がんリスクスクリーニング(AICS)解説書

医療従事者向け
がんリスクスクリーニング
(AICS)解説書
監修:岡本直幸(神奈川県立がんセンター臨床研究所)
目 次
「アミノインデックス技術」…………………………………………………………………………………………… 1
生体内のアミノ酸 ……………………………………………………………………………………………………… 1
アミノ酸は代謝マップの「ハブ」……………………………………………………………………………………… 1
「アミノインデックス技術」
…………………………………………………………………………………………… 2
…………………………………………………………………… 3
AminoIndex® Cancer Screening(AICS)
AICS の解析対象となるがん種について… ……………………………………………………………………… 4
AICS 値… ………………………………………………………………………………………………………………… 5
AICS 検査結果の分布… ………………………………………………………………………………………………10
AICS の各種がんに対する感度と特長………………………………………………………………………………11
… ………………………………………………………………………………………………………………13
AICS(胃)
1. ステージⅠ期、Ⅱ期の胃がんに対する高い感度… ………………………………………………………………13
2. ペプシノゲン検査よりも「ランク B またはランク C」判定で高い感度… ……………………………………14
3. ペプシノゲン検査よりも「ランク C」判定で萎縮性胃炎に対する低い陽性率…………………………………15
4. ペプシノゲン検査で検出が難しい組織型(低分化腺癌、印環細胞癌)でも
同等または高い感度… ………………………………………………………………………………………………16
… ………………………………………………………………………………………………………………17
AICS(肺)
1. ステージⅠ期、Ⅱ期の肺がんに対する高い感度… ………………………………………………………………17
2. 幅広い組織型の肺がんで同等の感度… ……………………………………………………………………………18
………………………………………………………………………………………………………………19
AICS(大腸)
1. ステージ 0 期、Ⅰ期、Ⅱ期の大腸がんに対する高い感度… ……………………………………………………19
2. 大腸ポリープに対する低い陽性率… ………………………………………………………………………………20
……………………………………………………………………………………………………………21
AICS(前立腺)
1. ステージ B 期の前立腺がんに対する高い感度… …………………………………………………………………21
2. PSA グレーゾーン
(4−10ng/mL)
の前立腺がん患者に対する高い感度…… ……………………………………22
………………………………………………………………………………………………………………23
AICS(乳腺)
1. ステージ 0 期、Ⅰ期、Ⅱ期の乳がんに対する高い感度…………………………………………………………… 23
AICS ( 子宮・卵巣 )… …………………………………………………………………………………………………24
1. 子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんのいずれかに罹患しているがんリスクを評価可能………………………24
2. ステージⅠ期、Ⅱ期の子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんに対する高い感度…………………………………26
3. 子宮頸がんの腺癌でも同等または高い感度、
および、幅広い組織型の子宮体がん、卵巣がんで同等の感度… ………………………………………………29
AICS の陽性率……………………………………………………………………………………………………………32
男女別にみた各がん種での AICS 陽性率………………………………………………………………………………32
各種疾患での AICS の陽性率……………………………………………………………………………………………33
AICS 受診結果についての留意点……………………………………………………………………………………35
AICS 検査上の注意事項… ……………………………………………………………………………………………35
検査要項… …………………………………………………………………………………………………………………36
AICS 検体処理方法… …………………………………………………………………………………………………37
参考文献… …………………………………………………………………………………………………………………38
「アミノインデックス技術」
生体内のアミノ酸
人の身体は約 20%、つまり体重が50kg の人なら約 10kg がアミノ酸でできており、そ
のほとんどがタンパク質として存在しています。人は1 日におおよそ70g のタンパク質を
食物として摂取し、消化吸収されて遊離アミノ酸となります。身体の中の遊離アミノ酸は
「アミノ酸プール」と呼ばれ、細胞内に45g、細胞間に5g、血漿中に1g あり、それを材料
にしてタンパク質が1 日に約 180g 合成されます。そして、その同量がアミノ酸に分解され
て「アミノ酸プール」に戻り、さらに尿や便に排泄されます。つまり2 〜 3 ヶ月程度で身体の
タンパク質が置き換わるという速さで代謝が行われていることになります。
血漿中の遊離アミノ酸も「アミノ酸プール」の一部ですが、その濃度はかなり正確に制
御されています。しかしながら、その制御も癌、肝不全、腎不全、糖尿病、精神疾患など
の様々な疾患において破綻をきたし、血漿中のアミノ酸バランスが大きく崩れてしまうこ
とはこれまで多くの論文で報告されてきています。
アミノ酸代謝が活発な臓器は、筋肉、肝臓、脳、腎臓、小腸などです。このような各臓
器でのアミノ酸代謝によって起きているアミノ酸の増減が結果として血漿中での濃度に反
映するため、各臓器で起こっている代謝バランスの変化が血漿中のアミノ酸バランスの変
化を引き起こしています。
アミノ酸は代謝マップの「ハブ」
代謝マップはこれまでの多くの研究成果を集積しており、代謝を考える上で大変有用な
ものですが、残念ながらそれは「地図」であるためにその地図の上を流れている代謝物の
量、つまり「交通量」については何も語ってくれません。最近、メタボロミクスという代
謝物を網羅的に測定して疾患の状態を解析する技術が大きく進展し、その「交通量」につ
いての情報が加速度的に増加しています。しかしながら、メタボロミクスは数千もある代
謝物を網羅的に測定するために大きなコストがかかり、また考慮すべき変数が多過ぎて多
変量解析法にもまだ限界があります。一方で、タンパク質を網羅的に解析するプロテオミ
1
クスは測定するタンパク質の生体内濃度が極めて低いために、測定が困難で定量精度にも
問題があることが検査法としての実用面での課題として指摘されています。
「アミノインデックス技術」はアミノ酸という代謝物のごく一部だけを使って疾患など
の状態を知ろうというアプローチですが、それが可能であるのはアミノ酸が代謝マップ上
で「ハブ」という位置にあるからです。
「ハブ」というのは多くのネットワークが集中し
ている場所のことで、東京駅や羽田空港の様な場所をイメージしていただければ分かりや
すいかと思います。
「ハブ」での交通量を計測しますと、全体のネットワークでの交通量
の概略が把握できます。それと同じように、アミノ酸を測ることによって、その他の代謝
物を含む代謝マップ全体の交通量を予測することができると考えられています。
「アミノインデックス技術」
アミノ酸は20 種類あるためにその濃度パターンと健康状態を結びつけて理解するには
経験と知識が必要になります。そこで、
アミノ酸濃度パターンの理解を簡単にするために、
アミノ酸を変数とした多変量解析を用いて健康状態をスコア化する「アミノインデックス
技術」を開発しました 1)2)3)4)。
複数のアミノ酸濃度を変数とした多変量解析によって、より明確に健康状態や疾患を判
別できることが臨床データでも明らかになってきています。具体的には、疾患によって変
化するアミノ酸の中から判別に有用なものを選択し、それらのアミノ酸濃度を変数とした
統計モデルで解析しています。
「アミノインデックス技術」の特長として、従来の血液生化学検査と同様に採血をする
だけで測定が可能です。また、1回の測定で得られたアミノ酸濃度値を、種々の統計モデ
ルを用いることで、様々な疾患の検査が可能になります。
2
1
「アミノインデックス技術」
2
1
2
① アミノ酸変数の選択
② 多変量解析によるインデックス式の導出
インデックス式 = F(A,B,C)
2
F (A , B , C )
1
アミノ酸 A
アミノ酸 B
アミノ酸 C
個々のアミノ酸濃度
1群
2群
AminoIndex® Cancer Screening(AICS)
AminoIndex® Cancer Screening (AICS)
血漿中のアミノ酸濃度バランスは健常者と比較してがん患者において、代謝の変化など
eFž¬ Á ½ sG2¾Â Å µ Ÿ/\š Br‘ ˜ «5\ ‹ˆ˜ ‚ pžœ ›
様々な要因によって変動することが報告されています 5)6)7)。そこで、アミノ酸代謝研究と
@„œ i ¤ — ˜ ’§  š  ¨˜ ˆ ’ 5)6)7)ƒ ”  ™ ‚ ¬ Á ½ spRUš
