第6 選挙期日後の行為

第6 選挙期日後の行為
1 請負等をやめない場合の市長又は市議会議員の当選人の失格
せっかく当選したのに、わずかの不注意から、当選しても失格する場合がありますから注意
してください。特に、市長又は市議会議員の選挙における当選人で、当該市に対し請負関係に
ある者は、速やかにその請負をやめ、かつ、当選の告知をうけた日から5日以内に選挙管理委
員会にその請負関係を有しなくなった旨の届出をしないと、当選を失うこととなります。(法
104)
2 選挙期日後のあいさつ行為の制限
何人も、選挙の期日後において、当選又は落選に関し、選挙人にあいさつする目的をもって
次の行為をすることはできません。
(法178)
(1) 選挙人に対して戸別訪問をすること。
(2) 自筆の信書及び当選又は落選についての祝辞、見舞などの答礼のためにする信書並びにイ
ンターネット等を利用する方法により頒布される文書図画を除くほか文書図画を頒布し又は
掲示すること。
(3) 新聞紙又は雑誌を利用すること。
(4) 放送設備を利用して放送すること。
(5) 当選祝賀会その他の集会を開催すること。
(6) 自動車を連ね又は隊を組んで往来する等によって気勢を張る行為をすること。
(7) 当選に関する答礼のため当選人の氏名又は政党その他の政治団体の名称を言い歩くこと。
3 供 託
物
の 返 還
当選した場合はもちろん、落選した場合にも、一定数の得票(供託物の没収点)を得た場合
には、供託物は返還されますが、得票数がこの没収点に達しないと、供託物は没収されます。
なお、立候補を辞退した場合は、供託物は返還されません。
(法93)
・市長選挙
1
供託物の没収点=有効投票の総数×●●
─
10
・市議会議員選挙
有 効 投 票 の 総 数
1
供託物の没収点= ──────────────────────────── ×●●
─
10
その選挙区内の議員定数(選挙区がないときは議員の定数)
-33-
第7 選挙運動費用
1 選挙運動費用の範囲と制限
(1) 選挙運動に関する収入、寄附および支出の範囲(法179、197)
選挙運動に関する収入、寄附、支出の意味は、社会一般に使用される場合より広い意味で
あることに注意してください。
収
入………金銭、物品その他の財産上の利益の収受、その収受の承諾又は約束をいう。
(法179①)
寄
附………金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約
束で、党費、会費その他債務の履行としてなされるもの以外のものをいう。
(法179②)
支
出………金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約
束をいう。
(法179③)
次の支出は選挙運動に関する支出(以下「選挙運動費用」という。)で
ないものとみなされています。
(法197)
・立候補準備のために要した支出で、候補者又は出納責任者となった者の
した支出又はその者と意思を通じてした支出以外のもの
・立候補の届出があった後、候補者又は出納責任者と意思を通じてした支
出以外のもの
・候補者が乗用する船車馬等のために要した支出
・選挙の期日後において選挙運動の残務整理のために要した支出
・選挙運動に関して支払う国又は地方公共団体の租税又は手数料
・確認団体が行う選挙運動のために要した支出(市長選挙)
・選挙運動に使用する自動車及び船舶の使用のために要した支出
・供 託 金
花輪、供………収入、寄附及び支出の「金銭、物品、その他の財産上の利益」には、花輪、
花、香典、
供花、香典又は祝儀として供与され、又は交付されるものその他これらに
祝儀等
類するものを含むものとされている。
(法179④)
(2) 選挙運動費用の制限(法194、令127)
選挙運動のために使い得る費用の最高額(法定制限額)は、選挙管理委員会が告示した額
の範囲内です。もし、出納責任者がその額を超過して支出をし、又はさせたときは、出納責
任者は処罰され、連座制により候補者の当選は無効となり、5年間、当該選挙に立候補する
ことができなくなります。
(法247、251の2③)
-34-
(3) 寄附に関する禁止事項
次の各項に掲げる寄附は、原則として罰則をもって禁止されています。
ア 候補者等の寄附(法199の2)
当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄附をすることは
できません。この場合、選挙に関すると否とを問わず、また、時期のいかんを問わず禁止
されています。
イ 市と特別の関係がある者の寄附
(ア) 市と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者がその選挙に関してする寄附
は禁止されています。
(法199①)
(イ) 会社その他の法人が融資(試験研究・調査及び災害復旧に係るものを除く。)を受け
ている場合において、当該融資を行っている銀行等が、当該融資につき市から利子補給
金の交付の決定(利子補給金に係る契約の承諾の決定を含む。)を受けたとき(銀行等
が利子補給金の交付の決定の通知を受けた日から、交付の日から起算して1年を経過し
た日までの間。)の当該会社その他の法人がその選挙に関してする寄附は禁止されてい
ます。
(法199②)
(ウ) 市から補助金、負担金、利子補給金その他の給付金の交付決定(利子補給金に係る契
約の承諾の決定を含む。
)を受けた会社その他の法人等が、交付の決定の通知を受けた
日から、同日後1年を経過する日までの間にする政治活動(選挙運動を含む。)に関す
る寄附は禁止されています。
(規正法22の3①④)
(エ) 市から資本金、基本金等、その他これらに準ずるものの全部又は一部の出資又は拠出
