我が国における医薬品の一般的名称の変更(案)に関する意見の回答

日薬連発 第419号
平成19年8月7日
加
盟
団
体
殿
日本製薬団体連合会
我が国における医薬品の一般的名称の変更(案)に関する
意見の回答について
標記につき、厚生労働省医薬食品局審査管理課より事務連絡が発出されました。
平成 18 年 10 日 2 日付け事務連絡意見募集(別添)に対する回答です。
つきましては、本件につき貴会会員に周知頂きたく御連絡申し上げます。
別添1 変更案に対する意見
別添
品目名
意見
理由等
回答
通常の化学名の表記と同様に活性本体
のINNが「--acid」であれば「--ate」へと変
更しております。その上で、INNが規定さ
れているような医薬品では現行の語順通
りとし、通常の化学名であれば、化学薬品
や試薬と同様に「--ium」「--ate」へと変更
しております。
1
フルフェナム酸アルミニウム
カルボン酸誘導体の金属イオン塩については、改正方針である主薬効が
当該品目の英名は「Aluminum
最初の書き出しではなく、IUPAC命名が採用されている。即ち、最初に陽イ
Flufenamate」が妥当ではないか。カル
オンが、次いで陰イオンの順であり、フルフェナム酸アルミニウムだけが例
ボン酸誘導体の金属イオン塩の命名
外的な命名となっており、統一性に欠けている。主薬効を最初の書き出し
法について改正方針に記載されていな
とする改正方針に添えば、別添1の品目は改正方針に従っておらず、その
いので、明らかにすべきである。
理由の根拠が見つからない。
2
塩酸セレギリン
旧名称を使用できる猶予期間は設けさせ
エフピー錠2.5は覚せい剤原料として平成10年12月の発売以来、覚せい剤 ていただきますが、名称は命名方針に従
旧JAN日本名である塩酸セレギリンと
原料譲受・譲渡証への記載名称は塩酸セレギリン錠として定着しており、 い変更させていただきます。また、別名を
して残す。
残す事は考えておりません。新名称に統
この名称を変更すると法的手続を含めて市場が混乱するため。
一すべきと考えております。
2
塩酸ピパンペロン
塩酸フロロピパミドが正名では。
本品のINNは「pipamperone」であることか
現在のJANでは塩酸ピパンペロンが収載されていますが、局外規では、塩
ら、JANもピパンペロンとすべきと考えて
酸フロロピパミドが正名であり、塩酸ピパンペロンは別名として扱われてお
おりますので、「塩酸フロロピパミド」「塩酸
ります。今後局外規正名の塩酸フロロピパミドの取扱いはどのようになる
ピパンペロン」を「ピパンペロン塩酸塩」と
のでしょうか。今後、塩酸フロロピパミドの名称変更はされるのでしょうか。
変更いたします。
2
コンドロイチン硫酸ナトリウム
別名に旧JANを残していただきたい。
「コンドロイチン硫酸エステルナトリウム」とした場合、表示名称が長くなり 旧名称を使用できる猶予期間は設けさせ
表示に不都合が生じる場合がある。旧名称はよく知られてい馴染む深い ていただきますが、別名を残す事は考え
名称であり、表示改訂により無用な誤植や誤用を避けたいため。直接の容 ておりません。新名称に統一すべきと考
えております。
器等の改訂に伴い、企業にとって経済的な負担が大きいため。
2
ピペタナートエトブロミド
本品は3級アンモニウム・ピペタナートのエ
チル誘導体であり4級アンモニウム塩の臭
新JAN日本名「エチルピペタナート臭
化物です。INNにおいて「pipethanate」が
新命名法に準拠すれば、エチルピペタナート臭化物の方が適切であると考
収載されており、「ethobromide」はINNに
化物」、新JAN英名「Ethyl Pipethanate
える。この修正に伴い英名についてはEthyl Pipethanate Bromideと修正す
は収載されておりませんが、汎用されてい
Bromide」とそれぞれするのが妥当で
べきと考える。
る短縮名であることより、「ピペタナート
はないか。
エトブロミド(pipethanate ethobromide)」と
いたします。
2
旧JANをフェノールフタリン酸クロルプ
ロマジンに修正するか、これを併記す
局外規には、フェノールフタリン酸クロルプロマジンで収載されているた
フェノールフタレイン酸クロルプロマ
る。若しくは新JANをクロルプロマジン
め、局外規との整合性を図っていただきたい。
ジン
フェノールフタリン酸塩に修正するか、
これを併記する。
2
フルルビプロフェン アキセチル
従来より「フルルビプロフェン アキセ
チル」として通知・運用されている。