バイオインフォマティクス技術を組み合わせた「アミノインデックス技術」を、がん領域に
¾® °® Å ¿ ¯ À ¹ ­ ² µ 8gª W¡©“– … ¬ Á ½ ® Å º¸ ² µ 8g† ª ‚ «{
応用するために臨床研究が行われ 8)9)10)、下図の AICS の導出フローに示すように、胃がん、
3H’§ – ¢c0RUf©¨ 8)9)10)‚ ž AICS ž(¿ Ä ÇS’¤ ‰ ‚ ^
肺がん、大腸がん、前立腺がん、乳がん 9)、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん 10)のがん
«‚ ]«‚ a«‚ Vb«‚ « 9)‚ !$|«‚ !$«‚ -« 10)ž
患者の血漿検体と健常者としての人間ドック受診者の血漿検体を比較し、がんリスクス
«5\žeF?š /\š ‘ ˜ žv» ¸ ² m\žeF?ª Br‘ ‚ «Ã µ ²
クリーニングを目的とした AminoIndexCancer Screening(AICS)が開発されました。
µ² à ǼŠ³ª ONš ‘ – AminoIndex® Cancer Screening (AICS)uM ¨ ‘ –ƒ AICS
AICS は統計専門家の評価のもと、AICS 値の導出と検証を行っております。
ŸXk't%žož£ š ‚ AICS ž(š ?nª f— ˜‹¦ ’ƒ
AICS はこれまでの腫瘍マーカーとは異なり、複数のがんそれぞれに対するがんリスク
AICS Ÿ ¨ ™ ž`KÀ DZ ǚ ŸIœ ¦ ‚ h:ž«” ¨•¨&’§ «Ã µ ²
を一度に判定することが可能であり、またステージⅡ期(もしくは B 期)までのがんも対象
ª 2#’§  š _™ ‡¦ ‚ – µ ¹ Ç´ €=(£ ‘ Ž Ÿ B =) ™ ž«£ &q
にしていることから、リスクスクリーニングマーカーとして有用性が高いと考えられます。
‘ ˜ˆ§  š Œ¥ ‚ à µ² µ² à ǼŠ³ÀDZ ǚ ‘ ˜<H4~ˆš [Š¥ ¨ ’ƒ
改変
AminoIndex® Cancer Screening(AICS)
の導出フロー 9)10 )
AminoIndex® Cancer Screening (AICS) ž(¿ Ä Ç 9)10)
9
AICS(!$Æ -)Ÿ‚ !$|«‚ !$«‚ -«ª &qš ‘ ˜j>ª fˆ ‘ –ƒ
c0RU;lŸžš ‹¦ ™’ƒ
臨床研究施設は以下のとおりです。
T ,PV«¶ Å · ǂ +*"Jy‚ w1V7J¶ Å · ǂ Z}PV«¶ Å ·
神奈川県立がんセンター、岡山大学病院、大阪府立成人病センター、群馬県立がんセンター、
ǂ dP«¶ Å · ǂ z+PVz+«¶ Å · ǂ AD.V"x).CYL¶
Å · ǂ AD.V.CJy‚ ADEJy‚ AD.V"x)Jy‚ 6QP«¶ Å ·
千葉県がんセンター、静岡県立静岡がんセンター、横浜市立大学附属市民総合医療センター、
横浜市立市民病院、横浜南共済病院、横浜市立大学附属病院、愛知県がんセンター中央病院、
3
慶應義塾大学病院、三井記念病院総合健診センター、亀田メディカルセンター幕張、神奈川県
予防医学協会
3
AICS 式中に含まれるアミノ酸は、これまでの臨床研究データにおいて、各種がん症例と
健常者で有意差のつくアミノ酸と、有意差がつかなくとも、AICS 式中に加えることで判別
能や頑健性が向上するアミノ酸を選択しています。
なお、AICS(子宮・卵巣)は、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんを対象として解析を行っ
た結果、3 種のがんにおけるアミノ酸濃度変化には共通性が高いことから、AICS(子宮・卵巣)
式中には、3 種のがんのいずれかに罹患しているリスクを評価するためのアミノ酸を選択し
ています。
AICS 式中に含まれるアミノ酸
r Ser
n
ro A a
a
▼
▼
AICS
(胃)
AICS
(肺)
▲
AICS
(大腸)
■
e
e
i
r
▼
▼
▼
▼
■
▼
▼
Ci
▲
■
▼
▲
AICS(子宮・卵巣)
Arg
▼
■
▲
▲
rn
▼
■
▼
AICS
(前立腺)
AICS
(乳腺)
▼
e
9)
11 )
▲
▼
▲
▼
▼
▲
▼
▼
▲
▼
■
▲
▼
▲はがん患者で有意(p<0.05 )に増加するアミノ酸
▼はがん患者で有意(p<0.05 )に減少するアミノ酸
■ はがん患者で有意差の認められないアミノ酸
AICS の解析対象となるがん種について
AICS は、血液中のアミノ酸を測定し、アミノ酸濃度のバランスの違いを統計的に解析
することで、がんに罹患しているリスクを評価する検査です。解析対象となるがん種は、
胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん(男性のみ)
、乳がん(女性のみ)
、子宮がん・卵
巣がん※(女性のみ)です。男性 AICS[ 4 種]
、女性 AICS[ 5 種]
、女性 AICS[ 2 種]は、
一度に複数のがん種について解析が行われ、それぞれの解析対象となるがん種は以下のと
おりです。
AICS(胃) AICS(肺) AICS(大腸)AICS(前立腺)AICS(乳腺) AICS(子宮・卵巣)
男性 AICS[4 種] 胃がん
肺がん
大腸がん
前立腺がん
—
—
女性 AICS[5 種] 胃がん
肺がん
大腸がん
—
乳がん
子宮がん・卵巣がん※
—
—
—
乳がん
子宮がん・卵巣がん※
女性 AICS[2 種]
—
※ AICS(子宮・卵巣)の解析対象となる子宮がん・卵巣がんは、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣
がんのいずれかのがんであるリスクについて評価することができますが、それぞれのがんのリ
スクについては分かりません。
4
AICS 値
AICS ではがんに罹患している確率を AICS 値として表現しています。各がん疾患に対し
て特異度が80%となる AICS 値を5.0、特異度が95%となる AICS 値を8.0、最小値を0.0、最
大値を10.0 となるように設定しています。AICS 値が大きくなるほど、がんに罹患している
確率が高くなります。また AICS 値に基づくランク判定として、AICS 値が5.0 未満の場合を
「ランク A」、5.0 以上 8.0 未満の場合を「ランク B」
、8.0 以上の場合を「ランク C」と設定して
います。すなわち、健常者の5%が「ランク C」と判定され、また、健常者の20%が「ランク
B またはランク C」と判定されます。
がんの有病率は約 0.1%と言われていますので、10,000 人に10 人の割合となります。これ
までの臨床研究の結果、
例えば胃がんの場合、
10,000 人が受診すると「ランク A」群に約 2.5 人、
「ランク B」群に約2.4人、
「ランク C」群に約5.1人のがん患者が含まれることが分かっています。
従って、
「ランク A」群では2.5/8000=0.03%、
「ランク B」群では2.4/1500=0.16%、
「ランク
C」群では5.1/500=1.02%のがん患者が含まれることになります。つまり、受診者全体のが
んリスク(有病率0.1%)と比較すると、
「ランク A」群では約0.3 倍、
「ランク B」群では約1.6 倍、
「ランク C」群では約 10 倍のがんのリスクがあると言えます。また、
「ランク B」「ランク C」
と判定されても、必ずしも、
「がん」に罹患しているわけではありません。一方、
「ランク A」
であっても、がんではないというわけではありません。
AICS 値とランク判定 9 )11 )
8 000
…→
1 500
500
…→
…… ……
ランク A
2.5
… …8 000
ランク B
2.4
ランク C
… …1 500
5.1
よその確率をランク別に示したも
のです。同じ結果を、見方を変え
1 3 200… 0 3
2.7 … …8 000
1 625… 1 6
2.8 … …1 500
1 98… 10 2
4.5 … …500
1 2 963… 0 3
4.0 … …8 000
1 536… 1 9
1.9 … …1 500
1 111… 9 0
4.1 … …500
1 2 000… 0 5
3.6 … …8 000
1 789… 1 3
3.2 … …1 500
1 122… 8 2
3.2 … …500
1 2 222… 0 5
5.3 … …8 000
1 469… 2 1
2.7 … …1 500
1 156… 6 4
2.0 … …500
1 1 509… 0 7
1 556… 1 8
2.0
2.2
1 250… 4 0
5.8 … …500
… …8 000
1 4 000… 0 3
… …1 500
1 682… 1 5
表はがん種ごとに、がんであるお
… …500
1 86… 11 6
て2段で表示しています。各行の
上段は、先に説明しました 10,000
人が受診した場合の分布から計算
したがんであるリスクを示してい
ます。下段は分子を1とした場合
の、がんであるリスクを示してお
り、
【 】内は、がんの有病率(約
1/ 1000)を1とした場合の、が
んであるリスクの倍率を示してい
ます。
62
※子宮がん・卵巣がんは、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんを対象としたがんであるリスクを示しています。
5
各種 AICS に対して、
「ランク C」となる場合、
「ランク B またはランク C」となる場合の
特異度、感度、陽性的中率は以下の通りです。
ランク判定結果と各種がんの特異度、感度及び陽性的中率 注 1
AICS
罹患率
※
AICS 値 5.0 以上
