国家公務員プロフィール

平成28年度
人 事 院 の 進 め る
人事 行政について
~国家公務員プロフィール~
1 人事院の役割 ………………………………………1
2 人事院の組織 ………………………………………2
3 国家公務員の数と種類 ……………………………3
4 人材の確保 …………………………………………4
5 人材の育成 …………………………………………5
6 女性の能力発揮の推進 ……………………………7
7 民間人材の活用等 …………………………………8
8 能力・実績に基づく人事管理〜人事評価の活用〜 ……9
9 適正な給与の実現 ………………………………11
10 給与基準の決定方法 ……………………………12
11 労働基本権と人事院勧告の意義 ………………14
12 働きやすい勤務環境の実現 ……………………15
13 生涯設計 …………………………………………17
14 規律の保持 ………………………………………18
15 不利益救済 ………………………………………19
16 倫理の保持 ………………………………………21
17 人事管理業務のIT化の推進(人事・給与システム)……23
18 グローバル化への対応 …………………………24
19 国民生活を支えるために ~現在取り組んでいる主な課題~ …25
1
人事院の役割
人事行政の公正の確保
労働基本権制約の代償機能
人事行政の専門機関
国
の
(司法)
裁
判
機
関
(行政)
所
内
(立法)
閣
国
会計検査院
会
人事院
環
防
境 省
衛 省
国土交通省
経済産業省
務 省
農林水産省
財
務 省
厚生労働省
外
務 省
文部科学省
法
興 庁
務 省
復
閣 府
総
内
(参考)
人事院
内閣人事局
人事行政の公正の確保及び労働基本権制約の代
償機能の確保の観点から基準の設定等
幹部職員人事の一元管理等に関する事務を担う
とともに、政府としての人材戦略を推進してい
くため、人事管理に関連する制度について、企
画立案、方針決定、運用を一体的に担当
各府省
(大臣)
法令に基づき、個別の人事権を行使
1
人事院の組織
2
人 事 院
(総裁、人事官2人)
事
務
総
(事務総長)
局
国家公務員倫理審査会
(会長、委員 4 人)
(614人)
(422人)
務
局
部
北海道
東 北
関 東
中 部
近 畿
中 国
四 国
九 州
沖 縄
事
局
房
地方事務局(所)
与
局
公務員研修所
給
材
公 平 審 査 局
人
職 員 福 祉 局
(官 房 部 局)
※ (
官
(12人)
(33人) (158人)
)内の人数は平成28年度末定員
局
職 員 福 祉 局
(国家公務員が安心して働ける勤務環境の整備を図ります)
国家公務員の勤務時間、休暇等の勤務条件の整備や健康・安全管理など働きやすい勤務環境の整備に関
する業務、災害補償に関する業務、服務規律・懲戒制度の企画・立案や職員団体に関する業務を行ってい
ます。
人
材
局
(よりよい行政サービスを支える人材の確保・育成を図ります)
給
与
局
(時代の変化に応じた適正な給与の実現を図ります)
公 平 審 査 局
(職員の利益保護と公正な人事管理の確保を図ります)
国家公務員倫理審査会事務局
(信頼される公務の基礎である公務員倫理の保持を図ります)
2
3
国家公務員の数と種類
国家公務員は現在約64万人で、そのうち人事院勧告の対象となる給与法適用職員は約27.5万人です。
検察官 約3千人(0.5%)
平成28年度
(参考)
平成12年度
特定独立行政法人職員 約6万7千人(10.4%)
大臣、副大臣、大臣政務官、大公使等 約4百人
裁判官、裁判所職員
約2万6千人
国会職員
約4千人
防衛省職員
約26万8千人
特定独立行政法人役員
約40人
給与法適用職員
約27.5万人
(42.8%)
一般職
約34.4万人
(53.6%)
特別職
約29.8万人
(46.4%)
郵政・林野・印刷・
造幣の現業職員
検察官
0.05%(約2千人)
現業職員
約31万人
非現業職員
(7.1%)
(給与法適用職員)
約51万人
(11.8%)
一般職
約82万人
(18.9%)
特別職
約31万人
(7.1%)
国家公務員
約113万人:26.0%
国家公務員
約64.2万人:19.0%
(100%)
総計
約435万人
総計
約338.1万人
地方公務員
約322万人:74.0%
地方公務員
約273.8万人:81.0%
注:1
2
国家公務員の数は、以下を除き、平成28年度末予算定員である。
特定独立行政法人の役員数は、平成26年10月1日現在の常勤役員数の合計、職員数は、平成27年1月1日現在の常勤職員数の合計である。
(特定独立行政法人は、平成27年4月1日以降、行政執行法人となっている。)
3 地方公務員の数は「平成27年地方公共団体定員管理調査」による一般職に属する地方公務員数である(総務省資料)。
4 数値は端数処理の関係で合致しない場合がある。
人口千人当たりの公的部門における職員数の国際比較
(単位:人)
フランス
(2014)
イギリス
(2013)
アメリカ
(2013)
24.6
5.5
4.4
ドイツ
2.7
(2014)
19.1
32.6
2.0
27.7
51.0
7.8
41.3
3.5
6.7
46.8
4.2
3.1
89.1人
69.3人
64.1人
60.4人
中央政府職員
政府企業職員
日本
2.7
(2014)
5.0
26.3
2.1 36.2人
地方政府職員
軍人・国防職員
(内閣人事局資料
(未定稿)
)
(注)
1
2
3
4
3
国名下の( )は、データ年度を示す。
合計は、四捨五入の関係で一致しない場合がある。
日本の「政府企業職員」には、独立行政法人、国立大学法人、大学共同利用機関法人、特殊法人の職員を計上。
日本の数値において、国立大学法人、大学共同利用機関法人、特殊法人及び軍人・国防職員以外は、非常勤職員を含む。
4
人材の確保
国家公務員の採用は、原則として公開平等の採用試験によります。有為の人材を公務に誘致するため、適切・公正
な採用試験の実施と人材確保活動の充実の両面で取り組んでいます。
国家公務員採用試験の申込者数
平成27年度採用試験実施結果
Ⅰ種・Ⅱ種・Ⅲ種(23年度まで)及び総合職・一般職(大卒・高卒)の申込者数の推移
試験の種類
(人)
70,000
総合職
60,000
Ⅱ
50,000
一般職
(大卒)
種
35,640
Ⅰ
30,000
種
総合職
24,297
20,000
一般職(高卒)
Ⅲ
10,000
0
平成 17
一般職
(高卒)
一般職(大卒)
40,000
18
19
20
21
22
12,483
種
23
24
25
26
その他の大学
卒業程度の試験
その他の高校
卒業程度の試験
申込者数
24,297人
(7,973人)
