2013年3月8日

16 番弘前市民クラブの加藤とし子です。
(2013 年第 1 回定例会・3 月議会)
今日 3 月 8 日は国際女性デーです。
それは、世界各地で女性たちがパン(経済的豊かさ)とバラ(尊厳)と平和をもとめて立
ち上がる日と言われ、今年で 103 年目を迎えました。
私も、市民のいのちと暮らし、平和、基本的人権を守る立場から、通告に沿って、7 項目
についての一般質問をさせていただきます。
第 1 項目は、街なかカラス対策の強化についてであります。
カラス対策については、今日まで幾度か質問で取上げ経過を見て来ました。今定例会で
は 3 項目について取上げました。
(1)カラス駆除の実施状況について
平成 24 年の 3 月議会でカラス対策について取上げたところ、平成 24 年度は、箱わなに
よる捕獲駆除を実施する予定とのご答弁を頂きましたが、その後、街なかや郊外の農林部
門も含めての駆除状況及びその効果について、また、カラスのねぐらはどこで、どのくら
いの個体数なのかお伺いします。
<答弁>
昨年度からカラスの糞害等を少しでも減らすため、弘前公園周辺の中高層建築物
にテグスを張ってカラスの住みにくい環境を作ったり、カラス対策サポーターや市
民参加により、街なかのカラスを夜の弘前公園へ誘導したりしましたが、カラスは
いろいろな対策に関わらず、ねぐらを転々としている状況であります。
市内の夏季のねぐらは、弘前公園内及び周辺でしたが、現在のところ駅前方面を
日替わりで移動している状況であり、移動する理由はいろいろ調べておりますが、
今のところ明らかになっておりません。
カラスの個体数調査につきましては、
「日本野鳥の会弘前支部」の協力のもと実施
し、平成24年2月には城東方面で 4,415 羽、平成 24 年 10 月には弘前公園周辺で
5,800 羽を確認しております。
また、カラスの捕獲につきましては、箱わな 2 基を市内 2 箇所に設置し、昨年 7
月から 2 月 21 日現在まで、415 羽を捕獲駆除しております。
因みに、農村部でも有害鳥駆除として、昨年 4 月から 2 月 21 日現在まで、758 羽
を捕獲駆除しております。
今後のカラスの捕獲につきましては、平成 25 年度から箱わなを 1 基追加設置し、
計3基で通年での捕獲駆除を行う予定としており、捕獲駆除数につきましては、自
然の生態系を崩すことのないよう、慎重に検討いたします。
捕獲駆除が実際の個体数の減少につながるかどうかは、一定の年月を経たのち検
証してまいりたいと考えております。
(2)防鳥ネットの効果について
黄色防鳥ネットについて、黄色をカラスが嫌がるという説もあったが、むしろ、ネット
を緑から黄色に切り替えたことで、利用する住民のカラス対策への意識が高まったと思っ
ています。
これも市長が平成 22 年度に、黄色防鳥ネットを 1400 枚購入すると英断されたことによ
り、市内全域に黄色防鳥ネットが貸し出されたことが大きいと思っています。
平成 23 年の 3 月議会で黄色防鳥ネットは 2 月末で 1,868 枚貸与されているとのご答弁
を頂きました。
その後、平成 24 年第 4 回定例会では石田議員の一般質問において、黄色防鳥ネットは、
適正に使用することでカラス被害をかなり少なくすることが可能であるため、相当の効果
があるものの、価格が高くて耐久性がないことが難点であると秋元市民環境部長がご答弁
されているが、黄色防鳥ネットの効果と今後の防鳥ネットの対応についてお伺いします。
<答弁>
平成21年度から市が町内会に貸与している黄色防鳥ネットにつきましては、市
民からもカラス被害が少なくなったと一定の評価をいただいているものの、使用方
法によっては、破れやすいとの問題点も指摘されております。
また、黄色防鳥ネットは、カラスが中のごみを突けないような網目が細かいレー
スのカーテンのような素材でありますが、新品時の撥水効果が徐々になくなるため、
水を吸いやすくなり、雪や低温に弱いことや、紫外線の影響により生地が弱くなる
ことも認識しております。
最近、素材の違う低価格のネットも市販されるようになったことから、現在、試
験的に複数のネットを購入し、一部のごみ集積所で利用してもらい、その効果につ
いて検証しているところであります。
防鳥ネットは、いくら性能がよくても、利用者がごみ袋全体を包むようにきちん
と掛けなければ、その効果がないことから、議員から要望があった正しいネットの
使い方の周知については、最近では広報ひろさきの2月15日号に掲載し、その周
知に努めているところであります。
いずれにいたしましても、ごみ集積所の場所によっては、今後も防鳥ネットが必
要であることから、現在実施している防鳥ネットの検証効果を踏まえ、今後は、カ