(ランク B またはランク C)
特異度
感度
改変 11 )
9)
AICS 値 8.0 以上
(ランク C)
陽性的中率 特異度
感度
陽性的中率
AICS(胃)
0.0915%
80%
75%
0.34%
95%
51%
0.93%
AICS(肺)
0.0669%
80%
73%
0.24%
95%
45%
0.60%
AICS(大腸)
0.0844%
80%
60%
0.25%
95%
41%
0.69%
AICS(前立腺)
0.0682%
80%
64%
0.22%
95%
32%
0.43%
AICS(乳腺)
0.0822%
80%
47%
0.19%
95%
20%
0.33%
AICS(子宮・卵巣) 0.0516%
80%
80%
0.21%
95%
58%
0.60%
※陽性的中率の算出には有病率の代わりに「地域がん登録全国推計によるがん罹患データ( 1975
年〜 2006 年)
」の2006 年の「全国年齢階級別推定罹患率」12 )を使用しました。子宮・卵巣が
んの罹患率は、子宮がん(上皮内がんを含む)と卵巣がんの罹患率の合計を使用しました。
がんは有病率(もしくは罹患率)が低い疾患であるため、検査において陽性だった人の中
で実際にがんである確率(陽性的中率)も低くなります。
臨床研究施設は以下のとおりです。
神奈川県立がんセンター、岡山大学病院、大阪府立成人病センター、群馬県立がんセンター、
千葉県がんセンター、静岡県立静岡がんセンター、横浜市立大学附属市民総合医療センター、
横浜市立市民病院、横浜南共済病院、横浜市立大学附属病院、愛知県がんセンター中央病院、
慶應義塾大学病院、三井記念病院総合健診センター、亀田メディカルセンター幕張、神奈川
県予防医学協会
上記の感度および特異度は、AICS 式検証テストデータ(p.3 図の右側)の症例を用いて
算出しました。
6
注1
特異度、感度、陽性的中率の説明
がん罹患
検査値
特異度 =
あり
なし
陽性
真の陽性(TP)
偽の陽性(FP)
陰性
偽の陰性(FN)
真の陰性(TN)
TN × 100
(%):健康人を正しく健康人と判定した割合
TN + FP
TP × 100
(%):がん患者を正しくがん患者と判定した割合
TP + FN
TP × 100
(%):陽性と判定した中でのがん患者の割合
陽性的中率 =
TP + FP
感度 =
=
1 × 100
(%)
( 1/ 有病率−1 )
( 1−特異度)
1+
感度
7
各 AICS 値とその値をカットオフ値とした場合の特異度と感度の関係は以下の通りです。
青色の行は、各ランクを区分する AICS 値のカットオフ値である5.0(特異度 80%)と8.0(特
異度 95%)を示します。
AICS
(胃)
AICS値 特異度
各 AICS 値の特異度と感度
9)
改変
9.4
9.0
8.7
8.3
8.0
7.8
7.5
7.3
7.1
6.8
6.6
6.4
6.2
6.0
5.8
5.6
5.5
5.3
5.2
5.0
4.7
4.3
4.0
3.8
3.5
2.9
2.5
2.0
1.7
1.4
1.2
1.0
0.7
0.5
0.4
0.3
0.2
99%
98%
97%
96%
95%
94%
93%
92%
91%
90%
89%
88%
87%
86%
85%
84%
83%
82%
81%
80%
78%
76%
74%
72%
70%
65%
60%
55%
50%
44%
40%
36%
29%
24%
20%
16%
12%
感度
28%
39%
44%
48%
51%
53%
56%
58%
59%
61%
63%
66%
68%
70%
72%
72%
73%
74%
75%
75%
77%
78%
80%
81%
82%
83%
86%
89%
91%
92%
93%
93%
95%
97%
97%
97%
97%
9)
改変
AICS
(肺)
AICS値 特異度
感度
9.4
9.0
8.7
8.3
8.0
7.8
7.5
7.2
7.0
6.7
6.5
6.3
6.1
5.9
5.8
5.6
5.5
5.3
5.2
5.0
4.8
4.5
4.3
4.0
3.8
3.3
2.8
2.4
2.0
1.7
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.3
99%
98%
97%
96%
95%
94%
93%
92%
91%
90%
89%
88%
87%
86%
85%
84%
83%
82%
81%
80%
78%
76%
74%
72%
70%
66%
60%
55%
50%
45%
39%
35%
31%
26%
20%
15%
11%
8
24%
31%
38%
43%
45%
47%
51%
54%
56%
60%
62%
64%
65%
67%
68%
69%
69%
70%
71%
73%
75%
76%
78%
79%
80%
81%
83%
86%
86%
89%
92%
93%
94%
95%
98%
99%
99%
9)
改変
AICS
(大腸)
AICS値
特異度
感度
9.5
9.1
8.7
8.3
8.0
7.8
7.5
7.2
7.0
6.8
6.6
6.4
6.2
6.0
5.9
5.6
5.5
5.3
5.2
5.0
4.8
4.5
4.2
4.0
3.8
3.2
2.8
2.4
2.1
1.7
1.4
1.2
0.9
0.8
0.6
0.4
0.3
99%
98%
97%
96%
95%
94%
93%
92%
91%
90%
89%
88%
87%
86%
85%
84%
83%
82%
81%
80%
78%
76%
74%
72%
70%
65%
60%
55%
51%
45%
39%
36%
29%
26%
21%
15%
12%
21%
28%
33%
37%
41%
42%
44%
46%
48%
49%
50%
51%
53%
54%
54%
57%
57%
58%
59%
60%
60%
62%
64%
66%
69%
72%
74%
78%
80%
84%
88%
89%
92%
93%
95%
96%
97%
AICS
(前立腺)
AICS値 特異度
感度
9)
改変
9.4
9.0
8.6
8.4
8.0
7.7
7.5
7.3
7.1
6.9
6.7
6.5
6.2
6.0
5.9
5.7
5.6
5.4
5.2
5.0
4.8
4.5
4.2
4.0
3.9
3.4
3.1
2.7
2.3
2.0
1.7
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
99%
98%
97%
96%
95%
94%
93%
92%
91%
90%
89%
88%
87%
86%
85%
84%
83%
82%
81%
80%
78%
76%
74%
72%
70%
65%
61%
56%
50%
45%
40%
34%
30%
25%
20%
14%
10%
7%
14%
22%
27%
32%
34%
36%
37%
40%
45%
48%
51%
53%
56%
58%
61%
61%
62%
64%
64%
65%
69%
71%
71%
72%
75%
75%
80%
82%
86%
90%
92%
92%
95%
96%
96%
98%
各 AICS 値の特異度と感度
9)
改変
AICS
(乳腺)
AICS値 特異度
感度
9.7
9.4
8.8
8.5
8.0
7.6
7.4
7.2
6.9
6.6
6.5
6.3
6.1
6.0
5.8
5.6
5.4
5.2
5.1
5.0
4.7
4.5
4.2
4.0
3.8
3.1
2.7
2.3
2.0
1.7
1.5
1.2
1.0
0.9
0.7
0.5
0.4
99%
98%
97%
96%
95%
94%
93%
92%
91%
90%
89%
88%
87%
86%
85%
84%
83%
82%
81%
80%
78%
76%
74%
72%
70%
65%
60%
55%
50%
45%
41%
35%
29%
26%
20%
14%
10%
9
5%
8%
10%
14%
20%
25%
26%
30%
32%
34%
35%
36%
41%
41%
42%
45%
45%
45%
46%
47%
47%
49%
52%
52%
54%
61%
66%
67%
70%
71%
79%
83%
87%
87%
89%
95%
96%
11 )
AICS
(子宮・卵巣)
AICS値 特異度
感度
9.4
8.8
8.3
8.1
8.0
7.7
7.5
7.2
6.9
6.7
6.5
6.4
6.2
5.9
5.8
5.6
5.4
5.3
5.1
5.0
4.8
4.6
4.2
4.0
3.8
3.1
2.9
2.5
2.2
1.9
1.7
1.5
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
99%
98%
97%
96%
95%
94%
93%
92%
91%
90%
89%
88%
87%
86%
85%
84%
83%
82%
81%
80%
78%
76%
74%
72%
70%
65%
60%
55%
50%
45%
40%
35%
30%
25%
20%
15%
10%
42%
51%
56%
57%
58%
62%
64%
66%
68%
70%
70%
71%
73%
75%
75%
76%
78%
79%
80%
80%
80%
82%
84%
84%
85%
88%
88%
89%
91%
92%
93%
95%
96%
97%
97%
98%
99%
AICS 検査結果の分布
健常者およびがん患者に対する男女別 AICS の検査結果の分布は下記の通りです。
がん患者の分布については、各がん種での感度から計算した割合を記載しています。例え
ば、胃がん(男性)の場合、特異度 95%での感度が44%で、特異度 80%での感度が67%である
