実質内部収益率

投資プロジェクトの割引現在価値
山口慧祐・藤村駿佑・辻本歩
目次
・割引現在価値
・内部収益率
・債券
・利子率
割引現在価値
割引現在価値とは・・・
未来に得られる収益を現在の価値に
直すといくらになるのかを示したもの
𝑅
V=
1+𝑖
100円を利子率2%で1年間銀行に預けた場合
1年後の102円 =現在の100円
102
= 100
1 + 0.02
長期で考えると
𝑅1
𝑅2
V=
+
1+𝑖
1+𝑖
𝑅𝑛
+
⋯
+
2
1+𝑖
t 時点におけるプロジェクトの価値を 𝑉𝑡 とすると
𝑅𝑡+1
𝑅𝑡+2
𝑅𝑡+𝑛
𝑉𝑡 =
+
+
⋯
+
1+𝑖
1+𝑖 2
1+𝑖
𝑛
𝑛
Vの金額を利率 𝑖 で 𝑛期間銀行に預けるのと、
プロジェクトを手がけるのは全く同じ価値を
もっていることを確かめよ
𝑅1
𝑅2
𝑅𝑛
V=
+
+ ⋯+
2
1+𝑖 1+𝑖
1+𝑖
1 + 𝑖 𝑛 をかけると
V 1+𝑖 𝑛
= 𝑅1 1 + 𝑖
利率 𝑖で
𝑛−1
𝑛
の両辺に
𝑛 期間銀行に預けた金額
+ 𝑅2 1 + 𝑖
𝑛−2
+ ⋯ + 𝑅𝑛
𝑉𝑡が 𝑡 時点における市場価値より
小さければどうなるか
大きければどうなるか
が 時点における市場価値より
小さい時
→プロジェクトを売却して、売却代金
を銀行に預金すべき
大きい時
→プロジェクトを引き受けたいと考える
買い手が現れるから、市場価格は
まで上昇する
𝑅𝑡+1 + 𝑉𝑡+1
𝑉𝑡 =
が成り立つことを計算によって示し、
1+𝑖
この式の意味を考えよ
𝑅𝑡+1
𝑅𝑡+2
𝑉𝑡 =
+
1+𝑖
1+𝑖
𝑅𝑡+2
𝑅𝑡+3
𝑉𝑡+1 ÷ 1 + 𝑖 =
+
1+𝑖
1+𝑖
𝑉𝑡+1
𝑅𝑡+2
↔
=
1+𝑖
1+𝑖
𝑅𝑡+𝑛
+⋯+
2
1+𝑖
𝑛
𝑅𝑡+𝑛
+ ⋯+
2
1 + 𝑖 𝑛 −1
𝑅𝑡+3
+
2
1+𝑖
𝑅𝑡+𝑛
+ ⋯+
3
1+𝑖
𝑅𝑡+1 𝑉𝑡+1
𝑅𝑡+1 + 𝑉𝑡+1
∴ 𝑉𝑡 =
+
=
1+𝑖 1+𝑖
1+𝑖
𝑛
𝑅𝑡+1 + 𝑉𝑡+1
𝑉𝑡 =
の意味
1+𝑖
𝑅𝑡+1 + 𝑉𝑡+1
𝑉𝑡 =
↔ 𝑅𝑡+1 + 𝑉𝑡+1 − 𝑉𝑡 = 𝑖𝑉𝑡
1+𝑖
𝑅𝑡+1 :インカムゲイン
(株式の配当、社債の利子等)
𝑉𝑡+1 − 𝑉𝑡 :キャピタルゲイン
(資産の価格の上昇による利益)
内部収益率
𝑅1
𝑅2
C=
+
1+𝑥
1+𝑥
𝑅𝑛
+
⋯
+
2
1+𝑥
𝑅1
𝑅2
V=
+
1+𝑖
1+𝑖
𝑅𝑛
+
⋯
+
2
1+𝑖
𝑛
𝑛
𝑥 を一意に決めることができたら・・・
x≥
𝑅𝑛
i のとき 1 + 𝑥
𝑛
≤
𝑅𝑛
1+𝑖
𝑛
∴ C ≤ V(プロジェクトは採用されるべき)
x ≤ i のとき
≥
∴C≥V
(プロジェクトは採用されるべきではない)
債券
債券とは・・・
発行者が購入者に対して
債務があることを表した券
債券には何が書いてあるか?
・発行者の名前
・額面
・利札額
・満期までの期間
額面・・・額面に表された金額が
借金の額
利札額・・・額面に対して利札率を
かけたもの=利子
満期までの期間・・・借金を完済する
までの期間
債券の市場価格
V:債券の市場価格
Z:額面価格
r:利回り
i:市場利子率
V = {r/(1+i)+r/(1+i)²+・・・(1+r)/(1+i)ⁿ}Z
利回りと市場利子率の違い
利回り・・・債権者に対して払う利子
市場利子率・・・債券の市場での価値を決める
もの。業績、信用性が高い
会社は高くなる
市場利子率が高くなった時の債券の
市場価格は上がるか、下がるか?
答.下がる
株価、コンソール(永久債券)、通常債券
価格変動が小さい順番は?
答.通常債券<コンソール<株価
通常債券・・・満期があり確定した利子がある。
コンソール・・・期間が長いが確定した利子があ
る。
株価・・・期間が長く確定した利子もない。
*より期間が短いほど利子率が変化しにくい。
実質利子率と名目利子率
実質利子率(物価変動の影響を除いた利子率)
実質利子率(r)=名目利子率(i)-期待インフレ率(EP)
期待インフレ率を用いるのは「今」お金を貸し(借り)たら
「今後」どうなるかを考えているから
(例)現在の名目利子率が5%
期待インフレ率が3%のとき
預金:100円 →105円
1年後
物価:100円 →103円
見かけは5円の利息だが、
物価の上昇も考慮に入れると
実質2円を手に入れたことになる