ラスに効果的な、丈夫で、低価格なものを導入していきたいと考えております。
(3)ごみ集積ボックス等設置費補助金について
平成 23 年の 3 月議会で、市民からの声として、鉄製や木製のごみ箱を設置する場合に
補助金を出してもらえないものかどうかということで取上げたところ、支援については、
黄色防鳥ネットによりカラスのエサ断ちの施策を進めていることから導入の予定はない。
とのご答弁でした。
その後、平成 24 年第 4 回定例会で石田議員の一般質問において、ごみ集積ボックスの
設置補助が取上げられ、その中で秋元市民環境部長が、今後、町会へのアンケート調査で
町会ごとの状況などを把握したいとご答弁されており、そのアンケート調査の結果を基に、
来年度予算にごみ集積ボックス等設置費補助金が計上されているものと思われるが、補助
制度の内容について、具体的にどのようなものなのか。また、どのような効果が見込まれ
るのかお伺いします。
<答弁>
昨年12月に全ての町会長に対して実施いたしました、各町内会におけるごみ集
積ボックスの設置意向調査の結果では、来年度以降、補助制度の有無に関わらず、
ごみ集積ボックスの設置予定があるとの回答が21町会、市の助成制度があれば来
年度以降設置したいとの回答が124町会ありました。
現在、補助制度の要綱を策定しているところでありますが、多くの町内会が利用
している鉄かご状のごみ集積ボックスで、畳1枚程度の大きさのものは20万円程
度であることから、補助の限度額を経費の2分の1以内で、上限を10万円と設定
することで検討しております。
さらに、狭いごみ集積所で、少数の世帯が利用することができる折り畳み式のご
み集積ボックスも市販されていることから、それらについても補助制度を利用でき
るように検討を進めております。
この助成制度の予算は、ごみ集積ボックス40個分に当たる400万円を計上し
ており、財源として、公益財団法人青森県市町村振興協会の、市町村地域振興力向
上対策支援事業の助成金400万円を活用したいと考えております。
<再質問>
カラスの被害が黒石市においても問題になっておりますが、カラス対策に関わる黒石市
との連携状況はどうなっているのか。
<答弁>
弘前圏域定住自立圏の形成に関する協定において、平成24年 10 月 3 日に、弘
前市と黒石市は、カラス対策の連携で、「カラスによる被害を軽減するため、連携し
て被害状況、個体数等を確認し、及び検証するとともに、検証結果に基づき、広域
的かつ効果的なカラス対策を検討し、及び実施する。」としています。
その結果、黒石市にも弘前市カラス対策連絡協議会にオブザーバーとして参加し
ていただき、弘前市のカラスの被害及び対策の状況を把握していただいております。
今後は、弘前市と黒石市が合同で個体数調査を行ったうえで、被害や生態の調査
を実施する予定となっております。
また、今回、ごみ集積ボックス等設置費の補助事業を実施するに当たり、公益財
団法人青森県市町村振興協会の平成 25 年度市町村「地域振興力」向上対策支援事
業の助成金を申請したわけですが、事業申請要件として、複数の市町村が連携して
行う事業となっております。
予算編成当初は、両市とも一般財源で事業を実施することとしておりましたが、
来年度から、黒石市は一部のごみ集積所において、折り畳み式のごみ集積ボックス
を導入するとの情報を得たことから、助成金の申請を弘前市と黒石市の連名で行い、
内定をいただいております。
このように、弘前市と黒石市での連携した対策を実施することにより、効率的か
つ効果的なカラス対策が可能となり、住みよい街づくりや観光産業への貢献が期待
できるものと考えております。
<再々質問>
緊急雇用創出対策事業に係るカラス対策サポーターの雇用についてはどうなるのか。
<答弁>
市では、平成 24 年度において、東日本大震災等の影響による離職者等の雇用促
進を図ることを目的とし、全額、国庫補助金を活用した県の補助で行う、緊急雇用
創出対策事業の一つとして、カラスの捕獲駆除を実施しております。
従事者の内訳は、カラスの捕獲駆除等に関する業務に 3 人、カラスの追い払いに
関する業務に 6 人の計 9 人のカラス対策サポーターを雇用しております。うち 3 人
は、宮城県・福島県において被災され、弘前市に移り住んでいる方々であります。
平成 25 年度の街なかカラス対策につきましては、平成 24 年度のように国・県か
らの財源もなく、市単独の財源となることから、少し業務を特化して、カラス捕獲
駆除を中心とした業務に取り組むこととしておりますが、捕獲駆除には、狩猟登録
者又は講習会の受講等一定の条件を持っている人材が必要となります。
被災者を含めた雇用につきましては、個々の事情もあることから、本人達の意向