を受けている会社その他の法人がする政治活動(選挙運動を含む。)に関する寄附は禁
止されています。
(規正法22の3②④)
(オ) 前記(ア)から(エ)までの者に対して寄附を勧誘し、又は要求することは禁止されてい
ます。
(法200、規正法22の3⑤)
ウ 候補者等の関係する会社等の寄附(法199の3)
候補者等が役職員又は構成員である会社その他の法人又は団体が、その選挙区内の者に
対し、いかなる名義を問わず、候補者等の氏名を表示し又は氏名が類推されるような方法
でする寄附は禁止されています。この場合も候補者等がする寄附と同じく選挙に関すると
否とを問わず、いかなる時期にあっても禁止されています。
エ 候補者等の氏名等を冠した団体の寄附(法199の4)
候補者等の氏名が表示され又はその氏名が類推されるような名称が表示されている会社
その他の法人又は団体が、当該選挙に関し、当該選挙区内の者に対してする寄附(いかな
る名義であるかを問わない。
)は禁止されています。
オ 後援団体等のする寄附(法199の5、臨時特例法6、7)
政党その他の政治団体又はその支部で、特定の候補者等の政治上の主義施策を支持し、
-35-
又はそれらの者を推薦し、若しくは支持することがその政治活動のうち主たるものである
ものを後援団体といいますが、後援団体の次に掲げる行為はいずれも平成27年1月26日
(月)から平成27年4月26日(日)までの間禁止されます。
(ア) 後援団体が当該選挙区内の者に対して寄附 (いかなる名義であるかを問わない。)をす
ること。
なお、上記の期間以外の期間においても、選挙区内にある者に対し、いかなる名義を
もってするを問わず、当該後援団体がその団体の設立目的により行う行事又は事業に関
しない寄附及び花輪、供花、香典、祝儀その他これらに類するものとしてされる寄附は
禁止されています。
(イ) 後援団体の総会その他の集会、又は後援団体が行う見学、旅行その他の行事において、
選挙区内の者に対して饗応接待をし、又は金銭、記念品その他の物品を供与すること。
(何人であるかを問わない。
)
(ウ) 候補者等が、その候補者等の後援団体に対して寄附(資金管理団体に対するものを除
く。
)をすること。
カ 特定の者が行う寄附
(ア) 3事業年度以上にわたり継続して欠損を生じている会社がする政治活動(選挙運動を
含む。
)に関する寄附は当該欠損がうめられるまでの間禁止されます。
(規正法22の4)
(イ) 何人も、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団
体その他の組織から、政治活動(選挙運動を含む。)に関する寄附を受けることはでき
ません。ただし、主たる構成員が外国人又は外国法人である日本法人のうち、上場会社
であってその発行する株式が証券取引所において5年以上継続して上場されている者か
らの寄附を受けることは可能です。
(規正法22の5)
キ 匿名の寄附(規正法22の6)
何人も、本人の名義以外の名義又は匿名で政治活動(選挙運動を含む。)に関する寄附
をしたり、その寄附を受けることはできません。これらの寄附に係る金銭又は物品の所有
権は、国庫に帰属します。
ク 一定額を超える寄附
政治活動(選挙運動を含む。
)に関する寄附は、年間を通じて次に掲げる額を超えては
なりません。
(ア) 寄附の総額制限(年間の総寄附限度額)
(規正法21の3)
寄附の相手
政党、政治
資
●●●●●
金団体
寄附者
政 治 団 体
個
人
資金管理団体
その他 候
の政治
団 体 者
制 限 な し
2,000 万円
1,000 万円
会 社 、 労 働 組 団体の規模に応
合 、 職 員 団 体 じた額(最高限
そ の 他 の 団 体 度額は1億円)
禁 止
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補
等
適用除外
・特定寄附
・遺贈による
寄附
(イ) 寄附の個別制限(同一者に対する年間の寄附限度額)
(規正法22)
寄附の相手 政党、政治
資
●●●●●
金団体
寄附者
資金管理
その他の
団
政治団体
政党・政治資金団体
制
資金管理団体・
制
●●●●●
限なし
その他の政治団体
個
体
候補者等
限 な し
5,000 万円
人 制限なし
制限なし
150 万円
会社、労働組
合、職員団体 制 限 な し
その他の団体
禁
適
●●●●●
用除外
・資金管理団体
の届出をした
候補者等の同
団体への寄附
・遺贈による寄
附
止
ケ 会社等の寄附(規正法21)
企業・労働組合等の団体(政治団体を除く。)が政党及び政治資金団体以外の者に対し
て政治活動(選挙運動を含む。
)に関して寄附することは禁止されています。
コ 候補者等の政治活動に関する寄附(規正法21の2)
政党以外のものが、候補者等の政治活動に関して金銭等による寄附をすることは、政治
団体に対してする寄附を除いては、選挙運動に関してのみすることができます。
(4) 実費弁償及び報酬の額(法197の2、令129)
選挙運動に従事する者(いわゆる運動員)に対する交通費、宿泊料、弁当料等の実費弁償
並びに選挙運動のために使用する労務者に対して支給することができる報酬及び実費弁償の
額は、選挙管理委員会が定めて告示をしたところによりますが、通常は次のとおりです。
なお、飲食物の提供の禁止の例外として認められる選挙運動に従事する者及び選挙運動の
ために使用する労務者に対してする弁当の提供は、この弁当料の範囲内で、通じて市の選挙
は315食(1日15人分(45食)に選挙の期日の告示の日から選挙の期日の前日までの日数を
乗じて得た数)を超えない範囲でしなければなりません。ただし、選挙事務所において弁当
を提供した場合は、選挙運動に従事する者にあっては弁当料の額から、また、選挙運動のた
