ビーストバインドトリニティ 初心者向けサマリー

ビーストバインドトリニティ
初心者向けサマリー
世界観
基本的には我々の住む現代日本と同じ世界です。
世界には"世界律"と言われる法則、ルールがあります。
その世界律により、人は空も飛べず、車より早く走れませんし、
力だってせいぜい握力で70kgといったところでしょう。
…ただ、世の中には例外というものがあります。
血統の力で夜空を駆けるヴァンパイア
時速180kmの車すら置き去りにする妖怪
岩をも砕く怪力を持つ鬼
強大な自我"エゴ"の力により、世界律をねじ伏せてしまう
超自然の存在、それが魔物です。
魔物は一般的なバケモノだけではありません。
宇宙からやってきた光の巨人も
未来からやってきたネコ型ロボも
宿命を背負った魔法使いの少年だって、このゲームでは魔物として扱われます。
宇宙だろうが、未来の科学だろうが、魔法だろうが、今この世界の
世界律を逸脱した力の持ち主を魔物と総称するのです。
半魔
PCは魔物のなかでも、"半魔"と呼ばれる存在で、
基本的には人間に化けて人間社会で暮らしています。
半分は強大な自我"エゴ"の力で"世界律"をねじまげる魔物ですが、
残りの半分で、人間や社会との"絆"を捨てきれないという、まさに半端者です。
そんな半端な存在となり、強大な"エゴ"をの力で"絆"を砕こうとする魔物と戦う
…それがこのビーストバインドです。
用語解説①
ドミニオン
ドミニオンとはエゴの究極形態ともいえるものです。
通常の魔物はエゴにより、世界律を捻じ曲げているに過ぎませんが、
強大なエゴを持つものは新たな世界律を持つ世界を作り出してしまいます。
これがドミニオンと呼ばれるもう一つの世界です。
天界や魔界、妖精郷等と呼ばれる著名な異界もかつて強大なエゴを抱いた
魔物の産み出したドミニオンなのです。
ドミネーター
そのドミニオンの創造主にして支配者をドミネーターといいます。
各ドミニオンがどの様な世界なのかはドミネーターのエゴを反映して
決定されています。
FP(フレッシュポイント)
他のゲームでいうヒットポイントです。
このゲームでは、単純な生命力だけでなく気力やバリア等総合的な
タフネス全般を表します。
この数値が0になるとキャラクターは《かりそめの死》(後述)になります。
かりそめの死
キャラクターのFPが0になり、戦闘が継続出来なくなった状態です。
かりそめの死が回復されるまで、一切のアクションや判定が行えず、
アーツも使用出来ません。
かりそめの死のまま戦闘が終了した場合は、自動的にFPが1になり、回復します。
なお、かりそめの死はバッドステータスではありません。
真の死
かりそめの死の状態でとどめを刺す事を宣言された場合、
キャラクターは真の死を迎えます。
真の死となったままエンディングフェイズを迎えたキャラクターは完全に消滅し、
ゲームから除外されます。
真の死を回復する手段は基本的にありませんが、真の死となる事を
回避する手段は罪の使用などで存在します。
なお、真の死はバッドステータスではありません。
解放状態
他のゲームでブレイクなどと言われる状態によく似ていますが、
一部に相違点があります。
本ゲームではコストとして“愛”を1点使用する必要があります。
解放状態は、真の死以外のあらゆる状態で宣言が可能で
①かりそめの死やあらゆるバッドステータス、不利な効果を解除し
FPを【肉体】+10まで回復します。(現在値がそれ以上なら変化しません)
②以降、この戦闘中はバッドステータスを受けなくなります。
③解放状態中は特に明記されていない限り、FPの回復効果が受けられず
解放状態中にFPが0になると即座に真の死となります。
④判定方法が2D6ではなく、3D6を振り、好きな出目を2つ取ります。
(例えば3D6の出目が6・2・5なら、7・8・11のいずれかを選べます。)
用語解説②
人間性
いわゆるコストとして使われる数値です。
ただ、"魔獣"である貴方が世界の表舞台に上がるだけでも人間性は減少しますし、
人間には出来ない特技"アーツ"を使用する時にも減少します。
この人間性がシナリオ終了時に0以下だった場合、
そのPCは完全な魔物となり、NPC化します。
SA~スピリチュアル・アンカー~
そのシナリオにおける、PCの目的です。
これを達成すると、大幅に人間性
を回復させる事ができます。
絆
友情や愛情、時にはライバル心といった他者との強い繋がりを"絆"と表現します。
PCは"絆"があるからこそ、完全な"魔物"にならず、
半魔として人間社会の中で生活出来るのです。
取得はGMの許可を得る事でいつでも取得出来ます。
エゴ
そのキャラクターが持つ本能的な欲求・欲望です。
全ての"魔物"の力の源であり、"半魔"であるPCも例外ではありません。
個別に取得するのは初期作成時の一つのみで、
