中国で手足口病の流行続く - FORTH|厚生労働省検疫所

No.65
中国で手足口病の流行続く
2009 年 3 月 28 日 ProMed 情報
(China Daily, Sinhua News Agency report)
山東省
中
国
河南省
中国では今年に入り、手足口病の流行で 18 名の子供が死亡しました。
この 3 ヵ月間で、チベットを除く 30 の省と地区で 41,846 名の患者が発生
したと中国衛生部は報告しました。患者の 94%は 5 歳以下の子供で、
75%はエンテロウイルス 71(EV71)の感染でした。94%は重症でした。
手足口病患者数は増加しており、そのピークは 5~6 月と思われます。
手足口病流行は、特に辺ぴな地方を中心に拡大しており、報告例の 5 分
の 1 は河南省と山東省で発生しました。
〔ProMED 調整者〕
ヒトに感染するエンテロウイルスは世界中でみられ、ヒトが唯一の宿主
として知られています。1969 年に発見されて以来、EV71 は中国、ブラジ
ル、ヨーロッパなどで散発的患者発生に関与してきました。感染経路は
主に糞口感染または気道感染です。症状は、他のエンテロウイルス感染
と同様に無症状から発疹、下痢、かぜ様症状、髄膜炎、脳炎、手足口病、
心筋炎などに及びます。EV71 ではそれらに加えて、急性弛緩性麻痺、球
麻痺、脳炎、ギラン・バレー症候群、肺水腫、肺出血などを引きおこすこ
とがあります。発展途上地域では幼児期が感染しやすく、先進国では思
春期に初感染を起こします。EV71 の感染は、温帯気候では夏から秋に
おこりやすく、熱帯気候では一年中感染するとされています。
厚生労働省 福岡検疫所