を確認し、できれば被災者も含めた現在の従事者の中から 3 人を、市の非常勤嘱託
員として雇用したいと考えております。
第 2 項目は、学校事務職員の共同実施導入についてであります。
教員の事務負担の軽減をし、児童生徒へ向き合う時間の確保と市内小中学校事務職員の
年齢構成の偏り、新採用職員の支援という観点からも、今日まで幾度か一般質問で取上げ
2012 年の 9 月議会でも取り上げ、経過を追って再度の質問ですが、1 点目、学校事務の共
同実施にかかわるモデル試行の結果について、2 点目、導入に向けた今後のスケジュール
についてお伺いします。
<答弁要旨>
・ 学校事務の共同実施は、複数の学校でグループをつくり、事務の分担処理するも
ので、事務処理の効率化に有効。
・ 市教委は平成 22 年度から研究に着手し、平成 25 年度からの導入を目指し、今
年度はプロジェクトチームによる検討を実施中。
・ 昨年 10 月∼12 月に、市内 2 か所をモデル地区として試行を実施した結果、
(1) 事務職員未配置校や経験年数の短い職員は「事務支援を受け、事務処理を円
滑に進められた」
(2) 「長期不在の職員の事務をグループで分担処理した」
など、効率化だけではなく教員の負担軽減にも成果があった。
・ 1 月 17 日に校長と事務担当者を対象に概要説明会を、また 3 月 5 日に事務担当
者を対象に実務研修会を実施した。
・ 平成 25 年度に向け、引き続き校長や事務担当者に説明会を実施予定。
<その他>
教職員の人事異動発表後、担当課に事務職員の加配結果について電話で伺った所、
5 名の加配があったとのことでした。
第 3 項目は、総合窓口開設後の状況についてであります。
今日、市役所窓口や表示板などに、りんごや桜の図柄を一針一針刺した「こぎん刺し」
によるうるおい空間づくりによって、来庁者のこころを癒す事にも繋がっているのではな
いかと感じております。
以前から取上げてきた課題ですが、平成 24 年の 3 月議会で、窓口改革の実施状況と今
後のスケジュールについて取上げ、総合窓口へのコンピュータシステム導入は、弘前市が
県内初とのことで市民の窓口に対する満足度を高めていきたいとのご答弁を頂きました。
そこで今議会では、開設後の状況ということで、1 点目、お客様案内係の配置や「総合窓
口システム」の導入、番号案内表示システムの導入を実施され、窓口サービスの充実をさ
れていますが、お客様の反応はどうか。2 点目、その後のサービスで工夫されている点に
ついてお伺いします。
<答弁>
総合窓口は、アクションプランに掲げられた「窓口改革運動の実施」の一環とし
て、平成 22 年 9 月から検討を重ねながら段階的に取り組んできたもので、昨年 7
月 2 日にオープンいたしました。市民サービスの向上を念頭に、お客様の手続きが
早く、正確に、簡単にできることを目的に開設されたもので、私にとって,市民サ
ービスにおける 1 丁目 1 番地であり、お客様には十分に満足していただけるものと
思っております。
住民票等の証明書発行では、窓口で職員が申請内容を聞き取って申請書類を作成
し、お客様に確認のサインをしていただくという方式の導入により、お客様が複雑
な申請書類を書かなくてもよくなりました。また、ほとんどの場合、申請、証明書
発行、照合、手数料清算までを1ヶ所の窓口で済ませることができるようになった
ほか、引っ越し等の届け出に伴って関係課での手続きが必要な場合には、事前に電
子データを送信するなど、申請書作成の手間を軽減する工夫をしております。
総合窓口開設に併せて導入した番号案内表示システムは、番号によるモニター表
示と音声案内によって、待ち時間のストレス解消や個人情報保護に配慮したもので、
これらの窓口改善を行った結果、ご利用のお客様からは、手続きが簡単で分かりや
すくなったなど概ね好評をいただいております。
また、案内表示板や窓口のパーティションにこぎん刺しを施すなど、志の玄関口
として弘前らしさを意識した整備を行っており、こちらも概ね好評をいただいてお
ります。
総合窓口開設以後も市民サービス向上のための窓口改革を続けており、昨年 10
月 1 日には「コンシェルジュサービス」を開始し、ご来庁のお客様が気持ちよく、
スムーズに用務を済ませることができるサポート態勢を整えております。
本年 1 月 5 日には、休日に窓口をご利用したいというお客様のニーズにお応えす
るため、市民課本庁窓口の土曜開庁を開始しております。
各種証明書の発行に印鑑登録を加えたメニューで実施しており、半日の平均利用者
数は約 35 名と好評をいただいております。
さらに、本年 7 月には現在土手町分庁舎内にある市民課駅前分室をヒロロ内の総
