星景写真 入門(Ⅱ)

例会勉強会 資料
星景写真 入門(Ⅱ)
パナソニック電工 松寿会写真部
千代 和夫
撮影方法の基本
1) 機材設置
撮影現場でカメラを三脚に取り付け、地面にしっかりと設置します。
タイマーリモートコントローラーやレリーズコードを使用する場合はカメラに接続。
2) カメラの基本設定
長時間ノイズリダクションはOFF、ピントはマニュアルモードにし無限遠に合わす。
レリーズロックで連続撮影させる場合は、シャッターモードを連写モードに。
3) 露出時間の設定
カメラ本体設定の指定秒数か、BULBにセットでタイマーリモートコントローラで
露出秒数をセット。露出時間は数秒~数十秒程度の範囲を目安に。
4) 絞りの設定
絞りは状況に応じて好みの設定にする。絞るほど被写体深度が大きくなり、
無限遠からより近景に幅広くピントが合う。反面、暗い星の光は写りにくくなる。
5) ISO感度の設定
ISO感度も状況に応じての設定となる。ISO1600までにして試写して再設定。
低い設定のほうがザラつき感のないきれいな撮影ができる。
6) 試し撮り
試写を行って、構図、地上景の露出状態、恒星の写り具合、ピントなどをチェック。
星の光は比較明合成すると思った以上に現れてますので、地上景が明るい場合
露出調整は、恒星よりも地上景を優先して調整するとよい。
7) シャッターの切り方
星空は刻々と動いているためシャッターを閉じている時間は、比較明合成後に
星の軌跡の切れ目となって現れます。
切れ目を最小にするためにレリーズロックで連写させるのが最もよい方法です。
8) タイマーリモートコントローラの撮影設定
プログラム制御で撮影する場合は、インターバル(撮影間隔)に1秒を設定します。
0秒設定では正しく連続撮影できません。
さらに、撮影枚数を設定をします。
9) 本番撮影
撮影を開始。星の軌跡をしっかり出したい場合には、広角レンズなら15分、
動きの遅い北向きの空を狙うなら30分くらいはシャッターを切り続けます。
10) ダークフレーム撮影
星空の撮影が終わったら、そのままレンズキャップをかぶせて、もう一枚同じ設定
で撮影します。一見何も写らないように思えますが、ノイズはしっかり写っています。
これをダークフレームといい、あとで合成した写真からノイズだけを除去するために
使います。
レリーズ・タイマーリモートC
■シャッターを連続して切るための用具。
カメラで設定できる露出時間の範囲内で連写をさせる場合は
安価なレリーズコードで十分です。
バルブ撮影で好みの露出時間を設定したり、一定間隔を空
けながら撮影(インターバル撮影)するのであれば、タイマー
リモートコントローラが必要になります。
10秒間隔で9秒露出を180回のインターバル撮影すると
合計30分の露出となります(10×180/60=30分)
■インターバル撮影機能を内蔵しているカメラであれば別に用
意する必要ありません。
比較明合成とは
■比較明合成とは、複数の撮影画像を集めて、同じ位置
にあるピクセルを串刺しにして、その中で最も明るいピク
セル情報を採用して一枚の撮影画像とする合成法です。
■星景写真の例では、従来のフィルムによる長時間露出
による撮影と比べて比較明合成の優位な点
・露出時間が短く設定できるためにデジタルカメラ特有の
ノイズが押さえられる
・明るい地上物などを白飛びさせずに適度な露出で星と
共に写し出すことができる
比較明合成フリーソフトの使い方
SiriusComp(しりうすこんぷ)
■Sirius Compは、何枚ものコマ撮り星景写真(景色の
ある星空撮影)から、比較明合成という手法によって
「星が流れるような」合成写真を簡単に行うことので
きるフリーソフトです。
■街の夜景や花火、蛍の撮影などにも活用できます。
また、微速度撮影や「コマ撮り動画」も作成できます
ので、連続撮影やインターバル撮影した風景写真な
どから動画を生成したい場合にも利用できます。