報告で使っていた)
アメリカの南西部はメキシコと併せて穀倉地帯になる。中西部は「空白地帯」に指定されてい
る。カナダの一部と島々は特殊目的用地となる。大都会での工業はいくところがない。「エコトピ
ア」とぶつかるからだ。ギャロの本には地図も載っていて、書いている内容を確認することがで
きる。
問題は米国の大衆がギャロのことを真剣に受け止めていないことで、これは一九八三年にわ
たしが米国の鉄鋼産業が危ないと言ったとき以下だ。これがリースの言う「不適応反応」なのだ。
今日では、米国人もデイヴィッド・ロックフェラー、ウォーバーグ家、イルミナティ、フリーメー
ソンリー、外交問題評議会、三極委員会といった名をよく耳にするようになっているが、一九8
〇年にわたしが初めてこういった名を暴露したときには、ほとんど知る人はなかった。それ以
来、わたしは暴露を続けている。わたしが名をあげた個人や組織は、ロックフェラー家よりもは
るかに強大な富と権力をもっている-ドイツの黒い貴族の古い家系であるフォン・トゥール・タ
クシス家、ヴェネチアの黒い貴族であるルッザート家にボルビ・ディ、ミ、ッスラーティ家など
だ。
警告しておく。わたしたちが今立ち向かおうとしているのは、こういった連中であり、彼らがタ
ヴィストックを全面的に支援しているのだ。
タヴィストックの第一級の洗脳機関をあげておこう。
スタンフォード研究所--・従業員三三〇〇人、年間予算一億五〇〇〇万ドル
M ー T/スローン校--職員数三〇〇人、システム・ダイナミクス部の年間予算一六〇〇万ドル
ペンシルヴアニア大学ウォートン校--職員数六〇〇人、年間予算三〇〇〇万ドル
マネジメント・アンド・ビヘイヴィオラル・リサーチー‥‥・従業員三〇人、年間予算一五〇万ド
ル
ランド・コーポレーション--従業員一五〇〇人、年間予算七〇〇〇万ドル
ナショナル・トレーニング・ラボラトリ---従業員五〇〇人、年間予算二三〇〇万ドル
ハドソン研究所--・従業員二一〇人、年間予算五〇〇万ドル
エサレン研究所--・従業員一五〇〇人、年間予算四億ドル
つまり、米国内だけでも「タヴィストック・ネットワーク」
には大規模組織が一〇、中規模組
織が四〇〇もあり、ほかに小規模な集団三〇〇〇が、衛星のように大規模組織の周りを回ってい
る。
大規模組織で働くスペシャリストの理論家は四万人、すべて、米国を洗脳するための科学的技術
を身につけている。個人寄付は言うに及ばず、罪深いことに合衆国政府も資金提供している。「顧
客」には合衆国政府(国務省、郵政省、国防総省、海軍、 CIA)、ヒューレット・パッカード、 RCA 、
クラウンゼラーバック、ペクテル・コーポレーション、マクダネル・ダグラス、カイザー産業、 T
RW 、プライズ・イーストマン・ディロン、ウェルズファーゴー、シェル、ブリティシュペトロリ
アムなどがある。もちろん顧客はこれで全部ではない。
言いたいことは、過去五〇年以上にわたって米国に戦争が仕掛けられているということに、米
国民の大多数が全く気づいていないということだ。これは壊滅的な規模の戦争であって、それに
わたしたちは敗れようとしている。そうなれば、最後には間違いなく、自分の国とかけがえのな
い遺産とを失ってしまう。戦争を仕掛けてくる相手に立ち向かう唯一の方法は、国民を教育し、
キリスト教信仰を引き出して、この偉大な国にのしかかるタヴィストックの見えない力を粉砕
することだ。
願わくはこの文章が、国を愛する数百万の米国人の手にわたってトレーニング・マニュアルとな
ってほしい。彼らは敵と戦おうと思っても、今はまだ、どこに敵がいるのかも知らないのだ。
なぜ「キリスト教右翼」は執物な攻撃をくわえるのか
わたしは一九七九年から八一年の時期に、諜報活動の関係者以外にはほとんど知る者のない、
忌
まわしくも恐ろしい組織の存在を初めて暴露した。『タヴィストック研究所
ー
合衆
国はイギリスにあやつられている』というタイトルのその文章は、陰謀家どもには突然降って
きた爆弾のようだっ
誰にも知られずに活
た。わたしの「白書」以前には、この世界第一級の洗脳機関はほとんど全-、
動していたからだ。
さまざまな政治勢力は、合衆国の共和制の理想に反対する秘密結社にコントロールされてい
たが、彼らは大いに怒り、また動揺した。わたしが本当にタヴィストックの警備をかいくぐり、あ
まつさえ、タヴィストックのトレーーニグ・マニュアルを一部所有していたからだ。
当然、自分が暴露した分については、大きな代価を支払わねぱならなかった。家族も、わたしと
ともに、今でもその報いを受けている。厳しく過酷だったのは、安全と収入だ。だが、苦闘しなが
ら真実を伝えるなかで、常に困難とは遭遇しても、誰がトラブルを持ち込み、どんな問題を起こ
そうとも、わたしは決してやめようとはしなかった。
ただ、どこよりもトラブルが多かったのが、いわゆる「キ-スト教右翼」といわれる一部方面か
らだったということは、言っておかねばならない。特に、その動機がはなはだ疑わしいグループ
がある。こういうグループは、わたしの名誉を旺めようという陰謀に荷担しているのであって、
わたしの信用(と、もちろんわたしの仕事)をぶち壊すつもりなのだ。わたしは、長年にわたる悪
意の攻撃に耐え、今もこうして情報を発表していることを嬉しく思う。このことによって、数十
万の米国人が目を開き、耳を傾けてくれると信じているからだ。
わたしがタヴィストック研究所について暴露したことを、情報活動の世界にいる仲間は、合衆
国に真実を広めるうえで重要な貢献をした、と見てくれている。わたしの著作が出た一九七九∼
八〇年以後、わたしの論文に申し訳程度の紗を被せたようなものが、わたしには何の断りもなし
に次々と出版された。ところがみな、わたしの著作以前にはタヴィストックのことなど書いたこ
とのなかった人たちだ。そういうなかで、わたしのオリジナルの著作をコピーしたと思われる人
物がふたりいるが、どちらも「キリスト教右翼」の著名人だった。
わたしが一九七九年から八三年にかけて発表した文章は、その後の出来事や、『バロンズ』のよ
うな一流誌に登場した記事によって、その大半の正しさが確認された。完八八年に『バロンズ』
はスクープを発表し、政策研究所の話を掲載した。わたしはそれを一九八三年の段階で、他の二
二の秘密組盤ともに名指しであげていた。その二二組織については、今日まで他の誰も何も書い
ていない。この仕事には、わたしとてまだ時間が必要だ。わたしのファイルはこういった組織の
情報でいっぱいだ。
わたしの仲間は固く信じている。この偉大な国の未来に関心をもつ者なら、タヴィストック研
究所がいかに米国を傷つけ、米国民を操作しているか-それを無視するなど絶対にできない。何
が起こっているのが、国民はほとんど何も知らないのだ。
高級官僚輩出校ジョージタウン大学はタヴィストックの養成所
再三述べたように、タヴィストック人間関係研究所はロンドンと、やはりイギリスのサセック
ス大学構内にあり、関連研究施設は大半がサセックスにある。タヴィストックの重要性は、わた
しがその存在を初めて明るみに出したときと変わらない。わたしは、タヴィストックで働いてい
たのではないかと批判されたことがある。始めは、タヴィストックがイギリス情報部とつながっ
ているため、つぎには、わたしがサセックスのタヴィストック施設の近くで働いていたため、三
度目は、わたしがタヴィストックの内容をあまりによく知っているためだった。このような批判
は全く根拠のないものだ。
近年になるにつれてタヴィストックの活動は、その大半がますます重大な影響を米国民の生
活とわが合衆国の政治機関とにおよぱすようになってきている。レベルアップされた活動のひ
とつがキリスト教への全面的な攻撃で、とりわけカトリック教会が標的になっている。中絶賛成
の広告、麻薬・男色・レスピアンの拡大、そして家族の伝統への強烈な攻撃の陰には、タヴィスト
ックがいる。
これは偶然知った事実だが、タヴィストックは
「中絶説明会」を援助していた。それは結果と
して一九七三年に最高裁でおこなわれた。オリジナルの文章ということになっているが、実際に
はコロンタイ夫人の書いたものを読み上げただけだった。コロンタイ夫人は「女性解放」運動や
「フリーラブ」
の創始者であり、スターリン主義の光り輝く指導者だ。内容は、結婚と家族(キリ
スト教国でもつとも重要な社会単位だ)
た「フェ-ニズム」
の聖性への痛烈な批判だった。コロンタイがもちだし
は、もちろん一八四八年の共産党宣言のページからのそのまま抜いてきたも
のだ。こうしてタヴィストックは、多大な影響力をおよばして、米国を悪くする方向へもってき
ている。その結果、今では赤ん坊という意味の碗曲表現として
「胎児」という。「胎児」なら赤ん
坊よりもずっと簡単に殺してしまえる。
タヴィストックは現在も、行動修正-洗脳、世論形成、政治事件の計画などに関わる、あらゆる
研究機関の母体だ。とりわけここ米国には強力な関係機関が数多くある。マサチューセッツ工科
大学(MIT)、スタンフォード・リサーチ、エサレン研究所、ペンシルヴァニア大学ウォートン経済
校、ハドソン研究所、「保守派」
のへ-テージ財団、キッシンンジャー・アソシエーツ、デューク大
学、ランド研究所、ジョージタウン大学、カリフォルニア州、その他多数の機関があるが、わたし
たちは完全に米国の団体だと思い込んでいる。
ランド・リサーチ・アンド・ディベロップメント・コーポレーションは、タヴィストックの指導
のもと、米国の社会のさまざまな機関や分野に深い影響をあたえてきた。この邪悪な組織のやっ
てきたことを本当にすべて紙面にしたら、二〇〇〇ページの本ができるだろう。タヴィストック
が直接コントロールするトップレベルの研究機関のひとつとして、ランドは、米国の ICBM(大
陸間弾道弾)計画を管理し、米国の外交政第藁者のための基本分析をおこない、原子力政策をア
ドバイスし、 CIA のためにマインドコントロールの分野で何百というプロジェクトを展開して
いる。
ランドの顧客には、 AT&T,チェースマンハッタン銀行、米空軍、エネルギー省、 IBM などが
ある。ランドはタヴィストックがコントロールする、世界でも有数の機関であり、政府、軍、宗教
組織など、あらゆるレベルでの洗脳活動をおこなっている。英国国教会のデズモンド・ツツも、ラ
ンドのプロジェクトだ。
別の例としてはジョージタウン大学がある。ここはおそらく米国でもトップクラスの高等教育
機関だろうが、一九三八年以来、ジョージタウン大学の機構すべてがタビストックによって作り
直され、学習のフォーマットもプログラムも、すべてタヴィストックの「専門家集団」が書き上げ
た青写真に沿うように変更されている。
このことは政府の政策、とりわけ外交関係の分野ではきわめて重大だ。米国務省の高官は、例
外なくジョージタウン大学で訓練を受けている。ジョージタウン(〓タヴィストック)卒業生の
有名人としては、リチャード・アーミテージとヘンリー・キッシンジャーがいる。ジョン・ロー-ン
グス・リースの見えない軍隊のこのふたりが祖国の安寧にどれほどの損害をあたえたかを語り
出したら、日曜日をすべて使っても、丸ひと月はかかってしまうだろう。
『国務長官シュルツは知っていた「海兵隊が襲われる」
タヴィストックが米国の外交政策をコントロールしている例は、数えあげれば切りがない。そ
う、米国の利益に反して実行されたもっとも醜悪な活動のひとつは、やはりタヴィストックで計
画・検討されたものだ。レバノンのベイルート空港で海兵隊施設が爆撃された事件のことだ。こ
の事件では、米国の優秀な兵士二〇〇人が生命を失った。彼らには何のチャンスもあたえられな
かった。何が襲ってきたのかさえ分からなかった。信じ難いことだが、タヴィストックのスペシ
ャリストは国務省に対し、海兵隊施設の入口にいる衛兵に装填した兵器を持たせなければそれ
ほどの「騒ぎ」にはならない、と語ったという。
ライフルが空砲では、入口にいた海兵隊員に自爆テロのトラックを止められたはずがない。今
日でも米国民はこの闇の秘密を知らない。上院の諜報活動監視委員会はこの計画にイギリスの
存在を疑ったかもしれないが、それほどの公聴会でも取り上げられることはなかった。
ある人物は爆破テロが近いということに気づいていたといわれているが、当時の国務長官ジ
ョージ・シュルツがイスラエルの情報機関モサドにそのことを漏らしたのは明らかだ。警告が海
兵隊の指令基地に届くことはなく、二〇〇人が死んだ。もしシュルツが警告を出していれば、海
兵隊基地全体が警戒態勢になっていたはずであり、自爆テロをしようにも、施設にたどり着く前
に止められていたはずだった。
わたしは一九八九年、爆破があることをシュルツが知っていたのではないか、と書いたが、ほん
のひと握りの人たちがわずかな可能性を認めてくれただけで、あとは米国の最高位にある官僚
がそんなふう旨国の国民を裏切るはずがないと考え、シュルツが関わっていたというわたしの
文章は非常な疑いの目で見られた。「またよくある陰謀説か」と捨てられたわけだ。こうやって、
しっかりとした報告も適当にあしらわれてしまう。
だからわずか一年後に、不満を抱いてモサドを離れた元局員が、自分の経験に基づいて本を書い
てくれたときには大変嬉しかった。そのなかには、わたしがすでに書いていたのと全く同じ情報
が、すなわちレバノンの海兵隊への爆破テロがありうるという事前の警告をシュルツが受けて