ことから、それぞれのランクとなる割合を計算しています。一方、健常者の分布については、
AICS 式検証テストデータ(p.3 図の右側)の人間ドック受診者データから推定しています。
AICS 検査結果分布
(男性)9 )
項目
0. 0
AICS(胃)
AICS(肺)
AICS(大腸)
AICS(前立腺)
ランク A
5. 0
ランク B
ランク C
8. 0
10. 0
がん患者
33%
23%
44%
健康人
86%
11%
3%
がん患者
27%
27%
46%
健康人
81%
14%
5%
がん患者
39%
18%
43%
健康人
80%
14%
6%
がん患者
36%
32%
32%
健康人
80%
15%
5%
AICS 検査結果分布
(女性)9 )11 )
項目
0. 0
がん患者
AICS(胃)
AICS(肺)
AICS(大腸)
AICS(乳腺)
※
AICS(子宮・卵巣)
ランク A
5. 0
ランク B
ランク C
8. 0
10. 0
8%
26%
66%
健康人
70%
22%
8%
がん患者
25%
32%
43%
健康人
79%
16%
5%
がん患者
42%
19%
39%
健康人
80%
17%
3%
がん患者
53%
27%
20%
健康人
80%
15%
5%
がん患者
20%
22%
58%
健康人
80%
15%
5%
※ AICS(子宮・卵巣)におけるがん患者は、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんを対象としています。
10
AICS の各種がんに対する感度と特長
AICS は各種がんに対して高い感度を示しました。また、ステージⅡ
(またはステージ B)
までのがん患者に対しても、全症例のがん患者と同様に高い感度を示しています。そのこと
から、ステージⅡ
(またはステージ B)までのがん患者に対してもがんリスクスクリーニン
グが可能であることが示されました。
AICS の各種がんに
9 )11 )
る感度
(ランク C)
80%
感度
60%
40%
20%
0%
Ⅰ,Ⅱ 全症例
Ⅰ,Ⅱ 全症例
0,Ⅰ,Ⅱ 全症例
陽性者数/症例数 54 135 100 197 71 181 146 327 57 149 116 280
38
40
51
39
45
41
(感度)
AICS(胃)
(肺)
AICS の各種がんに
B 全症例
0,Ⅰ,Ⅱ 全症例
31 103 46 146 28 147 33 165
(19 ) 20
30
32
(前立腺)
(大腸)
る感度
(ランク
ま
0,Ⅰ,Ⅱ 全症例
145 273 201 346
(53 ) 58
(乳腺)
(子宮・卵巣)
ランク C)9 )11 )
100%
80%
感度
60%
40%
20%
0%
Ⅰ,Ⅱ 全症例
Ⅰ,Ⅱ 全症例
0,Ⅰ,Ⅱ 全症例
陽性者数/症例数 92 135 147 197 129 181 240 327 88 149 167 280
59
68
75
71
73
60
(感度)
AICS(胃)
(肺)
(大腸)
B 全症例
0,Ⅰ,Ⅱ 全症例
69 103 93 146 68 147 78 165
(46 ) 47
67
64
(前立腺)
(乳腺)
0,Ⅰ,Ⅱ 全症例
208 273 277 346
(76 ) 80
(子宮・卵巣)
※ AICS(子宮・卵巣)は、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんを対象としており、いずれかのがん
であった場合を陽性としています。
11
また、AICS の各検査
目は下記のような特長が示されています
検査項目
特長
1 ステージ
AICS
(胃)
プ ノ ン検査よりも「ランク B またはランク C」で高い感度
14
3
プ
15
ノ
ン検査よりも「ランク C」判定で
AICS
(前立腺)
性胃
に対する
低い陽性率
16
プ ノ ン検査で検出が難しい組
(低分化腺癌、
AICS
(大腸)
13
期、Ⅱ期の胃がんに対する高い感度
2
4
AICS
(肺)
ページ
1 ステージ
2
い組
期、Ⅱ期の肺がんに対する高い感度
の肺がんで同
1 ステージ0 期、
2 大腸
細胞癌)
でも同 または高い感度
の感度
17
18
期、Ⅱ期の大腸がんに対する高い感度
リープに対する低い陽性率
19
20
1 ステージ B 期の前立腺がんに対する高い感度
21
2 PSA グ ー ーン
( 4−10ng/m )
の前立腺がん患者に対する高い
22
感度
AICS
(乳腺)
1 ステージ0期、 期、Ⅱ期の乳がんに対する高い感度
23
1 子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんのいずれかに罹患している
24
がんリスクを評価可能
(ただし、それぞれのがんについてのリスクは分かりません)
AICS(子宮・卵巣) 2 ステージ
期、Ⅱ期の子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん
26
に対する高い感度
3 子宮頸がんの腺癌でも同
い組
または高い感度、および、
の子宮体がん、卵巣がんで同
12
の感度
29
AICS(胃)
1. ステージⅠ期、Ⅱ期の胃がんに対する高い感度
胃がんの5 年生存率はステージ
との報告 13 )があり、ステージ
きく
期で99.1%、Ⅱ期で72.6%、
期で45.9%、
期、Ⅱ期の胃がんを発見することがその
期で7.2%
の生存率に大
しています。AICS(胃)の「ランク C」判定の場合、全症例とステージ
度に有意差がみられましたが、ステージ
期の感
期で38%、ステージⅡ期で48%と高い感度を示
しました。また、
「ランク B またはランク C」判定の場合、ステージ
期、Ⅱ期において
全症例と同様に高い感度を示しました。
がんに
る
ー
AICS
(
)
の感度
(ランク C)9 )
100%
80%
感度
60%
40%
20%
0%
Ⅰ
Stage
陽性者数/症例数 42 110…………………
38 ……………………
(感度)
Ⅲ
27 34
79
Ⅱ
12 25
48
Fi
がんに
る
ー
AICS
(
Ⅳ
19 27
70
er exac
)
の感度
(ランク
全症例
100 197
51
e : p<0.05,
ま
p<0.01
ランク C)9 )
100%
80%
感度
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
Ⅰ
74 110
67
Ⅱ
18 25
72
Ⅲ
30 34
88
Ⅳ
25 27
93
全症例
147 197
75
Fi
13
er exac
e : p<0.05
2. ペプシノゲン検査よりも「ランク B またはランク C」判定で高い感度
プ
に
ノ
ンは胃から分
される消化
プ
ンの前
るため、胃の状態の判定が可能です。そのため、
ニング法として知られています。胃がんに対する
プ
体物質で、その一部が血液中
性胃
ノ
の診
や胃がんのスクリー
ン検査 と AICS(胃)の感度
を比較したところ、AICS(胃)は「ランク B またはランク C」判定の場合、感度が有意に
高いこと(p<0.01 )を示しました。
)と
ノ
ン検査の
がんに
100%
100%
90%
90%
80%
80%
70%
60%
stageⅠ,Ⅱ 全症例
陽性者数/症例数 25 35 43 55
(感度)
71
78
AICS
(胃)
AICS
( )
と
50%
stageⅠ,Ⅱ 全症例
24 35 39 55
71
69
陰性者数/健常者数
(特異度)
ペプシノゲン検査
ノ ン検査の がんに
80%
80%
特異度
90%
70%
60%
stageⅠ,Ⅱ 全症例
陽性者数/症例数 32 35 51 55
(感度)
91
93
AICS
(胃)
プ
ノ
ペプシノゲン検査
27 28
96
25 28
89
60%
陰性者数/健常者数
(特異度)
ペプシノゲン検査
Fi
AICS(胃)
ペプシノゲン検査
22 28
79
25 28
89
er exac
ン検査との比較に関しては、p.13 の全症例の中で
e : p<0.05,
プ
ノ
ある一部のデータを使用しており、p.13 の全症例数と上記の症例数は一
9)
ランク C)
70%
50%
stageⅠ,Ⅱ 全症例
24 35 39 55
69
71
ま
100%
90%
50%
AICS(胃)
る感度、特異度
(ランク
100%
感度
70%
60%
50%
※
る感度、特異度
(ランク C)9 ) 特異度
感度
AICS(
p<0.01
ン検査の結果が
しません。
プ ノ ン検査では P I が70
(ng/m )以下かつ P I/II 比3以下を陽性としました14 )。
14
3. ペプシノゲン検査よりも「ランク C」判定で萎縮性胃炎に対する低い陽性率
プ
ノ
に対する
ン検査は
プ
ノ
に対しても陽性となることが知られています。
プ
ノ
ン検査よりも陽性率が低い
である可能性が示
AICS( )と
向(p<0.1 )がみられ、より胃
されました。
ノ ン検査の
性
に
る陽性率 注 2(ランク C)9 )
50%
40%
陽性率
30%
20%
10%
0%
AICS(胃)
5
陽性者数/症例数 37 14
(陽性率)
AICS( )と
ノ ン検査の
性
ペプシノゲン検査
12 37 32
Fi
に
陽性率
40%
30%
20%
10%
0%
AICS(胃)
12
37 32
陽性者数/症例数
(陽性率)
ペプシノゲン検査
12 37 32
陽性率の説明
陽性(P)
検査値
陽性率 =
P P +N
陰性(N)
× 100
(%):検査値が陽性と判定した割合
15
er exac
る陽性率(ランク ま
50%
注2
性胃
ン検査と AICS
(胃)の陽性率を比較したところ、AICS
(胃)の「ラン
ク C」判定の場合、