合行政窓口へ移転いたしますが、年末年始を除き土日祝日にも開庁するほか、平日
については開庁時間の延長及び取扱業務の拡充をし、お客様のニーズにマッチした
サービスの提供を図りたいと考えております。
今後もお客様のニーズを取り入れながら更なる市民サービス向上に向け、取り組
んでまいりたいと考えております。
<再質問>
ヒロロ移転後の業務の時間的なもの、サービス的なものなど具体的な内容について
<答弁>
市民課駅前分室をヒロロ内の総合行政窓口へ移転した後に予定しておりますサー
ビス拡充及び業務内容について、お答えいたします。
総合行政窓口においては、商業施設との併設効果により市民に身近なサービスの
効率的な展開が望めることから、大幅なサービス拡充を予定しております。
サービス拡充の内容は、大きく分けて休日開庁、夜間開庁、取扱業務の拡充、こ
の 3 つを柱としておりまず、休日開庁に関しては、年末年始と機器メンテナンス等
の特殊な事情を除いて土日祝日全てを開庁する予定でございます。
この際の開庁時間は午前 8 時 30 分から午後 5 時までを予定しており、取扱業務
は各種証明書の発行及び印鑑登録について、サービスの提供をしたいと考えており
ます。
次に夜間の開庁でございますが、平日の開庁時間を現行から 2 時間延長するもの
で、午後 7 時までの開庁を予定しております。夜間の取扱業務は、土日祝日開庁時
と同様のサービス提供を考えております。
最後に取扱業務の拡充についてでございます。平日の午前 8 時 30 分から午後 5
時までにおいては、これまで駅前分室で取り扱いしていた業務に加え、新たに印鑑
登録の申請、住所異動の届け出、戸籍の届け出についても取扱業務とするほか、同
窓口にパスポートセンターを併設し、パスポート発行に係る業務を新たに取り扱う
予定としております。
市民の方々は夜間、休日のご利用が可能となること、交通機関が充実し、商業施
設と併設されていて利用しやすい中心市街地で各種届け出ができるようになること
やパスポートの申請においては、従来、市の窓口で戸籍証明書の取得後に県の窓口
への申請が必要だったものがワンストップで手続きが済むことなど、これまで以上
の充実したサービスが受けられるようになると考えております。
今後もさらなる市民サービス向上のため、こうした取り組みにより市民の皆様の
多様なニーズにお応えして参りたいと考えております。
<再々質問>
市民に対するサービス向上を図る上において経験豊富な方をと願うが市職員の配置につ
いてのお考えは。
<答弁要約>
検討させていただきたい。
第 4 項目は、小中学校の伝統文化についてであります。
子ども達の笑顔あふれる弘前づくりということで 弘前市アクションプラン 2013(案)
の中に諸事業が掲げられ、一例をあげれば「児童劇観劇教室」のように、子ども達が優れ
た舞台芸術を鑑賞することにより、豊かな心を育み、道徳的、芸術的価値観を高めるなど、
情操を養う機会を提供するという事業が行われておりますが、社会に出た場合、挨拶で始
まって挨拶で終わる現社会、
「お茶」や「お花」といった伝統的な文化や文化的な体験は子
ども達の心の成長に欠かせないものと感じております。
先般、保育園児が正座してお茶を飲んでいる記事が新聞に掲載されていました。小さい
頃からの体験を通じて学び合い、高め合うことで生涯学習社会の実現へと繋がって行くの
ではと思っています。
また、子どもクラブでの礼儀作法や挨拶は大事で、他者に対しての「こころ配り」や「思
いやり」は、いろんな体験を通して身に付くことで、こころの教育となり、それこそ子ど
も達のいじめを抑制する効果もあると思うので、もっと力を入れるべきではと思うが、市
教育委員会としてはどんなことをしているのかお伺いします。
<答弁>
市内の多くの小・中学校では、学習指導要領に基づき、総合的な学習の時間に「ね
ぷた」に関連した内容を取り上げております。
また、ねぷたの製作と運行を重要な学校行事としている小学校もあります。
伝統工芸の分野では、こぎん刺しや津軽塗など、地域の特色を生かした題材を選
んで授業を実施しており、紙テープを使ったブナコの製作を行う学校もあります。
伝統芸能の分野では、津軽三味線などで地域の人材を活用した取り組みが行われ
ているほか、書道や茶道などを部活動として行っている中学校もあります。
このほか、家庭科や総合的な学習の時間などで郷土料理を取り入れているところ
もあるなど、広範囲にわたって伝統文化を子どもたちに伝える取り組みを実施して
いるところであります。
一方、地域においても、子どもたちを参加させるねぷたの製作や運行が広く行わ
れているほか、お山参詣に参加する子どもも少なくありません。
家庭では茶道・華道・書道などの習い事、お稽古事に通う例も多く見られます。