いた、という記述があった。この本で、海兵隊の基地司令官に警告するためにシュルツが何もし
なかったことが確認された。こういうふうに、国家への裏切りはおこなわれているのだ。
国務省はイスラエル政府と力を合わせてこの本の出版を抑えようとしたが、うまくいかなかっ
た。わたしを批判した連中は、屈辱に甘んじることとなった。
■ …… ケネディ暗殺を指弾したポッグズ議員の謎の飛行機事故
死
タヴィストックによる米国の諜報機関への介入が増えているという証拠は山ほどある。米国
の諜報活動というと、普通は CIA や FBI の第五課を思い浮かべる。だが、タヴィストックからの
指示を受けている諜報機関はほかにも多数あって、たとえば国防総省情報部、財務省情茸、国務
省情報部、麻薬取締局などで、これ以外にも一〇は超える。
ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された忌まわしい日、十一月二二日がめぐってくるたびに、
タヴィストックと MI6 が演じた役割のことを考える。二〇年にわたる詳細な調査の結果、わた
しはタヴィストックの役割を暴きつつある。ちょうどわたしが、ジョン・F・ケネディ大統領殺害
を実行したのがイギリス情報部の部隊であることを暴いたのと同じだ(これに協力したのが
CIA 、ダラス市警、シークレットサービス、そして誰よりも J・エドガ-・フーヴァーだった)。
ケネディ大統領の暗殺は、今にいたるも、合衆国が代表するあらゆるものへの最大の侮辱だ。
自由で独立した主権国家であるはずのわたしたちが、なぜこの最大の侮辱をそのままに、犯人を
憎むこともしないでいられるのだろうが。連中が誰がは分かっている。白昼堂々と、数百万の米
国民が注視するなかで実行された暗殺は、侮辱とともに警告でもあった。陰謀家の魔手は、米国
最高の地位にある者でさえ防ぐことはできない。連中は長年わたしたちの混乱を笑い、わたした
ちを噺弄し、己の犯罪の成功を喜んでいたのだ。
ケネディ大統領のような無惨な殺人でショックを受けた人は、自分の家に侵入者がいるのに
気づいたときに感じるような、激しい感情を引き起こしたはずだ。この文章を準備中に話した複
数の心理学者によると、これを経験した人は、身体的に凌辱されたように感じることが多いとい
う。「ある女性の患者は、泥棒が寝室にいるのに気づいてから、長時間シャワーをあびた。これは、
同じように家を荒らされた経験のある人に共通の感情だ」と友人の心理学者は話してくれた。
ケネディ暗殺を隠蔽しようという動きは今も続いている。下院の暗殺調査委員会がまったくの
見せかけだけの活動しかせず、証拠を無視し、明らかに手が加えられた X 線写真を本物として
受け入れた経緯も、事細かに調べてある。同委員会の犯した罪を数え 1 げれぱ切りがない。わけ
ても大切な証拠であるケネディ大統領の死亡証明書がなぜ紛失したが、一切追及されていない。
その証明書にサインしたバークリー提督も、サインした際の奇妙な状況について厳しく尋問さ
れてはいない。
もともと偏見の強かった下院暗殺調査委員会が真実を軽んじているのを示す何よりの例は、
発生した数々の殺人の証拠を集めて提出するという、そのやり方だ。明らかに、誰かが出てきて
「単独犯」説を吹き飛ばしてしまわないように、口を封じるためだ。
安全な者などいないということがはっきりと示されたのは、顔も名前もない連中が、へイル・
ポッグズ下院議員の殺害を命じたときだった。ポッグズ議員は、暗殺調査委員会をもっとも強硬
に批判したひとりだった。議員は何かの大発見の寸前までいっていたようだが、アラスカへ飛ぶ
途上で死んでしまった。飛行機はまずレーダーのスクリーンに現れ、そこから消えて行方不明と
なり、とうとう発見されなかった。物言わぬ陰謀は続いている。おそらく、その沈黙が破られるこ
とはないだろう。
CIA をはじめ、大半の諜報機関は「敵」
に対してこの種の行動に訴えることが多い。理由はま
ず、飛行機は「事故」を仕組むのがとても容易であること、つぎに、そういう不幸を「事故ではな
い」と証明するのがきわめて困難であることが理由だ。
ユー・バーシェルもタヴィストックの犠牲者のひとりだ。バーシェルは、イラン〓コントラ・ス
キャンダルをやめるよう脅迫し、一度こういう謎の
「墜落」
たのだが、後に亡くなったときには、スイス警察の手で
に遭いそうになった。それは免れ
「睡眠薬の服みすぎ」ということにされ
た。もちろんバーシェルは殺されたのだ。
上院委員会は簡単に却下したが、知りすぎているからと殺害された潜在的証人が何千人もい
るという証拠はある。わたしはいつか、捜査の責任者ジャクリーン・ヘス氏が裁きの場へ引き出
されることを願っている。彼女がもっている殺人の犠牲者の一覧からは、まず第に-1・ハーヴェ
イ・オズワルドが除外されており、しかも「エドワリド・バリネイズ」などという存在しない人物
の名前が多数含まれている。ここでもケネディ暗殺に関して大規模な隠蔽工作がおこなわれて
いるのは明らかだ。
ただひとり、へン-リ・ゴンザレス下院議員だけが声をあげる勇気をもっていた。それも、同僚
のへイル・ポッグズが悪計の犠牲となり、つぎが自分かも知れないというのが明らかになってか
らのことだ。「 CIA が政府を乗っ取っているのか。 CIA が本当の政府なのか」と問われ、ゴンザレ
スはこう答えた。「それに同意する者は多数いる」
ゴンザレスが CIA の「 MH/チャイルド計画(またの名を「子守り」計画)」に気づいていなか
ったのは明らかだ。その後、ゴンザレスの信用失墜の動きが歩調を合わせたように起こり、酔っ
払いのティップ・オニリルから猛烈な攻撃を受けた。オニリルは、下院の暗蛋査委員会解散のた
めに戦ったひとりだった。
ここで残念ながら、忌まわしいケネディ大統領暗殺事件のテリマからは離れねばならない。こ
の暗殺事件の心理的側面をお膳立てするのにタヴィストック研究所が大いに関係しているとい
うわたしの信念は、長年にわたって調査を加え、新事実に光が当たるにつれて強くなってきた。
願わくは、時間と機会を得てこの恐るべき犯罪に関して自分の仕事を完成させたいと思う。これ
は米国民の魂の血塗られた汚点であり、アメリカ合衆国の歴史のページを汚すものだ。
テレビの警察ドラマも洗脳「条件付け」の具にされている
CIA は、他の数々のアメ-カ政府機関とともにタヴィストックの顧客だ。機関のどれひとつと
して、直接にせよ間接にせよ、タヴィストックとのビジネスをやめたところはない。
タヴィストックはいつ、どのように活動を始めたのだろう。わたしがかつて述べたように、タヴ
ィストックといえば、何も考えなくても思い浮かぶのが、創設者である、イギリス陸軍のジョン.
ロリリングス・リース少佐だ。一九八三年までは、諜報活動の関係者以外にイギリスでタヴィス
トックの存在を知る者など、ないなかった。ましてや、ロンドンとサセックスの施設で何がおこ
なわれていたかなど、まったく誰も知らなかった。
米国に関していえば、政-機関の密室内にいる関係者を除いては、国中の誰もまったく何も
知らなかったし、知る人がいたとしても、ごくぼんやりとしか知らなかったはずだ。だが、わたし
の本が出て、いかにタヴィストックが米国の政策をコントロールしているかを述べてからは、す
べてががらりと変わってしまった。わたしは、米国の政策をコントロールする連中の怒りの標的
となった。あの暴露以後、わたしは ELF(極低周波)による攻撃を受けて大きく健康を害した。そ
のうえ、先に述べたのと同じ、好戦的な「キリスト教右翼」からの猛烈な攻撃も強まっている。彼
らは、あらゆる手を使って私の仕事を押さえ込もうとした。
タヴィストックの文書を調べていて解ったことだがリースは一九二一年に特殊情報部(S
IS)の部長から委嘱されてプロジェクトを始めている。 SIS はイギ-ス情報部の超秘密、超エ
リート部門で、その業績は『ジェームズ・ボンド』シリーズとして小説化され、映画にもなって
いる。ベル-ンのシュパンダウ刑務所に派遣されてルドルフ・ヘスを殺害したのも、ふたりの SIS
工作員だった。ソ連がヘスの釈放を発表した二日後のことだ。
イギリスの王立国際問題研究所(RIAA)
は、ヘスが、チャーチルとトゥーレ・ソサエティの
メンバーとの関係について、知っていることを話してしまうのではないかと恐れた。テューレ・
ソサエティの目指すものはドイツ・トゥーレ・ソサエティと共通するところが多いが、もしヘス
が生きていて知っていることを話していれば、イギリスのエリート指導者層は雷に撃たれたよ
うなショックだっただろう。
タヴィストックは、米国のあらゆる都市に見られる普通の人びとに対し、忌まわしいサービス
を提供してきたー彼らは地方や州政府の高官、警察署を手中に収めているのだ。これは米国の主
要都市すべてに当てはまることで、フリーメリソンリーのイルミナティのメンバーがその権力
を使って秘密裡にコントロールし、憲法の権利章典を踏みにじって罪もない市民を思うがまま
に脅し、残忍な仕打ちをしているのだ。
今、一体どれほどの罪もない人びとが、権利章典に定められた権利を知らなかったために刑務
所に入れられているのだろう、と思うことがよくある。すべてタヴィストックの犠牲者だ。テレ
ビ・シリーズの『全米警察 2 4 時
コップス』を見てみれば、毎回、これ以上はないというほど
に権利章典が大胆に無視されている。これはまず間違いなく「条件づけ」であって、大衆は、憲法
と権利章典に定められた個人の権利への大きな侵害は現実には存在しない、と信じ始めている。
タヴィストックがこの番組に関わっていたとしても、わたしは驚かない。
■国際警察インターポールはロックフェラーの私的諜報機関
タヴィストックが貢献している国際楼関も数多い。デイヴィッド・ロックフェラーの私的諜報ネ
ットワークであるインターポールもそのひとつだ。恥ずかしい、屈辱的なことだが、この不法団
体はワシントン DC を拠点とし、政府の施設で活動し、アメリカ合衆国憲法を公然と無視してい
る。
それなのに議員連中は、米国からインターポールを追い出そうともしない。
かつてこの国を偉大な国家にしてくれた、あの政治家たちはどこへ行ってしまったのだろう。代
わりに今いる議員連中は、自分たちの作る法律を実施しようともせず、誰もがやっている明らか
な不正を正そうともしない意気地なしだ。議員になるときの宣誓を守れば職を失ってしまうと
恐れているのだ。あの議員連中は、憲法の何たるかについてさえ、まったく分かっていない。知り
もしなければ、それを気にしているようすさえない。その結果、ワシントンは無政府状態に陥っ
ている。
これから下院なり上院に立候補しようという人たちにはショッキングなことだろうが、候補者
は全員もれなく、タヴィストックなり米国の関連機関なりの行動修正科学者によって十分にチ
ェックされ、プロファイリングされている。誰でもいい、提案されることに従順で、扱いやすいと
思われた候補者に「息がかかる」のだ。そういう者の名をわたしは一〇〇以上あげることができ
るのだが、それでは、わたしの身が危うくなってしまう。
連邦議会には憲法違反の無法精神がっいてまわっている、と言っておけば十分だろう。だからこ
そわたしたちは、プレイディの銃規制法案やファインスタインの「攻撃用武器」法要いった屈辱
を受けねばならないのだ。「攻撃用武器」ということばは憲法のどこにも見あたらない。したがっ
て禁止事項だ。ファインスタイン
「法」
は、タヴィストック研究所の仕業を疑わせる。だが、憲
法が国の最高法規であるという点でいえば、このような
「銃規制」法はそもそも無効だ。
コントロールしにくかったり、タヴィストックのプロファイ-ングに合わない候補者は、みな
消されていく。これには、タヴィストックもしくはその関連機関の指令を受けた活字および電子
メディアが大きな役割を果たす。有権者よ、目を覚ませ。大衆よ、目を覚ますのだ。米国の選挙プ
ロセスはもう茶番劇だ。タヴィストックの仕業のせいで、この国の大衆の思考や発想はコントロ
ールされている。「内方向的条件づけ」と
「長期的浸透」
という手法だ。
■--クリントンがホワイトハウスに据えつけられた事情
タヴィストックは黒い貴族ほか、 1 七七六年のアメリカ独立革命での勝利を奪うために活動
しているあらゆる組織に奉仕している。黒い貴族のことをよく知らない読者がいれば、このテー
マで書いた、きわめて明快な論文がある。もちろん、黒い貴族ということばは、黒人のことを指し
ているのではない。国際面でも、米国の各機関の外交政策を決定するという面でも、タヴィスト
ックは政府のあらゆるレベルで心理的プロファイリングをおこない、さらには私生活にまで入
り込んでいる。
タヴィストックがプロファイリングや各種プログラムを開発した相手は、ローマクラブ、チニ
財団、ロックフェラー財団、ビルダーバーガーズ、外交問題評議会、三極委員会、ディッチレー財
団、国際決済銀行、国際通貨基金、国連、世界銀行などだ。もちろん、タヴィストックの計画者の手
にある国際機関は、これがすべてではない。ゴルバチョフを選んだのはウォールストリートとロ
ンドン・シティだ。「新しいポルシェヴィキ」
指導者はどんな人物がよいがという、タヴィスト
ック、が開発したプロフィールに合致していたからだ。目的を果たした後はタヴィストックが新