がんに特異的な指
性胃
e : p<0.1
ランク C)9 )
4. ペプシノゲン検査で検出が難しい組織型(低分化腺癌、印環細胞癌)でも同等また
は高い感度
低分化腺癌と
細胞癌は
プ
ノ
AICS(胃)の「ランク C」判定の場合、組
と比較して低分化腺癌と
ン検査で検出が難しいことが知られています。
ごとの感度に有意差がみられますが、 状腺癌
細胞癌は同 または高い感度を示しました。また、AICS(胃)
の「ランク B またはランク C」判定の場合、組
癌と比較して低分化腺癌と
がんに
ごとの感度に有意差はみられず、 状腺
細胞癌は同 の感度を示しました。
る
ー
AICS( )の感度(ランク C)9 ) 100%
80%
感度
60%
40%
20%
0%
陽性者数/症例数
(感度)
Ⅰ,Ⅱ 全症例
13 27 33 51
48
65
低分化腺癌
Ⅰ,Ⅱ 全症例
6 17 13 25
35
52
印環細胞癌
Ⅰ,Ⅱ 全症例
30 78 41 95
38
43
管状腺癌
Fi
がんに
る
ー
er exac
AICS( )の感度(ランク
ま
100%
80%
感度
60%
40%
20%
0%
Ⅰ,Ⅱ 全症例
44 51
86
陽性者数/症例数 20 27
(感度)
74
低分化腺癌
Ⅰ,Ⅱ 全症例
10 17 17 25
59
68
印環細胞癌
16
Ⅰ,Ⅱ 全症例
55 78 68 95
71
72…
管状腺癌
e : p<0.05
ランク C)9 )
AICS(肺)
1. ステージⅠ期、Ⅱ期の肺がんに対する高い感度
肺がんの5 年生存率はステージ 期で78.2%、Ⅱ期で44.5%、 期で19.8%、 期で3.7%と
の報告 13 )があり、ステージ 期、Ⅱ期の肺がんを発見することがその の生存率に大きく
しています。AICS(肺)ではステージ
期、Ⅱ期で全症例と同様に高い感度を示しま
した。
がんに
る
ー
AICS
(
)
の感度
(ランク C)9 )
100%
80%
感度
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
がんに
Ⅰ
60 157
38
る
ー
Ⅱ
11 24
46
Ⅲ
47 84
56
Ⅳ
27 59
46
AICS( )の感度(ランク
全症例
146 327
45
ま
ランク C)9 )
100%
80%
感度
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
Ⅰ
110 157
70
Ⅱ
19 24
79
Ⅲ
62 84
74
17
Ⅳ
48 59
81
全症例
240 327
73
2. 幅広い組織型の肺がんで同等の感度
肺がんは組
が多様であることから、
用いられており、また
細胞診は
存の腫瘍マーカーは組
上皮癌以
の組
ています。それに対して、AICS(肺)では腺癌、
も同
特異性の高いものが
は検出が難しいことが知られ
上皮癌、小細胞癌のいずれについて
の感度を示しました。
がんに
る
ー
AICS
(
)
の感度
(ランク C)9 )
80%
感度
60%
40%
20%
0%
ⅠⅡ 全症例
陽性者数/症例数 47 125 93 219
38
42
(感度)
腺癌
がんに
る
ー
ⅠⅡ 全症例
20 38 35 65
53
54
扁平上皮癌
AICS
(
ⅠⅡ 全症例
15
10 24
20
42
小細胞癌
)
の感度
(ランク
ま
100%
感度
80%
60%
40%
20%
0%
陽性者数/症例数
(感度)
ⅠⅡ 全症例
89 125 158 219
71
72
ⅠⅡ 全症例
30 38 51 65
79
78
ⅠⅡ 全症例
25
17 24
40
71
腺癌
扁平上皮癌
小細胞癌
18
ランク C)9 )
AICS(大腸)
1. ステージ 0 期、Ⅰ期、Ⅱ期の大腸がんに対する高い感度
大腸がんに関して、結腸がんの5 年生存率はステージ 期で98.1%、Ⅱ期で94.0%、 期で
77.4%、 期で20.1%、 腸がんの5年生存率はステージ 期で96.9%、Ⅱ期で86.4%、 期で
71.7%、 期で16.3%、との報告 13 )があり、ステージ 期、Ⅱ期の大腸がんを発見すること
がその の生存率に大きく
しています。AICS(大腸)ではステージ0 期、 期、Ⅱ期で
全症例と同様に高い感度を示しました。
がんに
る
ー
AICS
(
Ⅰ
19 63
30
Ⅱ
32 75
43
)
の感度
(ランク C)9 )
80%
感度
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
がんに
る
0
6 11
55
ー
AICS
(
Ⅲ
40 96
42
Ⅳ
16 26
62
)
の感度
(ランク
全症例
116 280
41
ま
80%
感度
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
0
7 11
64
Ⅰ
34 63
54
Ⅱ
47 75
63
19
Ⅲ
53 96
55
Ⅳ
20 26
77
全症例
167 280
60
ランク C)9 )
2. 大腸ポリープに対する低い陽性率
大腸がんと大腸
リープに対する AICS(大腸)の陽性率を比較したところ、大腸
リー
プの陽性率は大腸がんの陽性率と比較して有意に低いこと( p<0.001 )が示されました。
ー
に
る AICS
(
9)
)
の陽性率
(ランク C)
80%
陽性率
60%
40%
20%
0%
陽性者数/症例数
(陽性率)
大腸がん
116 280
41
大腸ポリープ
21 313
7
Fi
ー
に
る AICS
(
)
の陽性率
(ランク
ま
er exac
e : p<0.001
9)
ランク C)
80%
陽性率
60%
40%
20%
0%
陽性者数/症例数
(陽性率)
大腸がん
167 280
60
大腸ポリープ
67 313
21
Fi
20
er exac
e : p<0.001
AICS(前立腺)
1. ステージ B 期の前立腺がんに対する高い感度
AICS(前立腺)ではステージ B 期で全症例と同様に高い感度を示しました。
がんに
る
ー
AICS(
)の感度(ランク C)9 )
80%
感度
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
31 103
30
がんに
ー
る
8 19
42
AICS(
6 18
33
全症例
46 146
32
)の感度(ランク
80%
感度
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
69 103
67
13 19
68
21
9 18
50
全症例
93 146
64
ま
ランク C)9 )
2. PSA グレーゾーン(4−10ng/mL)
の前立腺がん患者に対する高い感度
PSA(前立腺特異
)は前立腺内にある糖タンパク質であり、前立腺から分
います。また、PSA は前立腺がんの
ています。PSA の基
されて
期がん発見のスクリーニング検査として使用され
値は4.0ng/m 以下であり、基
されています 15 )。しかしながら、PSA がグ
ー
値以上の場合精
検査が必要だと
ーン( 4−10ng/m )における前立腺が
んの予測精度は必ずしも 分ではなく、PSA グ ー ーンでの PSA と異なる検査方法によ
る前立腺がんの
別は有用であると考えられています 16 )。PSA グ
ー
ん患者に対して、AICS(前立腺)は高い感度を示しました。
SA
ー ーン(
AICS(
ng m )の
がんに
る
)の感度(ランク C)9 )
100%
80%
感度
60%
40%
20%
0%
陽性者数/症例数
(感度)
SA
ー ーン(
AICS(
17 48
35
…… 全症例
19 55
35
AICS(
)
ng m )の
)の感度(ランク
がんに
ま
ランク C)
100%
80%
感度
60%
40%
20%
0%
陽性者数/症例数 33 48
69
(感度)
…… 全症例
37 55
67
AICS(
22
る
9)
)
ーンの前立腺が
AICS(乳腺)
1. ステージ 0 期、Ⅰ期、Ⅱ期の乳がんに対する高い感度
乳がんの5 年生存率はステージ
期で98.2%、Ⅱ期で91.5%、
期で67.8%、
期で31.5%
との報告 13 )があり、ステージ 期、Ⅱ期の乳がんを発見することがその の生存率に大き
く
しています。AICS(乳腺)の「ランク B またはランク C」判定の場合、乳がんに対し
てステージ0期、 期、Ⅱ期で全症例と同様に高い感度を示しました。
がんに
る
ー
AICS(
)の感度(ランク C)9 )
60%
感度
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
がんに
る
0
2 26
8
ー
Ⅰ
15 47
32
AICS(
Ⅱ
11 74
15
Ⅲ, Ⅳ
4 14
29
全症例
33 165
20
)の感度(ランク
ま
60%
感度
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
0
11 26
42
Ⅰ
24 47
51
Ⅱ
33 74
45
23
Ⅲ, Ⅳ
7 14
50
全症例
78 165
47
ランク C)9 )
AICS(子宮・卵巣)
AICS (
5 )
1. / / /(-' % , /3 1 0 . 1. 子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんのいずれかに罹患しているがんリスクを評価可能
AICS
(
5 )
AICS(子宮・卵巣)は、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんのいずれかに罹患している
1. AICS(
5
/
/
/(-'
% , /3 1 0 .