35,640人
(12,042人)
12,483人
(3,915人)
28,407人
(9,167人)
31,694人
(6,615人)
合格者数
1,887人
(428人)
7,347人
(2,321人)
2,514人
(814人)
5,031人
(1,826人)
4,494人
(1,154人)
採用者数
659人
(227人)
2,915人
(972人)
916人
(372人)
1,902人
(681人)
1,792人
(507人)
(注1) 採用者数は、平成28年1月31日現在の採用(内定)者数である。
(注2)( )内は、女性を内数で示す。
27(年度) (注3) 総合職、一般職(大卒)及びその他の大学卒業程度の試験(国税専門官、
労働基準監督官)には、過年度試験の合格者名簿からの採用(内定)者
を含む。
(注4) 採用者数には、防衛省(特別職)は含まない。
採用試験
経験者採用試験
民間企業等経験を有する者を係長
以上の職に採用
専門職試験
特定の行政分野に係る専門的な職
種を対象
一般職試験
主として事務処理等の定型的な業
・大卒程度試験
務に従事
・高卒者試験
・社会人試験(係員級)
総合職試験
主として政策の企画立案等の高度
の知識、技術又は経験を必要とす
・院卒者試験
※
る業務に従事
その他の
採用試験
・大卒程度試験
Ⅲ種試験
・法務区分(院卒者)
Ⅱ種試験
(秋試験)
( 司法試験合格者)
・教養区分(大卒程度)
Ⅰ種試験
平成24年度から新たな試験体系に再編・実施
主な啓発活動・人材確保活動
▲公務研究セミナー(説明会の様子)
4
5
人材の育成
時代の要請に応じた国家公務員の計画的育成
人事院は、全府省の職員を対象として、以下の研修を計画し実施しています。
係長級
課長補佐級
課長級
審議官・局長級
役 職 段 階 別 研 修
行
政
研
修
級
※古典を題材とする
思索型プログラム
長
幹部行政官
セ ミ ナ ー
(アスペンメソッド)
※
課
課長補佐級
行政フォーラム
課長補佐級
特別課程
係 長 級
特別課程
係 員 級
特別課程
(Ⅱ・Ⅲ種登用研修)
( リ ー ダ ー シップ 研 修 )
課長補佐級
3年目フォロー
アップ研 修
初任行政
研
修
合同初任
研
修
課 長 補 佐 級( 女 性
管理職養成コース)
昇任時相談窓口等
体験研修
地方機関職員研修
セミナー
幹部行政官
( 管 区 機 関
局 部 長 級 )
管理
監督者研修
係長研修
中堅
係員研修
新採用
職員研修
テ ー マ 別 研 修
メンタ ー プ ログラム
運用担当者向け研修
メ ン タ ー 養 成 研 修
メンタープログラム
運用担当者を対象
女性職員キャリアアップ研修
係長級職員等を対象
評 価 能 力 向 上 研 修
パ ー ソ ネ ル・マ ネ ジ メント
・
セ
ミ
ナ
ー
女性職員登用推進セミナー
実務経験採用者研修
中途採用者を対象
管理職員を対象
指導者養成研修
研修担当官能力向上研修
JKET( 公 務 員 倫 理 研 修 )
セクシュアル・ハラスメント防止研修
接
派
遣
研
修
遇
研
修
行政官長期在外研究員制度
行政官短期在外研究員制度
行政官国内研究員制度
5
J S T 基 本 コ ー ス
行政研修 ~府省の枠を超え「あるべき国家公務員」を目指す役職段階ごとの研修~
公務員研修所では、各府省の行政運営の中核となることが期待される職員等を対象に、国民全体の奉仕者としての
使命感の向上、国民全体の視点に立って施策を行うための資質・能力の向上、研修員間の相互理解・信頼関係の醸成
を基本的な目的として、役職段階(係員級~幹部級)に応じた行政研修を実施しています。
研修の特徴
国民全体の奉仕者としての行政官に不可欠な知識・思索
研修員間の相互啓発
・グループ討議・意見交換・実習を重視した「参加型カリキュラム」、
「合宿方式」
・各府省・民間企業・外国政府等からの「幅広い参加者」
▲人事院公務員研修所(埼玉県入間市)
カリキュラム例
公務員倫理を考える
事例研究などを通じて、倫理的な行動の在り方について検討し、実践への動機付けを図る。
行政政策事例研究
歴史的意義の大きい行政事例を題材とする講義や討議を通じて、行政官として取るべき行動について多角的視
点から考える。
海外派遣研修 ~国際的な人材の育成~
行政課題の国際化の進展に対応し得る人材を育成するために、海外派遣研修制度を運営しています。
【行政官長期在外研究員制度】
【行政官短期在外研究員制度】
派遣先:外国の政府機関・国際機関等
期 間:6か月間又は1年間
(平成27年度派遣実績)22人
米国7人、英国5人、豪州2人、シンガポール 2人、フランス等6カ国6人
テーマ別研修
研
修
▲行政官長期在外研究員制度
(前列右から3人目が派遣研究員)
管理者による部下の育成、民間人材の活用等を研修の側面で支援しています。
名
対
象
パーソネル・マネジメント・セミナー
管理職員
実務経験採用者研修
民間企業からの中途採用者等
メンター養成研修
メンターとなることが予定され
ている職員
目
的
等
あるべき人材育成に向けて
平成27年12月に
「公務における人材育成・研修に関する研究会」
(座長:原田久
がなされました。同提言も踏まえ、人事院研修の改善・充実を図っています。
立教大学法学部教授)による提言
6
6
女性の能力発揮の推進
男女共同参画社会の実現は、人事行政における重要な課題の一つです。公務への誘致活動や登用に向けた研修など、
積極的に女性国家公務員の採用・登用の拡大が進められています。
国家公務員採用試験からの採用者に占める女性の割合の推移
(%)
40
Ⅰ種・総合職試験
Ⅱ種・一般職試験(大卒程度)
35
国家公務員の各役職段階に占める女性の割合
(%)
8
30
33.6%
7
32.4%
6
平成6年度
6.8
平成16年度
5.7
平成26年度
5
25
4
20
4.1
3.5
2.9
3
15
2
<第4次男女共同参画基本計画>
国家公務員採用試験からの採用者に占める
女性の割合 30%以上(毎年度)
10
1
0
5
0
平成5
1.7
1.0
地方機関の課長・
本省課長補佐相当職
本省課室長相当職
1.2
0.5
指定職相当
平成32年度末までの成果目標(第4次男女共同参画基本計画)
6
7
8
9
10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
地方機関の課長・本省課長補佐相当職:12%
本省課室長相当職:7%
指定職相当:5%
女性の公務への誘致活動
女性職員登用に向けた研修の充実
女性職員の育成・能力開発による登用候補者層の拡大と、登用推進に向けた環境整備を図るため、以下の研修を実
施しています。
・ 女性職員キャリアアップ研修(本府省及び地方機関の係長級女性職員を対象)
・ 行政研修