しいポストを用意して、米国に「ゴルバチョフ財団」を創った。
グラスノチスとペレストロイカもタヴィストックが開発したプログラムだ。非合法な湾岸戦争
に先だって次々とうたれた政治宣伝も心理プロファイリングに基づいたもので、これも、米国大
衆に関してタヴィストックがおこなったものだ。その結果は、マディソン・アベニューの世論屋
(またの名を「広告代理店」)に渡された。
この政治宣伝は大成功で、二週間足らずのうちに、イラクが地図のどこにあるかも知らず、ま
してやその指導者が誰かも知らないような大衆が、「米国の利益を脅かす独裁者」に対する戦争
を声高に叫ぶようになった。恐ろしい?そうだろう。だが残念ながら、これは一〇〇パーセント事
実なのだ。「湾岸危機」ということば自体、ブッシュ戦争に最大の支持を集めるためにタヴィスト
ックが考えたものだ。あの戦争は、三〇〇人委員会の中枢法人であるブリティッシュペトロリア
ム(BP)の利益のためのものだった。
ここまで読めば、非合法な湾岸戦争に好意的な雰囲気を米国内に作るためにタヴィストック
がど
れほど大きな役割を演じたか、分かってくれる人が少しはいるだろう。
混乱、汚辱、虚構、誤認、さらにはまったくのペテンに基づいて世論を作っていくということに
かけては、世界中のどの機関や組織も、タヴィストック人間関係研究所の足下にもおよぱない。
大切なことなので一九八三年の「ワールド.イン.レヴー」で初めて発表した事をもう
一度繰り返しておく。現在でも、一九八三年当時と変わらない妥当性のあることだ。
「いま起こりつつある変化を捕えようとしている機関や出版社も少しはある。『エスクァイア』
誌の最新号に『アメリカ発見』というタイトルの記事がある。『エスクァイア』はタヴィス
トックという名を出してはいないが、その記事には、『七〇年代の社会変革ーきわめて重要なこ
とばだーの時期、個人的交流や集団生活のやり方は、大半が変わってしまった。当然こういった
変化は、われわれの末来観に影響をおよぱしている‥-・アメリカの経済基盤は変わりつつあり、
新たなサービスと商品が提供されようとしている』とある。
つぎにこの記事は、わたしたちの職業生活、余暇、教育システムが変わりつつあることを述
べ、さらにもっと重要なこととして、子供たちの考えが変わってきていることにも触れている
(クリントン夫人は子どものことを考えているようだが、これは福祉に関心があるからではな
く、タヴィストックが作った社会プログラムを導入するためで、それは最終的に、新世代の社会
主義者を米国で育てようというものだ)。『エスクァイア』の記者は、「アメリカは、未来へ向け
てすがたを変えつつある。--『新しいアメリカ』(というのがこれから出る号にあるそうだ)が、
さして新しいものとは思えないこともあるかも知れない。そういう新しい思考は、ゆっくりだ
が、すでに米国民の生活の主流へと入り込んでいるからだ。それが、これまで気づかれずに来た
だけだ」と結論づけている。
この「時代が状況を変える」という論弁ほど、うまい表現などできるはずはない。それ自体では
何も変わらない。あらゆる変化は、秘密であろうと公開であろうと、人間が起こすものだ。『エス
クァィア』は誰のせいだとは言わなかったが、全体としては、わたしたら米国民が抵抗を試みて
いた、望ましからざる変化について述べていた。『エスクァイア』だけがそうだったわけでは
ない数百万の米国民が、自分たちの将来を決めようとする勢力について、まったく何も知らない
ままに生活している。何よりもいけないのは、その数百万人が、もはやそれを気にもしていない
ように思えることだ。みな「長期的浸透」
を通じて
「内的条件つけ」
をされている。これはこ
の国を洗脳するためにタヴィストックが作り上げた、基本コントロール計画なのだ。
あとで見るように、この無気力と無知には十分な理由がある。わたしたちが国家規模で曝され
てきた、望みもしないのに強制されてきた数々の変化は、すべてたったひとりの人物=タヴィス
トック最高のテクニックのもち主、ジョョン・ローリングス・リースの仕業だった。あえて言え
ば、わたしが長年にわたってリースとその所行を暴露してきたにもかかわらず、米国民の優に九
五パーセントは、リースが何者で、合衆国に何をしたのかを知らないでいる。
米国の国民の大半は、「新しい考え」
「新しい文化」
「新しい宗教」を受け入れるよう自分た
ちがいかに操作され強要されてきたかを、今日でもまったく気づいてはいない。今でも蹂躙され
ながら、まだ分かっていない。
この主張を説明するのに、これ以上はないという例がある。それは、クリントンが作り上げら
れ(この国最高の職に立候補するのにこれほどふさわしくない候補者もいなかった)、タヴィス
トックによってうまうまとホワイトハウスに据えつけられた経緯だ。
■トークショーを利用して実現させた男色、レスビアン計画
一九四六年に米国に対する全面戦争を始めて以来、タヴィストックが初期に担った課題のひと
つは、米国民に
「もうひとつの生活スタイル」を受け入れるよう強要することだった。タヴィス
トックの文書を見れば、作戦指導者らがいかにして、ある種の集団を法的・公的に受け入れさせ
ていったがが分かる。そういった集団の虫酸が走るような行為は、以前(-連邦議会によって変化
が強要されるまで)
なら、合衆国のほとんどすべての州で犯罪とされていたものであり、一部
の州では現在でも、神と人頬に対する犯罪とされているものだった。
ここで言っているのは、男色とレスピアンという双子の疫病だ。この
「変化」プログラムを始
める前におこなわれた入念なプロファイリングは、よく知らない人には信じ難いことであり、た
とえ文字にしても「胸の悪くなるような SF 」として退けられてしまうだろう。大半の米国人は、
タヴィストック研究所が一九四六年に対米戦争に突入したなどとは聞いたこともないし、それ
以来、米国が連戦連敗だということも知らないのだから。
タヴィストックは第二次世界大戦が終結すると、合衆国に関心を向けた。議長はイギリス女王
エリザベス二世であり、これを補佐するいとこのケント公はタヴィストックの理事だ。ドイツを
倒したメソッドが、今度は合衆国に向けて使われた。米国に向けた大規模な洗脳は「長期的浸透」
「内方向的条件づけ」とよばれた。この動きの主目的は、連邦政府のあらゆるレベルに社会主義
のプログラムをインストールし、そこからワン・ワールド政府-新世界秩序による新暗黒時代を
導入することだった。これは、とりわけ結婚と家族生活の聖性を破壊するよう考えられたもの
で、合衆国憲法の
「無力化」をも目指していた。ホモセクシェアル、レスピアン、そして堕胎は、
タヴィストックが作ったプログラムだ。
本人は気づいていなかったにちがいないが、アニタ・ブライアントはまったく始めから、反対
派タウィストック研究所、世界をあやつる最重要神経中枢をホモセクシュアルに導くための第
の選択肢だった。彼女はタヴィストックのプロソァイリングに、ほぼぴったり適合したからだ。
「ゲイ」とレスピアンが受け入れられるようにし、「マイノリティ」の地位を手に入れられるよう
にせよという-自体、二年にわたるプロファイリングを根拠に選択されたものだった。
フロリダ州が選ばれた根拠は、リベラル的な考えの「国際派」人口が多いことと、そのなかに社
会主義の指導者が数多くいることだった。人種、宗教、出身国、母語、政治的迫害などの統計も、
すべて計算に入れられた。ポイントを集計してみると、フロリダがどの州よりもタヴィストック
の
条件に適していて、新しい「ライフスタイル」を打ち出しても成功間違いなしだった。
タヴィストックの男色計画には「対策本部」部隊がいくつか必要だった。メディアを助けて…
セクシュアル攻勢の本質を塗り込め、「他の人と変わらない」と思わせるためだ。今ではトークシ
ョーがこういう計画には欠かせないが、当時は、社会変化を起こす道具としては今日ほど広く使
われていたわけではなかった。トークショーを通じて男色とレスピアンを広めるためにタヴィ
ストックが選んで先頭に立たせたのは、フィル・ドナヒューとジェラルド・リヴェラだった。
この章は、トークショリのホストふたりを通じて大衆に事前情報を流すという、あの計画の詳
細を検討するものではない。だが、タヴィストックが強要する社会変化を実現するために、数百
万ドルが費やされた。そして結果が示す通り、タヴィストックは見事に「事前の宿題」をやり遂げ
ていた。わたしの経験からしても、この大クーデターが成功した経緯は、今でも驚きだ。
国中のコミュニティがすべてプロファイリングされ、トークショーのゲストや観客まで、プロ
ファイリングにマッチした者だけが選ばれた。それもまったく本人たちには気つかれることも
なく、もちろん本人に知らせもしなければ、同意もなしだった。
三年にわたる準備の後、ついにタヴィストックの男色/レスピアン攻勢が、まったく疑うこと
を知らない米国民に対して開始された。わたしはこれを、フランス革命時に国中を襲った嵐にな
ぞらえたい。今度の嵐はフロリダで発生した。計画にしたがって
アニタ・ブライアントが登場し、「ゲイ・コミュティ」
ー
まさに計画通りに
からの聞入者を弁護した。この
-
「ゲイ・コ
ミユニティ」ということばも、タヴィストックが慎重に選んだもので、今では完全に受け入れら
れている。もう、男色者について話す者すらほとんどいない。「ゲイ」
という用語を受け入れさ
せた条件づけは、タヴィストックがまさに得意とするところだ。
ここまで書いてきたことを裏づける文書を提出することができればよいのだが、タヴィスト
ックの文書のコピーを手に入れることは不可能だ。どの作戦でも、オリジナルのファイルは一部
しがなく、一〇部以上はコピーされない。紙にはある工夫がされていて、余分なコピーを取った
り、すでにある一〇部からさらにコピーしようとすれば、文章が真白になってしまう
(FBI が
この装置をタヴィストックから借り受けたので、もうすぐ全米のコピー機に装備されるはずだ。
これは紙幣のコピーを防ぐためという名目で導入され、タヴィストックの文書のように、コピー
すると真白になるか、全面が真黒になる。わたしが暴露したのを見てやったことらしいが、高品
質のカラーコピー機ではそれほどうまくいかないようだ)。
他にも厳しいルールがある。タヴィストック文書のコピーを閲覧するためには特別な暗号帳
に署名が必要で、しかも特別な時間枠が決められている。何びとといえども、決められたエリア
からコピーを持ち出すことはできない。文書を保管している建物にはコピー機は一切ない。
文書のコピーが必要なときは特別な鉄好きが必要で、コピーできるのは別棟にある特殊警備室
の指定されたスタッフだけだ。この係が、使用されるコピーの一枚一枚に責任を持っている。タ
ビィストックとまったく同じシステムを KGB 、バチカン情報部、イスラエル情報部でも使って
いる。
タヴィストックが創設されたのは一九二一年だが、一九翌年の始め、タヴィストックはデイヴ
ィッド.ロックフェラーから多額の資金援助を受けるようになり、見返りとして、レイナード・ハ
イドリッヒの古い秘密情報部をロックフェラーがそっくり引き取る手助けをした。ロックフェ
ラーはこれに成功し、旧ナチス最高の諜報部が、施設も人員もまるごと、国の最高法規を犯して
ワシントンに移された。
ロックフェラーはこれをインターポールと改称した。インターポールは麻薬取引の大物に奉
仕していて、その世界に入り込もうとする成り上がり者を監視している。そういう者がいると、
米国の政府機関に情報を流し、無謀な新参者が捕まるのだ。他にインターポールは、恥知らずに
も米国市民を無認可でスパイしている。この海賊組織には治外法権があって、好きなときに好き
なことができ、しかも、米国のどの政府機関からも一切の制限を受けない。インターポールはタ
ヴィストック研究所とも、主要なコミュニケーション・ネットワークを通じて、密に連絡をとっ
ている。第二次世界大戦中、ロンドンとサセックスにあるタヴィストックの施設は、イギリス陸
軍の心理戦争局本要して使われた。ここで重要なのは、チャーチルとルーズベルトによる「親友」
の取り決めを通じて、タヴィストックが米国の情報部と軍事政策を完全にコントロールしたこ
とだ。これは特殊作戦執行部(SOE)を通じておこなわれ、第ー次大戦を通じて維持された。
SOE はウィリアム・スティーヴンソシが、ニューヨークの RCA ピルから動かしていた。戦争
の間ずっと、米軍はイギリス情報部 MI6 にコントロールされていたのだ。わたしが戦後目にし
た文書から、武装解除されたドイツ兵数百万人を、悪天候のなか、吹きさらしで食料も水も下水
設備もないまま置き去りにするという作戦が、タヴィストックの計画したものであり、アイゼシ
ハワーが承諾したものであったことが明らがとなった。
この恥知らずな計画に喜んで参加したアイゼンハワーは、「おお、俺はドイッ人が大嫌いだ」と
言ったという。アイゼンハワーは、こんなセリフをソヴィエト連邦のボルシェヴィキに向かって
は決して吐かなかった。ニュルンベルク裁判やジュネーヴ会議で、アイゼンハワーは戦争犯罪人
として訴追されるべきだった。ドイツ人捕虜のこのショッキングな虐待は、米国のような文明的
キリスト教国(のはずだ)の行為として、絶対にあってはならないことだった。だがそんなこと
