日本の顧客中心ビジネスは位 置情報を有効利用

Googleの委託により
独自に実施した
Technology Adoption Profile
日本の顧客中心ビジネスは位
置情報を有効利用
はじめに
顧客の時代がやって来ました。顧客は、携帯端末、クラウド接続機器を使い
こなし、自分が望むもの、望むとき、望む場所を市場に要求しています。顧
客にこだわる企業はこのことに気付き始め、携帯端末を利用し、顧客が望む
時間と場所に対応しようとしています。顧客およびパートナーに効果的に対
応する能力は、適切なタイミングだけでなく、適切な場所でサービスを提供
することが重要となっています。
Googleの依頼により、アジアのビジネスリーダーが、位置情報について、現
在の利用状況とどのように認識しているか、そして位置情報サービスの今後
の利用計画についてどのように考えているかを調査しました。位置情報サー
ビスは、製品、顧客、または資産(たとえばオフィスビル)などの物理的ア
イテムが位置する場所の情報を利用するサービスです。
Forresterは、オーストラリア、日本、台湾、シンガポール、タイ、フィリ
ピンの300名の回答者を調査しました(n = 各国で50)。その調査から、以下
のことを発見しました。
›
位置情報サービスは、既に企業全体に利益をもたらしている。
›
位置情報は、次世代の携帯アプリの主なイネーブラーになる。
›
位置は、企業内で中心的プラットホームになりつつあり、企業が顧客の時
代で成功するのを支援する。
2014年8月
1
位置情報サービスは既に企業に真の利益をもたらしている
スマートフォンにより、位置情報に注目が集まる
位置情報は、何年にもわたりアジアのビジネスリーダーにより利用されており、新しい技術や機能ではありません。車載G
PSは、多くの点で古い技術です。2000年代初めに、衛星への見通し線なしにモバイルネットワーク上の端末(および端末の
利用者)を追跡する方法として、三角測量が登場しました。さらに、動作や方向を追跡する方法として加速度計が提案さ
れました。しかし、位置情報を最大限に活用するアプリケーションもコンテンツに対応可能な端末もなく、位置情報はニ
ッチ市場のままでした。リモートワーカーの顧客サービス向上を支援するためのリモートワーカー管理やフリート管理等
のアプリケーションに焦点が当てられていました。
今日では、このすべてが変わりました。現在、アジア全域の全回答者の37%が既に位置情報を利用しており、リモートワ
ーカーや車両の位置追跡を行っています。位置情報は即座に利用可能であり、コンテンツに対応し、さらに充実させるモ
バイル端末が従業員や顧客の手中にあります。実際、調査した企業の63%が現在何らかの用途に位置情報を利用していま
す(図1を参照)。これはオーストラリアで高く、回答者の72%が現在位置情報を利用しており、シンガポールでは回答者
の68%が顧客または従業員をサポートするために何らかの位置情報を利用しています。日本企業では、56%が位置情報を
利用しています。日本は、モバイル端末用の位置情報サービスを最初に導入した国の一つであるにもかかわらず、企業間
の位置情報サービスの利用率は下位です。これは、従来の複雑なアプリケーションに位置情報を統合する困難さ、顧客中
心の位置サービスの利用しやすさ等様々な要因によるものです。公に入手可能なマッピングシステムにより位置情報セッ
トは充実化しており、企業はこの情報を用いてより適切な決断を下し、より良い顧客サービスを行う方法を見出していま
す。
図1
現在、大多数の企業が位置情報を利用している
「貴社では、次のどの位置情報を利用していますか(または利用する予定ですか)?」
(当てはまるものを全て選択してください)
関心はあるが予定なし
導入予定
導入済みまたは適用拡大
関心も予定もない
アジア太平洋
11%
26%
63%
2%
オーストラリア
シンガポール
26%
10%
22%
台湾
12%
タイ
12%
フィリピン
日本
72%
20%
12%
68%
24%
64%
28%
60%
22%
32%
情報源:300名のオーストラリア、シンガポール、フィリピン、日本、台湾、およびタイの回答者
出所: Googleの委託によりForrester Consultingが実施した調査(2014年8月)
58%
56%
2
位置情報は多数の部門で利用されている
日本では、従来の拠点である業務、物流、流通部門を越えて位置情報が利用されています。位置情報の全利用者の80%が
業務部で利用しており、現在も大半を占めていますが、他の部門での利用も増加しています。マーケティング部が第二位
であり、全利用者の74%がマーケティングチームと回答しています。ガバナンスチーム(60%)でも多く利用されています
(図2を参照)。位置情報の利用事例は増加し続けており、モビリティがこの傾向を後押ししています。
図2
位置情報は多数の部門で利用されている
「現在、位置情報を利用しているのはどの部門・部署ですか?」
(当てはまるものを全て選択してください)
業務
80%
マーケティング
74%
IT
68%
ガバナンス
60%
営業
52%
顧客サービス
34%
経理
34%
購買
34%
サプライチェーン
26%
物流・流通
24%
戦略・リーダーシップ
18%