(課長補佐級)女性管理職養成コース(本府省課長補佐級の女性職員を対象)
・ 女性職員登用推進セミナー(本府省及び地方機関の管理職員(男女不問)を対象)
ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて
仕事と家庭の両立支援制度を利用しやすい職場の環境整備を推進するほか、超過勤務の制限、育児短時間勤務、育児・介護
のための休暇など、様々な制度の周知、取得促進を行い、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現を目指しています。
仕事と育児の両立支援のための制度
育児を行う職員に対して、それぞれのニーズに合わせた様々な制度を措置しています。
子の出生時に
出産に伴う付添いや
子の世話など
配偶者出産休暇
(男性職員)
育児参加のための休暇
(男性職員)
3歳に達するまで
小学校就学の始期に達するまで
子を養育するための
休業など
フルタイムより
短い時間で勤務
育児休業
育児短時間勤務
超過勤務の免除
育児時間
小学校修了まで
子を看護するための
休暇など
フルタイムで働きながら
勤務時間帯を変更
子の看護休暇
早出遅出勤務
超過勤務の制限
フレックスタイム
深夜勤務の制限
休憩時間の短縮
仕事と介護の両立支援のための制度
家族の介護を行う職員に対して、介護休暇や短期介護休暇、超過勤務や深夜勤務の制限、早出遅出勤務、フレック
スタイム、休憩時間の短縮等の制度を措置しています。
男性職員の育児休業の取得促進
※
7
平成26年に、外国で勤務等をする配偶者と外国で生活を共にする場合に休業することができる配偶者同行休業制度を設けました。
7
民間人材の活用等
官民人事交流
交流派遣、交流採用の実施状況の推移(暦年別)
(人)
450
①交流派遣(国から民間へ)
②交流採用(民間から国へ)
(人)
450
400
400
350
350
300
300
406
428
354
年末時在職者数
253
250
250
年末時派遣者総数
200
200
146
150
155
111
86
100
50
0
0
平成12
9
14
10
13
16
24
9
13
7
14
5
15
7
16
12
17
16
18
36
50
22
30
19
20
61
53
62
157
81
70
132
60
100
44
23
24
25
26
0
27(年)
51
38
50
新規派遣者数
22
176
166
150
104
29
21
244
215
208
69
53
10
28
22
27
平成12
13
14
15
95
81
37
36
16
17
91
109
112
92
64
50
137
75
新規採用者数
31
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27(年)
(注1)「年末時派遣者総数」及び「年末時在職者数」は、各年12月31日現在。
(注2) 交流採用については、平成15~18年における旧日本郵政公社に係る採用者数分を除く。(交流派遣については、旧日本郵政公社の実績はない。)
任期付採用
●
公務に有用な専門的な知識経験等を有する民間
人材を、5年の範囲内で任期を定めて採用してい
1,464
年度末在職者数
1,366
1400
ます。
◆
任期付職員法に基づく採用者数の推移(年度別)
(人)
1600
採用の例
1200
弁護士、公認会計士、その他の専門家
(社会福
1000
祉士、金融の専門家など)
1,099
1,033
1,169
1,034
925
756
800
622
600
506
400
198
200
63
19
0
19
平成12
511
新規採用者数
350
220
233
243
16
17
18
258
286
356
286
329
22
23
478
352
131
44
13
81
101
14
15
19
20
21
24
25
26
(年)
注) 在職者数は、各年度末における人数である。なお、当初の任期により算出している。
法科大学院、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会等への派遣
●
法科大学院への派遣
法科大学院生に対して、実務に関する教育の実効性を確保するため、検察官及び行政実務に関する専門的な知識・
経験を有する一般職の国家公務員を、実務家教員として継続的・安定的に派遣しています。
法科大学院への派遣者数
年
度
派遣者数
(注) (
平成22
23
24
25
26
33(30)
31
(29)
31
(29)
32
(29)
31
(29)
)内は検察官で内数。
8
8
能力・実績に基づく人事管理 ~人事評価の活用~
人
事
評
価
人事評価制度の基本的枠組み
評価の枠組み
原則として5段階[S、A、B(通常)、C、D]で絶対評価
能力評価
業績評価
1年間の評価期間において、職務遂行に
半期ごとの評価期間において、職務遂行
当たり発揮した能力を評価
に当たり挙げた業績を評価
(評価項目の例)地方機関課長
(目標設定の例)本府省係長
<実施施策の立案>
組織方針に基づき、地域の行政ニーズを踏まえた実施
施策を立案する。
①行政ニーズの把握
地域の行政ニーズや事案にお
ける課題を的確に把握する。
②成果認識
成果のイメージを明確に持ち、
複数の選択肢を吟味して最適
な実施施策を立案する。
他に
〈倫理〉
、
〈説明・調整〉、〈業務運営〉、〈組織統率・人材育成〉等の
評価項目がある。
業務内容
意見報告書
案の取りま
とめ
目
標
困難・
重要
意見報告書案を取りまとめるため、
△△会議において□□基本方針の骨
子についての一定の結論が得られる
よう、
▼月までに論点の整理を行う。
◎
通常、3~5個の目標を設定
人事評価の流れ(基本的なパターン)
期首
期中
期末
(能力評価)
評価項目等の明示
期首面談
達成目標等の
明確化、
困難度・重要度
の設定
(被評価者)
自己申告の記述
期末面談
(被評価者)
求められる職務行
動・達成目標等を踏
まえ、
職務遂行
評価
調整
確認
(被評価者)
期中の行動に関す
る説明等
(評価者)
指導・助言
(被評価者)
達成目標案の
記述
評価結果の任免や給与等への活用
9
評価結果の開示
(業績評価)
(評価者)
被評価者の職務遂
行を把握・メモ、
指導・助言
苦情にも対応
評価結果を任免、
給与等に活用
昇任への活用
任命権者は、次の官職の区分ごとに、人事評価(能力評価及び業績評価)の結果がそれぞれの要件を満たす者の中か
ら、最適任者を昇任させることができます。
○本省課長級未満
(本省室長級
以下)
への昇任
能力評価
〈直近2回の評価結果〉
【順不同】
上位
かつ
(S又はA)
業績評価
※
※
中位以上
(B以上)