は、タヴィストックの悪魔のような恐るべき権力者が考えるところではない。
最近出たある本は完全に事実であることが証明されたものだが、それには、ドイツ的なものすべ
てを憎むアイゼンハワーが恐るべきジュネーヴ条約違反を犯すようすが生々しく描かれてい
る。千人ものドイツ人捕虜が、捕虜としての地位にしたがって保張れるべきであったにもかかわ
らず、この恐るべき犯罪で張れた。これは、チャーチルとルーズべルトの命令でドイツ民族に対
しておこなわれた、何百という殺致事件のひとつに過ぎない。
歴史の記録上、チャーチルとルーズベルトとアイゼンハワーがドイツ人に対して戦時中におこ
なった殺教ほど、隠蔽がうまくいった例はない。歴史がもし降伏した側の視点で書かれることが
あるなら、この三人は、戦中戦後で最大規模のショッキングな殺数を指押した者ということにな
るだろう。解放都市ドレスデンの爆撃では一二万五〇〇〇人が殺された。この分野では、チャー
チルとルーズベルトに比べれば、フン族のアッチラ王もボーイスカウトのようだ。
アイゼンハワーは三〇〇人委員会から正式に選ばれ、ヨ-ロッパでの連合軍最高司令官となっ
た。もちろんその前に、タヴィストックによる広範囲にわたるプロファイリングがあってのこと
だった。さらにアイゼンハワーはホワイトハウスに入ることも許されたが、それは彼に利用価値
がある間のことで、戦争の記憶が薄れるとあっさり捨てられた。三〇〇人委員会とタヴイストッ
ク研究所から受けた仕打ちの辛さは、軍産複合体がもたらす危険についてのアイゼンハワー声
明に反映されている。あれは、ヴェールをかけてはいるが、かつてのボスのことを言っていたの
だ。
もうひとつ、わたしが
「初めて」報告したことといえば、三〇〇人委員会の存在を明るみに出
したことだ。わたしの著作には、これまで世界を動かしてきたこの超秘密・超エリート組織のこ
とが全面的に述べてある。三〇〇人委員会が思いのままに動かす巨大ネットワークでは、銀行、
ローン会社、活字ならびに電子メディア、「シンクタンク」
の巨大グループ、ニューサイエンス
の科学者、国民世論屋などが互いに緊密に結びついている。
今日、『フォーチュン』五〇〇大企業のうち、二〇〇以上は三〇〇人委員会が握っている。こ
れにはペトロ・カナダ、香港上海銀行、ゼロックス、ランク、レイセオン、 ITT 、イーグル保険など、
あらゆる大手保険会社と、米国とカナダの一流企業・組織のすべてが含まれている。いわゆる環
境保護運動も、三〇〇人委員会が完全にコントロールしている。
映画『影なき狙撃者』を知っている人は多い。そのテーマは、米兵が共産主義の朝鮮人に洗脳
されるというものだ。ここから、「洗脳」は北朝鮮ないし中国のテクニックだと思い込んでいる人
は多い。だが、違う。洗脳はタヴィストックに端を発する。時間でいえば、ペイラにタヴィストッ
クのプログラムがあたえられた時にまでさかのぼる。このプログラムはボルシェヴィキ時代、罪
もない犠牲者六〇〇〇万人以上の殺害につながっていった。
ヒトラーから逃げたレヴイン博士の対ドイツ集中宣伝攻撃
ここまでで、行動修正科学の源流がタヴイストックであることが確認できた。タヴィストック
はこれまでに、諜報活動の要員を多数訓練して送り出してきたし、現在もそうしている。米国は、
おそらくどの国よりも、タヴィストックの拳の重さを国民生活のほぼ全レベルに感じてきた。し
かもこの国への締めつけはいささかも弱まってはいない。変化があったとすれば、ウィ-アム・ジ
ェファーソン・クリントンの登場によって、大幅に強まつたというべきだ。
八万人のイギリス兵をモルモットに使った実験でリースが発見したことは、患者を良くするの
と同じ心理療法のテクニックを使い、手張逆にすることで、健康な人間を悪くすることができる
ということだった。リースはこのテクニックを完成させ、主人である三〇〇人委員会が変化を起
こしたいと思う多くの国々で、そのテクニックを使った。
米国もそういった国のひとつで、リースのテクニックを使った長期的浸透戦争の犠牲者だ。他に
犠牲になった国々には、ローデシア、アンゴラ、南アフリカ、フィリピン、韓国、そして中央アメ
リカ諸国がある。このテクニックは、イラクとイランではうまくいかなかった。一般的にイスラ
ム教国は、西洋諸張比べて、タヴィストックの大衆コントロールメソッドが受け入られにくいよ
うだ。イスラム信仰の堅固さが、中東でのタウィストックの計画を失敗させたことは間違いな
い。
リースが数々の国に変化を強要するのに成功したということは、それ以来判明したさまざま
な事件と照応している。米国では、タヴィストックは国内の一連の主要機関を、民間・政府機関の
別な
く、すべて作り替えた。情報機関、ペンタゴンの組織、連邦議会の各委員会、巨大企業、エンター
テイメントの世界、等々だ。
タヴィストック一座の主役のひとりが、タルト・レヴィン博士だ。レヴィンはドイツに生まれ
たが、人口抑制実験がナチス党に発見され、やむなく逃走した。レヴィンはすでにリースとは旧
知の間柄だった。ふたりは以前、ヒトラーが権力の座に就くのを阻止しょうというレヴィンの計
画で、いろいろと協力していたからだ。
レヴィンはイギリスへ逃げ込み、タヴィストックでリースと再会した。そしてあたえられた最
初の大きな仕事が、政治宣伝で米国を第二次世界大戦に参戦させることだった。このためレヴィ
ンは、メディアによる対ドイツ集中攻撃をヨーロッパと米国の両方でおこない、驚異的な成功を
収めた。終わってみれば史上最大の政治宣伝キャンペーンで、米国民は熱に浮かされたようにド
イツを、そして後には日本を憎悪するよう駆り立てられた。この集中宣伝攻撃により、最終的に
数十万人の米兵の生命が奪われ、数十億ドルがウォールストリートと国際銀行家の金庫に流れ
込んだ。
『--あのタヴィストックにも不可能があるのか、中東油田支配の行方
一九九〇年、長年求めてきた中東油田の完全支配にむけて、唯一の障害はフセイン大統領である
と認識した三〇〇人委員会は、すぐにタヴィストックにフセイン弱体化の任務をあたえた。イラ
ク攻撃の直前、米国は政治宣伝の嵐に曝された。それは、第二世界大戦参戦に追い込んだときと
ほとんど変わらないほどだった。第一次大戦でレヴィンが使ったキーワードと注意深く比較・分
析して書と、検証例の九三・六パーセントが、第一次大戦参戦の引き金となった一九三九年から
四〇年にかけてのことばと一致していた。
たとえば、国務省がクウェート大使館員のことを「人質」と言い続けたこともその一例だ。誰も
投獄された者などなく、実際には、誰でもいつでも自由に国外へ出られたのだが、彼らはクウェ
ートにとどまるよう命令を受けていた。政治宣伝が的外れになってしまうからだ。本質的には、
人質は「国務省の」人質だったのだ。フセイン大統領を煽って先に手だしさせ、砂漠戦に持ち込も
うとしたのだが、それができないのでブッシュ大統領は、ニセの「人質」宣伝で反イラクの支持
を高めようとしたのだった。
湾岸戦争での「連合軍」にはイスラム教国もいくつか含まれていたが、これは金をもらって参加
した国だ。この文脈では、特にシリアとエジプトが思い浮かぶ。シリアとエジプトを群れの中に
引き込むことで、ブッ、シュは、イスラエルとの関係で、またイスラエルが度重なる国連安全保障
理事会決議を無視してアラブの土地を占領していることを考えて、両国を傘下においておきた
いと考えたのだ。
だが今日では、この企てが端からほころびているという徴候がいたる所に見える。ガザ地区およ
びヨルダン川西岸地区、さらにエジプトやアルジェリアでの蜂起で、ミシリアやサウジアラビア
やエジプトは神経質になっている。この三国にとって、こういった地域で米国の代理人を支援し
続けることは、利益にならない。占領されたアラブの土地での政情不安が高まるにつれ、エジプ
トやシリア国内でも、イスラム教徒が自分たちの指導者がワシントンの召使いのように使われ
ているのを見て、社会の動揺が強まるのだ。
この点で、タヴィストック研究所は失敗するだろう。米国民の大半には、米国の中東政策が正
しいと思い込ませることができたが、タヴィストックはまだシリア、イラン、イラク、アルジェリ
ア、サウジアラビアをコントロールできずにいる。この点で、アラブ諸国に石油を手放させよう
というタヴィストックの汚い計画は、ほころび始めている。 M16 が
「アラブの専門家」
アラ
ビアのロレンス、フィルピー・ヒル中尉を派遣してイスラム各国の基礎を崩せた時代はとうの昔
に終わっている。アラブ諸国は失敗から学んだ。今日の彼らは、第一次大戦が始まったころと違
い、イギリス政府をほとんど信用していない。
エジプトの独裁者ムバラクは、大きな問題を抱えている。イスラム原理主義者のせいで、観光産
業が危うくなっているのだが、エジプトは外貨収入に依存して成り立っているからだ。同様に、
シリアも米国の政策に追随しなくなる。米国は長年、パレスチナよりもイスラエルを贔屓にして
いるのだから。
新しいイスラエルの首相は、もし今の政情不安が長期化するようなら、イスラエル国内の過激
分子を抑えることが仕事になるだろう。エルサレムの新聞『バーレツ』
でに自信を失っているという。おそらく、もうひとつ何か
によれば、ラビンはす
「国際的謀略」という次元での出来事
がなければ、ラビンは国内での地位を建て直すことはできないだろう。
ひとつ、きわめて明瞭になってきたことがある。それはイスラエルが、アラファトを表舞台か
ら袖へ押しやって、かつての国際的人物からガザだけの地域指導者にしてしまったために、今利
用しようと思ってももうアラファトには影響力がないということで、逆に困っているというこ
とだ。アラファトの今の立場は、第一次大戦の記憶が消え始めたときのアイゼンハワーと同じ
だ。
米国内では、連邦政府によってタヴィストックの金庫に数十億ドルが流れ込んだ。国内のさま
ざまな機関へいった数十億ドルの詳細は、前著に述べてある。この数十億ドルを受け取ったの
は、ナショナル・トレーニング・ラボラトリーズ、バーヴァ-ド心理クリニック、ペンシルヴアニア
大学ゥォートン校、スタンフォード・フーヴァー研究所、 MIT 、全米精神衛生協会、ジョージタウ
ン大学、エサレン研究所、行動科学高等研究センター、ミシガン社会調査研究所、その他数々の
シンクタンクや高等教育機関だ。
こういった関連機関を米国に創るという任務をあたえられたのが、クルト・レヴィンだ。レヴ
ィンの名を知っている人は、タヴィストックをあつかったわたしの本が出るまでは、おそらく一
〇〇人もいなかっただろう。だが、この男とジョン・ローリングス・リースが米国を支える諸機関
にあたえたダメージは、ヒトラーやスターリンもおよはないほどだ。国をひとつにまとめていた
社会という織物から、縦糸と横糸を抜いていくようなタヴ-ストックのやり方は、寒気のするよ
うな恐ろしい話だ。そのなかでも、ホモセクシュアルとレスビアンというライフスタイルの「標
準化」は、小さいが、重要な出来事だ。
大統領から町の保安官まで「プロファイリング」は徹底している
タヴィストック研究所によるコントロールがどれほど深刻なものかという尺度としては、空
軍がランド.コーポレーションにコントロールされているようすを見るのがよい。タヴィストッ
ク=ランドの方針書によって、おそらく情報収集では米国が保有する最大の資産である SR71(ブ
ラックバード)偵察機が飛べなくなってしまったのだ。
これを知れば、「ブラックバード」計画継続に反する声がもっとも大きかったのが、ペンタゴン
のお偉方からだったということにも驚かないはずだ。このグループに対して、ジョン・グレン上
院議員は強い不快感を表した。だが、「ブラックバード」に反対せよというペンタゴンへの命令
が、もっとはるか上( =タヴィストック研究所の監督機関である王立国際問題研究所)からきて
いることを、グレンが知っていたかどうかは疑わしい。
リースのタヴィストック流テクニックは、なぜそれほど実践的で効果があるのか。-ースはそ
の大量洗脳実験を完成させるのに、ストレステストないし心理ショック(ストレス事象ともい
う)を使った。リース理論はもう十分に証明されているのだが、集団全体がストレステストに曝
されれば、任意のストレス事象に対して大衆がどう反応するがを前もって割り出すことが可能
である、というものだった。このテクニックは「プロファイリング」といわれるもので、個人、大小
のグループ、大衆ほか、あらゆる規模の組織に適用することができる。
二十代の始めでまだアーカンソー州に住んでいたウィ-アム・クリントンは、ローズ奨学金を
受けるためにプロファイリングを受けた。全キャリアを通じ、とりわけベトナム戦争の時期に
は、レベルアップするたびにプロファイリングを受けた。その後、適格であると分かってクリン
トンは、ホワイトハウスに「推薦」された。作戦のすべてが、タヴィストック研究所の洗脳者の管
理下にあった。洗脳はこのようにしておこなわれるのだ。
つまり、こういった洗脳は、文字どおり候補者-特に二七の候補者-を作り、社会全体を狂
気に駆り立てる道具であり、それが根底にあっての「過渡期」なのだ。大量の政治宣伝がおこなわ
れ、歓迎すべからざる「社会環境の動揺」は、時代が過渡期にある結果だと思い込まされた。今だ
から分かることだが、当時、ニューサイエンスの科学者が作った特殊プログラムを使って人