JAN通知(S63.6.25)では、「フルルビプロフェン アキセチル」とスペース付
今まで通りの名称「フルルビプロフェン ア
きで通知されている。当該有効成分含有製剤の承認書及び添付文書も当
キセチル」といたします。
該名称を利用している。
3
インダパミド水和物
インダパミドへの修正。
従来「インダパミド」は1/2モルの結晶水を有するものとして取り扱っており
インダパミド水和物ではなく、インダパミド
ます。しかし現在当該品目の日局収載審議を行っており、審議においては
といたします。
無水物として取り扱われる予定となっているため。
3
塩酸セトチアミン
旧JANとして「塩酸ジセチアミン」を追
加する。新JANとして「ジセチアミン塩
酸塩水和物」を追加する。新JAN英名
として「Dicethiamine Hydrochloride
Hydrate」を追加する。
局外規には、塩酸ジセチアミンで収載され、塩酸セトチアミンは別名となっ
ている。一方JAN辞典では、塩酸セトチアミンと塩酸ジセチアミンが併記さ
れ、どちらも正名扱いとなっている。このため、両方を併記するのが適当と
考える。
3
塩酸ピルシカイニド
本品のINNは「pilsicainide」であることから
「塩酸ピルシカイニド」→「塩酸ピルジカ
JANも「ピルシカイニド」とすべきと考えて
承認当初より「塩酸ピルジカイニド」であり、日本薬局方外医薬品規格第三
イニド」
おりますので、「塩酸ピルジカイニド」を「ピ
「ピルシカイニド塩酸塩水和物」→「ピ 部にも「塩酸ピルジカイニド」として収載されているため。
ルシカイニド塩酸塩水和物」と変更いたし
ルジカイニド塩酸塩水和物」
ます。
3
グルコン酸カリウム
旧名称通り。
「フタレイン酸」と「フタリン酸」の構造は異
なり、当該品目の構造については「フタリ
ン酸」が適切であるため、新JANを「クロル
プロマジンフェノールフタリン酸塩」といた
します。
本品のINNは「cetotiamine」であることか
ら、新JANの正名を「セトチアミン塩酸塩
水和物」とし別名を「ジセチアミン塩酸塩
水和物」といたします。
本品は、局外規に規定の乾燥減量3.0%以下であり、USP規定の乾燥物に
御指摘のとおり本品は無水物であるの
該当し、一水和物の規定6.0~7.5%に該当しないため。また、水和物では錠
で、今まで通りの名称「グルコン酸カリウ
剤調製時の打錠性に課題があるため、本品は無水物として市販されてい
ム」といたします。
る。
1/2
別添1 変更案に対する意見
別添
品目名
意見
理由等
回答
3
グルコン酸カリウム
旧名称通り。
局外規に収載されている当該品目は、その規格・試験法等より無水物の
みを規定するものであるので、水和物の表記は不適切であると考える。
御指摘のとおり本品は無水物であるの
で、今まで通りの名称「グルコン酸カリウ
ム」といたします。
3
グルタチオン(還元型)
対応不要ではないか。
当該品目は既に局方に収載されており、対応不要ではないか。
御指摘のとおり、対応不要といたします。
2/2
別添2 その他
該当箇所
意見
理由等
回答
添加物全般
15局に収載されていない添加物につ JAN命名法の変更に伴い、各社が独自の判断で名称を変更した 添加物の命名については、改正の方針や命名法
いても、今後名称変更が行われるの 場合、同一添加物でありながら会社により名称が異なる等の混乱 を定めていないところです。方針等、今後検討し
か。
が生じる恐れがあるため。
ていきたいと考えております。
全般的事項
JAN変更として正式に通知する際に 意見募集として公表された新旧対照表では、名称に変更のある品
名称を変更する品目のリスト及び変更しない品目
は、変更の無い品目に関してもリスト 目のみが記載され、その他の品目についてはその名称に変更が
のリストを公表したいと考えております。
として公表いただきたい。
無いのか、記載漏れであるのかが判断できないため。
全般的事項
有効成分以外の品目(添加剤等)に関
しても一般名の命名基準に従い名称
変更の必要性があると考えられる成
分がある。
水和物の表記
「アレンドロン酸ナトリウム 水和物」→
「アレンドロン酸水和物」とスペースが
今回スペースが削除された品目もあるが、スペースが追加された スペースの有無については、命名法に明記してい
削除されたが、今後全ての製品でス
成分もある。
る通りです。
ペースの有無の影響のないルール策
定をしていただきたい。
水和物の製剤名称
JANにおいては、「○○水和物」となっ
例えば、JANは「メチルドパ水和物」であるが、日局収載の製剤で
ているが、一般的名称では水和物を
は「メチルドパ錠」と水和物の記載がないため。
省略して良いか。