〈直近1回の評価結果〉
○事務次官、本省局長級又は
本省部長級への昇任
○本省課長級への昇任
〈直近3回の評価結果〉
【直近1回】
〈直近3回の評価結果〉
【残り2回】
【残り1回】
【直近2回】
上位
中位以上
かつ
(S又はA)
(B以上)
上位
中位以上
かつ
(S又はA)
(B以上)
〈直近1回の評価結果〉
〈直近6回の評価結果〉
【直近4回のうち1回】
中位以上
(B以上)
【残り5回】
上位
かつ
(S又はA)
中位以上(B以上)
中位以上
(B以上)
評価段階は、課長級以下はS、A、B(中位)、C、Dの5段階、部長級以上はA、B(中位)、Cの3段階。
2段階以上の昇任により本省部長級以上の官職に就けようとする場合は、直近の連続した3回の能力評価の評価結果がいずれも上位であること。
降任・免職への活用
※
分限には、勤務実績不良によるもののほか、心身の故障、適格性欠如等に該当する場合、職員本人の意に反して行う降任・免職があります。
昇給への活用
1年分の人事評価結果に基づいて昇給区分が決定されます。(昇給日:1月1日)
※昇給号俸数及び決定できる職員の上限割合は、
課長補
佐級及び係長級の職員
(55歳を超えない職員)
の場合
能力評価
昇給区分
A
B
C(標準)
D
E
+
昇給号俸数
8号俸以上
6号俸
4号俸
2号俸
0号俸
業績評価〔2回分〕
決定できる職員の上限割合
5%
20%
人事評価
(1年分)
3級50号俸
○行政職俸給表(一)
[係長級] (308,400円)
3級48号俸
3級42号俸(295,700円)
(305,700円)
からの昇給の例
3級46号俸
(302,400円)
3級44号俸
(299,000円)
3級42号俸
(295,700円)
勤勉手当(ボーナス)への活用
※課長補佐級以下の職員の場合
業績評価の結果に基づいて成績区分・成績率が決定されます。
業績評価
S
上位の者から
順に決定
成績区分
成績率
特に優秀
160 ~99/100
A
優秀
99 ~88/100
B
良好(標準)
77/100
良好でない
77/100未満
C
D
人員分布率
5 %以上
25 %以上
10
9
適正な給与の実現
給与制度の概要
国家公務員給与の種類
俸給
(民間企業の基本給に相当)
手
当
それぞれの手当制度において定める支給要件に該当する職員に対して支給されます。
・ 扶養手当
・ 住居手当
・ 通勤手当
・ 単身赴任手当
・ 地域手当(民間賃金の高い地域に勤務する職員に支給)
・ 俸給の特別調整額(民間企業の管理職手当に相当)
・ 本府省業務調整手当
・ 特殊勤務手当
・ 超過勤務手当 等
・
・
期末手当
(民間企業のボーナスに相当)
勤勉手当
職務給の原則
○
国家公務員の給与は、仕事の種類や責任の度合いに応じて決定されています。
○
仕事の種類
(行政職、公安職、医療職など)に応じた17の俸給表があり、俸給表には職務の困難さや責任の度
合い
(係員、係長、課長など)に応じた職務の級が定められています。
成績主義の原則
○
昇格
(上位の職務の級に変更すること)
・昇給(上位の号俸に変更すること)は、勤務成績・能力に応じて決定され、
勤勉手当についても、勤務成績に応じて支給される仕組みとなっています。(10頁参照)
本府省〈行政職俸給表(一)(民間企業の事務・技術職に相当)〉の例
昇格
11
4級
3級
5級
6級
8級
7級
10級
9級
級
1級
2級
代表官職
係員
主任
号
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
俸
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
3
3 昇給
3
3
3
3
3
3
3
3
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
5
・
・
・
5
・
・
・
5
・
・
・
5
・
・
・
5
・
・
・
5
・
・
・
5
・
・
・
5
・
・
・
5
・
・
・
5
・
・
・
課長
室長
課長補佐
係長
給与水準の決定方法
給
与
勧
10
告
人事院の給与勧告は、一般職の国家公務員が労働基本権の制約を受け、自ら勤務条件の決定に直接参画できる立場
にないところから、その代償措置として設けられています。
給与勧告の手順
4月分給与
各府省、職員団体等の
要望・意見を聴取
事業所を実地調査
約12,300事業所を調査
事業所別調査
母集団事業所
約54,900事業所のうち、
従業員別調査
民間給与の調査
企業規模50人以上かつ
事業所規模50人以上の
4月分給与
約50万人を対象
国家公務員の特別給の支給月数と
民間のボーナスの支給割合を比較
国
会
内
閣
(給与法の改正)
法案提出
役職段階、勤務地域、学歴、年齢を同じくする者同士の給与を比較
(ラスパイレス方式)
情勢適応の原則
(民間準拠)
国家公務員(行政職俸給表(一))
と民間の月例給を比較
人事院勧告・報告
約25万人
(新規採用者等を除く)
全員を対象
水準の改定、俸給制度・諸手当制度の見直し
個人別調査
国家公務員給与
の調査
各地域において
有識者、中小企業
経営者等と意見交換
(勧告の取扱い
決定)
給与改定や
諸手当の支給状況
ボーナス
(前年8月から当年7月まで)
※
調査対象の人数と事業所数は平成27年の例
▲安倍首相に勧告を手渡す一宮総裁
(写真提供:内閣広報室)
情勢適応の原則
○
○
国家公務員の給与は、社会一般の情勢に適応することが求められています。
人事院の給与勧告は、公務員の給与水準を民間の給与水準に合わせること(民間準拠)を基本としています。
国家公務員法
(情勢適応の原則)
第28条 この法律及び他の法律に基づいて定められる職員の給与、勤務時間その他勤務条件に関する基礎事項
は、国会により社会一般の情勢に適応するように、随時これを変更することができる。その変更に関しては、
人事院においてこれを勧告することを怠つてはならない。
② (略)
【参考】
ラスパイレス方式の下での比較方法の主な見直し(平成18年〜)
民間企業の従業員の給与をより広く把握
平成18年
○ 調査対象事業所を「企業規模50人以上、かつ、事業所規模50人以上」
に変更
(※)
○ 調査対象従業員に「スタッフ職」等を追加
調査対象産業の拡大
平成25年
○ 調査対象産業を「全産業」に拡大
(「農業、林業」、「宿泊業、飲食サービス業」
等を追加)
調査対象従業員の拡大
平成26年
○ 調査対象従業員に「中間職(職責が部長と課長の間に位置づけられる従業員等)
」
を追加
※
企業規模50人以上の民営事業所の正社員数は民営事業所全体の正社員数の6割を超える人数をカバー
12
平成27年給与勧告のポイント
・月 例 給: 平均0.36%
(1,469円)引上げ