めに使用する労務者にあっては報酬の基本日額から提供した弁当の実費相当額を差し引かな
ければなりません。
(法139、197の2②、令129②)
ア 選挙運動に従事する者1人に対し支給することができる実費弁償の額
区
鉄
分
道
実
費
弁
償
の
額
費 鉄道旅行について、路程に応じ旅客運賃等により算出した実費額
船
賃 水路旅行について、路程に応じ旅客運賃等により算出した実費額
車
賃 陸路旅行(鉄道旅行を除く。)について、路程に応じた実費額
宿
泊
料
(食事料2食分を含む) 1夜につき12,000円
弁
当
1食につき 1,000円
1日につき 3,000円
ただし、弁当を提供した場合には、その者に実費弁償として支
料 給できる弁当料は、1日当たりの弁当料の制限額(3,000円)か
ら提供した弁当の実費相当額を差し引いた額の範囲内である。
茶
菓
料 1日につき
500円
-37-
イ 選挙運動のために使用する労務者1人に対し支給することができる実費弁償の額
区
分
実
費
弁
償
の
額
鉄道賃・船賃及び車賃 前記アの鉄道賃、船賃及び車賃に掲げる額
宿
泊
料
(食事料を含まない。)
1夜につき10,000円
ウ 選挙運動のために使用する労務者1人に対して支給することができる報酬の額
区
基
分
本
日
報
額
酬
の
額
10,000円以内
なお、弁当を提供した場合は、労務者に支給すべき報酬の基本
日額から弁当の実費相当額を差し引いた額の範囲内である。
超 過 勤 務 手 当 1日につき上記基本日額の5割以内
エ 選挙事務員及び車上等運動員に支給する報酬
選挙運動に従事する者のうち次の者については、次の範囲内で報酬を支給することがで
きます。
(法197の2②⑤、令129)
(ア) 支給することができる者
選挙運動のために使用する事務員、専ら選挙運動のために使用する自動車又は船舶の
上における選挙運動のために使用する者及び専ら手話通訳のために使用する者
(イ) 支給することができる者の員数
次に掲げる員数の範囲内。
候補者1人で1日につき
市
長
選 挙
12人以内(実員数60人)
市議会議員選挙
9人以内(実員数45人)
ただし、使用できる期間を通じて、この員数の5倍を超えない実員数、すなわち
(
)内の人員まで、異なる者を届け出ることができます。
(ウ) 支給できる期間
立候補の届出後、報酬の支給を受けることができる者を文書で、選挙管理委員会に届
け出たときから4月25日(土)までの間
(エ) 支払うことのできる報酬の額
選挙運動のために使用する事務員1人について1日10,000円以内。
選挙運動のために使用される自動車又は船舶の上における選挙運動のために使用する
者及び専ら手話通訳のために使用する者1人について1日15,000円以内。
ただし、使用する前に届出をした者でなければ、支払うことはできません。
(オ) 届出の方法
報酬の支給を受けることができる者の届出は、その者を使用する前に文書で、選挙管
理委員会に対してしなければなりません。この文書を郵便で差し出す場合においては、
-38-
引受時刻証明の取扱いを受けていれば、そのときに届出をしたこととなります。
2 出納責任者の職務
(1) 出納責任者の選任及び届出(法180、182、184)
出納責任者は、候補者の選挙運動に関する収入及び支出の責任者であり、費用面について
全面的な権限と責任を持っています。選挙運動費用は、原則として出納責任者でなければ支
出することができません。
候補者は、出納責任者1人を選任し、文書で出納責任者が支出し得る金額の最高額を定め、
出納責任者とともに署名押印しなければなりません。(法180②)出納責任者を選任し又は異
動したときは、直ちに選挙管理委員会に文書で届け出なければなりません。(法180③、182
①)郵送による届出の効力は、日本郵便株式会社に引受時刻証明の取扱いで託したとき、ポ
ストに入れたり持参したりする場合は、選挙管理委員会が受理したときから生ずることにな
っています。
(法183の2)
なお、出納責任者に事故があるとき又は出納責任者が欠けたときは、選任者(候補者又は
推薦届出者)が代わって職務を行い、推薦届出者たる選任者に事故があるとき又は欠けたと
きは、候補者が代わって職務を行うことになります。ただし、その場合には、異動の事由及
び年月日を記した前記と同じように文書で届け出なければなりません。(法183)
出納責任者が辞任し又は解任させられた場合には、前任の出納責任者は、収支の計算をし、
引継書を作成し、引継の旨及び年月日を記入して後任者とともに署名押印し、現金、帳簿そ
の他の書類を引継がなければなりません。(法190)
(2) 出納責任者の職務権限
ア 会計帳簿の備付及び記載(法185)
出納責任者は、43ページ及び44ページの様式の帳簿を備え付け、次の事項を記載しなけ
ればなりません。
(ア) 選挙運動に関するすべての寄附及びその他の収入(候補者のために候補者又は出納責
任者と意思を通じてなされた寄附を含む。)
(イ) 前記(ア)の寄附をした者の氏名、住所、職業、寄附の金額(金銭以外の財産上の利益
については時価に見積った金額)及び年月日
(ウ) 選挙運動に関するすべての支出(候補者のために候補者又は出納責任者と意思を通じ
てなされた支出を含む。
)
(エ) 前記(ウ)の支出を受けた者の氏名、住所、職業、支出の目的、金額及び年月日
なお、出納責任者は、会計帳簿、明細書及び領収書その他支出を証すべき書面を、報
告書提出の日から3年間保存しなければなりません。(法191)
イ 会計帳簿の記載
選挙運動に関する費用は、次の10項目に分類し記載しなければなりません。
-39-
(ア) 人 件 費
人件費としては、選挙運動のために使用する労務者、事務員、車上等運動員及び手話
通訳者に対する報酬が考えられます。