工的に「社会環境の動揺」を作り出し、それを自然な状況、すなわち「過渡期」によるものだという
ことにしたのだ。
タヴィストックのニューサイエンスの科学者は、わたしたちが「あらゆる結果には原因があ
る」という原理を応用して考えはしない、と自信をもっていた。そして、それは正しかった。たと
えば、わたしたちは「ビートルズ」も、吐き気をもよおしそうなあの「音楽」と詞も、おとなしく受
け入れた(あんなゴミをあえて「音楽」「詞」とよぶなら、の話だが)。あれを作ったのは、もうひと
りのタヴィストック卒業生テオ・アドルノで、その一二音無調不協和音は、アメリカ中に広範な
「社会環境の動揺」を作り出すために、科学的に調整されたものだった。
タヴィストックが繰り返し証明してきたこと、それは、大規模集団をうまくプロファイリング
できれば、その集団は、社会・政治生活のほぼあらゆる面において「内方向的条件づけ」が可能だ
ということだ。男色、レスピアン、堕胎、ポルノグラフィーが受け入れられてきたのも、タヴィス
トックがアメ-カでおこなった、大規模マインドコントロール実験の結果だ。それは、 1 九四六年
以来、今でも進行中だ。
自分のテクニックの成功を証明するためだけに、リースはタヴィストックを動かして、陰謀に
関係するテーマで大規模集団をテストさせた。その結果、質問を受けたうちの九七・六パーセン
トが、大ががりな陰謀が存在するという考えを完全に否定した。これでは、どれほどの人が、自分
たちは過去五〇年あま。にわたってタヴィストックの攻撃にもろに曝されていると信じてくれ
るだろう。
ラジオのトークショー・ホストもうまく利用されている。ラッシュ・リンボーなどは、常に聴取者
にむかって「陰謀はない」と言い続けている。もうひとりのスポークスマンはクレイグ・ヒューレ
ットで、彼は、広範な陰謀の存在を十二分に証明している人びとを、「変人」もしくはそれ以下に
扱って、退けている。
どれほどの人が信じてくれるだろうか。過去五〇年にわたってタヴィストックは、米国の大小の
村や町や都市すべてに、「見えない軍隊」の突撃部隊を送り込んできているのだ。「見えない軍隊」
の任務は、集団としての社会行動に浸透し、知られることなくこれに手を加え、修正していくこ
とだ。そしてその手段が、「内方向的条件づけ」だ。
リースの「見えない軍隊」は本物のプロフェッショナルから成っていて、自分の仕事を熟知し、
委託された任務に専心している。今日では司法、警察、教会、教育委員会、スポーツ団体、新聞、
テレビスタジオ、政府の諮問委員会、町議会、州議会にまで入り込み、ワシントンでは数え切れな
いほどの数になっている。彼らは、町の保安官から判事まで、教育委員会から市議会まで、さらに
はアメリカ合衆国大統領も含めて、あらゆる公職におよんでいる。
なぜそれができるのか。ジョン・ローリングス・リースは一九五四年に語っている。
「彼らの仕事は、心理戦争として知られる高度なテクニックをすべての集団に適用すること
だ。
それらの集団がさらに大きくなれば、全人口も容易にコントロールすることができる。完全に
狂気に走った世界では、政治および政府分野に影響力をもつタヴィストックの心理学者集団
が、互いに連携しながら調停役-影の権力組織となるにちがいない」
これでもリンボーやヒューレットは納得しないだろうか。おそらく駄目だろう。どちらも、こ
ういうことに関して本当のことを知っているとは思えない。
リースの見えない軍隊のメンバーには、ロナルド・リッパートもいる。子どもの精神変容が専
門だ。フレッド・エメリー博士もタヴィストックの
「互いに連携」
している心理学者のひとり
だ。ジョンソン大統領のカーナー委員会[訳註-一九六〇年代中期に起きた人種暴動の原因を調
査するために任命された調査委員会]
う「社会環境の動揺」
のメンバーでもあったエメリーは、タヴィストックのい
のスペシャリストだ。この考え方の結論は、ある集団全体が社会的危機に
曝されると、その集団は大観的な理想主義に陥り、最後にはぱらぱらになってしまう
り、問題の処理を諦めてしまう
この
ー
つま
ー ということだ。
「環境」ということばは、エコロジー問題とは何の関係もない。関係してくるのはある特
定の環境であって、そこには、トラブル
(=動揺)
を起こすという特定の意図をもったスペシ
ャリストが入り込んでいる。
これはすでに起こっていることだ。ロックンロール、麻薬、フリーラブ
(堕胎)、男色、レスピ
アン、ポルノグラフィー、ストリートギャングがそうだし、家族生活、結婚の確立、社会秩序は常
に攻撃に曝されている。どこでこんなことが始まったのだろうか。気がつけばコミュニティーは
無力で、崩壊した司法制度、教育委員会、教授法の進化に対処できていない。末成年がコンドーム
を買うように奨励され、さらには
「子どもの権利」までもが推進される。「子どもの権利」
は、
ほとんどは「子どもは親の言うことを聞かなくていい」ということにすぎないが、それでもこれ
は、大統領夫人ヒラリー・クリントンの「チャイルド・ケア」プログラムの重要課題となっている。
リースの「見えない軍隊」のメンバーは、 1 院・下院、軍、警察、その他この国のほぼすべての
政府機関に地歩を固めている。カリフォルニア州を調査してみて、わたしは、カリフォルニアに
はこの国最大の見えない軍隊の突撃部隊がいて、社会主義の警察国要ほとんど変わらないとい
う結論に達した。カリフォルニアは、他州の「役割モデル」となるにちがいない。
現在のところ、この種の条件づけを違法とする法律はどこにもない。リースとレヴィンはイギリ
スと合衆国の法律を研究し、人を同意も通知もなしに「条件づけ」することが合法だと結論した。
わたしたちは、これを変えねばならない。タヴィストックの「見えない軍隊」の突撃部隊は、アメ
リカの考え方を変えてしまった-ロック、婚前セックス、麻薬使用、婚外子、乱交、結婚、離婚、
家族生活、堕胎、ホモセクシュアルとレスピアン、そして、そう、殺人までも。
初期のタヴィストックでは「指導者なき集団」という概念が利用され、わたしたちの知る米国は、
塵のなかに警られた。このプロジェクトを担当したのは W.R.バイオンだ。バイオンが長年に
わたって運営したペンシルヴァニア大学ウォートン経済校では、今でも自由貿易やケインズ経
済学といったナンセンスを教えている。米国型モデルを追随し、その結果破綻した今日の日本を
見るがいい。日本が一時は成功したからといって彼らを責めてはいけない。米国の経済システム
を破壊したタヴィストックを責めるべきだ。
あらゆるレベル、あらゆる企業に送り込まれた「見えない軍隊」
一九四六年に始まったタヴィストックの対米戦争を担当した「専門家集団」のメンバーは、レヴ
ィン、パイオン、マーガレット・ミード、グレゴ-ー・ペートソン、 H,V,ディックス、エリック.トリ
ストだった。「見えない軍隊」の突撃部隊はどこで訓練されたのか。彼らはタヴィストック
でリースから訓練を受け、米国中に散らばって、「社会環境の動揺」の種を播いたのだ。
彼らは米国社会のあらゆるレベルに散らばり、リースから利用法を教わった影響力を行使で
きる場所に、ポストを獲得した。「見えない軍隊」の突撃部隊メンバーが下した決定は、米国のあ
らゆるレベルに深い影響をあたえてきた。しかも、最悪のものはまだなのだ。一級の突撃部隊メ
ンバーだった者の例をあげれば、
ジョージ・シュルツ
アレクサンダ l・ヘイグ
ラリー・キング、フィル・ドナヒユー
バークリー提督(ケネディ暗殺の隠蔽工作に深く関わった)
リチャード・アーミテ-ジ
ビリー・グラハム(本名フランクス)
ウィリアム・ベイリー
ウィリアム・バックレー
パメラ・ハリマン
ヘンリー・キッシンジャー
ジョージ・ブッシュ
キャサリン・マイアー・グレアム
などだ。
企業幹部で突撃部隊の者は無数にいて、とてもここにはすべてをあげられない。
数千人にものぼる、こういった「見えない軍隊」突撃部隊のビジネス軍団は、アメリカのタヴィ
ストック施設である、ナショナル・トレーニング・ラボラトリーズ
(NTL)
で生み出された。 N
TL は、始めはニューヨークにある、エイヴリルとパメラのハリマン夫妻の広大な邸の敷地内に
あった。今では周知のことだが、ハリマン夫人がクリントンを見いだして特殊訓練を受けさせ、
最後には大統領執務室へ送り込んだのだった。
さて、 NTL では、企業幹部はストレス状況下で訓練を受け、それをどう利用するがを学ぶ。ト
ップ幹部を送り込んでタヴィストック流の訓練を受けさせている企業には、
ウェスティングハウスエレクトリック
BF グッドリッチ
アルコア
ベル電話
イーライリリー(ダン・クウェイルの会社)
デュポン
などがある。さらに米国政府も、海軍、国務省、公務員人事委員会、空軍からトップランクの人
間を選んで NTL に送っている。わたしたちの税金が百万ドル単位で、ハリマン邸のアーデンハ
ウ
スでタヴィストックが政府職員に施す「教育」のために支払われているのだ。
不適応反応は、タヴィストックの大規模プロファイリングによって可能となるものであり、タ
ヴィストックの「見えない軍隊」が、常にわたしたちに刷り込んでいるものだ。それが完壁に機能
したのが湾岸戦争だった。あのとき米国は、反目などしていない友好国に対する、しかも憲法に
則った宣戦布告なしに仕掛けられようとしていた戦争に引き込まれようとしていた。それなの
にわたしたちは、それに反旗を翻すどころか支持する方に「変え」られてしまったのだ。
米国人は男も女も熱狂し、命を捧げようと、はるか離れたサウジアラビアやイラクまで行っ
た。だがそれは、三〇〇人委員会の大きな資産であるブリティッシュペトロリアム(BP)を保護
するためだった。 BP には、イラクから盗んだものの返却を迫られる危険があり、そうさせない
ために、合衆国の軍事力がかき集められたのだった。
タヴィストックはブッシュに、つぎのシンプルな定式にしたがうようアドバイスした。それ
は、一九四一年にリースがアレン・ダレスに「利用するように」と伝えたことだった。ルーズベル
トが、第二次世界大戦に米国を引き込もうと準備中だったころのことだ。
①ターゲット国の士気はどうか。また、どうなりそうか(これは米国の士気にも当てはまる)
②ペルシャ湾での戦争やむなしという考えは、米国でどの程度受け入れられそうか
③ペルシャ湾での戦争に対する米国での反対を弱めるにはどのようなテクニックが利用できる
か
④イラク国民の士気を挫くには、どのような心理戦争 1 のテクニックが上手くいきそうか(ここ
でタヴィストックは手ひどい失敗をした)
ブッシュがサッチャーの戦争にかかわることになった時点で、タヴィストックは心理学者、世論
操作屋(ヒル・アンド・ノウルトンの恥知らずな嘘つきどもがリーダー)、タヴィストックのプロ
ファイラー多数からなるチームを編成した。ブッシュ大統領が対イラク戦争を推進する意図で
おこなった演説はすべて、タヴィストックに雇われた、あらゆる専門分野を網羅するチームのメ
ンバーが書いたものだった。
ジョージ・ブッシュ大統領の危険な冒険の陰で湾岸戦争がいかに宣伝され、いかに米国民が操
作されたかという極秘情報が、しばらくして連邦議会委員会に提出された。報告によれば、イラ
クをつぶす計画の初期段階では、ブッシュ政権は「大衆の支持は最高だ」とアドバイスされたと
いう。
第一にやるべきことは、米国民の心に、「イラクによるクウェート侵攻で脅かされているサウ
ジ油田を守る必要性はきわめて高い」という気持ちを確立することだった。そこで、サウジ油田
をどうこうする計画などイラクにはないことが始めから分かっていたにもかかわらず、国家安
全保障局(NSA)はニセの、誤った情報を流し、サウジ油田がイラクの究極のターゲットだと思わ
せた。
先の報告では、テレビでの放送時間の総量は「前例がない」ほどだったという。ブッシュ政権
は、早々と三大ネットワーク
(ABC,CBS,NBC)
の全面協力を取りつけた。一九九〇年の湾岸
戦争とその関連テーマの放送時間は、一九八九年に放送された他のテーマと比べても三倍以上
であり、戦争が始まってからは五倍以上になった。これには天安門事件も含まれている。
戦争報道の主役のひとつは CNN だった。 CNN はブッシュ政権と契約を結び、湾岸戦争を米
国の茶の間に二四時間態勢で送り込んだ。その結果、ペルシャ湾への兵員の派遣は米国民の約九
〇パーセントからの支持を受けた。
NSA のアドバイザーはブッシュ政権に、始めから湾岸戦争計画に沿って大衆を説得しなけれ
ばならない、と言った。決定事項は、ヒトラーとサダム・フセインは同じだというイメージを作る
こと、「サダム・フセインを止めなければならない」ということばを繰り返し使うこと、そして、イ
ラクの大統領がヒトラーのように振る舞っているという印象をあたえることだった。
ペルシャ湾での戦争の必要性を伝えるブッシュ政権の
ンド・ノウルトンがでっち上げた「保育器」
「技術」が頂点に達したのは、ヒル・ア
の話だ。クウェートの駐ワシントン大使の娘が上院
委員会に現れ、クウェートの病院でイラク兵が保育器から赤ん坊を次々と取り出して床に投げ
捨てた、と語った。もちろんこの女性は大使の娘という身分は明かさなかった。上院が、そして米
国中が、この大嘘を信じた。
ヒル・アンド・ノウルトンの大嘘の後、世論調査に答えた米国民の七七パーセントが、イラクに