俸給表の水準を引き上げるとともに、給与制度の総合的見直しにお
ける地域手当の支給割合を引上げ
・ボーナス: 0.10月分引上げ
民間の支給状況等を踏まえ勤勉手当に配分
最近10年の給与勧告の実施状況
月例給
期末・勤勉手当(ボーナス)
改定率
年間支給月数
対前年比増減
平成18年
平成19年
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
平成27年
【参考】モデル給与例の推移(年間給与)
モデル
平成10年
平成27年
〔勧告後〕
平成10年からの
増減額
係員(25歳)
独身
係長(35歳)
配偶者・子1人扶養
地方機関課長(50歳)
配偶者・子2人扶養
本省課長(45歳)
配偶者・子2人扶養
給与制度の総合的見直し(平成27年から段階的に実施)
地域間の給与配分の見直し
世代間の給与配分の見直し
民間賃金の低い地域における官民給与の実情を
より適切に反映するための見直し
〈東京都特別区の場合〉
地域手当
見直し前の
俸給水準
俸給月額
〈民間賃金の低い地域の場合〉
官民の給与差を踏まえた50歳台後半層の給与水準の見直し
最大4%
引下げ
平均2%
引下げ
20%
△2%
新俸給水準
民間
公務
民間
公務
50歳台後半
※1 このほか、①転勤の円滑化のための広域異動手当、単身赴任手当の引上げ、②係長以下の本府省業務調整手当の引上げ等を措置
※2 俸給表の引下げによる激変を緩和するため3年間の経過措置を講ずる一方、見直しの原資を確保するため平成27年1月の昇給を抑制
13
労働基本権と人事院勧告の意義
11
国家公務員は、労働基本権が制約される代わりに、人事院勧告制度を中核とする代償措置が講じられています。
労働基本権の付与状況
国家公務員
区分
給与法適用職員
警察職員、
海上保安庁職員、
刑事施設職員
行政執行法人職員
団結権
○
団体交渉権 (協約締結権)
○(×)
争議権
×
×
×(×)
×
○
○(○)
×
(注) ○印は認められているものを、×印は制約されているものを示す。
ILO第98号条約(団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約)との関係
ILOは、国の行政に従事する公務員については団体交渉権・ストライキ権を制約することを認め、その場合
には労働者の十分な利益保護のための適切な保障が確保されることを求めています。
諸外国の国家公務員の給与改定方式
1.労使交渉によらず国が給与を決定する場合
〇
アメリカの連邦公務員については、俸給の改定率(算出式)は法律に規定され、地域均衡給については大
統領給与エージェントが勧告し、大統領が決定
〇
イギリスの上級公務員については、上級公務員給与審議会が勧告し、首相が決定
2.労使交渉を行い労働協約を締結する場合
〇
イギリスの一般職員については、給与歳出枠の範囲内で配分交渉を実施し、労働協約を締結
3.労使交渉を行うことはあるが、労働協約は締結できない場合
〇
フランスの公務員については、争議行為が認められているが、労使交渉を行うか否かは政府の判断によ
るとされ、一般に政令等の改正により改定
判決に見る人事院勧告の意義
人事院勧告制度は、最高裁の判決において、労働基本権制約の代償措置であるとされています。
全農林警職法事件判決(最高裁大法廷
昭和48年4月25日)
14
12
働きやすい勤務環境の実現
勤務時間制度の概要
【基本的な勤務時間の例】
月曜日~金曜日
勤務時間
8:30
休憩
12:00
勤務時間
13:00
17:15
〈交替制勤務〉
刑務官や海上保安官などは、夜間・休日に関係なく24時間体制で勤務しています。このため、これらの職員の
勤務時間は変則的になっていますが、総量(1週間平均の勤務時間)は上記の職員と等しくなっています。
休暇制度の概要
種
要
類
年次休暇
件
原則として1年に20日付与
(20日を限度として翌年に繰越し可能)
ただし、業務に支障がある場合には承認されない
私生活上や社会生活上の事由により勤務しないことがやむを得ないとき
特別休暇
(代表的なもの)
結婚:連続5日以内
産前:6週間以内
産後:8週間以内
忌引:1~7日
夏季:3日以内
ボランティア:1年に5日以内
病気休暇
病気やけがの療養のために勤務しないことがやむを得ないとき、必要最小限度の期間(原則90日が上限)
介護休暇
病気・けがや老齢のため日常生活に支障のある父母や子などを介護する必要があるとき(連続6月以内)
超過勤務縮減に向けた取組
超過勤務の縮減は、働きやすい勤務環境の整備を図る上での重要な課題であり、「超過勤務の縮減に関する指針」を
発出するなどの取組を行っています。
15
心の健康づくり対策の推進
ワ
長期病休者数及び長期病休者率の推移
(人)
9,000
8,000
8,032
7,026
7,000
6,000
2.04
6,591
1.40
1.36
3,849
0
1.26
3,468
1.24
3,376
1.26
3,450
1.5
1.24
3,389
1.0
2,218
2,000
1,000
2.0
5,370
1.28
4,000
3,000
1.95
6,105
1.61
5,000
(%)
2.5
914
1,050
0.5
0.46
0.18
0.21
平成3年
平成8年
平成13年度
平成18年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
502,467
486,216
299,871
274,973
271,301
273,441
273,776
職員数(人)498,879
0.0
長期病休者数
うち精神・行動の障害による長期病休者数
長期病休者率
精神・行動の障害による長期病休者率
注1 「国家公務員長期病休者実態調査」
(昭和56年以降5年に一度実施)及び
「精神及び行動の障害による長期病休
者数調査」
(平成24年度以降、
「国家公務員長期病休者実態調査」
を実施しない年度に実施)
による。
注2 長期病休者とは、引き続いて1月以上の期間、傷病のため勤務していない者をいう。
ハラスメント防止対策の推進
▲講演会
安全管理対策の推進
過去の事故や災害の概要をまとめた事例集を配付して類似災害の再発防止に努め、とりわけ死亡事故などの重大災
害の予防措置を徹底するよう指導を行うなど、職場の安全管理の推進に取り組んでいます。
災害補償制度とその運用
職員が仕事によって災害を受けた場合(公務災害)や、通勤の途中に災害を受けた場合(通勤災害)の損害の補償や被
災職員の社会復帰の促進などの福祉事業の基準を定めるとともに、各府省等への指導を行っています。
16
13
生涯設計
国家公務員の高齢期雇用の促進
国家公務員の定年は原則60歳ですが、雇用と年金の接続を図るとともに、職員が長年培った能力・経験を有効に