なお、運動員等については、実費弁償が支払われますが、その内容は、交通費、食糧
費として処理すべきものです。
(イ) 家 屋 費
a 選挙事務所費としては、事務所自体と机など備品の借上料が考えられます。事務所
の電話を架設する費用も家屋費のなかに含まれます。
b 集合会場費は、主として個人演説会場の借上料です。このなかにもマイク・机・椅
子などの備品の借上料が入ります。
(ウ) 通 信 費
通信費は、電報、電話、葉書、封書等に要する費用です。電話架設費は、選挙事務所
費のなかに入り、電話の借上料と通話料は通信費に入ります。
(エ) 交 通 費
交通費は、候補者、運動員、事務員、労務者について生じます。このうち、候補者の
分は、原則として選挙運動の費用とみなされませんが、運動員以下については実費弁償
があります。候補者と運動員がタクシーを使用したような場合は、一般には運動員は便
乗と解され記載の必要はありません。運動員が友人の好意で無料で自動車に乗せてもら
った場合等は時価で見積り、寄附及び支出として費用のなかに計上しなければなりませ
ん。選挙運動用自動車を使用するために要した費用(借上料、ガソリン代、オイル代、
運転手の雇料等)は、選挙運動の費用とみなされないので、記載する必要はありません。
ただし、自動車に取り付ける文書図画に要する経費は、使用するために要した費用とは
認められないので、選挙運動費用に計上しなければなりません。
(オ) 印 刷 費
主として印刷費については、選挙運動のために使用するポスター、ビラ(市長選挙の
み)及び葉書等の印刷費が考えられます。
(カ) 広 告 費
主として立札、看板、ちょうちん、たすき及び拡声機等の費用が考えられます。
(キ) 文 具 費
文具費については、紙、筆、墨、その他選挙運動において使用した消耗品等です。
(ク) 食 糧 費
食糧費には、湯茶及びこれに伴い通常用いられる程度の菓子に要した費用とか、法律
で認められた運動員、労務者に対して提供する弁当の調製に要した費用があります。
(ケ) 休 泊 費
休泊費の内容は、休憩費と宿泊費を含めた意味です。
-40-
(コ) 雑
費
冷暖房用灯油代、木炭代、ガス代、電気代、水道代はここに入ります。このほか雑費
として記載すべきものは、候補者により、またいろいろ異なると思われます。
例えば、看板の作製の場合、看板屋に請負わせたものであれば広告費に入り、材料を
購入して労務者を雇い作製したものであれば労務費は人件費のなかに、木材、トタン等
の材料代は雑費に、ペンキ代は文具費にそれぞれ分けられます。
ウ 選挙運動費用の支出権限(法187)
立候補準備のために要する支出並びに電話及びインターネット等を利用する方法による
選挙運動に要する支出を除き、選挙運動に関する一切の支出は、出納責任者でなければす
ることができません。
ただし、出納責任者の文書による承諾を得たものは、この限りではありません。
なお、立候補準備のために要した支出で候補者若しくは出納責任者となった者が支出し
又は他の者がその者と意思を通じて支出したものについては、選挙運動の費用とされ制限
額の適用を受けますから、出納責任者は就任後直ちに候補者又は支出者につきその精算を
行い、会計帳簿に記載しなければなりません。
エ 明細書の提出及び領収書等の送付
出納責任者以外の者で候補者のために選挙運動に関する寄附を受けた者は、寄附を受け
た日から7日以内に(出納責任者の請求のあるときは直ちに)寄附をした者の氏名、住所、
職業、寄附の金額及び年月日を記載した明細書を出納責任者に提出しなければなりません。
前記の寄附で候補者が立候補の届出前に受けたものについては、立候補の届出後、直ちに
出納責任者に明細書を提出しなければなりません。
(法186)
出納責任者又は候補者若しくは出納責任者と意思を通じて支出した者は、選挙運動に関
するすべての支出について、支出の金額、年月日及び目的を記載した領収書その他支出を
証すべき書面を徴さなければなりません。また、候補者又は出納責任者と意思を通じてそ
のために支出した者は、この書面を直ちに出納責任者に送付しなければなりません。(法
188)
(3) 選挙運動に関する収入、支出の報告(法189)
ア 出納責任者は、候補者の選挙運動に関してなされた寄附及びその他の収入並びに支出に
ついて、会計帳簿の事項を記載した報告書を領収書その他の支出を証すべき書面の写しを
添付して、次の(ア)、(イ)に掲げる期限までに選挙管理委員会に提出しなければなりませ
ん。
(収支報告書の様式は45ページから48ページまでを参照)
(ア) 選挙の期日の告示の日前まで
選挙の期日の告示の日から
左記によりなされた寄附及びその他の収入並びに支
選挙の期日まで
出については、これを併せて精算し、選挙の期日か
●●●●●●●●●●●●●
選 挙 の 期 日 経 過 後
ら15日以内(5月11日(月)まで)に。
-41-
(イ) 前記精算届出後になされた寄附及びその他の収入並びに支出
その寄附及びその他の収入並びに支出がなされた日から7日以内に。
イ この報告書には、選挙運動に関するすべての支出について、支出の金額、年月日及び目
的を記載した領収書その他の支出を証すべき書面の写しを添付しなければなりません。た
だし、この書面を徴し難い事情があるときは、その旨並びに支出の金額、年月日及び目的
を記載した書面(様式は49ページ参照)を添付しなければなりません。なお、金融機関へ
の振込みによる支出に係るものについては、当該支出の目的を記載した書面(様式は49ペ
ージ参照)及び金融機関が作成した振込明細書の写しの添付をもって代えることが可能で
す。
(法189)
-42-
(会計帳簿の様式)
(規則第30号様式)
1 収 入 簿
寄
月日 金額又は
見 積 額
種別
附
住所又は主たる
事務所の所在地
を
し
た
者