教育委員会では、学校外での子どもたちの体験活動の場として子どもクラブを開
設しており、多くの伝統文化を学ぶコースを用意しております。子どもたちは琴、
煎茶、囲碁、いけばな、日本舞踊、焼き物、小鼓及び伝統的な遊びの各クラブから
いくつでも選択して、年間を通じて学ぶことができます。
また、今年度から、
「子どもアート体験ひろば」を開催し、市民団体が行なってい
るさまざまな文化活動を一度に体験してもらうなど、子どもたちに「やってみたい
ものを見つけるための機会」を提供しております。
これらの伝統文化を学ぶ機会は、礼儀作法や技術を身につけるとともに、
「おもて
なしの心」や「人を思いやる心」を育てることができるものであります。また、そ
の過程で社会参加の体験ができ、人とのつながりが生まれ、地域の中で育まれるこ
とにより結果として、いじめが起きにくくなる効果も期待できるものと考えており
ます。
教育委員会といたしましては、今後も伝統文化を学ぶことができる様々な機会を
提供し、次代を担う子どもたちの育成を図っていくよう努めてまいりたいと考えて
おります。
<再質問>
伝統文化については学校の教員で対応できないことあると思うが、市教育委員会として
は、どんな方策を考えているのか。
<答弁要約>
人材バンクに登録されている地域の先生方がいらっしゃるので、先生方にご協力
していただき、機会をつくり、伝統文化継承をやっていきたいと考えている。
第 5 項目は、生活保護の状況についてであります。
生活保護については、国が 4 分の3、地方自治体が 4 分の 1 をそれぞれ負担する事にな
っておりますが、今回の生活保護基準額の引き下げによって、子育て世帯の削減幅は最大
10%になり、生活保護の基準額を目安としている他の制度利用者にも影響すると警鐘が鳴
らされています。
新聞紙上において取上げられていますが「生活保護の支給額が多いことではなく、低所
得者や年金生活者の暮らしが厳しすぎることにある」また「働ける能力がありながらも生
活保護から脱却できない人」など、最低賃金を引き上げるなどしてワーキングプア(働く
貧困層)をなくし、働いた方が生活保護よりも得となる状態にならなければ、生活保護需
給者は決して減る事はなく、
「最低限食べる事が出来ればいいと言う事ではなく、人の命を
脅かさないで欲しい」という訴えや「加速する貧困の連鎖」とまで言われております。そ
こで質問に入りますが、当市の受給者数や扶助の内訳について、また当市の生活保護の状
況について、さらに受給者の不正受給対策はどのようにされているのかお伺いします。
<答弁>
当市の生活保護需給世帯数は、平成 25 年 1 月時点で 3,642 世帯、受給者数では
4,576 人となっております。
世帯類型別の構成は、65 歳以上の者のみで構成されている「高齢者世帯」49・6%、
離婚等により配偶者のいない 18 歳から 60 歳未満の女子と 18 歳未満の子で構成さ
れている「母子世帯」4・2%、傷病又は障害により働くことができない者で構成さ
れている「傷病・障害者世帯」35・8%、失業等により仕事がなく生活困難な者で
構成されている「その他世帯」10・4%となっております。
また、生活保護には生活扶助、住宅扶助、教育扶助、生業扶助、葬祭扶助、出産
扶助、介護扶助、医療扶助の 8 種類の扶助があり、このうち、生活扶助は扶助費の
34・1%、医療扶助は 47・7%を占めており、この 2 つで扶助費の 8 割超を占めて
おります。
当市の生活保護の動向といたしましては、平成 24 年 1 月と 25 年 1 月の比較では、
世帯数で 46 世帯、受給者数で 31 人増加しております。
平成 21 年度以降 3 か年では年間 150∼200 世帯ずつ生活保護需給世帯が増加し
ており、増加割合はいくぶん鈍化してきたものの、今後も生活保護の受給者数は増
加傾向が続くものと予想しております。
増加の主な原因としては、景気の低迷、雇用情勢の悪化及び高齢化が考えられま
す。これに加え、近隣市町村に比して、当市には医療・介護・福祉サービスを供給
する施設等が集中していることから、近隣市町村からの生活保護需給世帯の転入が
多くなっていることも理由のひとつにあげられます。
次に、不正受給の状況ですが、生活保護法では不正受給には罰則規定を設けてお
ります。
ケースワーカーは生活保護需給世帯を定期的に訪問し調査をするとともに、課税調
査による収入確認を行うなど、不正受給防止に努めております。
平成 23 年度で不正受給として処理したものは 29 件あり、内容に応じて生活保護
費の返還を求めたり、場合によっては生活保護費の減額、保護の停止や廃止の措置
をとっております。
このような不正とは別に、一般的に言われております「不適切な生活保護費の費