対して米国の兵力を使用することを支持し、主な世論調査でもことごとく、ブッシュが憲法を踏
み外すのを認めた。回答者は、憲法に則った宣戦布告の何たるかが分かっていなかったし、それ
が義務であることも知らなかったからだ。国連が演じた役割もブッシュ政権の
「コミュニケー
ション技術」に加えられる、と先の報告にある。
わたしがこの情報を公にするのは、今度大統領がわたしたちを戦争に巻き込もうとしたときに、
米国人が同じょうに編されてしまわないことを願うからだ。あらゆる問題を検証し、巧みな「コ
ミュニケーション」に引きずられないようにするのだ。米国人はこれまでに五度、間違った方向
に引きずられて大きな戦争になった。どんな国でも、もう十分だ。
だから、ブッシュがあらかじめ準備されたシナリオからはずれるたびに、周囲は大あわてした。
たとえば、クウェートの大使讐「人質」になった米国人について語るとき、ブッシュはその本性
をあらわにしたが、同時にジョン・スヌーヌは、「少しずつ、少しずつ」というアプローチを取って
いた。
タヴィストックとその数多い関連機関がこの国を握っている現状で、何ができるだろう。米国
は、大統領や軍のトップに至るまで、すべてを握られている。先に述べたように、もっとも難しい
のは、幅広い米国人に現状を分かってもらうことだ。米国人と米国に起こっていることは、「過渡
期」によるものなどひとつもなく、すべては慎重に企てられた陰謀であり、わたしたち全員の未
来に対する真の脅威なのだ。「また何かの陰謀説」などではない。
国を目覚めさせることはできる。だがそれには、足並みを揃えた努力が草の根レベルで必要
だ。問題の解決は米国人を教育することにある。それも統一した行動で、だ。数百万の愛国者に、
隠れたコントローラーが何をしているのか、どのようにそれをしているのかを教えることが、何
をおいても必要だ。これを実現するには、今すぐ本質的な行動が必要だ。草の根運動を始めるだ
けの力と経済的手段のある指導的な市民は数多くいる。求められるのは第三の政党などではな
い。草の根運動で正しく教育し、足並み揃えて行動することが、喉元を押さえている邪悪な闇の
勢力から米国を奪い返す唯一の道だ
(少なくともわたしはそう思う)。力を合わせて草の根運
動を展開することで、建国の父が創ったアメリカを破壊することに全力を注いでいる外国勢力
=タヴィストック研究所の勢力の支配を振りほどき、米国を自由にすることが可能になる。
■ CIA 工作員が暴零した「使者の魂とのコンタクト」実験
人目を欺く名をもっこの忌まわしい組織についてのわたしの著作は、大地を揺るがすほどに
衝撃的だった。そのなかでわたしは、この組織がどのような活動をし、どのような目的をもって
いるのかを広範にあつかった。以下では一部改訂もおこない、このマインドコントロール組織が
いかに米国の政治システムに浸透しているがを語りたいと思う。
わたしがとりあげて米国人の注目を集めるまでは、この国でこの組織の名を耳にすることは
なかった。それ以来、数多くの人が自著のなかでタヴィストックという名を出すようになり、こ
れは喜ばしいことだ
(ただし情報源としてわたしの名は出ていないし、わたしの文章が出る以
前に彼らがタヴィストックということばを使ったことはなかった)。
タヴィストックは一九二一年、イギリスのサセックスで、イギリス王室によって設立された。
目的はマインドコントロールと、長時間心理的ストレスに曝されたときに人間の精神が崩壊す
るのはどの時点かを、科学的に確立することだった。さらに、一九三〇年代始めにロックフェラ
ー兄弟財団がタヴィストックに献金していたこと、タヴィストックのおもだった実践家の大半
がイルミナティや悪魔崇拝のカルトと密接に関わっていたという事実も、大切なことだ。
初心者には、科学者が悪魔崇拝やイルミナティに関わるという考え自体が信じ難いことだろう
が、わたしが見たところ、悪魔崇拝やイルミナティとの関わりは事実だ。最近ではこれがさらに
強まり、悪魔崇拝がマインドコントロールに不可欠の要要なっていることが、タヴィストック研
究所を調べていくにつれて分かってきた。事実一九三〇年には、イギリス下院がいわゆる「物理
的研究」に法的地位をあたえる法律を通過させている。
この「物理的研究」という用語はずいぶん唆味で、何のことか、という疑惑をもってしまう。だ
が、イギリスの MI6 でも CIA 情報部でも、形而上学とオカルトに関する訓練には、がならずイ
ルミナティと悪魔崇拝が含まれている。こういったものは、単に中世の詩魂いうだけではなく、
今日のこの世界でも、このうえない邪悪な影響力をもっている。さらにいえば、この二大情報機
関のトップ連中は、この二つのテーマについて訓練を受けている。上級工作員にこの二科目をえ
るためだ。
CIA 工作員を一四年間務めたヴィクター・マーケッティが、タヴィストックが製作した「物理
的研究」プログラムの存在を明らかにした。それによると CIA は、死んだ部員の魂とコンタクト
を取ろうとしているという。一九八四年の論文『形而上学、マインドコントロール、 ESP 、気象
操作』で述べたように、わたしはこの「形而上学」的分野を実際に経験している。情報部員はこれ
を植えつけられているのだが、タヴィストックはそれを「行動科学」とよんで、自分たちの妻な
専門分野と考えている。タヴィストックの ESP(超感覚的知覚)プログラムでは、「ボランティア」
の各人が ESP を「人格と結びつける」ということをやっている。つまり、タヴィストックがさか
んに実験を繰り返しているのは、なぜある人は ESP を開発できて、ある人はできないのか、とい
うことの答を見つけるためだ。 CIA も MI6 も、部員に ESP をもたせたがっているのだ。
わたしが直接こういったことにかかわっていたのはずいぶん以前のことだがら、知っていそ
うな立場の元同僚にきいてみた。すると、タヴィストックは確かにそういうテクニックを完成さ
せた、といわれた。その目的はもちろん、 CIA や M16 の部員全員に「完成された ESP 」を身につ
けさせることだ。ここで説明が必要なのだが、こういった高度な秘密を維持する必要から、 CIA
や方という場合もある。
タヴィストックの
「長期的浸透および内的条件づけ」プログラムを作ったのはクルト・レヴ
ィンで、まず第ーは、大集団を対象とした思考コントロールを実践するためのプログラムだ。こ
のプログラムが作られるようになった理由はこうだ。イギリス陸軍心理戦争局は第一次世界大
戦中に大規模な政治宣伝を展開し、イギリス人にドイツを本当に敵だと信じ込ませ、さらにはそ
のプログラムを拡張して、ルシタニア号の沈没をきっかけに米国を参戦させた。しかしそれは、
部分的な成功にすぎない、と結論づけられた。何か悪巧みがおこなわれている、と感じる米国人
があまりにも多く、そこでイギリス陸軍は一九二一年、タヴィストック人間関係研究所を王室の
勅令によって設立した。
タヴィストックが一九三〇年に作った
ズベルトは米国を第二次大戦に巻き込んだ
「長期的浸透と内方向的条件づけ」
によって、ルー
(ルーズベルト自身も高位のフリーメーソンであ
り、シシンシナティ・ソサエティほか八カ所以上のメイソン・ロッジを通じてのイルミナティで
もあった)。タヴィストックの発見は、ひとつ大きな出来事さえあれば、第二次大戦への参戦が国
益だと米国大衆に信じ込ませることができる、ということだった。タグィストックが仕組んでル
ーズベルトが忠実に登行したその「大きな出来事」とは、もちろん真珠湾だ。
考えの深い人がときおり質問してきたことはある。「だが、ヘイグ卿やチャーチルや、ルーズベル
トやブッシュといった指導者は、そんな戦争でどれほどの人の命が犠牲になるか分かっていた
のではないか」。答はこうだ。「イルミナティや悪魔崇拝者であるこういった『偉人』は、人の命
など気にもかけない」のだ。ヘイグ将軍はフリーメーソンにしてイルミナティかつ悪魔崇拝者と
して知られているが、平民のイギリス兵は大嫌いだ、と公言していた。難攻不落のドイツの防御
線につぎがらつぎと兵員を無意味に投入したことが、それを証明している。優れた戦略家なら絶
対にやらないことだ。血に飢えたヘイグのために、下層階級出身の若いイギリス兵数十万人が、
悲劇的で意味な死を遂げた。唯一の意味といえば、すでにとことん欺かれ、条件づけられていた
イギリス大衆が、ドイツへの憎悪をさらに暮らせたことだけだった。
一八九九⊥九〇二年のアングロ・ボーア戦争で何が起こったか見るがいい。貴族出身のキッチ
ナー将軍もまた、貧しいボーア人の大衆を憎悪し軽蔑していた。ボーア人はイギリスに何の害す
ることもしていなかった。だがそれにもかかわらずキッチナーは、家を守る女と子どもたちを焼
き討ちにした。夫や息子は国を守るために戦場で勇敢に戦っていたが、キッチナーは牛や馬を殺
し、家に火を放ち、収穫物を焼き、武張もたない女と子どもを強制収容所に追い込んだ。病気や飢
えで二万五〇〇〇人が死んだ。キッチナーはボーア人をこの世の果てまでも適い払い、国そのも
のを消し去りたかったのだ。キッチナリには、そんな悪魔の所行にも良心の珂責はなかった。良
心自体がなかった。彼は上位のフリーメーソンであり、高位のイルミミ、ナティであり、おまけに
悪魔崇拝者だった。
三〇〇人委員会の支配基盤はオカルティズムと
タヴィストック研究所では、秘密が何より
も大切だと教える。だからこそ彼らは、わたしのことをこれほどまでに憎むのだ。わたしが、厳重
に保護されているマニュアルを一部「取得」
し、彼らの活動をこうしてこの国で暴露している
からだ。わたしの真似をして本を書いている者は多いが、誰ひとりとして新しいことを書いてい
る者はいないし、彼らの本を見れば、コールマン以前には「タヴィストック」ということばすら見
つからない。
この最新版で書いていることは、その多くがいままで発表しなかったことだ。理由は当時、米
国の大衆はまだ準備ができていないと感じたからだ。赤ん坊にいきなり肉をあたえるわけには
いかない。まずミルクからだ。タヴィストックを紹介するときに、形而上学的秘密結社のマイン
ドコントロール・プログラムに触れなかったのも、そのためだ。いま、心を開いて指導を受け入れ
ようとしてくれている多くの人たちも、下手をすれば、ここに書いてある肉が消化しきれずに、
背を向けていたと思う。
数世紀にわたってイギリス寡頭支配グループは、多くのオカルティズムとマインドコントロ
ールを生み出してきた。ブルワー・リットンは『死者の書の秘密』
について語ったし、アニー・
ペザントの神智学協会の信奉者は、多くがイギリス上流階級の出身だ。これは、いまでも流行し
ている。
このタイプのオカルティズムにタヴィストック研究所は入り込んでいて、クルト・レヴィンと
その研究家チームの開発したマインドコントロール =心の条件づけにも、その一部が利用され
ている。
わたしは、論文のかたちでもオリジナルの文章を数多く書いているが、イギリス東インド会社が
元になって三〇〇人委員会となり、これが現在も世界を支配している。昔も今も、アヘンが連中
の商売道具だ。
この高度に組織化された複雑な構造のなかから、社会主義、マルクス主義、共産主義、国際社会
主義が育った。マインドコントロールに関する大規模な実験の数々は、ニューヨークのコールド
スプリングハーバーでおこなわれた。この人種優生学センターを主催していたのは E・E・ハリ
マン夫人で、当時のニューヨーク州知事エイヴリル・ハリマンの母親だ。ここからは、タヴィスト
ックのマインドコントロール・テクニックが数多く生まれている。ドイツの科学者もハリマン夫
人とそのグループから招待を受け、コールドスプリングハーバーで研究した。その後彼らはドイ
ツに帰り、ヒトラーの下で大規模な人種純化とマインドコントロールの実験をおこなった。この
ことも、あちらこちらの本で見かけるが、もう一度言っておく。これはわたしが初めて明らかに
したことだ。
ホワイトハウスさえ悪魔崇拝者に洗脳されている
タヴィストックのマインドコントロール・テクニックは、一貫して米国で利用されてきた。政
治の最高権力者のなかにもそういう者がいる。その始まりはルーズベルト大統領だった。ルーズ
ベルトは、マインドコントロール・プログラムの被験者となってタヴィストック・メソッドで訓
練された典型的な人物だ。政治家としてのキャリアを通じて常に平和を語りながら、その実は戦
争の計画を立てていた。ジェイムズ・アール・カーターと同じで、自分のしていることは国にとっ
て良いことだと真撃に信じていた。そこが、同じょうでもジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブ
ッシュと違うところだ。ブッシュは自分が悪をおこなっていると知っていながらその任務を楽
しみ、喜んでそれを実行した。ブッシュは人の命をまったく何とも思わなかった。典型的な悪魔
崇拝者だ。
カーターもオカルトと無縁ではない。姉妹のひとりはアメリカでも有数の魔女だ。カーターも
自分は
「生まれ変わったキリスト教徒」
だと心から信じていたが、その政治生活は、考えも行
動も、社会主義・共産主義の臭いでいっぱいだ。カーターはタヴィストックの製品であり、真性の
二重人格者だ。これは著名なコラムニスト、ヒュー・サイディが言ったことだ。ー九七九年七月に