氏名又は団体名
職業
金銭以外の寄附
及びその他の収
入の見積の根拠
備
考
円
合計
備
考
1 この帳簿には、選挙運動に関するすべての寄附及びその他の収入を記載するものとする。
2 債務の免除、保証その他金銭以外の財産上の利益の収受については、その債務又は利益を
時価に見積った金額を記載するものとする。
3
寄附及びその他の収入が金銭以外のものであるときは、「金銭以外の寄附及びその他の収
入の見積の根拠」の欄にその員数、金額、見積の根拠等を記載するものとする。
4 寄附の中金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付の約束は、その約束の日の現在
において記載するものとし、その旨並びにその履行の有無及び年月日等を「備考」欄に記載
するものとする。
5 「種別」の欄には寄附金とその他の収入との区別を明記するものとする。
6
前各号に定めるものの外、出納責任者において必要と認める事項を記載することができ
る。
-43-
2 支 出 簿
金銭又は見積額
月日 金銭 金 銭
以外の
支出 支 出
円
円
支出を受けた者
支出
の
住 所 又 は 氏名又は
合計 目的 主たる事務
所の所在地 団 体 名
職業
金銭以外
の支出の
見積の根
拠
支出を
した者
の 別
備考
円
合計
備
考
1 この帳簿には、選挙運動に関するすべての支出を記載するものとする。
2
この帳簿には、(1)立候補準備のために支出した費用、(2)選挙運動のために支出した費用の
2科目を設けて(又は各々分冊して)記載し、「支出をした者の別」の欄に、出納責任者の
支出、候補者の支出、その他の者の支出の別を明記するものとする。
3
この帳簿の各科目には、(1)人件費、(2)家屋費((イ)選挙事務所費(ロ)集合会場費等)、(3)通
信費、(4)交通費、(5)印刷費、(6)広告費、(7)文具費、(8)食料費、(9)休泊費、(10)雑費の費目を
設けて、費目ごとに記載するものとする。
4
金銭の支出をしたときは、「金額又は見積額」欄中「金銭支出」の欄に記載し、財産上の
義務を負担し、又は建物、船車馬、飲食物、その他の金銭以外の財産上の利益を使用し、若
しくは費消したときは、「金銭以外の支出」の欄に時価に見積った金額を記載し、その都度
あわせて合計を記載するものとする。
前項の場合において「金銭支出」と「金銭以外の支出」とは、別行に記載するものとする。
5
支出が金銭以外の支出であるときは、「金銭以外の支出の見積の根拠」の欄にその員数、
金額、見積の根拠等を記載するものとする。
6
「支出の目的」の欄には、支出の目的(謝金、人夫賃、家屋贈与等)、員数等を記載する
ものとする。
7
支出の中金銭、物品その他財産上の利益の供与又は交付の約束は、その約束の日の現在に
おいて記載するものとし、その旨並びにその履行の有無及び年月日を「備考」欄に記載する
ものとする。
8
選挙運動に係る公費負担対象支出(ビラ、若しくはポスターの作成に係るもの)について
は、
「備考」欄にその旨を記載するものとする。
9 前各号に定めるものの外、出納責任者において必要と認める事項を記載することができる。
-44-
(参 考 例)
(規則第31号様式)
選挙運動費用収支報告書
市
長
選
市議会議員一般
1
平成27年4月26日執行
〇
〇
2
公職の候補者
住
氏
所
名
3
何月何日から
何月何日まで
(第・回分)
4
収入の部
月
金
額
又
は
見 積 額
日
別
〇
〇
〇月〇日
〇
〇
〇月〇日
〇
〇
〃
〇月〇日
〇
〇
〃
附 〇
〇
そ の 他
〇
の 収 入
〇
〇
附 〇
〇
そ の 他
〇
の 収 入
〇
総
〇
寄
前
た
者
氏名又は団体名
職業
金銭以外の寄附
及びその他の収
入の見積の根拠
寄
附
〇〇市〇〇町
〇番地
〇〇市〇〇町
〇番地
〇〇市〇〇町
〇番地
〇〇党
〇〇〇〇
会社員
無償労務従事
〇月〇日、〇月〇日
の2日間
〇〇〇〇
無
事務所無料借上
10日間50㎡1室
職
附
そ の 他
の 収 入
回
計
計
寄
総
額
参
考
計
〇
備
考
借 入 金
〇月〇日
〇
し
〃
〇円
計
住所又は主たる
事務所の所在地
を
自己資金
〇
計
附
その他
の収入
〇月〇日
寄
愛知県〇〇市〇〇町〇番地
〇 〇 〇 〇
寄
種
挙
公費負担相当額○○○○円(内訳)
ビラ作成費(市長選挙のみ)○○○円
ポスター作成費
○○○円
-45-
5
支出の部
月
1
2
金額又
は
見積額
日
人
●●●●●●
件
費
支出の
区分
目
的
支
出
住所又は主たる
事務所の所在地
を
受
け
た
者
業
金銭以外の
支出の見積
の 根 拠
備
氏名又は団体名
職
〇
〇
〇
〇
会社員
無償労務従事
〇月〇日、〇月〇日の
2日間
〇
〇
〇
〇
農
業
@10,000×〇日
無
職
無料借上
10日間50㎡1室
商
業
考
円
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
運動
事務員
賃 金
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
〃
労務賃
計(〇件)
〇〇
〇〇市〇〇町
〇番地
〇〇市〇〇町
〇番地
家
●●●●●●
屋
費
(イ)選挙事務所費
電 話
架設費
事務所
借上料
〇〇市〇〇町
〇番地
〇〇市〇〇町
〇番地
運動
演 説
会場費
〇〇市〇〇町
〇番地
〇
運動
通話料
〇〇市〇〇町
〇番地
NTT西日本
〇〇営業所
運動
電車賃
〇〇市〇〇町
〇番地
〇
準備
ポスター
の印刷
〇〇市〇〇町
〇番地
〇 〇 印 刷 ㈲
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
準備