消や社会通念上好ましくない生活態度」については、罰則規定はありません。しか
し、パチンコなどの遊興への生活保護費の不適切な費消や、過度の飲酒などは社会
通念上好ましくないため、ケースワーカーは生活態度についても実地調査を行い、
口頭又は文書での生活指導により厳しく対応しております。
国では本年 8 月から生活保護制度を見直し、生活扶助基準を3か年かけて引き下
げるとの報道がされております。
国からの正式通知や指導はなく、具体的な生活扶助基準の引き下げ内容も示され
ておりません。そこで、報道内容を基に市独自に非常に粗く試算したところですが、
高齢者の単身世帯にはあまり影響がなく、世帯の人数が増えるにつれ影響が大きく
なり、夫婦と子ども 1 人の標準 3 人世帯では、月額およそ 9,400 円引下げとなる予
想であります。
3 年後の生活扶助費全体では、年間およそ 9,200 万円の支出減が予想されます。
今後、国より正式な通知がありましたら、生活保護受給者にその内容について十
分説明を行なうとともに、生活保護制度のさらなる適正実施に努めてまいります。
<再質問>
制度改正に対する生活保護受給者からの問い合わせ状況は。
<答弁>
今のところ数件ほど問い合わせがございました。
生活保護制度は、病気や障害、離婚や失業などといった様々な事情により経済的
に困窮した方へ援助を行なっており、生活保護受給者の皆様の生活に密着しており
ます。
問い合わせがあった際には、生活保護受給者の皆様がいたずらに不安を抱かない
よう配慮しながら説明しているところであります。
第 6 項目は、消費者行政についてであります。
平成 22 年の 6 月議会で弘前市民生活センターに寄せられる状況について幾つか取上げ
ましたが、新聞紙上に、詐欺グループから「パンフレットが届いていませんか」と送金を
急がせるという、
「投資詐欺」の被害を未然に防いだタクシー運転手さんの記事や「老人ホ
ーム運営会社の社員権3千万円を購入すれば配当金が出る」と勧誘され、申込書をファッ
クスする寸前にコンビニエンスストアの店員さんが、間一髪で被害を防いだ記事。
先般も「県内で、高齢者を狙った悪質商法の被害が 4 億 8 千万円」の記事が掲載されて
休日開庁いました。
「投資詐欺」については、私が自宅にいる時に「青い封筒届いていませんか」と幾度も、
もうけ話を持ちかける電話があり、それも家族が仕事に出かけた後の時間帯やお昼頃、ま
た、夕飯の仕度時間帯を意図的に狙ったのでしょうか?文章作成作業の邪魔をされた事が
あり、「いらない」ときっぱり断っても、「消費生活センターに相談する」と言っても、相
手は引かずに脅迫めいた口調になりましたが「もうけ話?いらない」、「警察に電話をかけ
ます」の強い姿勢で臨みました。
そこで質問に入りますが1点目として、多重債務等の相談に対する対応も含めた最近の
消費者行政の現状について、2点目として、出前講座の状況や啓発活動についてお伺いし
ます。
<答弁>
市民生活センターの消費生活相談件数は、平成 21 年度が 888 件、平成 22 年度
が 865 件、平成 23 年度が 838 件で、相談件数は年々減少してきております。
平成 23 年度の主な相談内容でありますが、金融・保険サービスに関する相談が
241 件、訪問販売や電話勧誘による商品購入に関する相談が 237 件、運輸・通信サ
ービスに関する相談が 124 件となっております。
最近の傾向としましては、株・社債・知的財産権・外国通貨などの投資トラブル、
頼んだ覚えのない健康食品などを送り付けるトラブル、貴金属の買い取り業者が強
引に安い値段で貴金属を買い取って行く貴金属訪問買い取りトラブル、いわゆる「押
し買い」、インターネット通信に関するトラブルの相談が、当市及び全国的に増加し
ております。
相談者への対応でありますが、多重債務への対応は、債務状況を聴き取りのうえ、
青森県が主催している「弁護士・司法書士の当番性による法律相談」、日本司法支援
センター青森地方事務所が主催している「法テラス青森無料法律相談」、消費者信用
生活協同組合青森相談センターが主催している「くらしとお金の安心相談会」に誘
導しております。
消費者信用生活協同組合青森相談センターの「くらしとお金の安心相談会」は平
成 23 年 9 月から毎月第一水曜日に市民生活センターで実施しており、債務整理に
必要な債務整理資金と生活改善に必要な生活再建資金の貸し付けを行なっておりま
す。
平成 23 年 9 月から平成 24 年 9 月までの実績は、債務整理資金が相談件数 78 件、
貸し付け件数 14 件、貸付金額 2 千 525 万円で、生活再建資金が相談件数 48 件、
貸付件数 11 件、貸付金額 636 万円となっております。
