観測的宇宙論ゼミ 08/7/4 担当:澁谷 銀河形態分類に最近の新しい

観測的宇宙論ゼミ 08/7/4 担当:澁谷
銀河形態分類に最近の新しいアプローチを適用し、
銀河の合体を同定する。
Abstract
・z~4の静止系FUV(far-ultraviolet)LBGs(Lyman Break Galaxies)と
z~1.5の輝線銀河に対して、銀河形態分類に最近の新しいアプ
ローチ(Abraham et al 2003など)を適用し、銀河合体を同定する。
(銀河合体は星形成・銀河進化に重要な役割を果たしている)
・各種パラメータを両赤方偏移で比較する。
・階層モデルが予想するmajor-merger rate, minor-mergerが誘発す
る爆発的星形成とはおおむね一致する。
・両赤方偏移の各種パラメータに対するFUV-NUV,FUV-Bからは
両赤方偏移の形態に強い相関は見られない。
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観測データ
・HST(Hubble Space Telescope)のACS(Advanced Camera for
Survey)を使って観測。
・GOODS(Great Observatories Origins Deep Survey)とUDF(Ultra
Deep Field) survey で観測したz~4でのLBGs:82個
・GOODSで観測したz~1.5での55個の銀河
[良い所]:両者で被っている天域ではS/Nを決められる
z~4ではACS imageの一番長い波長のz-band(λc=8500Å)でも
静止系FUVで光っている。
→これらの銀河のうちFUVで輝いている星形成銀河に限定する。
Morphology研究に使うパラメータ
Petrosian半径での表面輝度を使ってmapを作成する
全輝度の2次のモーメント
f_i:各pixelのフラックス
x_i:各pixelの位置
これが最小になるところを銀河中心(x_c,y_c)とする。
この決め方は小さいS/Nのときに有効
Gini coefficient
n:pixelの数
X_i:rank次のpixel flux value
銀河のpixel fluxの偏り具合(0≦G≦1)
Gが大きい程、偏りが大きい
銀河の形に依らない値
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Morphology研究に使うパラメータ
銀河pixelの明るい20%の2次のモーメント
M_20が大きい程中心から離れたところに明るい部分が沢山ある
Central concentration
r_80:全fluxの80%が含まれる円の半径
Cが大きい程、中心への偏りが大きい
銀河の形(中心がどこであるか)に依る値
pixel当たりの平均S/N比
σ_sky:空のpixelの分散
F_A:分散reduction factor
<S/N>が大きい程、よく見える
データの選択効果とバイアス1(GOODS vs UDF)
GOODSとUDFはほぼ同じ天域→形態の信頼性が上がる
Petrosian radius
Concentration
Gini coefficient
2nd-order moment
<S/N>≧3.0
r_p≧0“.3
Morphology code
failed
with UDF
→571 galaxies (V+i images)
各パラメータの
GOODS-UDF vs
<S/N>GOODS
→<S/N>(GOODS)≧2.5
とする
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データの選択効果とバイアス2(Buldge and Disk)
小さく暗い銀河の形態を決めるためにBludge and Disk simulationする
half light radius
偏りが大きい
True buldge
○:exponential disks
□:de Vaucouleurs buldges
灰色→黒色:25→22mag
True disk
小さい
作った銀河を実際の観測と
同じ方法で検出する
r_pet≧0.3で
Gはbuldgeとdiskにきれい
に別れている
0.“3
データの選択効果とバイアス3(z~1.5→4 GOODS)
GOODS(z~1.5)の銀河を人工的にz~4へ赤方偏移させる
r_p
以上から選んだ銀河の
mag vs r_p
mag vs r_pの物理サイズは
GOODS,UDFで同じ
→両者の形態分布に違いが
出てきそうだ
以上から
<S/N>≧2.5,r_p≧0“.3
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Symbolと領域の説明
+:銀河 ◇:LBGs
Buldge成分が多い銀河
○
Opticalの条件を
FUVに当てはめ
られない
△
近傍銀河
□
buldge(simulated)
*
数個の核がある合体銀河
major-merger
disk(simulated)
transition(minor merger, disk)
結果1(FUV形態分類G and C-M_20)
G
偏りが大きい しっかり3つに分類できる
C
あまりできない
核がある
G-M_20とC-M_20を比較すると、Gの方がしっかり分類されている
(Cは小さいサイズでうまくいっていない,substructureを見極められにくい)
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結果2(各銀河形態の割合)
明
・z~4のうち
10~25%がmajor-merger銀河
30%がBuldge-likeな銀河
50%がminor-merger・post merger・SF disk
・z~1.5のうち
ほとんどの銀河はtransition
major-mergerの銀河はz~4と似ている。
結果3(FUV-B, UV slope)
静止系で
z~1.5
強い相関なし
z~4
B
FUV-B
FUVNUV
青い銀河がなくなっている→dustの増加
赤
青
z~4のLBGは青く若い星が多い
4000Åbreak
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Summary
1.GOODSとUDFのz~4LBGsの間に静止系遠紫外の形態分類の大
きな違いは見られない。Major-mergerの割合とminor-mergerの数
はモデルとおおむね一致する。
2.major-mergerの割合がz~1.5の星形成銀河とUDFのz~4銀河で殆
ど違いは見られない。ただ、少し違いがあり、低赤方偏移では広
がっていて、表面輝度の低いdisklikeな星形成銀河が増える。
3.FUV-Bの二つのLBGは強い4000Åbreakで、500Myr以上の星種
族はBuldge-likeな形態をしている。z~1.5でdust減光が重要にな
るであろう。
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