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
〃
(小 計)
〇〇
NTT西日本
〇〇営業所
〇
〇
〇
〇
(ロ)●●●●●●
集合会場費
3
4
5
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
(小 計)
〇〇
計(〇件)
〇〇
通
信
〇〇
計(〇件)
〇〇
通
費
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
計(〇件)
〇〇
印
刷
寺
費
〇 月 〇 日
●●●●●●
交
〇
〇
〇
〇
費
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
計(〇件)
〇〇
-46-
ポスター
〇 〇 枚
月
6
7
8
9
金額又
は
見積額
日
広
●●●●●●
告
費
支出の
区分
〇〇
運動
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
〃
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
〃
計(〇件)
〇〇
具
的
看
板
ちょう
ちん
拡声機
借上料
〇〇
準備
ノート
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
運動
マジッ
ク
計(〇件)
〇〇
弁当料
糧
〇〇
運動
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
〃
お
茶
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
〃
菓
子
計(〇件)
〇〇
泊
け
た
者
氏名又は団体名
職
業
金銭以外の
支出の見積
の 根 拠
備
考
〇〇市〇〇町
〇番地
〇〇市〇〇町
〇番地
〇〇市〇〇町
〇番地
〇 〇 看 板 店 看板業
3個
〇〇ちょうちん
1個
〃
〇 〇 電 気 商 会 電気商
1揃
〇〇市〇〇町
〇番地
〇〇市〇〇町
〇番地
@200円
×〇冊
@100円
×〇本
〇
〇
商
会
文具商
〇
〇
商
会
〃
〇〇市〇〇町
〇番地
〇〇市〇〇町
〇番地
〇〇市〇〇町
〇番地
〇
〇
食
堂
食
〇
〇
茶
園
お茶屋
200g
〇
〇
製
菓
菓子屋
20個
〇
〇
〇
〇
会社員
1人分
〇〇新聞販売所
新聞店
〇
木材店
堂
@1,000
円×〇人
費
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
計(〇件)
〇〇
10 雑
受
費
〇 月 〇 日
●●●●●●
休
住所又は主たる
事務所の所在地
を
費
〇 月 〇 日
●●●●●●
食
出
円
〇 月 〇 日
●●●●●●
文
目
支
運動
労務者
宿泊費
新聞代
〇〇市〇〇町
〇番地
費
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
運動
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
〃
木
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
〃
電気代
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇
〃
ガス代
材
〇〇市〇〇町
〇番地
〇〇市〇〇町
〇番地
〇〇市〇〇町
〇番地
〇〇市〇〇町
〇番地
-47-
〇
屋
〇 〇 電 力 ㈱
〇 〇 ガ ス ㈱
月
日
金額又
は
見積額
目
〇 月 〇 日
●●●●●●
〇〇円 運動
計(〇件)
〇〇
立候補準備の
ための支出
選挙運動のた
めの支出
計
計
支
支出の
区分
的
水道代
出
を
住所又は主たる
事務所の所在地
〇〇市〇〇町
〇番地
受
け
た
者
氏名又は団体名
職
業
金銭以外の
支出の見積
の 根 拠
備
考
〇 〇 水 道 局
〇〇
〇〇
〇〇
立候補準備の
ための支出
選挙運動のた
めの支出
前
回
計
計
立候補準備の
ための支出
選挙運動のた
めの支出
総
額
総
計
〇〇
〇〇
〇〇
項
単 価
(A)
目
支出のうち公費負 ビラの作成
担相当額
ポスターの作成
枚 数
(B)
金 額
(A)×(B)=(C)
円
枚
円
円
枚
円
計
円
この報告書は、公職選挙法の規定に従って作製したものであって、真実に相違ありません。
平成27年〇月〇日
出納責任者
備
住
所
愛知県〇〇市〇〇町〇番地
氏
名
〇
〇
〇
〇
㊞
考
1
収入の部においては、1件1万円を超えるものについては各件ごとに記載し、1件1万円以下のものについて
は種別ごとに各収入日における合計額を一欄に記載するものとする。
なお、寄附については、1件1万円以下のものについても必要に応じて各件ごとに記載してさしつかえない。
2
収入の部中「種別」欄には、寄附金、その他の収入の区別を明記するものとする。
3
収入の部中「参考」欄には、選挙運動に係る公費負担相当額(ビラ若しくはポスターの作成に係るものをい
う。以下同じ。
)を記載するものとし、また、その他の参考となる事項を記載することができるものとする。
4
支出の部中「区分」の欄には、立候補準備のために支出した費用と選挙運動のために支出した費用との区別を
明記するものとする。
5
支出の部中「支出のうち公費負担相当額」欄には、選挙運動に係る公費負担相当額を記載するものとする。た
だし、各項目において二以上の契約がある場合には、契約ごとに欄を追加して記載するものとする。
6
精算届後の報告書にあっては、
「収入の部」
「支出の部」ともに前回報告した金額をあわせて総額の欄に記載す