市では、消費者信用生活協同組合が行なう貸付事業の円滑な実施を図るため、青
森県と連携し、多重債務者等経済生活再生事業特別支援制度を創設し、県と市で 2
分の 1 ずつ平成 24 年度から 10 年間、預託金として負担することにしており、平成
24 年度の預託金は 815 万円となっております。
架空請求への対応は、身に覚えのない請求に対して、安易に支払をしないこと、
業者へ連絡することは個人情報を教えることになるため、連絡は取らず様子をみる
ことなどを指導しております。
訪問販売や電話勧誘による悪質商法への対応は、クーリング・オフ制度を利用す
るなどして、解決に導いております。
次に、出前講座の状況と啓発活動についてでありますが、出前講座は平成 24 年
度から「悪質商法について」のメニューで実施しており、その内容は、最近の悪質
商法の手口や対応策などであります。
平成 24 年度は、平成 25 年 2 月末までで、6 回実施しており、老人クラブなどの
高齢者を対象としたものが 3 回で 147 人が参加、介護支援センターなどの介護施設
職員を対象としたものが 3 回で 37 人が参加しております。
啓発活動は、毎年 5 月の消費者月間に併せて、まちなか情報センターにおいて「消
費者月間パネル展示」を実施しているほか、弘前文化センターなどで「くらしの消
費者講座」を年 6 回実施しております。
また、
「くらしに役立つ金融情報」というリーフレットを作成し、成人式や新規就
労者激励会で配布しております。
更に、市民生活センターの周知を図るため、平成 23 年度から FM アップルウェ
ーブでの CM 放送を実施しております。
今後も出前講座、パネル展示、くらしの消費者講座、リーフレットの配布、FM
アップルウェーブでの CM 放送などにより、消費者教育・啓発活動を継続してまい
りたいと考えております。
<再質問>
*ヒロロに移る予定のセンターの施設概要について
*以前、仙台市の消費者センターで職員の方から、相談室について、個室化すると身の危
険も考えられると相談員の安全確保についてお話を伺った事がありますが、当市の場合の
対応について。
<答弁>
職員 2 名、相談員 2 名、消費生活相談員 3 名を配置し、火曜日から日曜日、8 時
半から 5 時まで、月曜日・年末年始は休館日とし、プライバシー保護のため、個室
は 6 部屋で、職員は手前に座ってもらうとか工夫をして、中の状況を外からうかが
い知れるように対応していくので大丈夫かと考えています。
第 7 項目は、職員のメンタルヘルスについてであります。
平成 22 年の 6 月議会で苦情処理対策の項目の中の 3 点目として、職員のメンタルヘル
ス対策について取上げ、諸ご答弁を頂いております。
近年の低迷している経済情勢のなか、多様化、高度化する市民ニーズに加えて、事務量の
増大や正規職員の減少、諸苦情対応等など、日常業務の中において、様々なストレスを感
じている職員が少なくないと思っております。
ストレスが重なると身体的・精神的にも病む要因になるとも言われております。
そこで質問に入りますが、1 点目は苦情を受ける際の心構えや効果的な対応技術の習得な
どに関する職員研修実施状況について、2 点目は働きやすい職場環境をつくるためのスト
レスマネジメントの知識と技法習得のためのメンタルヘルス研修の受講状況について、3
点目は人事課における相談体制についてお伺いします。
<答弁>
近年、仕事や家庭、人間関係など、様々な精神的ストレスが原因による「うつ病」
や「適応障害」など、心の病による長期休職者が、官民問わず増加傾向にあります。
市職員の中にも、日常業務の忙しさや苦情対応等により、精神的なストレスを感じ
ている職員もいると思います。
職員が意欲をもって職務に取り組むためには、心身ともに健康で、能力を十分に
発揮できるような職場環境を整えることが必要であり、メンタルヘルス対策の効果
的な推進は、重要であるものと認識しております。
職員のメンタルヘルス対策としては、まず、精神的ストレスを少しでも軽減する
ための苦情対応の仕方や、職員一人ひとりが、メンタルヘルスに対して正しい知識
を持ち、理解を図るための職員研修の実施、さらには、不安を抱えている職員が、
職場の上司や同僚などに気軽に相談できる職場環境をつくることが大切であるもの
と考えております。
このため、研修といたしまして、外部講師による窓口診断及び接遇向上研修の中
で、希望する職員を対象に、苦情対応における上手な聞き方や質問の仕方などの研
修を行っており、平成 24 年度は、38 人の職員が受講しております。派遣研修では、
青森県自治研修所や社団法人日本経営協会で実施しているクレーム対応研修などに、
平成 24 年度は、10 人の職員を派遣しております。
