ラグランジュ(Lagrange)の運動方程式

ロボット工学課題 7 月 3 日 その 1
番号(
)
氏名(
)
保存力と非保存力
物体を移動させたとき,ある力のする仕事が途中の道筋によらないで決まる場合、その力を保存力
という。重力,弾性力,万有引力,静電気力は保存力である。それに対して、たとえば動摩擦力の場
合、始点と終点を決めても、移動距離が長くなれば動摩擦力のする仕事の絶対値は大きくなる。この
ように、物体を移動させるとき、力のする仕事が、途中の道筋によって異なる力を非保存力という。
非弾性衝突をするときにはたらく力も非保存力である。
力が保存力の場合,基準点を O とすると,物体をある点 A から基準点 O まで移動させたとき,途中
の道筋によらないで力のする仕事が決まるから,物体が初めにあった位置で力のする仕事が決まって
しまう。このとき,物体を点 A から基準点 O まで移動させるときに力がする仕事を,点 A に物体があ
るときの位置エネルギーと定めることができる。すなわち,保存力の場合は,物体の位置を決めるだ
けで,力がする仕事の量が決まってしまうので,位置エネルギーを定めることができるのである。こ
の場合は,次の関係が成り立つ。
(力がする仕事)=(位置エネルギーの減少分) ……①
一方,運動方程式を積分することにより,次の関係が成り立つ。
(運動エネルギーの増加分)=(力がした仕事) ……②
よって、式①,②より,
(運動エネルギーの増加分)=(位置エネルギーの減少分) ……③
すなわち,
(運動エネルギー)+(位置エネルギー)=一定
という力学的エネルギー保存の法則が成り立つのである。なお,式③はエネルギーの変換を表してい
るといえる。力が非保存力の場合は,式②は成り立つが,力のする仕事を,式①のように位置エネル
ギーの減少分に書き換えることができない。よって,力学的エネルギー保存の法則は成り立たない。
この場合は,式②を用いてエネルギーの計算を行わなければならない。
以上の関係からわかるように,
『力学的エネルギー保存の法則が成り立つのは,保存力のみが仕事を
する場合(非保存力が仕事をしない場合)である。』ということができる。
ラグランジュ(Lagrange)の運動方程式
自由度が n で、n 個の一般化座標 q1、q2、
・・・、qn で表される系に対するラグランジュの運動方程式は
次式で与えられる。
ここで、L はラグランジュ関数であり、系の全運動エネルギーK から全位置エネルギーP を引いたもの
である(L=K-P)
。また、τi は非保存力による一般化力(一般化座標 qi に対応する)と呼ばれるもので、
次のように計算する。今、この系に作用しているすべての外力を一定に保ったまま、一般化座標 q1、
・・・、qn にそれぞれ仮想変位 δq1、δq2、
・・・、δqn をさせる。このとき、外力のうちすべての非保
q2、
存力のなす仮想仕事の総和を δW とすると、以下のような形に整理できる。
・・・、δqn の係数 τi が、一般化座標 qi に対応する一般化力である。
この式において、仮想変位 δq1、δq2、
ロボット工学課題 7 月 3 日 その 2
番号(
1.下図に示す系の運動方程式を導出せよ。
x
k
m
F
c
2.下図に示す系の運動方程式を導出せよ。
θ
l
m
F
)
氏名(
)