るものとする。
7
収入の部の記載については収入簿の備考中2から6までの例により、支出の部の記載については支出簿の備考
中3から8までの例によるものとする。
8
「参考」欄には、選挙運動のために使用するポスターの作成に係る公費負担相当額その他の参考となる事項を
記載することができるものとする。
-48-
(規則第31号様式の2)
領収書等を徴し難い事情があった支出の明細書
支出の年月日 支出の金額 区
分 支出の目的
領収書その他の支出を証すべき書
面を徴し難かった事情
〇年〇月〇日
〇
円
運
〇
動 事務員賃金 労務の無償提供のため
〇年〇月〇日
〇
〇
準
備
〇年〇月〇日
〇
〇
運
動 電
事
借
務 所
事務所の無償提供のため
上 料
車 賃 領収書の発行をしないため
1 平成27年4月26日執行
市
長
〇〇
選 挙
市議会議員一般
2 公職の候補者
住
所
愛知県〇〇市〇〇町〇番地
氏
名
〇
住
所
愛知県〇〇市〇〇町〇番地
氏
名
〇
3 出納責任者
〇 〇 〇
〇 〇 〇
備 考
1 「区分」の欄には、立候補準備のために要した費用及び選挙運動のために支出した費
用の区別を明記するものとする。
2 「支出の目的」の欄は、支出簿の備考中6の例により記載するものとする。
(規則第31号様式の3)
振込明細書に係る支出目的書
支
出 の 費 目
広
告
支
費
出 の 目 的
拡 声 器 借 上 料
1 平成27年4月26日執行
市
長
〇〇
選 挙
市議会議員一般
2 公職の候補者
氏
名
〇
〇 〇 〇
3 出納責任者
氏
名
〇
〇 〇 〇
備 考
1 「支出の費目」の欄は、支出簿の備考中3の例により記載するものとする。
2 「支出の目的」の欄は、支出簿の備考中6の例により記載するものとする。
3 支出の目的ごとに別葉とするものとする。
4 支出の目的に対応する振込明細書の写しと併せて提出するものとする。
-49-
付録1
立候補届出に関する注意事項
1 立候補の意義
公職選挙法は、立候補制度をとっていますので、法の定める手続きによって候補者としての
届出又は推薦届出のあった者でないと、当選人となることができませんから、これらの手続き
をすることが必要です。
2 候補者の資格要件
(1) 被選挙権があること
被選挙権のない者は、候補者となることができません。(法10、11、11の2、86の8、252、
規正法28)
ア 市
長
被選挙権は、日本国民で、年齢満25年以上(選挙の期日により算定する。)の者で、次
の欠格事項に該当しないことが要件となっています。
イ 市議会議員
被選挙権は、日本国民で、年齢満25年以上(選挙の期日により算定する。)で、引き続
き3か月以上当該市に住所を有する者で、次の欠格事項に該当しないことが要件となって
います。
欠格事項
1 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまでの者
2 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を受けることがなくなるまでの者
(刑の執行猶予中の者を除く。
)
3
公職にある間に犯した刑法197条(収賄、受託収賄及び事前収賄罪)、第197条の2
(第三者供賄罪)
、第197条の3(加重収賄及び事後収賄罪)
、第197条の4(あっせん
収賄罪)又は公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律第1条
(公職者あっせん利得罪)の罪より刑に処せられ、その執行を終わり若しくはその執
行の免除を受けた者でその執行を終わり若しくはその執行の免除を受けた日から5年
を経過しない者又はその刑の執行猶予中の者
4 法律の定めにより行われる選挙、投票、国民審査に関する犯罪により禁錮以上の刑
に処せられその刑の執行猶予中の者
5 公職にある間に犯した上記3に規定する罪により刑に処せられ、その執行を終わり
又はその執行の免除を受けた者でその執行を終わり又はその執行の免除を受けた日か
ら5年を経過したもので、当該5年を経過した日から5年を経過しない者
6 公職選挙法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、それぞれの罪に応じて法第
-50-
252条の規定により選挙権、被選挙権を停止されている期間中の者
7 規正法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、それぞれの罪に応じて規正法第
28条の規定により選挙権、被選挙権を停止されている期間中の者
(2) 連座に伴う立候補制限
選挙において候補者と一定の関係にある者が買収罪等の罪を犯し刑に処せられた場合、連
座制が適用されない場合等を除き、5年間、同じ選挙で、同じ選挙区から立候補することは
できません。
(法251の2、251の3)
(3) 公務員の立候補制限
国又は地方公共団体の公務員は、在職中、一部の者を除き候補者となることができません。
これに該当する者が立候補した場合には、その届出の日に当該公務員を辞したものとみなさ
れます。
(法89、90)
(4) 選挙事務関係者の立候補制限
投票管理者、開票管理者及び選挙長は、在職中、その関係区域内で候補者となることがで
きません。
(法88)
(5) 重複立候補の禁止
ア 一の選挙において候補者となった者は、同時に、他の選挙において候補者となることが
できません。
(法87)
イ
統一地方選挙においては、都道府県の議会議員及び長又は指定都市の議会議員及び長
の選挙に立候補した者は、当該選挙区の全部又は一部を含む区域の市町村の議会議員及び
長の選挙には立候補できません。
(臨時特例法5)
3 立候補の手続
(1) 候補者の届出