その他は"絆"が変化して取得します。⇒下記、絆のエゴ化を参照
絆の"エゴ化"
絆と"エゴ"は相反する表裏一体の存在です。
絆は関係性の変化や、人間性の低下により、"エゴ"に変化します。
これを”エゴ化”といいます。
GMの判断や、PCからの自発的な申告をGMが許可した場合に認められます。
アーツ
他のゲームで特技や技能と言われるものです。
コスト欄に数字が書かれている場合は人間性を減少させます。
愛
いわゆるヒーローポイントその①です。
絆を取得した際に同時に入手する事が出来ます。
効果はレコードシートに記載されています。
罪
いわゆるヒーローポイントその②です。
入手は"愛"よりも難しく、
「"エゴ"をロールプレイで表現する事」
です。
シーン終了時にGMに申告し、認められると、1シーンに1点入手出来ます。
効果はレコードシートに記載されています。
PCの目的と“羽根”
このゲームでは、PCがそのシナリオにおいて何を目的とするかが
明確に決まっています。それがSA(スピリチュアル・アンカー)です。
SAの内容を達成するように動く事で、そのPCは半魔であり続けようと
努力する事なります。
また、個別のキャラクターに限らず、潜在的な目的があります。
それが"羽根"の回収です。
羽根とは、この世界の守護者の背中から生えていた力の源で、
さる事情で散り散りになり、世界中に降り注ぎました。
・黒い羽根は所有者のエゴを最大限に引き出す。
・白い羽根は愛に満ち、世界律を揺るがす程の奇跡を起こす。
それぞれの強大な力を狙う魔物は後を絶ちませんが、多くの組織が
世界の守護者の要請をうけ、羽根の回収にあたっています。
判定ルール
行為判定
何かの行動の成否を判断する際のルールです。
判定に使用する能力値(判定値)+2D6の合計=達成値
達成値が難易度以上であった場合に成功となります。(つまり同値は成功)
クリティカル
ダイスの出目がクリティカル値(基本は12)以上だった場合、
その判定はクリティカルとなります。
クリティカルとなるとそのダイスの出目に+20します。
つまり、出目12でクリティカルした場合、判定値に+32した値が達成値になります。
ファンブル
出目がファンブル値(基本は2)以下だった場合、その判定はファンブルとなります。
ファンブルの場合はいかなる達成値上昇効果があっても、
最終的な達成値が0になります。
対決
攻撃に対する回避等、対象との達成値の比べ合いを対決といいます。
能動的に行動を起こしたアクション側とその対象であるリアクション側に分けて
それぞれ判定を行います、達成値を比べ合います。
対決の場合は、達成値が同値の際リアクション側が勝利します。
戦闘時の判定
命中判定
白兵値や射撃値、その他能力値を判定値とした判定を行います。
これらの判定は基本的に対決となります。
防御
キャラクター以下の二通りの防御行動のいずれかを選択します。
◇ドッジ
回避値を基準としたリアクション判定を行います。
対決に勝利するとその攻撃からの影響を受けません。
◇ガード
回避を行わず、ダメージの軽減を図ります。
攻撃は自動的に命中しますが、装備中の武器ないし乗り物の内
一つのガード値分だけダメージを軽減します。
なお、特殊攻撃はガードを選択する事が出来ません。
スポットルール(ディフェンダー必見)
カバーリング
同じエンゲージに存在する他のキャラクターが攻撃された際の
ダメージロールタイミング(つまりダメージダイスを振る前)に、
未行動のキャラクターはカバーリングを宣言し、その攻撃を肩代わりする事が
出来ます。
カバーリングを行ったキャラクターは即座に行動済みとなります。
その際バッドステータス等もカバーリングを行ったキャラクターが負う事になります。
また、範囲攻撃等で、カバーリングを行うキャラクターと
カバーリングされるキャラクターが同時に対象となっている場合は
(1人分のダメージ-アーマー値+ガード値)×2
つまり、適用される実ダメージを2倍にします。
※実ダメージ軽減アーツがある場合は、2倍になった後の値から
軽減することになります。
バッドステータス
◆重圧
プレッシャーから「タイミング:常時」以外のアーツが使用出来なくなります。
→回復
マイナーアクションかメジャーアクションを消費する事で回復出来ます。
◆狼狽
体勢を崩した等で移動が行えなくなります。
また、あらゆる判定の達成値が-5されます。
→回復
マイナーアクションかメジャーアクションを消費する事で回復出来ます。
◆邪毒X
毒物等に蝕まれ、クリンナッププロセス毎にXD6点のダメージを受けます。
→回復
アイテムやアーツの効果のみで回復出来ます。
◆放心
衝撃等で朦朧とし、あらゆる判定の達成値が-5されます。
→回復
そのラウンドのクリンナッププロセスに自動的に回復します。
◆束縛