商品開発
18%
研究開発
18%
人事
製造
16%
6%
情報源:日本人回答者50名
出所: Googleの委託によりForrester Consultingが実施した調査(2014年8月)
これによると、現在多数の企業が位置情報を利用しており、それ以上の企業が今後位置情報を利用する予定である一方で、
日本企業内に位置情報の利用が少ない分野があり、そこに業績向上につながる位置情報のさらなる活用の可能性がありま
す。図2は位置情報が業務を越えて利用されている事実を示していますが、いまだに位置情報を利用していない部門や部署
があります。以下は、新たな利用事例の一例です。
›
戦略的意思決定のための利用。戦略チームは位置情報の効果的な利用により、企業全体をより適切な決断へと導く機会
を得ます。たとえば顧客の勤務先や住所に基づき、配達コストを最小限に抑える新たな倉庫場所を選択できます。製品
開発チームは、顧客の位置に基づいた製品カスタマイズにより、さらに優れた業績につなげることができます。人事部
は、特定のスキルを持つ人材が集まる特定の場所に狙いを定めることにより、採用担当者が優れた人材を企業にもたら
す秘訣を理解できます。位置情報は、事業価値と顧客価値を向上させます。
›
顧客との強い連帯。小売業者は、屋内の位置ネットワークを利用して店舗内の顧客体験を向上させることができます。
顧客は、購入・カスタマイズしたい製品に効率的に案内され、目の前の製品を注文し、店舗から出る際に自動的に清算
できます。
3
›
顧客洞察力の強化。長期にわたる製品関連の顧客行動に基づくことで、企業は顧客をより良く理解することができます。
たとえば、靴屋は顧客行動の追跡により、古い靴が磨り減っているときに効果的に新しいランニングシューズの購入を
促すことができます。
位置情報は、顧客満足と業務結果向上のために利用されている
位置情報を利用している企業の目的は、顧客サービスの向上です。メニュー検索不要の現地ニュース・天気の配信、最寄
りのエージェントへのサービスコール転送、スマートフォンアプリのコンテンツとプロセスをローカライズする航空会社
など、必要なときに顧客を適切な成果に導くための優れた位置情報サービスの事例が、日本には既に多数あります。位置
情報の利用により達成した(または達成したい)ビジネス上の利益については、日本人回答者の60%が「顧客ロイヤルティ
の向上」、36%が「従業員または資産当たりの生産性の最適化」、32%が「顧客離れ減少」と回答しました(図3を参照)。
「競争に遅れを取らない」、「競合他社に先んじる」(それぞれ50%と48%)、「増収」(46%)等、業務結果も重要な位
置を占めています。
図3
位置への投資が顧客満足と業務結果を向上させる
「位置情報サービスへの投資により、達成した(または達成したい)ビジネス上の利益は次のどれですか?」
(当てはまるものを全て選択してください)
業務結果
人員/顧客満足
競争に遅れを取らない
50%
顧客ロイヤルティの向上
競合他社に先んじる
48%
増収
46%
コスト削減
従業員/資産当たりの生産性の最
適化
36%
40%
顧客離れ減少
市場投入時間の短縮
60%
36%
情報源:日本人回答者50名
出所: Googleの委託によりForrester Consultingが実施した調査(2014年8月)
32%
4
位置情報は、次世代の携帯アプリの主なイネーブラーになる
顧客のニーズを効果的に満たすためには、携帯アプリケーションとサービスが顧客の位置に基づいており、必要なときに
ニーズに合った内容でなければなりません。たとえば、ホテル滞在を一週間後に控えた在宅時(予約機能と目的地を検索す
る機能)とホテル滞在中(ホテル周辺の食事やレジャーのオプション等)に、異なる体験を提供するホテルアプリです。顧
客が競合他社の店舗にいる間に、時間制限のある顧客限定プロモーションを提供する携帯アプリを利用している小売業者
が既に存在します。位置情報によって全く新世代の携帯アプリが可能になり、日本企業はこの事実に気付き始めています。
携帯アプリとモバイルコマースは位置情報により充実化されている
企業において今後可能性のある位置情報サービス搭載アプリケー
ションについては、「充実した携帯アプリ」が最も多い回答でし
回答者の42%が顧客満足向上のために、位置情
た。日本企業の70%が今後の主な利用例として、顧客のための携
報で従業員を支援する予定です。
帯アプリに位置情報を統合することを検討していました(図4を参
照)。実際に位置情報を顧客の携帯アプリに搭載しているのは日
本企業のわずか6%である一方で、54%が「今後1~2年以内に位
置情報を顧客の携帯アプリに搭載する予定」であり、さらに32%が「パートナーの携帯アプリに位置情報を搭載する予定」
だと回答しました。
回答者の42%が「顧客満足向上のために、位置情報で従業員を支援する予定」です。また24%が「顧客がより適切な決断
を下せるように、位置情報を用いた多数のチャンネルを通して顧客エンゲージメントを強化する予定」だと回答しました。
ますます多くの企業や携帯アプリ開発者が、顧客満足向上のために位置情報をさらに効果的にアプリで利用し始めている
ため、位置情報サービスの約束は実現され始めるでしょう。
図4
位置情報が携帯アプリを充実させている
