面高 慧 - VOICE GALLERY pfs/w


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平素お世話になり、誠にありがとうございます。
次週開催のグループショー「作品と周辺」と面高慧個展をご案内いたします。
■room
w
/「作品と周辺」素描・下絵・模型など、作品の周辺にあるものと作品の展示。
2009 年7月 21 日(火)
8 月 2 日(日)12
19 時/月曜休
出展者:大塚朝子、黒川彰宣、杉浦美江、鈴木宏樹、谷澤紗和子、横谷奈歩
オープニングパーティーにぜひご来場ください。7 月 21 日(火)18
20 時
作家の周辺には、他者の手になる資料のほか、作家自身が生み出すさまざまな意図のも
の・作品と作品の間に位置するものなど、本作品をとりまくものが存在します。多くは発
表を前提としないものであり、作品との関係は、作家にとっても不明瞭である場合もあり
ます。
が、それらの存在を糸口に、その作家の複雑で多義的な指向性を探ることができないで
しょうか。
本展では、本作品や、その作家の本流からはずれた魅力的な制作物をご覧いただき、そ
れぞれの作家について考察を深めていただければ幸いです。
黒川彰宣(くろかわあきのぶ)は京都市立芸術大学彫刻専攻卒業。大塚朝子(おおつか
あさこ)・杉浦美江(すぎうらみえ)・鈴木宏樹(すずきひろき)は、ともに京都市立芸術
大学大学院彫刻専攻修了。谷澤紗和子(たにざわさわこ)は、京都市立芸術大学大学院油
画専攻修了。横谷奈歩(よこやなほ)は、東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了。
年齢や経験が少しずつ異なる彼らですが、共同スタジオにおいて制作する者、同じ展覧
会の出展者同士であった者など、互いの制作や思考に少なからず関心を抱く人たちです。
出展者みずからが展示構成した会場全体をひとつの提示としてご覧いただけましたら幸
いです。
■room
pfs
/
面高慧個展
2009 年7月 28 日(火)
Recollected
Memories
8 月 2 日(日)12
油彩
19 時/月曜休
オープニングパーティーにぜひご来場ください。7 月 28 日(火)18
20 時
面高慧(おもたかけい)
1987 年京都出身
2005 年 9 月
2006 年 3 月マサチューセッツ州ボストン、Massachisetts
College
of
Art
にて Film,
Illustration を専攻
2007 年4月
現在ワシントン州ベリングハム、Western
Washington
University にて
Painting を専攻中
※以下は、面高慧自身による文章です。
絵を描くことは、組み立てることです。
一つの絵の中で、色達は反響し合い、共存します。
色とパターンはイメージを組み立てる手段なのです。
油彩を本格的に学び始めてから約1年半が経ち、自分にとって絵を描くということはどう
いう意味を持っているのか、自分と主題との関係がやっと理解出来るようになってきまし
た。
私にとって、絵を描くことは思い出すことなのです。私の主題は主に、私にとって最も身
近な存在である家族です。アメリカの大学に入学して、渡来してからほぼ4年が経ちまし
た。一人アメリカで家族から離れて暮らす中、私はいつでも家族のことを思い、改めて彼
らの大切さを実感させられました。
私は絵を描くことで、日本で家族と過ごした記憶を思い出すのです。
私が絵を描く中で最も重要な要素は、色とパターンです。
私が絵の中に用いる色は、Dana
Schutz から深く影響を受けています。Schutz は現在アメ
リカでポピュラーな若手アーティストで、彼女は奇抜な色を使った人物画で知られていま
す。私は彼女の絵の中の色、力強い筆遣い、パターンの利用に強く引かれたのです。私は
自分の作品を描く過程で、初めは彼女の絵から色を借りることから始めました。そしてそ
の色を元に、自分なりのカラーパレットを作り出したのです。彼女は絵を描くことを、
the
act
of
building.
と言います。彼女の言葉を聞いてから私は絵を描くことを前
とは違った意味で考え始めました。彼女が言うように、絵を描くこと、一筆一筆色を重ね
ていくことは、まるで何かを組み立てることなのです。
今回の展示、
Recollected
Memories
でお見せする作品は、色達の調和、反響を重点に
描いたものです。絵の中で色達は組み立てられ、彼らの関連性はパターンの使用で強調さ
れています。
展示の作品の中で、
Remember
Betep
は私が追求しようとしている色の関連性と、パタ
ーンの使用が最も達成された作品です。絵の中で、様々な色で描かれた犬達は、お互いに
主張しながら、同様にお互いを際立たせています。彼らはパターンで組み立てられた世界
の中で、共存しているのです。
今回の作品は、私が現在も制作し続けている、 Recollected
Memories
シリーズの最初
のサブシリーズです。今回展示の作品は、私の家族の一員である愛犬との記憶を思い出し
ながら描いたものです。私の犬の、ユニークな外観と性格は明るいカラーパレットとうま
く調和している気がします。私は常に、見る人の心を明るく出来るようなイメージを作り
たいと思っています。私の絵を見た誰かが少しでも楽しい気分になってくれることを願っ
ています。
現在製作中のサブシリーズも、私の家族をテーマにしたもので、遠く離れた家族との記憶
を思い出しながら描いたものです。家族は私にとって一番身近な存在であるに関わらず、
彼らの外観を思い出そうとしても、完璧に思い出せなかったりします。今回のシリーズで
はそんな薄れていく記憶と、それを思い出そうとする行為を、パターンと様々な筆遣いを
用いることによって表現しています。私の絵の中で、家族の思い出と、過去の一場面はパ
ターンによって抽象化されているのです。今回のシリーズでも私は引き続けて色に重点を
置いています。それに加えて近日製作中の作品では、新しい技法を用いることにより、一
つの絵に透明感と様々な質感を取り入れることに挑戦しています。