動きの自由が奪われ、移動が行えなくなります。また、ドッジも行えません。
→回復
マイナーアクションかメジャーアクションを消費する事で回復します。
◆翻弄:○○
○○(キャラクター名)に手玉に取られています。
○○を対象に含まないアクションや、○○以外からのリアクションの
達成値が-3されます。
→回復
メジャーアクションを消費する事で回復します。
◆暴走
キャラクター自身のエゴに飲み込まれ、理性を失った状態です。
ガードとカバーリングが行えません。
→回復
マイナーアクションかメジャーアクションを消費する事で回復します。
戦闘の流れ
戦闘中のラウンドについての流れを説明します。
なお、各キャラクターは対応するタイミング一つにつき、1回アーツの宣言が出来ます。
セットアッププロセス
ラウンドの開始を宣言します。
シーンに登場していないキャラクターはこのタイミングで登場します。
新たに登場したキャラクターを含め、この時点ですべての
キャラクターが未行動になります。
イニシアチブプロセス
行動値が最も高いキャラクターがメインプロセス(下記)を行う権利を得ます。
同値の場合はPC優先、PCで同値の場合は相談して決めて下さい。
メインプロセス
以下の三つのアクションを行う。
①ムーブアクション
通常移動を行います。基本的にはシーン内の別エンゲージに侵入出来ます。
②マイナーアクション
行動済みになる程でもない行動や、一部アイテムの使用、一部バッドステータスの
回復が行われます。
③メジャーアクション
攻撃を始め、判定を行う必要のある行動です。
このタイミングで移動を行い敵キャラクターから離れる事も可能です。
一部アイテムの使用や一部バッドステータスの回復もこのタイミングです。
※メインプロセスの際に待機を宣言する事も出来ます。
待機は行動値に関わらず、待機しているキャラクターが全て行動済みになった後で
メインプロセスを行う。複数のキャラクターが待機している場合は
行動値の低いキャラクターから順番に行動します。
クリンナッププロセス
イニシアチブプロセスで、すべてのキャラクターが行動済みになると
このプロセスに移行します。
一部バッドステータスの回復や効果適用の他、このラウンドで終了する
アーツの効果が終了するのもこのタイミングです。
シーン制について
ビーストバインドトリニティはシーン進行制のゲームです。
シーン
シーンとは、TVドラマなどでいう所の一つ一つの場面の事です。
このシーンを積み重ねて一つのシナリオが出来上がるのです。
登場と退場
このゲームでは、シーンを演劇の舞台の様に表現しています。
その為、シーンに参加するにはそのシーンに登場する必要があります。
登場する事で舞台に上がり、データ的にも意味のある行動が出来ます。
逆にそのシーンから去る事を退場といいます。
登場はシーンプレイヤー(後述)とGM両者の許可が必要になります。
退場はGMの許可だけで可能です。
シーンプレイヤー
そのシーンにおいて、主役となるキャラクターです。
シーンプレイヤーは自動的にシーンに登場します。
シーンプレイヤーが退場した場合はそのシーンが終了します。
同行者
シーンプレイヤーと現在一緒に行動しているPCを同行者と呼びます。
同行者は自動的にシーンに登場します。
登場チェック
自分のPCが登場した場合(シーンプレイヤーや同行者も全て)1D6点人間性を低下させます。
舞台裏
シーンに一切登場しなかったキャラクターは以下の二つのうちどちらかを行えます。
①FPの回復…FPを2D6点回復します。
②アイテムの購入…購入難易度を目標値にした【社会】判定を行います。
アーツを使用する場合はマイナーアクションとメジャーアクションを1回ずつ行えます。
ロールプレイについて
ビーストバインドは比較的ロールプレイ重視のゲームです。
その主なポイントは“罪”の取得を目的とする、“エゴ”の表現です。
苦手な方もいらっしゃるかと思いますが、実はそう難しい事は求めていません。
例えば貴方が吸血鬼のキャラクターで、「血が吸いたい」というエゴを持つとします。
このエゴの表現は数限りなくあります。
(あまり居ないとは思いますが)実際に血を吸いたいと他のキャラクターに懇願する事も出来ますし、
護るべきヒロインの首筋を無意識に見て自己嫌悪に陥るでもよし、
さらにはそれをすまいと意図的にヒロインを遠ざけるのも立派なエゴのロールプレイです。
難しく考えるのではなく、そのエゴ・願望を持ったら自分はどんな事をするかを考えます。
自分がしたくない事なら、その願望を我慢するにはどうしたらいいか…
といった具合に考えてみるといいかもしれません。
最後に一つ、オフィシャルからの注意事項です。
PCは怪物を忠実に演じるのが目的ではなく、同じテーブルを囲んだ皆さんを楽しませ、
また自身も楽しむ事です。節度を持って楽しみましょう。