サイディは書いている。「今、ホワイトハウスの閉め切ったドアのむこうで仕事をしているジミ
ー・カーターは、大統領職の最初の三〇日間にわたしたちが知るようになったジミー・カーター
ではない」
カーターをプログラムしたのは、タヴィストック研究所の卒業生ピーター・ボーン博士だ。さ
らにカーターには、これもタヴィストックの心理学者ハイマン・リックオーヴァー提督の息が、
アナポリス勤務時代にかかっている。カーターは、悪魔崇拝の訓練にぴったりだとしてロスチャ
イルド家からもすでに選ばれていた。
もうひとり、タヴィストックで洗脳された有名人といえば、ジョン・フォスター・ダレスだ。ダ
レスは一九四五年、国連に関する上院での公聴会で恥知らずの大嘘をついた。ダレスこそはアメ
リカ憲法についての
「説明」
で上院議員らの目をくらました人物だ。憲法のことなどほとん
ど何も知らないくせに、このワン・ワールド政府組織へのアメリカの加入は合憲だと、上院議員
を説得してしまったのだ。ダレスは悪魔崇拝者であり、イルミナティであり、フリーメーソンだ。
だからこそ、タヴィストックが手を加える絶好の素材となったのだ。
ジョージ・ブッシュもまた、タヴィストックのマインドコントロール・・システムで訓練を受け
た、保証書付の卒業生であり「製品」だ。この第三三位階メーソンのパナマとペルミシャ湾での行
動がそれを雄弁に語っている。パナマでは、ブッシュの指令を受けた米軍がパナマ市民七〇〇〇
人を殺し 、集団墓地へ埋めた。湾岸戦争では、ブッシュは米軍にあらゆる武器の使用を命じ、罪
もないバグダッドの大衆に雨あられと爆弾を投下し、女や子ども数千人を殺した。他にも、「砂漠
の嵐」作戦の司令官だったノーマン・シュワルツコフ将軍に残忍な命令を下し、数千人ものイラ
ク兵を生き埋めにさせた。彼らは二四時間体制の爆撃と砲撃を逃れ、とっくの昔に降伏していた
のだ。これはハーグ戦争規則と・,ジュネーヴ協定への重大な違反であり、イラク軍の.バグダッド
までの安全な退却で合意したソ連との降伏交渉条件をも踏みにじるものだった。
これほど徹底して残忍な出来事は、合衆国の歴史始まって以来だ。これは悪魔の所行であり、
私見だが、この血に飢えた行為だけから考えても、ジョージ・ブッシュは悪魔崇拝者である。また
おそらくはイルミナティだろう。それなら対イラク戦が
「成功」
に終わったとき、イギリス女
王エリザベス二世がブッシュを暖かく迎えたことも説明がつく。だがこの対イラク戦争は現在
も経済封鎖というかたちで進行中で、これまでだけでも、飢えと医薬品の不足から四万五〇〇〇
人もの幼児が死亡している。
合衆国の大統領がそんなことをするはずがない、そんなことは起こらなかった、と考えるだう
が。もしそうなら、ボーア戦争を見てみるがよい。ブッシュは、ボーア国家を消滅させるための戦
争でキッチナー卿がやったことを模倣したに過ぎない。ブッシュはイラク国家を世界の
「国」
のなかから消し去りたかったのだ。そしてその後継者であるクリントン大統領も何ら劣るとこ
ろなく、ブッシュのやり残したことをやり遂げようとしている。
こう考えてくると、ウェイコー[訳註-九三年、デイヴィッド・コレンュを教主とする武装主教
集団の本部で FBI 等と銃撃戦になった事件]も忘れるわけにはいかない。あの事件はブッシュ
の
見守るなかで始まり、ブッシュ政権が積極的に追求したものだった。後にはクリントンとレ
ノ司法
長官に引き継がれ、八七人もの男女と子どもが連邦政府の手先の手にかかって殺害
された。一般には知られていないことだが、ウェイコー事件はタヴィストックが計画し実行した
もので、タヴィストックの専門家はウェイコーの現場にいて、作戦が問題なく進行するのを眺め
ていた。最後にウェイコーが炎上したのは悪魔崇拝に典型的なことで、この狂ったような破壊活
動に参加した者の大半は、自分たちがまったく知らない力に利用されているということには何
ら気づいていなかった。
タヴィストックの政治宣伝による洗脳は新たな段階に入り、世論はデヴィディアン信者から
離れていった。ちょうど第一次大戦でドイツ軍がベルギーを占領したとき、ドイツ皇帝の兵士が
幼い子供たちの腕を切り落としたという話を聞いて、英米の大衆がドイツ人を憎悪するように
なったのと同じだ。デヴィディアン教会を題材に、タヴィストックは政治宣伝攻勢をかけた。わ
く、彼らは子どもを虐待している。いわく、デイヴィッド・コレシュは幼児セックスをしている。
いわく、デヴィディアン教会の施設にはアンフェタミンの実験室がある--(この
「施設」という
のもタヴィストックらしい、もったいぶった用語だ)。タヴィストックのウェイコー作戦に進ん
で参加した FBI には、第三二位階のメーソンやイルミナティがあふれ、さらにこれは証明でき
ないが、相当数の悪魔崇拝者がいたこともほぼ間違いない。
■クリントンの愛人スキャンダルを処理したタヴィストックの情報操作
クリントンが銃、ガス、火を使用してのデヴィディアン信者皆殺しにゴーサインを出したこと
も、驚くにはあたらない。クリントンはパメラ・バリマンを通じてタヴィストックに紹介され、オ
ックスフォード大学時代にマインドコントロールの洗脳を受けた。ついでビルダーバーガーズ
で社会主義、マルクス主義、共産主義を注入され、その後タヴィストック研究所によって、利用価
値の薄れてきたブッシュの後釜候補に仕立て上げられた。タヴィストックは世論調査を積極的
に利用してメディアを大々的に動かし、クリントンを米国大衆の心に植えつけた。
CBS テレビによるクリントンのインタヴューを仕組んであやつったのもタヴィストックだ
った。
ジェニファー・フラワーが一二年間クリントンの愛人だったことを暴露したのを受け、タヴィス
トックは、メディアのコントロールを通じて米国の世論を処理したのだ。こうしてクリントンの
大統領としての地位は守られた。だが、もしタヴィストックのコントロールがなかったら、間違
いなく
不名誉な辞職を強要されていたはずだ。証拠がほしければ、こんな比較をしてみればいい。クリ
ントンはこの大スキャンダルを逃れ、デーリー・バートはほんのちょっとした
「女性問題」
で
一九八八年の民主党大統領候補レースから脱落した。バー-が、タヴィストックによるマインド
コントロールの被験者ではなかったからだ。
ホワイトハウスの弁護士で最初にタヴィストック研究所で訓練を受けたのは、マーク・ファピ
アー二だった。誰が見ても「クリントンは沈む」という状況を巧みに捌いたこの男の手腕は、巷の
評判となった。もちろん、イルミナティおよびフリーメーソンリー位階組織の中枢にいるー三人
を除いては、ファピアー二の秘密を知る者はなかった。ファピアー二を引き継いだラニー・デイ
ヴィスは、さらに大きな成功を収めた。こじつけ・曲解の名手で「ドクター・スピン」
るデイ
の異名をと
ヴィスは、ウォルシュ判事とケネス・スターという特別検察官ふたりを出し抜き、裏
をかき、共和党を混乱に陥れた。
デイヴィスがここぞとばかりに腕の冴えを見せたのは、トンプソン委員会が始まるときだっ
た。
同委員会は、民主党全国委員会への資金提供と、その前後にあった数々のアーカンソー時
代のクリントンのスキャンダルを調査していたが、これをクリントンはすべてきれいに乗り切
ったのだ。ここでタヴィストックは、デイヴィスに命令して国じゅうの新聞を集めさせた。デイ
ヴィスは資金集めのスキャンダルとクリントンのホワイトウォーター疑惑に関する過去の記事
をすべてまとめ、公聴会が本格化するという日、アシスタントを使って満員の公聴会室をまわら
せ、部屋にいる重要人物全員に、ある包みを配らせた。
包みの中にはデイヴィスが集めた資料が入っており、メモがつけられていた
「委員会は真筆
な調査をおこない、納税者からの数百万ドルを費やしていますが、すべて『昔のニュース』です」。
タヴィストックは、ただ「何を調査することがある。すべて新聞に書いてある。なかには何カ月も
前のものもあるじゃないが」と言うだけで、公聴会の刺を抜いてしまったのだ。あれでトンプソ
ン委員会は骨抜きになった。もう元へは戻らないだろう。委員長のトンプソンは、あっさり委員
会を解散してしまうかもしれない。
他にタグィストックがアメリカで大成功を収めている活動分野といえば、噂に始まる誤情報
を流すことで、これはやがて右翼の間で野火のように広がっていく。米国の保守派は、噂や誤情
報の種を播くには恰好の肥えた土地だ。わたしもほとんど毎日のように、あらゆる種頬のくだら
ない噂の確認を求められる。なかには、まさかこんな人がこんな内容を広めるのに関わっている
のか、というようなものもある。この校滑な戦略には二重の効果がある。
①話にうわべだけでも信悪性がでて、保守派に根づく
②最終的に話が信用できないとなったときには、その誤情報を仕入れてきた人物の名に泥を塗
ることになり、安心してその人物を「変人」「偏執狂寸前」「過激派」呼ばわりすることができる(あ
るいはもっとひどいことばも)こんど噂を耳にしたときは、別の人に話す前にじっくり、しっか
り考えてみることだ。きわどい噂ほど人に話したくなる、ということを覚えておくことだ。知ら
ないうちに、タヴィストックの見えない政治宣伝機構の一部になってしまうかも知れない。ま
た、リンカーン、ガーフィールド、マッキンリー、ケネディの暗殺も、すべてイギリス情報部 M Ⅰ
6 を通じて(一九二三年以降はタヴィストック研究所を通じて)つながっているということも、
忘れないでおこう。このなかでもっとも非道なものは、ジョン・F・ケネディの暗殺だ。ケネディ
は、タヴィストックがマインドコントロールしようとしても上手くいかないことが分かり、 MI6
のメンバーによる公開処刑計画が選択された。
忘れてならないのは、タヴィストックの所長であるジョン・ローリングス・リース少佐と、イギ
リス王室を通じての MI6 とのつながりが、これ以 1 はないというほど強かったことだ MI6 は
イギリス王室に奉仕している)。わたしはこれまでにも、 M16 がケネディ大統領殺害を計画・実
行した経緯を詳細に説明してきた。ケネディは、将来の米国大統領がタヴィストックのマインド
コン
トロール・プログラムによる支配を振り切ろうとしないよう、見せしめにされたのだ。
ケネディの公開処刑をすべて見せたのは、米国大衆へのメッセージでもあったのだが、これは今
でもまだ気づかれていないかもしれない。タヴィストック研究所は、サー・ウィリアム・スティ
ー
ヴシソンとルイス.モーティマー・ブルームフィールドに詳細を示し、さらになおかつ参画
者の一人ひとり
-
明らかにマインドコントロールされていたリー・ハーヴェイ・オズワルド
から、マインドコントロールがいちばん目立たないリンドン・ジョンソンまで
-
を慎重に選
択した。同調しない者や、真実を曝して米国民の注意を喚起しょうとした者は殺されたり、汚名
を着せられて公職から追われるなど、さまざまな処罰を受けた。
■--音楽、エンターテインメント企業はインディーズまでが握られている
マインドコントロールによるさまざまな大規模集団の「洗脳」がはっきり分かるということで
は、アメリカ広しといえども音楽・エンターテインメント業界をおいてない。編されている初心
者のなかには、今でも、わたしの暴露したこと
タヴィストック研究所
-
-
「ビートルズ」というグループを作ったのは
に疑問を抱いている人もいる。そういう人は、きっと、いわゆる「ラ
ップ」音楽もタヴィストックのプログラムだと言うのか、と質問もしてくると思う。ラップのこ
とば
(とても詞とはいえない)は無意味でぱかげているように思えるかも知れないが、こうい
ったことばは実はタヴィストックの専門家が慎重に組み立てているもので、米国の都市でのギ
ャング戦争には不可欠の要素だ。
この「音楽」や、ほかにもいわゆるロック、ポップスといった「音楽」を届けてくるのは、おも
にワーナー、ソニー、ベルテルスマン、 EMI 、キャピタルグループ
(シーグラム・カナダ)、フィ
リップス・エレクトロニック、そしてインディーズだ。
タイム-ワーナー-‥・年間売上二三七億ドル(一九九六年)。音楽出版のビジネスでは子会社のワ
ーナー/チャペルを通じ、マドンナ、マイケル・ジャクソンを含む一〇〇万曲を所有。シートミュ
ージックも印刷・発行。「ラップ」「ポップ」レーぺルでカバーしているレコードは、ワーナー/RE
M を通じて、アンフェタミン・レプタイル、アサイラム・サイア、ライノ、メイヴェリック、レヴ
ォリューション、ルカ・ボップ、ビッグ・ヘッド・トッド、モンスターズなど。オルタナティヴ・
ディストリビューション・アライアンスからはオルタナティヴ音楽も配給していて、ヨーロッパ
の大半を押さえており、とりわけイギリスとドイツで強い。ワーナーが所有している曲の中に
は、暴力、セックス、アナーキズム、悪魔崇拝などに関連する「詞」が無意識下に織り込まれた(あ
けすけなものもある)曲もあり、米国や西ヨーロッパの若者のあいだには追随する者も多く、非
常に危険だ。
タイム=ワーナーはミューシッククラブを通じての配給もおこなっており、ソニーとともに、
コロンビアハウスの五〇パーセントを所有している。製造部門では、 WEA が CD-ROM,オーデ
ィオテープ、ビデオテープ、レコード、 DVD などを作っている。子会社のアイヴィ・ヒルは CD