JAN(一般的名称)では水和物を明記し、製剤に
おいては水和物を明記する必要はないと考えて
おります。
旧名称の使用期間
旧名称が使用できる期間として十分な
旧名称の使用について、相当の期間を認めていただきたい。
期間を設定していただきたい。
十分な期間を設定したいと考えております。
旧名称の使用期間
旧名称の削除及び使用不可とする際
には、十分な猶予期間を設け、事前に 包装表示、添付文書の対応に時間を要するため。
情報伝達願いたい。
猶予期間は十分な期間を設けたいと考えおりま
す。また、旧名称が使用できなくなる時期につい
ては、事前に情報伝達できるようにいたします。
その他のJAN収載品目
別紙の名称についても変更が必要で 今回の変更案には掲載されていないが、新命名法に従った場合、
今後対応いたします。
はないか。
これらの名称についても変更が必要ではないか。
局外規収載品目
現在JANに収載されている医薬品で、かつ局外規にも収載されて
いる医薬品において、今回のJAN名称変更案リストに記載のない
今回のリストにないJANは、今後も名
ものが、多数見受けられます。どのような理由によるものでしょう 今後対応いたします。
称変更はないと考えて良いか。
か。
塩酸メプリルカイン、塩酸メクリジン、塩酸テトラヒドロゾリン等
JAN未収載品目
JAN未収載品目の取扱いはどのよう
なものか。
承認申請取扱い
今回のJAN名称変更による承認申請等の取扱いに関し、今までの
JAN変更に伴う承認申請等の取扱い 通知や事務連絡で触れられていない留意事項があれば、通知等 名称変更による取扱いは、15局課長通知及び
について知りたい。
でお示しいただきたい。
Q&Aで示すとおりです。
例えば、一変・軽微の取扱い、対応期限、経過措置期間等
日局収載品目に関しては、添加剤として使用されている品目につ
いても、今回の改正において変更がなされております。局外規、薬
添規等の品目やそれ以外にも添加剤として使用実績のある品目
に関しては、名称の変更の必要があるのか否か通知いただき、必
要であるならば変更の有無、変更前後の名称を公表いただきた
い。
日局収載の添加物の内、名称を変更した品目は
主に国際調和に伴うものです。添加物全般の命
名法の改正等方針について、今後検討していき
たいと考えております。
現在JAN未収載の医薬品成分の命名法についても、今回のJAN
名称変更と同様の考え方ができると思われるが、既に日本国内に
おいて医薬品として使用されている以下の成分のJANの変更はな
今後対応いたします。
いと考えて良いか。
塩酸プソイドエフェドリン、酢酸d-α-トコフェロール、コハク酸d-
α-トコフェロール等
1/1
別紙
L-システイン塩酸塩
酢酸ナファレリン
塩化サクシニルコリン
サリチル酸メチル
塩酸イソプロテレノール
ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン
塩酸システイン
臭化メチルアトロピン
塩酸チノリジン
酒石酸ブトルファノール
塩酸トリエンチン
硝酸テトラヒドロゾリン
塩酸ヒドロキソコバラミン
トリオレイン酸ソルビタン
塩酸ペンタゾシン
パルミチン酸イソプロピル
塩酸メトクロプラミド
ビベンズ酸プロメタジン
塩酸モザバプタン
フルニソリド
塩酸ロピニロール
マレイン酸ロシグリタゾン
塩酸ロメフロキサシン
モノステアリン酸ソルビタン
重酒石酸コリン(コリンビタルタレート)
モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン
クエン酸鉄アンモニウム
硫酸イソプロテレノール
コハク酸ソリフェナシン
硫酸クロピドグレル
コハク酸プレドニゾロンナトリウム
リン酸ジソピラミド
コンドロイチン硫酸・鉄コロイド
リン酸チアミンジスルフィド
酢酸セトロレリクス
1/1
別添
日薬連発 第566号
平成18年10月5日
加
盟
団
体
殿
日本製薬団体連合会
我が国における医薬品の一般的名称の変更(案)に関する意見の募集について
標記につき、厚生労働省医薬食品局審査管理課より事務連絡が発出されました。
つきましては、本件につき貴会会員に周知いただきたく御願い申し上げます。
第 15 局に収載されていない医薬品の JAN(Japanese Accepted Names for
Pharmaceuticals)変更に関し検討を行い、JAN 変更(案)を作成したので意見等を募
集するものです。
・締切日:平成 18 年 10 月 31 日(火) 必着
・提出先:厚生労働省医薬食品局審査管理課 今泉 様
意見提出用紙に記入の上、e-mail、Fax、又は郵送にて