発揮し、定年後の生活に不安を覚えることなく職務に精励できるようにするため、高齢期雇用の促進に取り組んでい
ます。
高齢層職員の能力・経験の活用
定年退職者等を、定年前の勤務実績等に基づき、1年以内の任期で再任用することができます。
任期は更新可能で、その上限年齢は65歳です。
○
勤務形態
フルタイム勤務(週38時間45分)、短時間勤務(週15時間30分~31時間)
○
年収
(管区機関の主任~課長補佐の例)
フルタイム勤務の場合300~400万円程度、短時間勤務(週19時間22.5分)の場合150~200万円程度
再任用の現状(行政職俸給表(一))
再任用職員数の推移
(人)
10,000
9,741
9,000
8,688
2,659
8,000
フルタイム勤務
短時間勤務
7,000
6,864
勤務形態
0.0%
20.0%
40.0%
60.0%
短時間勤務
80.0%
100.0%
83.0%
(4,085人)
1,975
フルタイム勤務
5,000
公務
再任用職員
6,000
17.0%
(839人)
4,000
7,082
6,176
3,000
70.1%
(1,023人)
再任用職員のうち平
成26年度定年退職者
2,512
29.9%
(437人)
1,900
2,000
4,889
695
民間
再雇用者のうち平成
25年度定年退職者
8.0%
92.0%
1,000
98
0
616
518
平成 14
1,205
20
25
26
27(年度)
〔平成27年度の数値は、平成27年5月現在の値(予定者を含む)〕
公務の再任用は短時間勤務が中心であり、今後、民間企業と同様にフルタイム中心の勤務を実現することを通じて、
再任用職員の能力及び経験を本格的に活用していく必要があります。
生涯設計に関する情報の提供
17
規律の保持
14
国民全体の奉仕者としての服務規律
服務上の義務
○ 服務の宣誓
○ 秘密を守る義務
○ 法令及び上司の命令に従う義務
○ 職務に専念する義務
○ 争議行為等の禁止
○ 政治的行為の制限
○ 信用失墜行為の禁止
○ 私企業からの隔離・他の事業又は事務
の関与制限
標準的な処分量定の例
非違行為
秘密漏えい
免職
停職
●
●
セクシュアル・ハラスメント(性的な言動の繰り返し)
公金の横領
●
酒酔い運転による人身事故
●
部下職員が行った非行の隠ぺい、黙認
減給
●
●
●
●
戒告
懲戒処分数の推移(平成23年~平成27年)
(人)
700
免職
停職
減給
戒告
600
500
400
300
383
383
332
124
126
86
367
101
284
74
200
161
184
174
156
67
61
65
59
31
22
25
23
50
19
平成23
24
25
26
27
141
100
0
(年)
18
15
不利益救済
職員の利益の保護と公正な人事管理を確保する公平審査制度
公平審査は、職員が、懲戒処分や分限処分などを受けたことに不服がある場合、勤務条件に関して適当な行政上の
措置を求めたい場合、公務災害の認定等や給与の決定に不服がある場合に、それぞれ所定の審査手続に従って行われ
るものです。人事院は制度の趣旨に則り、事案の適切かつ迅速な処理に努めています。
不利益処分についての審査請求の口頭審理において、公平委員会(正面)、請求者側(左)、処分者側(右)
が出席し、証人尋問を行っている様子(模擬審理)
不利益処分についての審査請求
職員は、その意に反して降給、降任、休職、免職そ
給与の決定に関する審査の申立て
職員は、給与法の規定による給与の決定に苦情があ
の他著しく不利益な処分又は懲戒処分を受けた場合、
る場合、人事院に対し、審査の申立てを行うことがで
人事院に対し、審査請求を行うことができます。
きます。
人事院は、事案ごとに公平委員会を設置して審理を
行わせ、委員会が作成した調書に基づき、処分を承認し、
人事院は、必要な審査を行った上で、更正又は棄却
の決定を行います。
修正し、あるいは取り消す判定を行います。
公平審査の種類別申立受付件数(平成26年度)
勤務条件に関する行政措置の要求
不利益処分審査請求
16件
(22.9%)
職員は、人事院に対し、あらゆる勤務条件に関して
懲戒処分
4件
(5.7%)
適当な行政上の措置を求めることができます。
人事院は、必要な審査を行った上で判定を行い、あ
るいは、あっせんなどにより適切な解決を図ります。
災害補償の実施等に関する審査の申立て
職員は、実施機関の行った公務上の災害の認定等に
不服がある場合、人事院に対し、審査の申立てを行う
給与決定
審査申立て
25件
(35.7%)
その他
6件
(8.6%)
総 数
70件
(100.0%)
ことができます。
人事院は、災害補償審査委員会に審査を行わせ、委
員会が作成した調書に基づき判定を行います。
19
分限処分
6件
(8.6%)
行政措置要求
7件
(10.0%)
災害補償
審査申立て
22件
(31.4%)
最近の判定の例
申立て等が認められたもの
申立内容
判定要旨
災害補償審査
申立事案
申立人は、深夜勤務や週休日の出勤が続くなど長時間の超過勤務を行っており、ま
た、業務の内容等も過重であることから、申立人の適応障害等は、公務と相当因果
関係をもって発生したものと認められるので、公務上の災害と認定すべきである。
申立て等が認められなかったもの
申立内容
判定要旨
不利益処分
審査請求事案
請求者は、1か月以上にわたり失踪し、勤務を欠いたものであり、また、当局は業
務配分に相当程度配慮し、上司の指導は通常の業務遂行の範囲と認められるなど他
に考慮すべき事情は認められないことから、国家公務員としての適格性を欠くと見
るのが相当であり、分限免職処分は相当と認められる。
給与決定審査
申立事案
申立人は、課題への的確な対応や計画的な業務遂行ができず、業務におけるミスが
多く、上司が注意、指導しても改善が見られないなどの状況であったと認められる
ことから、当局が能力評価・業績評価の全体評語を共にCとし、昇給区分をEと決
定したことは適法かつ妥当と認められる。
苦情相談
職員は、勤務条件やパワー・ハ
苦情相談の流れ
ラスメントを含む職場におけるい
相
じめ・嫌がらせ、人事評価に関す
談
制度の説明・アドバイス
る不満等の人事管理全般につい
事実の確認等の結果の連絡
て、電話やメールなどで人事院に
対して苦情相談をすることができ
事情聴取、照会その他の調査
ます。
相談者
人事院(職員相談員)
人事院は、内容に応じて関連す
る制度の説明、アドバイス、関係
あ
っ
せ
ん
当事者間の話し合い、
問題の解決
当事者に対するあっせんなどの方
法により、問題の迅速、適切な解
事情聴取、照会
その他の調査
報告
決を図ります。
人事評価関係
52件
(5.1%)