))
/
/ /(-'
%
, がんリスクを一つの AICS 値で示します。子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんのいずれか
/3 1 0 . $( AICS & * / / /(-(
のがんであるリスクについて評価する ができますが、それぞれのがんのリスクについて
AICS(
5
/
/(-'
%,
/&
, 3 1))
0 '$
/
% , &
* ! -"-(/(3 1 0 '$
%
)
は分かりません。
+
* . /
/3
10
$( AICS & * / / /(-(
(
がん、
がん)!/',
がんに
る 1 0 '$ % )
/)5
/& , 3 1 0 /(
/
'$がん
% ,
&
* -"-(/(3
11)
AICS(
)の感度(ランク
C)
AICS(
5
)(
(2 4 0 C)
11 )
100% /)5 /',
/(
/
AICS(
5 )( (2 4 0 C)11)
80%
感度
/
60%
40%
20%
0%
ⅠⅡ 全症例
陽性者数/症例数 145 273 201 346
(感度)
53
58
/(
/ /)5 /',
AICS(
5 )( (2 4 0 B * # )2 4 0 C)11)
がん(
がん、
がん)
がんに
る
/(
/
/)5
AICS(
)の感度
(ランク /',
ま
ランク C)11 )
AICS(
5 )( (2 4 0 B * # )2 4 0 C)11)
100%
80%
感度
+ *
60%
40%
20%
0%
ⅠⅡ 全症例
陽性者数/症例数 208 273 277 346
(感度)
76
80
26
24
26
AICS(8 )+* & ' 1 1 1+ 1*&'
AICS(8 )+* & ' 1 1 1+ 1*&'
0 - " % $ + AICS(8 ), 1*
" ' 0 " - "
0 - " % $ + AICS(8 ), 1*
" ' 0 " - "
% -% 4
5 93
- ( +
1* " ' . ) * [a12] 0 " ' AICS
(子宮・卵巣)
の性能について、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんの各がんについ
% - % 4 5 93 - ( + 1* " ' . ) * [a12] 0 " ' て検証を行いました。その結果、AICS(子宮・卵巣)は、各がんに対して高い感度を示しま
#
#
した。また、ステージⅡまでの各がんに対しても全症例と同様に高い感度を示しています。
1 1 1*!/
1 1 がん、
1*!/
がん、
る
10) AICS(8 )+:
6 7 2 C;がんに
10) 10 )改変
AICS(8
)+:
6 72
C; C)
AICS
(
)の感度
(ランク
100%
80%
感度
60%
40%
20%
0%
陽性者数/症例数
(感度)
ⅠⅡ 全症例
73 149 82 158
49
52
子宮
ⅠⅡ 全症例
54 99
79 136
55
58
子宮
ⅠⅡ 全症例
18 25 40 52
72
77
卵巣
1 1*!/
がん、 1
がんに
る
1 1 がん、
1*!/
10 )改変
(
)6
の感度
ま 7 2ランク
C)
AICS(8AICS
)+:
7 2(ランク
B - % ,6
C; 10)
AICS(8 )+: 6 7 2 B - % ,6 7 2 C; 10) 100%
80%
感度
60%
40%
20%
0%
陽性者数/症例数
(感度)
ⅠⅡ 全症例
107 149 116 158
72
73
子宮
ⅠⅡ 全症例
81 99 115 136
82
85
子宮
ⅠⅡ 全症例
20 25 46 52
80
88
卵巣
27
27
25
2. ステージⅠ期、Ⅱ期の子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんに対する高い感度
AICS(子宮・卵巣)の性能について、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんの各がんにつ
いてステージ別の検証を行いました。
【子宮頸がん】
子宮頸がんの5 年生存率はステージ
18.0%との報告
があり、ステージ
13 )
存率に大きく
期で91.5%、Ⅱ期で71.1%、
期で51.0%、
期で
期、Ⅱ期の子宮頸がんを発見することがその
の生
しています。AICS(子宮・卵巣)の「ランク C」判定の場合、全症例とス
テージⅡ期の感度に有意差がみられましたが、ステージ
期で63%、ステージⅡ期で81%
と高い感度を示しました。また、
「ランク B またはランク C」判定の場合、ステージ
期、
Ⅱ期において全症例と同様に 高い感度を示しました。
子宮頸がんに対しては、子宮頸部細胞診では
期検出が可能な前がん病変である異
成や、子宮頸がんの0 期である上皮内癌において、AICS(子宮・卵巣)の感度は低いため、
子宮頸部細胞診による検診の受診も重要です。
がんに
る
ー
AICS(
)の感度(ランク C)10 )
100%
感度
80%
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
14 60
23
Ⅰ
46 73
63
Ⅱ
13 16
81
Ⅲ
8 8
100
Fi
る
ー
AICS(
全症例
82 158
52
e : p<0.05 ,
)の感度(ランク
p<0.01 ,
p<0.001
改変
ま
ランク C)10 )
100%
80%
感度
がんに
er exac
Ⅳ
1 1
100
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
31 60
52
Ⅰ
61 73
84
Ⅱ
15 16
94
Ⅲ
8 8
100
Ⅳ
1 1
100
全症例
116 158
73
Fi
26
er exac
e : p<0.01
【子宮体がん】
子宮体がんの5 年生存率はステージ
23.4%との報告 13 )があり、ステージ
生存率に大きく
期で94.3%、Ⅱ期で80.9%、
期で59.7%、
期で
期、Ⅱ期の子宮体がんを発見することがその
の
しています。AICS(子宮・卵巣)では、子宮体がんに対してステージ
期、Ⅱ期で全症例と同様に高い感度を示しました。
がんに
る
ー
AICS(
)の感度(ランク C)10 )
100%
感度
80%
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
がんに
る
ー
25
40
Ⅰ
47 82
57
Ⅱ
5 12
42
AICS(
Ⅲ
20 29
69
Ⅳ
58
63
)の感度(ランク
全症例
79 136
58
ま
100%
感度
80%
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
35
60
Ⅰ
69 82
84
Ⅱ
9 12
75
27
Ⅲ
26 29
90
Ⅳ
88
100
全症例
115 136
85
改変
ランク C)10 )
【卵巣がん】
卵巣がんの5 年生存率はステージ
期で92.6%、Ⅱ期で63.2%、
期で44.9%、
期で
29.6%との報告 13 )があり、ステージ 期、Ⅱ期の卵巣がんを発見することがその の生存率
に大きく
しています。AICS(子宮・卵巣)では、卵巣がんに対してステージ 期、Ⅱ期
で全症例と同様に高い感度を示しました。
がんに
る
ー
AICS(
)の感度(ランク C)10 )
100%
感度
80%
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
がんに
る
Ⅰ
15 22
68
ー
Ⅱ
33
100
Ⅲ
19 22
86
AICS(
Ⅳ
35
60
全症例
40 52
77
)の感度(ランク
ま
100%
感度
80%
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
Ⅰ
17 22
77
Ⅱ
33
100
Ⅲ
22 22
100
28
Ⅳ
45
80
全症例
46 52
88
改変
ランク C)10 )
EZ U? D./SG`? G`O ,S [a15]
3. =G`S3(O X ,V LT>D ?