届出に要する書類は、次のとおりですから、記載上の注意を参照して間違いなく完全な書
類を作成してください。
(法86の4、令89)
ア 候補者届出書
イ 供託証明書(選挙の告示前でも名古屋法務局供託課で供託することができます。その他
津島・春日井・一宮・半田・岡崎・刈谷・西尾・豊田・豊橋・新城の各支局でも取り扱い
ます。
)
ウ 候補者となることができない者でない旨の宣誓書
エ 所属党派証明書(所属党派がある場合のみ必要です。)
オ 戸籍の謄本又は抄本
カ 通称認定申請書(立候補届出等の告示、新聞広告、投票記載所の氏名等の掲示などに氏
名が記載され、又は使用される場合において、本名に代えて本名以外の呼称で本名に代わ
るものとしてひろく通用しているもの(「通称」)という。)が記載され、又は使用される
-51-
ことを求めようとする場合のみ必要です。)
(2) 届出の期間と届出先
届出は、選挙の期日の告示があった日(4月19日(日))に、選挙長(市役所)に届け出
る(郵送禁止)ことになっています。(法86の4)
なお、届出の受理は、午前8時30分から午後5時まで到着順に行いますが、午前8時30
分までに到着した者が2人以上あるときはくじにより定めます。
また、前記の告示日に届出のあった候補者が、選挙すべき定数を超えている場合において、
その日後に1人でも死亡し又は候補者たることを辞したものとみなされるときは、補充立候
補といってさらに4月23日(木)午後5時までに立候補の届出をすることができます。
(3) 届出文書の書き方
ア 候補者の氏名
必ず戸籍簿に記載された候補者の氏名を正確に書いてください。
なお、戸籍簿に記載された氏名に用いられている漢字のうち、常用漢字表に掲げる通用
字体又は人名用漢字別表に掲げられている字体に対応するものがあれば、これらの表の相
当する字体に更正して記載することは差し支えありません。
また、本名に代えて通称を用いることができますが、このためには、選挙長の認定を得
るため、候補者届出書に「通称認定申請書」を添えるとともに、その呼称が「本名に代わ
るものとしてひろく通用しているものであることを説明し、かつ、そのことを証するに足
りる資料」を提示しなければなりません。(令89⑤)
イ 本籍、住所及び生年月日
被選挙権の有無の判定上必要がありますから、正確に書いてください。
ウ 党
派
名
党派名は、候補者の所属する政党その他の政治団体の名称を記載し、2以上の政党その
他の政治団体に所属するときは、いずれか一の政党その他の政治団体の名称を書いてくだ
さい。なお、この名称は、所属党派証明書と一致するものでなくてはなりません。
(法86の4③)
また、名称が20字を超える場合は、字数20字以内の略称をあわせて書いてください。
(令89④)
エ 職
業
職業はなるべく詳細に書いてください。たとえば、単に「会社員」と書かないで「何々
会社社員」というように書いてください。
また、兼職を禁止されている職にある者についてはその職名を、地方自治法第92条の2
又は第142条に規定する当該市と請負関係にある者については、その旨を記載してくださ
い。
(令89①、地方自治法92、141)
オ 一のウェブサイト等のアドレス
-52-
選挙運動のために使用する文書図画を頒布するために利用するウェブサイト等のアドレ
スを記載してください。記載するかどうかは自由です。
(4) 届出文書の事前審査
立候補届出の際、届出文書に不備があると届出は受理されず、計画された選挙運動等に支
障を生ずることになります。そのため、あらかじめ届出文書の事前審査を行いますので、選
挙管理委員会の指示に従って事前審査を受けるようにしてください。
4 立候補の効果
選挙運動は、立候補の届出が済んだときからできます。(法129)
届出前の選挙運動は、いわゆる事前運動として罰せられますからご注意ください。(法239)
5 立候補の辞退
候補者を辞退しようとするときは、立候補の届出日に文書で選挙長に届け出なければなりま
せん。
(届出期間経過後は辞退できません。)なお、この場合、供託物は市に帰属します。(法
86の4⑩、93②、令89⑦)
立候補の辞退とみなされる場合は、候補者が次の職についたときです。(この場合候補者は、
直ちにその旨を選挙長に届け出る必要があります。
(法91、令91)
)
(1) 選挙事務関係者となったとき。
(2) 立候補できない公務員となったとき。
6 立候補に伴うその他の届出
立候補に関する手続きは以上のとおりですが、そのほか立候補に伴う各種の手続きがありま
すので、これもあらかじめ準備しておいてください。
(1)
出納責任者を選任したときは、直ちに選挙管理委員会に届け出る必要があります。(法
180)
(2) 選挙事務所を設置したときは、直ちに選挙管理委員会に届け出る必要があります。(法130、
令108)
(3) 選挙事務員等の届出は、その者を使用する前に選挙管理委員会に届け出る必要があります。
(法197の2、令129)
(4) 選挙立会人(選挙会に立ち会う者)の届出は、候補者が当該選挙区内の選挙人名簿に登録
された者の中から選び、本人の承諾を得て(承諾書が必要)4月23日(木)の午後5時まで
に選挙長に届け出てください。
(法76)
届出のあった立会人が10人を超えるときは、くじで10人を定めます。なお、同一政党に属
する候補者から届け出た立会人は、くじで2人までに限定されます。
(法76)
7 選挙に関する諸届出等の時間
選挙に関する諸届出等の期日や時間は、法の定めるところにより厳守しなければなりません。
-53-
選挙管理委員会、投票管理者、開票管理者、選挙長に対してする届出、請求、申出その他の行
為は、土曜、日曜、祝祭日を問わず、午前8時30分から午後5時までの間にすることになって
いますから注意してください。
(法270、270の3)
-54-