「貴社のビジネス環境において、可能性のある位置情報サービスアプリケーションはどれだと思いますか?」*
「今後1~2年間、貴社は以下のアプリケーションでどのように位置情報サービスを利用する予定ですか?」
現在
予定
充実したモバイルアプリ*
検討していない
26%
わからない
4%
70%
4%
顧客向けアプリ
6%
54%
36%
2%
モバイルコマースアプリ
30%
48%
20%
2%
ソーシャルメディアアプリ
ビジネスパートナー/サプラ
イヤー向けアプリ
26%
44%
28%
2%
4%
32%
情報源:日本人回答者50名
出所: Googleの委託によりForrester Consultingが実施した調査(2014年8月)
62%
5
位置は、企業におけるイネーブリングプラットホームである
位置情報サービスから位置情報データへ
位置情報により可能になった新たなサービスの多くが「位置中心」であり、マッピングや「ファインダー」アプリなどの
オリジナルアプリの多くも「位置中心」であったと仮定すると、何年間も位置情報サービスに重点が置かれてきたことに
なります。しかし今日、位置はその他のサービスのイネーブラーです。既存の機能を充実させ、企業のリーダーと従業員、
そして顧客がより適切な決断を下す手助けをします。販売データを位置情報で充実させることにより「位置情報サービス」
を生み出すのではなく、より正確な予測へと導きます。情報を顧客の位置に合わせることは、適切なタイミングで適切な
情報を提供することです。位置情報は、企業の様々な部門および職務間で利用されており、既存の機能を向上させると同
時に新たな機能を可能にしています。
企業は、位置情報に強化された豊かな顧客体験を提供する
企業は、位置情報を利用して顧客サービスを向上させ、顧客が必要なときに適切な決断を下す手助けをしたいと望んでい
ます。顧客、パートナー、そしてサプライヤーに適切なタイミングと場所で適切な情報を与えることで、より良い決断へ
と促すことができ、業績向上につながります。日本で調査対象となった企業は、顧客の位置に基づいて差別化された製品
やサービスを提供する等、「顧客ターゲティングの改善」(66%)を目指していると回答しました。位置情報の利用により
サービスチームや修理チームをうまく割り当てる等、「顧客の問い合わせに迅速に対応」すること(59%)も、日本企業の
優先事項です(図5を参照)。今後1~2年間は、位置情報を用いたアクティビティやイノベーションを立て続けに目にする
でしょう。現在、貴社では位置情報を真剣にとらえていなくても、競合他社では導入される可能性が高いです。
6
図5
位置情報は、顧客満足とビジネスの成功を促進する
「位置情報サービスにより、どのような顧客体験を充実させたいですか?」
位置情報の利用により顧客ターゲ
ティングを改善
66%
顧客の問い合わせに迅速に対応
59%
位置情報の利用により、ニーズに
合ったタイムリーなオファー・
サービスを提供
51%
待ち時間短縮により顧客満足度を
向上
51%
履歴の位置情報分析に基づき、
サービス提供を最適化
49%
位置情報の利用により新たな顧客
サービス・機能を導入
27%
顧客に関わる従業員・資源の正確
なモニタリング
27%
情報源:日本人回答者41名
出所: Googleの委託によりForrester Consultingが実施した調査(2014年8月)
位置情報は、日本企業に事実に基づいた決断を促す
多数の企業や政府機関は、決断から直感を排除して実際のデータにより決断を下す「事実に基づいた企業」になるという
目標を掲げています。位置情報はデータを充実させるために次に必要な段階の一つで、企業がより適切な決断を下し、顧
客満足を促進し、企業のリーダーがビジネス目標を達成することを支援します。
しかし、位置情報の旅はまだ始まったばかりです。企業内に位置情報が利用されていない箇所が多数あり、位置情報が利
用されている箇所にもデータを充実させつつ、より適切な決断へと導くための利用事例が多数あります。市場を混乱させ
るために、ビジネスにおける位置情報の戦略的活用方法を企業は検討しなくてはなりません。
7
調査方法
このTechnology Adoption Profileは、Googleの依頼により実施されました。このプロフィールを作成するために、Forres
terは、オーストラリア、日本、台湾、シンガポール、タイ、フィリピンの300名の回答者を調査し(n = 各国で50)、位置
情報サービスに関する質問をしました。これには、フリートマネージャー、現場サービスマネージャー、サービスマネー
ジャー、サポートマネージャー、交通管理者、サービスセンターマネージャー、業務マネージャー、業務ディレクター、
カスタマーサービスマネージャー、ロジスティクスマネージャー、サービスデスクマネージャー、位置情報サービスを利
用するその他マネージャーが含まれます。補助的な独自調査は、2014年5月~2014年8月に実施されました。Forresterのデ
ータパネルとTech Industry Consultingサービスに関する詳細は、www.forrester.comをご覧ください。
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