AICS(f )S1RMDN ? =G`? G`? G`SG`R MD
EZ U? D./SG`? G`O ,S [a15]
N./S$8_ 5DV J L@
AICS(f )S1RMDN ? =G`? G`? G`SG`R MD
N./S$8_ 5DV J L@
A =G`B
3. 子宮頸がんの腺癌でも同等または高い感度、
および、幅広い組織型の子宮体がん、卵巣がんで同等の感度
3(T!)(P
%9J N G4O C\ ? =G`R W] X :
A =G`B
AICS(子宮・卵巣)
RC \ V K@
J FJ Q G[の性能について、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんの各がんにつ
? 3(T!)(P %9J N ? [a16]2'c ga gR Z ] $
3(T!)(P %9J N G4O C\ ? =G`R W] X :
いて組
別の検証を行いました。
&GDY=<-07O X 6;I ^YKDG*[ ^N DV K@ AICS(f RC \ V K@ J FJ Q G[ ? 3(T!)(P %9J N ? [a16]2'c ga gR Z ] $
)OT?【子宮頸がん】
!)(P %9J N3(T,S ?V LT#R>D(d e b Ch p<0.01, d
&GDY=<-07O X 6;I ^YKDG*[ ^N DV K@ AICS(f 腺癌は
上皮癌と比較して予 が不 であり、子宮頸がんに める割合も近年増加
e b B V LTd e b Ch p<0.05) _ +J V J L@ [a17]
)OT? !)(P
%9J N3(T,S 上皮癌と比較して、
?V LT#R>D(d
e b Ch p<0.01, d
向にあります。しかしながら、腺癌は
腫瘍マーカーによる検出率
が低いe や子宮頸部細胞診でも見
されやすい
が知られています。AICS(子宮・卵巣)
e b B V LTd
b Ch p<0.05) _ +J
V J L@ [a17]
10) "
では、
上皮癌と比較して腺癌は同
の感度、または有意に高い
(ランク
C:p<0.01,
ラ
=G`REH]
./ AICS(f
)S (d
e b C)
ンク B またはランク C:p<0.05 )感度を示しました。
10)
=G`REH] ./ AICS(f )S (d e b 10C)
)改変
がんに
る
AICS(
"
)の感度(ランク C)
100%
感度
80%
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
ⅠⅡ
19 29
66
全症例
26 36
72
ⅠⅡ 全症例
52 114
54 116
46
47
腺癌
扁平上皮癌
Fisher
exact testh *p<0.01
er exac e : p<0.01
Fi
10) "
=G`REH] ./ AICS(f )S (d e b B Fisher
V LTd
etesth
b10 )C)
改変 *p<0.01
exact
がんに
る
AICS(
)の感度(ランク ま
ランク C)
100%
=G`REH] ./
AICS(f )S (d e b B V LTd e b C)10)
"
感度
80%
60%
40%
20%
0%
Stage
陽性者数/症例数
(感度)
ⅠⅡ
25 29
86
全症例
32 36
89
ⅠⅡ 全症例
78 114
80 116
68
69
腺癌
扁平上皮癌
Fi
er exac
e : p<0.05
Fisher exact testh *p<0.05
29
31
31
Fisher exact testh *p<0.05
) .B*
) .B*
8 ;' &8 #1 6%!.$,0 8 ' ".,0 8 '
8
;'
&8
#1 6%!.$,0
8 ' ".,0
8'
【子宮体がん】
.
7 +?
0 8 .> @6
,< 2( AICS(
F
)7 ;' &'
類内
が多いこと、
.
7漿液性腺癌と明細胞腺癌は、
+? 0 8 .> @6 ,<
2(腺癌と比較して進行度が速いこと、
AICS(
F
;' &'
' :,3@95,6=
:A
1 <1)7
4( [a18]
予 が不 であることが知られています。AICS(子宮・卵巣)では、類内 腺癌、漿液性
' :,3@95,6= :A 1 <1 4( [a18]
腺癌、明細胞腺癌のいずれについても同
の感度を示しました。
.B9-/? AICS(
F ):(D E C C)11)
がんに る
AICS(
)の感度(ランクEC)
.B9-/?
AICS(
F
):(D
C11 )C)11)
100%
80%
感度
60%
40%
20%
0%
陽性者数/症例数
(感度)
ⅠⅡ 全症例
42 76
55 96
55
57
腺癌
ⅠⅡ 全症例
34
7 10
75
70
腺癌
ⅠⅡ 全症例
23
24
67
50
細胞腺癌
11 ) C)11)
.B9-/?
AICS(
F
):(D
EC ま
B < 4;D
EC
がんに る
AICS(
)の感度(ランク
ランク C)
.B9-/? AICS(
F ):(D E C B < 4;D E C C)11)
100%
80%
感度
60%
40%
20%
0%
陽性者数/症例数
(感度)
ⅠⅡ 全症例
62 76
79 96
82
82
腺癌
ⅠⅡ 全症例
44
10 10
100
100
腺癌
30
ⅠⅡ 全症例
33
44
100
100
細胞腺癌
E^T(<S%#01*;E5O @ [ LV> $;R B N > 6
'a e_ eS;*2TF AP 3B Y \N AU J? I DI Q EY > E9O @[
E^T(<S%#01*;E5O @ [ LV> $;R B N > 6
【卵巣がん】
/47)P
. 7)T>:*Q6'ae_ eO@[ CA125 E] ,J&W @Z >
'a e_ eS;*2TF AP 3B Y \N AU J? I DI Q EY > E9O @[
卵巣がんは
療開 前の病理組P E+Y
学的診 \N
が不可能であるため、
に加えて、腫
6'a e_
eRX [ "EAH
AU J? AICSf d診g
O T> =
/47)P
.
7)T>:*Q6'ae_
eO@[
CA125
E]
,J&W
@Z >
瘍マーカーの診 的意義は大きいと考えられています。しかしながら、予 が不 である
87)> ! 7)> /47)> . 7)SAK\R MAN W -S] ,I U I
6'a e_
eRX [ "EAH
P E+Y \N AU J? AICSf
d
g O T> =
明細胞腺癌と
液性腺癌は、代表的な腫瘍マーカーである
CA125
が低値を示す症例もあ
L? [a19]
り、腫瘍マーカーによる検出率が低いことが知られています。AICS(子宮・卵巣)では、
87)>
! 7)> /47)> . 7)SAK\R MAN W -S] ,I U I
類内 腺癌、漿液性腺癌、明細胞腺癌、 液性腺癌のいずれについても同 の感度を示し
L? [a19]
E^RCG[ 01
AICS(d )S(b c ` C)11)
ました。
E^RCG[ 01
AICS(d )S(b c ` C)11)
がんに
る
AICS(
)の感度(ランク C)11 )
100%
80%
感度
60%
40%
20%
0%
陽性者数/症例数
(感度)
ⅠⅡ 全症例
77
88
100
100
ⅠⅡ 全症例
12
15 19
50
79
腺癌
腺癌
ⅠⅡ 全症例
56
9 10
83
90
ⅠⅡ 全症例
45
56
80
83
細胞腺癌
腺癌
E^RCG[ 01
AICS(d )S(b c ` B U LTb c ` C)11)
11 )
がんに
る
AICS(
)の感度(ランク
ま
ランク C)
E^RCG[ 100%
01
AICS(d )S(b c ` B U LTb c ` C)11)
80%
感度
60%
40%
20%
0%
陽性者数/症例数
(感度)
ⅠⅡ 全症例
77
88
100
100
ⅠⅡ 全症例
22
19 19
100
100
腺癌
腺癌
31
33
33
ⅠⅡ 全症例
56
9 10
83
90
細胞腺癌
ⅠⅡ 全症例
45
56
80
83
腺癌
AICS の陽性率
AICS は健常者とがん患者のアミノ酸濃度バランスの違いを統計的に解析することで、が
んに罹患しているリスクを評価する検査ですが、各 AICS 式には、いくつかの共通のアミノ
酸が用いられていることから(p.4 )
、いずれかのがんに罹患している場合には、他のがん種
においても陽性となることがあります。
男女別にみた各がん種での AICS の陽性率
男女 に
各がん種 の AICS の陽性率 17 )
(男性 ランク C)
44%( 57/130 )25%( 56/226 )30%( 52/174 )16%( 24/146 )
14%( 18/130 )46%(104/226)32%( 55/174 )18%( 27/146 )
24%( 31/130 )22%( 50/226 )43%( 75/174 )11%( 16/146 )
26%( 34/130 )33%( 75/226 )16%( 28/174 )32%( 46/146 )
(男性 ランク
ま
ランク C)
67%( 87/130 )46%(105/226)48%( 83/174 )34%( 50/146 )
34%( 44/130 )73%(164/226)54%( 94/174 )49%( 72/146 )
45%( 58/130 )49%(110/226)61%(106/174)27%( 39/146 )
50%( 65/130 )64%(145/226)51%( 89/174 )64%( 93/146 )
(女性 ランク C)
66%( 43/65 ) 22%( 21/96 )44%( 47/106 )25%( 41/165 )57%(197/346)
29%( 19/65 ) 43%( 41/96 )27%( 29/106 )20%( 33/165 )40%(140/346)
22%( 14/65 ) 21%( 20/96 )39%( 41/106 ) 8%( 14/165 )56%(195/346)
45%( 29/65 ) 30%( 29/96 )33%( 35/106 )20%( 33/165 )40%(140/346)
37%( 24/65 ) 16%( 15/96 )37%( 39/106 )14%( 23/165 )58%(201/346)
(女性 ランク
ま
ランク C)
92%( 60/65 ) 45%( 43/96 )65%( 69/106 )43%( 71/165 )77%(267/346)