パワハラ以外の
いじめ・嫌がらせ
78件
(7.6%)
その他
62件
(6.0%)
苦情相談件数の推移
(件)
1,200
任用関係
187件
(18.2%)
1,000
1,038
1,025
945
パワー・
ハラスメント
246件
(24.0%)
セクシュアル・ハラスメント
34件
(3.3%)
総計
1,025件
(100.0%)
給与関係
79件
(7.7%)
勤務時間
・休暇・服務
等関係
157件
(15.3%)
健康安全
等関係
130件
(12.7%)
改善指導
各府省の関係者
苦情相談の内容別件数(平成26年度)
943
866
800
600
400
200
0
平成22
23
24
25
26 (年度)
苦情相談は、本院及び地方事務局(所)で受け付けています。
苦情相談の内容は、パワー・ハラスメント、いじめ・嫌がらせなど、職場の人間関係に起因した複雑なものが多い
状況にあります。
20
16
倫理の保持
公務員の倫理の保持のために
国家公務員の倫理については、国家公務員倫理法及び国家公務員倫理規程にルールが定められています。
また、その事務を担当する専門的な独立機関として国家公務員倫理審査会が人事院に置かれています。
倫理保持のための仕組み
倫理行動規準
行動のルール
報告のルール
国家公務員倫理審査会
倫理監督官(各府省事務次官等)
▲国家公務員倫理審査会
(左から 中村委員、前田委員、池田会長、潜道委員、立花委員(人事官))
倫理行動規準
○
国民全体の奉仕者であることを自覚し、公正な職務執行に当たること
○
職務や地位を私的利益のために用いないこと
○
国民の疑惑や不信を招くような行為をしないこと
○
公共の利益の増進を目指し、 全力を挙げて職務に取り組むこと
○
勤務時間外でも、 公務の信用への影響を認識して行動すること
行動のルールの概要
国家公務員の負担額が1万円を
超えるときは、倫理監督官への
事前の届出が必要
報告のルールの概要
21
○
株取引等報告(本省審議官級以上の職員)
○
所得等報告 (
同
上
)
所得等報告(年1回
(3月)
)
5,000円を超える贈与等
出
株取引等報告
(年1回(3月)
)
本省課長補佐級以上の職員
提
贈与等報告(四半期ごと)
贈与等報告
員
○
職
国家公務員には以下の報告が義務付けられています。
各省各庁の長等
事業者等との関係の透明性を確保するため、
写しの送付
倫理審査会
※ 指定職以上の職員に係る報告書
閲覧請求
国
民
等
※ 1件2万円を超える贈与等
研修・啓発活動の推進
○
倫理研修の実施、各種研修教材の作成・配付
○
倫理教本と倫理カードの配付
平成27年度各種アンケート結果より
問.一般職の国家公務員の倫理感について、現在、どのような印象をお持ちですか。
○ 「国家公務員倫理週間」の実施(毎年12月)
○ 「公務員倫理セミナー」の開催(年2回程度)
各界有識者を招いての懇談会の実施
○
倫理保持に関する各種アンケートの実施
など
倫理感が高いが一部の者は低い
どちらともいえない
倫理感が低いが一部の者は高い
倫理感が低い
分からない
2.0%
市民
アンケート
○
倫理感が高い
44.9%
24.7%
15.0%
7.6%
5.8%
0.7%
民間企業
アンケート
50.3%
19.6%
21.1%
4.4% 3.9%
0.5%
有識者モニター
アンケート
69.7%
11.2%
14.9%
3.7%
1.9%
職員
アンケート
65.5%
20.4%
2.0%
9.6%
0.5%
問.倫理規程で定められている行為規制の内容全般について、どのように思いますか。
厳しい
市民
アンケート
妥当である
9.6%
分からない
62.8%
18.9%
8.7%
2.3%
民間企業
アンケート
79.0%
14.0%
4.7%
1.6%
有識者モニター
アンケート
▲平成27年度「国家公務
員倫理週間」ポスター
緩やか
70.7%
27.7%
1.6%
職員
アンケート
72.0%
23.3%
3.2%
※ 「厳しい」
・・・
「厳しい」
又は
「どちらかといえば厳しい」
を選択した者の割合
「緩やか」
・・・
「どちらかといえば緩やか」
又は
「緩やかである」
を選択した者の割合
▲「公務員倫理セミナー」の様子
違反の疑いがある場合の厳正な対処
倫理法・倫理規程に違反する行為は、懲戒処分等の対象となります。
違反の疑いがある行為の調査・懲戒に当たっては、公正かつ厳正な対処が行われるよう、倫理審査会の関与の
下にその手続が行われます。
倫理法等違反の処分等件数(括弧内は処分等人数)
(件)
調査・懲戒手続の例
60
各府省による調査
57
(267)
各府省による懲戒
40
32
(159)
公表
懲戒処分
倫理審査会の承認
懲戒処分の承認の申請
調査結果の報告
倫理審査会の意見
調査経過の報告
端緒の報告
各府省窓口
公務員倫理ホットライン
調査開始の通知
通報等
50
27
(54)
30
21
20
(45)
(222)
17
(30)
20
11
(14)
21
(61)
20
(62)
16
16
16
(27)(63)
(30)
16
(30)
10
(20)
10
4
(16)
0
平成 12
「公務員倫理ホットライン」の設置
違反行為の早期発見と未然防止のため、
「公務員倫理
ホットライン」を設置して、広く情報を受け付けていま
す
(匿名も可)
。
通報した方の氏名など個人が特定される情報は窓口限
りにとどめられるなど、通報者が不利益な取扱いを受け
ることのないよう万全を期しています。
13
14
15
16
17
18
19
20
21
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(年度)
公務員倫理ホットライン
【電 話】03-3581-5344
【 F A X 】03-3581-1802
【WEB】 公務員倫理ホットライン
検索
【郵 送】〒100-8913 東京都千代田区霞が関1-2-3
国家公務員倫理審査会事務局
公務員倫理ホットライン 宛
22
17
人事管理業務の IT 化の推進(人事・給与システム)
人事・給与システム
現在の主な取組
システム改修
人事院勧告に伴う給与法の改正や年金一元化等の制度改正への対応、さらに性能改善や障害案件への対応のための
システム改修を行いました。
人事給与業務の抜本的見直し
○
人事給与業務の改革
・
職員別給与簿等の様式を統一(※)
、各種調査の項目等を合理化、
証明書類の電子化
(イメージ)
標準報酬月額の算出方法及び社会保険料の端数処理方法を統一。
・
扶養親族届等を電子申請する際の証明書類の電子化(※)
、代行申
請の際の電子化を推進するための法令整備、辞令交付の電子化の
推進(※)。
(注)※は、実施に向けた取組を行っているものです。
○