のカバーやインサートを印刷している。アメリカンファミリーエンタープライズは、ハートラン
ドミュージック株の五〇パーセントを所有して、音楽、本、雑誌の市場に進出している。
タイム=ワーナー・モーション・ピクチャーズのスタジオおよび製作会社には、ワーナーブラ
ザーズ、キャッスルロックエンターテインメント、ニューラインシネマなどがあり、 MGM 、
RKO 、クラシック.ワーナーブラザーズの映画六〇〇〇本の権利を所有している。所有する映画
館はアメリカで四六七館、ヨーロッパで四六四館。タイム =ワーナー・ブロードキャスティング
には WB ネットワーク、プライムスター、衛星テレビでシネマックス、コメディ、セントラル、コ
ート TV 、セガチャンネル、ターナークラシックムービーズ(テッド・ターナーはタイム=ワーナ t
の株一〇パーセントを保有)があり、中国、日本、ニュージーランド、フランス、ハンガ-t で放送し
ている。ケーブルフランチャイズの視聴者は一二三〇万人。
テレビの製作・配給では、ワーナーブラザーズ・テレビジョン、ワーナーブラザーズ・テレビジ
ョン・アニメーション、テレピクチャープロダクション、キャッスルロック・テレビジョン、ニュ
ーライン・テレビジョン、 HBO インディペンデント・プロダクションズ、シタデルエンターテイ
ンメント、ハナ・バーミミバラ・カートゥーンズ、ワールド・チャンピオンシップ、レスリング、タ
ーナー・オリジナル・プロダクションズ、タイム-ワーナー・スポーツ、ターナー・ラーニング、ワ
ーナー.ホームビデオがある。ライブラリーにはテレビ番組二万八五〇〇タイトルと、短編アニ
メ一五〇〇タイトルが保管されている。
タイム〓ワーナーは、テッド・ターナーから買った CNN ラジオも所有している。他に、アウト
レット一六一店舗、ワーナーブックス、リトル、ブラウン、サンセットブックス、オクスムアハウ
ス、ブック・オブ・ザ・マンス・クラブも所有している。
雑誌では、『ピープル』
『スポーツイラストレイテッド』
『タイム』
『フォーチュン』
『ライフ』
『マネー』『エンターテインメント・ウィーク-ー』『プログレッシヴ・ファーマー』『サザン・ア
クセンツ』『ペアレンティング』『ベルス』『ヒポクラテス』『アジアウィーク』『ウェイトウォ
ッチャー』『MAD マガジン』『DC コミックス』『アメリカンエクスプレストラベル・アンド・レ
ジャー・アント.フード・アンド・ワイン』がある。
ミシックス・フラッグズ、ワーナーブラザーズ・ムリピーワールド、シーワールド・オーストラリ
アなど、テーマパークも所有している。
ソニー‥‥一九九七年年間売 1 は推定で四五七億ドル。日本にある、世界最大のエレクトロニク
ス企業。音楽部門はロック、ラップ、ポップをあつかい、コロンビア、ラットハウス、レガシーレコ
ーディングズを傘下におく。他にソニー・インディペンダント・レーべルとして M ミュージック
(マイケル・ジャクソン)、ソニーミューシック・ナッシュヴィルとコロンビア・ナッシュヴィルが
ある。ロック、ポップ、ラップで所有するレーベルは、ブルース・スプリングスティーン、ソーソ
ーデフ、スラム・ジャズ、ボーン・サッグズ・イン・ハーモニーー、レイジ・アゲンスト・ザ・マシ
ーン、レーザーシャープ、ゴーストフェイス・キラー、クレイヴ、ルースレス・リラティヴィティ
など。ラップがなぜあれほど速く大きくなったのかと考えたことがあるなら、これで分かったと
思う。ラップは、無政府状態にまで人びとを導く便利な乗り物なのだ。
ソニーが配給するバンク系オルタナティヴ・ロックのレーベルには、エビタフ・レコード、ヘル
キャット、ランシッド、クランク・ポッサム・レコード、さらにブルー・スティング・レイのエビ
トーン・サーフミューシックがある。ソニー ATV ミュージック・パブリシングから譜面も出し
ていて、マイケル・ジャクソンの全曲と、ビートルズの曲大半を所有している。音楽 CD 、光ディ
スク、オーディオテープ、ビデオテープも製造している。
映画部門では、コロンビア・ピクチャーズ、トライスター・ピクチャーズ、ソニー・ピクチャ
ー・グラシクス、トライアンフ・フィルムズがあり、コロンビア〓トライスター・ホームムービー
ズの権利ももっている。ロウズ・シアター、ソニー・シアターもあり、テレビ収入ではネットワー
クのゲーム番組がある。ソニーは、音楽売上で市場の約一五パーセントを占める、最大の国際音
楽企業だ。
ベルテルスマン AG ‥-・ラインバルト・モーンが所有するドイツ企業。一九九六年の売上はー七
億ドル。世界四〇カ国で二〇〇の音楽レーベルを所有し、ホイットニー・ヒューストンを含むラ
ップ、ポップ、ロックには、グレトフル・デッド、ミミバッドボーイズ
(麻薬)、ヴォルケーノ・エ
ンターテインメント、グローバル・ソウルなどがある。カントリー・アンド・ウェスタンでは、アリ
スタ・ナッミシュヴィル
ループ、 BNA
(パム・ティルズ)、キャリア
(ロリー・モーガン)
(-オロイ・パーネル)、 RCA レーベルグ
がある。ほかにも、スターウォーズのサウンドトラックや、
ボストン・ポップスオーケストラ、ニューエイジ・ウィンダムヒルなどがある。さらに、ダンシン
グキャツ-、アディクト、ジーストリート
(ジャングル・ブラザーズ)
など、非常に幅の広いラ
ップレーベルを配給している。
BMG ミュージックから、音符も出版していて、ピーチボーイズ、 B,B・キング、バリー・マニロ
ウなど七〇万曲の権利を押さえている。この中にはフェイマス・ミュージック・オブ・パラ
マウント・ピクチャーズの一〇万曲も含まれている。米国とカナダで七つのミューシッククラブ
をもち、 MBNA バンクと提携してクレジットカードも発行している。
ベルテルスマンは巨大な書籍ピジスを世界で展開している。ダブルデイ、デル・パブリシャー
リテラリー・ギルドを所有し、全世界で二五〇〇万人の会員を数えている。雑誌ビジネスでは、
『マッコールズ』
『ファミリー・T クル』
『ペアレント・アンド・チャイルド』
『フィットネス』
『ア
メ-カン・ホーム・アンド・ガーデニング』ほか、フランス、スペイン、イギリス、イタリア、ハンガ
リー、ポーランドで三八誌を所有している。テレビ、衛星テレビもあり、ヨーロッパ最大の放送局
となっている。
EM--イギリスに本拠をおく企業で、一九九六年の空は五四億ル。四六カ国で六〇以上のレ
ーベルを所有し、ロック、ポップ-、ラップでは、ピースティーボーイズ、クリサリス、グランド・
ロイヤル、パーラフォーン、ヴァージン、ポイントブランクなどで、傘下の「アーチスト」には、
ローリングストーンズ、スマッシング・パンプキンズ、ダック・ダウン、ノー・リミット、 NOO
トライブ、ラップ・アロット(ゲットー・ボーイズ)などがいる。音符出版は巨大で、七カ国に二
三店舗をもっている。これには米国の HMV 、ディロンズ、ニューョークのヴァージンといった
大店舗が含まれ、イギリスとヨーロッパにはテレビ局のネットワークももっている。一部はベル
チルスマン AG と提携している。
キャピタルグループ--・ロサンゼルスの投資グループで、カナダの酒造会社シーグラムが株の三
五パーセントを保有している。一九九六年の売 1 は…二億ドル。シーグラムは音楽エンターテイ
ンメントのビジネスには、八〇パーセントを所有するユニヴァーサル・ミュージッグ・グループ
を通じて参入している。ユニヴァーサル・ミュージック・グループは前名を MCA といい、松下電
器産業の傘下だった(ユニヴァーサルの一九九六年売上は六億ドル)。
シーグラムのロック、ポップ、ラップレーベルには、インパクト、メカニック、ゼブラ、レイデ
ィォアクティヴ・レコード、フォート・アパッチ・レコード、ヘヴィ D 、ボーイズがあり、スティ
ーヴン・スピルバーグ、ジェフリー・カッツェンベルク、デイヴィッド・ゲフェンらとジョイント
ベンチャーをおこなっている。カントリー・アンド・ウェスタンでは、リーバ・マッキンタイア、
ゥィノーナ、ジョージ・ストレイト、ドリー・パートン、-ー〓アン・ライムズ、バンク・ウィリ
アムズがいる。
シーグラムは、 McA ミュージック・パブリシングを通じて一五万曲の版権を所有し、コンサ
ートホールではフィドラーズ・グリーン(デンバー)、プロサム・ミュージック・センター(クリー
ヴランド)、ゴージ・アンフィ、シアター(ワシントン州)、スタープレックス(ダラス)、その他アト
ランタに一カ所、トロントに一カ所と提携している。映画部門では、デミ・ムーア、ダニー.デピー
ト、ペニー・マーシャルがいて、ユニヴァーサル・フィルム・ライブラリーを所有している。他に
小売店五〇〇と、ハリウッドのユニヴァーサルスタジオおよびホテル施設も所有している。
インディーズ--・このビジネスでは小規模で、年間売上は四二億ドル。国際的な会社で、ロックラ
ップ、ポップレーぺルでは、新奇なものを押さえている。カントリー・アンド・ウェスタンではウ
ィリー.ネルソンがいる。配給は他の「ビッグシックス」を通じておこない、自前の販路はもって
いないが、それでも一九九六年には、米国の音楽売上の二二パーセントという驚異的な数字をあ
げている。
フィリップス,エレクトロニクス --オランダ企業で一九九六年の売り上げは一五八億ドル。電気
器具が中心だが、ポリグラム・ミューシックの約七五パーセントを所有することで、「ビッグシッ
クス」の一員となっている。押えているレーベルはロック、ポップ、ラップの分野で、エルトン・ジ
ョンも資産のひとりだ。音楽出版では第二位の大手で、三七万五〇〇〇曲の版権をもっている。
ヨーロッパとイギリスの子会社を通じ、九八年は CD 五億四〇〇〇万枚、 VHS テープ七〇〇万
本を製造した。映画部門では、ジョディ・フォスターがいる。テレビは衛星の分野で、サンダンス・
キッド(ロバート・レッドフォード)とプロパガンダ・フィルムを押さえている。
これを見れば、いくらかでも分かるだろう。タヴィストックは「ニュース」「音楽」「テレビ」「エ
ンターテインメント」
のビジネスをがっちりと押さえ、米国でわたしたちが見聞きするものを
コントロールしているのだ。これでもまだ米国は「自由な国」だと信じるなら、あなたは何も聞い
ていなかったことになる。これらすべての裏には、タヴィストック研究所が作ったプログラムが
ある。
米国人が前後隙間なく列をなして未知の
ー
強力な、すべてを覆ってしまう力へ向かうよう
にしているのだ。その狙い、その目的は、米国をワン・ワールド政府〓新世界秩序へと導入するこ
とだ。
騒いだり、手間をかけたりすることなしに。
「ラップ」や「カントリー・アンド・ウェスタン」がこういったグループにコントロールされてい
るようすをみれば、誰しも驚くはずだ。そして、わたしたち全員にとっての大きな警鐘のきっか
けになるはずだ
(いや、おそらく、そうはならないだろう)。子どもたちや若い世代は、この無政
府主義的で革命的な「めし」
を詰め込まれているのだ。そうでなければ、マイケル・ジャクソン
のようなくだらないラップやロックの
「スター」
の名が、世界中の家庭で聞かれるはずがな
い。タヴィストックが作った宣伝が大量に雨あられと降りそそいだから、という以外にあり得な
い。米国人は常にタヴィストック研究所によってイギリスからコントロールされてきている。だ
が、ほんのひと握りの人しか、何が起こっているのかという秘密を知らずにいるのだ。
タヴィストック・プログラムの
「公然たる秘密」
「音楽」と
「エンターテインメント」
の分野があまりにも
であるため、わたしのこの文章も、「まったくの真実であり真実以外の何もの
でもない」ものとしては、受け入れられないだろう。少なくとも、二〇一〇年まではだめだ。何と
いっても、わたしの
「ローマクラブ」
は二六年もかかって、やっと確認されたのだから。しか
も、確認してくれたのは、外交問題評議会会長アレクサンダー・キングだったのだ。
ローマクラブの命令でクレジットの流れは商品の生産や農業生産から商品を作らない、投機的
投資という形へシフトしてしまった。
1
金融面の流れや雇用が組成変化したことと合わせて、
これが周期的な大不況の原因であり
現在の米国の経済システムの内部には、長期的なインフレの
動きができてしまっている。
経済学上の事実を並べ立てるっもりではなかったのだが、時には、こういうことに注意を向けて
もらうことも必要だろう。わたしが言いたいのは、今日の米国では邪悪な力が働いているという
こ
とだ。それが社会主義という名であること、そして、ローマクラブが独自に活動し、アメ-カ合衆
国の破壊に専念している団体であることは分かってもらえただろう。ローマクラブは新世界秩
序の
導入に専念している団体であり、その新世界秩序の↑では、いわゆる特権的少数者、すなわち三
〇
〇人委員会が支配する。わたしたちの運命が決定されてしまうことはまちがいない。それを防ぐ
に
は、正しい意志をもった人間をかき集め、現在の政府に政策の変更を迫ることだ。
それには大掃除が必要だ。三〇年も掃除をしなかったといわれるアウディアスの牛舎をきれ
いに
するように、ローマクラブのような秘密組織などなくしてしまい、もう二度と、この偉大な国の
進
路と未来に命令を下すことができないようにしてしまうのだ。そうしない限りわたしたちは、ワ
ン.ワールド政府=新世界秩序の奴隷制に向かっていくしかない。