60%( 39/65 ) 75%( 72/96 )57%( 60/106 )46%( 76/165 )67%(232/346)
52%( 34/65 ) 38%( 36/96 )58%( 61/106 )31%( 51/165 )75%(259/346)
66%( 43/65 ) 52%( 50/96 )53%( 56/106 )47%( 78/165 )65%(224/346)
74%( 48/65 ) 40%( 38/96 )56%( 59/106 )31%( 51/165 )80%(277/346)
病期については、全症例を用いて算出しました。
※子宮がん・卵巣がんは、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんを対象として各 AICS の陽性率を
算出しました。
32
各種疾患での AICS の陽性率
各種
17
の AICS の陽性率(ランク C)
17 改変
17 改変
9%( 2/23 ) 43%( 6/14 ) 41%( 16/39 )
18 改変
40%( 6/15 ) 54%( 19/35 )
11
19 改変
14%(5/37 )
7%( 21/313 )
11
11
24%( 15/62 ) 34%(10/29 )
17
11
11
21%( 38/183 )
11
11
11%( 3/28 ) 22%( 12/54 )
17
17
3%( 11/325 ) 6%( 3/54 ) 4%( 33/942 )
17
17
2%( 7/316 )
3%( 4/140 )
7%( 22/325 )19%( 10/54 ) 5%( 45/942 ) 4%( 14/316 )
3%( 4/140 )
5%( 15/325 ) 4%( 2/54 ) 6%( 55/942 ) 5%( 16/316 )
5%( 7/140 )
7%( 20/279 )24%( 12/51 ) 5%( 37/794 ) 6%( 18/308 )
4%( 4/103 )
7%( 3/46 )
0%( 0/3 )
5%( 7/148 )
0%( 0/8 )
0%( 0/37 )
5%( 6/124 ) 7%( 1/14 )
3%( 9/328 )
11%( 2/18 )
4%( 4/109 )
※ A 高血 :収 期血 140
(mm g)
以上または 張期血 90
(mm g)
以上 20)
※ B 糖尿病:空
血糖 126
(mg/d )
以上でかつ
A1c
( S 値)
6.1%以上 21)
※C
質異常症:
コ ステロール140
(mg/d )
以上または
コ ステロール
40
(mg/d )
未満またはトリグリセリド150
(mg/d )
以上 22)
※ 高尿酸血症:血 尿酸値 7.0
(mg/d )
を える 23)
※
性腎臓病:e F (日 人の F 推算式)
60
(m /min/1.73m2)
未満 24)
33
各種
の AICS 陽性率(ランク
17 改変
30%(7/23)
17 改変
17 改変
64%(9/14)
64%(25/39)
18 改変
ランク C)
11
11
47%(7/15) 71%(25/35)
11
19 改変
32%(12/37)
11
ま
21%(67/313)
11
11
60%(37/62) 62%(18/29)
39%(11/28)
60%(109/183)
11
48%(26/54)
17%(54/325) 22%(12/54) 16%(147/942) 10%(31/316) 16%(23/140)
22%(70/325) 52%(28/54) 21%(201/942) 16%(49/316) 13%(18/140)
18%(59/325) 22%(12/54) 21%(201/942) 22%(68/316) 20%(28/140)
29%(80/279) 57%(29/51) 20%(155/794) 22%(67/308) 19%(20/103)
22%(10/46)
0%( 0/3)
20%(30/148)
16%( 20/124) 29%(4/14) 15%(50/328)
25%(2/8)
22%(8/37)
22%(4/18)
13%(14/109)
※ A 高血 :収 期血 140
(mm g)
以上または 張期血 90
(mm g)
以上 20)
※ B 糖尿病:空
血糖 126
(mg/d )
以上でかつ
A1c
( S 値)
6.1%以上 21)
※C
質異常症:
コ ステロール140
(mg/d )
以上または
コ ステロール
40
(mg/d )
未満またはトリグリセリド150
(mg/d )
以上 22)
※ 高尿酸血症:血 尿酸値 7.0
(mg/d )
を える 23)
※
性腎臓病:e F (日 人の F 推算式)
60
(m /min/1.73m2)
未満 24)
34
AICS 受診結果についての留意点
・ AICS は、血液中のアミノ酸濃度バランスを解析することによって、がんに罹患して
いるリスクを評価するものであり、がんの有 を
べる検査ではありません。従って、
検査結果区分が「ランク A」でも、がんに罹患していないとは言いきれません。また、
「ランク B」や「ランク C」でも、必ずしも、がんに罹患している
・ がんに罹患すると共通に変化するアミノ酸があるため、
ではありません。
とつの臓器ががんに罹患して
いる場合、
複数の AICS の 目について「ランク B」や「ランク C」となることがあります。
・ AICS の検査結果の解 や必要な精 検査に関しては、その他の検査結果とともに総合的
に判 してください。
AICS 検査上の注意事項
AICS は、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がんは25
がん
(子宮頸がん、子宮体がん)
・卵巣がんは20
〜90
〜80
、前立腺がんは40
の日
人(
〜90
、子宮
されている方を
く)
を対象として開発された検査です。
これらの方以 のAICS 値は評価対象 となります。
検査前 8
間以内に、
以 (食
、
25 )
プリメント
)は摂らないで、
前中に採血
してください。
検査
に
異常の方、
されている方、
乳中の方、がん患者(
析患者の方は、AICS 値に
療中を含む)の方、先
性代謝
がありますので検査は受けられません。
35
検査要項
5
.
6378
432 7
433 4
0.5
0.5
0.5
2
2
2
9
12
1
8
各 AICS の
2
15
対 と るがん種
検査項目
解析対象となるがん種
男性 AICS[ 4 種] 胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん
女性 AICS[ 5 種] 胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がん(子宮頸がん、子宮体がん)・卵巣がん
女性 AICS[ 2 種] 乳がん、子宮がん
(子宮頸がん、子宮体がん)・卵巣がん
AICS の受 に
る注意点
・ AICS は下記年齢の日 人(
されている方を く)を対象として開発された検査です。これらの方
以 の AICS 値は評価対象 となります。
ご
の際は、性別・年齢を必ず明記してください。
対象がん
対象年齢
胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん
25
〜 90
前立腺がん
40
〜 90
子宮がん
(子宮頸がん、子宮体がん)
・卵巣がん
20
〜 80
・ 検査前 8 間以内に、 以 (食 、 プリメント )は摂らないで、 前中に採血してください。
・ 検査 に
されている方、 乳中の方、がん患者( 療中を含む)の方、先 性代謝異常の方、 析患
者の方は、AICS 値に
がありますので検査は受けられません。
・ 血漿( TA 2Na)以 の材料は受 できません。
36
AICS
㻭㻵㻯㻿 検体処理方法
37
参考文献
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式会
共同研究プロジ
クト
データ
12 ) 立行 法人国立がん研究センターがん対 情報センター:地域がん登録全国推計によるがん
罹患データ( 1975 年〜 2006 年)全国年齢階級別推定罹患率(
pro e iona / a i ic /od r 3000000
13 ) 生
がん研究
:全がん協加
(
成
p //
フト面の
に関する研究」
査 全がん協生存率( 1997 年〜 2000 年)
.g nma cc. p/ ar ki an/ ei onri / ei onri . m )
14 ) 生
がん研究
:有
a a /cancer incidence( 1975 2006 ).x )
「地域がん専門診療施設の
施設の生存率協同
p //gan o o.ncc.go. p/da a/
成 「がん検診の
性評価に基づく胃がん検診
イドライン
15 )日
尿器
学会:前立腺がん検診
16 )日
尿器
学会:前立腺癌診療
17 ) iga
i ama
, e a T e 69
な方法とその評価法の確立に関する研究」
全
p . 18( 2006 )
イドライン2010 年増
p.8
イドライン2006 年 p . 35−37
Ann a
ee ing o
e apane e Cancer A ocia ion
proceeding p . 509( 2010 )
18 ) oc i A, e a T e 69
Ann a
ee ing o
e apane e Cancer A ocia ion proceeding
p . 509−510( 2010 )
19 )
学,他 日
癌
療学会
20 )日
高血
21 )日
糖尿病学会:糖尿病
療
22 )日
動
化性疾患予防
23 )日
学会高血
化学会:動
・
2
24 )日
療
45( 2 ) p.621( 2010 )
酸代謝学会
イドライン
成
会:高血
療
イドライン 2009, p . 8
イド2010 p.18
イドライン
イドライン 2007 年度
定
会:高尿酸血症・
p.6
の
イドライン
p . 30( 2010 )
腎臓学会:C
診療
式会
内データ
25 ) の
イド 2009 p . 12
※本件に関するお問い合わせは担当営業員もしくはデータインフォメーションまでお申し付けください。
は の
は、 の
物の
療
は の
式会 が開発した解析 ー スです
式会 の
です
式会 に 属し、
で複 ・複 ・ 載することは法 で じられています
20140610 3