また、ストレスマネジメントの知識と技法を習得するための研修として、初任者
研修などの階層別研修や、弘前圏域定住自立圏連携事業として、構成市町村の職員
を対象に、外部講師によるメンタルヘルス研修を実施し、平成 24 年度は、151 人
の職員が受講しております。
さらに、平成 23 年度に職場内研修として「オン・ザ・ジョブ・トレーニング」
通称 OJT の指針を策定しており、新任係長級職員研修の研修項目として、OJT 研
修を取り入れるなど、職場内におけるコミュニケーションの活性化を推進している
ところであります。
職員からの相談体制については、ストレスからくる体調の異変や、心の病などを
早期発見するために、毎月 1 回、産業医による相談窓口を開設しているほか、随時、
人事課健康相談室の看護師が職員からの健康相談に対応しております。また、
「ここ
ろの相談事業」として、専門カウンセラーによる相談窓口を外部に開設し、初回の
相談料を無料にするなど、相談しやすい体制を整えております。
職員が働きやすい職場環境をつくり、組織の活力を向上させていくために、引き
続き、職員のメンタルヘルス対策に取り組んでまいりたいと考えております。
<再質問>
市において不当要求行為等対策要綱を定め、体制づくりを進めているとの答弁を頂きま
したが、具体的なその後の取組状況について、また、出勤されての職場でのケアについて
お伺いします。
<答弁>
不当な要求への対応にあたりましては、弘前市不当要求行為等対策要綱を定めて
おり、不当な要求者に対し、市として、組織的に取り組み、一人の職員に精神的負
担がかからない体制としております。
所属長が対応責任者、課長補佐級職員が防止責任者となり、職員が協力しながら
不当要求者に対応しております。
心の病で休職した場合、職場復帰前のケアについては、
「試し出勤」を推奨してお
ります。
職員、主治医、産業医と人事課職員が相談しながら、復職までに徐々に体調をなら
し、職場復帰後、通常の勤務体制にスムーズに戻れることができることを目的とし
ております。
業務の量と内容を調整しながら、概ね1か月から 2 か月後の復帰を目指している
ものであり、これまで、この「試し出勤」により、復職している職員もおります。
職場復帰後については、上司が職員と面談しながら周りの職員がフォローするこ
ととしております。
<再々質問>
弘前市の精神疾患で休んでいる職員数についてお伺いします。
<答弁>
1ヵ月以上休んでいる職員数は、平成 25 年 2 月末で、現在 7 名です。
それでは最後に要望を述べて終わりたいと思います。
第 1 項目の要望:カラス対策サポーターの雇用についてですが、緊急雇用が終了し
た事により、市独自の予算付けがなされていますが、現在の方々への親身なる聞き
取りをされる事を強く要望します。
防鳥ネットにつきましては、いくら良い物を貸与したとしても、個々のごみの出し
方にあるのと、やはり加えて、ブロック等の重石を置くというのも効果があります
ので、さらなる PR を要望します。
第 3 項目の要望:7 月から開設する予定の Hiroro での市職員の配置には、市民に
対するサービス向上を図る上において、接遇や対応面で経験豊富な方が配置される
事を要望と致します。
第 7 項目の要望:精神疾患はこころが弱いとか、処理能力が遅い、コミュニケーシ
ョン力が低いとかで特別視される事ではなく、誰でもなりうる事です。悩みがある
時に相談しやすい職場の環境づくりをなお一層充実して欲しい事からもメンタルヘ
ルス対策マニュアルを作る事を要望します。
■平成 25 年度予算特別委員会
日程:3 月 12 日∼15 日まででしたが、審査日程が延びて 3 月 18 日までかかりま
した。
◎私が質問した予算質疑項目として
・ 補正予算 議案第 4 号 一般会計 第 13 号
福祉総合システム改修委託料について:難病患者への支援等として
・ 平成 25 年度予算 議案第 10 号 一般会計
仕事おこし・雇用創出事業
認定職業訓練事業費補助金
新規高等学校卒業者雇用奨励金
実践型ジョブトレーニング事業委託料
「犬と散歩ができる公園」社会実験事業について:対象公園を3ヶ所として実験す
る。
新寺構整備事業について:伸びすぎた樹木の伐採と 3 メートル幅の散策道等を整備
する。
(この事業については、ずっと取上げてきたのでやっと実現する運びとなった。)
食育サポート事業について
・ 議案第 13 号 介護保険特別会計
ケアプラン点検業務拡大事業について:介護支援専門員の資格を有する嘱託員2名
を雇用し、ケアプランに基づく在宅サービス利用状況の実態調査を実施する。
★事前に資料請求しない項目もある中で、他資料の中から上記項目について取上げ
ました。