人給システムの改革
・
性能・品質・機能向上に向けて、改善計画システム化会議を開催
し、改修内容について各府省と合意し、調達手続を実施。
・
インシデントの抑制策として各府省に対して、問い合わせ件数の
多いものをメールマガジンとして発信するとともに、過去に発生
したインシデントを踏まえたエラー対応集を配布。
・
移行府省のため本番稼働府省のノウハウ提供や移行作業の方法
等の共有のための特別移行支援チームの編成及び移行勉強会の開
催、利用者講習会の開催、府省ごとの移行スケジュールの調整。
23
▲平成27年度利用者講習会
グローバル化への対応
18
国際協力・国際交流の推進
行政官の相互派遣等による国際交流や諸外国の人事行政の発展に向けた国際協力に積極的に取り組んでいます。
海外への職員の派遣
毎年多くの職員が国際機関や外国政府に派遣され、国際協力に取り組んでいます。
派遣先機関
(平成26年度末)
研究所8人
(2.0%)
外国政府
140人
(35.8%)
その他11人
(2.8%)
派遣者総数
391人
(100.0%)
派遣先地域(平成26年度末)
中東3人
(0.8%)
大洋州3人
(0.8%)
国際連合
116人
(29.7%)
その他の国際機関
116人
(29.7%)
欧州
120人
(30.7%)
中南米
5人
(1.3%)
アフリカ26人
(6.6%)
派遣者総数
391人
(100.0%)
北米
45人
(11.5%)
アジア
189人
(48.3%)
▲OECDにおける業務風景
(左から2人目が派遣職員)
行政分野での人的交流・相互理解の促進
途上国の中核的人材育成
▲マンスフィールド研修
日中韓人事行政ネットワーク
▲ベトナム政府要人と会談する吉田人事官(左)
▲日中韓人事行政ネットワーク
外国公務員制度研究
米・英・独・仏を中心に、諸外国における公務員制度、人事管理等の状況・動向等について調査研究するとともに、
主要国の政府幹部職員等を招へいし、人事行政の最近の実情や課題について意見交換を行っています。
24
19
国民生活を支えるために~現在取り組んでいる主な課題~
人事院では、社会経済情勢の変化に対応しながら、行政運営の基盤である人事行政を適切に運営し、これによって
国民一人一人の安心・安全な生活を実現する行政サービスが提供されるよう、以下の課題に取り組んでいます。
1
人材の確保、育成
行政課題の複雑・高度化やグローバル化が進展する中で、次代の日本を担う有為な人材を確保、育成
2
公正な任用の確保
採用試験の適正な実施
「国民全体の奉仕者」としての
意欲ある女性の公務への誘致・
職員の計画的な育成
女性職員の能力向上
能力・実績に基づく人事管理
職員のモラールを高め、行政運営の効率化を図るため、能力・実績のある職員が適切に処遇される人
事管理を推進
人事評価の適正な実施
3
評価結果の処遇への適切な反映
適正な給与の実現
職員の士気の向上、人材確保や行政サービスの向上を図るため、社会経済情勢の変化に対応した適正
な給与を実現
官民の精確な給与水準の把握
4
専門的知見に基づく
給与制度の設計・運用
働きやすい勤務環境の整備
職員が安心して職務に精励することができるよう、仕事と家庭の両立支援やメンタルヘルス対策を含
む勤務環境の整備を推進
5
仕事と家庭の両立支援
フレックスタイム制の円滑な実施
超過勤務の縮減
ストレスチェック制度の適切な実施
雇用と年金の接続
年金支給開始年齢が引き上げられる中で、職員の能力・経験の活用と再任用職員の適正な処遇を実現
フルタイム中心の勤務の実現
25
再任用職員の適正な給与の設定
6
国民の信頼確保
職員の倫理意識の高揚
7
法令違反への厳正な対応
その他
人事・給与システムの
公平審査・苦情相談への適切な対応
導入・運用支援
人事院総裁賞 ~国民の生活・安全を陰で支えるプロフェッショナルの表彰~
▲天皇皇后両陛下に御接見を賜る受賞者と配偶者
平成27年度の受賞者
小
泉
敏
章
海上保安庁総務部
海上保安試験研究センター化学分析課専門官
財務省門司税関厳原税関支署
厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部
麻薬取締部危険ドラッグ取締対策本部
水産庁九州漁業調整事務所
漁業取締船白鷗丸
国土交通省中国地方整備局
※
分析・鑑定業務の第一人者として、高度な専門的
知識等をいかし、多種多様な海上犯罪の証拠品等
の分析・鑑定業務に長きにわたり地道に従事し、
海上保安庁の犯罪捜査の信頼性向上に多大な貢献
1
2
▲厳原港における旅具検査
〔厳原税関支署〕
▲危険ドラッグ販売店舗の捜索
〔麻薬取締部危険ドラッグ取締対策本部〕
▲逃走中の虎網漁船へ接舷を試みる白鷗丸
〔漁業取締船白鷗丸〕
▲緊急渓流点検の実施状況
〔中国地方整備局〕
3
4
各受賞者の詳細については、人事院ホームページ「人事院総裁賞」
(http://www.jinji.go.jp/sousai/main.html)
を参照
26
人
事
院
National Personnel Authority
事務総局総務課
〒100-8913 東京都千代田区霞が関1-2-3 ℡ 03-3581-5311
(代)
ホームページ http://www.jinji.go.jp/
公務員研修所
〒358-0014
入間市宮寺3131
℡ 04-2934-1291
北海道事務局
〒060-0042
札幌市中央区大通西12丁目
℡ 011-251-2600
東北事務局
〒980-0014
仙台市青葉区本町3-2-23
℡ 022-221-2001
関東事務局
〒330-9712
さいたま市中央区新都心1-1
℡ 048-740-2001
中部事務局
〒460-0001
名古屋市中区三の丸2-5-1
℡ 052-961-6838
近畿事務局
〒553-8513
大阪市福島区福島1-1-60
℡ 06-4796-2171
中国事務局
〒730-0012
広島市中区上八丁堀6-30
℡ 082-228-1181
四国事務局
〒760-0068
高松市松島町1-17-33
℡ 087-831-5801
九州事務局
〒812-0013
福岡市博多区博多駅東2-11-1
℡ 092-431-7731
沖縄事務所
〒900-0022
那覇市樋川1-15-15
℡ 098-834-8400
←虎ノ門
丸ノ内線
財務省
外務省
日比谷線
総務省
桜田門→
霞ヶ関
農林水産省
裁 判 所
合同庁舎
霞ヶ関
経済産業省
経済産業省
別
館
人事院
厚生労働省
環 境 省
弁護士会館
千代田線
日比谷公園
【地下鉄 霞ヶ関 最寄出口】
丸ノ内線 B3ab 徒歩4分/日比谷線A9 徒歩4分
千代田線 C1 徒歩1分 C2 徒歩2分
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